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JP4625672B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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JP4625672B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
Liイオンが負極と正極を移動することにより充放電が行われる非水電解質二次電池は、高エネルギー密度電池として盛んに研究開発が進められている。この非水電解質二次電池に用いる負極活物質としては、高容量かつ長寿命であるものが望まれている。
現在、負極活物質には炭素材料が用いられている。炭素材料は、可逆的なインターカレーション反応によりLi吸蔵放出反応が生じるため、長寿命である。しかし、炭素材料は、Li吸蔵量が少なく、低容量であるという問題がある。
このため、高容量が期待される金属、合金が負極活物質材料として検討されている。
金属として、Liと反応性の高い、Al、Si、Ge、Sn、Sb等が検討された。しかし、これら金属のLi吸蔵放出反応は、合金化反応により生じるため、短寿命であった。これは、合金化反応に伴い、負極活物質は構造変化や膨張収縮を繰り返し、微粉化が生じ、充放電に寄与するLi量が減少するためである。
合金として、一定条件下で溶融、冷却、熱処理を行うことにより製造した希土類元素、Snを含む特定組成を有する合金材料が提案された(特許文献1参照。)。例えば、2元系合金としてCeSn、3元系合金としてLa0.6Co0.4Sn等が挙げられている。
しかし、上述した金属と同様に、この合金のLi吸蔵放出反応は、合金化反応であるため、長寿命は得られなかった。
特開2003-197188公報
本発明は、上記事情に鑑みて、長寿命である合金材料を用いた負極活物質を具備する非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池は、容器と、この容器内に充填された非水電解質と、前記
容器内に収納され、Liを吸蔵放出する正極と、前記容器内に収納され、下記(2)式で
表される組成を有する複合積層構造からなる単位格子を有する合金を含む負極と、を具備
する非水電解質二次電池であって、前記合金は、Li吸蔵時の7Li−NMRの化学シフ
トが10ppm以上65ppm以下であることを特徴とする。
Snx1Lay1MCy2Niz1MDz2MEz3 (2)
ただし、MCは、Ce、Pr、Nd、Mg、Si、Ca、Ga、Y、Zr、Nb、Ag
、In、Hf及びPbよりなる群から選択される少なくとも一種類の元素であり、MDは
、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu及びZnよりなる群から選択される少なくと
も一種類の元素であり、MEは、Ge、Mo、Ta及びWよりなる群から選択される少な
くとも一種類の元素であり、x1、y1、y2、z1、z2およびz3は、それぞれ、0.
9≦x1≦3.0、(y1+y2)=1.0、0.0≦y2≦0.7、0.7≦(z1+z2+z3)≦1.
8、0≦z2≦0.5、0.00≦z3≦0.04である。

なお、複合積層構造とは、単位格子において、異なる種類の単位胞が積み重なった構造のことを示す。
本発明によれば、長寿命である合金材料を用いた負極活物質を具備する非水電解質二次電池を提供できる。
以下、本発明に係わる非水電解質二次電池(例えば円筒型非水電解質二次電池)について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、円筒型非水電解質二次電池の部分切欠側面図である。
例えば、ステンレスからなる有底円筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置されている。電極群3は、容器1に収納されている。電極群3は、正極4、セパレータ5及び負極6からなり、正極4と負極6はセパレータ5を介し、セパレータ5が外側に位置するように渦巻状に捲回した構造になっている。
容器1内には、非水電解質が充填され、電極群3は非水電解質に浸かっている。中央部が開口された絶縁紙7は、容器1内の電極群3の上方に配置されている。絶縁封口板8は、容器1の上部開口部に配置され、かつ容器1の上部開口部付近を内側にかしめて加工することにより封口板8は容器1に固定されている。正極端子9は、絶縁封口板8の中央には嵌合されている。正極リード10の一端は、正極4に、他端は正極端子9にそれぞれ接続されている。負極6は、図示しない負極リードを介して負極端子である容器1に接続されている。
