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JP4634066B2 - 半導体層を形成する方法 - Google Patents
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JP4634066B2 - 半導体層を形成する方法 - Google Patents

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本発明は、半導体層を形成する方法に関する。
文献1(T. Hakkarainen et al., J. Cryst. Growth 234 (2002) pp631.)には、TBAsからMOVPE炉内に形成されたヒ素雰囲気中でGaInNAs半導体膜の熱アニールを行うことが記載されている。熱アニールのための雰囲気は、TBAsから形成されているので、ヒ素および水素を含む。
文献2(H. Saito et al., J. Cryst. Growth 195 (1998) pp 416.)には、熱アニール専用の装置を用いてGaInNAs/GaAs量子井戸に熱アニールを窒素雰囲気中で施すことが記載されている。降温過程も窒素雰囲気中で行われている。
文献3(H. Saito et al., J. Cryst. Growth 195 (1998) pp 416.)には、GaInNAs半導体の構造変化が熱アニールにより生じることが記載されている。
T. Hakkarainen et al., J. Cryst. Growth 234 (2002) pp631. H. Saito et al., J. Cryst. Growth 195 (1998) pp416. S. Kurtz et al., Appl. Phys. Lett. 78 (2001) pp748.
発明者らの実験によれば、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体、例えばGaInNAs半導体が、活性水素雰囲気でアニールされる場合、半導体中にN―H結合が生成され、この半導体の光学特性が向上する。しかしながら、この半導体のアニールにおいて、降温過程の処理に依っては、該光学特性が劣化することが明らかになっている。
文献3によれば、熱アニールによって、GaInNAs半導体のN−H結合(3101cm−1)がN−H結合(3124cm−1)に変化する。一方、文献2によれば、窒素といった不活性なガス雰囲気中でGaInNAs半導体膜がアニールされているので、活性水素中における熱アニールが行われていない。不活性なガス雰囲気中でGaInNAs半導体膜をアニールすると、水素が脱離しやすくなるため、文献3に記載された化学結合の変化が生じにくくなる。
文献1によれば、TBAs雰囲気の熱アニールのため活性水素は供給されているが、降温過程に何らの工夫が行われていない。これでは、降温過程において、GaInNAs半導体膜の光学特性が劣化する。この文献では、熱アニールのため活性水素がどのように働いているかについて考慮されていない。
そこで、本発明は、上記の事項を鑑みて為されたものであり、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含んでおり良好な光学特性を示すIII−V化合物半導体から形成される半導体層を形成する方法を提供することを目的としている。
本発明の一側面によれば、半導体層を形成する方法に係る。この方法は、(a)ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体から成る半導体層をガリウムヒ素基板上に有機金属気相成長法で形成する工程と、(b)活性水素を含む雰囲気中で前記半導体層に熱処理を施す工程と、(c)前記半導体層の熱処理が完了した後に、活性水素を含まない雰囲気中で前記熱処理の温度から降温する工程とを含み、前記熱処理の温度は摂氏510度以上であり、前記熱処理の温度は摂氏720度未満であることを特徴とする。

この発明によれば、活性水素を含む雰囲気中で半導体層に熱処理をした後に、活性水素を含まない雰囲気中で半導体層の温度を熱処理の温度から下げるので、半導体層の光学特性を向上させることができる。
