JP4626086B2 - ディジタルサブトラクション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、医療分野、工業分野などに用いられる、被検体の撮像部位をX線透視撮像してその撮像部位のサブトラクション像を得るディジタルサブトラクション装置に係り、特に、被検体の撮像部位のサブトラクション像を好適に得る技術に関する。
【0002】
【従来技術】
従来のディジタルサブトラクション装置としては、例えば、医療分野で用いられる、被検体の所定の撮像部位のサブトラクション像を得るディジタルアンギオグラフィ装置がある。このディジタルアンギオグラフィ装置としては、例えば、被検体の撮像部位を1回X線透視撮像するだけでその撮像部位のサブトラクション像を得れるものがある。以下に、このディジタルアンギオグラフィ装置により、被検体の所定の撮像部位のサブトラクション像を得る動作について、説明する。
【0003】
まず、造影剤が投与された被検体の所定の撮像部位を、X線透視撮像装置(X線管と、イメージインテンシファイアとテレビカメラ、FPD(Flat Panel Detector)などで構成される撮像系とを備えたもの)でもってX線透過像として撮像し、この撮像したX線透視像をディジタルデータに変換して基本画像を取得する。この基本画像は、造影剤が投与された血管像などの高周波数成分が残っている画像であり、これをライブ像として用いる。一方、周波数特性変換回路によって、前記基本画像を構成する周波数成分を空間/周波数変換処理で取り出し、所定のしきい値周波数以上の周波数成分を除去し、これに周波数/空間変換処理を施して、前記基本画像から前記しきい値周波数以上の周波数成分を除去した高周波数成分除去画像を得ている。この高周波数成分除去画像は、造影剤が投与された血管像などの高周波数成分が除去された画像であり、これをマスク像として用いる。前記の空間/周波数変換処理としては、FFT(高速フーリエ変換)、カルーネン・レーベ変換、DCT(離散コサイン変換)、アダマール変換などの各変換方式がある。また、前記の周波数/空間変換処理としては、前記空間/周波数変換処理の逆変換(逆FFT、逆カルーネン・レーベ変換、逆DCT、逆アダマール変換など)がある。
【0004】
次に、遅延回路によって、後段の演算器へのライブ像(基本画像)の供給を前記周波数特性変換回路の処理時間分だけ遅延させることで、ライブ像(基本画像)とマスク像(高周波数成分除去画像)とを後段の演算器に同期して供給している。そして、演算器は、ライブ像(基本画像)からマスク像(高周波数成分除去画像)をサブトラクションしてサブトラクション像(サブトラクション画像)を求めている。なお、上述の所定のしきい値周波数は、サブトラクション像に残したい関心物(血管像など)を好適に除去し得る周波数値のことであり、このしきい値周波数を予め理論的あるいは実験的に求めておいて設定することで、サブトラクション像を得るようにしている。
【0005】
このように、造影剤が投与された被検体の所定の撮像部位を1回だけX線透視撮像するだけで、その撮像部位のサブトラクション像を得ることができるので、造影剤の投与前後の2回にわたってX線透視撮像する場合に比べて、被検体へのX線曝射線量が軽減できるとともに、ライブ像(基本画像)からマスク像(高周波数成分除去画像)を生成していることから、造影剤投与前後の2回の撮像における被検体の体動などに起因するマスク像とライブ像の画像ずれを完全に無くすことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、上述した従来例では、関心物(例えば、血管像など)を好適に除去するための、予め実験的に求めたしきい値周波数を用いて、ライブ像(基本画像)からそのしきい値周波数以上の周波数成分を除去したマスク像(高周波数成分除去画像)を得て、ライブ像(基本画像)からマスク像(高周波数成分除去画像)をサブトラクションして、関心物(例えば、血管像など)を残したサブトラクション像を得るようにしているので、例えば、X線透視撮像毎に、関心物の空間的形状(大きさや形など)の傾向が異なるような場合において、全てに渡って適正なしきい値を用意しておくことは事実上不可能であり、標準値から外れた関心物、すなわち、設定されたしきい値では十分に除去されない関心物については、好適なサブトラクション像を得ることができないという問題がある。
【0007】
また、一回のX線透視撮像において、空間的形状の異なる複数種類の関心物が存在する場合、つまり、撮像部位内に空間的形状の異なる複数種類の関心物が存在する場合にも、全ての関心物に対して最適となるようなしきい値を求めることは不可能であり、一部の関心物については好適なサブトラクション像を得ることができず、好適に観察できなくなる。例えば、関心物を例えば血管とした場合であっても、動脈や静脈などで臓器に近い部分の太い血管と、動脈や静脈の末梢に位置する毛細血管などの細い血管とでは、それらの大きさの違いからわかるように、上述のしきい値周波数は異なる。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被検体の撮像部位のサブトラクション像を好適に得ることができるディジタルサブトラクション装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載のディジタルサブトラクション装置は、被検体の所定の撮像部位のサブトラクション像を得るためのディジタルサブトラクション装置であって、(a)前記撮像部位にX線を照射し、その部位のX線透過像を撮像するX線透視手段と、(b)前記X線透過像をディジタルデータに変換するデータ変換手段と、(c)前記ディジタルデータに変換されたX線透過像(以下、基本画像という)から所定のしきい値周波数以上の周波数成分を除去した画像(以下、高周波数成分除去画像)を得る周波数特性変換手段と、(d)前記基本画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行い、その撮像部位のサブトラクション像を求める演算手段と、(e)前記演算手段への基本画像の供給を遅らせて、前記基本画像と高周波数成分除去画像とを前記演算手段に同期して供給させる遅延手段と、(f)サブトラクション像を表示する表示手段と、(g)与えられた変更指示に従って前記のしきい値周波数を変更するしきい値周波数変更手段とを備え、前記周波数特性変換手段は、実空間上で直線形状で表されるテンプレートフィルタでもって前記基本画像の高周波数成分を実空間上で除去する実空間フィルタリング部を備え、前記実空間フィルタリング部のテンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,Y,Z軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、X,Y軸方向を前記テンプレートフィルタの矩形形状の底面大きさとし、Z軸方向を前記テンプレートのゲインとし、Z軸方向に先細りとなる立体形状であって、かつ、前記テンプレートフィルタのZ方向の少なくとも中央から先細りの先端部にかけて角錐形状で表されるものであり、前記実空間フィルタリング部は、前記基本画像の行方向および列方向に三角形フィルタをかけることにより、前記テンプレートフィルタを実現することを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2に記載のディジタルサブトラクション装置は、請求項1に記載のディジタルサブトラクション装置において、前記基本画像の高周波数成分を強調した画像(以下、高周波数成分強調画像という)を得る第2の周波数特性変換手段を備え、前記演算手段は、前記基本画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行うのではなく、前記高周波数成分強調画像と前記高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行うことで、その撮像部位のサブトラクション像を求めることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3に記載のディジタルサブトラクション装置は、請求項1に記載のディジタルサブトラクション装置において、前記ディジタルデータに変換されたX線透過像(以下、基本画像という)を順次取り込み、複数回数分の撮像で得られた基本画像の平均画像を求める積分処理手段を備え、前記周波数特性変換手段は、前記平均画像から所定のしきい値周波数以上の周波数成分を除去した画像(以下、高周波数成分除去画像)を得るようにし、前記演算手段は、前記平均画像と前記高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行い、撮像部位のサブトラクション像を求めることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】
