しかしながら、従来の2眼式立体映像の表示方式では、人間の左右の眼の瞳孔の間隔と、画像を表示する表示画面のサイズとを予め設定して右眼用の画像と左眼用の画像を撮影するため、実際に表示される表示画面の大きさが設定された大きさと異なると、立体像の大きさや奥行きが正しく表示されない。例えば、設定された大きさより小さい表示画面に表示すると、表示画面上での視差は小さくなり、奥行きが少なくて、物体そのものも小さく感じられる、いわゆる箱庭効果が生じるという問題がある。そして、この問題は、観察者から表示画面までの距離(視距離)を短くして、観察者の網膜上の像を大きくしても、輻輳が変化するために主観的な大きさは大きくならない。
一方、設定された表示画面より大きい表示画面に表示すると表示画面上での視差が大きくなり、無限遠の被写体の視差が瞳孔の間隔を超える、いわゆる開散状態になる。このため、ひずみのない立体映像を表示するためには、撮影時に予めスクリーンの大きさと視距離とを想定して撮影し、その想定された大きさの表示画面に、設定された視距離から見る必要がある。
しかし、立体テレビジョンの映像では、表示画面の大きさはそれぞれ異なり、数十から数百インチの表示画面に表示する可能性があるため、撮影時に予めスクリーンの大きさと視距離とを想定して撮影することは困難である。更に、観察者が表示画面に正対せず、斜めから2眼式立体映像を見る場合、幾何学的な歪みが生じる。
また、観察者が立体映像を見る場合、表示画面上の映像の大きさを、網膜上の像の大きさだけではなく、表示画面までの距離によって判断している。つまり、網膜上で同じ大きさでも、近いものは小さく、遠いものは大きいと判断する。そして、表示画面までの距離を表示画面の枠の位置で判断する。ところが、特許文献1に記載の装置では、表示画面の枠はそのままで表示画面全体に映像が表示されるため、オフセットを付けて表示しても、観察者は、表示画面までの距離を実際より遠く、あるいは、近くに感じにくい。そのため、観察者は疲労や、距離感の歪みを感じやすくなるという問題がある。更に、斜めから観察した場合に映像の幾何学的な歪みは、特許文献1に記載の装置では解決されない。
本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、映像の撮影時に想定された大きさとは異なる大きさの表示画面に表示して、設定された視距離とは異なる距離から見ても、撮影されたものの距離感を正しく表現でき、かつ、観察者に対して、表示画面の枠を意識させることなく疲労や距離感の歪みを与えない、2眼式立体映像を表示するための画像を生成することができる立体視画像生成装置及び立体視画像生成プログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の立体視画像生成装置は、右眼用の画像と左眼用の画像とを、表示画面の大きさと視距離とに基づいて変換して、右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを生成する立体視画像生成装置であって、仮想空間設定手段と、右眼用画像領域設定手段と、左眼用画像領域設定手段と、右眼用画像生成手段と、左眼用画像生成手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、立体視画像生成装置は、仮想空間設定手段によって、右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを表示する表示画面の大きさと、観察者の位置と、表示画面の位置とを示す表示画面情報に基づいて、観察者の右眼及び左眼の位置と、表示画面の領域と、観察者の位置に対応して予め設定された右眼用の画像及び左眼用の画像の表示領域とを、仮想空間上において仮想右眼位置と、仮想左眼位置と、仮想表示画面領域と、仮想標準表示領域として設定する。
また、立体視画像生成装置は、右眼用画像領域設定手段によって、仮想空間上において、仮想右眼位置から仮想表示画面領域に対して仮想標準表示領域を透視投影して仮想右眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定し、左眼用画像領域設定手段によって、仮想空間上において、仮想左眼位置から仮想表示画面領域に対して仮想標準表示領域を透視投影して仮想左眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定する。
