まず、本発明による一実施例の送信装置及び受信機について説明する。
(実施例1)
本発明による実施例1の送信装置は、図1に示す実施例1の電文情報のフォーマットに基づく緊急速報(以下、緊急警報放送及び緊急地震速報を含む情報を総括して、緊急速報と称する)を、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送のOFDM方式に多重される各副搬送波のうちACキャリアを用いて伝送する。ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送に係る送信装置のハードウェア構成は既知であり、図示しない。
即ち、TMCC信号と同一フレーム長であり、TMCC信号と同一の位相基準及び同期信号と、少なくとも緊急地震速報の有無を識別するフラグと、緊急地震速報を含む緊急速報とを格納する電文情報(図1に示す電文情報のフォーマット)が、送信装置からACキャリアにて伝送されるように予め規定されている。尚、本発明の理解を容易とするために、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について説明するが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
例えば、放送事業者は、例えば気象庁から緊急地震速報を受信した場合、送信装置によって、実施例1の電文情報のフォーマット例に基づく同じ緊急地震速報情報、即ち震度や到達予測時間の情報を、8箇所のACキャリアが運ぶAC情報の全てに格納して、受信機に向けて送信する。
緊急地震速報を配信するためには、受信機にとって最小限必要な情報を的確に、且つ、迅速、確実に伝送する必要がある。緊急地震速報が配信される際に最も有効な情報は、受信機がいる地域において、どれぐらいの規模/震度の地震がどれぐらいの時間の後に起こるか、である。現在のところ、一般向けの緊急地震速報は、強い揺れ(震度5弱以上)が推定される場合に、その地域名及び震度4以上が推定される地域名に関する情報を発信することが所望される。
つまり、当該地域名、当該地域における最大震度、当該地域への到達予測時刻或いは当該地域で地震が発生するまでの残時間が所望される。この考えに基づいて、緊急速報を格納する電文情報が構成されている。
図1は、当該地域を地域コードにより伝えるとともに、当該地域における最大予測震度、当該地域への地震の到達予測時間について、複数(本フォーマット例では最大8まで)の地域分の情報を格納して伝送するフォーマット例である。
ここで、「第○地方」(○は、1、2、・・・、8の正整数が入る)は「地方単位」の地域であり、北海道、東北、関東、北陸、・・・といった地域コードの設定例とともに記述するような単位の地域である(図2参照)。地域コードを単純な連番としていないのは、拡張性を持たせているためである。ここでは、地域コードに6ビットを割り当てている。
「最大予測震度」は、震度4以上の4、5弱、5強、6弱、6強、7が相当する。「強」、「弱」を各々1、0と数値で区別し、各々を4ビットの「0100」、「0101」、「1101」、「0110」、「1110」、「0111」で区別して表記する。
「到達予測時刻」は、地震が当該地域に到達する予測時刻を時、分、秒の単位で表したものであり、「到達予測差分時刻」(単に「差分時刻」と表記)は、第1地方の到達予測時刻との差分時刻である。第1地方は最も早く地震が発生する地点とし、第2地方以降は、正の値の遅延時間で地震が発生するものとする。これは、受信機側で、「到達予測時刻」(第1地方以外は、第1地方の到達予測時刻に各地方の差分時刻を加算したもの)から現在時刻を差し引いた秒単位の時間を地震発生までの残時間として表示するようにするためである。
「到達予測時刻」は12時間表記とし、時の表示は4ビット、分及び秒の表示は6ビットの数値として、例えば、10時25分37秒は「1010|011001|100101」(合計16ビット)と、時、分、秒の単位で各々2進数表示する。なお、「|」は時、分、秒の区別を見やすくするために、ここでの表記のみとして挿入しており、実際の伝送には挿入されない。
主たる情報のフォーマットは以上だが、その他にも情報の伝送を補助するためのフラグやビットなどを割り当てている。
「地方数(総数)」は、緊急地震速報に該当する地方の総数を記載する。例えば、北陸、甲信、東北が対象であれば、3が該当する。地方の分類は、最大でも14(図1のフォーマットは最大8の情報を格納)であることから4ビットを割り当てる。一方、「地方数(残数)」は、1地方表示するごとにカウントダウンした値とし、「0000」以降にはデータがないことを示す。
「各種フラグ」は、「緊急警報放送の起動」、「緊急地震速報の起動・識別」、「通常」/「訓練」の識別、「ニュース速報」の有無などの情報を提示する。
図3に各種フラグの設定例を示す。ここでは、9ビットを割り当てている。基本的な情報の分類は、上位6ビットで行っており、7ビット目は「緊急地震速報の起動・識別」のコピービットとし、先頭9ビットの1の数が偶数となるように8ビット目の値は1か0を入れるようにする。これは、先頭9ビット中の1の数を偶数化して偶数パリティを構成し、受信側にて偶数誤り検出可能にするためである。そして、9ビット目にバッファビットを置いた。バッファビットは、待機動作時から電源投入する際に、データ検出までの間の緩衝用の時間を確保するためである。
「位相基準」及び「同期信号」、「パリティビット」は、TMCC信号と同一とし、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送の場合、そのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の1シンボルを基準に、TMCC信号と同じ204シンボルにDBPSK信号の204ビットを割り振り、1フレームとする構成とする。よって、図1に記載したフォーマットの信号は、OFDM信号の2フレームで伝送される。尚、「パリティビット」は、例えば予め定めた差集合巡回符号方式に基づく誤り訂正に用いるパリティビットである。
「同期信号」は、TMCC信号と同様に、1フレーム毎に16ビット送信され、奇数フレームと偶数フレームとで位相が反転する。その値は奇数フレームの表記で「0011010111101110」である。
「位相基準」は、TMCC信号と同様に、キャリア番号iのSP(Scattered
Pilot)信号に割り当てられるBPSK信号の値Wiと同じ生成多項式(x11+ x9+1)に基づく値であるが、本電文情報の伝送には、ACキャリアを用いる。例えば、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)におけるACキャリアは、モード3の同期変調部の場合、キャリア番号#7、#89、#206、#209、#226、#244、#377及び#407の8箇所にある。この8箇所のACキャリアが運ぶAC情報に記述の「位相基準」として格納されるWiは、各々0、0、0、1、1、1、1及び1である。尚、BPSK以外の変調方式を用いることもでき、前述の差集合巡回符号方式とともに、送信側及び受信側で予め利用する方式を定めておくようにする。
ここで、「位相基準」、「同期信号」、「各種フラグ」、及びデータの状態に対応する「パリティビット」は、本実施例の電文情報(図1に示す電文情報のフォーマット)で、緊急地震速報や緊急警報放送の有無に関わらず、常にACキャリアにて伝送されることに留意する。
尚、「各種フラグ」は、緊急地震速報のニュース番組の有無、データ放送の有無、緊急警報放送の有無に基づき、図3の「緊急地震速報」の起動に対応するビットの組合せを選択するのに用いられる。例えば、平常時の図3の「いずれもなし(000001010)」の状態から、緊急地震速報に該当するビットの組合せ、例えば「緊急警報放送、緊急地震速報(番組あり、データなし)(110100100)」が選択されて送信される。これにより、受信機側において、「緊急地震速報のニュース番組があり、データ放送がない」ことを知ることができる。更に、受信機をISDB―T方式の携帯電話等に適用した場合には、当該携帯電話は、緊急警報放送が発せられるとともに緊急地震速報のニュース番組を受信して表示し、データ放送についての動作は不要であることを判別することができる。