この発明の作用は次の通りである。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、被検体の所定の撮像部位に対して、X線透視手段でX線透過像を撮像し、データ変換手段でディジタルデータに変換して基本画像を得る。この基本画像は、関心物の高周波数成分が残っている画像であり、これをライブ像として用いる。一方、周波数特性変換手段は、前記基本画像から所定のしきい値周波数以上の周波数成分を除去した高周波数成分除去画像を得る。この高周波数成分除去画像は、関心物の高周波数成分が除去された画像であり、これをマスク像として用いる。遅延手段は、後段の演算手段へのライブ像(基本画像)の供給を前記周波数特性変換手段での所定の処理時間分だけ遅延させることで、ライブ像(基本画像)とマスク像(高周波数成分除去画像)とを後段の演算手段に同期して供給している。そして、演算手段は、ライブ像(基本画像)からマスク像(高周波数成分除去画像)をサブトラクションしてサブトラクション像を求める。表示手段は、サブトラクション像を表示する。しきい値周波数変更手段は、与えられた変更指示に従って前記のしきい値周波数を変更する。したがって、しきい値周波数の変更指示により、しきい値周波数変更に係る新たなサブトラクション像が表示手段に表示されるので、適正なしきい値を対話的に設定することができ、表示手段に表示されるサブトラクション像をモニタリングしながら好適なサブトラクション像が得れる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用で基本画像と高周波数成分除去画像とが得られる。そして、第2の周波数特性変換手段は、得られた基本画像の高周波数成分を強調した高周波数成分強調画像を得る。演算手段は、この高周波数成分強調画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行うことで、その撮像部位の関心物をより強調したサブトラクション像を求める。したがって、関心物をより強調したサブトラクション像を得る場合であっても、しきい値周波数の変更により、好適なサブトラクション像が得られる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明によれば、積分処理手段は、複数回数分の撮像で得られた基本画像の平均画像を求める。この平均画像をライブ像として用い、このライブ像(平均画像)から請求項1に記載の発明と同様の処理で高周波数成分除去画像を得ているので、ライブ像及びマスク像のS/N比が向上する。演算手段は、ライブ像(平均画像)からマスク像(平均画像から得られた高周波数成分除去画像)をサブトラクションして、撮像部位のサブトラクション像を求める。したがって、高画質なサブトラクション像を得る場合であっても、しきい値周波数の変更により、好適なサブトラクション像が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、上述の周波数特性変換手段での高周波数成分除去画像の生成は、実空間フィルタリング部によって行われる。実空間フィルタリング部は、実空間上で直線形状で表されるテンプレートフィルタでもって前記基本画像の高周波数成分を実空間上で除去する。従来のガウス関数形状のテンプレートフィルタでは、フィルタサイズが例えば51(TAP数)×51(TAP数)のように大きくなることでフィルタリングの演算量が膨大になり、リアルタイムに近い短時間での処理は不可能であったが、この請求項1に記載の発明では、実空間上で直線形状で表されるテンプレートフィルタでもってフィルタリングするので、フィルタ移動によって更新される部分についての加減算のみを行なうだけで良く、フィルタサイズに依らずにそのフィルタリングの演算量が一定量に低減され、リアルタイムに近い短時間での処理が可能となり、しきい値周波数の変更により、リアルタイムに好適なサブトラクション像が得られる。
【0020】
また、本発明によれば、実空間フィルタリング部のテンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,Y,Z軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、X,Y軸方向をテンプレートフィルタの矩形形状の底面大きさとし、Z軸方向を前記テンプレートのゲインとし、Z軸方向に先細りとなる立体形状であって、かつ、テンプレートフィルタのZ方向の少なくとも中央から先細りの先端部にかけて角錐形状で表されるものとしている。したがって、フィルタ移動によって更新される部分についての加減算のみを行なうだけで良く、フィルタサイズに依らずにそのフィルタリングの演算量が一定量に低減され、リアルタイムに近い短時間での処理が可能となる。また、しきい値周波数の変更により、リアルタイムに好適なサブトラクション像が得られる。さらに、テンプレートフィルタ形状が四角柱形状の場合よりも、高周波数成分を除去する周波数特性に優れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明のディジタルサブトラクション装置に係る一実施例としてのX線ディジタルアンギオグラフィ装置について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
<第1実施例>
図1は、この発明の第1実施例に係るX線ディジタルアンギオグラフィ装置の全体構成を示す正面図であり、図2は、X線透視装置を側面から見た図であり、図3は、画像処理部の構成を示すブロック図である。
【0023】
この第1実施例のX線ディジタルアンギオグラフィ装置は、ベッド1、X線透視手段としてのX線透視装置2、画像処理部3、表示手段としてのモニタ4、制御部5、操作盤6などを備えて構成されている。
【0024】
ベッド1は、床面に設置されたベッド基台11と天板12を備えている。被検体Mは天板12上に載置される。この天板12はモータ13の駆動で水平移動可能であり、天板12上の被検体MとX線透視装置2との相対的な位置関係を被検体Mの体軸方向に変位することができる。モータ13の駆動制御は、制御部5により行われる。
【0025】
X線透視装置2は、X線管21、撮像系22を支持するC型アーム23がベッド1の近傍に定置された装置基台24の上部に支持されて構成されている。C型アーム23は、モータ25の駆動で図2の矢印方向に変位可能に装置基台24に支持されており、X線管21、撮像系22を被検体Mの体軸回りに変位可能に構成し、X線透過像の撮像方向の調整が可能となっている。モータ25の駆動制御は制御部5により行われる。
【0026】
X線管21と撮像系22とはC型アーム23の両端部に取り付けられており、天板12上の被検体Mを挟み込んだ状態で対向配置されている。X線管21から被検体Mの任意の撮像部位に向けて照射され、被検体Mを透過したX線は、撮像系22で受像され、その部位のX線透過像が撮像される。X線管21からのX線の照射は、X線高電圧発生装置26から所定の電力(X線管電圧およびX線管電流)がX線管21に供給されて行われる。X線高電圧発生装置26からX線管21への所定の電力の供給は制御部5に制御されて行われる。撮像系22は、イメージインテンシファイアやテレビカメラなどで構成されている。撮像されたX線透過像は画像処理部3に与えられる。