以下、負極6、正極4、セパレータ5、非水電解質及び容器1について詳細に説明する。
1) 負極6
負極6は、例えば、負極活物質、集電体等からなる。
本発明の負極活物質は、特定結晶構造を備える3元系合金、すなわち、Sn、La,Niを構成元素として含む層を有する複合積層構造からなる単位格子を有する合金を少なくとも含有している。以後、この構造を備える合金をSn−La−Ni系合金と称する。
まず、Sn−La−Ni系合金について述べる。
Sn−La−Ni系合金は、インターカレーション反応によりLi吸蔵放出を行うため、長寿命を得ることができる。
実施例にて示すように、300サイクル後のSn−La−Ni系合金について、Li合金(例えばLi4.4Sn)のピークは観測できなかった。従って、Sn−La−Ni系合金のLi吸蔵放出反応において、インターカレーション反応が支配的であることが解る。
また、後述するように、同様の構成元素を用い、組成比を違え、異なる結晶構造を備える合金では、長寿命は得られなかった。このため、Sn−La−Ni系合金の結晶構造が長寿命の要因であると考えられる。
Sn−La−Ni系合金の複合積層構造は、Liと親和性の高いSnが主要元素となるLi吸蔵能の高い層と、Liと親和性の低いLa系元素が主要元素となるLi吸蔵能の低い層と、により形成される。Ni系元素は双方の層を構成する。
Sn−La−Ni系合金のLiの吸蔵量は、Li吸蔵能の高い層の単位胞全てにLiが吸蔵されると想定した場合よりは小さい。従って、Li吸蔵能の高い層と低い層の双方の層に、Liが安定に存在するサイトが生じていると考えられる。なお、このサイトは、後述するLi−NMRにおいてブロードなピークが観測されたことから、複数存在すると考えられる。
複合積層構造の積層数については、3層以上7層以下が好ましい。2層以下であると、異なる種類の層からなる複合積層構造は成立せず、8層以上であると、複合積層構造は不安定となるためである。
また、Sn−La−Ni系合金は、六方晶であるため、長寿命に貢献する。六方晶であると、Liの吸蔵放出の際に結晶格子のc軸のみ伸縮するという異方性の構造変化が起こる。この特徴のため、結晶格子は壊れにくく、微粉化に強い。実際、炭素、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの実用化している負極材料は六方晶であることが多い。なお、このとき、Sn−La−Ni系合金の複合積層構造は、六方晶からなる単位胞がc軸方向に積み重なる構造を採る。
さらに、Sn−La−Ni系合金は、Li吸蔵放出に伴うc軸の伸縮の変化が小さいため、長寿命に貢献する。
Sn−La−Ni系合金のc軸の伸縮の変化は、炭素と比較して、小さい。従って、構造変化が小さいため、結晶格子の構造破壊は炭素より生じ難い。
また、c軸の格子定数については、1.05nm以上2.80nm以下が好ましい。さらに、積層の平均c軸長については、0.28nm以上0.40nm以下であることが好ましい。なお、積層の平均c軸長とは、各単位胞のc軸長の平均値を示し、(積層の平均c軸長)=(c軸の格子定数)/(積層数)である。
c軸の格子定数及び積層の平均c軸長がこの範囲にあることにより、各層のc軸長は適切な長さとなる。層のc軸長が短いと結晶の構成元素との相互作用によりLiの進入が困難となり、放電容量が低下する恐れがある。層のc軸長が長いと、Li吸蔵放出の際に、結晶格子の構造変化が大きくなり、構造破壊が生じ、負極が劣化する恐れがある。
Sn−La−Ni系合金は、少なくとも下記(1)式で表される組成により構成される。
SnMAMB (1)
ただし、MBは、Ni、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ge、Mo、Sb、Ta、W及びIrよりなる群から選択される1種類以上の元素の元素であり、x、y、およびzは、それぞれ、0.9≦x≦3.0、y=1.0、0.7≦z≦1.8である。
組成については、この範囲外であると合金作製時に多相となる恐れが高い。なお、MAはLa系元素であり、MBはNi系元素である。
なお、Ni系元素については非量論組成が成立する。従って、Li吸蔵量増大と構造破壊に対する耐性を考慮し、用途によりその組成比を定める。
また、Sn−La−Ni系合金は、下記(2)式で表される組成を有すると好ましい。