本発明は、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体から成る半導体層を形成した後に、III−V化合物半導体から成る一又は複数の別の半導体層を形成する工程を更に備え、前記熱処理は、別の半導体層を形成した後に行われるようにしてもよい。
この方法によれば、活性水素を含む雰囲気中で半導体層に熱処理をした後に、活性水素を含まない雰囲気中で半導体層の温度を熱処理の温度から下げるので、半導体層の光学特性を向上させることができることに加えて、急峻なヘテロ界面を形成できる。
本発明では、前記熱処理の温度は摂氏510度以上であり、前記熱処理の温度は摂氏720度未満であることが好ましい。
この発明によれば、熱処理の温度が摂氏510度以上であれば、半導体層の光学特性が向上される。熱処理の温度が摂氏720度以上であると、半導体層の光学特性を向上させることができない。
本発明では、前記半導体層に熱処理を施す前記工程では、活性水素を形成するための水素化物原料を供給して、前記活性水素を含む雰囲気を形成していることが好ましい。
この発明によれば、水素化物原料を用いることは、活性水素を含む雰囲気を形成するために好適である。
本発明では、前記水素化物原料は、AsH3、PH3、SiH4、Si2H6、HF、HCl、HBr、HAt、H2O、H2S、H2Se、H2Te、H2Po、NH3、SbH3、BiH3、CH4、GeH4、SnH3、PbH3、BH3、PH5、AsH5、SbH5、SH4、SH6、SeH4、SeH6、TeH4、TeH6、IH3、IH5、AlH3、GaH3、(CH3)3Al、(C6H15)AlO、(CH3)2AlH、(C2H5)3Al、(CH3)3Sb、(C2H5)3Sb、C6H18N3Sb、(CH3)3As、C6H18N3As、(CH3)3Bi、(CH3)2Cd、CHCl3、(CH3)3Ga、(C2H5)3Ga、(CH3)3In、(C2H5)3In、(C5H5)2Mg、(C6H7)2Mg、(CH3)2NNH2、(CH3)3CNH2、(CH3)2Se、(CH3)2Te、(C2H5)2Te、(C3H7)2Te、(C2H5)2Zn、(CH3)2Zn、C4H11P、C4H11As、(C2H5)4Si、(C5H5)2Fe 、HI、BiH3、C2H3CN、CH3Cl、HCN、CH3Br、C2H2、C2H4、C2H6、C3H6、C3H8、C4H6、C4H10、C6H6、(CH3)2O、B2H6、GeH4、SiH2Cl2、SiHCl3、SnH4、N2H4、CH3NHNH2のうちの少なくとも一の水素化物を含むことができる。
この発明によれば、上記の水素化物原料を用いて、活性水素を含む雰囲気を形成できる。
本発明では、前記半導体層に熱処理を施す前記工程では、水素および前記水素化物の少なくともいずれか一の物質のプラズマをRFプラズマ法またはECRプラズマ法により形成して前記活性水素を生成することができる。
この発明によれば、RFプラズマ法またはECRプラズマ法により効率よく活性水素を生成することはできる。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含んでおり良好な光学特性を示すIII−V化合物半導体の半導体層を形成する方法が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体層を形成する方法に係わる実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1(A)、図1(B)および図1(C)は、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体の半導体層を形成する方法に係る実施の形態を示す図面である。