【0027】
画像処理部3は、図3に示すように、データ変換手段としてのA/D(アナログtoディジタルデータ)変換器31、高周波除去手段としての周波数特性変換回路32、遅延回路33、演算手段としての演算器34、階調変換回路35、D/A(ディジタルtoアナログ)変換器36で構成されている。
【0028】
造影剤が投与された被検体Mの所定の撮像部位のX線透過像が撮像されると、撮像系22からのその像の画像信号(アナログ信号)は、A/D変換器31でディジタルデータに変換され基本画像が得られる。この基本画像は、骨格などの低周波数成分や、造影剤が投与された血管像などの高周波数成分を含んだ画像であり、これをライブ像として用いる。この基本画像(ライブ像)は、周波数特性変換回路32と遅延回路33とに与えられる。周波数特性変換回路32は、後述する処理によって基本画像から血管像などの高周波数成分を除去しマスク像を得る。演算器34では、遅延回路33を経て供給されるライブ像と、周波数特性変換回路32を経て供給されるマスク像とのサブトラクションを行いサブトラクション像を求めて階調変換回路35に与える。階調変換回路35では、サブトラクション像をモニタ5に表示したとき見やすい画像にするために、サブトラクション像を構成する各画素の濃度を調整(全画素を対象に、各画素の濃度に所定濃度を加算したり減算する)する。階調変換されたサブトラクション像はD/A変換器36に与えられ、そこでD/A変換されてモニタ4に表示される。遅延回路33は、周波数特性変換回路32での処理時間による時間的な遅れを補償するために設けており、これにより、ライブ像とマスク像とが同期されて演算器34に供給される。なお、画像処理部3を構成する各部の動作制御は、制御部5により行われる。
【0029】
周波数特性変換回路32は、基本画像(ライブ像)から血管像などの高周波数成分を除去して高周波数成分除去画像(マスク像)を得ることを、実空間データのままで高速処理することを目的とするものである。また、この周波数特性変換回路32は、図3に示すように、しきい値変更手段7に接続されており、しきい値変更手段7から変更指示(しきい値周波数を変更させるための指示)が与えられるようになっており、この変更指示に従ってしきい値周波数が変更される。このしきい値変更手段7は、制御部5の機能うちで画像処理部3の周波数特性変換回路32を制御する機能と、操作盤6の機能うちでしきい値周波数の変更指示を制御部5に与える機能とを備えたものであり、制御部5および操作盤6の構成うちの一部の構成に属するものである。
【0030】
周波数特性変換回路32は、実空間上で直線形状で表されるテンプレートフィルタでもって前記基本画像の高周波数成分を実空間上で除去する実空間フィルタリング部32aを備えている。この実空間フィルタリング部32aのテンプレートフィルタ形状は、例えば、図7に示すように、互いに直交するX,Y,Z軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、X,Y軸方向をテンプレートフィルタの矩形形状である底面大きさとし、Z軸方向をこのテンプレートのゲインとした四角柱形状で表されるものとしている。この実空間上で四角柱形状のテンプレートフィルタ(以下、適宜に「ボックスフィルタ」と呼ぶ)による処理方法は、図8に示すように、入力画像(入力される基本画像)における画素(i,j)の近傍(N×N点の正方形分)の平均濃度を出力画像の画素(i,j)の値とし、この平均処理を全画素について行うことで、基本画像から所定のしきい値周波数以上の周波数成分(高周波数成分)を除去した高周波数成分除去画像(マスク像)を得るものであり、移動平均フィルタ法と適宜に呼ぶこととする。
【0031】
なお、図8は、図7に示したボックスフィルタを、フィルタ処理しようとする基本画像の所定の複数個の画素上に位置させた状態をZ軸方向から見下ろした図である。図8では、ボックスフィルタのフィルタサイズを、説明の便宜上、3×3の正方形として図示し、画素(i,j)とその周囲の8画素とからなる9画素(9点)の平均値を画素(i,j)の値としているが、このフィルタサイズは、次に説明するように所定のしきい値周波数以上の周波数成分(高周波数成分)を除去する大きさに設定される。すなわち、このボックスフィルタは、そのフィルタサイズに応じてしきい値周波数が変更されることになる。つまり、フィルタサイズを大きくすればしきい値周波数を下げることになりぼかしの程度が大きくなるし、フィルタサイズを小さくすればしきい値周波数を上げることになりぼかしの程度が小さくなるのである。ボックスフィルタのフィルタサイズは、図7に示すように、例えば21×21点(TAP数×TAP数)の正方形としている。このTAP数はカーネルの点数のことでもある。また、標準的な空間的形状の血管像を好適に除去し得るしきい値周波数は、実験的あるいは理論的に求めておくことができるので、標準的な空間的形状の血管像を好適に除去し得るボックスフィルタのフィルタサイズも同様に実験的あるいは理論的に求めておいても良いし、そのフィルタサイズは初期値として設定しておいても良い。この第1実施例では、しきい値変更手段7からの変更指示は、フィルタサイズを変更するという形式で行われ、操作盤6の例えばダイヤルや操作ボタンなどを操作することで、変更量を連続的に変化させるように入力したり、操作盤6の例えばテンキーなどで特定の数値(変更後の値)を指定入力したりするなど、各種の入力方法でもって使用者により操作される。使用者は、モニタ4に表示されるサブトラクション像をモニタリングしながら、必要に応じて、対話的に上記の変更を行うことになる。
【0032】
なお、上述の移動平均フィルタ法は、次に説明するようにすることで、高速に演算処理ができるように改良されたものである。例えば、フィルタサイズがN点×N点であるボックスフィルタを用いて移動平均を求めるには、ボックスフィルタが位置するN×N点の画素を正直に加算した合計値をボックスフィルタの点数分(N×N点)で平均することで、ボックスフィルタの中心の画素の値を算出し、この演算を全画素について個別に行なっていたのでは、演算量が膨大になり高速に演算処理することができないし、フィルタサイズが大きくなるにつれてその演算量は増加することになる。
【0033】
そこで、次に説明するようにして、上述の移動平均フィルタ法を高速に演算処理可能に改良している。すなわち、図9に示すように、N×N点の移動平均を求めるには、各画素についてN×N点の加算を正直に計算することなく、前回の結果に対して、更新される部分についての加減算を行うことで、簡単に計算でき、演算時間が短縮できる。例えば、1次元状の「A」〜「F」の画素に対して、1次元状の3点のボックスフィルタで移動平均する場合を例に挙げて説明する。「A」〜「C」の画素にボックスフィルタがある場合は、「A+B+C」の3点平均値が「B」画素の値となる。そして、ボックスフィルタを次の位置(「B」〜「D」の画素の位置)に移動させたときには、前回の値(「A+B+C」)から更新される部分(「D」が加わり、「A」が外される)についての加減算(−A+D)を行うだけでよく、前回と今回とで重複する加算を行なうという無駄が排除できるし、フィルタサイズが大きくなってもその演算量(演算の総量)は低減したまま一定である。この例では、説明の便宜上、ボックスフィルタを3点としているが、ボックスフィルタの点数が大きくなればなる程、全点について正直に順次加算していく演算量と、更新される部分の加減算のみを行なう演算量との差は大きくなり、効果的に改善されることがわかる。なお、図7,図8に示すようにN×N点のボックスフィルタの2次元移動平均の場合には、縦方向のN行累算値を、図9と同様の方法で求め、さらに横方向に図9と同様の方法を繰り返していけばよい。すなわち、N×N点のボックスフィルタの2次元移動平均の場合であっても、更新される部分の加減算は、1画素の加算および1画素の減算のみである。上述したように演算の総量を低減しているので、汎用のチップを用いて実空間フィルタリング部32aを構成することができ、基本画像を撮像してから極めて短時間で(リアルタイムに近く)サブトラクション像をモニタ4に表示させることができる。
