以下、添付の図面を参照して、本発明を適用した液滴吐出装置について説明する。本実施形態の液滴吐出装置は、液晶表示装置等のFPDの製造ラインに組み込まれた描画システムに設置されており、特殊なインクや発光性の樹脂液等の機能液を機能液滴吐出ヘッドに導入して、液晶表示装置のカラーフィルタ等の基板上に機能液滴による成膜部を形成するものである。そこで、まず、本液滴吐出装置を備えた描画システムについて簡単に説明する。なお、以下に説明する基板のサイズ等の値は概数である。
図1は、描画システムの平面模式図である。同図に示すように、描画システムSは、3台の描画ユニットSuで構成されており、導入されたワークW(カラーフィルタのフィルタ基体500A)上にR・G・B3色の着色層508R、508G、508B(図19参照)を形成してカラーフィルタを製造するものである。各描画ユニットSuは、R・G・Bの各色にそれぞれ対応しており、順次導入されたワークW上に着色層を1色分ずつ形成するように設計されたものである。もっとも、設置される各液滴吐出装置1を、R・G・B3色の機能液(フィルタ材料)を吐出(描画)可能に構成し、各描画ユニットSuによりワークW上に3色の着色層を形成することも可能である。
各描画ユニットSuは、着色層508を形成するための液滴吐出装置1と、液滴吐出装置1に並設され、ワークWを搬出入するワーク搬出入装置2と、各装置に接続され、描画ユニットSu全体を制御する上位コンピュータ3とを備えている。また、液滴吐出装置1は、チャンバ装置4に収容されている。チャンバ装置4は、いわゆるサーマルチャンバであり、一定の温度条件でワークWに対する液滴吐出が行われるように、液滴吐出装置1全体を温度管理下で収容している。チャンバ装置4は、液滴吐出装置1全体を直接収容するボックス状のチャンバ本体11と、チャンバ本体11内の温度が一定となるように温度管理を行う空気調和機器12と、これを制御する制御盤(図示省略)とを備えている。さらに、図示しないが、チャンバ本体11の右側面前方には、ワーク搬入・搬出開口となる開閉扉が形成されており、液滴吐出装置1にワークWを導入する場合等には、開閉扉を介してチャンバ本体11に収容された液滴吐出装置1にアクセスできるようになっている。
ワーク搬出入装置2は、ワークWを移載するロボットアーム13を備えており、このロボットアーム13を介して、描画前のワークWを描画ユニットSu内に搬入してこれを液滴吐出装置1に導入すると共に、描画後のワークWを液滴吐出装置1から回収してこれを描画ユニットSu外に搬出する。
なお、同図に示す符号5は、乾燥装置を設置するための設置スペースであり、状況に応じて、ワークWに吐出させた機能液の機能液溶媒を気化させるための乾燥装置を描画ユニットSu内に設置可能となっている。
続いて、本発明に係る液滴吐出装置について説明する。図2ないし図4に示すように、液滴吐出装置1は、床上に設置した大型の共通架台21と、共通架台21上の全域に広く載置された描画装置22と、描画装置22に添設されたメンテナンス手段23とを備え、メンテナンス手段23により機能液滴吐出ヘッド72の機能維持・回復を行うと共に、描画装置22によりワークW上に機能液を吐出する描画処理を行うようにしている。さらに、この液滴吐出装置1には、上記の上位コンピュータ3に接続され液滴吐出装置1の各手段を制御するコントローラ24(制御部132、図9参照)等が組み込まれている。
また、液滴吐出装置1に導入されるワークW(図2参照)は、石英ガラスやポリイミド樹脂等で構成された透明基板であり、詳細は後述するが、予め着色層508を形成させる画素領域507aが作り込まれている。この液滴吐出装置1は、最大で1800mm×1500mmのサイズのワークWに対して描画処理を行うことができる。ワークWには様々なサイズのものがあり、例えば、300mm×250mm、500mm×415mm、680mm×565mm、880mm×735mm、1100mm×915mm、1500mm×1250mm、1800mm×1500mmの7種が用いられる。なお、7種のサイズのワークWを、小さいサイズから順に、第1ワークWa、第2ワークWb、・・・、第7ワークWgと呼ぶ(図7参照)。
まず、液滴吐出装置1における描画装置22およびこれによる描画処理について説明する。描画装置22は、複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド72とこれを搭載したキャリッジ73とから成る複数(7個)のキャリッジユニット31と、共通架台21上に設置され、ワークWを載置するセットテーブル51を有し、ワークWをX軸方向に移動させるX軸テーブル32と、X軸テーブル32を跨ぐようにして配設され、7個のキャリッジユニット31を個々にY軸方向に移動させるY軸テーブル33と、7個のキャリッジユニット31に搭載された機能液滴吐出ヘッド72に機能液をそれぞれ供給する7個の機能液供給ユニット101から成る機能液供給手段34と、ワークWやキャリッジユニット31等を画像認識する画像認識手段35(図9参照)とを備えている。
そして、X軸テーブル32によるワークWの移動軌跡と、Y軸テーブル33によるキャリッジユニット31の移動軌跡とが交わる領域が、描画処理を行う描画エリア41となっており、また、Y軸テーブル33によるキャリッジユニット31の移動軌跡上のX軸テーブル32から外側に外れた領域が、描画待機エリア42となっており、この描画待機エリア42に上記のメンテナンス手段23が設置されている。一方、X軸テーブル32の手前側の領域は、液滴吐出装置1に対するワークWの搬出入を行うワーク搬出入エリア43となっている。
なお、詳細は後述するが、この液滴吐出装置1は、7個のキャリッジユニット31のうち、少なくとも1個のキャリッジユニット31から成る稼動ユニット群36(図10参照)を描画エリア41に移動させると共に、描画エリア41に臨むワークWに対し、稼動ユニット群36をX軸方向に相対的に移動させながら、その機能液滴吐出ヘッド72からワークW上に機能液を吐出して描画処理を行い、且つ、稼動ユニット群36以外のキャリッジユニット31から成る描画待機ユニット群37(図10参照)を描画待機エリア42に移動させると共に、その機能液滴吐出ヘッド72を機能維持状態に保管するメンテナンス処理を行うようになっている。
