以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の画像形成装置としてのインクジェット記録装置12の筐体14内の下部には、給紙トレイ16が設けられており、給紙トレイ16内に積層された用紙Pをピックアップロール18で1枚ずつ取り出すことができる。取り出された用紙Pは、所定の搬送経路22を構成する複数の搬送ローラ対20で搬送される。
給紙トレイ16の上方には、駆動ロール24及び従動ロール26に張架された無端状の搬送ベルト28が配置されている。搬送ベルト28の上方には本発明の記録ヘッドとしての記録ヘッド30が配置されており、搬送ベルト28の平坦部分28Fに対向している。この対向した領域が、記録ヘッド30からインク滴が吐出される吐出領域SEとなっている。搬送経路22を搬送された用紙Pは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域SEに至り、記録ヘッド30に対向した状態で、記録ヘッド30から画像データに応じたインク滴が吐出されるることによって画像データの各画素に対応するドットが記録される。
なお、用紙Pを搬送ベルト28で保持した状態で周回させることで、吐出領域SE内に複数回通過させて、いわゆるマルチパスによる画像記録を行うことも可能であるが、本実施形態では、1パスで画像記録するものとする。
記録ヘッド30の近傍には、インクジェット記録ヘッド32各々に対応するメンテナンスユニット34各々が配置されている。インクジェット記録ヘッド32に対してメンテナンスを行う場合には、図2に示すように、記録ヘッド30が上方へ移動し、搬送ベルト28との間に構成された間隙にメンテナンスユニット34が移動して入り込む。そして、ノズル面に対向した状態で、ノズル内のインクを吸引する復旧処理を行う。
なお、搬送ベルト28は、一例として、半導電性ポリイミド材(例えば、表面抵抗値1010〜1013Ω/m2、及び体積抵抗値109〜1012Ω・cm)を、厚さ75μm、幅380mm、及び周長1000mmに成形したものを使用できる。また、駆動ロール24及び従動ロール26としては、一例として、直径50mmのSUSロールを使用できる。
また、用紙Pを周回させる手段としては、搬送ベルト28に限られない。たとえば円筒状あるいは円柱状に形成された搬送ローラの外周に、記録媒体(用紙P)を吸着保持して回転させる構成でもよい。ただし、本実施形態のように搬送ベルト28を使用すると、平坦部分28Fが構成されるのでこの平坦部分28Fに対応させて記録ヘッド30を配置でき好ましい。
記録ヘッド30は、用紙Pの幅方向(搬送方向と直交する方向)にインク滴を凝集さえせる性質を有する詳細を後述する凝集液(H)を吐出するための複数のノズル(詳細後述)が配列された長尺状のインクジェット記録ヘッド32Hと、用紙Pの幅方向(搬送方向と直交する方向)にインク滴を吐出するための複数のノズル(詳細後述)が複数配列され、各ノズルからインク滴が用紙Pへ吐出されることによって、画像データの各画素に対応するドットを用紙P上に記録するための長尺状の、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色のインクに対応した4つのインクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32Kと、の合計5個のインクジェット記録ヘッド32が搬送方向に沿って配置されており、カラー画像を記録可能に構成されている。
なお、本実施の形態では、インク滴を吐出するための複数のノズルが配列された構成の長尺状のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色のインクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32Kと、凝集液を吐出するための複数のノズルが配列された構成の長尺状のインクジェット記録ヘッド32Hとが、搬送方向に沿って配列された構成となっており、フルカラーの画像を記録可能になっているが、インクジェット記録ヘッド32の配列数は、5個に限定されるものではない。
また、記録ヘッド30は、搬送方向と直交する方向に不動とされていてもよいが、必要に応じて移動するように構成するようにしてもよい。このようにすれば、マルチパスによる画像記録でより解像度の高い画像を記録したり、インクジェット記録ヘッド32の不具合を記録結果に反映させないようにすることができる。
図15(B)に示すように、記録ヘッド30を構成する複数のインクジェット記録ヘッド32H、32Y、32M、32C、及び32K各々は、凝集液またはインク滴を吐出するためのノズル33Bが、各々用紙Pの幅方向に複数配列されている。ノズル33B各々には、インク圧力室33Cが連通され、インク圧力室33Cには、ピエゾ等の圧電素子33Dがこのインク圧力室33Cに接して設けられている。圧電素子33Dは、周知のように、電圧を印加することにより形状が変化する性質を有しており、この形状変化を利用して、インク圧力室33C内に圧力をかけることにより、ノズル33Bから凝集液またはインク滴を吐出して、用紙P上にドットを記録する。このとき、図15(A)及び図15(C)に示すように、圧電素子33Dに印加する電圧すなわち駆動波形や駆動電圧等を制御することによって、ノズル33Bから大滴のインク滴(図15(B)参照)、ノズル33Bから小滴のインク滴(図15(D)参照)、ドット形成の禁止、または中滴のインク滴の吐出等を制御することによって、吐出するインク滴の量及び凝集液の量各々を制御することによって、大滴、中滴、小滴、及び滴無し等のドットサイズをすることができるようになっている。
なお、本実施の形態では、圧電素子33Dを用いてインク滴を吐出する場合を説明するが、このような形態に限られるものではなく、例えば、インク圧力室33C内のインクに熱を加えることによって、インク滴の吐出によって記録されるドットの大きさを制御する、いわゆるサーマル方式等の公知の方式を適用することが可能である。
記録ヘッド30の近傍(本実施形態では搬送方向の両側)には、それぞれのインクジェット記録ヘッド32に対応した5つのメンテナンスユニット34Y、34M、34C、34K、及び34H(以下、総称するときはメンテナンスユニット34という)が配置されている。インクジェット記録ヘッド32に対してメンテナンスを行う場合には、図2に示すように、記録ヘッド30が上方へ移動し、搬送ベルト28との間に構成された間隙にメンテナンスユニット34が移動して入り込む。そして、ノズル面32N(図3参照)に対向した状態で、バキューム、ダミージェット、ワイピング、またはキャッピング等のメンテナンス動作を行う。
なお、本実施形態では、5つのメンテナンスユニット34は、凝集液(H)を吐出するインクジェット記録ヘッド32Hに対応する1個のメンテナンスユニット34Hと、4個のインクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32K各々に対応する4個のメンテナンスユニット32Y、32M、32C、及び32Kと、の1個と4個に分割して設けられている。1個のメンテナンスユニット34Hと、4個のインクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32K各々とは、画像記録時には記録ヘッド30の上流側及び下流側に各々配置されている。
図3に示すように、記録ヘッド30の上流側には、帯電ロール36が配置されている。帯電ロール36は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び用紙Pを挟みつつ従動し、用紙Pを搬送ベルト28に押圧する押圧位置と、搬送ベルト28から離間した離間位置との間を移動可能とされている。押圧位置では、接地された従動ロール26との間に所定の電位差が生じるため、用紙Pに電荷を与えて搬送ベルト28に静電吸着させることができる。
帯電ロール36としては、例えば、シリコーンゴムの表面に導電性カーボンを被覆し、体積抵抗値106〜107Ω・cm程度に調整した直径14mmのロールを使用することができる。
