JP4633935B2 - 溶液から金属を取り出すための電気化学セル - Google Patents
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Description
(発明の背景)
本発明は、例えば、廃棄物から有害な金属を除去して廃棄物を廃棄するために環境的に受け入れ可能なものとし且つ溶液から貴重な金属を回収するために、溶液から金属を回収するための電気化学セルの構造に関する。
【0002】
溶液からの金属の着電によって、廃液又はその他の汚水のような希釈溶液からの金属の回収のための多くの電気化学セルが知られている。このようなセルは、例えば、Sunderlandらの米国特許第5,690,806号に開示されている。このセルは、概して開放構造のメッシュの管状支持部材の周囲を包囲した円筒形状の炭素繊維材料の形態のカソードアセンブリを囲繞している外側管状ケーシングを含んでいる。管状支持部材の全長に亘る細長い電流供給装置が、この炭素繊維からなるカソードに電流を付与する。カソードアセンブリは、カソードから隔置された同心状の管状アノードによって包囲されている。金属が取り出される電解溶液は、入口からセル内へと導かれ、同電解溶液を多孔質の炭素繊維の中を通って出口まで運ぶ流路に沿って流れ、一方、重要な金属は、カソードを形成している炭素繊維の表面上に堆積する。
【0003】
一般的に、このようなセルにおいては、最大電流密度は、通常は、金属が堆積される電極の表面のすぐ近くに隣接した電解液のイオンの減少によって制限される。米国特許第5,690,806号のセルにおいては、例えば、多孔質の炭素繊維カソードが、電解溶液から金属イオンを取り出すための効率的な形状のかなり大きな表面積を提供する。このセルの改良された効率及び性能にもかかわらず、効率的な大規模な工業用途のためには、ある種の実用上の改良が依然として必要とされている。本発明は、上記の米国特許第5,690,806号のセルにおけるある種の実用上の改良を提供する。
【0004】
(発明の概要)
本発明の目的は、改良された機能を有する電流供給構造を備えた電気化学セルを提供することである。この点に関して、本発明は、消耗したカソードを取り除くことを容易にする電流供給構造を提供することを目的とする。
【0005】
本発明のもう一つ別の目的は、アノードの後方の円筒形の壁に沿ったガスの捕獲を阻止するアノード構造を有するセルを提供することである。
【0006】
本発明の更に別の目的は、カソードの周囲とアノードの周囲に2つの別個の循環経路を許容し且つ好ましくない環境における劣化に耐えることができる容易に取り外すことができるモジュール型の分割器を備えた改良された分割されたセル構造を提供することである。
【0007】
本発明の更に別の目的は、カソードアセンブリ又はアノードアセンブリを交換する必要なく、異なる流通要件を受け入れるために同じセルを使用することができるように、モジュール型の交換可能な端部キャップアセンブリを備えたセルを提供することである。
【0008】
これらの及びその他の目的は、上記の米国特許第5,690,806号に記載されたタイプを改良し電気化学セルによって達成することができる。このセルは、開放構造の細長い支持部材上に支持された多孔質の炭素繊維からなるカソードを有している。本発明に従って、カソード電流供給装置は、複数の電流供給装置用ストリップを含んでおり、これらのストリップの各々は、ほぼ多孔質のカソードの長さに沿って延びており、細長いカソード支持部材の周囲にほぼ均一に配置されている。供給装置用ストリップは、カソード支持部材の特徴的な外周の寸法の少なくとも約20%の合計の全幅を有している。更に、供給装置ストリップは、電流供給装置用ストリップにおける不所望な着電を避け且つ支持部材から消費したカソードの取り外しを妨げるその他の障害を避けるために、カソード支持部材の曲率に合うように形成することができる。本発明のセルはまた、アノードと外側ケーシングとの間の気体の蓄積を避ける有効な手段を提供する少なくとも約2.5mmの距離だけ外側ケーシングから隔置されているアノードが設けられてもよい。
【0009】
本発明のセルにはまた、別個の陽極液フローチャンバと陰極液フローチャンバとを画成するために、カソードとアノードとの間に配置された改良された微孔質の分離器アセンブリを設けてもよい。この分離器アセンブリは、使用状況下での可撓性の動きを制限し、それによって膜の寿命を延ばすために、膜を包囲し、保護し、固定する2つの多孔質の支持スリーブ間にサンドイッチされた微孔質の膜を含んでいる。