X軸テーブル32は、導入されたワークWをセットするセットテーブル51と、セットテーブル51をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ52と、X軸方向に延在し、セットテーブル51を介してワークWをX軸方向に移動させる左右一対のX軸リニアモータ53,53と、X軸リニアモータ53に並設され、X軸エアースライダ52の移動を案内する一対のX軸ガイドレール54,54と、セットテーブル51の位置を把握するためのX軸リニアスケール(図示省略)とを備えている。そして、一対のX軸リニアモータ53,53を駆動すると、一対のX軸ガイドレール54,54をガイドにしながら、X軸エアースライダ52をX軸方向に移動し、セットテーブル51にセットされたワークWがX軸方向に移動する。
セットテーブル51は、ワークWを直接吸着セットする吸着テーブル56と、吸着テーブル56の下部に接続された回転部58、および回転部58の下部に接続されX軸エアースライダ52上に配設された固定部59で構成され、吸着テーブル56を介してワークWのθ位置を微調整(θ補正)するワークθ軸テーブル57とを有している。
吸着テーブル56は、平面視略正方形に形成され、その一辺の長さは、最大サイズのワークWの長辺の長さに合わせて略1800mmに設定されており、ワークWを縦置き(ワークWの長辺をX軸方向と平行にする)および横置き(ワークWの長辺をY軸方向と平行にする)のいずれか任意の向きでセット可能になっている。もっとも、本実施形態では、ワークWを横置きでセットするものとする。また、いずれのサイズのワークWも、センター合わせでセットされる。
なお、ワークθ軸テーブル57の固定部59上には、吸着テーブル56の描画エリア41側(図4の右側)に隣接して、メンテナンス手段23の定期フラッシングボックス116が設置されている。
一方、Y軸テーブル33は、Y軸方向に延在する前後一対の支持スタンド66,66上に支持され、描画エリア41および描画待機エリア42間を架け渡すと共に、7個のキャリッジユニット31を、描画エリア41と描画待機エリア42との間で個々に移動させるものである。Y軸テーブル33は、7個のキャリッジユニット31をそれぞれ垂設する7個のブリッジプレート61と、7個のブリッジプレート61がY軸方向に整列するよう、これを両持ちで支持する7組のY軸スライドテーブル62と、Y軸方向に延在し、各組のY軸スライドテーブル62を介して各ブリッジプレート61をY軸方向に移動させる前後一対のY軸リニアモータ63,63と、Y軸方向に延在し、7個のブリッジプレート61の移動を案内する前後各2本(計4本)のY軸ガイドレール64と、各キャリッジユニット31の移動位置を検出するY軸リニアスケール(図示省略)とを備えている。
そして、一対のY軸リニアモータ63,63を駆動すると、7組のY軸スライドテーブル62をそれぞれ独立して移動させ、7個のキャリッジユニット31を個別にY軸方向へ移動させることができる。これによれば、7個のキャリッジユニット31に対する個々の移動を、単純な構造で且つ精度良く行うことができる。もちろん、7組のY軸スライドテーブル62を同時にY軸方向に移動させることにより、7個のキャリッジユニット31を一体としてY軸方向に移動させることも可能である。
なお、本実施形態では、単一のY軸テーブル33に7個のキャリッジユニット31を並べて搭載したが、複数のY軸テーブル33を設け、7個のキャリッジユニット31をこれらに分割して搭載してもよい。
さらに、各組のY軸スライドテーブル62に支持されたブリッジプレート61上には、対応する各キャリッジユニット31に搭載された12個の機能液滴吐出ヘッド72を駆動するヘッド用電装ユニット97が設けられており、7個のヘッド用電装ユニット97は、相互に干渉することがないよう(ノイズ防止)、千鳥状に配置されている。また、前後一対の支持スタンド66,66には、それぞれ前後側面にブラケット67が外向きに固定されており、各ブラケット67上にY軸収容ボックス68が支持されている。2個のY軸収容ボックス68には、7個のヘッド用電装ユニット97の千鳥配置に対応して、7個のY軸ケーブル担持体69(ケーブルベア:登録商標)が、4個と3個に二分されて収容されており、各Y軸ケーブル担持体69は、ヘッド用電装ユニット97に接続するフレキシブルフラットケーブルを各キャリッジユニット31の移動に追従可能に構成されている。
また、7個の機能液供給ユニット101のタンクユニット(図示省略)は、各ヘッド用電装ユニット66に対峙するようにして、千鳥状に配置されている。
図2および図5に示すように、7個のキャリッジユニット31は、Y軸テーブル33の7個のブリッジプレート61によりそれぞれ垂設されてY軸方向に並んでおり、各キャリッジユニット31は、12個の機能液滴吐出ヘッド72から成るヘッドユニット71と、ヘッドユニット71および機能液供給ユニット101のバルブユニット104(後述する)を搭載するキャリッジ73とから構成されている。なお、7個のキャリッジユニット31を、描画エリア41側から描画待機エリア42側に向けて(図5の左側から右側に向けて)順に第1キャリッジユニット31a、第2キャリッジユニット31b、・・・、第7キャリッジユニット31gとする。
図4および図5に示すように、各キャリッジ73は、ヘッドユニット71およびバルブユニット104を位置決め固定する平面視略平行四辺形の支持プレート76と、支持プレート76を保持するキャリッジ本体77と、キャリッジ本体77を吊設すると共に、キャリッジ本体77の上部に連結され、キャリッジ本体77を介してヘッドユニット71のθ位置を微調整(θ軸補正)するヘッドθ軸テーブル78と、ヘッドθ軸テーブル78の上部に連結され、ヘッドθ軸テーブル78およびキャリッジ本体77を介してヘッドユニット71のZ位置を微調整(Z軸補正)するヘッドZ軸テーブル79とを有している。なお、図示しないが、各支持プレート76には、画像認識を前提として、各キャリッジユニット31(ヘッドユニット71)をX軸、Y軸およびθ軸方向に位置決め(位置認識)するための基準となる一対の基準ピンが設けられている。
支持プレート76は、ステンレス等から成る平面視略平行四辺形の厚板で構成されており、12個の機能液滴吐出ヘッド72を位置決めすると共に、ヘッド保持部材(図示省略)により各機能液滴吐出ヘッド72を裏面側から固定するための12個の装着開口(図示省略)が形成されている。そして、支持プレート76は、キャリッジ本体77に着脱自在に支持され、ヘッドユニット71は、バルブユニット104と共に支持プレート76を介してキャリッジ73に搭載される。