図1(A)に示されるように、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体から成る半導体層を形成する。半導体基板11を準備する。半導体基板11は、減圧有機金属気相成長(MOVPE)装置といった成膜装置17内に配置される。本実施例では、半導体基板11は、例えば(100)面を有するガリウムヒ素基板であることができる。このガリウムヒ素基板上にガリウムヒ素半導体膜13をエピタキシャル成長する。ガリウムヒ素半導体膜13は、例えば、トリエチルガリウム(TEGa)およびターシャリブチルアルシン(TBAs)を含む原料ガス並びに水素を含むキャリアガスを用いて堆積される。ガリウムヒ素半導体膜13上には、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体、例えばGaInNAs半導体膜15をエピタキシャル成長する。GaInNAs半導体膜15は、例えば、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルインジウム(TMIn)、ターシャリブチルアルシン(TBAs)およびジメチルヒドラジン(DMHy)を含む原料ガス並びに水素を含むキャリアガスを用いて堆積される。半導体膜13および15の堆積が完了した後に、成膜のための温度TDepから熱アニールのための温度TAnnへ基板の温度を変更する。
図1(B)に示されるように、熱アニール温度TAnnにおいて半導体層を熱処理する。この熱処理19は、例えば成膜装置を用いて行うことができる。また、熱処理19は、活性水素23を含む雰囲気21中で行われる。半導体層13および/または15からのヒ素抜けを防止するために、上記雰囲気21は、ヒ素蒸気25を含むことが好ましい。熱処理19の温度TAnnは摂氏510度以上であることが好ましい。熱処理19の温度TAnnが摂氏510度以上であれば、半導体デバイスの光学特性が向上される。また、熱処理19の温度TAnnは摂氏720度未満であることが好ましい。熱処理の温度TAnnが摂氏720度以上であると、半導体デバイスの光学特性が向上しない。この方法によれば、比較的低温で光学特性の良好な窒化物半導体膜を得ることができる。また、製造設備への負担も少なく、相互拡散の少ない良質なヘテロ界面を有するエピタキシャル成長膜の形成に有利である。
半導体層13、15に熱処理19を施す工程では、ターシャリブチルアルシンといった水素化物原料を供給して活性水素23を含む雰囲気21を形成することができる。水素化物原料を用いることによって、活性水素を含む雰囲気を成膜の環境に応じて形成することができる。水素化物原料は、これらに限定されることはなく、例示的に列記すれば、水素化物原料は、AsH3、PH3、SiH4、Si2H6、HF、HCl、HBr、HAt、H2O、H2S、H2Se、H2Te、H2Po、NH3、SbH3、BiH3、CH4、GeH4、SnH3、PbH3、BH3、PH5、AsH5、SbH5、SH4、SH6、SeH4、SeH6、TeH4、TeH6、IH3、IH5、AlH3、GaH3、(CH3)3Al、(C6H15)AlO、(CH3)2AlH、(C2H5)3Al、(CH3)3Sb、(C2H5)3Sb、C6H18N3Sb、(CH3)3As、C6H18N3As、(CH3)3Bi、(CH3)2Cd、CHCl3、(CH3)3Ga、(C2H5)3Ga、(CH3)3In、(C2H5)3In、(C5H5)2Mg、(C6H7)2Mg、(CH3)2NNH2、(CH3)3CNH2、(CH3)2Se、(CH3)2Te、(C2H5)2Te、(C3H7)2Te、(C2H5)2Zn、(CH3)2Zn、C4H11P、C4H11As、(C2H5)4Si、(C5H5)2Fe 、HI、BiH3、C2H3CN、CH3Cl、HCN、CH3Br、C2H2、C2H4、C2H6、C3H6、C3H8、C4H6、C4H10、C6H6、(CH3)2O、B2H6、GeH4、SiH2Cl2、SiHCl3、SnH4、N2H4、CH3NHNH2のうちの少なくとも一の水素化物を含むことができる。一実施例では、水素化物の圧力は、10パスカル以上101300パスカル以下であることが好ましい。上記の水素化物原料を用いて、活性水素を含む雰囲気を形成できる。熱アニールが完了した後に、熱アニールのために用いた装置のチャンバから活性水素を除いて、活性水素を含まない雰囲気を形成する。
図1(C)に示されるように、熱アニール19により、熱処理された半導体膜13aおよび15aが提供される。半導体層を熱処理した後に、活性水素を含まない雰囲気中で熱処理の温度TAnnから変更する。この温度変更は、活性水素を含まない雰囲気27中で半導体層の温度を熱処理の温度から下げることが含まれる。このような降温により、半導体層の光学特性を向上させることができる。