なお、帯電ロール36よりもさらに上流側には、図示しないレジロールが設けられており、用紙Pが搬送ベルト28と帯電ロール36との間に至る前に位置合わせされる。
記録ヘッド30の下流側には、剥離プレート40が配置されており、用紙Pを搬送ベルト28から剥離することができる。剥離プレート40としては、例えば、厚さ0.5mm、幅330mm、及び長さ100mmのアルミプレートを使用することができる。
剥離された用紙Pは、剥離プレート40の下流側で排出経路44を構成する複数の排出ローラ対42で搬送され、筐体14の上部に設けられた排紙トレイ46に排出される。
剥離プレート40の下方には、駆動ロール24との間で搬送ベルト28を挟持可能なクリーニングロール48が配置されており、搬送ベルト28の表面をクリーニングするようになっている。
給紙トレイ16と搬送ベルト28の間には、複数の反転用ローラ対50で構成された反転経路52が設けられており、片面に画像記録された用紙Pを反転させて搬送ベルト28に保持させることで、用紙Pの両面への画像記録を容易に行えるようになっている。
搬送ベルト28と排紙トレイ46の間には、インクタンク54として、凝集液を貯留するためのタンク54H、及び4色の各インクそれぞれを貯留するインクタンク54Y、54M、54C、及び54K各々が設けられている。タンク54Hに貯留された凝集液は、図示を省略したインク供給配管によってインクジェット記録ヘッド30Hに供給される、同様に、インクタンク54Y、54M、54C、及び54K各々に貯留されたインクは、図示を省略したインク供給配管によってインクジェット記録ヘッド30Y、30M、30C、及び30Kに供給される。
インクタンク54Y、54M、54C、及び54K各々に貯留されるインクとしては、水性インク、油性インク、及び溶剤系インク等の公知の各種インクを使用できる。
タンク54Hに貯留される凝集液は、多価金属等を含む無色又は淡色のインクであり、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラック各色のインクの色材を凝集させてドットの滲みを少なくする性質を有している。この凝集液に各色のインクを重ねて滴下することにより、ドットの滲みが少なくなり画質を向上させることができる。凝集液の一例には、有機酸型反応液、多価金属型反応液、有機酸と多価金属の混合型、及び有機酸と有機アミン系混合型等がある。
このような全体構成とされた本実施形態のインクジェット記録装置12では、上記したように、給紙トレイ16から取り出された用紙Pが搬送され、搬送ベルト28に至る。そして、帯電ロール36によって搬送ベルト28に押し付けられると共に、帯電ロール36からの印加電圧によって搬送ベルト28に吸着した状態で保持される。この状態で、搬送ベルトの循環によって用紙Pが吐出領域SEを通過しつつ、記録ヘッド30から凝集液が吐出されると共にインク滴が吐出されることによって、用紙P上に画像が記録される。
画像が記録された用紙Pは、剥離プレート40で搬送ベルト28から剥離され、排出ローラ対42で搬送されて排紙トレイ46に排出される。
図4に示すように、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12の制御系は、制御部60、色・濃度変換部62、画像処理部64、記録データ作成部66、及び画像記録部68を含んで構成されている。なお、色・濃度変換部62、画像処理部64、及び記録データ作成部66は、画像データをインクジェット記録装置12へ出力するパーソナルコンピュータ等の外部装置側に設けられていても良い。
制御部60は、色・濃度変換部62、画像処理部64、記録データ作成部66、及び画像記録部68を統括制御する。なお、画像記録部68は、図1から図3を参照して説明したインクジェット記録装置12の内、画像の記録に関する構成要素を含むものである。
制御部60は、画像データの各画素毎に、各画素に対応して吐出するインク滴の量に対する凝集液の量を設定する機能としての設定部60Aを含んで構成されている。設定部60Aでは、画像データの各画素毎に、各画素に対応して吐出するインク滴の量に対する凝集液の量を設定する機能部であり、設定部60Aによって設定された量の凝集液が記録ヘッド30から各画素毎に対応して吐出された後に、吐出された凝集液に重なるように対応する画素のインク滴が吐出される。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、設定部60Aでは、インク滴の量に対する凝集液の量の割合として、各画素毎に「標準」または「標準より少な目」の何れかを設定するものとして説明する。また、本実施の形態では、インク滴の量に対する凝集液の量の割合を「標準」に設定する場合とは、凝集液の量の割合が50%に設定された事を表し、「標準より少な目」に設定する場合とは、凝集液の量の割合が30%に設定された事を表すものとして説明する。
ここで、凝集液が吐出された後にインク滴を吐出すると、凝集液の効果によりインクが凝集してインク滴により用紙P上に形成されたドットは小さくなることから、インク滴の量に対する凝集液の量の割合が異なると、用紙P上に形成されるドットの色及び濃度は同一の画像データであっても異なるものとなる。このため、色・濃度変換部62は、外部から入力された画像データの各画素毎に、吐出するインク滴の量と凝集液の量の比率、すなわちインク滴の量に対する凝集液の量の割合に従って、用紙Pやインクの特性に応じた色補正や濃度補正を行うと共に、画像データがR、G、及びBの3色からなるRGBデータである場合には、C、M、Y、及びKの4色からなるCMYKデータに変換する。色・濃度変換部62は、メモリ63を含んで構成されており、メモリ63には、異なる量の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差が、補正を行わない場合に比べて小さくなるように、各ドットを記録するために吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合に応じて画像データを変換するための画像データ変換規則としてのルックアップテーブル(以下、色・濃度変換LUTという)が予め記憶されている。
例えば、各画素に応じたドットを用紙P上に形成するときに吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合が50%(標準)の場合には、このインク滴の量に対する凝集液の量の割合50%(標準)に応じて図5(A)にその一部を示すような色・濃度変換LUTがメモリ63に予め記憶されている。また、各画素に応じたドットを用紙P上に形成するときに吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合が30%(標準より少な目)の場合には、インク滴の量に対する凝集液の量の割合30%(標準より少な目)に応じて図5(B)にその一部を示すような色・濃度変換LUTがメモリ63に予め記憶されている。
すなわち、色・濃度変換LUTは、インク滴の量に対する凝集液の量の割合が大きい場合の用紙P上のドットの色及び濃度と、同一のインク滴の量に対する凝集液の量の割合が小さい場合の用紙P上のドットの色及び濃度と、の差が小さくなるように、R、G、及びBの3色からなるRGBデータである画像データを、C、M、Y、及びKの4色からなるCMYKデータである画像データに変換するために、凝集液の量の割合毎に、RGB各色の階調値に対応するCMYK各色の階調値が定められている。