図6に示すように、機能液滴吐出ヘッド72は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針82を有する機能液導入部81と、機能液導入部81に連なる2連のヘッド基板83と、機能液導入部81の下方(同図では上方)に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体84とを備えている。接続針82は、後述する圧力調整弁105(図5参照)を介して機能液タンク(図示省略)に接続され、機能液滴吐出ヘッド72のヘッド内流路に機能液を供給する。また、ヘッド本体84は、ピエゾ素子等で構成されたキャビティ91と、2本のノズル列94,94を相互に平行に形成したノズル面93を有するノズルプレート92とを有している。
各ノズル列94の長さは、例えば1インチ(略25.4mm)であって、各ノズル列94は180個のノズル95が等ピッチ(略140μm)で並べられて構成されている。そして、一方のノズル列94は、他方のノズル列94に対して、ノズル列方向に半ピッチ(70μm)分ずれており、ドット密度(解像度)は360dpiである。
また、ヘッド内流路の構造上、両端部に位置するノズル95からの吐出量が中央部に位置するノズル95からの吐出量に比べて多くなってしまうため、両端部の各10個のノズル95を不吐出ノズルとし、中央部の160個のノズル95を吐出ノズルとして、吐出ノズルのみから機能液を吐出し、不吐出ノズルからは機能液を吐出しないようにしている。そのため、各ノズル列94のうち中央部の160個の吐出ノズルにより部分描画ラインLp(図7参照)が構成される。
また、ヘッド基板83には、2連のコネクタ96,96が設けられており、各コネクタ96は、フレキシブルフラットケーブルを介して上記のヘッド用電装ユニット97(ヘッドドライバ141、図9参照)に接続されている。そして、コントローラ24からヘッド用電装ユニット97を介してキャビティ91に駆動波形が印加すると、キャビティ91のポンプ作用により、各ノズル95から機能液滴が吐出される。したがって、キャビティ91に印加する駆動波形の大きさ(印加電圧値の大きさ)や周期を制御することで、液滴吐出量や吐出タイミングが制御される。
図5および図7に示すように、各機能液滴吐出ヘッド72は、キャリッジ73に搭載された状態では、2本のノズル列94,94がY軸方向と平行になるように支持プレート76に固定されている。そして、12個の機能液滴吐出ヘッド72は、その幅方向(X軸方向)に密に重ね合わせると共に、全吐出ノズル(160×12個)がY軸方向に連続するように(階段状に)、配設されている。
なお、図7では、図を簡略化するため、各キャリッジユニット31のうち、機能液滴吐出ヘッド72および支持プレート76のみを表し、また、各キャリッジユニット31に搭載した機能液滴吐出ヘッド72の個数を4個とし、各機能液滴吐出ヘッド72のノズル95(吐出ノズル)の個数を3個×2列とする。
各キャリッジユニット31の全(12個)機能液滴吐出ヘッド72の全ノズル95(吐出ノズル)により、部分描画ラインLpが構成され、7個のキャリッジユニット31の全(12×7個)機能液滴吐出ヘッド72の全ノズル95(吐出ノズル)により、すなわち7個の部分描画ラインLpが連続して、1の最大幅描画ラインLmが構成される。そのため、部分描画ラインLpの長さは、略271mm(25.4mm/180×160×12)であり、最大幅描画ラインLmの長さは、略1897mm(271mm×7)である。
本実施形態では、ワークWに対し、7個のキャリッジユニット31のうち少なくとも1つのキャリッジユニット31から成る稼動ユニット群36をX軸方向に相対的に移動させながら、描画エリア41においてその機能液滴吐出ヘッド72からワークW上に機能液を吐出して描画処理を行う。
そして、稼動ユニット群36は、その機能液滴吐出ヘッド72の全ノズル95(吐出ノズル)がY軸方向に連続して構成される部分描画ライン群によって、ワークWのY軸方向における描画対象幅(横置きされたワークWの長辺の長さ)をカバーする最小個数の描画エリア41側のキャリッジユニット31から成っている。
具体的には、300mm×250mmのサイズの第1ワークWaに対して描画処理を行う場合、2個のキャリッジユニット31(第1・第2キャリッジユニット31a・b)により稼動ユニット群36を構成し(この場合、部分描画ライン群の長さは略542mm)、500mm×415mmのサイズの第2ワークWbに対して描画処理を行う場合、同様に2個のキャリッジユニット31(第1・第2キャリッジユニット31a・b)により稼動ユニット群36を構成し、680mm×565mmの第3ワークWcの場合、3個のキャリッジユニット31(第1〜第3キャリッジユニット31a〜c)により稼動ユニット群36を構成し(この場合、部分描画ライン群の長さは略813mm)、880mm×735mmの第4ワークWdの場合、4個のキャリッジユニット31(第1〜第4キャリッジユニット31a〜d)により稼動ユニット群36を構成し(この場合、部分描画ライン群の長さは略1084mm)、1100mm×915mmの第5ワークWeの場合、5個のキャリッジユニット31(第1〜第5キャリッジユニット31a〜e)により稼動ユニット群36を構成し(この場合、部分描画ライン群の長さは略1355mm)、1500mm×1250mmの第6ワークWfの場合、6個のキャリッジユニット31(第1〜第6キャリッジユニット31a〜f)により稼動ユニット群36を構成し(この場合、部分描画ライン群の長さは略1626mm)、1800mm×1500mmの第7ワークWgの場合、全(7個)キャリッジユニット31(第1〜第7キャリッジユニット31a〜g)により稼動ユニット群36を構成する(この場合、部分描画ライン群の長さは略1897mm)。
なお、上述したように、複数のY軸テーブル33に7個のキャリッジユニット31を分割して搭載した場合には、稼動ユニット群36を構成するキャリッジユニット31の組み合わせ数を多くすることができる。例えば、2個のY軸テーブル33を設け、一方のY軸テーブル33に4個のキャリッジユニット31を並べて搭載し、他方のY軸テーブル33に3個のキャリッジユニット31を並べて搭載した場合、3個のキャリッジユニット31により稼動ユニット群36を構成するためには、一方のY軸テーブル33の4個のキャリッジユニット31のうち3個を用いて構成してもよく、他方のY軸テーブル33の全(3個)キャリッジユニット31を用いて構成してもよく、さらに、一方のY軸テーブルの4個のキャリッジユニット31のうち1個または2個と、他方のY軸テーブル33の3個のキャリッジユニット31のうち2個または1個を用いて構成してもよい。