Snx1Lay1MCy2Niz1MDz2MEz3 (2)
ただし、MCは、Ce、Pr、Nd、Mg、Si、Ca、Ga、Y、Zr、Nb、Ag、In、Hf及びPbよりなる群から選択される少なくとも一種類の元素であり、MDは、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu及びZnよりなる群から選択される少なくとも一種類の元素であり、MEは、Ge、Mo、Ta及びWよりなる群から選択される少なくとも一種類の元素であり、x1、y1、y2、z1、z2およびz3は、それぞれ、0.9≦x1≦3.0、(y1+y2)=1.0、0.0≦y2≦0.7、0.7≦(z1+z2+z3)≦1.8、0≦z2≦0.5、0.00≦z3≦0.04である。
(2)式に示すように、Sn−La−Ni系合金は、Sn、La、Niを上記の範囲に含むことにより安定化することが出来る。MCはLa系元素であり、MD及びMEはNi系元素である。MC、MD及びMEは任意成分であり、用途によりその組成比を定める。
MDは多置換することにより、その効果を発揮する。MEを少量添加することにより、Liに対する電荷移動反応を促進させ、急速充電もしくは高出力放電に対応させることが可能である。なお、MEは高い融点を有するため、多置換には適さない。なお、合金のビッカ−ス硬度を高めるという観点から、MCより、Nb,Zrを選択することが好ましい。
また、Sn−La−Ni系合金は、MCは、Mg若しくはCaであり、MDは、Ti、V、Fe及びCoよりなる群から選択される少なくとも一種類の元素であり、MEは、Ge若しくはTaであると好ましい。
La系元素から、軽量かつ原子半径の小さいMg,Caを選択することにより、負極高容量化および軽量化によりエネルギー密度を向上できる。また、Ni系元素から、Ti、V、Fe及びCoを選択することにより、合金のビッカ−ス硬度を高めることができる。
一般に、固体電解質のイオン伝導性を定量的に測定する方法として、Li−NMRが用いられている。化学シフトが小さいほどイオン性が高く、化学シフトが大きいほど金属性が高い。例えば、LiCl水溶液の化学シフトは、0ppmであり、金属Liの化学シフトは約260ppm付近である。
発明者らは、Li吸蔵時のSn−La−Ni系合金についてLi−NMR測定を行うことにより、Sn−La−Ni系合金におけるLiのイオン性について調査し、以下のことを導き出した。
Li吸蔵時の合金は、Li−NMRの化学シフトが10ppm以上65ppm以下のピークを有すると、長寿命を得ることができる。
10ppm未満であると、Liのイオン性が過剰となり、合金内部での安定性が増す。そのため、Li放出が困難になり、非水電解質二次電池の放電容量が低下する。65ppmより大であると、Liの金属性が過剰となり、Li4.4Snを生成しやすくなる。Li4.4Snは、体積膨張が著しく、合金の結晶性を低下させるため、負極が劣化する恐れがある。
Li吸蔵時の合金におけるLi−NMRの化学シフトについて、さらに好ましい範囲は、20ppm以上60ppm以下である。
Sn−La−Ni系合金は、高温にて溶融後、急冷する方法を用いて作製する。
溶融は、予め量りとった各元素の金属原料をAr等の不活性雰囲気下のるつぼ内にて融点以上の温度で溶解する方法を採る。低融点の合金を作製する場合には高周波溶解法、高融点の合金を作製する場合にはアーク溶解法を用いる。組成にもよるが、溶融温度は、融点の50℃以上300℃以下で行うことが好ましく、さらに好ましくは融点の100℃以上200℃以下である。溶融時間は、1分以上30分以下で行い、好ましくは約3分以上10分以下である。
急冷方法としては、超急冷法、ストリップキャスト法、アトマイズ法等が挙げられる。
またこれらの急冷方法における冷却速度は100℃/s以上2000℃/s以下であることが望ましい。特に望ましくは300℃/s以上1300℃/s以下の冷却速度である。
超急冷法は、高速回転するドラム型の冷却体上に合金溶湯を射出する。この方法により、板厚約10μm以上50μm以下のフレーク状試料を得ることができる。冷却板の回転数を抑えることで板厚100μmまでの試料も得ることができる。板厚を溶湯供給量にて制御し、冷却体の回転速度により冷却速度を制御する。
ストリップキャスト法は、超冷却法に比して、冷却体への単位時間あたりの溶湯供給量が多く、板厚約100μm以上約500μm以下のリボン状試料を得ることができる。この方法を用いると、長寿命である柱状晶組織を得られやすい。
