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JP4627104B2 - エレベータ付き建築物 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存の建築物に新たにエレベータを設置したエレベータ付き建築物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現行の建築基準法では建築物にエレベータを設置する際には当該建築物に相当の耐震性を要求されており、現行の建築基準法の施行以前に建設された建築物、一般的に耐震性が現行法の基準を充足していないものが大多数である。
【0003】
従って、特に木造の既存の建築物にエレベータを設置することは不可能であり、エレベータを設置するためには、既存の建築物を一旦撤去し、再度上記耐震基準に合致するものを建設していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年我が国でも高齢化社会を迎え、2階建以上の建築物にも家庭用のエレベータの設置を望む声が大となってきているが、前述のように、耐震性の問題から既存の建築物にエレベータを設置することができなかった。
【0005】
そして、エレベータを設置するためには建築物を再建しなければならず、そのコストは多大となり、事実上エレベータを設置はあきらめざるを得ないというのが一般的であった。
【0006】
また、例えば2階建の既存の建築物をそのまま3階建の建築物に改築することによって居住面積は拡大されるが、それに伴いエレベータの設置の必要性がより一層高まって来ることになる。
【0007】
なお、本発明者は前記の課題を解決するため、既存の建築物を破壊することなく上方に空間を増築する方法について発明をしている(特願平11−126220号参照)。
【0008】
しかしながら、前述のように、耐震性の問題から既存の建築物にエレベータを設置することができず、せっかく安価に上方に増築しても、家庭によっては充分な効果を奏し得ない場合も生じる虞があった。
【0009】
本発明は、かかる従来の技術の課題に鑑み、既存の建築物で現状では現行法の耐震基準を充足しない場合であっても、当該既存の建築物を取り壊して再建することなく設置をすることができるエレベータを備えたエレベータ付き建築物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、既存の建築物の外側を囲うように、鉛直方向に延在する第一鉄骨柱と、当該第一鉄骨柱に固設された水平方向に延在する鉄骨梁が設けられ、前記既存の建築物に凹所が削設され、当該凹所に鉛直方向に延在する第二鉄骨柱が立設され、前記第二鉄骨柱は鉄骨梁にて間柱用の第三鉄骨柱に固設されており、前記間柱用の第三鉄骨柱と前記第二鉄骨柱とによって囲繞された空間に、エレベータが鉛直方向に移動するシャフトが形成され、当該シャフトの内部を前記エレベータが鉛直方向に移動するように構成されており、前記第一鉄骨柱、前記第二鉄骨柱、前記第三鉄骨柱及び前記鉄骨梁により新規構造物が構築され、前記新規構造物は前記既存の建築物とは機械的に絶縁されていることを特徴とするエレベータ付き建築物である。
【0011】
第2の発明は、前記新規構造物は建築基準法上の耐震基準を充足している請求項1記載のエレベータ付き建築物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1ないし図7はいずれも本発明に関連する建築方法を説明するための図面で、図2を除き建築の順序によって変化する建築物の概略を示す正面図で、図2は基礎部分を示す斜視図である。
【0013】
そして、図8ないし図10が本発明の主要部分を説明するための図面、図11が本発明の参考例の主要部分を説明するための図面で、図8はエレベータが内部に設置されている平面断面図、図9は正面側から見た縦断面図、図10はエレベータが内部に設置されているレイアウト図そして図11はエレベータが外側部に設置されているレイアウト図である。
【0014】
先ず、図1ないし図7に従い、本発明に関連する建築方法について説明をする。
【0015】
図1は既存の一般的な2階建の建築物を示しており、1階部分1と2階部分2が備えられ、当該2階部分2の鉛直方向上部に屋根部材3が備えられている。なお左右に隣家が存在している。
