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JP4628733B2 - 可動カバー付集電装置 - Google Patents
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本発明は、鉄道車両の集電装置に係る。
鉄道車両の高速化に伴いその発生騒音は増加し、環境の保全に対する要求は今後ますます高まるものと考えられる。その中で近年の高速車両においては、集電装置は最も低騒音化が求められている部位であり、その集電装置から発生する主たる騒音源である空力騒音や離線によるアーク騒音の低減の要求が高まっている。
このような要求に対して、アーク騒音を低減し、架線の摩耗低減を図ったアクティブ制御集電装置がある。このような集電装置において従来は、異なる周波数で駆動される相対変位部材の相貫部に水密保持機能を有する摺動パッキンを用いた構造が検討されてきた(特許文献1の図14参照)。
特願2001−132461
一般に車両はその上方に位置する架線から集電を行う。集電装置は車体上部に設置され、走行する場合に折畳み状態から架線高さ位置まで集電子を突出させる。また架線高さは場所により標準高さに対して上方・下方に変位している。集電装置にはこの架線高さの変位に追従して集電子を上昇下降運動させる駆動機構が設けられている。
上述の集電装置において、架線高さの変位への追従性能を向上させるために、異なる周波数で駆動する機構が複数設けられる。またその駆動機構を風雨や粉塵から保護し、さらに駆動機構から発生する空力騒音を低減するため、駆動機構全体をカバーで覆う。このような構造とする場合、従来はカバーと集電子のような異なる周波数で駆動される部材の相貫部を水密構造とするため、水密保持機能を有する摺動パッキン構造が検討されてきた。
この摺動パッキン構造は、集電子とカバー間の環状空隙部に設置され、集電子下部に設けた滑らかな摺動面とカバーに設置したパッキンが接触することで、集電子とカバーが相対変位しても外部の雨水・粉塵等がカバー内部に侵入するのを防止する構造である。
しかし、この従来構造では、摺動面の周長の分、パッキンの締付力による摩擦力が働く。また集電子が架線との接触または風圧により力を受けるため、さらにカバーが風圧により力を受けるため、摺動面にかかる摩擦力が増加し、いずれも集電子とカバーの駆動力の負荷を大きくし、その動的な応答性が悪くなる。
また集電子側の摺動面は上下動ストロークに必要な一様な横断面形状をもつ滑らかな面が必要となり、集電装置を折畳む際には、垂直方向への最大摺動ストローク距離がカバー内部に収納される必要がある。この集電子の下端に固着され、集電子を上下動させる駆動機構が最大変位寸法だけ下降するために必要な空間がカバー内部の他の構造物との間に必要となり、その最大変位寸法だけ集電装置の折畳み時の外形寸法が大きくなる。
さらに摺動面は滑らかで一様な同一横断面形状とする必要があり、集電子を上方へ変位させると、摺動面が気流にさらされるため、後流にカルマン渦が発生し空力騒音源となる。
本発明の目的は、鉄道車両の集電装置において、低駆動力で動的な応答性を確保し、集電装置の折畳み時の外形寸法を小さくし、且つ集電子とカバーの相貫部の空力騒音を低減するような構造をもつ集電装置の可動カバー構造を提供することである。
上記目的を達成するために本発明では、集電装置カバーと集電子が相貫する部位に設置し、複数の環状平板と弾性体とから構成され、環状平板の下面を弾性体により固着連結した構造とする。通常は環状平板が平滑な面を構成するように水平に配置される。カバーに対して集電子が上昇変位する際は、環状平板が上側に凸の階段状に変位する構造で、その階段の上昇面が複数の横向きのV字状環状凹面を形成するようにし、その環状平板の包絡面が楕円錐形に変形する。また集電装置を折畳むためカバーに対し、集電子が下降変位する際は、環状平板はカバーに対して下方に凹の階段状に変位する構造で、その環状平板の包絡面が楕円錐形に変形することが出来る構造の可動カバーとする。
以上説明したように、本発明によれば、集電装置カバーと集電子の相貫部において、複数に分割された環状平板と、その下面を弾性体で固着連結した構造の可動カバーの大径側を集電装置カバーに、小径側を集電子に固着する。通常は集電装置カバーの駆動のみにより集電子が架線高さの低周波変位に追従するように制御し、環状平板は水平面を維持する。さらに集電子が上方へ変位する際にはそれぞれの環状平板が階段状に変位し、その階段の上昇面が複数の横向きV字状の環状凹面を形成する構造とすることで、可動カバーが気流に晒されることにより生ずるカルマン渦のスパン方向の相関長さが小さくなり、発生する空力騒音が低減出来る。集電装置を折畳む際は、従来のような集電子にパッキンの摺動面が不要であるため、その分だけ集電装置の折畳み高さ寸法を小さくすることが出来る。
以下、本発明の実施例を説明する。