本発明による実施例1の送信装置は、このような電文情報(図1に示す電文情報のフォーマット)を用いることにより、受信機に伝送し、受信機が必要とする「どれぐらいの規模/震度の地震がどれぐらいの時間の後に起こるか」という情報の周知を速やかに、且つ、確実に行うことができるようになる。
次に、本発明による実施例1の受信機について説明する。
前述したように、送信側では、緊急地震速報を含む電文情報(図1に示す電文情報のフォーマット)として、例えば地上デジタルテレビジョン放送の部分受信セグメント内の8本のACキャリアに、同期信号とともに、緊急地震速報を識別する緊急地震速報起動フラグ(速報時に1とし、それ以外は0とする)、複数の地域を識別する地域コード、各地域における予測震度情報、及び各地域における予測到達時間情報を含む緊急速報を誤り訂正のパリティ符号をつけて伝送する。
本発明による実施例1の受信機は、図1に示す電文情報のフォーマットを受信する。ここで、受信機は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、腕時計、置時計、パーソナルコンピュータ又は家電製品など、あらゆる機器に具備させることができるものである。
図4は、実施例1の受信機のブロック図を示す。実施例1の受信機は、アンテナ20と、AC同期確立部24と、AC情報解析部25と、電源制御回路38と、警告発生手段47と、各種フラグ検出回路49と、フラグ判定回路52と、電源回路30と、AC同期確立部24への電源供給の切り替えを行う第1の電源スイッチ34と、AC情報解析部25への電源供給の切り替えを行う第2の電源スイッチ36と、各種フラグ検出回路49と、フラグ判定回路52とを備える。
また、AC同期確立部24は、周波数変換回路40と、AD変換回路41と、FFT42と、AC復調検出回路43と、フレーム同期検出回路48とを備える。
更に、AC情報解析部25は、誤り訂正部44と、AC復号部45と、予測情報計算手段46とを備える。予測情報計算手段46は、位置検出手段46a及び現在時刻検出手段46bを備える。
そして、電源制御回路38は、制御回路50と、同期保持回路51とを備える。
以下、図4に示す受信機の各構成要素の機能を説明する。
周波数変換回路40は、アンテナ20から入力された地上デジタル放送波のうち所定のフィルタにより不要な周波数成分を除去した後、指定されたチャンネルを選択し、中間周波信号に周波数変換するとともに適宜増幅して出力する回路である。このチャネル選択は、受信機にて予め定めておくこともできる。
AD変換回路41は、周波数変換回路40から出力される中間周波信号をデジタルに変換し、デジタルベースバンド信号を送出する。
FFT42は、OFDMシンボルの有効シンボル期間についてFFT(Fast Fourier Transform)演算を行い、OFDM形式のストリームに復調する。尚、有効シンボル期間は、ガードインターバル相関などによりシンボル同期を行って規定することができ、予め定めた伝送モードに従ったFFTサンプル周波数でFFT演算を行う。
AC復調検出回路43は、OFDM形式のストリームからDBPSKで遅延検波した後、0又は1のレベル判定を行い、AC信号のビットストリームを得る。こうして得られたAC信号は、まずフレーム同期検出回路48及び各種フラグ検出回路49に供給される。
フレーム同期検出回路48は、復調したAC信号と、AC信号に格納された「位相基準」及び「同期信号」、必要であれば予め定めたモード3のパターンとの一致検出を行って、両者が一致したとき復調されたAC信号の先頭のタイミングでフレーム同期信号(リセットパルス)を発生する。また、フレーム同期信号に基づいて緊急速報のフレーム同期確立の有無を示す緊急速報同期確立情報を生成する。
電源制御回路38における制御回路50及び同期保持回路51は、常時、電源回路30から給電されている。同期保持回路51は、例えばクロック発生器とカウンタで構成され、クロック発生器で発生したクロックをカウンタでカウントし、カウント値が所定値となる毎にフレームパルスを発生すると共にカウント値をフレーム同期信号(リセットパルス)に従ってリセットし、このフレームパルスを制御回路50に供給する。これにより、同期保持回路51は自己保持したフレームパルスを発生することができる。
制御回路50は、同期保持回路51からのフレームパルスと、フレーム同期検出回路48からの緊急速報同期確立情報から、後述するフレーム間間欠受信モードか、又はフレーム内間欠受信モード、或いはこれらの組み合わせの間欠受信モードを決定し、各間欠受信モードのタイミングでオン/オフ(0又は1の値)の制御信号を送出する。
各種フラグ検出回路49は、制御回路50からの制御信号のタイミングで、AC信号に格納した図1に示す電文情報の各種緊急速報の各種フラグの値を検出して、フラグ監視回路52に送出する。
フラグ監視回路52は、制御回路50からの制御信号のタイミングで、各種フラグ検出回路49から各種フラグの値を取得して、AC同期確立部24の電源供給を制御するように第1の電源スイッチ34を制御する。一方で、フラグ監視回路52は、各種フラグのフラグ値が、平常時の図3の「いずれもなし(000001010)」の状態から、緊急速報の情報がある旨を示すフラグ値(例えば、「緊急警報放送、緊急地震速報(番組あり、データなし)(110100100)」)に変更されるか否かを監視し、特に緊急地震速報の情報がある旨を示すフラグ値を判別した場合には、AC同期確立部24への電源供給を行うように第1の電源スイッチ34の切り替えを行うとともに、AC情報解析部25への電源供給を行うように第2の電源スイッチ36の切り替えを行う。従って、フラグ監視回路52によって検出したフラグ値に応じて、緊急警報放送又は緊急地震速報を受信するチューナ機能を別途機能させることもできるが、以下の説明では、緊急地震速報の有無のフラグを検出し、AC信号に含まれる緊急地震速報の復号を行う場合について説明する。
それとは逆に、フラグ監視回路52は、緊急速報の情報がある旨を示すフラグ値から、平常時の図3の「いずれもなし(000001010)」の状態に変更される状態を判別した場合には、制御回路50からの制御信号のタイミングで、各種フラグのフラグ値のみを常時監視するように、AC同期確立部24への電源供給を第1の電源スイッチ34によって制御するとともに、AC情報解析部25への電源供給を遮断するように第2の電源スイッチ36の切り替えを行う。このように、フラグ監視回路52は、各種フラグのフラグ値のみを常時監視するように動作する。
これにより、極めて消費電力を節約しながら、緊急速報の情報を確実に、且つ即時に取得できるようにする。尚、実施例1の電文情報の場合、フラグ監視回路52は、「緊急地震速報」の情報がある旨を示すフラグ値を判別した場合に、AC情報解析部25への電源供給を行うように第2の電源スイッチ36を制御するものとする。
AC情報解析部25への電源供給が為された場合に、フレーム同期検出回路48によって生成されたフレーム同期信号に同期して、誤り訂正部44が、緊急地震速報の情報(AC信号)を誤り訂正し、AC復号部45が、送信側の符号化方式に対応する復号形式で各種フラグ以降の内容、即ち「緊急地震速報」の内容を復号する。
尚、フラグ監視回路52は、緊急速報の全ての情報のみを取得するように、フレーム内間欠受信動作又はフレーム間間欠受信動作で、AC情報解析部25に電源供給するように制御することもできる。特に、フレーム間間欠受信動作で動作する場合に、各種フラグ検出回路49及び誤り訂正部44にて、複数のフレーム間で多数決判定した結果を送出するように動作させることもできる。
或いは又、電文情報がISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメントにおけるモード3の同期変調モードにて受信可能なように、同一内容の緊急速報が8本のACキャリアにて伝送されるように予め規定されている場合には、フレーム同期検出回路48、各種フラグ検出回路49及び誤り訂正部44にて、ダイバシティ利得を得るために該8本のACキャリアから、当該緊急速報を復号することもできる。
或いは又、電文情報が、予め定めた差集合巡回符号方式のパリティビットを含んでいる場合に、誤り訂正部44にて、該差集合巡回符号方式に基づく誤り訂正を行って、AC復号部45は、当該緊急速報を復号する。このように、本発明に係る受信機においては、AC情報の誤りを検出又は訂正し、復号する様々な態様が考えられ、「復号手段」として総括して説明する。