このように、色・濃度変換LUTは、各画素毎の凝集液の量に対応する色・濃度変換LUTに基づいて、各画素毎に色及び濃度変換した画像データに基づいて記録された各ドットに対応する量の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差が、凝集液の量の割合に拘らず同一の(1種類の)色・濃度変換LUTに基づいて各画素毎に色及び濃度変換を行った画像データに基づいて記録された各ドットに対応する量の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差に対して小さくなるように、凝集液の量の割合毎に、RGB各色の階調値に対応するCMYK各色の階調値が定められている。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、設定部60Aは、インク滴の量に対する凝集液の量の割合として、各画素毎に「標準」または「標準より少な目」の何れかを設定するものとし、「標準」に設定する場合とは、凝集液の量の割合を50%に設定する事を表し、「標準より少な目」に設定する場合とは、凝集液の量の割合を30%に設定する事を表すものとして説明するが、設定部60Aで設定される凝集液の量の割合は、上記30%及び50%に限られるものではなく、任意の値を設定することができる。
具体的には、各画素に応じて吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合は、「標準」に設定する場合には、20%から50%であることが好ましく、25%から35%である事が特に好ましい。
また、本実施の形態では、説明を簡略化するために、設定部60Aは、インク滴の量に対する凝集液の量の割合として、各画素毎に「標準」または「標準より少な目」の何れかを設定するものとし、「標準」に設定する場合とは、凝集液の量の割合を50%に設定する事を表し、「標準より少な目」に設定する場合とは、凝集液の量の割合を30%に設定する事を表すものとして説明するが、設定部60Aで設定される凝集液の量の割合は、上記2種(標準、または標準より少な目)に限られるものではなく、複数種であってもよい。この場合には、設定部60Aで設定されるインク滴の量に対する凝集液の量の割合に応じた、予め複数種の色・濃度変換LUTを作成してメモリ63に記憶するようにすればよい。
また、本実施の形態では、説明を簡略化するために、設定部60Aは、インク滴の量に対する凝集液の量の割合として、各画素に応じたドットを形成するために吐出するインク滴の色の種類の数に関わらず、「標準」に設定する場合の凝集液の割合及び「標準より少なく」設定する場合の凝集液の割合各々を50%及び30%各々に定める場合を説明するが、このような形態に限られるものではない。
具体的には、各画素に応じたドットを形成するために吐出するインク滴の色が、2種のインク(例えば、C色のインクとM色のインク)による2次色や、3種のインク(例えば、C色のインク、M色のインク、及びY色のインク)による3次色の場合には、1種のインク(例えばC色のインク)のみの時に比べて凝集液の割合が少なくても、略同じ画質を得ることができる。このため、各画素に応じたドットを形成するために吐出するインク滴の色がより複数種のインクによる色である程(すなわち、より高次色となるほど)よりインク滴の量に対する凝集液の量の割合が少なくなるように、凝集液の量を定めるようにしてもよい。このような場合には、例えば、2次色のときの標準の場合の凝集液の割合が25%である場合には、1次色のときの標準の場合の凝集液の割合が20%となるように凝集液の量を定めるようにすればよい。
このようにすれば、各画素に対応するドットを形成するために吐出するインク滴の量と凝集液の量とを合わせた総滴量を少なくすることができるので、用紙P上への皺の発生を抑制することができると共に、インク滴吐出のための消費電力を抑制することができる。
一方、各画素に応じたドットを形成するために吐出するインク滴の色の種類の数に関わらず、「標準」に設定する場合の凝集液の割合及び「標準より少なく」設定する場合の凝集液の割合各々を一意に定めれば、色・濃度変換部62における色濃度変換処理を高速に処理することができる。
画像処理部64は、色・濃度変換部62によって色濃度変換された画像データを、更にインクジェット記録装置12で記録可能な階調数の画像データに変換する量子化(ハーフトーン)処理を実行する。この処理は、Y、M、C、及びKの各色毎に行われる。
なお、インクジェット記録装置12で記録可能な階調数は一般的に2〜8階調であるが、本実施形態では一例としてYMCKの各色共4階調(滴無し、小滴、中滴、及び大滴)の場合について説明する。また、凝集液についてはインク滴の量に対する割合に応じて滴の大きさや滴の数を変更することで実現するが、ここでは、3階調、すなわち吐出する凝集液滴の種類が、凝集液無しの場合、凝集液の量が標準の場合、及び凝集液の量が標準の場合より少ない少量の場合、の3つの場合について説明する。
記録データ作成部66は、画像処理部64で量子化された画像データを画像記録部68が解読可能なデータ構造に変換し、記録順序(転送順序)にデータを並び替えて記録データを生成し、画像記録部68へ出力(転送)する。このとき、各色インクジェット記録ヘッド32や各色インクジェット記録ヘッド32各々のノズルの配列にマッピングさせた吐出タイミングやデータ配列も考慮して記録データを作成する。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置12では、YMCKの4色のインク滴を吐出して画像データの各画素に対応するドットを記録するだけでなく、記録されたドットに対応させて、各画素に応じたドットを形成する前に凝集液を吐出する構成のため、記録データ作成部66では、画像データに基づいて凝集液用の凝集液データを作成する。この凝集液データについても、記録データと同様に、インクジェット記録ヘッド32Hのノズルの配列にマッピングさせた吐出タイミングやデータ配列も考慮して作成する。
画像記録部68は、記録データ作成部66で作成された記録データ及び凝集液データに基づいて、インクジェット記録ヘッド32Hから凝集液を吐出すると共に、この凝集液を吐出した後に、吐出された凝集液に対応して各色インクジェット記録ヘッド32各々のノズルからインク滴を吐出する。これにより、用紙P上に画像が記録される。
インクジェット記録装置12にRGBデータとしての画像データが入力されると、制御部60では、図6に示す処理ルーチンが実行されてステップ100へ進み、入力された画像データを読取る。
次のステップ102では、設定部60Aにおいて、上記ステップ100で読取った画像データの各画素毎に、各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合を「標準」または「標準より少な目」に設定する。
凝集液の量の割合は、例えば、各画素の、用紙Pに記録される画像上の位置情報に基づいて、各画素を記録するノズル毎に予めメモリ63に記憶するようにし、この記憶された各ノズルで記録する画素に応じて予め定められた割合を設定するようにすればよい。
次のステップ104では、上記ステップ102で設定した各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合に対応する色・濃度変換LUTをメモリ63から読取り、次のステップ106において、読取った色・濃度変換LUTに基づいて色及び濃度を変換することによって、RGBデータとしての画像データをYMCKデータとしての画像データに変換する。詳細には、画像データの各画素のR、G、及びBの3原色の階調値を示すデータ各々を、設定部60Aによって設定された各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合に対応する色・濃度変換LUTに基づいて、C、M、Y、及びK各々の階調値によって示されるYMCKデータに変換する。
次のステップ108では、上記ステップ106の処理によって変換された画像データの各画素の各色毎の階調値を、階調値0、階調値85、階調値170、または階調値255の4階調となるように変換することによって、記録したときのドットサイズを設定する。具体的には、記録するときのドットサイズとして、「滴無し」、「小滴」、「中滴」、または「大滴」の何れかが設定される。なお、インクジェット記録ヘッド32で記録可能な階調数は、上記4階調に限られるものではなく、例えば、3種類や5種類以上の複数種類の階調数としてもよい。
次のステップ110では、上記ステップ102で設定した各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量に基づいて、各画素毎に凝集液用の凝集液ドットデータを生成する。具体的には、凝集液の量に基づいて、3階調(凝集液無し、凝集液の量通常、及び凝集液の量少量)の内の何れかとなるような凝集液ドットデータを生成する。