本実施の形態では、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体から成る半導体層15を形成した後に、III−V化合物半導体から成る一又は複数の別の半導体層を形成することができる。熱処理は、別の半導体層を形成した後に行われる。この方法によれば、活性水素を含む雰囲気中で半導体層に熱処理をした後に、これらの半導体層の温度を活性水素を含まない雰囲気中で熱処理の温度から下げる。これ故に、半導体層の光学特性を向上させることができることに加えて、急峻なヘテロ界面を形成できる。
上記の実施の形態では、活性水素およびヒ素を含む熱処理雰囲気はターシャリブチルアルシンを用いて生成されている。活性水素の生成は、この手法に限定されることは無い。図2(A)および図2(B)は、本実施の形態の変形例のIII−V化合物半導体の半導体層を形成する方法に係る実施の形態を示す図面である。これらの変形例では、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体膜を形成した後に、水素プラズマ中において熱アニール19を行っている。本実施の形態の変形例では、図2(A)に示されるように、水素および水素化物の少なくともいずれか一の物質のプラズマ33をRFプラズマ装置31により形成することができる。RFプラズマ法により、効率よく活性水素を生成することはできる。また、図2(B)に示されるように、水素および水素化物の少なくともいずれか一の物質のプラズマ37をECRプラズマ装置35により形成することができる。ECRプラズマ法により、効率よく活性水素を生成することはできる。ECRプラズマとしての利点は、RFプラズマ法に比べてエピタキシャル結晶へのダメージを少なくできる点にある。
また、RFとECRプラズマの共通の利点は、以下に示す。利点:(1)熱分解しにくい水素や水素化物原料を用いる場合、プラズマ方式は活性水素を効率良く生成することができる。(2)水素等の毒性のないガスを用いてプラズマ方式により活性水素を生成することにより、除害装置を有するMOVPE装置のような高価な装置ではなく、安価な熱処理炉で簡単にアニールすることができるというメリットがある。
図3(A)、図3(B)および図3(C)は、上記の実施例に係るGaInNAs半導体層を形成する方法を示す図面である。また、図3(D)、図3(E)および図3(F)は、文献1および文献3に記載されたGaInNAs半導体層を形成する方法を示す図面である。
図3(A)に示されるように、基板41(GaAsウエハ43およびGaAsバッファ層45を含む)上に設けられたGaInNAs半導体層47には、N−H結合49が含まれる。図3(B)に示されるように、活性水素51の雰囲気中で熱アニールを行うことにより、活性水素51の作用によりN−H結合がN−H結合53に変わる。発明者らの実験によれば、多数のN−H結合53を含むGaInNAs半導体層47は、良好な光学特性を示す。活性水素の雰囲気でのアニールではN−H結合が生成され光学特性は向上するが、降温時に活性水素51が供給されていると半導体膜の光学特性が低下する。降温時に混入する活性水素51がN−H結合を形成するか、或いはN−H結合を壊してN−H結合に戻す可能性がある。図3(C)に示されるように、活性水素51を含まない雰囲気中で温度の変更を行うことにより、GaAsバッファ層45aおよびGaInNAs半導体層47aが得られる。GaInNAs半導体層47aに形成されたN−H結合の数が減少することは少ない。
一方、文献1および文献3に記載されたGaInNAs半導体層を形成する方法では、図3(D)に示されるように、基板41上に設けられたGaInNAs半導体層47には、N−H結合が含まれる。活性水素の雰囲気中で熱アニールを行うことにより、GaAsバッファ層45aおよびGaInNAs半導体層47aが形成される。活性水素の作用によりN−H結合49がN−H結合51に変わる。しかしながら、降温時には活性水素は逆の作用を奏するので、活性水素を含む雰囲気中で降温すると、GaAsバッファ層45bおよびGaInNAs半導体層47bが形成される。これらの半導体膜45bおよび47bでは、形成されたN−H結合の一部が、活性水素51の作用によりN−H結合55に変わっている。文献2の方法では、熱アニール中に活性水素が供給されない。N−H結合は摂氏500度前後(この温度以上)から結合が切れるので、摂氏500度以上の熱アニール中に活性水素が供給されない場合は、結晶中から水素が脱離する。水素が脱離するとN−H結合が生成できず、その効果は得られない。