更に、立体視画像生成装置は、右眼用画像生成手段によって、仮想表示画面領域に対する仮想右眼位置からの仮想標準表示領域の透視投影を行う変換を右眼用の画像に行い、仮想表示画面領域内における仮想右眼用画像領域にはめ込んで、右眼用立体視画像を生成し、左眼用画像生成手段によって、仮想表示画面領域に対する仮想左眼位置からの仮想標準表示領域の透視投影を行う変換を左眼用の画像に行い、仮想表示画面領域内における仮想左眼用画像領域にはめ込んで、左眼用立体視画像を生成する。
これによって、立体視画像生成装置は、右眼用の画像及び左眼用の画像を撮影した際に想定された大きさとは異なる表示画面に表示して、設定された視距離とは異なる位置から見ても、観察者の右眼及び左眼によって、右眼用の画像及び左眼用の画像の各々を、撮影時に想定された大きさで、設定された距離だけ観察者から離れた位置に表示した場合と同じように見ることができる右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを生成することができる。
また、請求項2に記載の立体視画像生成装置は、請求項1に記載の立体視画像生成装置において、前記仮想空間設定手段が、前記表示画面情報に基づいて、前記観察者の位置から前記表示画面の中心への方向である視線方向を、前記仮想空間上において仮想視線方向として設定し、かつ、前記仮想空間上において、前記仮想右眼位置と前記仮想左眼位置とを結ぶ直線が当該仮想視線方向に直交するように、前記仮想右眼位置と前記仮想左眼位置を設定するとともに、前記仮想標準表示領域を前記仮想視線方向に対して直交する向きに設定する構成とした。
これによって、立体視画像生成装置は、観察者が、表示画面に対して斜めの向きから見たときに生じる歪みを補正した右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを生成することができる。
また、請求項3に記載の立体視画像生成プログラムは、右眼用の画像と左眼用の画像とを、表示画面の大きさと視距離とに基づいて変換して、右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを生成するためにコンピュータを、仮想空間設定手段、右眼用画像領域設定手段、左眼用画像領域設定手段、右眼用画像生成手段、左眼用画像生成手段として機能させることとした。
かかる構成によれば、立体視画像生成プログラムは、仮想空間設定手段によって、右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを表示する表示画面の大きさと、観察者の位置と、表示画面の位置とを示す表示画面情報に基づいて、観察者の右眼及び左眼の位置と、表示画面の領域と、観察者の位置に対応して予め設定された右眼用の画像及び左眼用の画像の表示領域とを、仮想空間上において仮想右眼位置と、仮想左眼位置と、仮想表示画面領域と、仮想標準表示領域として設定する。
また、立体視画像生成プログラムは、右眼用画像領域設定手段によって、仮想空間上において、仮想右眼位置から仮想表示画面領域に対して仮想標準表示領域を透視投影して仮想右眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定し、左眼用画像領域設定手段によって、仮想空間上において、仮想左眼位置から仮想表示画面領域に対して仮想標準表示領域を透視投影して仮想左眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定する。
更に、立体視画像生成プログラムは、右眼用画像生成手段によって、仮想表示画面領域に対する仮想右眼位置からの仮想標準表示領域の透視投影を行う変換を右眼用の画像に行い、仮想表示画面領域内における仮想右眼用画像領域にはめ込んで、右眼用立体視画像を生成し、左眼用画像生成手段によって、仮想表示画面領域に対する仮想左眼位置からの仮想標準表示領域の透視投影を行う変換を左眼用の画像に行い、仮想表示画面領域内における仮想左眼用画像領域にはめ込んで、左眼用立体視画像を生成する。
これによって、立体視画像生成プログラムは、右眼用の画像及び左眼用の画像を撮影した際に想定された大きさとは異なる表示画面に表示して、設定された視距離とは異なる位置から見ても、観察者の右眼及び左眼によって、右眼用の画像及び左眼用の画像の各々を、撮影時に想定された大きさで、設定された距離だけ観察者から離れた位置に表示した場合と同じように見ることができる右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを生成することができる。