なお、凝集液の階調数は、このような3階調に限られるものではなく、例えば、2階調や4階調以上の階調数としてもよい。
また、凝集液ドットデータは2階調(凝集液有り、または凝集液無し)とし、一定の領域内のドット数を変えることでも表現することができる。すなわち、図9に示すように、画像データ94に含まれる各画素の内、凝集液の量を30%に設定した画素によって構成される領域において凝集液を吐出するドットの数(ONドットの数)が、凝集液の量を50%に設定した画素によって構成される領域において凝集液を吐出するドッドの数(ONドットの数)に対して、3/5になるように各領域内のONドット数を定めることで実現することができる。
このようにすれば、複数種の大きさのドットを形成する場合に比べて、装置を簡単な構造にすることができる。
次のステップ112では、上記ステップ108で処理した画像データを、画像記録部68が解読可能なデータ構造に変換し、記録順序(転送順序)にデータを並び替えた記録データを作成する。
次のステップ114では、上記ステップ110で生成した凝集液ドットデータ及び上記ステップ112で作成した記録データを画像記録部68へ転送することによって、インクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32K各々のノズルから、各画素に対応するインク滴を吐出するとともに、インク滴の吐出前にインクジェット記録ヘッド32Hから凝集液をドットに対応させて吐出した後に、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本発明のインクジェット記録装置12では、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差が小さくなるように、各ドットを記録するために吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合に応じて画像データを変換するための色・濃度LUTを予め記憶し、各画素毎に設定したインク滴量に対する凝集液の量の割合に応じたLUTに基づいて画像データを変換することができるので、異なる量の凝集液を吐出した場合であっても、色むらや濃度むらを抑制することができるので画質劣化を抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、メモリ63に、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差が小さくなるように画像データの色及び濃度を変換するための色・濃度変換LUTを、インク滴量に対応する凝集液の量の割合に応じて予め記憶し、設定部60Aによって各画素毎に設定された凝集液の割合に応じた色・濃度変換LUTに基づいてRGBデータとしての画像データの色及び濃度をYMCKデータとしての画像データに変換する場合を説明したが、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の濃度の差が小さくなるように、RGBデータとしての画像データの濃度のみを補正するようにしてもよい。
この場合、メモリ63には、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の濃度の差が小さくなるように画像データの濃度を補正するための濃度変換テーブルとしてのγ補正テーブルを、インク滴量に対応する凝集液の量の割合に応じて予め記憶すればよい。また、メモリ63には、RGBデータとしての画像データを、CMYKデータとしての画像データに色変換するための1種類の色変換LUTを予め記憶するようにすればよい。なお、本実施の形態では、メモリ63には、「標準」としての凝集液の割合(例えば50%)に対応するγ補正テーブル、「標準より少な目」としての凝集液の割合(例えば、30%)に対応するγ補正テーブル、及び「凝集液無し」としての凝集液の割合が0%に対応するγ補正テーブルの、3種類のγ補正テーブルが予め記憶されているものとして説明する。
この場合には、制御部60では、図7に示す処理ルーチンが実行されるようにすればよい。具体的には、インクジェット記録装置12にRGBデータとしての画像データが入力されると、制御部60では、図7に示す処理ルーチンが実行されてステップ200へ進み、入力された画像データを各画素毎に読取る。
ステップ202では、メモリ63に記憶されている色変換テーブルとしてのLUTに基づいて、画像データの各画素のR、G、及びBの3原色の階調値を示すデータを、C、M、Y、及びKの階調値によって示されるデータに変換する色変換処理を実行する。
次のステップ204では、設定部60Aにおいて、上記ステップ200で読取った画像データの各画素毎に、各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合を「標準」、「標準より少な目」、及び「凝集液無し」の何れかに設定する。
凝集液の量の割合は、上記ステップ102と同様に、各画素の、用紙Pに記録される画像上の位置情報に基づいて、各画素を記録するノズル毎に予めメモリ63に記憶するようにし、この記憶された各ノズルで記録する画素に応じて予め定められた割合を設定するようにすればよい。
上記ステップ204の処理で、インク滴の量に対する凝集液の量の割合が標準に設定されると、ステップ206へ進み、凝集液の割合「標準」に対応する濃度変換テーブルとしてのγ補正テーブルに基づいて、凝集液の量の割合が「標準」に設定された画素のデータの濃度を変換した後に、ステップ212へ進む。
上記ステップ204の処理で、インク滴の量に対する凝集液の量の割合が「標準より少な目」に設定されると、ステップ208へ進み、凝集液の割合「標準より少な目」に対応する濃度変換テーブルとしてのγ補正テーブルに基づいて、凝集液の量の割合が「標準より少な目」に設定された画素のデータの濃度を変換した後に、ステップ212へ進む。
上記ステップ204の処理で、インク滴の量に対する凝集液の量の割合が「凝集液無し」に設定されると、ステップ210へ進み、「凝集液無し」に対応する濃度変換テーブルとしてのγ補正テーブルに基づいて、凝集液の量を「凝集液無し」に設定された画素のデータの濃度を変換した後に、ステップ212へ進む。
ステップ212では、上記ステップ206、ステップ208、及びステップ210の処理によって濃度変換された画像データの、各画素の各色毎の階調値を、階調値0、階調値85、階調値170、または階調値255の4階調となるように変換することによって、記録したときのドットサイズを設定することによってハーフトーン処理を実行する。具体的には、記録するときのドットサイズとして、「滴無し」、「小滴」、「中滴」、または「大滴」の何れかが設定される。なお、上記ステップ108と同様に、インクジェット記録ヘッド32で記録可能な階調数は、上記4階調に限られるものではなく、例えば、3階調や5階調以上の複数種類の階調数としてもよい。
次のステップ214では、上記ステップ110と略同様に、上記ステップ204で判別した各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合に基づいて、各画素毎に凝集液用の凝集液データを生成する。
次のステップ216では、上記ステップ212で処理した画像データを、画像記録部68が解読可能なデータ構造に変換し、記録順序(転送順序)にデータを並び替えた記録データを作成して画像記録部68へ転送すると共に、上記ステップ214で処理した凝集液データを、画像記録部68が解読可能なデータ構造に変換し、転送順序にデータを並び替えた後に画像記録部68へ転送する。
次のステップ218では、画像記録部68によって、インクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32K各々のノズルから、各画素に対応するインク滴を吐出するとともに、インク滴の吐出前にインクジェット記録ヘッド32Hから凝集液をドットに対応させて吐出した後に、本ルーチンを終了する。