図4(A)および図4(B)は、実験例の半導体デバイスの構造を示す図面である。
(実験例1)
減圧MOVPE法によりGaAsに格子整合するGaInNAsエピタキシャル膜を成長する。ガリウム(Ga)、インジウム(In)、窒素(N)およびヒ素(As)の原料としてそれぞれTEGa、TMIn、DMHyおよびTBAsを用いる。基板として(100)面を有するSiドープGaAs基板(2度オフ)を用いる。成長温度は摂氏510度である。成長速度は時間当たり1.0マイクロメートル、DMHy/V族モル比は0.97であり、成長圧力は10130パスカル(76Torr)である。図4(A)に示されるように、GaAs基板上にGaInNAs/GaAs構造のエピタキシャル膜が形成され、例えば、GaInNAs膜の厚さは0.3マイクロメートルであり、GaInNAs膜はインジウム14パーセント、窒素5パーセントの組成を有する。
GaInNAsエピタキシャル膜を成長した後に、MOVPE炉を用いてこの膜のin-situ熱アニールを行っている。熱処理はTBAs雰囲気(TBAs流量は、毎分1.6×10−4モル(mole/min))中においてMOVPE炉を用いて行われ、熱アニール温度は摂氏595度、摂氏670度の温度でそれぞれ行われ、熱アニール時間は、10分である。熱アニール後、TBAsの供給を停止し、水素を含まない雰囲気で降温している。また、GaInNAsエピタキシャル膜の熱アニールを専用熱処理炉を用いて行っている。専用熱処理炉での熱アニールでは、固体As原料を昇華させたAs雰囲気中で、摂氏600度の温度で行われ、熱アニール時間は30分である。
図5は、これらのGaInNAs半導体膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトル(FTIR)の測定結果を示すグラフである。横軸は波数(cm−1)を示し、縦軸は赤外吸収強度(任意単位)を示す。グラフには、特性曲線C1、C2、C3、C4が示されている。各特性曲線における吸収ピークは、3125cm−1でN−H振動に関連している。図6は、FTIRの吸収ピーク強度とフォトルミネッセンス(PL)強度との関係を示す図面である。横軸はフォトルミネッセンス強度(任意単位)を示し、縦軸は赤外吸収強度(任意単位)を示す。測定点M1、M2は、活性水素を含む雰囲気中の熱アニールおよび活性水素を含まない雰囲気中での降温に対応するデータ(in−situ)を示す。測定点M3は、活性水素の無い雰囲気中の熱アニールおよび降温に対応するデータを示す。測定点M4は、熱アニール無しのデータ(as−grown)を示す。図6に示されるように、GaInNAs結晶では吸収ピーク強度とPL強度は正の相関がある。N−H結合の生成が非発光中心を低減させ、GaInNAs結晶の光学特性を向上させる。
(実験例2)
図4(B)に示されるように、減圧MOVPE法により、GaInNAs/GaAs単一量子井戸(SQW)構造を形成している。量子井戸構造を有する半導体デバイスにおいては、GaInNAs膜は厚さ7ナノメートルであり、GaInNAs膜は、34パーセントのインジウム組成および1パーセントの窒素組成を有している。ガリウム(Ga)、インジウム(In)、窒素(N)およびヒ素(As)の原料としてそれぞれTEGa、TMIn、DMHyおよびTBAsを用いる。基板として(100)面を有するSiドープGaAs基板(2度オフ)を用いる。成長温度は摂氏510度である。成長速度は時間当たり0.9マイクロメートルであり、DMHy/V族モル比は0.99であり、成長圧力は10130パスカル(76Torr)である。
GaInNAs/GaAs量子井戸エピタキシャル膜を成長した後に、MOVPE炉を用いてin-situ熱アニールを行っている。MOVPE炉での熱処理はTBAs雰囲気(TBAs流量は、毎分1.6×10−4モル(mole/min))で行われ、熱アニールは摂氏570度、摂氏670度、720度の温度でそれぞれ行われ、熱アニール時間は、10分である。熱アニール後、TBAsの供給を停止し、活性水素を含まない雰囲気で降温している。一方、専用熱処理炉を用いて量子井戸エピタキシャル膜の熱アニールを行っている。専用熱処理炉での熱アニールでは、GaInNAs膜の表面のヒ素抜けを防ぐためにGaAs基板でGaInNAs膜を覆っている。窒素ガス雰囲気中で、温度摂氏500度から摂氏780度の範囲のいくつかの温度で熱アニールが行われ、熱アニール時間は15秒である。