【0010】
本発明によるセルにはまた、以下により詳細に説明するセルを異なる流速に対して容易に適合させる役目を果たすある種のモジュール構造を設けてもよい。
【0011】
本発明のこの他の特徴、利点及び新規な特徴を以下に説明するが、これらは、図示した実施形態の以下の説明及び図面から、当業者に容易に明らかとなるであろう。
【0012】
(実施形態の詳細な説明)
図1及び2は、本発明による改良を組み込んだ電気化学セルの実施形態の外側及び内側を示している。セルは、端部が端部キャップ11及び12によって端部処理されている概して管形状の外側ケーシング10内に収容されている。端部キャップ11の中心には、流入口13(図2において見ることができる)が配置されており、端部キャップ12には流出口14が設けられている。処理される溶液が入口13から連続的な流れとしてセル内に流れ込み、そこで電解作用を受けて重要な金属又は金属イオンが取り出され、次いで、出口14から出る。図1においては、頂部の端部キャップ12をケーシング10に取り外し可能に固定するための複数のトグルボルト16、カソード電流供給装置用ポスト17、アノード電流流体供給装置用ポスト18及び以下により詳細に説明するようにセルの任意的な実施形態内に設けられる陽極液流出口19も見ることができる。これらの機械的な部材16ないし19が端部キャップの外周から横方向に少しも飛び出さないように端部キャップに配置されていること、及びこのような機械的な部材は一つもケーシング10の管状側部から突出していないことは、注目されるべきである。このことは、例えば、輸送、設置又はセル内のカソード部材の交換の際のようなセルの取り扱いの際に破損するのを防止するのに実際的に極めて便利である。
【0013】
この電気化学セルは、カソードアセンブリ21と、アノード22と、別個の流れがカソードアセンブリ21とアノード22とを通過するようにセルの内側を2つの別個のチャンバに分割するためにカソードアセンブリ21とアノード22との間に配置された分離器アセンブリ23と、を含んでいる。分離器アセンブリ23は、陰極液がアノードに晒されるのを防止することが望ましい用途において使用される任意的な構成要素である。例えば、ある種の用途においては、アノードに有害な塩素ガスが生成されるかも知れず、安全のためには、このガスの発生を防止することが望ましい。ここに図示した実施形態においては、分離器アセンブリ23は、使用することが必要な用途においてはセル内に容易に挿入することができ、必要とされないときにセルから取り外すことができるモジュール形式である。分離器アセンブリ23の構造及び動作を以下により詳細に説明する。
【0014】
図3ないし5を参考にしてカソードアセンブリ21を説明する。カソードアセンブリは、多孔質の細長い支持部材27上に支持された多孔質のカソード部材26と、カソード部材26との電気的接触を確立している複数のカソード電流供給装置用ストリップ28と、を含んでいる。カソード部材26自体は、例えば、Sunderlandらに付与された米国特許第5,690,806号において議論されているような公知のタイプのものである。これは、多孔質構造のために体積に対する表面積の割合が大きい多孔質の炭素繊維材料によって作られている。この炭素繊維材料は、ロール状で供給され、適当な大きさに切断されて支持部材27の周囲に巻かれる平らなフェルト又はマットの形態で提供することができる。別の方法として、この炭素繊維材料は、支持部材27上に設置できる大きさ及び形状になされた中空の円筒体として予め成形されてもよい。
【0015】
図示した実施形態においては、支持部材27は概して管形状であり、図2,4並びに5A及び5Bに示されているように、円形断面の筒である。支持部材27は、電解液が支持部材内を流れるのを許容するのに十分なように多孔質である。ここに示されているように、多孔性は、開放メッシュ構造又は格子模様として支持部材27の管状の壁を形成することによって提供される。しかしながら、別の構造を使用してもよい。例えば、この支持部材は、穴のあいた円筒からなっても良く、或いは多孔質のポリエチレンによって形成してもよく、或いはフィルタ布の選択によって所望の流れ形態が制御できるように開放構造の上に支持された適当なフィルタ布から形成されても良い。支持部材27は、他の実施形態においては、支持部材が電流供給装置機能の助けともなる場合には導電性とすることができるけれども、本実施形態においては、支持部材27は非導電性であるように意図されている。