【0034】
図1,図2に戻って、制御部5は、操作盤6からの各種の指示などによって、各装置、各部の駆動制御や動作制御を行う。例えば、制御部5は、操作盤6から、ボックスフィルタのフィルタサイズを変更する変更指示を受けると、実空間フィルタリング部32aのボックスフィルタのフィルタサイズを変更指示に応じたサイズに変更する。この制御部5は、例えば、後述する動作を実現するプログラムを遂行するCPU(中央処理装置)で構成されている。
【0035】
操作盤6は、撮像部位や条件の設定、処理開始指示、フィルタサイズを変更する変更指示などを、操作者が行うためのものである。操作盤6における、フィルタサイズを変更する構成としては、例えば、マウス、トラックボール、キーボード、ジョイスティックなどの入力装置が挙げられる。
【0036】
上記構成を有する実施例装置の動作を以下に説明する。
まず、被検体Mのある1箇所の撮像部位(例えば胸部)のサブトラクション像を得る場合の動作を説明する。
【0037】
この場合、まず、操作者により操作盤6から設定された撮像部位や条件(撮像方向など)に従って、制御部5は、モータ13を駆動制御して被検体Mを載置した天板12を水平移動させ、設定された撮像部位(胸部とする)を、X線管21、撮像系22の間の撮像位置に位置させ、モータ25を駆動制御してX線管21、撮像系22を被検体M(の撮像部位)の体軸回りに変位させ、撮像方向を調節する。この状態を図4に示す。図4では、撮像部位SBの下方からX線を照射してX線透過像を撮像するように撮像方向が調節されている。
【0038】
次に、被検体Mに造影剤を投与する。なお、造影剤を投与してから上記位置合わせ動作などを行ってもよい。いずれにしても、以下の撮像動作の前に、被検体Mに造影剤を投与しておき、撮像部位SBに造影剤が拡散した状態で操作者が操作盤6から処理開始を指示し、以下の撮像動作が実行される。
【0039】
処理開始が指示されると、制御部5はX線高電圧発生装置26を制御して、X線管21に所定の電力を供給させてX線を照射させ、造影剤が拡散された撮像部位SBのX線透過像を撮像させる。そして、制御部5は、画像処理部3の各部を制御して、基本画像(ライブ像)を得るとともに、その基本画像からマスク像を求め、ライブ像とマスク像とのサブトラクションを行わせサブトラクション像をモニタ4に表示させる。
【0040】
したがって、ある撮像部位のサブトラクション像を得るための被検体へのX線照射は1回でよく、1フレームの基本画像からマスク像とライブ像を得ているので、被検体の体動によるマスク像とライブ像の画像のずれも完全に無い。
【0041】
ここで仮に、モニタ4に表示されたサブトラクション像が好適なものでない場合には、使用者は操作盤6によってフィルタサイズの変更指示を入力する。制御部5は、実空間フィルタリング部32aのボックスフィルタのフィルタサイズを、操作盤6からの変更指示に応じたサイズに変更する。そして、X線透視撮像を行って基本画像(ライブ像)を得るか、または、A/D変換器31の出力側に設けられたメモリ(図示省略)に記憶しておいたディジタルデータとしての基本画像(ライブ像)を読み出すようにする。実空間フィルタリング部32aは、前記の変更されたフィルタサイズでもって基本画像(ライブ像)をフィルタリングして、マスク像(高周波数成分除去画像)を生成する。減算器34により、基本画像(ライブ像)からマスク像(高周波数成分除去画像)をサブトラクションして得られたサブトラクション像は、階調変換回路36やD/A変換器36を介して、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラクション像として、モニタ4にリアルタイムに表示される。このように、操作盤6への変更指示入力から、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラクション像のモニタ4への表示までは、即時に行われる。したがって、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラクション像がモニタ4にリアルタイムに表示されるので、適正なしきい値(適正なフィルタサイズ)を対話的にリアルタイムに設定することができ、モニタ4に表示されるサブトラクション像をモニタリングしながら好適なサブトラクション像を表示させることができる。
【0042】
次に、被検体MとX線透視装置2との相対的な位置関係を被検体Mの体軸方向に変位させて、例えば、図5に示すように、胸部から腹部にかけての領域SR内の複数の撮像部位のサブトラクション像を得る場合の動作を説明する。なお、この実施例では、X線透視装置2を固定し、これに対して被検体Mを載置した天板12を水平移動するように構成しているが、撮像状況をわかり易くするために、図5では、天板12上の被検体Mを固定し、これに対してX線透視装置2(X線管21、撮像系22)が変位しているように描いている。
【0043】
この場合、制御部5は、最初の撮像部位(図では、撮像領域SRの左端部側の撮像部位)を撮像位置に位置させ、撮像方向を調節する。そして、以下の撮像動作の前に被検体Mに造影剤を投与しておく。
【0044】
被検体Mの各撮像部位(領域SR)に造影剤が拡散し、処理開始が指示されると、上記1箇所の撮像領域SBのサブトラクション像を求めた手順と同様の手順で、最初の撮像部位のサブトラクション像を求め、天板12を図5の左方向に定速で移動させながら、以降の各撮像部位が撮像位置に位置するごとに、その撮像部位のサブトラクション像を順次求めていく。
【0045】
したがって、被検体とX線透視装置との相対的な位置関係を被検体の体軸方向に変位させて、複数の連続する撮像部位に対するサブトラクション像を得る場合であっても、被検体へのX線曝射線量を必要最小限とし、被検体の体動や撮像する部位のずれなどに起因する、各撮像部位ごとの対となるマスク像とライブ像との画像のずれを完全に無くしている。
【0046】
ここで仮に、上述の領域SRを撮像している途中で好適なサブトラクション像が得られなくなった場合について説明する。好適なサブトラクション像が得られなくなると、使用者は操作盤6にフィルタサイズの変更指示を入力する。制御部5は、実空間フィルタリング部32aのボックスフィルタのフィルタサイズを、操作盤6からの変更指示に応じたサイズに変更する。操作盤6からのフィルタサイズの変更指示に従って、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラクション像がモニタ4にリアルタイムに表示されるので、適正なしきい値(適正なフィルタサイズ)を対話的にリアルタイムに設定することができ、モニタ4に表示されるサブトラクション像をモニタリングしながら好適なサブトラクション像を表示させることができる。
【0047】
なお、天板12を固定し、X線透視装置2を天板12上の被検体Mの体軸方向に移動させることで、被検体とX線透視装置との相対的な位置関係を被検体の体軸方向に変位させるように構成してもよい。
【0048】
また、被検体Mのある部位(例えば、胸部)を撮像位置に位置させた状態で、図6に示すように、X線管21、撮像系22をその部位の回り(体軸回り)に回転変位させながら、各撮像方向からのサブトラクション像を求めることもあるが、このような場合であっても、上記各動作と同様に、被検体MへのX線曝射線量を必要最小限とし、各撮像方向からのサブトラクション像を求めるための一対のマスク像とライブ像とに画像のずれが生じることがない。
【0049】
また、実空間フィルタリング部32aは、実空間上で直線形状で表されるテンプレートフィルタでもって、基本画像の高周波数成分を実空間上で除去しており、次に説明するような効果がある。