アトマイズ法は合金溶湯に高圧水もしくは高圧ガスを吹き付けて霧状に飛散させたものをふるいわける方法である。水アトマイズ法においては、異方形の試料、ガスアトマイズ法においては、直径約10μm以上約100μm以下の球形均一試料を得ることが出来る。
得られたこれらの試料は、熱処理により組織、組成の均質化が実現でき、これは速い急冷速度で調製した試料で顕著である。
熱処理は、Ar、真空状態等の不活性雰囲気下で行う。熱処理温度は、400℃以上900℃以下で行い、好ましくは600℃以上800℃以下である。熱処理時間は、30分以上1日以下で行い、好ましくは約8時間以上12時間以下である。
なお、これらのSn−La−Ni系合金の試料には酸素濃度1000ppm以下入っていてもよい。
これらのSn−La−Ni系合金の試料を負極活物質として使用するときには、粒状と薄膜状が考えられる。
粒状試料を作製する場合、製造方法簡略化の観点からガスアトマイズ法が好ましい。これは、粒状資料の場合、他の電池材料に与える負荷を均等にするため、試料はできるだけ均一の形状が好ましいためである。なお、ガスアトマイズ法以外の方法を用いた場合、試料が均一ではないので、粉砕処理を行った方が好ましい。粉砕処理は、ボールミルやジェトミルなどの粉砕機を用いる。
薄膜状試料を作製する場合、蒸着法やスパッタ法、メッキ法が好ましい。
集電体は、銅、ステンレス若しくはニッケルからなり、箔、メッシュ、パンチドメタル、ラスメタル等を用いることができる。
以下、負極作製方法について述べる。
まず、粒状試料を負極活物質として使用する場合について述べる。
粒状試料の場合、適宜、他の負極活物質、導電剤、結着剤等を適当な溶媒に懸濁したものを集電体の片面もしくは両面に塗布、乾燥することにより作製される。
他の負極活物質として、Li吸蔵能の高い炭素材料が挙げられる。
混合するLi吸蔵能の高い炭素材料の割合は、正極材料と、求められる電池の特性(例えば、重量、容量等)により異なり、3重量%以上90重量%以下が好ましい。負極作製方法の観点から、40重量%以上60重量%以下の割合が好ましい。この割合であることにより、負極活物質、導電剤、結着剤を充分混合し、集電体へ塗布することが簡便となる。
Li吸蔵能の高い炭素材料としては、黒鉛系の炭素材料が好ましく、例えば、メソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)、メソフェーズピッチカーボンマイクロビーズ(MCMB)等が好ましい。
電子伝導性を高め、集電体との接触抵抗を抑えるための導電剤としては、導電性の高い炭素材料を用いる。例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック等が好ましい。
活物質と導電剤を結着させるための結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、エチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。
負極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、負極活物質70重量%以上95重量%以下、導電剤25重量%以下、結着剤2重量%以上10重量%以下の範囲にすることが好ましい。
導電剤については、25重量%以下であることにより、高温保存下での導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。結着剤については、2重量%以上であることにより十分な電極強度が得られ、10重量%以下であることにより、電極の絶縁体の含有量を減少させることが出来る。
次に、薄膜状合金の試料を負極活物質として使用する場合について述べる。
薄膜状試料の場合、例えば、薄膜状合金を集電体上にスパッタ法によって形成させることにより、負極を作製する。なお、薄膜状合金の場合、集電体を用いず、薄膜状合金に直接負極端子を付着しても良い。
2) 正極4
正極4は、例えば、正極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁したものをアルミニウム箔などの集電体の片面もしくは両面に塗布、乾燥、プレスして帯状電極にすることにより作製される。
正極活物質としては、酸化物、ポリマーなどが挙げられる。