色・濃度変換LUTは、上記図5で説明したように、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差が小さくなるように、R、G、及びBの3色からなるRGBデータである画像データを、CMYKの4色からなるCMYKデータである画像データに変換するために、RGB各色の階調値に対応するCMYKの階調値を、凝集液の割合毎に定めたものである。このため、各凝集液の割合毎に予め色・濃度変換LUTを作成してメモリ63に記憶するには、色・濃度変換LUTの作成に多大な作成工数を必要とするおそれがある。
しかし、上記のようにメモリ63に、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の濃度の差が小さくなるように画像データの濃度を補正するための、色・濃度変換LUTに比べて作成工数の少ないγ補正テーブルを、インク滴量に対応する凝集液の量の割合に応じて予め記憶し、作成工数の多い色・濃度変換LUTは1つのみメモリ63に記憶するようにすれば、作成工数を低減し、且つ異なる割合の凝集液が吐出されることによる濃度ムラの発生を抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、メモリ63に、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差が小さくなるように画像データの色及び濃度を変換する場合、及び濃度のみを変換する場合の各々について説明したが、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の明度、彩度、及び色相の内の少なくとも1つの差が小さくなるように画像データの色を変換するようにしてもよい。
この場合、メモリ63には、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の明度、彩度、及び色相の内の少なくとも1つの差が小さくなるように、RGBデータとしての画像データを色変換してYMCKデータとしての画像データに変換するための色変換LUTを、インク滴量に対応する凝集液の量の割合に応じて予め記憶すればよい。また、メモリ63には、濃度を補正するための1種類の濃度変換テーブルとしてのγ補正テーブルを予め記憶するようにすればよい。
なお、本実施の形態では、メモリ63には、「標準」としての凝集液の割合(例えば50%)に対応する色変換LUT、「標準より少な目」としての凝集液の割合(例えば、30%)に対応する色変換LUT、及び「凝集液無し」としての凝集液の割合が0%に対応する色変換LUTの、3種類の色変換LUTが予め記憶されているものとして説明する。
この場合には、制御部60では、図8に示す処理ルーチンが実行されるようにすればよい。具体的には、インクジェット記録装置12にRGBデータとしての画像データが入力されると、制御部60では、図8に示す処理ルーチンが実行されてステップ300へ進み、入力された画像データを各画素毎に読取る。
次のステップ302では、設定部60Aにおいて、上記ステップ300で読取った画像データの各画素毎に、各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合を「標準」、「標準より少な目」、及び「凝集液無し」の何れかに設定する。
凝集液の量の割合は、上記ステップ102と同様に、各画素の、用紙Pに記録される画像上の位置情報に基づいて、各画素を記録するノズル毎に予めメモリ63に記憶するようにし、この記憶された各ノズルで記録する画素に応じて予め定められた割合を設定するようにすればよい。
上記ステップ302の処理で、インク滴の量に対する凝集液の量の割合が標準に設定されると、ステップ304へ進み、凝集液の割合「標準」に対応する色変換LUTに基づいて、凝集液の量の割合が「標準」に設定された画素のRGBによって示されるデータをYMCKによって示されるデータに変換した後に、ステップ310へ進む。
上記ステップ302の処理で、インク滴の量に対する凝集液の量の割合が「標準より少な目」に設定されると、ステップ306へ進み、凝集液の割合「標準より少な目」に対応する色変換LUTに基づいて、凝集液の量の割合が「標準より少な目」に設定された画素のRGBによって示されるデータをYMCKによって示されるデータに変換した後に、ステップ310へ進む。
上記ステップ302の処理で、インク滴の量に対する凝集液の量の割合が「凝集液無し」に設定されると、ステップ308へ進み、「凝集液無し」に対応する色変換LUTに基づいて、凝集液の量を「凝集液無し」に設定された画素のRGBによって示されるデータをYMCKによって示されるデータに変換した後に、ステップ310へ進む。
次のステップ310では、上記ステップ304、ステップ306、及びステップ308の処理によって色変換された画像データの濃度を、メモリ63に記憶されているγ補正テーブルに基づいて補正する。
次のステップ312では、上記ステップ310の処理によって濃度変換された画像データの、各画素の各色毎の階調値を、階調値0、階調値85、階調値170、または階調値255の4階調となるように変換することによって、記録したときのドットサイズを設定することによってハーフトーン処理を実行する。具体的には、記録するときのドットサイズとして、「滴無し」、「小滴」、「中滴」、または「大滴」の何れかが設定される。なお、上記ステップ108と同様に、インクジェット記録ヘッド32で記録可能な階調数は、上記4階調に限られるものではなく、例えば、3階調や5階調以上の複数種類の階調数としてもよい。
次のステップ314では、上記ステップ110と略同様に、上記ステップ302で判別した各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合に基づいて、各画素毎に凝集液用の凝集液データを生成する。
次のステップ316では、上記ステップ312で処理した画像データを、画像記録部68が解読可能なデータ構造に変換し、記録順序(転送順序)にデータを並び替えた記録データを作成して画像記録部68へ転送すると共に、上記ステップ314で処理した凝集液データを、画像記録部68が解読可能なデータ構造に変換し、転送順序にデータを並び替えた後に画像記録部68へ転送する。
次のステップ318では、画像記録部68によって、インクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32K各々のノズルから、各画素に対応するインク滴を吐出するとともに、インク滴の吐出前にインクジェット記録ヘッド32Hから凝集液をドットに対応させて吐出した後に、本ルーチンを終了する。
上記のようにメモリ63に、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の明度、彩度、及び色相の内の少なくとも1つの差が小さくなるように、画像データの色を変換するための色変換LUTをインク滴量に対応する凝集液の量の割合に応じて予め記憶するので、例えば複数色のインク滴が重なって1つのドットが形成される場合には、凝集液の量の割合に応じたγ補正テーブルに基づいた濃度補正のみでは色味が十分に補正しきれない(すなわち、微妙な色味の調整が困難である)が、凝集液の量の割合に応じた色変換LUTを用いることによって精度良く色及び濃度の差を小さくすることができるので、異なる割合の凝集液が吐出されることによる色ムラの発生を抑制することができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差が小さくなるように画像データの色及び濃度を変換するための色・濃度変換LUTに基づいて、設定部60Aによって各画素毎に設定された凝集液の割合に応じた色・濃度変換LUTに応じて画像データを変換する場合、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の明度、彩度、及び色相の内の少なくとも1つの差が小さくなるように画像データの色を変換するための色変換LUTに基づいて、設定部60Aによって各画素毎に設定された凝集液の割合に応じた色変換LUTに応じて画像データを変換する場合、及びインク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の濃度の差が小さくなるように画像データの濃度を変換するためのγ補正テーブルに基づいて、設定部60Aによって各画素毎に設定された凝集液の割合に応じたγ補正テーブルに基づいて画像データを変換する場合、の各々について説明した。