このように、稼動ユニット群36の全機能液滴吐出ヘッド72の全ノズル95(吐出ノズル)により構成される部分描画ライン群の長さは、ワークWの描画対象幅に対応しているため、1回の吐出走査により、ワークWの描画対象幅に対して、機能液を吐出することができる。すなわち、吐出走査を行った後、稼動ユニット群36を部分描画ライン群の長さ分Y軸方向にずらして、再度吐出走査を行う必要がない。さらに、描画処理中に稼動する機能液滴吐出ヘッド72を搭載していないキャリッジユニット31を、描画待機ユニット群37として描画待機エリア42において保管しておくことができる(詳細は後述する)。
機能液供給手段34の各機能液供給ユニット101は、機能液を貯留する12個の機能液タンクから成るタンクユニットと、機能液タンクおよび機能液滴吐出ヘッド72間の水頭圧を調整する12個の圧力調整弁105から成るバルブユニット104と、12個の機能液タンクと12個の圧力調整弁105とをそれぞれ接続する12本のタンク側給液チューブ(図示省略)と、12個の圧力調整弁105および12個の機能液滴吐出ヘッド72(の各2連の接続針82)をそれぞれ分岐継手(図示省略)を介して接続する24本のヘッド側給液チューブ(図示省略)とを有している。そして、各機能液タンクの機能液が、タンク側給液チューブ、圧力調整弁105およびヘッド側給液チューブを介して、対応する機能液滴吐出ヘッド72に導入される。
なお、上述したように、タンクユニットは、ヘッド用電装ユニット97と対峙するようにブリッジプレート61上に設置され、バルブユニット104は、キャリッジユニット31の支持プレート76上にヘッドユニット71と並んで搭載されている。もっとも、タンクユニットを、支持プレート76上にヘッドユニット71およびバルブユニット104と並べて搭載してもよい。
画像認識手段35は、ワーク搬出入エリア43の前後両側に臨むように配設され、ワークWの両長辺部分にそれぞれ形成された2つのワークアライメントマーク(図示省略)をそれぞれ画像認識する2台のワーク認識カメラ106(図9参照)と、X軸テーブル32のX軸エアースライダ52に連結され、各キャリッジ73(支持プレート76)の2つの基準ピンを画像認識するヘッド認識カメラ107(図9参照)と、上記のY軸テーブル33に添設されたカメラ移動機構(図示省略)によりY軸方向に移動可能にそれぞれ搭載され、ワークW等に吐出された機能液滴(ドット)を上方から撮像して画像認識する2台のドット認識カメラ108(図9参照)とを有している。これらの各種カメラの画像認識結果に基づいて、上述したワークWやヘッドユニット71の位置補正が行われる。
ここで、図2ないし図4を参照して、描画装置22によるワークWへの吐出動作、すなわち描画動作について簡単に説明する。まず、機能液を吐出する前の準備として、上記のワーク搬出入装置2により吸着テーブル56にワークWがセットされ、そのワークWの位置補正が、ワークθ軸テーブル57によるθ軸方向の位置補正と、ワークWのX軸方向およびY軸方向の位置データ補正とにより行われる。相前後して、描画エリア41に移動する稼動ユニット群36と、描画待機エリア42に移動する描画待機ユニット群37との仕分けが行われる(詳細は後述する)。また、描画エリア41に移動した稼動ユニット群36の各ヘッドユニット71の位置補正が、ヘッドθ軸テーブル78によるθ軸方向の位置補正およびY軸テーブル33によるY軸方向の位置補正と、ヘッドユニット71のX軸方向の位置データ補正とにより行われる。
ワークWやヘッドユニット71の位置補正が行われた後、描画装置22は、コントローラ24(制御部132)による制御を受けながら、ワークWをX軸テーブル32によりX軸方向に往動させると共に、これに同期して稼動ユニット群36の機能液滴吐出ヘッド72を選択的に駆動させて、ワークWに対する機能液の吐出が行われる。続いて、ワークWを復動させながら、再度ワークWに対する機能液の吐出が行われる。このようにワークWのX軸方向への往復移動と機能液滴吐出ヘッド72の駆動とを複数回繰り返すことで、ワークWに対する描画が行われる。すなわち、描画エリア41に臨むワークWに対し、稼動ユニット群36をX軸方向に相対的に移動させながら、稼動ユニット群36の機能液滴吐出ヘッド72からワークW上に機能液を吐出して描画処理が行われる。
なお、この描画処理において、ワークWの往動時のみ機能液の吐出が行われる構成としてもよい。また、ワークWを固定とし、稼動ユニット群36をX軸方向に移動させる構成であってもよい。さらに、本実施形態では、上述したように、ワークWの描画対象幅と稼動ユニット群36の部分描画ライン群の長さとが対応しているが、ワークWの描画対象幅が稼動ユニット群36の部分描画ライン群の長さよりも長い構成であってもよく、この場合には、ワークWに対し稼動ユニット群36を往復動させながら機能液滴吐出ヘッド72を駆動させて吐出走査(主走査)を行った後、Y軸テーブル33により稼動ユニット群36を部分描画ライン群の長さ分Y軸方向に移動させ(副走査)、再度ワークWに対する主走査が行われる。そして、この主走査および副走査を数回繰り返してワークWの端から端まで液滴吐出が行われる。
次に、図3および図8を参照して、液滴吐出装置1におけるメンテナンス手段23およびこれによる機能液滴吐出ヘッド72の機能維持・回復処理について説明する。メンテナンス手段23は、稼動ユニット群36以外の描画待機エリア42側のキャリッジユニット31から成る描画待機ユニット群37に搭載された機能液滴吐出ヘッド72を、吐出機能を維持した状態で保管すると共に、吐出機能を回復するものである。メンテナンス手段23は、機能液滴吐出ヘッド72を吸引して、機能液滴吐出ヘッド72から機能液を強制的に排出させる吸引ユニット111と、機能液が付着して汚れた機能液滴吐出ヘッド72のノズル面93を払拭するワイピングユニット113と、吸引ユニット111の7個の分割吸引ユニット112(後述する)およびワイピングユニット113をそれぞれ個別に昇降可能に支持する8個のユニット昇降機構115から構成されるユニット昇降手段114とを有しており、これらは、アングル架台118上に支持されて描画待機エリア42に配設されている。さらに、メンテナンス手段23は、上記のワークθ軸テーブル57上に配設された定期フラッシングボックス116と、セットテーブル51の前後両側に配設された一対の吐出前フラッシングボックス(図示省略)とを有している。