本発明に係る立体視画像生成装置及び立体視画像生成プログラムでは、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1又は請求項3に記載の発明によれば、右眼用の画像及び左眼用の画像を撮影した際に想定された大きさとは異なる表示画面に表示しても、観察者は、撮影時に想定された大きさで、設定された距離だけ観察者から離れた位置に表示した場合と同じように立体映像を見ることができる右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを生成することができる。
また、表示画面に表示された右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを観察者が見ると、観察者には、右眼及び左眼によって、各々右眼用の画像がはめ込まれている領域と、左眼用の画像がはめ込まれている領域が見える。そして、観察者は、右眼と左眼の視差によって、撮影時に設定された距離だけ観察者から離れた位置に、設定された表示画面の大きさの、2つの領域が重なり合う表示領域を見ることができる。そして、右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを表示している表示画面の枠から観察者までの距離ではなく、この視差によって仮想的に形成された表示領域の枠から観察者までの距離に基づいて立体映像全体の大きさを判断できるため、観察者は、表示画面の枠を意識することなく、距離感を正しく認識することができる右眼用立体視画像と左眼用立体視画像となる。
請求項2に記載の発明によれば、観察者が右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを表示する表示画面に対して正対しない斜めの位置にいる場合でも、観察者には、右眼及び左眼によって、各々右眼用の画像がはめ込まれている領域と、左眼用の画像がはめ込まれている領域が見える。そして、観察者には、右眼と左眼の視差によって、撮影時に設定された距離だけ観察者から離れた位置において観察者に対して正対する向きに表示領域を見ることができる。そのため、歪みのない立体映像を観察者に提示できる右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを生成することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[立体視画像生成装置の構成]
図1を参照して、本発明の実施の形態である立体視画像生成装置1の構成について説明する。図1は、本発明における立体視画像生成装置の構成を示したブロック図である。立体視画像生成装置1は、外部から右眼用の画像(右眼用画像)と左眼用の画像(左眼用画像)を入力し、表示画面(図示せず)の大きさに合わせて変換した右眼用立体視画像と左眼用立体視画像とを生成するものである。この立体視画像生成装置1は、情報入力手段10と、仮想空間設定手段11と、右眼用画像領域設定手段12と、左眼用画像領域設定手段13と、右眼用画像生成手段14と、左眼用画像生成手段15とを備える。また、ここでは、立体視画像生成装置1には、外部に図示しない立体表示装置が接続され、当該立体表示装置の表示画面に右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像が表示されることとした。
なお、この右眼用画像及び左眼用画像には、撮影時に当該右眼用画像及び左眼用画像を表示すると想定された表示画面(標準表示画面)の大きさと、観察者から標準表示画面までの距離とが標準条件として予め設定されており、この標準条件で表示することによって観察者は当該画像の制作者が意図する大きさ及び奥行きの画像を見ることができる。そして、ここでは、立体視画像生成装置1は、この標準条件を示す標準条件情報を外部から入力することとした。
情報入力手段10は、当該立体視画像生成装置1によって生成される右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を表示する表示画面の大きさ、及び、観察者と表示画面との位置を示す情報である表示画面情報と、右眼用画像及び左眼用画像の撮影時に制作者によって予め設定された当該2つの画像を表示する標準表示画面の大きさ、及び、観察者から標準表示画面までの距離を示す情報である標準条件情報とを外部から入力するものである。ここで入力された表示画面情報及び標準条件情報は、仮想空間設定手段11に出力される。