予測情報計算手段46は、復号した「緊急地震速報」の情報から、各地域の震度及び到達予測時間の予測情報を計算する。例えば、緊急速報における地域コード、予測震度情報及び予測到達時間情報と、位置検出手段46aによって検出した位置情報と、現在時刻検出手段46bによって検出した現在時刻情報とから、当該受信機の位置する地域の震度及び到達予測時間の予測情報を計算する。
位置検出手段46aは、当該受信機の地域的な位置を表す位置情報を検出する。好適に、位置検出手段46aは、固定受信においては設置時の受信機による入力或いはGPS(Global Positioning System)による位置検出、或いは受信している地上デジタル放送波の受信信号に含まれるNIT(Network Information Table)に基づく放送局の識別(ネットワーク識別)等により、移動又は携帯受信においては、GPSによる位置検出或いは地上デジタル放送の受信信号に含まれるNITに基づく放送局の識別、或いは携帯電話の場合基地局情報、無線LANの場合ホットスポット情報(場所を認識可能な場合、場所の手入力も含む)などにより自身の位置を検出することができる。
現在時刻検出手段46bは、当該受信機の現在時刻を表す現在時刻情報を検出する。好適に、現在時刻検出手段46bは、受信機の入力による時刻設定、標準電波(電波時計、JJY)、GPS、或いは受信している地上デジタル放送波の受信信号に含まれるTDT(Time Date Table)などから現在時刻情報を検出することができる。或いは、現在時刻検出手段46bは、受信機が携帯電話に具備される場合、基地局からの信号により現在の時刻を検出することができる。
警告発生手段47は、当該受信機が備える表示器に文字で表示するか、当該受信機が備えるスピーカから音で発生させるか、当該受信機が備えるバイブレータによる振動警告を発するか、又は通常動作時とは異なる動作で知覚的に警告を発生する。或いは又、当該受信機が携帯電話、携帯情報端末(PDA)、腕時計、置時計、パーソナルコンピュータ等の何らかの機器に具備される場合には、これらの機器の機能を用いて、スピーカから音で発生させるか、バイブレータによる振動警告を発するか、又は通常動作時とは異なる動作で知覚的に警告を発生するようにすることもできる。
ここで、フレーム間間欠受信モードとフレーム内間欠受信モードについて説明する。
AC信号の同期確立の信頼性を高める場合に、好適に、フレーム間間欠受信モードを用いることができ、或いは又、AC信号の同期確立の信頼性がある場合にも誤りを検出して多数決判定するためにフレーム内間欠受信モードを用いることができる。更にこれらの間欠受信モードを利用すれば、受信機の消費電力を大幅に低減することができる。
フレーム間間欠受信モードは、例えば、AC信号の同期が未確立を示す緊急速報同期確立情報を供給されている場合に決定される。この場合、第1の電源スイッチ34又は第2の電源スイッチ36のオン継続時間は、図5に示すように最低1フレーム以上とする。例えば、1フレームのみを用いる場合には、受信機の消費電力を大幅に低減することができる。更に、例えば2フレームを用いる場合には、偶数パリティを利用して、受信信号の信頼性を高めることができる。或いは又、例えば3フレームを用いる場合には、多数決判定して、受信信号の信頼性を高めることができる。
尚、地上デジタルテレビジョン放送の送信モードがモード3でガードインターバル比(GI比)1/8の場合、1フレームは231.336msecである。また、フレーム間間欠受信モードではAC同期確立部24の電源投入タイミングの制約はなく、例えばオン/オフ間隔は所定値(例えば10秒間隔)とする。
このように、AC信号の同期未確立時のAC同期確立部24への電源供給時間を1フレーム以上とすることで、AC信号の取りこぼしを防止することができ、更には、AC情報解析部25における受信信号の信頼性を高めることができる。また、オン/オフ間隔を長くすることで待機消費電力を低減することができる。
また、フレーム内間欠受信モードは、例えば、AC信号の同期が確立していることを示す緊急速報同期確立情報を供給されている場合に決定される。この場合、第1の電源スイッチ34又は第2の電源スイッチ36のオン継続時間は、図6に示すように、例えば30.618msec=(27/204)フレームとし、AC信号の前のフレームの最後のシンボルから電源を投入し、所要のビット、例えば各種フラグの受信が終了、又は各種フラグの最後のシンボルが受信された時点で電源を遮断する。
このように、AC信号の同期確立時のAC同期確立部24への電源供給時間を27シンボルとすることで、待機消費電力を低減することができる。
以下、より詳細に本発明による実施例1の受信機の受信動作について説明する。
まず、実施例1の受信機は、AC同期確立部24により、選択されたチャンネルにて受信したOFDM信号からガードインターバル相関などによりシンボル同期を行い、FFT演算を経てAC信号を抽出する。
更に、実施例1の受信機は、AC同期確立部24により、電文情報(図1に示す電文情報のフォーマット)に含まれる、AC信号に多重された同期信号に基づき、AC信号のフレーム同期を行う。
そして、実施例1の受信機は、フレーム同期に基づいて得られたタイミングに従い、電文情報(図1に示す電文情報のフォーマット)に含まれる、DBPSK復調される各種フラグ中の「緊急警報放送の起動」、「緊急地震速報の起動・識別」の各フラグをフラグ監視回路52によって監視し、「緊急地震速報の起動・識別」フラグが1のときには、以後に続く電文情報をAC情報解析部25によって受信し、地域コードをまず認識する。
一方で、受信機は、当該受信機の地域的な位置を表す位置情報を検出する位置検出手段46aを有しており、自身の位置を認識することができる。
また、受信機は、当該受信機の現在時刻を表す現在時刻情報を検出する現在時刻検出手段46bを有しており、現在の時刻を認識することができる。
受信機は、前記自身の受信機の位置が地域コードに記載の地域と一致或いは含まれる場合、続いて読み出される震度情報及び到達予測時刻を取得する。
続いて、受信機は、予測情報計算手段46により、取得した到達予測時刻と当該現在の時刻の差を計算する。
そして、受信機は、警告発生手段47により、計算した震度情報と到達予測時刻の現在時刻からの時間差をテキスト文字に変換して、受信機(又は該受信機を具備する機器)が有する表示器上に表示する。或いは同時に、警告音又は音声、或いはその双方を受信機(又は該受信機を具備する機器)が有するスピーカから発する。これらの表示又は音により、受信機のユーザは地震の発生及び予測時間を知ることができる。尚、警告発生の方法は、これらに限定するものではなく、アナログ時計の秒針を擬態して知らせるなどもある。
図1の電文情報フォーマットは、204シンボルを1フレームとした2フレームにより最大8つの地域の情報を伝送する。ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送のモード3、ガードインターバル比1/8の場合、1フレームの長さは0.231秒であるので、この2フレームを受信するのに少なくとも0.5秒程度の時間は必要である。
緊急地震速報が出て、放送局が電波に載せる時間並びに送信と受信のタイミングのずれを考慮しても、1〜2秒程度で受信可能となり、速やかな緊急地震速報の伝送が可能となる。
更に、この2フレームを2組4箇所ずつのACキャリアに分けて伝送すれば、0.2秒程度時間を短縮できる。
一方、AC信号の8系統、或いは4系統ずつに同じ緊急地震速報に関する情報を載せて伝送することもでき、受信において全キャリアのDBPSK復調を行い、レベル判定後に多数決により、或いはアナログ振幅レベルで合成してレベル判定することにより、ダイバシティ利得を得られ、より低い受信電力での受信が可能となり、確実な伝送が可能となる。
さらに、「緊急地震速報の起動・識別」フラグを2ビットで送信することや、各種フラグの8ビットを受信し、8ビットの組合せ中に1を検出する数が偶数か否かを確認することにより信頼度を高めることができる。
レベル判定後の多数決判定を行う際には、これらの結果をもとに多数決への影響度を重みづけ、或いは誤っている系統を排除することにより信頼度を高めることもできる。