図7は、これらのGaInNAs/GaAs量子井戸のフォトルミネッセンス(PL)特性を室温において測定した結果を示すグラフである。横軸は熱アニール温度(摂氏)を示し、縦軸はフォトルミネッセンス強度(任意単位)を示す。シンボル「■」は、窒素雰囲気において熱アニールをした後に窒素雰囲気において降温して作製された量子井戸のPL強度を示す。シンボル「□」は、活性水素を含む雰囲気(TBAs雰囲気)において熱アニールをした後に活性水素を含まない雰囲気において降温して作製された量子井戸のPL強度を示す。PL強度の熱アニール温度依存性によれば、活性水素を含む雰囲気における熱アニールおよび活性水素を含まない雰囲気における熱アニールのそれぞれにおいて、PL強度が最大になる最適な熱アニール温度があり、活性水素雰囲気(TBAs雰囲気)での熱アニール(MOVPE炉で行われる熱アニール)では、約摂氏670度であり、活性水素の無い窒素雰囲気での熱アニール(専用熱処理炉で行われる熱アニール)では、約摂氏600度である。活性水素雰囲気でアニールされた量子井戸のPL強度は強い。これらの熱アニールにおけるPL強度を比較すると、活性水素雰囲気でアニールされた量子井戸のPL強度は、活性水素の無い雰囲気でアニールされた量子井戸のPL強度と比べて約4倍程度に大きい。活性水素雰囲気での熱アニールがGaInNAs結晶の光学特性の向上に有利である。この要因として、活性水素雰囲気アニールでのN−H結合が生成されることによって非発光中心が低減されると考えられる。したがって、この結合の数を増加すると共に減らさなければ、良好な光学特性が得られる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、良好な光学特性を示す、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体の半導体層を形成する方法を提供できる。
本実施の形態では、GaInNAs半導体膜を形成する方法を説明したけれども、この方法は、GaInNAs半導体膜の他にも、GaNAs、AlN、GaN、InN、BN、AlGaN、AlGaInN、BAlGaInN、GaPN、InAsN、InPN、InPAsN、GaPAsN半導体膜の光学特性を向上するために利用できる。本実施の形態では、SQW構造の量子井戸の半導体装置を説明したけれども、この方法は、多重量子井戸構造(MQW)の量子井戸の半導体装置にも使用される。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。例えば、本発明に係る半導体そうを形成する方法は、半導体デバイスを製造する方法に使用できる。また、半導体デバイスとしては、レーザダイオード、発光ダイオード、フォトダイオード、半導体アンプ、太陽電池、光変調素子といった半導体光素子がある。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1(A)、図1(B)および図1(C)は、ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体の半導体層を形成する方法に係る実施の形態を示す図面である。 図2(A)および図2(B)は、本実施の形態の変形例のIII−V化合物半導体の半導体層を形成する方法に係る実施の形態を示す図面である。 図3(A)、図3(B)および図3(C)は、上記の実施例に係るGaInNAs半導体層を形成する方法を示す図面である。また、図3(D)、図3(E)および図3(F)は、文献1および文献3に記載されたGaInNAs半導体層を形成する方法を示す図面である。 図4(A)および図4(B)は、実験例の半導体多層膜の構造を示す図面である。 図5は、実験例1におけるGaInNAs半導体膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトル(FTIR)の測定結果を示すグラフである。 図6は、実験例1におけるFTIRの吸収ピーク強度とフォトルミネッセンス(PL)強度との関係を示す図面である。 図7は、実験例2におけるGaInNAs/GaAs量子井戸のフォトルミネッセンス(PL)特性を室温において測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