吸引ユニット111は、7個のキャリッジユニット31に対応して、Y軸方向に配列された7個の分割吸引ユニット112を有している。各分割吸引ユニット112は、キャリッジユニット31に対して下側から臨み、12個の機能液滴吐出ヘッド72のノズル面93にそれぞれ気密に封止させる12個のキャップ121と、12個のキャップ121を昇降自在に支持するキャップ支持部材122と、封止させたキャップ121を介して機能液滴吐出ヘッド72に吸引力を作用させるエゼクタ(図示省略)とを備えている。なお、7個の分割吸引ユニット112を、描画エリア41側から描画待機エリア42側に向けて(図3の左側から右側に向けて)順に第1分割吸引ユニット112a、第2分割吸引ユニット112b、・・・、第7分割吸引ユニット112gとする。
12個のキャップ121は、各キャリッジ73に搭載された12個の機能液滴吐出ヘッド72の並びに対応させて、キャップ支持部材122に配設したものである。そのため、吸引ユニット111全体では、7個のキャリッジユニット31の全機能液滴吐出ヘッド72の配置パターンに倣って、12×7個のキャップ121が配置されており、全機能液滴吐出ヘッド72にそれぞれ対応するキャップ121を一度に封止させることが可能である。さらに、キャップ121をノズル面93に封止させた状態でエゼクタを駆動することにより、ノズル95から機能液を吸引することで、機能液滴吐出ヘッド72内で増粘した機能液を除去することができる。
したがって、吸引ユニット111は、各キャップ121により機能液滴吐出ヘッド72を気密に封止することで、複雑な機構を用いることなく、機能液滴吐出ヘッド72のノズル95の機能液が乾燥することを防止して、機能液滴吐出ヘッド72を機能維持状態に保管すると共に、各キャップ121により気密状態として機能液滴吐出ヘッド72のノズル95から吸引することで、増粘した機能液を排出することができる。
ワイピングユニット113は、描画待機エリア42の描画エリア41側、すなわち描画エリア41と吸引ユニット111との間に配置されており、機能液滴吐出ヘッド72の吸引等により、機能液が付着して汚れたノズル面93を、洗浄液を含浸させたワイピングシート123を用いて拭き取るものである。このような配置により、ワイピングユニット113は、吸引ユニット111による吸引を終えて、描画エリア41へ個々に移動するキャリッジユニット31に順次臨むことができ、その機能液滴吐出ヘッド72にワイピング処理を行うことができるようになっている。そして、上記の吸引処理と、吸引処理によりノズル面93に付着した機能液を拭き取るワイピングとにより、ノズル詰まりの生じた機能液滴吐出ヘッド72の吐出機能を回復させることができる。
図4に示すように、定期フラッシングボックス116は、ワークWに対する描画を一時的に停止するときに行うフラッシングを受けるためのものであり、上記のワークθ軸テーブル57上に設けられ、ワークWの交換のためにセットテーブル51がワーク搬出入エリア43に臨むとき、定期フラッシングボックス116が描画エリア41に臨み、機能液滴吐出ヘッド72からのフラッシングを受けるようになっている。
図示しないが、一対の吐出前フラッシングボックスは、ワークWに機能液を吐出させる直前に行う吐出前フラッシングを受けるためのものであり、セットテーブル51をX軸方向に挟むように配設されている。これにより、ワークWの往復動に伴う機能液滴吐出ヘッド72の吐出駆動の直前に行われるフラッシングを受けることができる。
定期フラッシングボックス116および一対の吐出前フラッシングボックスは、それぞれ平面視長方形の箱状に形成されており、その底面には、機能液を吸収させる吸収材(図示省略)が敷設されている。また、各フラッシングボックスの長辺(Y軸方向)は、上記の最大幅描画ラインLmの長さに対応して形成されているため、稼動ユニット群36が全キャリッジユニット31により構成されている場合にも、その機能液滴吐出ヘッド72からのフラッシングを受け得るようになっている。
次に、図9を参照して、液滴吐出装置1全体の制御系について説明する。液滴吐出装置1の制御系は、基本的に、上位コンピュータ3と、機能液滴吐出ヘッド72、X軸テーブル32、Y軸テーブル33、メンテナンス手段23等を駆動する各種ドライバを有する駆動部131と、駆動部131を含め液滴吐出装置1全体を統括制御する制御部132(コントローラ24)とを備えている。
上位コンピュータ3は、コントローラ24に接続されたコンピュータ本体16に、キーボード17や、キーボード17による入力結果等を画像表示するディスプレイ18等が接続されて構成されている。
駆動部131は、機能液滴吐出ヘッド72を吐出駆動制御するヘッドドライバ141と、X軸テーブル32およびY軸テーブル33の各モータをそれぞれ駆動制御する移動用ドライバ142と、メンテナンス手段23の吸引ユニット111、ワイピングユニット113およびユニット昇降機構115を駆動制御するメンテナンス用ドライバ143とを備えている。
制御部132は、CPU151と、ROM152と、RAM153と、P−CON154とを備え、これらは互いにバス155を介して接続されている。ROM152は、CPU151で処理する制御プログラム等を記憶する制御プログラム領域と、描画動作や画像認識を行うための制御データ等を記憶する制御データ領域とを有している。
RAM153は、各種レジスタ群のほか、ワークWに機能液の吐出を行うための描画データを記憶する描画データ記憶部、ワークWおよび機能液滴吐出ヘッド72の位置データを記憶する位置データ記憶部、オペレータによってキーボード17から入力された各種設定(後述する稼動ユニット群36と描画待機ユニット群37との設定等)を記憶する設定記憶部等の各種記憶部を有し、制御処理のための各種作業領域として使用される。
P−CON154には、駆動部131の各種ドライバのほか、画像認識手段35の各種カメラが接続されており、CPU151の機能を補うと共に、周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が構成されて組み込まれている。このため、P−CON154は、上位コンピュータ3からの各種指令等をそのままあるいは加工してバス155に取り込むと共に、CPU151と連動して、CPU151等からバス155に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部131に出力する。