また、204ビットの伝送において、82ビットはパリティビットである。例えば、ISDB−T方式のTMCC信号と同様に、対象とするビット数は異なるが、差集合巡回符号(273、191)の短縮符号を用いて誤り訂正符号化するなどして伝送することにより、少なくとも8ビットの誤り訂正が可能となるので、より信頼度が高まる。
前述したように、例えばISDB−T方式の地上デジタル放送波を受信する携帯電話に本受信機を適用した場合に、当該携帯電話が電力節約のために待機モードにあるときに、待機電力を少なくして緊急警報放送或いは緊急地震速報が発せられたタイミングで速やかに受信機を起動することが必要である。
本実施例の受信機においては、図1の電文情報フォーマットの場合、フレーム同期の確立後、1フレームの最後のビットで、緊急地震速報の検出用の受信機のAC同期確立部24に電源供給し、各種フラグの最後のビット(9ビット目)で電源を落とすしくみとすれば、より一層の低消費電力化を実現することができる。
この場合、緊急地震速報が発せられたときには、AC同期確立部24の電源の投入を継続し、AC情報解析部25の電源を即時に投入することで、速やかに緊急地震速報に基づく情報を受信機に伝えることができる。
次に、本発明による実施例2の送信装置及び受信機について説明する。
(実施例2)
本発明による実施例2の送信装置及び受信機のハードウェアの構成要素は、実施例1と同様であるが、電文情報フォーマットの態様が相違しており、これに起因して予測情報計算手段46の動作が相違する。従って、実施例1と同様な構成要素のより詳細な説明は省略する。本実施例の説明においても、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について説明するが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
実施例1の電文情報フォーマットは、送信装置が送信する電文情報において、直接該当する地域と震度、到達予測時間を伝える場合を提示した。この場合、受信機の負荷を抑えて速やかに緊急地震速報を伝えることができるが、地域の枠組みを一定以上に細かく伝えることができない。また、2フレームによる伝送を必要とするため、1フレームのみで伝える場合に比べて遅延が増える、或いは伝送のために必要な受信電力が増える。
そこで、受信機において、非特許文献1に示される震度や到達予測時刻の演算処理を大きな負荷なく実行できることを想定した電文情報フォーマットとするのが望ましい。即ち、送信する緊急地震速報の電文情報を減らして、1フレームに限定しての電文情報の伝送を可能とする電文情報フォーマットとするのが望ましい。
そのため、実施例2では、別の電文情報フォーマットを提示する。図7に、受信機において最大予測震度と到達予測時刻の算出を行う場合の実施例2の電文情報のフォーマット例を示す。尚、実施例2の受信機は、実施例1と同様に、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、腕時計、置時計、パーソナルコンピュータ又は家電製品など、あらゆる機器に具備させることができるものである。
図7は、地震の発生時刻、震源の位置(緯度経度、深さ)及びマグニチュードの情報を格納して伝送するフォーマットである。ここで、「各種フラグ」は、図1の電文情報フォーマットと同じく、「緊急警報放送の起動」、「緊急地震速報の起動・識別」、「通常」/「訓練」の識別、「ニュース速報」の有無などの情報を提示する。ここでは、内容が同一であるので、「各種フラグ」の動作を含む詳細な記載を省略する。「位相基準」及び「同期信号」も同様である。
「地震発生時刻」は、P波の観測後推定され、一般向けの緊急地震速報により放送局向けに伝えられた、地震が発生した時刻であり、月、日、時、分、秒の単位で表示された数値を伝達する。
「地震発生時刻」の時刻は24時間表示とし、月の表示は4ビット、日の表示は5ビット、時の表示は5ビット、分及び秒の表示は6ビットの数値として、例えば、1月3日の13時25分37秒は「0001|00101|01101|011001|100101」(合計26ビット)と、各々月、日、時、分、秒の単位で2進数表示する。尚、「|」は月、日、時、分、秒の区別を見やすくするために、ここでの表記のみとして挿入しており、実際の伝送には挿入されない。
「震源の緯度」及び「震源の経度」は、震源の地表面上の位置を表し、例えば、北緯36.3度、東経136.5度といったように、1/10度精度で表記した緯度及び経度である。これらを、北緯及び東経を正の値、南緯及び西経を負の値とし、且つ、小数点を除いた10倍の数値で表記する。
つまり、実施例2の電文情報のフォーマットの場合、「震源の緯度」及び「震源の経度」はそれぞれ363と1365となり、各々12ビットを割り当てて「000101101011」と「010101010101」のように2進数で表す。尚、南緯または西経の負の値は、1の補数とし、例えば、南緯36.3度は、「111010010100」と表記する。
「震源の深さ」は、震源の地表面からの深さであり、単位を[km]とした数値で表す。例えば、30kmの場合、30であり、10ビットの2進数「0000011110」で表記する。
「マグニチュード」は、地震の規模を表すマグニチュードの値であり、小数点以下1桁の数値、例えば、3.5といった値である。これを10倍の数値で表記する。実施例2の電文情報のフォーマットでは、35であり、8ビットの2進数「00010011」とする。
図7の電文情報フォーマットを用いた実施例2の電文情報フォーマットは、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)におけるACキャリア、例えば、モード3の同期変調部の場合、キャリア番号#7、#89、#206、#209、#226、#244、#377及び#407の8箇所の204シンボル、1フレームに、同じ情報をコピーしたものを各々格納して伝送する。
実施例1の電文情報フォーマットでは、408シンボル、つまり、2フレームに振り分ける形で情報を格納して伝送するため、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送のモード3、ガードインターバル比1/8の場合、少なくとも0.5秒程度の時間は必要であった。
実施例2の電文情報フォーマットの場合は、204シンボル、つまり、1フレームで伝送することができるので、後述する式(1)の震度の算出に要する時間及びJMA2001などの走時表からの到達予測時間の算出に要する時間が1フレームに比し無視できる場合、8箇所のACキャリアによるダイバシティを維持したまま、2フレームで情報を伝送する実施例1の電文情報フォーマットの場合と比べ、0.2秒程度短縮した時間で、情報の伝達が可能となる。
尚、既知のTMCC信号の場合と同様に、奇数フレームと偶数フレームとでは、「同期信号」の位相は反転している。
本実施例において、放送事業者は、例えば気象庁から緊急地震速報を受信した場合、送信装置によって、実施例2の電文情報のフォーマット例に基づく同じ緊急地震速報情報、つまり、地震の発生時刻、震源の緯度経度と深さ、及びマグニチュードの情報を、8箇所のACキャリアが運ぶAC情報の全てに格納して、受信機に向けて送信する。
ただし、「位相基準」、「同期信号」、「各種フラグ」、及びデータの状態に対応する「パリティビット」は、緊急地震速報や緊急警報放送の有無に関わらず、常に伝送する。
尚、実施例2においても、実施例1と同様に、「各種フラグ」は、緊急地震速報のニュース番組の有無、データ放送の有無、緊急警報放送の有無に基づき、図3の「緊急地震速報」の起動に対応するビットの組合せを選択するのに用いられる。例えば、平常時の図3の「いずれもなし(000001010)」の状態から、緊急地震速報に該当するビットの組合せ、例えば「緊急警報放送、緊急地震速報(番組あり、データなし)(110100100)」が選択されて送信される。これは、受信機側において、「緊急地震速報のニュース番組があり、データ放送がない」ことを知ることができる。更に、受信機をISDB―T方式の携帯電話等に適用した場合には、当該携帯電話は、緊急警報放送が発せられるとともに緊急地震速報のニュース番組を受信して表示し、データ放送についての動作は不要であることを判別することができる。