本実施の形態では、各色インクジェット記録ヘッド32各々に設けらている複数のノズルに正常にインク滴を吐出することが困難な不良ノズルが含まれている場合の不良ノズルによるスジの発生を抑制すると共に凝集液の量が異なる事による画質劣化を抑制する場合を説明する。
具体的には、不良ノズルで記録する画素か、不良ノズルの近傍の不良周辺ノズルで記録する画素であるか、または不良ノズルより所定ノズル数離れた正常ノズルで記録する画素であるかによって、各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合を設定部60Aにより定める。この設定部60Aによって定められた凝集液の量の割合に応じた色・濃度変換LUTに基づいて画像データを変換することによって、不良ノズルによるスジの発生を抑制すると共に凝集液の量が異なる事による画質劣化を抑制する。
なお、正常にインク滴を吐出することが困難な不良ノズルには、インク滴が全く吐出されずにドットが全く形成されない不吐出ノズルの他に、正常な方向への吐出が困難な方向不良ノズル、吐出されるインク滴の量が正常な量とは異なる吐出量不良ノズル、吐出されたインク滴によって形成されるドットの着弾形状が乱れる形状不良ノズルなどがある。
また、本実施の形態では、まず、不良ノズルが、インク滴が全く吐出されずドットが全く形成されない不吐出ノズルである場合に、制御部60で実行される処理を図10を用いて説明する。
なお、第2の実施の形態の全体図及び制御系の構成は、上記第1の実施の形態と同一構成のため、詳細な説明を省略する。本実施の形態では、上記第1の実施の形態で説明した異なる量の凝集液を吐出した場合の色及び濃度の差が小さくなるように、各ドットを記録するために吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合に応じて画像データの色及び濃度を変換するための色・濃度変換LUTを予め記憶したメモリ63に、更に、各色インクジェット記録ヘッド32各々の複数のノズルの内の不良ノズルの情報として、不良ノズルを示す位置情報及び不良ノズルの種類を示す種類情報が記憶されている。
なお、本実施の形態では、不良ノズルが不吐出ノズルである場合を説明するので、不良ノズルの種類を示す種類情報としては、不吐出ノズルを示す情報がメモリ63に記憶されている。
なお、この不良ノズルの位置情報及び不良ノズルの種類を示す種類情報は、予め各色インクジェット記録ヘッド32各々の製造段階や、インクジェット記録ヘッド32によって形成された画像を読取ること等によって検出され、予めメモリ63に記憶される。
不良ノズルの検出方法としては、具体的には、電気的な方法、及びテストパターンを印字して判断する方法等がある。電気的な方法としては、例えば、インクジェット記録ヘッド32各々の複数のノズル各々に連通するインク圧力室(図15(B)圧力室33C参照)に接して設けられた圧電素子33D(図15参照)に、吐出不良検知のためのテスト信号に応じた駆動電圧を印加することによって、各ノズル33Bからインク滴を吐出させたときの、圧電素子33Dからの応答波形と、正常にインク滴を吐出したときの応答波形とを検知部60B(図4参照)によって比較することによって吐出不良及び吐出不良の種類を予め判別し、判別結果を、不良ノズルの位置情報及び不良の種類を示す情報としてメモリ63に予め記憶するようにすればよい。
また、テストパターンを印字して判断する場合には、装置本体に各ノズルから吐出されたインク滴により形成されたドットを検出するための光学センサ(図示省略)を設けるようにし、予め定めたテスト信号に応じた駆動電圧を印加したときに各ノズル33Bから吐出されたインク滴により形成されたドットの光学センサによる検出結果と、正常にインク滴を吐出可能なノズルからこの駆動電圧印加によってインク滴を吐出させることにより形成されたドットの光学センサによる検出結果とを比較することによって、吐出不良及び吐出不良の種類を検知部60Bによって予め判別し、判別結果を、不良ノズルの位置情報及び不良の種類を示す情報としてメモリ63に予め記憶するようにすればよい。
また、図示を省略する光学センサによる判別結果が、装置本体に設けられた、ユーザが各種データを指示入力するときに操作するためのキーボードやタッチパネル等の図示を省略する入力装置を介して入力されることによって、検知部60Bでは、入力された情報に基づいて不良ノズルの位置情報及び不良の種類を示す情報をメモリ63に記憶するようにしてもよい。
なお、本実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、説明を簡略化するために、設定部60Aでは、インク滴の量に対する凝集液の量の割合として、各画素毎に「標準」、「標準より少な目」、及び「凝集液無し」の何れかを設定するものとして説明する。
また、本実施の形態では、インク滴の量に対する凝集液の量の割合を「標準」に設定する場合とは、凝集液の量の割合が50%に設定された事を表し、「標準より少な目」に設定する場合とは、凝集液の量の割合が30%に設定された事を表すものとして説明する。
なお、この割合を示す値は、上記値に限られるものではなく、例えば、不良ノズルの吐出性能に応じて任意に定められるようにしてもよい。
また、吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合を標準より少なくする場合の割合は、例えば、図16に示すように、予め吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合の標準の割合を30%に定めてインク滴を吐出するとともに(ドット80A)、このインク滴の吐出前に凝集液の量の割合が0%、10%、20%、及び30%各々となるような量の凝集液80B、80C、08D、及び80E各々を吐出したときに、各不良ノズルの不良の種類(方向不良、不吐出、吐出量不良、及び吐出形状不良)に応じて最もスジの発生を低減可能な割合を予め求め、求めた割合を標準の割合より少なくするときの割合として定めるようにすればよい。
インクジェット記録装置12に画像データが入力されると、制御部60では、図10に示す処理ルーチンが実行されてステップ400へ進み、色変換された画像データの各画素毎のデータを読込む。次のステップ402では、メモリ63から不吐出ノズルの位置を示す位置情報を読込み、この不吐出ノズルの位置情報と、読込んだ画素の、用紙Pに記録される画像上の位置情報とに基づいて、各画素が不吐出ノズルで記録する画素か否かを判別する。
ステップ402で否定されると、ステップ404へ進み、各画素を記録するノズルの不吐出ノズルからの距離を算出する。
次のステップ406では、上記ステップ404で算出した不吐出ノズルからの距離が予め定めた所定距離未満か否かを判別することによって、不吐出ノズルの周辺の不良周辺ノズルで記録する画素か否かを判別し、肯定されると、ステップ408へ進む。
ステップ408では、不良周辺ノズルで記録する画素に応じたインク滴量に対する凝集液の量の割合を「標準より少なめ」(30%)に設定する。
次のステップ410では、上記ステップ408で設定した凝集液量の割合に応じた色・濃度変換LUTをメモリ63から読取り、次のステップ412及びステップ414において、上記ステップ106及びステップ108と同様に、読取った色・濃度変換LUTに基づいて画像データを変換した後に、変換した画像データの各画素の各色毎の階調値を4階調となるように変換することによって、記録したときのドットサイズを設定する。このときドットサイズは、画像データの各画素の階調値に応じて定められるドットサイズに比べて大きいドットサイズとなるようにドットサイズを設定する。なお、ステップ414の処理において、吐出不良ノズルに隣接するノズルで記録する画素ほど大きなサイズのドットが形成されるようにドットサイズを設定してもよい。