図1に本発明の一実施例を示す集電装置の側面図を示す。図2に可動カバー5aの平面図を示す。集電装置は車体屋根上に設置されている。集電装置は走行時には架線1に接触して集電を行うために集電子201が上方に突出する。集電子201は舟体2と絶縁碍子3とにより構成されている。架線1には舟体2が接触するが、舟体2の下部は絶縁碍子3により固着支持され、その下部は集電子201を駆動させる駆動機構(図示せず)に接続されている。集電装置は駆動機構を覆うカバー4を有する。カバー4は複数個に分割されており駆動機構(図示せず)により上下方向の伸縮動作を行う。架線1は場所によりその高さが変位しており、その高さの変位に追従するために絶縁碍子3とカバー4は、必要な応答性を持つそれぞれ別の駆動機構により駆動されることにより、相対的に変位する構造となっている。この相対変位する絶縁碍子3とカバー4の相貫部は可動カバー5aで連結されている。
図3に図2のA−A方向から見た可動カバー5aの断面詳細図を示す。複数に分割された同心の円または楕円の環状平板202は101a、101b、101cにより構成され、隣り合う環状平板の下面は弾性体102により固着連結されている。環状平板の内径側101cは絶縁碍子フランジ103と防水パッキン103aを挟んで固着され、外径側101bはカバーフランジ104に防水パッキン104aを挟んで固着されている。環状平板の断面は上下面の角が平面に対して7〜10°以下の角度で面取りされており、先端はR面取りされて皿のような断面形状をしている。また弾性体102の下部に設けた取付穴108には低摩擦力で低摩耗性のブッシュ108aが挿入されておりその中心部の穴に剛性のある支持棒107が貫通している。前記支持棒107は一端を上下方向に回転可能な取付金具105により環状平板101cと連結され、他端は支持棒の回転運動と直線運動が可能な取付金具106により環状平板101bと連結されている。取付金具106は左右方向に回転可能なヒンジ106aと、支持棒107を挟んだ上下位置に回転運動が可能なローラー106bとにより構成されている。
図1、3に示すのように、車両が高速走行する本線の架線高さの変動範囲内(新幹線の場合は標準高さ±100mm)での低周波数(0.01Hz程度)の集電子201の上下変位に対しては、主としてカバー4の伸縮作用により応答するように優先制御し、出来るだけ環状平板202の上面を水平状にして、高速走行時の空力騒音の発生を抑制している。
図4は低速走行時に架線高さが集電装置の最高作用高さ近くまで上昇した場合を示す。カバー4は最高限度まで伸張しており、そのカバー4の上面に対して絶縁碍子3の下面が垂直方向に最高限度まで上昇すると、カバー4に固着された可動カバー5bの外径側に対して絶縁碍子3に固着された可動カバー5bの内径側が上方に凸の階段状に変位し、その外形包絡面が楕円錐形に変形する。
図5に図4の状態に可動カバー5bが変形した場合の断面詳細図を示す。なお見る方向は図2のA−Aと同じである。符号は図3に準拠する。絶縁碍子フランジ103がカバーフランジ104に対して相対的に上昇変位すると、複数に分割された環状平板202が支持棒107の押上力により階段状にそれぞれ水平に変位する。絶縁碍子フランジ103の変位により段差が生じるが、隣り合う環状平板202の下部を弾性体102により固着連結しているため、段差間に空隙はなく、集電装置内部に雨水等が侵入することはない。その外形包絡面が楕円錐形に変形した可動カバーの階段状の上昇面には環状平板202及び弾性体102よりなる横向きのV字状の環状凹面が配列された構造となる。この構造は絶縁碍子3の笠状絶縁ひだに見られるように、複数の環状凹面を設けることで気流が分断され、それぞれの環状凹面で、創生される渦の渦径を小さくし、且つそれぞれの渦のスパン方向の相関長さが短くなる。そのため、その外形包絡面が楕円錐形状に変形した可動カバー5bから発生する騒音が低減することになる。
また高速走行時に受ける風圧等により、環状平板が上昇し弾性体と共に環状凹面を形成するのに必要な弾性体の変形が妨げられたりする。弾性体が過度の外力を受け変形するのを防止する必要がある。絶縁碍子フランジ103が上方に変位し弾性体102が気流に晒された場合も、支持棒107が下方から弾性体を支持し、風圧による弾性体の変形・たわみを小さくし、環状平板を出来るだけ等間隔に保持する。
支持棒107は図3と同様に弾性体102の取付穴108に設けたブッシュ108aを貫通し、両端を取付金具105、106により連結される。絶縁碍子フランジ103が上方に変位した場合、支持棒107は取付金具105で回転し、取付金具106により支持棒107が回転及び直線方向にスライドすることで、上方に滑らかに変位すると共に、弾性体102の下部を支持し、図5のように変形させる。
図6に集電装置を折畳んだ状態の側面図を示す。集電装置を折畳む際、カバー4の内部に絶縁碍子3を沈み込ませ、集電装置折畳み高さを車両限界高さ6より低くしなければならない。可動カバー5cはカバー4に固着された外径側に対して、絶縁碍子3に固着された内径側が下方に階段状に凹面となり、その外形包絡面が楕円錐形となる。