ただし、実施例2の受信機では、予測情報計算手段46は、AC復号回路45によって復号した地震の発生時刻、震源の緯度及び経度、震源の深さ、及びマグニチュードに関する情報と、位置検出手段46aによって検出した位置情報及び現在時刻検出手段46bによって検出した現在時刻情報とから、当該受信機の位置する地域の震度及び到達予測時間の予測情報を計算する。
具体的には、実施例2の受信機は、非特許文献1に従って、予測情報計算手段46により、震度予測のために、取得した地震源の位置情報(緯度経度、深さ)と地震の規模(マグニチュード)並びに地盤増強度から、震度及び強震動(主要動)の到達予測時刻を算出する。更に、地震の発生時刻との足し算で、到達予測時刻の絶対時刻も算出することもできる。
具体的には、予測情報計算手段28aは、次のように震度及び強震動(主要動)の到達予測時刻を算出する。
震度は、計測震度IINSTRとして次式の非特許文献1に記載の計算式により算出される。
IINSTR=2.68+1.72 log(PGV)±0.21 (1)
ここで、PGVは地表面での各地点の最大速度[cm/s]であり、非特許文献1に記載の最大速度減衰式で計算される基準基盤(硬質基盤、S波速度600m/s)での最大速度PGV600と国土数値情報にある各対象となる地点での地盤増幅度ARViとの乗算で求められる値である。
PGV=1.31 PGV600×ARVi (2)
なお、非特許文献1に記載の最大速度減衰式は、式(3)で表され、PGV600[cm/s]の算出に必要となる情報は、マグニチュードM、震源の深さD[km]と断層最短距離x[km]のみである。
log(PGV600)=0.58 (M−0.171)+0.0038 D−1.29
−log(x+0.028×100.50(M−0.171))−0.002x (3)
受信機がその位置情報を取得する手段を有し、現在受信機が存在する地点が分かっているとすると、震源の位置情報と受信機の位置情報によりxを容易に算出することができる。
また、ARViは地点に依存する値であるので、予め受信機に記憶されていることで、位置情報に基づき選択利用することができる。
よって、計測震度IINSTRは、受信機において未知数である震源の位置情報とマグニチュードを送信側から取得することにより、当該受信機において容易に算出できる。
尚、計測震度IINSTRは小数点を含む数値として計算されるので、震度階級における最大予測震度は、その値をもとに図8に示す両者の関係に基づいて判定される。
一方、受信機のいる地点への地震の発生時刻からの到達予測時刻(到達所要時刻)は、震央距離Δ[km]と震源の深さD[km]をもとに気象庁が示す走時表(例えばJMA2001)を用いて算出することができる。震央距離Δは震源の位置情報(緯度経度)と当該受信機の位置情報から算出することができる値である。
よって、主要動の到達予測時刻は、受信機において未知数である震源の位置情報と地震の発生時刻が伝達されることにより、当該受信機において容易に算出することができる。
本実施例の受信機における受信動作の詳細は、具体的には、以下のように行う。
まず、実施例2の受信機は、実施例1と同様に、AC同期確立部24により、選択されたチャンネルにて受信したOFDM信号からガードインターバル相関などによりシンボル同期を行い、FFT演算を経てAC信号を抽出する。
更に、実施例2の受信機は、実施例1と同様に、AC同期確立部24により、電文情報(図7に示す電文情報のフォーマット)に含まれる、AC信号に多重された同期信号に基づき、AC信号のフレーム同期を行う。
そして、実施例2の受信機は、フレーム同期に基づいて得られたタイミングに従い、電文情報(図7に示す電文情報のフォーマット)に含まれる、DBPSK復調される各種フラグ中の「緊急警報放送の起動」、「緊急地震速報の起動・識別」の各フラグをフラグ監視回路52によって監視し、「緊急地震速報の起動・識別」フラグが1のときには、以後に続く電文情報をAC情報解析部25によって受信し、以下のように解析する。
ここで、実施例1と同様に、受信機は、位置検出手段46aにより、自身の受信機の位置を認識している。また、受信機は、現在時刻検出手段46bにより、現在の時刻を認識している。
受信機は、予測情報計算手段46により、自身の受信機の位置と前記自身の受信機の位置に基づく地盤増幅度、発生の通知を受けた震源の緯度経度と深さ、及びマグニチュードを用いて、震源距離xを算出するとともに、式(1)〜(3)の演算を行い、自身の受信機がある地点における予測震度を算出する。
そして、受信機は、予測情報計算手段46により、震央距離Δを算出するとともに、JMA2001などの走時表から、到達予測時刻を算出する。
受信機は、予測情報計算手段46により、算出した予測震度が基準とする値以上となる場合(例えば、震度4以上となる場合)、算出した到達予測時刻と検出した現在時刻との差を計算して、計算した予測震度と該時刻の差をテキスト文字に変換し、警告発生手段47により、受信機(又は該受信機を具備する機器)が有する表示器上に表示する。或いは同時に、警告音または音声、或いはその両方を受信機(又は該受信機を具備する機器)が有するスピーカから発する。これらの表示または音により、受信機は地震の発生及び予測時間を知ることができる。尚、警告発生の方法は、これらに限定するものではなく、アナログ時計の秒針を擬態して表示するなどもある。
以上により、受信機において予測震度及び到達予測時刻を算出できる場合には、放送局は、緊急地震速報が発されたとき、地震の発生時刻、震源の位置(緯度経度、深さ)及びマグニチュードの情報を当該受信機に向けて送信すればよいことがわかる。
そして、送信側から得られた地震の発生時刻、震源の緯度経度と深さ、及びマグニチュードに関する情報と、自身の受信機が有する位置情報並びに地盤増幅度、現在時刻とを用いた、式(1)の震度の算出及びJMA2001などの走時表からの到達予測時間の算出を実施するようにした。
これにより、受信機は、受信機のユーザが必要とする「どれぐらいの規模/震度の地震がどれぐらいの時間の後に起こるか」という情報の周知を速やかに、かつ、確実に得られる。
また、受信機の位置毎に到達予測時刻を計算するので、より正確な時刻を受信機に伝えることができる。
更に、実施例2によれば、受信機のユーザが希望により選択する別の地域についても、受信機に選択設定することにより、受信機が位置する地域以外についても同様な計算を行い、当該選択設定を行った地域に例えば震度4以上の強い揺れの虞がある場合に、警告発生手段47に、必要な「最大予測震度」などの情報を提示することができる。
尚、実施例2は、実施例1に比較して、1フレームで伝送できるだけでなく、リザーブビットも28ビットと多い構成としている。「地震発生時刻」の「月」と「日」を省略することもできる。このため、「各種フラグ」を拡張して別の制御信号を伝送する、誤り訂正符号を変更して伝送性能を強化するなど追加の使用法に対する柔軟性がある。
次に、本発明による実施例3の送信装置及び受信機について説明する。
(実施例3)
本発明による実施例3の送信装置及び受信機のハードウェアの構成要素は、実施例1と同様であるが、電文情報フォーマットの態様が相違しており、これに起因して予測情報計算手段46の動作が相違する。従って、実施例1又は2と同様な構成要素のより詳細な説明は省略する。本実施例の説明においても、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について説明するが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
実施例1及び2の受信機は、実施例1及び2の電文情報フォーマットを利用する際に、常に自身の受信機における現在時刻を検出する場合について説明した。実施例3の受信機は、受信機が現在時刻の修正或いは補正方法を有しない場合に対応するものであり、実施例3では、図4に示す現在時刻検出手段46bは不要とすることができる。即ち、実施例3の送信装置は、実施例3の電文情報フォーマットにより緊急地震情報の他に現在時刻も合わせて送信する。尚、実施例3の受信機は、実施例1又は2と同様に、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、腕時計、置時計、パーソナルコンピュータ又は家電製品など、あらゆる機器に具備させることができるものである。
図9は、現在時刻を送信する場合の実施例3の電文情報フォーマットである。