例えば、酸化物としては、リチウム塩を含有した二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2O5)及びリチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCoyO2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnyCo1-yO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiyO4)、オリピン構造を有するリチウムリン酸化物(LixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4など)、などが挙げられる。
例えば、ポリマーとしては、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料などが挙げられる。
好ましい正極活物質としては、正極電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LixMn2O4)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-yCoyO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiyO4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1-yO2)、リチウムリン酸鉄(LixFePO4)などが挙げられる。(なお、x、yについて、0≦x≦1、0≦y≦1が好ましい。)
導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムなどが挙げられる。
正極活物質、導電剤及び結着剤の配合比については、正極活物質は80重量%以上95重量%以下、導電剤は3重量%以上20重量%以下、結着剤は2重量%以上7重量%以下の範囲にすることが好ましい。導電剤については、3重量%以上であることにより電子伝導性を高め、集電体との接触抵抗を抑えることができ、20重量%以下であることにより、高温保存下での導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。結着剤については、2重量%以上であることにより十分な電極強度が得られ、7重量%以下であることにより、電極の絶縁体の含有量を減少させることが出来る。
3) セパレータ5
セパレータは、正極および負極が接触するのを防止するためのものであり、絶縁性材料で構成される。さらに、正極および負極の間を電解質が移動可能な形状のものが使用される。例えば、合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルムなどを挙げることができる。
4) 非水電解質
非水電解質としては、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される液状電解質、電解質、非水溶媒および高分子材料を複合化した高分子ゲル状電解質、電解質を高分子材料に溶解し固体化した高分子固体電解質、リチウムイオン伝導性を有する無機固体電解質が挙げられる。
液状電解質は、電解質を0.5mol/l以上2mol/l以下の濃度で有機溶媒に溶解することにより、調製されることが好ましい。
非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)などの環状カーボネートや、環状カーボネートと環状カーボネートより低粘度の非水溶媒(以下第2の非水溶媒)との混合溶媒を主体とする非水溶媒を用いることが好ましい。
第2の非水溶媒としては、例えば、鎖状カーボネートとして、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、環状エーテルとしてテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランなど、鎖状エーテルとしてジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エステルとして、γ-ブチロラクトン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ニトリルとして、アセトニトリル、などが挙げられる。
電解質としては、リチウム塩が挙げられる。リチウム塩として、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)などが挙げられる。とくに、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)が好ましい。