【0016】
ここで使用されているように、“多孔質”は、“貫通可能”という最も一般的な意味を意図されている。従って、多孔質の支持部材は、所望の流れ形態で必要とされるように電解液が貫通する適当な大きさの孔を有する支持部材を示している。この支持部材の“孔”は、図面に示されたようなメッシュ構造の大きなセル、又は、支持部材の壁に設けられた大きな若しくは小さな孔、又はフィルタ布の小さい孔によって提供され得る。炭素からなるカソード部材は、電解液が炭素材料内へ浸透するということと同じ意味において多孔質である。この多孔質の炭素カソード部材の“孔”は、カソード部材用として選ばれた特定の材料に依存してより小さいか又はより大きい範囲としてもよく、カソード支持部材の孔と同じ大きさ又は形状ではないであろう。カソード部材の孔は、支持部材の孔よりも小さく且つカソード部材を形成している炭素繊維材料のボイド及び隙間によって形成されるであろう。
【0017】
電流供給装置は、カソード部材への電気的接続を提供する。効率の良い電気分解のため、特に、カソード部材上への金属のより均一な堆積のためには、カソード部材への電流のほぼ均一な供給を提供することが望ましいことが、当技術(例えば、Sunderlandらの米国特許第5,690,806号を参照)において認識されている。カソード電流供給装置は、カソード支持部材27の外周にほぼ均一に分配され且つカソード部材26のほぼ全長に沿って延びており且つ外周寸法、いわゆる支持部材27の外周の距離と同等の合計幅を有している複数の細長い導電性ストリップ28によって提供されるときに改良された性能が確立されることが、本発明において判明した。更に特定すると、ストリップの合計幅は、支持部材27の特有の外周の少なくとも20パーセントでなければならないことが判明した。実際には、外周寸法の約25パーセントの合計幅が特に効率が良いことが判明した。この構造は、より均一な電流の分配、従って、より高い金属の堆積を提供し且つ電流ストリップ内の抵抗による損失が低いことにより低い発熱を提供する。
【0018】
図示した実施形態は、図5A及び5Bに示されているように、支持部材27の円周の近くの正反対の位置に配置されたこのようなストリップ28を2つ採用している。2つよりも多くのストリップを使用してもよい。図5Aの実施形態においては、ストリップ28Aは平らで、各々が特有の幅wを有している。幅の合計は2wであり、これは、支持部材27の外周の約20パーセントよりも広い。図5Bの実施形態においては、ストリップ28Bは、支持部材27の外周と合致するように湾曲せしめられている。このことの目的は以下のように理解しても良い。作動中には、貴重な金属は、多孔質の炭素カソード部材の隙間の表面上に堆積せしめられる。ある作動時間の後に、カソード部材は、堆積した金属を担うようになり、交換しなければならないであろう。この交換は、端部キャップ12においてセルを開け且つカソードアセンブリ全体を取り出すことによってなされる。堆積金属を担ったカソード部材26は、次いで、支持部材27の上を滑らせて取り外され、清浄なカソード部材と交換される。しかしながら、いくつかの用途においては、堆積金属を担ったカソード部材は、図5Aにおける支持ストリップ28Aの端縁に捕捉される傾向があるかもしれない。これは、部分的には、少量の金属がストリップ28Aの露出された下側に堆積する傾向による。このような場合には、堆積金属を担ったカソード部材は、図5Bにおけるように、ストリップ28Bの形状を支持部材27と合致させることによってより容易に取り外すことができる。
【0019】
ここでは、金属が堆積したカソード部材の取り外しを容易にするために、支持部材27は円筒として示されているけれども、同支持部材は、若干テーパーを付与されても良い。この場合には、カソード部材が中空のほぼ円筒形状に予め形成されている場合には、同円筒形の少なくとも内壁もまた、支持部材のテーパーと合致させるために、若干テーパーが付与されるべきである。この場合には、支持部材の外周寸法は、支持部材の長さに沿った測定位置に依存して変わるであろう。しかしながら、ほんの若干のテーパーが必要とされるだけであり、外周寸法の変化は少ない。この場合には、支持部材に沿った外周寸法のあらゆる値、例えば、長さ方向の中央での値が、電流供給装置用ストリップ28の許容可能な合計幅を決定するための特有の外周寸法として採用されても良い。