仮想空間設定手段11は、情報入力手段10から入力された表示画面情報及び標準条件情報に基づいて、右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を表示する表示画面の領域、観察者の表示画面への視線方向、右眼の位置、左眼の位置、及び、標準条件によって示される標準表示画面の領域を、仮想空間上において、仮想表示画面領域、仮想視線方向、仮想右眼位置、仮想左眼位置及び仮想標準表示領域として設定するものである。ここで、仮想空間設定手段11は、表示画面領域設定部11aと、視線方向設定部11bと、両眼位置設定部11cと、標準表示領域設定部11dとを備える。
表示画面領域設定部11aは、情報入力手段10から入力された表示画面情報に基づいて、仮想空間の座標軸を設定し、この仮想空間上に、実空間上における観察者の位置と表示画面の領域とに対応する仮想観察者位置と仮想表示画面領域とを設定するものである。ここで設定された仮想観察者位置及び仮想表示画面領域の情報は、視線方向設定部11b、両眼位置設定部11c、標準表示領域設定部11d、右眼用画像領域設定手段12及び左眼用画像領域設定手段13に出力される。
視線方向設定部11bは、表示画面領域設定部11aによって設定された仮想観察者位置から仮想表示画面への方向である仮想視線方向を、仮想空間上に設定するものである。ここでは、視線方向設定部11bは、仮想空間上における仮想観察者位置から仮想表示画面領域の中心への向きを仮想視線方向として設定することとした。ここで設定された仮想視線方向の情報は、両眼位置設定部11c及び標準表示領域設定部11dに出力される。
両眼位置設定部11cは、表示画面領域設定部11aによって設定された仮想観察者位置と、視線方向設定部11bによって設定された仮想視線方向とに基づいて、実空間上における観察者の右眼及び左眼に対応する仮想右眼位置及び仮想左眼位置を仮想空間上に設定するものである。ここで、両眼位置設定部11cは、仮想観察者位置を挟み、仮想視線方向に直交する水平の方向に、ある間隔だけ離隔した2点の位置を設定して、仮想視線方向を向いて右側を仮想右眼位置、左側を仮想左眼位置とすることとした。なお、この仮想右眼位置及び仮想左眼位置の間隔は、所定の値(例えば、65mmなど)であってもよいし、外部から入力されることとしてもよい。ここで設定された仮想右眼位置及び仮想左眼位置の情報は、右眼用画像領域設定手段12と、左眼用画像領域設定手段13とに出力される。
標準表示領域設定部11dは、情報入力手段10から入力された標準条件情報と、表示画面領域設定部11aによって設定された仮想観察者位置と、視線方向設定部11bによって設定された仮想視線方向とに基づいて、右眼用画像及び左眼用画像の撮影時に制作者によって予め設定された標準表示画面の領域に対応する仮想標準表示領域を仮想空間上に設定するものである。ここで、標準表示領域設定部11dは、仮想観察者位置から仮想視線方向に向かって、標準条件情報によって示される視距離だけ離れた位置に、仮想視線方向に直交するように、標準条件情報によって示される標準表示画面の大きさの領域を仮想標準表示領域として設定する。ここで設定された仮想標準表示領域の情報は、右眼用画像領域設定手段12と、左眼用画像領域設定手段13とに出力される。
右眼用画像領域設定手段12は、仮想空間設定手段11によって設定された仮想右眼位置から、仮想表示画面領域に対して仮想標準表示領域を透視投影した仮想右眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定するものである。ここで設定された仮想右眼用画像領域の情報は、右眼用画像生成手段14に出力される。
左眼用画像領域設定手段13は、仮想空間設定手段11によって設定された仮想左眼位置から、仮想表示画面領域に対して仮想標準表示領域を透視投影した仮想左眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定するものである。ここで設定された仮想左眼用画像領域の情報は、左眼用画像生成手段15に出力される。