【0016】
このような既存の2階建の建築物に3階部分9を増築するには、先ず図1および図2に示すように、既存の建築物の、断面が逆T字形のコンクリート製の既存基礎4の外側に、当該既存基礎4と合致する逆L字形のコンクリート製の新規基礎5を合体させて設ける。なお、当該基礎5は連続的なものでなくともよく、部分的に設けられてもよい。
【0017】
次いで、当該新規基礎5に、鉛直方向に延在し、1階部分1の高さに対応する長さの例えば125mm×250mmのH型鋼からなる鉄骨柱6をアンカーボルト7で固設する。
【0018】
前記鉄骨6の上端には、水平方向に延在し、当該鉄骨柱6と同様のH型鋼からなる鉄骨梁14を図示しないボルト等によって固設する。
【0019】
前記鉄骨梁14の上部に、2階部分2の高さに対応する長さのH型鋼からなる鉄骨柱6を図示しないボルト等によって固設し、前述と同様にして、3階部分9の鉄骨梁14と鉄骨柱6を構築し、3階部分9を増築する。
【0020】
なお、かように鉄骨柱6と鉄骨梁14を交互に積層構築する構法としては、例えば積水ハウス株式会社の「βシステム構法」と称されるものが存在する。
【0021】
次いで、新規な屋根部材8を前記鉄骨梁14の上部に構築し、当該屋根部材8の上面にカラーベスト10等の瓦部在を装着する。
【0022】
この間、1階部分1と2階部分2に居住者は居住し続けることができる。
【0023】
その後、図5に斜線で示す既存の屋根部材3を除去し、図6に示すように3階部分9の床部の鉄骨梁11を装着し、最後に図7に示すように前記3階部分9の床部の鉄骨梁11の上部に床部材12を装着すると共に、前記鉄骨柱6の外側に壁部材13を装着する。
【0024】
前述のように、既存の屋根部材3を除去する際には、その上方に、既に新規な屋根部材8が設けられているので、2階部分2にも雨等が侵入することはない。
【0025】
従って、上記の増築作業中も、1階部分1や2階部分2に居住する居住者はそのままの状態で継続して居住することが可能となる。
【0026】
なお、既存の屋根部材3を除去し、3階部分9の床部材12を装着する際には、2階部分2の居住者は退避する必要があるが、既存の屋根部材3を除去し、3階部分9の床部材12を装着するための期間は、通常の家屋であれば3日ないし4日あれば充分であり、この間だけ、2階部分2に居住している居住者が1階部分1で居住すればよいことになる。
【0027】
本実施の態様では、1階部分2と2階部分2の側壁は二重になるので、当該部分の断熱効果や遮音効果等が向上する。
【0028】
一方、必ずしも断熱効率等を重視しない場合には、前記壁部材13を省略すれば建築コストの低減を図ることができる。
【0029】
次に、本発明の主要部であるところの実施の態様について図8ないし図10に従い説明する。
【0030】
なお、図1ないし図7に記載の部分と同一部分には、これらの図面に記載の符号を付して詳細な説明は省略する。なお、図8と図9において、既存の建築物はAで表わし、増築後の建築物はBで表わす。
【0031】
先ず、図8において、既存の建築物Aの左側中央部に凹所17が削設され、当該凹所17に鉛直方向に延在する支持部在としての鉄骨柱6aが立設されている。
【0032】
なお、前記鉄骨柱6aは図示せぬ鉄骨梁にて間柱用の鉄骨6bに固設されている。
【0033】
そして、間柱用の鉄骨6bと前記鉄骨柱6aとによって囲繞された空間に、エレベータ16が鉛直方向に移動するシャフト(エレベータ用竪穴)15が形成され、当該シャフト15の内部をエレベータ16が鉛直方向に移動するように構成されている。
【0034】
なお、エレベータ16自体は、一般にエレベータの製造販売業者から販売されている家庭用の小型のもので、前記シャフト15の水平断面積(設置面積)は1平方メートル程度あれば設置可能である。図9における18はエレベータ用のピットである。
【0035】
前記鉄骨柱6、6a、6bおよび鉄骨梁14による構造物(増築後の建築物B)、は前記既存の建築物Aとは機械的に絶縁されており、既存の建築物Aに生じた応力は増築後の構造物Bには伝播しない構造となっている。
【0036】
なお、前記増築後の構造物Bの耐震性は、増築時の建築基準法の耐震基準を充足しているものとする。