ステップ414の処理によって、インク滴を吐出することが不可能な不吐出ノズルで記録する画素に隣接する不良ノズル近傍で記録する画素のインク滴のドットサイズが各画素に対応する階調値に応じたサイズより大きくなるように設定することができる。
次のステップ416では、上記ステップ408で設定した各画素毎のインク滴量に対する凝集液の量の割合に基づいて、上記ステップ110と略同様に、各画素毎に凝集液ドットデータを生成する。
次のステップ418では、上記ステップ414で処理した画像データと、後述するステップ428で処理した画像データ、及び後述するステップ432で処理した画像データと、を画像記録部68が解読可能なデータ構造に変換し、記録順序(転送順序)にデータを並び替えるて記録データを生成する。
次のステップ420では、上記ステップ416、ステップ430、及びステップ434で生成した凝集液ドットデータ及び上記ステップ418で作成した記録データを画像記録部68へ転送することによって、インクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32K各々のノズルから、各画素に対応するインク滴を吐出するとともに、インク滴の吐出前にインクジェット記録ヘッド32Hから凝集液をドットに対応させて吐出した後に、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ402で肯定されると、ステップ432へ進み、不吐出ノズルで記録する画素の階調値として、最小値「0」を設定することによって、記録するドットサイズ「滴無し」を設定する。次のステップ434では、凝集液無しとなるような凝集液ドットデータを生成した後に、上記ステップ418へ進む。
一方、上記ステップ406で否定され、不吐出ノズル及び不良周辺ノズル以外の正常ノズルで記録する画素である場合には、ステップ422へ進み、正常ノズルで記録する画素に応じたインク滴量に対する凝集液の量の割合を「標準」(50%)に設定する。
次のステップ424では、上記ステップ422で設定した凝集液量の割合に応じた色・濃度変換LUTをメモリ63から読取り、次のステップ426及びステップ428において、上記ステップ106及びステップ108と同様に、読取った色・濃度変換LUTに基づいて画像データを変換した後に、変換した画像データの各画素の各色毎の階調値を4階調となるように変換することによって、記録したときのドットサイズを設定する。
次のステップ430では、上記ステップ422で設定した各画素毎のインク滴量に対する凝集液の量の割合に基づいて、上記ステップ110と略同様に、各画素毎に凝集液ドットデータを生成した後に、上記ステップ418へ進む。
なお、本実施の形態では、上記ステップ408の処理において、凝集液量の割合を「標準より少な目」に設定する場合を説明したが、凝集液を吐出しないように設定してもよい。
上記ステップ400乃至ステップ420の処理が実行されれることによって、図11に示すように、各色インクジェット記録ヘッド32に、インク滴を吐出することが不可能な不吐出ノズル70が含まれる場合において、各画素のデータに応じてインク滴を吐出するとともに、全ての画素に対して吐出するインク滴の量に対する凝集液の量を「標準」とした場合には、(C)に示すように、不吐出ノズルからインク滴が吐出されない事によるスジが画像上に形成される。しかし、上記ステップ400乃至ステップ420の処理が実行されることによって、図11(A)に示すように、不吐出ノズル70で記録する画素70Aではインク滴を吐出せず、不良周辺ノズル72で記録する画素72Aでは、ドットを大きくし、不吐出ノズル70及び不良周辺ノズル72以外の正常ノズル74で記録する画素74Aでは、各画素の階調値に応じた大きさのドットを形成するように記録データを生成する。また同時に、図11(B)に示すように、不吐出ノズル70で記録する画素70A及び不良周辺ノズル72で記録する画素72Aについては、吐出する凝集液の量のインク滴の量に対する割合を標準より少なくするようにし、正常ノズル74で記録する画素74Aでは、標準の割合で凝集液を吐出するように設定することができる。
このように、不良周辺ノズルで記録する画素のインク滴の量を多くしてドットを大きくすることが出来ると共に、凝集液の量を、不吐出ノズル及び不良周辺ノズルで記録する画素については「標準より少な目」または「凝集液無し」とすることができるので、不吐出ノズル近傍のインクの凝集を抑制することができることから、不吐出ノズルによるスジの発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態のインクジェット記録装置12では、インクを吐出することが困難な不吐出ノズルで記録する画素及び不吐出ノズルの周辺の不良周辺ノズルで記録する画素については、吐出するインク滴量に対する凝集液の量の割合を正常なノズルで記録する画素の凝集液の割合より小さく、または凝集液を吐出しないように設定することで、正常ノズルで記録する画素に対応するドットに比べて、不良ノズルで記録する画素に対応するドットの凝集液による凝集を抑制しドットを大きくすることができるので、不良ノズルによるスジの発生を抑制することができる。
また、各凝集液の割合に応じた色・濃度変換LUTに基づいて各画素毎に画像データの色及び濃度を変換することができるので、凝集液の量が異なることによる色むらや濃度むらの発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、不吐出ノズルで記録する画素か、不良周辺ノズルで記録する画素か、または正常ノズルで記録する画素であるかによって、各画素毎のインク滴の量に対する凝集液の量の割合を設定し、設定した凝集液の量の割合に応じた色・濃度変換LUTに基づいて画像データを変換する場合を説明したが、第1の実施例で説明したように、インク滴の量に対して異なる割合の凝集液を吐出した場合の濃度の差が小さくなるように画像データの濃度を変換するためのγ補正テーブルを凝集液の割合に応じて予めメモリ63に記憶すると共に1種類の色変換LUTを記憶し、設定部60Aによって各画素毎に設定された凝集液の割合に応じたγ補正テーブルに基づいて画像データを変換すると共に1種類の色変換LUTに基づいて画像データの色変換を行うようにしてもよい。
いずれの場合においても、インクを吐出することが困難な不吐出ノズルで記録する画素及び不吐出ノズルの周辺の不良周辺ノズルで記録する画素については、吐出するインク滴量に対する凝集液の量の割合を正常なノズルで記録する画素の凝集液の割合より小さく、または凝集液を吐出しないように設定することで、正常ノズルで記録する画素に対応するドットに比べて、不良ノズルで記録する画素に対応するドットの凝集液による凝集を抑制しドットを大きくすることができるので、不良ノズルによるスジの発生を抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、不良ノズルとして、インク滴が全く吐出されない不吐出ノズルを対象とする場合を説明したが、不良ノズルが、正常な方向への吐出が困難な方向不良ノズル、吐出されるインク滴の量が正常な量とは異なる吐出量不良ノズル、吐出されたインク滴によって形成されるドットの着弾形状が乱れる形状不良ノズルなどである場合には、図10の処理ルーチンにおける「吐出不良ノズル」を「方向不良ノズル」、「吐出量不良ノズル」、及び「形状不良ノズル」として処理するようにすればよい。また、上記ステップ402(図10参照)において、読み込んだ画素が方向不良ノズル、吐出量不良ノズル、及び形状不良ノズルで記録する画素か否かを判断するようにすればよい。また、ステップ402の判断で、肯定されると、ステップ408へ進み、凝集液の割合を「標準より少な目」または「凝集液無し」に設定した後に、上記ステップ408からステップ420の処理が実行されるようにすればよい。