ここで、図2を参照(適宜図1参照)して、右眼用画像領域設定手段12及び左眼用画像領域設定手段13が、仮想右眼用画像領域及び仮想左眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定する方法について説明する。図2は、仮想空間上において、右眼用画像領域設定手段と左眼用画像領域設定手段とが、仮想右眼位置と、仮想左眼位置と、仮想表示画面領域と、仮想標準表示領域とに基づいて、仮想右眼用画像領域及び仮想左眼用画像領域を設定する方法を説明するための説明図であり、(a)は、観察者が表示画面に正対する場合において、仮想空間を上から見た例を模式的に示す模式図、(b)は、(a)において、右眼用画像領域設定手段及び左眼用画像領域設定手段によって設定された仮想右眼用画像領域及び仮想左眼用画像領域を模式的に示す模式図、(c)は、観察者が表示画面に正対しない場合において、仮想空間を上から見た例を模式的に示す模式図、(d)は、(c)において、右眼用画像領域設定手段及び左眼用画像領域設定手段によって設定された仮想右眼用画像領域及び仮想左眼用画像領域を模式的に示す模式図である。
まず、図2(a)と図2(b)とを参照して、観察者が表示画面に対して正対している場合について説明する。図2(a)に示すように、仮想空間設定手段11によって、表示画面情報に基づいて、仮想空間上に仮想観察者位置Vと仮想表示画面領域Dvとが設定され、仮想観察者位置Vから仮想表示画面領域Dvの中心cへの方向である仮想視線方向Avが設定されている。更に、仮想空間設定手段11によって、仮想観察者位置Vを挟んで、仮想視線方向Avに直交する方向にある間隔だけ離隔した仮想右眼位置Rと仮想左眼位置Lとが設定され、標準条件情報に基づいて、仮想視線方向Avに直交する向きに仮想標準表示領域Cvが設定されている。なお、図2(a)は上から見た図であるため、仮想表示画面領域Dv及び仮想標準表示領域Cvは直線で示されているが、これらは仮想空間上において矩形の平面の領域である。
すると、右眼用画像領域設定手段12は、仮想右眼位置Rから仮想表示画面領域Dvに対して、仮想標準表示領域Cvを透視投影する。そして、右眼用画像領域設定手段12は、図2(b)に示すように、仮想標準表示領域Cvを透視投影した矩形の領域である仮想右眼用画像領域Rvを、仮想表示画面領域Dv内に設定することができる。また、左眼用画像領域設定手段13は、図2(a)に示すように、仮想左眼位置Lから仮想表示画面領域Dvに対して、仮想標準表示領域Cvを透視投影する。そして、左眼用画像領域設定手段13は、図2(b)に示すように、仮想左眼用画像領域Lvを仮想表示画面領域Dv内に設定することができる。
なお、右眼用画像領域設定手段12及び左眼用画像領域設定手段13による透視投影は、一般的な透視投影変換のアルゴリズムを適用して実現することができる。
なお、表示画面の大きさに比べて視距離が長くなるほど、右眼用画像領域設定手段12及び左眼用画像領域設定手段13によって設定される仮想右眼用画像領域Rv及び仮想左眼用画像領域Lvは大きくなり、仮想表示画面領域Dv内において一部が欠けることも考えられるが、実際には、表示画面が小さいと観察者は表示画面に近づくため視距離は小さくなる。そのため、標準条件情報において、標準表示画面の大きさと視距離とが適切に設定されていれば、右眼用画像領域設定手段12及び左眼用画像領域設定手段13は、仮想右眼用画像領域Rv及び仮想左眼用画像領域Lvを欠けさせることなく、仮想表示画面領域Dv内に設定することができる。
次に、図2(c)と図2(d)とを参照して、観察者が表示画面に対して正対しない場合について説明する。図2(c)に示すように、仮想空間設定手段11によって、表示画面情報に基づいて、仮想空間上に仮想観察者位置Vと仮想表示画面領域Dvとが設定され、仮想観察者位置Vから仮想表示画面領域Dvの中心cへの方向である仮想視線方向Avが設定されている。ここで、観察者が表示画面に対して正対しないため、仮想表示画面領域Dvは仮想視線方向Avに直交しない。更に、仮想空間設定手段11によって、仮想観察者位置Vを挟んで、仮想視線方向Avに直交する方向にある間隔だけ離隔した仮想右眼位置Rと仮想左眼位置Lとが設定され、標準条件情報に基づいて、仮想視線方向Avに直交する向きに仮想標準表示領域Cvが設定されている。
すると、右眼用画像領域設定手段12は、仮想右眼位置Rから仮想表示画面領域Dvに対して、仮想標準表示領域Cvを透視投影する。そして、右眼用画像領域設定手段12は、図2(d)に示すように、仮想標準表示領域Cvを透視投影した四角形の領域である仮想右眼用画像領域Rvを、仮想表示画面領域Dv内に設定することができる。また、左眼用画像領域設定手段13は、図2(c)に示すように、仮想左眼位置Lから仮想表示画面領域Dvに対して、仮想標準表示領域Cvを透視投影する。そして、左眼用画像領域設定手段13は、図2(d)に示すように、仮想左眼用画像領域Lvを仮想表示画面領域Dv内に設定することができる。