【0050】
例えば、従来のガウス関数形状のテンプレートフィルタでは、図16に示すそのガウス曲線形状からもわかるように、基本画像を単純な加減算のみで処理することできないし、フィルタサイズ(N×N点)が例えば51(TAP数)×51(TAP数)点のように大きくなることでフィルタリングの演算量が膨大になり、従来例の場合における演算量は次に示す式(1)で表されて、リアルタイムに近い短時間での処理は不可能であった。なお、式(1)中のPは、1回の乗算と1回の加算との2回であり、式(1)中のG2 は、基本画像の全画素数である。
例えば、参考までに式(1)に具体的な数値を代入してみる。
演算量=N(TAP数)×N(TAP数)×P×G2 … (1)
=51×51×2×G2
【0051】
これに対して、上述した第1実施例では、実空間フィルタリング部32aは、実空間上で直線形状で表される、四角柱形状のテンプレートフィルタでもって、基本画像をフィルタリングするので、基本画像を単純な加減算のみで処理することできるし、さらに、フィルタリング処理における重複する演算(加算)を繰り返し実行することがないように演算量を軽減することができる。この第1実施例の場合におけるフィルタリングの演算量は次に示す式(2)で表される。なお、式(2)中のQは、1回の加算と1回の減算との2回であり、式(2)中のG2 は、前述の式(1)と同様に、基本画像の全画素数である。例えば、参考までに式(2)に具体的な数値を代入してみる。
演算量=Q×G2 … (2)
=2×G2
【0052】
式(1),(2)を比してわかるように、第1実施例の場合におけるフィルタリングの演算量は、フィルタ移動によって更新される部分についての単純な加減算を実行するだけで良く、式(2)中にTAP数が含まれていないことから、フィルタサイズに依らずに一定量でしかも式(1)に比べて大幅に低減され、リアルタイムに近い短時間での処理が可能となることがわかる。したがって、上述のボックスフィルタを用いた場合であっても、しきい値変更手段7からしきい値周波数の変更指示(ボックスフィルタのフィルタサイズ変更指示)が入力されると、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラクション像をモニタ4にリアルタイムに表示させることができる。
【0053】
<第2実施例>
続いて、この発明のX線ディジタルサブトラクション装置の第2実施例に係るX線ディジタルアンギオグラフィ装置について説明する。図10は、この発明の第2実施例に係る実空間フィルタリング部40のテンプレートフィルタ形状を示す模式図である。図11は、この第2実施例に係る実空間フィルタリング部40のブロック図である。この第2実施例のX線ディジタルアンギオグラフィ装置は、第1実施例の実空間フィルタリング部32aに替えて、図11に示す実空間フィルタリング部40を採用し、第2実施例の実空間フィルタリング部40のテンプレートフィルタ形状を、四角柱形状から後述するような八角錐形状に替えた点以外については、前述の第1実施例と同様であるので、特にテンプレートフィルタ形状が実空間上で後述するような八角錐形状である実空間フィルタリング部40の構成および機能について詳細に説明するものとする。
【0054】
まず、実空間フィルタリング部40のテンプレートフィルタ形状について説明する。実空間フィルタリング部40のテンプレートフィルタ形状は、図10に示すように、互いに直交するX,Y,Z軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、X,Y軸方向をテンプレートフィルタの矩形形状である底面大きさとし、Z軸方向をこのテンプレートのゲインとし、Z軸方向に先細りとなる立体形状であって、かつ、テンプレートフィルタのZ方向の少なくとも中央から先細りの先端部にかけて八角錐形状で表されるものとしている。なお、このような実空間フィルタリング部40のテンプレートフィルタ形状を、説明の便宜上、略八角錐形状とも呼ぶこととする。
【0055】
実空間フィルタリング部40は、図11に示すように、入力される基本画像の行方向に後述する所定のフィルタをかける行方向三角形フィルタ41と、この行方向三角形フィルタ41でフィルタ処理されたデータを記憶する記憶手段42と、この記憶手段42に記憶された行方向処理後の基本画像の列方向に後述する所定のフィルタをかける列方向三角形フィルタ43と、行方向三角形フィルタ41と記憶手段42と列方向三角形フィルタ43とを制御する制御手段44とを備えている。
【0056】
行方向三角形フィルタ41は、図12に示すように、更新される部分のうちで新たに加えられる、後述する三角形状の右側の下がり勾配部分の画素の値(図14(b)参照)を生成する第1の1次元フィルタブロック51と、更新される部分のうちで削除される、後述する三角形状の左側の上がり勾配部分の画素の値(図14(b)参照)を生成する第2の1次元フィルタブロック52と、これらの第1の1次元フィルタブロック51と第2の1次元フィルタブロック52とからの画像データを減算する減算器53と、この減算器53からの出力を累算して出力する累算回路54と、入力される基本画像を第1の1次元フィルタブロック51よりも所定量遅延させて第2の1次元フィルタブロック52に入力するための遅延回路55とを備えている。
【0057】
第1の1次元フィルタブロック51は、一方の入力ポートに入力される画像データ(基本画像の行方向についての一連の画像データ)から、他方の入力ポートから入力される画像データ(基本画像の行方向についての一連の画像データ)を減算して出力する減算器61と、入力される基本画像を減算器61の一方の入力ポートよりも所定量遅延させて減算器61の他方の入力ポートに入力するための遅延回路62と、この減算器61からの出力を累算して出力する累算回路63とを備えている。なお、第2の1次元フィルタブロック52も、第1の1次元フィルタブロック51と同様に構成されており、減算器61と累算回路62と遅延回路63とを備えている。
【0058】
なお、列方向三角形フィルタ43は、前述の行方向三角形フィルタ41と同様に構成されており、行方向三角形フィルタ41で処理されて記憶手段42に記憶された基本画像の行方向のデータを、列方向にフィルタリング処理するものである。
【0059】
ここで、テンプレートフィルタ形状が実空間上で略八角錐形状である実空間フィルタリング部40について、そのフィルタリング機能について説明する。この実空間フィルタリング部40は、実空間の1次元形状が三角形をしている図13(a)に示す1次元フィルタを、図10に示すように2次元に拡張したものと等価である。図13(c)に示すように、行列(縦横)分離型のフィルタで構成することで、高速化に有利となる。なお、フィルタ係数の一例を図13(b),(c)に示す。例えば、図13(a)に示すように実空間形状が三角形である1次元フィルタを5点のものとすると、図13(b)に示すように左から順に「1,2,3,2,1」の係数となる。図13(b)に示す行(横)方向の1次元フィルタを列(縦)方向に並べると、図13(c)の右上側に示すような2次元フィルタとなる。また、図13(b)に示す行(横)方向の1次元フィルタを縦方向にしたもの、つまり上から順に「1,2,3,2,1」の係数としたものを、行(横)方向に並べると、図13(c)の左上側に示すような2次元フィルタとなる。そして、これらの2次元フィルタをその同一点同士の係数をかけることで、図13(c)の下側に示すような、行列(縦横)分離型のフィルタ、つまり、実空間上で略八角錐形状(略ピラミッド形状)であるテンプレートフィルタと等価な効果が得られる。
【0060】