【0020】
カソード部材26は、図3における断片部分に示されているほぼ管状の包囲シース29によって支持部材27に固定されている。このようなシースの使用は、公知であり且つ例えば米国特許第5,690,806号に開示されており、この米国特許は、カソード部材を支持部材に固定するためにプラスチックの包囲メッシュ又はプラスチックの紐を使用することを教示している。しかしながら、包囲シースがエラストマ材料によって形成され且つシースがカソード部材26を電流供給装置用ストリップ28に対して均一に締め付けるような大きさになされている場合には、より良い電気接触及び電流の分布が達成されることが判明した。エラストマ材料からなる包囲シース29を使用することによって、作動中にカソード部材26が受ける歪みにより良く耐え且つ対抗する。
【0021】
カソードアセンブリ21は、カソード部材26を保持するために、横方向に突出している表面を有するカソードアセンブリの入口側に設けられた環状の端部部材31によって終端処理されている。入口13は、環状の端部片31の中心を通って支持部材27の中心内へと延びている。電流供給装置用ストリップ28の一端は、小さいネジによって端部片31に固定されている。単にこれらのネジを取り外し且つ端部片31を支持部材27の端部から取り除くことによって端部片31が容易に取り外すことができることは本発明の構造の利点である。このことによって、消耗したカソード部材26の簡単な取り外しがなされ、同カソード部材26は次いで滑らせて支持部材から取り外すことができる。
【0022】
カソードアセンブリ21の他端には、第1の環状のバッフルプレート32と同バッフルプレート32から隔置された第2の環状の端部片33とが設けられている。多孔質の支持部材27がバッフルプレート32を越えて端部片33まで延びている。出口14が環状の端部片33内の孔の中へと延びている。このようにして、電解液は、入口13を通って支持部材27の中心内へと導入され且つバッフルプレート32によって出口14から直接流れ出すのが防止される。従って、電解液は、多孔質の支持部材27の孔及び金属が堆積されるカソード部材26を通ってカソード部材26の外側の空間へと流れるように強いられる。従って、金属成分が実質的に激減した溶液が、図2及び3において矢印によって示されているように、バッフルプレート32と端部片33との間の領域内で多孔質の支持部材を通って逆流し、出口14を通って出ていく。
【0023】
カソードアセンブリ21内には、電流供給装置用ストリップ28への電気的接続を行うための2つのカソード電流供給装置用ポスト17も含まれている。ポスト17は、端部プレート33においてストリップ28にボルト止めされ且つ組み立てられたセル内において電源へと接続するために端部キャップ12を貫通して延びている。
【0024】
アノード22が、カソードアセンブリ21を包囲した概して同心状の導電性円筒によって設けられている。このようなアノードの構造と適当な材料の選択とは当技術においてよく知られており、ここでは詳細に説明する必要はない。Sunderlandらの米国特許第5,690,806号におけるようなアノード構造は、ここでは概して以下のような変形で十分であろう。米国特許第5,690,806号に開示されたアノードは、管状の外側ケーシングの内壁と同心状であり且つ同内壁に当接している。アノード22が特定のオフセット距離だけ外側ケーシング10の内壁から隔置されている場合に、改良された性能が達成されることが判明した。これは、明らかに、抵抗損失によって発生される熱を除去するのに十分であり且つアノード22とケーシング10の内壁との間のガスポケットの発生を防止するアノード22の後ろで起こり得る少量の流れによるものである。少なくとも約2.5mmのオフセット距離で十分であり、約5mmの空間が好ましいことが判明した。図示の実施形態においては、オフセットは、スペーサー36によって達成されている。図2においては、スペーサー36は、アノード22を導電ブラケット37に固定する役目をも果たすボルトの頭部によって提供されている。導電ブラケットは、次いで、アノード電流供給装置ポスト18に接続されている。ポスト18は、この目的のためにそれらのアノード端部にネジ止めされている。ポスト18は、電源への接続のためにプラグ38を通って端部キャップ12の中へと延びている。