このように、仮想空間設定手段11が仮想視線方向Avを設定し、この仮想視線方向Avに直交する仮想標準表示領域Cvを設定して、右眼用画像領域設定手段12及び左眼用画像領域設定手段13が、この仮想標準表示領域Cvを仮想表示画面領域Dvに透視投影するため、後記する右眼用画像生成手段14及び左眼用画像生成手段15によって、この仮想右眼用画像領域Rv及び仮想左眼用画像領域Lvに対応する領域に右眼用画像及び左眼用画像がはめ込まれた右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を表示画面に表示すると、観察者が表示画面に対して正対しない場合にも、この右眼用画像及び左眼用画像がはめ込まれた領域が、右眼と左眼の視差のため、標準条件情報に示される視距離の位置において観察者に対して正対する向きに標準表示画面を形成するように見える。そのため、歪みのない立体映像を観察者に提示することができる。
図1に戻って説明を続ける。右眼用画像生成手段14は、表示画面領域設定部11aによって設定された仮想表示画面領域に対応する画像領域内において、右眼用画像領域設定手段12によって設定された仮想右眼用画像領域に対応する領域に、外部から入力された右眼用画像を投影変換してはめ込み、右眼用立体視画像を生成するものである。なお、右眼用画像生成手段14は、右眼用画像領域設定手段12による仮想標準表示領域の透視投影と同じ投影条件で、右眼用画像を投影変換する。ここで生成された右眼用立体視画像は、図示しない立体表示装置に出力される。
左眼用画像生成手段15は、表示画面領域設定部11aによって設定された仮想表示画面領域に対応する画像領域内において、左眼用画像領域設定手段13によって設定された仮想左眼用画像領域に対応する領域に、外部から入力された左眼用画像を投影変換してはめ込み、左眼用立体視画像を生成するものである。なお、左眼用画像生成手段15は、左眼用画像領域設定手段13による仮想標準表示領域の透視投影と同じ投影条件で、左眼用画像を投影変換する。ここで生成された左眼用立体視画像は、図示しない立体表示装置に出力される。
そして、右眼用画像及び左眼用画像は、撮影時に予め設定された標準条件で表示しないと観察者は、当該画像の制作者が意図する被写体の大きさ及び奥行きの立体映像を見ることができなかったが、以上のように立体視画像生成装置1を構成することで、撮影時に想定された大きさとは異なる表示画面に表示しても、標準条件で表示した場合と同じ立体映像を見ることができる右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を生成することができる。
ここで、図3を参照して、立体視画像生成装置1によって生成された右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を図示しない立体表示装置の表示画面に表示した際に、観察者によって見える立体映像について説明する。図3は、観察者の右眼及び左眼の位置と、この位置から見たときに、右眼用画像及び左眼用画像上における被写体によって形成される立体像との配置を上から見た模式図であり、(a)は、右眼用画像及び左眼用画像を標準条件で表示した場合を説明するための説明図、(b)は、標準条件によって設定された表示画面より小さい表示画面に右眼用画像及び左眼用画像を表示し、設定された視距離より短い視距離で観察した場合を説明するための説明図、(c)は、標準条件によって設定された表示画面より小さい表示画面に、立体視画像生成装置によって生成された右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を表示し、設定された視距離より短い視距離で観察した場合を説明するための説明図である。
まず、図3(a)を参照して、右眼用画像及び左眼用画像を撮影した際に予め設定された大きさの標準表示画面(図示せず)に、この右眼用画像及び左眼用画像を重ねて表示し、設定された視距離(標準視距離)から観察者がこの画像を見た場合の例について説明する。ここで、図3(a)に示すように、標準表示画面に右眼用画像Raと左眼用画像Laとが表示され、観察者は、例えば、偏光メガネ等を用いて、観察者の右眼の位置である右眼位置Rpから右眼用画像Raを、左眼の位置である左眼位置Lpから左眼用画像Laを見ることができる。