そして、CPU151は、ROM152内の制御プログラムに従って、P−CON154を介して各種検出信号、各種指令、各種データ等を入力し、RAM153内の各種データ等を処理した後、P−CON154を介して駆動部131等に各種の制御信号を出力することにより、液滴吐出装置1全体を制御している。例えば、CPU151は、機能液滴吐出ヘッド72、X軸テーブル32およびY軸テーブル33を制御して、所定の液滴吐出条件および所定の移動条件でワークWに描画を行う。
ここで、図10ないし図13を参照して、本実施形態の液滴吐出装置1による描画制御について詳細に説明する。この液滴吐出装置1は、上述したように、稼動ユニット群36を描画エリア41に移動させると共に、描画エリア41に臨むワークWに対し、稼動ユニット群36を相対的にX軸方向に移動させながら、その機能液滴吐出ヘッド72からワークW上に機能液を吐出して描画処理を行い、且つ、描画待機ユニット群37を描画待機エリア42に移動させると共に、その機能液滴吐出ヘッド72を機能維持状態に保管するメンテナンス処理を行う。この描画処理およびメンテナンス処理は、コントローラ24により、描画装置22の各装置およびメンテナンス手段23の各ユニットを制御して行われる。
ここでは、2枚のワークWに対してそれぞれ行われる描画処理について説明する。まず、液滴吐出装置1に導入される1枚目のワークWのサイズに基づいて、稼動ユニット群36と描画待機ユニット群37とを仕分けする。例えば、1枚目のワークWが880mm×735mmのサイズの第4ワークWdである場合、オペレータは、上記のキーボード17により、描画エリア41側の4個のキャリッジユニット31(第1〜第4キャリッジユニット31a〜d)を稼動ユニット群36として設定し、描画待機エリア42側の3個のキャリッジユニット31(第5〜第7キャリッジユニット31e〜g)を描画待機ユニット群37として設定(ユニット群仕分け設定)する(図10(a)参照)。
なお、このユニット群仕分け設定は、このようにオペレータが各キャリッジユニット31を稼動ユニット群36および描画待機ユニット群37のいずれかに仕分けすることで行われるほか、オペレータがワークWの描画対象幅を入力し、コントローラ24がその入力値に基づいて仕分けをしてもよく、さらに、セットテーブル51にセットされたワークWのY軸方向における長さを検出するセンサを設け、コントローラ24がその検出値に基づいて仕分けをしてもよい。
次に、Y軸テーブル33を駆動制御して、描画待機ユニット群37として設定された第5〜第7キャリッジユニット31e〜gを描画待機エリア42に移動すると共に、稼動ユニット群36として設定された第1〜第4キャリッジユニット31a〜dを描画エリア41のY軸方向中央部に移動する(図10(b)参照)。
この稼動ユニット群36と描画待機ユニット群37との仕分けに続いて、X軸テーブル32にワークWをセットして、上述したように、ワークWおよび稼動ユニット群36の位置補正を行う(図11(a)参照)。そして、描画手段22は、コントローラ24の制御を受けながら、ワークWに対して機能液の吐出、すなわち描画処理を行う(図11(b)参照)。
一方、描画待機エリア42に移動した描画待機ユニット群37(第5〜第7キャリッジユニット31e〜g)に対しては、対応する分割吸引ユニット112(第5〜第7分割吸引ユニット112e〜g)により、各機能液滴吐出ヘッド72を封止して、機能維持状態に保管しておく(図10(b)、図11参照)。これによれば、稼動ユニット群36を描画エリア41に移動させて、その機能液滴吐出ヘッド72により描画処理を行っている間、描画待機ユニット群37を描画待機エリア42に移動させて、その機能液滴吐出ヘッド72を、吐出機能を維持した状態で保管することができる。
このようにして、セットした第4ワークWd(880mm×735mm)に対する描画処理が終了すると、描画処理済みの第4ワークWdを上記の描画ユニットSu外に搬出する。
続いて行われる2枚目のワークWに対する描画処理について、2枚目のワークWのサイズに大小に場合分けして説明する。まず、2枚目のワークWが1枚目のワークW(第4ワークWd)よりも大きいサイズのワークW(例えば、1100mm×915mmの第5ワークWe)である場合、オペレータは、上記のユニット群仕分け設定を変更、すなわち、第1〜第5キャリッジユニット31a〜eを稼動ユニット群36として設定し、第6・第7キャリッジユニット31f・gを描画待機ユニット群37として設定する(図12(a)参照)。
次に、Y軸テーブル33を駆動制御して、描画待機ユニット群37として新たに設定された第5キャリッジユニット31eを描画エリア41に移動する(図12(b)参照)と共に、稼動ユニット群36として設定された第1〜第5キャリッジユニット31a〜eを描画エリア41のY軸方向中央部に位置するようにする。ここで、第5キャリッジユニット31eは、描画待機エリア42(第5分割吸引ユニット112e)において機能維持状態に保管されていたため、これを描画エリア41に移動させるだけで、稼動ユニット群36として機能させることができる。なお、必要に応じて、第5分割吸引ユニット112eにより吸引処理を行うと共に、ワイピングユニット113によりワイピングを行うことが好ましいが、この場合も、キャッピングによりノズル95が過度に乾燥していることがないため、吸引処理に要する時間は短くて済む。
以下、上記と同様にして、第5ワークWeをX軸テーブル32にセットし(図13(a)参照)、描画待機ユニット群37を機能維持状態に保管すると共に稼動ユニット群36により描画処理を行う(図13(b)参照)。このように、描画待機状態にあった第5キャリッジユニット31eを短時間で稼動状態にすることができるため、第5ワークWeの描画対象幅に対応した部分描画ライン群を短時間で構成することができる。
また、2枚目のワークWが1枚目のワークW(第4ワークWd)よりも小さいサイズのワークW(例えば、500mm×415mmの第2ワークWb)である場合、オペレータは、上記のユニット群仕分け設定を変更、すなわち、第1〜第2キャリッジユニット31a〜bを稼動ユニット群36として設定し、第3〜第7キャリッジユニット31c〜gを描画待機ユニット群37として設定する。