最初の「位相基準」、「同期基準」及び「パリティビット」は、これまでの実施例1及び2の電文情報フォーマットと同じである。また、「震源の緯度」、「震源の経度」、「震源の深さ」、及び「マグニチュード」は、実施例2の電文情報フォーマットの場合と全く同じである。
実施例3の電文情報フォーマットは、実施例2の電文情報フォーマットと異なる部分は、「地震の発生時刻」の代わりに、「現在時刻」と地震が発生してから現在時刻までの「経過時間」である。
「現在時刻」は、時々刻々と変化する放送局の送信装置から出力される時点での日本標準時刻である。送信装置での処理遅延時間を予め見込んで進めた値を格納する。即ち、月、日、時、分、秒の単位で表示された数値を伝達する。
「現在時刻」の時刻は24時間表示とし、図7の「地震発生時刻」と同じく、月の表示は4ビット、日の表示は5ビット、時の表示は5ビット、分及び秒の表示は6ビットの数値として、2進数の値で伝達する。
「現在時刻」の変化は、秒単位を基準とする。ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送のモード3、ガードインターバル比1/8の場合、1フレームの長さは0.231秒であるので、4フレーム又は5フレーム毎に更新する。
「経過時間」は、地震が発生した場合の地震の発生時刻と「現在時刻」との差の値である。1/10秒精度で最大100秒の経過時間の伝送を考慮し、10倍の値を10ビットの2進数で格納して伝送する。
実施例3の電文情報フォーマットの場合は、204シンボル、つまり、1フレームで伝送することができるので、式(1)の震度の算出に要する時間及びJMA2001などの走時表からの到達予測時間の算出に要する時間が1フレームに比し無視できる場合、8箇所のACキャリアによるダイバシティを維持したまま、2フレームで情報を伝送する実施例1の電文情報フォーマットの場合と比較して更に0.2秒程度短縮した時間で、情報の伝達が可能となる。
尚、奇数フレームと偶数フレームとでは、「同期信号」の位相は反転している。
本実施例において、放送事業者は、例えば気象庁から緊急地震速報を受信した場合、送信装置によって、実施例3の電文情報のフォーマット例に基づく同じ緊急地震速報情報、つまり、現在時刻、地震が発生してから現在時刻までの経過時間、震源の緯度及び経度、震源の深さ、及びマグニチュードの情報を、8箇所のACキャリアが運ぶAC情報の全てに格納して、受信機に向けて送信する。
ただし、「位相基準」、「同期信号」、「各種フラグ」、「現在時刻」、「経過時間」(=「1111111111」)及びデータの状態に対応する「パリティビット」は、緊急地震速報や緊急警報放送の有無に関わらず、常に伝送する。
また、実施例3においても、実施例1又は2と同様に、「各種フラグ」は、緊急地震速報のニュース番組の有無、データ放送の有無、緊急警報放送の有無に基づき、図3の「緊急地震速報」の起動に対応するビットの組合せを選択するのに用いられる。例えば、平常時の図3の「いずれもなし(000001010)」の状態から、緊急地震速報に該当するビットの組合せ、例えば「緊急警報放送、緊急地震速報(番組あり、データなし)(110100100)」が選択されて送信される。これは、受信機側において、「緊急地震速報のニュース番組があり、データ放送がない」ことを知ることができる。更に、受信機をISDB−T方式の携帯電話等に適用した場合には、当該携帯電話は、緊急警報放送が発せられるとともに緊急地震速報のニュース番組を受信して表示し、データ放送についての動作は不要であることを判別することができる。
ただし、実施例3の受信機では、予測情報計算手段46は、電文情報から取得した現在時刻、地震が発生してから現在時刻までの経過時間、震源の緯度及び経度、震源の深さ、及びマグニチュードに関する情報と、位置検出手段46aによって検出した自身の受信機が有する位置情報並びに該位置情報に基づく地盤増幅度とを用いた、式(1)の震度の算出及びJMA2001などの走時表からの到達予測時間の算出を実施する。
従って、実施例3の受信機では、予測情報計算手段46は、AC復号回路45によって復号した現在時刻、地震が発生してから現在時刻までの経過時間、震源の緯度及び経度、震源の深さ、及びマグニチュードの情報と、前記位置情報及び該位置情報によって定まる地盤増幅度とから、当該受信機の位置する地域の震度及び到達予測時間の予測情報を計算する。
これにより、受信機は、受信機のユーザが必要とする「どれぐらいの規模/震度の地震がどれぐらいの時間の後に起こるか」という情報の周知を速やかに、且つ、確実に得られる。
実施例3における他の受信機の動作は、前述の実施例2とほぼ同様であり、実施例3の受信機は、自身の受信機の位置と前記自身の受信機の位置に基づく地盤増幅度、発生の通知を受けた震源の緯度経度と深さ、及びマグニチュードを用いて、震源距離xを算出するとともに、式(1)〜(3)の演算を行い、前記自身の受信機がある地点における予測震度を算出し、震央距離Δを算出するとともに、JMA2001などの走時表から、震源からの所要時間としての到達予測時刻を算出する。
受信機は、予測情報計算手段46により、算出した予測震度が基準とする値以上となる場合(例えば、震度4以上となる場合)、算出した所要時間と電文情報から取得した「経過時間」との差を計算して、計算した予測震度と該時刻の差をテキスト文字に変換し、警告発生手段47(又は該受信機を具備する機器)により、受信機が有する表示器上に表示する。或いは同時に、警告音または音声、或いはその両方を受信機(又は該受信機を具備する機器)が有するスピーカから発する。これらの表示または音により、受信機は地震の発生及び予測時間を知ることができる。尚、警告発生の方法は、これらに限定するものではなく、アナログ時計の秒針を擬態して表示するなどもある。
実施例3の受信機においては、「現在時刻」を受信しているのに相当するため、受信機の時計を補正することができる。
しかしながら、この「現在時刻」は秒単位の送信のため、フレーム長との差のジッタがある。また、待機電力を考慮すると、AC信号の全てを常に受信することは望ましくない。そこで、時刻の補正を、例えば、1日に1回とし、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送のモード3、ガードインターバル比1/8の場合、連続した48フレーム毎にサンプルした10程度の「現在時刻」に基づいて行うなどして行うことが好ましい。
次に、本発明による実施例4の送信装置及び受信機について説明する。
(実施例4)
本発明による実施例4の送信装置及び受信機のハードウェアの構成要素は、実施例1〜3のものと比較して、受信機が予測情報計算手段46の代わりに予測情報抽出手段53を備える点で相違するが、その他の構成は実施例1〜3と同様である。即ち、実施例1〜3の予測情報計算手段46は、当該受信機の位置する地域の震度及び到達予測時間の予測情報を計算する代わりに、前述した電文情報のうち地震の発生についての情報か、又は該情報と発生時刻又は最大予測震度の情報とを抽出して警告発生手段47に送出する予測情報抽出手段53として構成することができる。従って、実施例1〜3と同様な構成要素のより詳細な説明は省略する。本実施例の説明においても、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について説明するが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
実施例4では、緊急地震速報を受信した受信機が、警告発生手段47において、例えば「緊急地震速報:○○地域で強い揺れに警戒してください」や「緊急地震速報:○○県でマグニチュード△△の強い地震が発生。強い揺れに警戒してください」などと警告を受信機のユーザに提示する。
実施例4の態様は、単に注意や警戒を速やかに促すことが重要な場合に適用するのに好適である。前述した実施例1〜3においては、受信機のユーザが必要とする「どれぐらいの規模/震度の地震がどれぐらいの時間の後に起こるか」という情報の周知を速やかに、且つ、確実に得られるようにする。
前述した実施例1〜3では、当該受信機の予測情報計算手段46の助けを借り、警告発生手段47により、例えば震度5弱以上が予想される地域が日本全国のどこかにある場合に当該受信機の存在する地域において、震度4以上の地震が起こることを地震の主要動が到達するまでの残り時間とともに提示するようにしていた。つまり、当該受信機のユーザは、例えば「緊急地震速報:○○地域において、△△秒後に震度4の地震。強い揺れに警戒」といった情報の通知を、受信機(又は該受信機を具備する機器)の表示部にテキストで、或いはスピーカから音声で受ける。