このようにすることによって、例えば、図12に示すように、各色インクジェット記録ヘッド32に方向不良ノズル76が含まれる場合に、凝集液の量の割合を各画素毎に異なる値に設定することなく一律の割合に設定した場合には、図12(C)に示すように、方向不良ノズル76によるスジが画像上に形成されるが、本発明によれば、図12(A)に示すように、方向不良ノズル76と方向不良ノズル76に隣接する不良周辺ノズル72で記録する画素76A及び画素72Aでは、各画素の階調値は、色・濃度変換LUTに応じて設定することができる。また、図12(B)に示すように、方向不良ノズル76に隣接する不良周辺ノズル72で記録する画素72Aでは、インク滴の量に対する凝集液の割合を標準より少なくし(または凝集液無しとし)、正常ノズル74で記録する画素74Aでは、インク滴の量に対する凝集液の割合を標準に設定することができる。
このため、インク滴吐出前に吐出する凝集液の量の割合を、標準の割合より少なくまたは凝集液を吐出無しとすることができるので、方向不良ノズル76及び不良周辺ノズル72から吐出されたインク滴の凝集を抑制することができることから、方向不良ノズル及び方向不良ノズル近傍のノズルで記録する画素のインク滴のドットが大きくなり、方向不良ノズル76によるスジの発生を抑制することができる。
同様に、不良ノズルが、吐出されるインク滴の量が正常な量とは異なる吐出量のばらつきを有する吐出量不良ノズル、及び吐出されたインク滴によって形成されるドットの着弾形状の乱れ(ばらつき)を生じる形状不良ノズルで有る場合には、例えば、図13に示すように、各色インクジェット記録ヘッド32に吐出量不良ノズルまたは形状不良ノズル78が含まれる場合に、凝集液の量の割合を各画素毎に設定することなく一律の割合「標準」に設定した場合には、図13(C)に示すように、吐出量不良ノズル及び形状不良ノズルによるスジが画像上に形成されるが、本発明によれば、図13(A)に示すように、吐出量不良ノズルまたは形状不良ノズル78と、これらのノズル78に隣接する不良周辺ノズル72で記録する画素78A及び画素72Aでは、ドットを各画素の階調値に応じた大きさより大きくし、正常ノズル74で記録する画素74Aでは各画素の階調値に応じた大きさのドットを形成するように設定することができる。また、図13(B)に示すように、吐出量不良ノズル及び形状不良ノズル78で記録する画素72A及び78Aでは、インク滴の量に対する凝集液の割合を標準より少なくし(または凝集液無しとし)、正常ノズル74で記録する画素74Aでは、インク滴の量に対する凝集液の割合を標準に設定することができる。
このため、インク滴吐出前に吐出する凝集液の量の割合を標準に比べて少なくまたは凝集液無しとすることができるので、吐出量不良ノズル及び形状不良ノズルと、これらのノズルの近傍の不良周辺ノズルから吐出されたインク滴の凝集を抑制することができることから、吐出不良ノズル及び形状不良ノズルで記録する画素のインク滴のドットが大きくなり、吐出量不良ノズル及び形状不良ノズルによる画像上のスジの発生を抑制することができる。
このように、各ノズルの吐出特性に合わせて、各ノズルで記録する画素毎に吐出するインク滴の量に対する凝集液の量の割合を設定部60Aによって設定することによって、詳細に凝集液の量の割合を各画素毎に定めることができると共に、各画素の凝集液の量の割合に応じた色・濃度変換LUTに基づいて色及び濃度を変換することができるので、良好な画質を得ることができる。
なお、複数のノズルが配列された構成の長尺状の各色のインクジェット記録ヘッド32Y、32M、32C、及び32K各々は、一般的には、複数のノズルが配列された構成の短尺状のインクジェット記録ヘッド(以下、ユニットという)をノズルの配列方向に複数つなぎ合わせることによって構成されている。しかし、製造上のばらつき等によって、長尺状のインクジェット記録ヘッド32を構成する複数の各短尺状のユニットには、正常にインク滴を吐出することが困難な吐出性の悪いノズルを含む短尺状のユニットが含まれる場合がある。好ましくない吐出性とは、不吐出、吐出方向のずれ、吐出量のばらつき、及びドットの着弾形状の乱れなどを示している。このような吐出性の悪い短尺状のユニットを用いてインク滴の吐出を行うと、この短尺状のユニットに応じて形成される画像にスジやムラが発生する。
このような吐出方向性の悪い短尺状のユニットによって構成される長尺状のインクジェット記録ヘッド32によって画像を記録する場合においても、上記ステップ400から420の処理を実行することによって、画像全体の色ムラやスジムラの発生を抑制することができる。
なお、短尺状のユニット単位で処理する場合には、検知部60Bでは、予め各単尺状のユニット単位で、各単尺状のユニット各々が不良ノズルを含む単尺状のユニットであるか否かを検知するようにし、検知結果を各ユニットを示す情報としてメモリ63に予め記憶するようにすればよい。
具体的には、上記説明したような各ノズル毎に不良ノズルの位置情報及び不良の種類を検知部60Bによって検知する場合と同様に、各短尺状のユニット毎に、電気的な方法、及びテストパターンを印字して判断する方法等を用いて、各ユニット毎に不良ノズルを含むか否か、及び不良の種類を判別するようにすればよい。
制御部60では、上記図10と同様の処理を実行するようにすればよい。上記図10で説明したステップ400からステップ434の処理と異なる点は、各画素単位で処理を行うのではなく、各ユニットで記録する画素毎に処理を行う点である。詳細には、ステップ402の処理において、各画素毎に不良ノズルで記録する画素か否かを判別する処理を、各ユニットで記録する画素毎に不良ノズルで記録する画素か否かを判別するようにすればよい。同様に、ステップ406の処理において、各画素毎に不良周辺ノズルで記録する画素か否かを判別する処理を、各ユニットで記録する画素毎に不良ノズルで記録する画素か否かを判別するようにすればよい。
このようにすれば、各短尺状のユニット単位で凝集液の量を設定することができるので、凝集液の量の設定を各画素毎に行う場合に比べて効率よく行うことができる。
また、このようにすれば、複数のノズルを1単位とする短尺状のユニット単位で、この単尺状のユニットで記録する複数の画素毎に凝集液の割合を設定することによって、各ユニット単位で凝集液の割合に応じた色・濃度変換LUT読取り、読取った色・濃度変換LUTに基づいて色濃度変換処理を行うことが出来る。
具体的には、例えば、短尺状のユニット単位で処理を行う場合には、図14に示すように、正常な方向にインク滴を吐出することが困難な吐出方向性の悪いノズルを含む短尺状の不良ユニット33Bでは、吐出するインク滴量に対する凝集液の量の割合を、標準より少なく(例えば30%)または凝集液を吐出しないようにし、正常ノズルによって構成された短尺状の正常ユニット33Aでは、吐出するインク滴量に対する凝集液の量の割合を標準(例えば50%)に設定することができる。
このため、不良ユニット33Bで記録するドット35Bは、正常ユニット33Aで記録するドッドに比べて凝集性が低いことからから、不良ユニット33Bによるスジの発生を抑制することができる。また、凝集液の量に応じた色・濃度変換LUTに応じて色・濃度変換を行うことができるので、凝集液の量が異なる場合であっても、色及び濃度の差が小さくなるように制御することができる。
このように、各ノズルで記録する画素毎に凝集液の割合に応じた色・濃度変換LUTに応じて色及び濃度変換を行う場合には、詳細に凝集液の量を定めることができるので、詳細な色及び濃度の変換を行う事が出来、高画質な画像を形成することが可能となるが、短尺状のユニット単位で凝集液の割合に応じた色・濃度変換LUT読取り、読取った色・濃度変換LUTに基づいて色濃度変換処理を行うと、効率よく色濃度変換を行うことが可能となる。
なお、上記実施の形態では、カラー画像を形成するインクジェットプリンタについて本発明を適用した場合について説明したが、モノクロのインクジェットプリンタについても本発明を適用できることはいうまでもない。
また、本実施形態では、有効な記録領域が用紙の幅以上の長さを有する長尺状の記録ヘッドアレイを用いた場合について説明したが、有効な記録領域が用紙Pの幅未満の長さを有する記録ヘッドアレイを用紙の搬送方向と直交する方向に走査しながら画像を記録するインクジェットプリンタについても本発明を適用可能である。