なお、図13に示してきた係数(「1,2,3,4,6,9」)は、図14に説明するように、重み度を示すものである。すなわち、図14(a)に示すように、図13(b)に示す1次元フィルタが基本画像の「A」〜「E」の画素に位置する場合に、それらの画素の値を何倍するかを示している。具体的に、画素「A」は図13(b)に示す1次元フィルタの係数「1」にあるので「A」を1倍したもの、つまり「A」のままとなり、画素「B」は図13(b)に示す1次元フィルタの係数「2」にあるので「B」を2倍したもの、つまり「2B」となり、画素「C」は図13(b)に示す1次元フィルタの係数「3」にあるので「C」を3倍したもの、つまり「3C」となり、画素「D」は図13(b)に示す1次元フィルタの係数「2」にあるので「D」を2倍したもの、つまり「2D」となり、画素「E」は図13(b)に示す1次元フィルタの係数「1」にあるので「E」を1倍したもの、つまり「E」のままとなる。
【0061】
図13(c)の下側に示すような、行列(縦横)分離型のフィルタ、つまり、実空間上で略八角錐形状(略ピラミッド形状)であるテンプレートフィルタは、列(縦)方向と行(横)方向とに分離すると、図14に示すように、前述の第1実施例での移動平均のアルゴリズムの延長で計算でき、フィルタリング処理における重複する演算(加算)を繰り返し実行することがないように演算量を軽減することができる。
【0062】
すなわち、第1の1次元フィルタブロック51は、図14(b)に示すように、更新される部分のうちで新たに加えられる、三角形状の下がり勾配部分の画素の値を生成する。図14(b)では、更新される部分のうちで新たに加えられる、三角形状の下がり勾配部分の画素の値は、「D+E+F」である。
【0063】
また、第2の1次元フィルタブロック52は、図14(b)に示すように、更新される部分のうちで削除される、三角形状の上がり勾配部分の画素の値を生成する。図14(b)では、更新される部分のうちで削除される、三角形状の上がり勾配部分の画素の値は、「A+B+C」である。
【0064】
図13(b)に示す1次元フィルタが基本画像の「A」〜「E」の画素に位置する場合には、図14(a)に示すように、重み付けされたもの「A+2B+3C+2D+E」が得られる。次に、図13(b)に示す1次元フィルタが画素1つ分移動して基本画像の「B」〜「F」の画素に位置する場合には、図14(a)に示したものから「A+B+C」を引くとともに「D+E+F」を加えることで、図14(b)に示すように、重み付けされたもの「B+2C+3D+2E+F」が得られる。したがって、図13(b)に示す1次元フィルタが画素1つ分移動して基本画像の「B」〜「F」の画素に位置する場合に、最初から正直に演算して、つまり、前回(図14(a)に示すもの)と今回(図14(b)に示すもの)とで重複する演算を行なうことで、図14(b)に示す重み付けされたもの「B+2C+3D+2E+F」を得る必要はない。次に、図13(b)に示す1次元フィルタがさらに画素1つ分移動して基本画像の「C」〜「G」の画素に位置する場合には、同様に、図14(b)に示したもの「B+2C+3D+2E+F」から「B+C+D」を引くとともに「E+F+G」を加えて重み付けされたもの「C+2D+3E+2F+G」が得られる。
【0065】
このように、フィルタ移動によって更新される部分の加減算は、3画素分の加算および3画素の減算のみであるので、この更新される部分の加減算を行なうだけで良い。
【0066】
次に、行方向三角形フィルタ41によって、図14(b)に示す「B+2C+3D+2E+F」を得る動作を、具体的に説明する。なおこの図14では、説明の便宜上、フィルタサイズを5点(TAP数=5点)としているので、第1の1次元フィルタブロック51の遅延回路62と、第2の1次元フィルタブロック52の遅延回路62と遅延回路55との遅延量は、次に示す式(3)により、それぞれ「3」に設定されている。
遅延量=(TAP数+1)/2 … (3)
=(5+1)/2=3
【0067】
これらの遅延回路のパラメータ(遅延量)などがデジタルフィルタで言うところのTAP数に相当する。TAP数を変えることで、しきい値周波数の値を変更できる。なお、図14では、説明の便宜上、フィルタサイズを5点としていたが、この第2実施例では、図10に示すようにTAP数を51×51点とした場合には、第1の1次元フィルタブロック51の遅延回路62と、第2の1次元フィルタブロック52の遅延回路62と遅延回路55との遅延量は、「26」に設定される。制御手段44は、第1の1次元フィルタブロック51の累算回路63と、第2の1次元フィルタブロック52の累算回路63と、累算回路54との累算値の初期化や、第1の1次元フィルタブロック51の遅延回路62と、第2の1次元フィルタブロック52の遅延回路62と遅延回路55との遅延量の設定を行なう。
【0068】
例えば、基本画像の「A」〜「F」が行方向三角形フィルタ41に入力された時点での、この行方向三角形フィルタ41の各構成での処理状況について見てみる。第1の1次元フィルタブロック51の減算器61には「F」と「C」とが入力されて「F−C」が第1の1次元フィルタブロック51の累算回路63に入力される。第1の1次元フィルタブロック51の累算回路63は、(「C+D+E」+「F−C」)により「D+E+F」が出力される。また、遅延回路55の遅延量が「3」であるので、第2の1次元フィルタブロック52の減算器61には未だ「C」のみが入力されるだけで「C」が第2の1次元フィルタブロック52の累算回路63に入力される。第2の1次元フィルタブロック52の累算回路63は、(「A+B」+「C」)により「A+B+C」が出力される。減算器53では、第1の1次元フィルタブロック51の累算回路63から出力された「D+E+F」と、第2の1次元フィルタブロック52の累算回路63から出力された「A+B+C」との減算が行なわれ、(「D+E+F」−「A+B+C」)が出力される。累算回路54は、前回の値「A+2B+3C+2D+E」と、減算器53からの(「D+E+F」−「A+B+C」)とを累算し、「B+2C+3D+2E+F」を記憶手段42に出力する。
【0069】
以上、上述した第2実施例では、実空間フィルタリング部40は、実空間上で直線形状で表され、略八角錐形状のテンプレートフィルタでもって、基本画像の高周波数成分を実空間上で除去しており、更新される部分の加減算のみを行なえば良いので、前述の第1実施例の場合と同等に、フィルタリングの演算量は、式(2)で表され、この式(2)中にTAP数が含まれていないことから、フィルタサイズに依らずに一定量でしかも、従来例の式(1)に比べて大幅に低減され、リアルタイムに近い短時間での処理が可能となる効果を有している。さらに、この第2実施例では、次に説明する点で、前述の第1実施例よりもさらに優れている。
【0070】
すなわち、第2実施例のテンプレートフィルタ形状(図10参照)は、前述の第1実施例のテンプレートフィルタ形状(図7参照)に比べて、理想的なテンプレートフィルタ形状(図16参照)に近似しているので、図15に示すように、前述の第1実施例の場合よりも、周波数特性に優れている。具体的には、前述の第1実施例のテンプレートフィルタでは0.25lp/mm(ラインペア/ミリ)付近でリンギング(MAXが0.15程度の山)が生じているが、このようなリンギングは第2実施例のテンプレートフィルタではかなり小さくなっていて僅かに存在しているだけであることから、前述の第1実施例に比べて、所定のしきい値周波数以上の周波数成分を良好に除去できることがわかる。
【0071】
また、しきい値周波数の値の変更が、遅延回路の遅延量の調整で実現でき、演算量は増減しないため、しきい値周波数の値に依らず、低減した一定時間で処理できる。したがって、所定の処理時間を確保したまま、しきい値周波数の値の変更の自由度が高いディジタルサブトラクション装置が提供できる。
【0072】
したがって、上述の略八角錐形状のテンプレートフィルタを用いた場合であっても、しきい値変更手段7からしきい値周波数の変更指示(略八角錐形状のテンプレートフィルタのフィルタサイズ変更指示)が入力されると、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラクション像をモニタ4にリアルタイムに表示させることができる。
【0073】