高分子材料としては、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキシド(PECO)などの単量体の重合体または他の単量体との共重合体が挙げられる。
また、無機固体電解質として、リチウムを含有したセラミック材料、例えば、Li3N、Li3PO4-Li2S-SiS2ガラスなどが挙げられる。
5) 容器1
上述した図2においては、容器1として円筒型を用いたが、本実施の形態の非水電解質二次電池はこれに限定されるものではなく、扁平型、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、電気自動車等に積載される大型電池等が挙げられる。また、電池の容器内に収納される電極群の形状は、捲回型に限らず、積層型等でもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1〜18)
<Sn−La−Ni系合金の作製> 下記表1に示す組成比率で所定量の元素を混合し、高周波溶解法を用いて約5分、合金の融点に約100℃を足した温度(約1200℃〜約1500℃)で溶融を行った。次に、超急冷法にてロール周速を40m/sとし、速度500℃/sに冷却することにより板厚約30〜50μmの試料薄片を作製した。その後、融点直下にて熱処理を行う。例えば、実施例1の材料については、急冷後約500℃、約5時間、Ar雰囲気下において熱処理を行った。合金材料をジェットミルを用いて粉砕処理を施し、平均粉末粒径約8〜10μmのSn−La−Ni系合金粉末を得た。
<負極の作製> Sn−La−Ni系合金粉末85重量%に負極活物質としてのグラファイト5重量%、導電剤としてのアセチレンブラック3重量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)7重量%とNMP溶液とを加えて混合し、厚さ11μmの銅箔からなる集電体に塗布し、乾燥し、プレスすることにより負極を作製した。
<正極の作製> まず、正極活物質のリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)粉末91重量%をアセチレンブラック2.5重量%、グラファイト3重量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)3.5重量%と、N−メチルピロリドン(NMP)溶液を加えて混合し、厚さ15μmのアルミニウム箔の集電体に塗布し、乾燥後、プレスすることにより電極密度3.0g/cm3の正極を作製した。
<電極群の作製> 正極、ポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ、負極、及びセパレータをそれぞれこの順序で積層した後、負極が最外周に位置するように渦巻状に捲回して電極群を作製した。
<非水電解液の調製> さらに、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒に(混合体積比率1:2)に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0mol/L溶解して非水電解液を調製した。
<非水電解質二次電池の組み立て> 電極群及び電解液をステンレス製の有底円筒状容器内にそれぞれ収納して前述した図2に示す円筒型非水電解質二次電池を組み立てた。
(比較例1)
負極活物質として、3250℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長25μm、平均面間隔d(002)が0.3355nm、BET法による比表面積が3MB/g)を使用したこと以外は、上述した実施例1で説明したのと同様にして円筒型非水電解質二次電池を製造した。
(比較例2)
負極活物質として、平均粒径10μmのSn粉末を使用したこと以外は、上述した実施例1で説明したのと同様にして円筒型非水電解質二次電池を製造した。
(比較例3〜6)
下記表1に示す組成比率で所定量の元素を混合した以外は、上述した実施例1で説明したのと同様にして円筒型非水電解質二次電池を製造した。
(Sn−La−Ni系合金の同定試験)
実施例1〜18の非水電解質二次電池で用いられるSn−La−Ni系合金をArイオンミリング法により薄片化した後、高分解能透過型電子顕微鏡(HR−TEM)(日本電子製 型番JEM−4000FX)を用いて観察し、複合積層構造を備える結晶相を含むことを確認した。
実施例1に係わるSn−La−Ni系合金のHR−TEM図を図1に示す。