11…半導体基板、13…ガリウムヒ素半導体膜、15…GaInNAs半導体膜、17…成膜装置、
19…熱処理、23…活性水素、21…活性水素を含む雰囲気、13a、15a…熱処理された半導体膜、TAnn…熱処理の温度、TDep…堆積の温度、27…活性水素を含まない雰囲気、41…基板、43…GaAsウエハ、45…GaAsバッファ層、47…GaInNAs半導体層、51…活性水素、53…N−H結合、55…N−H結合、45a…活性水素を含まない雰囲気中で降温されたGaAsバッファ層、47a…活性水素を含まない雰囲気中で降温されたGaInNAs半導体層、45b…活性水素を含む雰囲気中で降温されたGaAsバッファ層、47b…活性水素を含む雰囲気中で降温されたGaInNAs半導体層

Claims (5)

  1. 半導体層を形成する方法であって、
    ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体から成る半導体層をガリウムヒ素基板上に有機金属気相成長法で形成する工程と、
    活性水素を含む雰囲気中で前記半導体層に熱処理を施す工程と、
    前記半導体層の熱処理が完了した後に、活性水素を含まない雰囲気中で前記熱処理の温度から降温する工程と
    を含み、
    前記熱処理の温度は摂氏510度以上であり、
    前記熱処理の温度は摂氏720度未満であることを特徴とする方法。
  2. ガリウム元素、インジウム元素、ヒ素元素および窒素元素を含むIII−V化合物半導体から成る半導体層を形成した後に、III−V化合物半導体から成る一又は複数の別の半導体層を形成する工程を更に備え、
    前記熱処理は、前記別の半導体層を形成した後に行われることを特徴とする請求項1に記載された方法。
  3. 前記半導体層に熱処理を施す前記工程における前記雰囲気では、前記活性水素に加えてヒ素を含む、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された方法。
  4. 前記半導体層に熱処理を施す前記工程では、活性水素を形成するための水素化物原料を供給して、前記活性水素を含む雰囲気を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された方法。
  5. 前記水素化物原料は、AsH3、PH3、SiH4、Si2H6、HF、HCl、HBr、HAt、H2O、H2S、H2Se、H2Te、H2Po、NH3、SbH3、BiH3、CH4、GeH4、SnH3、PbH3、BH3、PH5、AsH5、SbH5、SH4、SH6、SeH4、SeH6、TeH4、TeH6、IH3、IH5、AlH3、GaH3、(CH3)3Al、(C6H15)AlO、(CH3)2AlH、(C2H5)3Al、(CH3)3Sb、(C2H5)3Sb、C6H18N3Sb、(CH3)3As、C6H18N3As、(CH3)3Bi、(CH3)2Cd、CHCl3、(CH3)3Ga、(C2H5)3Ga、(CH3)3In、(C2H5)3In、(C5H5)2Mg、(C6H7)2Mg、(CH3)2NNH2、(CH3)3CNH2、(CH3)2Se、(CH3)2Te、(C2H5)2Te、(C3H7)2Te、(C2H5)2Zn、(CH3)2Zn、C4H11P、C4H11As、(C2H5)4Si、(C5H5)2Fe、HI、BiH3、C2H3CN、CH3Cl、HCN、CH3Br、C2H2、C2H4、C2H6、C3H6、C3H8、C4H6、C4H10、C6H6、(CH3)2O、B2H6、GeH4、SiH2Cl2、SiHCl3、SnH4、N2H4、CH3NHNH2のうちの少なくとも一の水素化物を含むことを特徴とする請求項4に記載された方法。
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