しかしながら、例えば本発明に係る送信機及び受信機の導入の初期段階では、予測情報計算手段46による演算の負荷が重く、必要な時間の中で上記残時間等の計算が間に合わない場合も考えられる。また、主要動の到達までの残り時間を提示することに動揺し、地震への必要な警戒手段をとれない受信機のユーザがいることも起こりうる。更に、専用の放送受信機の場合、制度面や運用面の都合で放送局が送信した情報をそのまま提示する必要がある場合もある。実施例4は、このような場合に適用される。
実施例1の説明で使用した図1の電文情報フォーマットを受信する受信機の動作事例を示す。電文情報フォーマットは実施例1と同じであるので、その説明は省略する。
図10を用いて、実施例4の受信機の動作を説明する。図10に示す実施例4の受信機は、実施例1〜3における予測情報計算手段46の代わりに、予測情報抽出手段53を備える。
予測情報抽出手段53は、フラグ監視回路52が「緊急地震速報」の情報がある旨を示すフラグ値を判別した場合に、AC復号部45が復号した「緊急地震速報」の内容から速報文の作成に必要な情報を抽出して警告発生手段47に送出する。
警告発生手段47は、予測情報抽出手段53が抽出し、作成した速報文を提示する。例えば、警告発生手段47は、当該受信機(又は該受信機を具備する機器)がテキスト表示器を有する場合はテキスト表示により「緊急地震速報(気象庁):強い揺れに警戒。○○地方、△△地方」などと提示する。当該受信機(又は該受信機を具備する機器)がスピーカを有する場合は、警報音とともに同様の速報文を読み上げる音声を出力する。また、当該受信機(又は該受信機を具備する機器)がバイブレータを有する場合は、通常動作時とは異なる動作で知覚的に警告を発生するように振動警告を発するか、又は振動警告により表示器やスピーカへ注意を促す。
尚、「緊急地震速報」の情報がある旨を示すフラグ値が地域を限定せずに伝えられる場合にも、これに関わらず、警告発生手段47は、受信機のユーザに前記緊急地震速報を提示するようにしてもよい。
また、予測情報抽出手段53は、前述した実施例の予測情報計算手段46のものと同様に、位置検出手段53aを有するように構成することもでき、位置検出手段53aによって当該受信機の位置を検知できる場合に、当該受信機が「緊急地震速報」によって示される該当地域にある場合のみ、速報文を警告発生手段47に出力するようにすることもできる。このため、受信機のユーザの設定により、位置検出手段53aの機能を利用するか否かの設定を選択することができるようにするのが好適である。
実施例4における受信機の他の動作は、前述の実施例と同様であるので詳細な説明を省略するが、例えば、図7及び図9の電文情報フォーマットを用いても実施例4の動作を実現することができる。例えば、警告発生手段47が提示する速報文は次のようになる。
「緊急地震速報(気象庁):●時▲分×秒、○○県でマグニチュード△の地震発生。強い揺れに警戒」などである。
また、予測情報抽出手段53は、残時間は提示しないものの震度のみは計算して提示することもできる。その際、前述したように、位置検出手段53aによって当該受信機の位置を検知できる場合には、受信機のユーザの設定に従って、当該受信機が「緊急地震速報」から計算される該当地域の震度が例えば4以上である場合にのみ、速報文を警告発生手段47に出力するようにすることができる。
このように、実施例4によれば、当該受信機のユーザは、緊急警報情報を速やかに、且つ、確実に得られるようになる。
次に、本発明による実施例5の送信装置及び受信機について説明する。
(実施例5)
本発明による実施例5の送信装置及び受信機のハードウェアの構成要素は、実施例4と同様であり、その詳細な説明は省略する。実施例5では、前述した各実施例とは、電文情報フォーマットが異なる。本実施例の説明においても、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について説明するが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
実施例5の電文情報フォーマット例を、図11に示す。これは、現在の緊急地震速報とほぼ同等のメッセージを受信機において提示する場合の事例である。つまり、「地震発生時刻」、「震央地名コード」、「最大予測震度」、及び「震度4以上の強震地域(都道府県単位)」を送信側から送信し、受信機ではこれらの情報から受信機のユーザに向けて「緊急地震速報(気象庁):●時▲分×秒、○○県で地震発生。震度△を予測。次の地域で強い揺れに警戒: △△県、□□県、・・・」というメッセージを提示する場合の事例である。
ここで、「地震発生時刻」は、P波の観測後推定され、一般向けの緊急地震速報により放送局向けに伝えられた、地震が発生した時刻であり、時、分、秒の単位で表示された数値を伝達する。
「地震発生時刻」の時刻は24時間表示とし、時の表示は5ビット、分及び秒の表示は6ビットの数値として、例えば、13時25分37秒は「01101|011001|100101」(合計17ビット)と、各々時、分、秒の単位で2進数表示する。尚、「|」は時、分、秒の区別を見やすくするために、ここでの表記のみとして挿入しており、実際の伝送には挿入されない。
「震央地名コード」は、「緊急地震速報」の配信時に用いられる4桁の一般向け緊急地震速報における震央地名コードのうち下3桁を各桁で2進数化したものである。よって、各桁4ビットのBCD符号表記となる。
図12は、この「震央地名コード」と震央地名、さらにそのビット表記の関係を表す表の事例(一部)である。
「最大予測震度」は、震度4以上の4、5弱、5強、6弱、6強、7が相当する。「強」、「弱」を各々1、0と数値で区別し、各々を4ビットの「0100」、「0101」、「1101」、「0110」、「1110」、「0111」で区別して表記する。ただし、この最大予測震度は、特定の地域ごとではなく、当該地震による日本全国のいずれかの地域で観測が予測される最大予測震度である。この値が震度5弱以上のとき、緊急地震速報が出される。
「震度4以上の強震地域(都道府県単位)」は、一般向け緊急地震速報で用いる都道府県単位の“強い揺れが推定される地域”である。この地域は、都道府県を単位とするが、北海道を4分割するなど全国で現在56地点あり、この各地点に1ビット割り当て、対象となるか否かを1又は0で示す。
例えば、東京、神奈川、伊豆諸島が震度4以上を予測された場合、この3つの地域に割り当てるビットを1とし、その他は0とする。よって、送信側では、この値に基づくデータが送信され、受信側ではこの値をもとに「緊急地震速報(気象庁):●時▲分×秒、○○県で地震発生。震度△を予測。次の地域で強い揺れに警戒: 東京都、神奈川県、伊豆諸島」というメッセージを提示する。
図11の電文情報フォーマットを用いた実施例5の電文情報フォーマットも、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)におけるACキャリア、例えば、モード3の同期変調部の場合、キャリア番号#7、#89、#206、#209、#226、#244、#377及び#407の8箇所の204シンボル、1フレームに、同じ情報をコピーしたものを各々格納して伝送する。
実施例5の電文情報フォーマットの場合は、204シンボル、つまり、1フレームで伝送することができるので、8箇所のACキャリアによるダイバシティを維持したまま、2フレームで情報を伝送する実施例1の電文情報フォーマットの場合と比べ、0.2秒程度短縮した時間で、情報の伝達が可能となる。
なお、「位相基準」、「同期信号」、「各種フラグ」、及びデータの状態に対応する「パリティビット」は、これまでの実施例1から3の電文情報フォーマットと同じであるので説明を省略する。また、緊急地震速報や緊急警報放送の有無に関わらず、常に伝送する。
この実施例5により、受信機は、受信機のユーザが必要とする「どれぐらいの最大震度の地震がどの地域で起こるか」という情報の周知を速やかに、且つ、確実に得られる。