図1に示すように、5種類の層を繰り返し単位とした積層構造が描かれていて、層の積み重なる方向がc軸方向である。矢印で示したのは、積層構造の繰り返し単位である5種類の層である。従って、Sn−La−Ni系合金は、a軸及びb軸方向には類似した構成元素からなる単位胞による層が広がり、c軸方向に異なる種類の単位胞が積み重なることが解る。
また、実施例1〜18の非水電解質二次電池で用いられるSn−La−Ni系合金について、X線回折パターンより、c軸の格子定数を求めた。この結果を表1に示す。
また、実施例1〜18の非水電解質二次電池で用いられるSn−La−Ni系合金について、XRD(マックサイエンス社 M18XHF22-SRA)および電子線回折装置(日本電子製 型番JEM−4000FX)を用いて六方晶であることを確認した。
(充放電サイクル試験)
実施例1〜18および比較例1〜6の非水電解質二次電池について、測定環境温度を20℃と設定し、充電電流1Cで4.2Vまで3時間充電後、3.0Vまで0.7Cで放電する試験において、比較例1の炭素を基準とした体積当たりの放電容量比と、この充放電を300回繰り返した時の容量維持率(1回目の容量を1とした時の300サイクル目の容量)と、を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004625672
表1に示すように、Sn−La−Ni系合金は、様々な組成によって成立する。c軸の格子定数は、約1.05nm以上約2.80nm以下の範囲にあり、積層数は、3以上7以下の範囲にある。積層の平均c軸長は、組成の影響も大きいが、積層数3及び7の合金は長く、積層数4、5及び6の合金は短いという特徴がある。
実施例1乃至18は、比較例1乃至6に比して、容量維持率が高い。従って、本実施の形態の非水電解質二次電池は、長寿命であることが解る。反対に、比較例3乃至5に示した2元系合金や、比較例6に示した複合積層構造を持たない3元系合金は、短寿命であるということが解る。
実施例1乃至18は、比較例3乃至6に比して、ほぼ同等の体積当たりの放電容量比である。従って、本実施の形態の非水電解質二次電池は、一般的な合金とほぼ同等の高容量を備えることが解る。
実施例6、17及び18を比較すると、La系元素の内、Mgの割合が増加するほど、体積当たりの放電容量比が向上する。これにより、軽量かつ原子半径の小さいMg、Caは、負極高容量化に貢献することが解る。
ここで、実施例1乃至18及び比較例1乃至6について、(1)式及び(2)式に対応した組成を表2に示す。
Figure 0004625672
実施例1乃至18は、(1)式のx、y、およびzについて、0.9≦x≦3.0、y=1.0、0.7≦z≦1.8の範囲にある。
また、実施例1乃至18は、(2)式のx1、y1、y2、z1、z2およびz3について、0.9≦x1≦3.0、(y1+y2)=1.0、0.0≦y2≦0.7、0.7≦(z1+z2+z3)≦1.8、0≦z2≦0.5、0.00≦z3≦0.04の範囲にある。
(X線回折)
La−Sn−Ni系合金を負極活物質に用いた実施例1の非水電解質二次電池について、初期状態(充電前)、充電状態における負極活物質のX線回折パターン(マックサイエンス社 型番M18XHF22-SRA)を図3に示す。
図3に示すように、実施例1の非水電解質二次電池では、充電状態において、通常38.4(2θ(°))付近に表れるLi4.4Snに由来するピークが現れていないことが確認できた。これにより、Sn−La−Ni系合金においては、合金化反応ではなくインターカレーション反応が支配的であることが解る。
また、図3に示すように、充電前状態と充電状態において、選択的な回折ピークのみにシフトが見られる。これは、Li吸蔵放出により、一方向のみ、つまりc軸のみの伸縮が生じていることを示す。なお、この回折ピークのシフトは、炭素より小さい。従って、Liの吸蔵放出に伴うSn−La−Ni系合金のc軸の伸縮は、炭素より小さいことが解る。
実施例1乃至18及び比較例1乃至2について、Li−NMRの測定を行った。
まず、作製した非水電解質二次電池をAr雰囲気下のグローブボックス中にて分解し、銅箔に塗布してある負極活物質を剥ぎ取り、NMR測定用試料とした。密閉容器にNMR測定用試料を入れ、窒素雰囲気下の測定セルまで運搬した。
Li−NMR)
次に、得られた試料について、Li−NMRの測定を行った。装置としてChemagnetics社製CMX-300、測定プローブとして5.0mm径セラミック製プローブを用いた。測定温度は、20℃、測定雰囲気は乾燥窒素ガスとした。化学シフトは、1M LiCl水溶液を外部基準(0ppm)として用いた。