なお、この第2実施例では、実空間フィルタリング部40のテンプレートフィルタ形状を、図10に示すように、テンプレートフィルタのZ方向の少なくとも中央から先細りの先端部にかけて八角錐形状で表されるものとした略八角錐形状としているが、底面から先細りの先端部までの全部を八角錐形状としても良い。
【0074】
<第3実施例>
図17は、第3実施例装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。この第3実施例は、基本画像(ライブ像)の高周波数成分を強調するための第2の周波数特性変換回路71を付設したことを特徴とする。また、この第3実施例装置の周波数特性変換回路32は、前述の第1,2実施例のような実空間フィルタリング部32a,40を有するものではなく、前記基本画像を構成する周波数成分を空間/周波数変換処理で取り出し、所定のしきい値周波数以上の周波数成分を除去し、これに周波数/空間変換処理を施して、前記基本画像から前記しきい値周波数以上の周波数成分を除去した高周波数成分除去画像を得るものである。この高周波数成分除去画像は、造影剤が投与された血管像などの高周波数成分が除去された画像であり、これをマスク像として用いる。前記の空間/周波数変換処理としては、FFT(高速フーリエ変換)、カルーネン・レーベ変換、DCT(離散コサイン変換)、アダマール変換などの各変換方式がある。また、前記の周波数/空間変換処理としては、前記空間/周波数変換処理の逆変換(逆FFT、逆カルーネン・レーベ変換、逆DCT、逆アダマール変換など)がある。
【0075】
基本画像の高周波数成分を強調する処理は、例えば、空間/周波数変換して得られた各基本画像の周波数成分のうちの高周波数成分部分を増分させ、それを周波数/空間変換することで実現できる。第2の周波数特性変換回路71ではこのような処理を実現するように構成される。
【0076】
これにより、関心物(例えば血管像)がより強調されたサブトラクション像を得ることができる。また、関心物(例えば血管像)がより強調されたサブトラクション像を得る場合であっても、しきい値変更手段7からしきい値周波数の変更指示を入力することにより、しきい値周波数変更に係る新たなサブトラクション像をモニタ4にリアルタイムに表示させることができる。なお、この第3実施例に係る特徴部分は、以下の第4実施例にも同様に適用することができる。
【0077】
<第4実施例>
図18は、第4実施例装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。この第4実施例は、複数回分の撮像で得られた基本画像の平均画像を求める積分処理部81を付設したことを特徴とする。
【0078】
積分処理部81は、図19(a)に示すように、第2の階調変換回路91と加算器92とメモリ93とで構成してもよいし、図19(b)に示すように加算器92とメモリ93と除算器94とで構成してもよい。
【0079】
例えば、N回分の撮像で得られた基本画像の平均画像を求める場合、図19(a)の構成では、順次与えられる基本画像の濃度(基本画像を構成する各画素の濃度)を第2の階調変換回路91で1/Nにするように階調変換させ、加算器92で、メモリ93に記憶されている加算画像に加算していく。ただし、最初の基本画像が与えられるときには、メモリ93には何も記憶されていない。
【0080】
また、図19(b)の構成では、加算器92で、順次与えられる基本画像を、メモリ93に記憶されている加算画像(最初の基本画像が与えられるときには、メモリ93には何も記憶されていない)に順次加算していき、最後に、メモリ93に記憶されたN回分の基本画像の加算結果を除算器94で1/Nにする。
【0081】
このように、複数回分の撮像で得られた基本画像の平均画像を求めることにより、基本画像のS/N比を向上させることができ、この発明では、基本画像からマスク像とライブ像を求めるので、マスク像とライブ像のS/N比をまとめて向上させることができ、高画質なサブトラクション像を得ることができる。また、高画質なサブトラクション像を得る場合であっても、しきい値変更手段7からしきい値周波数の変更指示を入力することにより、しきい値周波数変更に係る新たなサブトラクション像をモニタ4にリアルタイムに表示させることができる。なお、周波数特性変換回路32に前述の第1,2実施例の実空間フィルタリング部32aを備えた場合には、しきい値変更手段7からしきい値周波数の変更指示としてのフィルタサイズの変更指示を入力することにより、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラクション像がモニタ4にリアルタイムに表示される。
【0082】
なお、例えば、ある撮像部位に対する1撮像方向からのサブトラクション像を得る場合には、その撮像部位に1方向からのみX線照射して基本画像を撮像する動作をN回繰り返すことになる。従来装置においても、マスク像やライブ像のS/N比を向上させるために、マスク像とライブ像をそれぞれ複数(N)回分撮像し、各画像の平均画像を求めることがあるが、この場合、被検体へのX線照射は、マスク像とライブ像を別々に撮像するので、2×N回行うことになる。これに対してこの実施例では被検体へのX線照射は従来装置の半分でよい。
【0083】
また、被検体とX線透視装置との相対的な位置関係を被検体の体軸方向に変位させながら、複数の撮像部位のサブトラクション像を得る場合には、対象となる撮像部位の相前後する複数の撮像部位で撮像された複数回分の基本画像からその対象となる撮像部位の平均画像を求めるようにしてもよい。ある部位の周回方向にX線管、撮像系を回転変位させながら複数の撮像方向からのサブトラクション像を得る場合も同様に、対象となる撮像方向の相前後する複数の撮像方向から撮像された複数回分の基本画像からその対象となる撮像方向からの平均画像を求めるようにしてもよい。これらの場合でも、被検体へのX線曝射線量は従来の場合(従来装置で同様の手順で平均画像を求める場合)の半分になる。
【0084】
この発明は、上記の各実施例に限られるものではなく、下記のように変形実施することができる。
【0085】
(1)上述の各実施例のディジタルサブトラクション装置における実空間フィルタリング32a,40を汎用チップでもってソフトウエア的に実現することもできる。
【0086】
(2)上述の各実施例のディジタルサブトラクション装置は、上述の各実施例のように、被検体Mを人体などとして医療用に用いることもできるし、被検体MをBGA(Ball Grid Array)基板やプリント配線基板など各種の電子部品などとして非破壊検査用に用いることもできる。
【0087】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載のディジタルサブトラクション装置によれば、サブトラクション像を表示する表示手段と、与えられた変更指示に従ってしきい値周波数を変更するしきい値周波数変更手段とを備えているので、しきい値周波数の変更指示により、しきい値周波数変更に係る新たなサブトラクション像が表示手段に表示されるので、適正なしきい値を対話的に設定することができ、表示手段に表示されるサブトラクション像をモニタリングしながら好適なサブトラクション像を得ることができる。
【0088】
また、請求項2に記載のディジタルサブトラクション装置によれば、基本画像の高周波数成分を強調した高周波数成分強調画像を得て、この高周波数成分強調画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行ってサブトラクション像を求めるので、関心物(例えば血管像)がより強調されたサブトラクション像を得ることができる。また、関心物がより強調されたサブトラクション像を得る場合であっても、しきい値周波数の変更により、好適なサブトラクション像を得ることができる。
【0089】