【0025】
いくつかの装置においては、セルの対向端部におけるアノードとカソードとの接続によって電気化学セルを形成することが望ましいかもしれない。このような装置に同じセルを供給するために、端部プレート11には端部プレート12内の孔に関して対称的に配置された別の対のアノード電流供給装置用の孔39が設けられている。アノード電流供給装置ポスト18を備えたアノード22と、取り付け導電ブラケット37とは、単に逆にされ、使用されていない対の電流供給装置の孔が閉塞されてもよい。
【0026】
上記したように、カソードの周りの陰極液及びアノードの周りの陽極液のための別個の混合されない流れを提供することが望ましい場合には、アノードアセンブリとカソードアセンブリとの間に任意的な分離器アセンブリ23を挿入してもよい。本分離器アセンブリは、従来技術による他の公知の分離器アセンブリのように、水は通さないが適当なイオンが膜を横切って移動するのを許容する微孔質の膜41を含んでいる。過去においては、微孔質の膜が、使用中に所望されるよりもより頻繁に弱くなり且つ壊れる傾向があることが判明した。本発明は、一対の内側及び外側の多孔質の支持スリーブ42及び43によって両側部に支持膜41を支持することによって、使用条件下で膜を強化し且つその有効寿命を延ばす。支持スリーブは、内側及び外側スリーブが両側から膜41を押圧し且つ圧迫するように支持スリーブ間にサンドイッチされた膜41と同軸状に配置された開放メッシュ構造又は孔の開いたプラスチック管部材としてもよい。このようにして、スリーブは、使用中の膜の自由な動きを最少化する。
【0027】
図2の実施形態においては、分離器アセンブリ23は、各端部に環状の端部片44及び45を含んでいる。端部片44及び45は、段付き形状になされており、内側スリーブ42及び膜41が第1の段部に当接し、外側スリーブ43がその次の段部に当接するように内側スリーブ42及び膜41を越えて延びている。この膜及びスリーブは、適当な防水接着剤によって定位置に固定されている。各端部片44及び45は、環状端部片内の中心孔を貫通して延びている入口及び出口に対する防水シールを形成している。適切なシールは、例えば、O−リングによって形成することができる。例えば、図2における端部片44に設けられたO−リング46を参照のこと。
【0028】
しかしながら、いくつかの腐食性の環境においては、膜41及びスリーブ42,43を定位置に固定している接着剤は劣化する傾向があり、分離器アセンブリはそのうち漏れ始める。図6A及び6Bは、参照番号44’及び45’によって示されている端部片のためのもう一つ別の実施形態を示している。端部片45’は、傾斜が付けられたかみ合い壁51及び52を有している一対の入れ子式の環状膜48及び49を含んでいる。内側環状膜48の傾斜が付けられた壁51は、一つ以上のO−リング53を担持している。膜41(図示のために図6Aにおいては断片部分で示されている)は、O−リング53の上に広げられており且つ外側環状膜49によって定位置に押圧されている。環状膜48及び49は、相互に圧縮されて第3の膜によって蓋をされ、この組立体は、ボルトによって定位置に固定されている。キャップ56には、アノード電流供給装置ポスト18のための孔58が設けられている。
【0029】
底部の端部片44’は、キャップの環状膜56’が端部片45’内のキャップ部材56と同じ幅である必要がないこと以外、頂部の端部片45’と同じ構造であり、従って、アノード電流供給装置ポストのもう一つ別の配置のための準備をする必要がない。図6Bにおいては、類似の部材が、プライム符号が付加された同様の参照番号によって示されている。
【0030】