【0037】
従って、エレベータ16は耐震基準を充足する増築後の建築物Bに設置されることになり、既存の建築物Aが増築時の建築基準法上の耐震基準を充足しておらずともエレベータの設置が可能となる。
【0038】
なお、図8ないし図10に示すように、エレベータ16用のシャフト15を既存の建築物Aの内部に設けることも可能である。図11は、エレベータ16用のシャフト15を既存の建築物Aの外側部に設けた参考例である。
【0039】
また、本実施の形態は、既存の建築物の上方に空間を増築するものであるが、必ずしも増築しなくともよく、当然のことながら、既存の建築物にエレベータのみを設置することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
第1の発明では、エレベータは、既存の建築物とは機械的に絶縁されている新規構造物に設置されるため、新規構造物さえ現行の建築基準法上の耐震基準を充足していれば、既存の建築物が現行の建築基準法上の耐震基準を充足していなくとも、当該建築物の内部にエレベータを設置することが可能になる。
【0041】
従って、既存の建築物自体が現行の建築基準法上の耐震基準を充足していなくとも、当該建築物を一旦撤去して再建することなく、安価にエレベータが設置でき、今後の高齢化社会に大いに貢献することができる。
【0042】
第2の発明では、新規構造物は建築基準法上の耐震基準を充足しているので、建築物自体が現行の建築基準法にかかる耐震基準を充足していなくとも、当該建築物の内部にエレベータを設置することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関連する一実施の形態を示し、第1の工程の概略正面図である。
【図2】本発明に関連する一実施の形態の基礎部分を示す斜視図である。
【図3】本発明に関連する一実施の形態を示し、第2の工程の概略正面図である。
【図4】本発明に関連する一実施の形態を示し、第3の工程の概略正面図である。
【図5】本発明に関連する一実施の形態を示し、第4の工程の概略正面図である。
【図6】本発明に関連する一実施の形態を示し、第5の工程の概略正面図である。
【図7】本発明に関連する一実施の形態を示し、第6の工程の概略正面図である。
【図8】本発明の主要部の一実施の形態を示し、エレベータが内部に設置されている建築物の平面断面図である。
【図9】本発明の主要部の一実施の形態を示し、エレベータが内部に設置されている建築物の正面側から見た縦断面図である。
【図10】本発明の主要部の一実施の形態を示し、エレベータが建築物の内部に設置されているレイアウト図である。
【図11】本発明の参考例の主要部の一実施の形態を示し、エレベータが建築物の外側部に設置されているレイアウト図である。
【符号の説明】
A 既存の建築物
B 増築後の建築物
1 1階部分
2 2階部分
3 屋根部材(既存)
4 既存基礎
5 新規基礎
6 鉄骨柱(支持部材)
6a 鉄骨柱(支持部材)
7 アンカーボルト
8 屋根部材(新規)
9 3階部分
10 カラーベスト
11 鉄骨梁(支持部材)
12 床部材
13 壁部材
14 鉄骨梁(支持部材)
15 シャフト(エレベータ用竪穴)
16 エレベータ
17 凹所
18 ピット

Claims (2)

  1. 既存の建築物の外側を囲うように、鉛直方向に延在する第一鉄骨柱と、当該第一鉄骨柱に固設された水平方向に延在する鉄骨梁が設けられ、
    前記既存の建築物に凹所が削設され、当該凹所に鉛直方向に延在する第二鉄骨柱が立設され、前記第二鉄骨柱は鉄骨梁にて間柱用の第三鉄骨柱に固設されており、前記間柱用の第三鉄骨柱と前記第二鉄骨柱とによって囲繞された空間に、エレベータが鉛直方向に移動するシャフトが形成され、当該シャフトの内部を前記エレベータが鉛直方向に移動するように構成されており、
    前記第一鉄骨柱、前記第二鉄骨柱、前記第三鉄骨柱及び前記鉄骨梁により新規構造物が構築され、
    前記新規構造物は前記既存の建築物とは機械的に絶縁されていることを特徴とするエレベータ付き建築物。
  2. 前記新規構造物は建築基準法上の耐震基準を充足している請求項1記載のエレベータ付き建築物。
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