実施例18に係わるLi吸蔵時のSn−La−Ni系合金のLi−NMR図を図4に示す。図4において、黒丸を実線で繋いだ線が測定結果である。
図4に示すように、Sn−La−Ni系合金由来のピークは重なっており、全般的にブロードなピークとして表れている。けれども、このピークの形状から、実施例18に係わるLi吸蔵時のSn−La−Ni系合金は、約21ppm、約35ppm、約65ppm付近にピークを有することが予想できる。
最後に、実施例1乃至18に係わるLi吸蔵時のSn−La−Ni系合金において観測されたピークがブロードであったため、波形分離を行った。波形分離とは、得られたNMRピークに指数関数型ウインドウ(30Hz)を適用後、フーリエ変換を行い、重なったピークを分割して表すものである。波形分離のデータ処理には、Chemagnetics社製SpinsightおよびGalactic社製のGramsを用いた。
図4において、白抜きの四角を実線で繋いだ線が波形分離の結果である。図4に示すように、実施例18に係わるLi吸蔵時のSn−La−Ni系合金は、大きいピークから順に、約35ppm、約19ppm、約65ppmにピークを有することが解る。
観測されたNMRピークを表3にまとめた。実施例1乃至18については、ブロードなピークが観測されたため、波形分離後のピークの化学シフトについて最大値及び最小値を示した。比較例1乃至2については、シャープなピークが観測されたため、観測データのピークを示した。
Figure 0004625672
表3に示すように、実施例1乃至18のSn−La−Ni系合金由来のピークの化学シフトについて、最大値は、55ppm以上65ppm以下の範囲にあり、最小値は、10ppm以上19ppm以下の範囲にある。従って、表1および表3より、Li吸蔵時の合金は、Li−NMRの化学シフトが10ppm以上65ppm以下であると、長寿命であることが解る。
実施例1に係わるSn−La−Ni系合金のHR−TEMの図。 本発明に係わるリチウム二次電池を示す部分断面図。 実施例1に係わる負極活物質について、充電前状態、充電状態のX線回折パターンを示す特性図。 実施例18に係わるSn−La−Ni系合金のLi吸蔵時のLi−NMRの図。
符号の説明
1 容器
2 絶縁体
3 電極群
4 正極
5 セパレータ
6 負極
7 絶縁紙
8 絶縁封口板
9 正極端子
10 正極リード

Claims (3)

  1. 容器と、
    この容器内に充填された非水電解質と、
    前記容器内に収納され、Liを吸蔵放出する正極と、
    前記容器内に収納され、下記(2)式で表される組成を有する複合積層構造からなる単
    位格子を有する合金を含む負極と、を具備する非水電解質二次電池であって、
    前記合金は、Li吸蔵時の7Li−NMRの化学シフトが10ppm以上65ppm以下であること
    を特徴とする非水電解質二次電池。
    Snx1Lay1MCy2Niz1MDz2MEz3 (2)
    ただし、MCは、Ce、Pr、Nd、Mg、Si、Ca、Ga、Y、Zr、Nb、Ag
    、In、Hf及びPbよりなる群から選択される少なくとも一種類の元素であり、MDは
    、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu及びZnよりなる群から選択される少なくと
    も一種類の元素であり、MEは、Ge、Mo、Ta及びWよりなる群から選択される少な
    くとも一種類の元素であり、x1、y1、y2、z1、z2およびz3は、それぞれ、0.
    9≦x1≦3.0、(y1+y2)=1.0、0.0≦y2≦0.7、0.7≦(z1+z2+z3)≦1.
    8、0≦z2≦0.5、0.00≦z3≦0.04である。
  2. 前記単位格子は六方晶であり、前記単位格子のc軸の格子定数は1.05nm以上2.80nm以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. MCは、Mg若しくはCaであり、MDは、Ti、V、Fe及びCoよりなる群から選
    択される少なくとも一種類の元素であり、MEは、Ge若しくはTaであることを特徴と
    する請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
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