これにより、Y軸テーブル33を駆動制御して、描画待機ユニット群37として新たに設定された第3・第4キャリッジユニット31c・dを描画待機エリア42に移動する。以下、上記と同様にして、描画待機ユニット群37を機能維持状態に保管すると共に稼動ユニット群36により描画処理を行う。
また、2枚目のワークWが1枚目のワークW(第4ワークWd)と同じサイズのワークW(第4ワークWd)である場合、上記と同じユニット群仕分け設定で、すなわち第1〜第4キャリッジユニット31a〜dを稼動ユニット群36として設定し、第5〜第7キャリッジユニット31e〜gを描画待機ユニット群37として設定したまま、描画待機ユニット群37を機能維持状態に保管すると共に稼動ユニット群36により描画処理を行う。
以上のように、本実施形態の液滴吐出装置1によれば、描画処理中に稼動しない描画待機ユニット群37の機能液滴吐出ヘッド72を機能維持状態に保管して待機させておくことができると共に、描画待機状態から稼動状態に短時間で移行させることができる。
次に、図14を参照して、液滴吐出装置1の第2実施形態について説明する。第2実施形態の液滴吐出装置1は、上記の第1実施形態の液滴吐出装置1と略同様の構成であって、上記の共通架台21、描画装置22(キャリッジユニット31、X軸テーブル32、Y軸テーブル33等)、メンテナンス手段23(吸引ユニット111およびワイピングユニット113等)等を備えているが、第1実施形態では、単一の描画待機エリア42にメンテナンス手段23を設けているのに対し、第2実施形態では、描画エリア41をY軸方向に挟んで7個のキャリッジユニット31の移動軌跡上の両側に一対の描画待機エリア42,42が配設されており、各描画待機エリア42がメンテナンス手段23を設けている点で相違する。なお、一対の描画待機エリア42のうち、図示左側を第1描画待機エリア42a、図示右側を第2描画待機エリア42bとする。
したがって、第2実施形態の液滴吐出装置1についても、第1実施形態の液滴吐出装置1と同様に、描画処理中に稼動しない描画待機ユニット群37の機能液滴吐出ヘッド72を機能維持状態に保管して待機させておくことができると共に、描画待機状態から稼動状態に短時間で移行させることができる。
しかも、第2実施形態の液滴吐出装置1では、7個のキャリッジユニット31について、稼動ユニット群と描画待機ユニット群との使い回しの自由度を高めることができる。具体的に説明すると、第1実施形態では、上述したように、第4ワークWdに対して描画処理を行う場合、稼動ユニット群36となるのは、第1〜第4キャリッジユニット31a〜dであり、描画待機ユニット群37となるのは、第5〜第7キャリッジユニット31e〜gである。すなわち、稼動ユニット群36と描画待機ユニット群37とのユニット群仕分け設定は1通りに決まる。
これに対し、図15および図16に示すように、第2実施形態では、第4ワークに対して描画処理を行う場合、稼動ユニット群36が第1〜第4キャリッジユニット31a〜dで、描画待機ユニット群37が第5〜第7キャリッジユニット31e〜g(第2描画待機エリア42bで待機)の場合(図15(a)参照)と、稼動ユニット群36が第2〜第5キャリッジユニット31b〜eで、描画待機ユニット群37が第1キャリッジユニット31a(第1描画待機エリア42aで待機)および第6・第7キャリッジユニット31f・g(第2描画待機エリア42bで待機)の場合(図15(b)参照)と、稼動ユニット群36が第3〜第6キャリッジユニット31c〜fで、描画待機ユニット群37が第1・第2キャリッジユニット31a・b(第1描画待機エリア42aで待機)および第7キャリッジユニット31g(第2描画待機エリア42bで待機)の場合(図16(a)参照)と、稼動ユニット群36が第4〜第7キャリッジユニット31d〜gで、描画待機ユニット群37が第1〜第3キャリッジユニット31a〜c(第1描画待機エリア42aで待機)の場合(図16(b)参照)との4通りに設定することが可能である。
なお、第2実施形態では、各メンテナンス手段23の吸引ユニット111は、7個のキャリッジユニット31の使い回しの自由度を高めるべく、7個の分割吸引ユニット112を有し、いずれの吸引ユニット111とも、7個のキャリッジユニット31の全機能液滴吐出ヘッド72にそれぞれ対応するキャップ121を一度に封止させることが可能である。もっとも、液滴吐出装置全体の省スペース化を図るべく、両方の吸引ユニット111で7個の分割吸引ユニット112を有する(例えば、一方が4個、他方が3個)構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、稼動ユニット群36と描画待機ユニット群37とを仕分けする場合として、上述したようにワークWの描画幅に対応した部分描画ライン群を構成する場合のほか、7個のキャリッジユニット31を複数組に分け、互いに異なる複数種の機能液を導入する場合も考えられる。
図17に示すように、具体的には、例えば、第1・第2キャリッジユニット31a・bにRの機能液を導入し、第3・第4キャリッジユニット31c・dにGの機能液を導入し、第5・第6キャリッジユニット31e・fにBの機能液を導入して、1台の液滴吐出装置1によりワークWにR・G・B3色の着色層508R、508G、508Bを形成してカラーフィルタを製造することが可能である。なお、第7キャリッジユニット31gには機能液を導入せず、常に第2描画待機エリア42b(の第7分割吸引ユニット112g)で待機させておく。
まず、第1・第2キャリッジユニット31a・bを稼動ユニット群36として描画エリア41に移動させると共に、第3〜第6キャリッジユニット31c〜fを描画待機ユニット群37として第2描画待機エリア42b(の第3〜第6分割吸引ユニット112c〜f)に移動させる。そして、稼動ユニット群36の主走査および副走査を行って、ワークWに対してRの機能液を吐出して描画処理を行わせると共に、描画待機ユニット群37を機能維持状態に保管しておく(同図(a)参照)。
続いて、第1・第2キャリッジユニット31a・bを描画待機ユニット群37として描画エリア41から第1描画待機エリア42a(の第1・第2分割吸引ユニット112a・b)に移動させると共に、第3・第4キャリッジユニット31c・dを稼動ユニット群36として第2描画待機エリア42bから描画エリア41に移動させる。そして、稼動ユニット群36によりGの機能液を吐出して描画処理を行わせると共に、描画待機ユニット群37を機能維持状態に保管しておく(同図(b)参照)。