尚、受信機で現在時刻を知るあるいは修正する手段を持たない場合には、実施例3の電文情報フォーマットのように、「地震発生時刻」を送る代わりに「現在時刻」と地震発生からの「経過時間」を送るフォーマットとしても同様の効果が得られる。
このように、実施例5によれば、当該受信機のユーザは、緊急警報情報を速やかに、且つ、確実に得られるようになる。
以上の説明において、地震の規模のデータとして「最大予測震度」を用いて、メッセージ例として「緊急地震速報(気象庁):●時▲分×秒、○○県で地震発生。震度△を予測。次の地域で強い揺れに警戒: △△県、□□県、・・・」としたが、「最大予測震度」の代わりに「マグニチュード」を送信して、「緊急地震速報(気象庁):●時▲分×秒、○○県でマグニチュード△の地震発生。次の地域で強い揺れに警戒: △△県、□□県、・・・」とすることもある。ここで、「マグニチュード」は、実施例2及び3で用いた図7及び図9の電文情報フォーマットに記載の「マグニチュード」と同じである。
次に、本発明による実施例6の送信装置及び受信機について説明する。
(実施例6)
本発明による実施例6の送信装置及び受信機のハードウェアの構成要素は、実施例4と同様であり、その詳細な説明は省略する。実施例6では、更に別の電文情報フォーマットを利用する。本実施例の説明においても、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について説明するが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
実施例6の電文情報フォーマット例を、図14に示す。これは、実施例5と同様な考え方により、さらに、現在の緊急地震速報に近い、必要最小限のメッセージを受信機において提示する場合の事例である。つまり、「情報番号」、「震央地名コード」、及び「震度4以上の強震地域(都道府県単位)」に限定して送信側から送信し、受信機ではこれらの情報から受信機のユーザに向けて「緊急地震速報(気象庁):○○県で地震発生。次の地域で強い揺れに警戒: △△県、□□県、・・・」というメッセージを提示する場合の事例である。
「震央地名コード」及び「震度4以上の強震地域(都道府県単位)」は、実施例5と同様であり、その詳細な説明は省略する。
「情報番号」は、緊急地震速報の地震識別番号(ID番号)の代わりに挿入する、異なる地震に関する緊急地震速報が発表される度に1ずつ加算される番号である。気象庁が発表する緊急地震速報には、“ND”で始まり、(西暦)年、月、日、時、分、秒を並べて作成される地震識別番号が付されている。これまでの実施例1から5までに記載の電文情報フォーマットにおいては、ある地域における「地震発生時刻」、又は「到達予測時刻」が表記されており、地震識別番号を推定することができる。従って、続報やキャンセル報が発生しても当該地震とそれ以外の地震を区別することができるようになる。
一方、実施例6では、時間に関する情報を伝送しない。そのため、地震を識別するための別の番号が必要であり、「情報番号」はその目的に資する。ここでは、4ビットを割り振り、「0001」から順に「0010」、「0011」、「0100」、・・・、「1111」、「0000」、「0001」というように、緊急地震速報が発報される度に増え、16番周期で再び同じ番号を繰り返して使用する構成としている。
尚、「情報番号」の4ビットの値は、運用に基づき変更できる。また、「各種フラグ」において「キャンセル」を使用しないなど特定の運用が想定できる場合には、「情報番号」を省略することもある。
「位相基準」、「同期信号」、「各種フラグ」、及びデータの状態に対応する「パリティビット」は、これまでの実施例1から5の電文情報フォーマットと同じであるので説明を省略する。尚、緊急地震速報や緊急警報放送の有無に関わらず、常に伝送する。
実施例6は、「情報番号」を追加するが、「地震発生時刻」及び「最大予測震度」、又は「マグニチュード」の情報を送信しないため、実施例5に比較して、20ビット程度少ないデータ容量で伝送することができる。このため、地域数の将来の拡張性がある。また、「各種フラグ」を拡張して別の制御信号を伝送できる。更に、「パリティビット」の拡張や他の誤り訂正符号など伝送性能の強化も可能である。
図14の電文情報フォーマットを用いた実施例6の電文情報フォーマットも、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)におけるACキャリア、例えば、モード3の同期変調部の場合、キャリア番号#7、#89、#206、#209、#226、#244、#377及び#407の8箇所の204シンボル、1フレームに、同じ情報をコピーしたものを各々格納して伝送する。
実施例6によれば、受信機は、受信機のユーザが必要とする「警戒すべき地震が発生し、強い揺れがどの地域で起こるか」という情報の周知を速やかに、且つ、確実に得られる。
次に、本発明による実施例7の送信装置及び受信機について説明する。
(実施例7)
本発明による実施例7の送信装置及び受信機のハードウェアの構成要素は、実施例4と同様であり、その詳細な説明は省略する。実施例6では、更に別の電文情報フォーマットを利用する。本実施例の説明においても、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について説明するが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
実施例7では、実施例5で示した図11又は図14の電文情報フォーマット、及び実施例2で示した図7の電文情報フォーマットの双方を送信機から伝送する。
ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)におけるACキャリア、例えば、モード3の同期変調の場合、キャリア番号#7、#89、#206、#209、#226、#244、#377及び#407の8箇所の204シンボル、1フレームのいずれかに、この2種類の情報を各々格納して伝送する。
ダイバシティにより受信感度を向上させるため、送信機は、図11(又は図14)の双方の電文情報フォーマットを8箇所のACキャリアの4箇所ずつに割り当てて伝送する。例えば、図7の電文情報フォーマットをキャリア番号#7、#206、#226、及び#377に、且つ、図11(又は図14)の電文情報フォーマットを、キャリア番号#89、#209、#244、及び#407に割り当てて伝送する。
受信機側では、予測情報抽出手段53において、受信機のユーザの設定によってこれらの各電文情報を選択可能に構成することにより、当該受信機のユーザは、実施例5又は実施例2のいずれかの緊急地震速報の受信方法を選択して利用することができるようになる。
尚、受信機が現在時刻を取得できない場合には、図7の電文情報フォーマットの代わりに図9の電文情報フォーマットを用いてもよい。また、図11の電文情報フォーマットを使う場合、図11の電文情報フォーマットの「地震発生時刻」の代わりに「現在時刻」と地震発生からの「経過時間」を送るファーマットとしてもよい。或いは又、「現在時刻」及び「経過時間」の双方を送るフォーマットとしてもよい。
このように、実施例7によれば、当該受信機のユーザは、緊急警報情報を速やかに、且つ、確実に得られるようになる。更に、当該受信機のユーザは、受信機が受信した電文情報フォーマットにより、時刻を修正する機能を有して、受信した緊急地震速報に基づいて的確に緊急警報情報を知ることができる。
上述の実施例については特定の符号化方式を代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変形及び置換することができることは当業者に明らかである。例えば、上述した実施例では、本発明の理解を容易にするために、本発明に係る受信機を、例えば携帯電話に具備させることが可能であるとして説明したが、当該携帯電話が予め有する復調及び復号機能に本発明に係る受信機の機能を統合させることもできる。例えば、当該携帯電話が待機モードである場合には、上述の実施例と同様に動作させることができ、或いは又、当該携帯電話が通常動作モードである場合には、電文情報におけるフラグの値の判定に応じて、電源供給制御を行うことなく、緊急速報を復号し、当該携帯電話の位置する地域の震度及び到達予測時間の予測情報を計算し、警告を発するようにしてもよい。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。