また、請求項3に記載のディジタルサブトラクション装置によれば、複数回数分の撮像で得られた基本画像の平均画像を求め、この平均画像をライブ像として用いるとともに、このライブ像(平均画像)から高周波数成分除去画像を得て、ライブ像(平均画像)からマスク像(平均画像から得られた高周波数成分除去画像)をサブトラクションしてサブトラクション像を求めるので、ライブ像及びマスク像のS/N比を向上させることができ、高画質なサブトラクション像を得ることができる。また、高画質なサブトラクション像を得る場合であっても、しきい値周波数の変更により、好適なサブトラクション像を得ることができる。
【0090】
また、本発明のディジタルサブトラクション装置によれば、実空間上で直線形状で表されるテンプレートフィルタでもってフィルタリングするので、フィルタ移動によって更新される部分についての加減算のみを行なうだけで良く、フィルタサイズに依らずにそのフィルタリングの演算量を一定量に低減でき、リアルタイムに近い短時間での処理ができ、しきい値周波数の変更により、リアルタイムに好適なサブトラクション像が得られる。
【0092】
また、本発明のディジタルサブトラクション装置によれば、実空間フィルタリング部のテンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,Y,Z軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、X,Y軸方向をテンプレートフィルタの矩形形状の底面大きさとし、Z軸方向をテンプレートのゲインとし、Z軸方向に先細りとなる立体形状であって、かつ、テンプレートフィルタのZ方向の少なくとも中央から先細りの先端部にかけて角錐形状で表されるものとしているので、フィルタ移動によって更新される部分についての加減算のみを行なうだけで良く、フィルタサイズに依らずにそのフィルタリングの演算量を一定量に低減でき、リアルタイムに近い短時間での処理が可能となる。また、しきい値周波数の変更により、リアルタイムに好適なサブトラクション像が得られる。さらに、テンプレートフィルタ形状が四角柱形状の場合よりも、高周波数成分を除去する周波数特性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例に係るディジタルアンギオグラフィ装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】 X線透視装置を側面から見た図である。
【図3】 第1実施例装置に備えられた画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】 ある1箇所の撮像部位のサブトラクション像を得る場合の動作を説明するための図である。
【図5】 被検体の体軸方向の複数の撮像部位のサブトラクション像を得る場合の動作を説明するための図である。
【図6】 ある部位に対する複数の撮像方向からのサブトラクション像を得る場合の動作を説明するための図である。
【図7】 第1実施例のテンプレートフィルタ形状を示す模式図である。
【図8】 第1実施例の移動平均フィルタ法を説明するための模式図である。
【図9】 第1実施例の移動平均フィルタの計算アルゴリズムを説明するための模式図である。
【図10】 第2実施例のテンプレートフィルタ形状を示す模式図である。
【図11】 この発明の第2実施例に係る実空間フィルタリング部のブロック図である。
【図12】 この発明の第2実施例に係る行方向三角形フィルタの構成を示すブロック図である。
【図13】 (a)〜(c)は第2実施例のピラミッド形フィルタを説明するための模式図である。
【図14】 (a)、(b)は第2実施例のピラミッド形フィルタの計算アルゴリズムを説明するための模式図である。
【図15】 各種フィルタの周波数特性を示す特性図である。
【図16】 従来のガウス関数形状で表される理想的なテンプレートフィルタ形状を示す模式図である。
【図17】 第3実施例装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図18】 第4実施例装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図19】 (a),(b)は第4実施例の積分処理部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 … X線透視装置
3 … 画像処理部
4 … モニタ
7 … しきい値変更手段
31 … A/D変換器
32 … 周波数特性変換回路
33 … 遅延回路
34 … 演算器
32a… 実空間フィルタリング部
40 … 実空間フィルタリング部
71 … 第2の周波数特性変換回路
81 … 積分処理部
M … 被検体
SB … 撮像部位
Claims (3)
- 被検体の所定の撮像部位のサブトラクション像を得るためのディジタルサブトラクション装置であって、(a)前記撮像部位にX線を照射し、その部位のX線透過像を撮像するX線透視手段と、(b)前記X線透過像をディジタルデータに変換するデータ変換手段と、(c)前記ディジタルデータに変換されたX線透過像(以下、基本画像という)から所定のしきい値周波数以上の周波数成分を除去した画像(以下、高周波数成分除去画像)を得る周波数特性変換手段と、(d)前記基本画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行い、その撮像部位のサブトラクション像を求める演算手段と、(e)前記演算手段への基本画像の供給を遅らせて、前記基本画像と高周波数成分除去画像とを前記演算手段に同期して供給させる遅延手段と、(f)サブトラクション像を表示する表示手段と、(g)与えられた変更指示に従って前記のしきい値周波数を変更するしきい値周波数変更手段とを備え、
前記周波数特性変換手段は、実空間上で直線形状で表されるテンプレートフィルタでもって前記基本画像の高周波数成分を実空間上で除去する実空間フィルタリング部を備え、
前記実空間フィルタリング部のテンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,Y,Z軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、X,Y軸方向を前記テンプレートフィルタの矩形形状の底面大きさとし、Z軸方向を前記テンプレートのゲインとし、Z軸方向に先細りとなる立体形状であって、かつ、前記テンプレートフィルタのZ方向の少なくとも中央から先細りの先端部にかけて角錐形状で表されるものであり、
前記実空間フィルタリング部は、前記基本画像の行方向および列方向に三角形フィルタをかけることにより、前記テンプレートフィルタを実現することを特徴とするディジタルサブトラクション装置。 - 請求項1に記載のディジタルサブトラクション装置において、前記基本画像の高周波数成分を強調した画像(以下、高周波数成分強調画像という)を得る第2の周波数特性変換手段を備え、前記演算手段は、前記基本画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行うのではなく、前記高周波数成分強調画像と前記高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行うことで、その撮像部位のサブトラクション像を求めることを特徴とするディジタルサブトラクション装置。
- 請求項1に記載のディジタルサブトラクション装置において、前記ディジタルデータに変換されたX線透過像(以下、基本画像という)を順次取り込み、複数回数分の撮像で得られた基本画像の平均画像を求める積分処理手段を備え、前記周波数特性変換手段は、前記平均画像から所定のしきい値周波数以上の周波数成分を除去した画像(以下、高周波数成分除去画像)を得るようにし、前記演算手段は、前記平均画像と前記高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行い、撮像部位のサブトラクション像を求めることを特徴とするディジタルサブトラクション装置。
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