図7に可動カバー5cの断面詳細図を示す。なお見る方向は図2のA−Aと同じである。符号は図3に準拠する。絶縁碍子フランジ103がカバーフランジ104に対して相対的に下降変位すると、複数に分割された環状平板202が階段状にそれぞれ変位する。隣り合う環状平板202の下部を固着・連結している弾性体102が図7のように変形し、可動カバー5cは下方に階段状に凹面となり、その外形包絡面が楕円錐形に変形するが、カバーフランジ104に対して絶縁碍子フランジ103が下降に要するストローク寸法だけカバー内に収まる空間があればよい。そのため、摺動パッキン構造のように最大ストローク分の駆動機構が下降変位する空間を確保する必要はないので、その差だけ集電装置の折畳み高さ寸法を小さく出来る。
図8に図3の取付金具106における本発明の第2の実施の形態を示す。取付金具106には支持棒107の回転と直線運動が可能となる構造が必要であるが、可動カバー5aが変位する際に取付金具部は低摩擦かつ低摩耗な運動が出来ることが望ましい。そこで図3では取付金具106のように直線運動が可能な構造として回転ローラー106bを用いた。第2の実施例では回転ローラー106bに替わり、回転運動をするヒンジ106aの先端の取付穴109に低摩擦かつ低摩耗性のブッシュ301を挿入し、その中心を支持棒107が貫通する構造として、円滑な直線運動を行えるようにする。
図9に図3の取付金具106に替わる本発明の第3の実施の形態を示す。第3の実施例では環状平板202のうちカバーフランジ104に固着する環状平板101bの下部の先端に回転と直線運動を共に可能とする球面軸受302を設置する。この球面軸受302は支持棒の直線運動を円滑に行うと共に、軸受自体の回転により、さらに上下方向にも支持棒107が回転可能な構造となる。
本発明の第1の実施の形態を示す側面図。 本発明の第1の実施の形態を示す平面図。 図2のA−A方向から見た本発明の構造を説明する断面詳細図。 図1の集電子を架線最高高さとした時の側面図。 図4の可動カバー5bの構造を説明する断面詳細図。 図1の集電装置折畳み時の状態を示す側面図。 図6の可動カバー5cの構造を説明する断面詳細図。 図3の照号106における本発明の第2の実施の形態を示す図。 図3の照号106における本発明の第3の実施の形態を示す図。
符号の説明
1 架線
2 舟体
3 絶縁碍子
4 カバー
5a、5b、5c 可動カバー
6 車両限界高さ
101a、101b、101c 環状平板
102 弾性体
103 絶縁碍子フランジ
103a 防水パッキン
104 カバーフランジ
104a 防水パッキン
105 取付金具
106 取付金具
106a ヒンジ
106b ローラー
107 支持棒
108 取付穴
108a ブッシュ
109 取付穴
201 集電子
202 環状平板
301 ブッシュ
302 球面軸受

Claims (5)

  1. 架線に接触して集電する舟体と、前記舟体をその上部に固着支持する絶縁碍子により構成される集電子と、前記集電子を駆動して前記架線との接触を保持する駆動機構と、前記駆動機構を覆うカバーとを備えた鉄道車両用集電装置において、相対的に上昇下降変位する集電子とカバーとの相貫部に設置され、複数に分割された環状平板と、前記環状平板の下面を弾性体により固着連結し、通常は環状平板が水平面を構成し、カバーに対して集電子が上下方向に変位した場合に環状平板が階段状に変位する可動カバーを有することを特徴とする可動カバー付集電装置。
  2. 請求項1に記載の可動カバー付集電装置において、カバーに対して集電子が上昇変位した場合、複数に分割された前記環状平板の下面に固着された前記弾性体が変形し、前記環状平板はそれぞれ水平に階段状に上昇変位し、前記環状平板間の前記弾性体が横向きV字状環状凹面を形成することを特徴とする可動カバー付集電装置。
  3. 請求項1、2に記載の可動カバー付集電装置において、前記弾性体下部を支持棒で複数箇所支持案内し、前記支持棒の一端を上下方向に回転可能な取付金具で、他端をヒンジとローラーにより構成され、支持棒の回転運動と直線運動が可能となる取付金具で支持した構造を特徴とする可動カバー付集電装置。
  4. 請求項3に記載の可動カバー付集電装置において、前記支持棒の一端を上下方向に回転可能な取付金具で、他端を左右方向に回転可能なヒンジと支持棒が直線運動可能となるブッシュにより構成される取付金具で支持した構造を特徴とする可動カバー付集電装置。
  5. 請求項3に記載の可動カバー付集電装置において、前記支持棒の一端を上下方向に回転可能な取付金具で、他端を回転運動と直線運動が可能となる球面軸受により構成される取付金具で支持した構造を特徴とする可動カバー付集電装置。
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