さらに、第3・第4キャリッジユニット31c・dを描画待機ユニット群37として描画エリア41から第1描画待機エリア42a(の第3・第4分割吸引ユニット112c・d)に移動させると共に、第5・第6キャリッジユニット31e・fを稼動ユニット群36として第2描画待機エリア42bから描画エリア41に移動させる。そして、稼動ユニット群36によりBの機能液を吐出して描画処理を行わせると共に、描画待機ユニット群37を機能維持状態に保管する(同図(c)参照)。
このようにして、1台の液滴吐出装置1(描画ユニットSu)によりR・G・B3色の機能液の吐出・描画を行うことができ、しかも、ある色の機能液の描画処理を行った後、短時間で、次の色の機能液の描画処理を行うことができる。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図18は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図19は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図19(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図19(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図19(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド72により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
次に、着色層形成工程(S103)では、図19(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド72によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド72を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図19(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図20は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図19に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図20において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド72で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド72で行うことも可能である。
図21は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
図22は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図23は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図24〜図32を参照して説明する。
この表示装置600は、図24に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図25に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図26に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド72を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図2に示した液滴吐出装置1のセットテーブル51に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
図27に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド72から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図28に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図29に示すように、各色のうちのいずれか(図29の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図30に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド72を用い、図31に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図32に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
次に、図33は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図2に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル51に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド72により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド72から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
次に、図34は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図35(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図35(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
1…液滴吐出装置 24…コントローラ 31…キャリッジユニット 32…X軸テーブル 33…Y軸テーブル 36…稼動ユニット群 37…描画待機ユニット群 41…描画エリア 42…描画待機エリア 72…機能液滴吐出ヘッド 73…キャリッジ 95…ノズル 111…吸引ユニット 113…ワイピングユニット 121…キャップ 123…ワイピングシート Lp…部分描画ライン W…ワーク