異なる用途において使用するためにより大きな自由度を備えた本発明のセルを提供するためには、端部キャップ11及び12は、異なる流速に対して容易に適用できるようにするモジュール構造によって形成される。端部キャップ11には、入口13を画成している取り外し可能なモジュール型の挿入部材61が設けられている。異なる入口チャネルのためには、挿入部材61を異なる入口孔を有する類似の部片と置き換えることのみが必要とされる。同様に、端部キャップ12には、出口14の孔を画成している取り外し可能なモジュール型の挿入部材62が設けられてもよい。この構造は、より速い流速での整備のために、末端ユーザーが、装置を迅速に且つ容易に洗い流すこと、従って、より迅速且つ簡単には挿入部材を変えることを可能にする点で有利である。モジュール構造は、更に、同じ基本的なセルを異なる用途に対して準備し且つ挿入部材のみを変える必要があるだけであるので、製造、輸送及び在庫コストが節約される。
【0031】
上記の説明及び図面は、本発明の例示的な実施形態を開示している。本開示の利点を与えられたならば、当業者は、本発明の利点を達成するために、種々の変形、別の構造及び等価物を採用することができることを理解するであろう。例えば、支持部材27はここでは円形断面によって図示されているけれども、この形状は、カソード部材の対称的な配置従って電場が得られるので好ましいけれども、これとは異なるセル構造を達成するため、例えば、用途の特定の要件に合致させるために、他の断面形状をも使用することができる。このような場合には、カソード部材に対するほぼ均一な電流の分配を達成するために、電流供給装置用ストリップが新しい支持部材構造の周囲に適当に配置されるであろう。例えば、図面に示し且つ上記した実施形態とは細部において異なるが依然として本発明の利点を備える電気化学セルの実施形態に結び付く本開示の利点を与えられたならば、当業者は、形状及び材料の他の適用を思い付くであろう。従って、本発明は、上記の説明及び図面に限定されるべきではなく、特許請求の範囲によって規定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 本発明の電気化学セルの実施形態の全体的な等角図である。
【図2】 図1における線2−2に沿った断面図である。
【図3】 本発明によるカソードアセンブリの実施形態の部分破断等角図である。
【図4】 図3の実施形態の断面図である。
【図5】 5Aは、図3における線5A−5Aに沿ったカソードアセンブリの断面図である。
5Bは、カソード電流供給装置用ストリップのもう一つ別の実施形態を示している、カソードアセンブリの断面図である。
【図6】 6A及び6Bは、分離器アセンブリを固定するための端部キャップの別の実施形態を示す分解正面図である。
Claims (12)
- 溶液から少なくとも一つの金属を電気分解によって取り出すための電気化学セルであって、
外側ケーシング(10)と、同外側ケーシング内の中心に配置されたカソードアセンブリ(21)と、前記外側ケーシング内でカソードと外側ケーシングとの間に該カソードから隔置された状態で該カソードを包囲しているアノード(22)と、溶液のための入口(13)及び出口(14)と、を含み、
前記カソードアセンブリは、特有の外周寸法の外周を有する多孔質の細長い支持部材(27)と、同細長い支持部材の周囲に配置された多孔質の炭素繊維材料によって作られた多孔質カソード部材(26)と、同細長い支持部材上に支持され且つ多孔質のカソード部材のほぼ全長に沿って延びているカソード電流供給装置と、を含み、前記カソードアセンブリ、入口及び出口は、使用中に前記溶液が前記入口からセル内へ入り、前記多孔質のカソード部材の中を流れ、前記出口を通って当該セルから出て行くように配置されており、
前記カソード電流供給装置が、複数の電流供給装置用ストリップ(28)を含み、同ストリップの各々は、前記多孔質のカソード部材のほぼ全長に沿って延びており、前記複数の電流供給装置用ストリップは、前記細長い支持部材の外周の周囲にほぼ均一に配置されており、前記電流供給装置用ストリップの各々は特有の幅を有し、同特有の幅の合計の幅が前記特有の外周寸法の少なくとも20パーセントである、ことを特徴とする電気化学セル。 - 請求項1に記載の電気化学セルであって、
前記細長い支持部材(27)がほぼ管形状を有し、前記電流供給装置用ストリップ(28A)がほぼ平らであり且つ前記管形状の外周に対して接線方向に前記特有の幅に亘って配置されている、電気化学セル。 - 請求項1に記載の電気化学セルであって、
前記細長い支持部材(27)がほぼ管形状を有し、前記電流供給装置用ストリップ(28B)が、同管形状の外周の曲率にほぼ合致する形状で前記特有の幅に亘って配置されている、電気化学セル。 - 請求項2に記載の電気化学セルであって、
前記多孔質のカソード部材(26)の周囲にほぼ管状の多孔質なシース(29)を更に含み、同シースはエラストマ材料によって作られ、同シースは、前記多孔質のカソード部材を圧縮して当該カソード部材が前記電流供給装置用ストリップ(28)と電気的に接触するようになされている、電気化学セル。 - 請求項3に記載の電気化学セルであって、
前記多孔質のカソード部材(26)の周囲にほぼ管状の多孔質なシース(29)を更に含み、同シースは、エラストマ材料によって作られ、同シースは、前記多孔質のカソード部材を圧縮して当該カソード部材が前記電流供給装置用ストリップ(28)と電気的に接触するような大きさとされている、電気化学セル。 - 請求項1に記載の電気化学セルであって、
前記カソードアセンブリ(21)が、前記支持部材(27)の端部に配置され且つ前記カソード部材を同支持部材上に保持するように形成された一つの端部片(31)を更に含み、
前記複数の電流供給装置用ストリップ(28)が、同電流供給装置用ストリップの第1の端部おいて前記端部片に取り外し可能に固定されており、
前記端部片が、前記取り外し可能に固定された電流供給装置用ストリップによって前記支持部材上の定位置に保持されるような構造とされ、
前記端部片が、前記支持部材に対して保持されている状態から容易に取り外すことができて、消耗した前記カソード部材の容易な取り外しを可能にしている、電気化学セル。 - 請求項1に記載の電気化学セルであって、
前記外側ケーシングが、ほぼ管形状であり且つその端部に第1及び第2の端部キャップ(11,12)を備えており、前記入口(13)が前記第1の端部キャップ(11)内に設けられており、
前記第1の端部キャップが、前記入口を画成し且つ前記カソードアセンブリとの流れの接続を達成するように形成された第1の取り外し可能なモジュール型の挿入部材(61)を備えていて、ユーザーが、前記カソードアセンブリを取り外すか又は交換する必要なく、前記第1の取り外し可能なモジュール型の挿入部材を、異なる大きさの入口を画成している同様の取り外し可能なモジュール型の挿入部材と置き換えることによって、異なる流れ要件の装置に適合させることができるようになされた、電気化学セル。 - 請求項7に記載の電気化学セルであって、
前記出口が前記第2の端部キャップ内に配置され、同第2の端部キャップが、前記出口を画成している第2の取り外し可能なモジュール型の挿入部材を含み、それによって、ユーザーが、前記第2の取り外し可能なモジュール型の挿入部材を、異なる大きさの出口を画成している同様の取り外し可能なモジュール型の挿入部材と置き換えることによって、異なる流れ要件の装置に適合させることができるようになされた、電気化学セル。 - 請求項7に記載の電気化学セルであって、
前記第2の端部キャップ内を貫通して延びている少なくとも一つのアノード電流供給装置を更に含み、前記アノードは、前記少なくとも一つのアノード電流供給装置に接続されるようになされており、前記第1の端部キャップには、前記少なくとも一つのアノード電流供給装置を受け入れるための交替用の孔(39)が形成されており、前記少なくとも一つのアノード電流供給装置は、選択的に、前記アノードに取り付け或いは同アノードから取り外し可能であり且つ前記第1及び第2の端部キャップのどちらかにおいて前記アノードへの電気的接続ができるようになされている、電気化学セル。 - 請求項1に記載の電気化学セルであって、
前記外側ケーシングと前記アノードとが、概して管形状であり且つ互いに同心状であり、前記アノードが、少なくとも2.5mmの距離だけ前記外側ケーシングの内壁から隔置されている、電気化学セル。 - 請求項7に記載の電気化学セルであって、
別個の陽極液チャンバと陰極液チャンバとを形成するために、前記カソードアセンブリと前記アノードとの間に配置された微孔質の分離器アセンブリを更に含み、同分離器アセンブリは、微孔質の膜と、内側及び外側多孔質支持スリーブと、を含み、同微孔質の膜は、前記支持スリーブ同士の間にサンドイッチされている、電気化学セル。 - 請求項11に記載の電気化学セルであって、
前記内側及び外側の多孔質の支持スリーブが、それらの間に前記微孔質の膜を圧縮しているほぼ同心状の管状のメッシュ形状である、電気化学セル。
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