ここで、右眼用画像Ra上には、被写体Ra1、Ra2があり、左眼用画像La上には、被写体La1、La2が表示されているとする。すると、両眼視差によって、右眼用画像Raの中央より右に表示された被写体Ra1と、左眼用画像Laの中央より左に表示された被写体La1とから、観察者は、標準表示画面より更に奥に立体像Ia1を見ることができる。また、右眼用画像Raの中央に表示された被写体Ra2と、左眼用画像Laの中央に表示された被写体La2とから、観察者は、標準表示画面の中央に立体像(図示せず)を見ることができる。そして、ここで観察者が見ることができる立体映像が、制作者の意図する映像である。
次に、図3(b)を参照して、右眼用画像及び左眼用画像を撮影した際に予め設定された大きさより小さい表示画面(図示せず)に、この右眼用画像及び左眼用画像を重ねて表示し、標準視距離より近くから観察者がこの画像を見た場合の例について説明する。ここで、図3(b)に示すように、表示画面(図示せず)に右眼用画像Rbと左眼用画像Lbとが表示され、観察者は、右眼位置Rpから、右眼用画像Raが縮小された右眼用画像Rbを、左眼位置Lpから、左眼用画像Laが縮小された左眼用画像Lbを見ることができる。
そして、右眼用画像Rb上には、縮小された被写体Rb1、Rb2があり、左眼用画像Lb上には、縮小された被写体Lb1、Lb2が表示されている。すると、両眼視差は、図3(a)に比べて小さくなり、被写体Rb1と被写体Lb1とから、観察者は、立体像Ia1より近い位置に、縮小された立体像Ib1を見ることができる。また、被写体Rb2と被写体Lb2とから、観察者は、標準視距離より近い位置にある表示画面の中央に縮小された立体像(図示せず)を見ることができる。このようにして、予め設定された大きさより小さい表示画面にそのまま右眼用画像及び左眼用画像を表示する従来の2眼式立体映像の表示方法で立体映像を表示すると、箱庭効果によって、観察者は、奥行きが少なく、物体そのものも小さく感じる。
続いて、図3(c)を参照して、右眼用画像及び左眼用画像を撮影した際に予め設定された大きさより小さい表示画面(図示せず)に、立体視画像生成装置1によって生成された右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を重ねて表示し、標準視距離より近くから観察者がこの画像を見た場合の例について説明する。ここで、図3(c)に示すように、表示画面には、一部の領域に右眼用画像Rcがはめ込まれた右眼用立体視画像(図示せず)と、一部の領域に左眼用画像Lcがはめ込まれた左眼用立体視画像(図示せず)が表示され、観察者は、右眼位置Rpから、右眼用画像Raが縮小あるいは変形された右眼用画像Rcを、左眼位置Lpから、左眼用画像Laが縮小あるいは変形された左眼用画像Lcを見ることができる。
ここで、この右眼用立体視画像には、前記したように、右眼用画像領域設定手段12によって仮想空間上において設定された仮想右眼用画像領域Rv(図2)に対応する位置に右眼用画像Rcがはめ込まれている。また、左眼用立体視画像には、左眼用画像領域設定手段13によって仮想空間上において設定された仮想左眼用画像領域Lv(図2)に対応する位置に左眼用画像Lcがはめ込まれている。そして、仮想空間上における仮想右眼位置R及び仮想左眼位置L(図2)は、右眼位置Rp及び左眼位置Lpに対応し、仮想標準表示領域Cv(図2)は、標準表示画面(図示せず)に対応する。そのため、両眼視差によって、右眼用画像Rcと、左眼用画像Lcとから、観察者は、標準表示画面(図示せず)の位置に、標準表示画面の大きさで重ねて表示された右眼用画像及び左眼用画像(図示せず)を見ることができる。
そして、両眼視差によって、被写体Rc1と被写体Lc1とから、観察者は、標準表示画面の位置より更に奥に立体像Ic1を見ることができる。また、被写体Rc2と被写体Lc2とから、観察者は、標準表示画面の位置の中央に立体像Ic2を見ることができる。ここで観察者が見ることができる立体映像は、図3(a)において標準表示画面に表示された右眼用画像Raと左眼用画像Laとから見ることができる立体映像と同じものであり、制作者の意図する映像と同じものとなる。そして、オフセットを設定して、右眼用画像と左眼用画像をずらす従来の方法によって生成された画像と異なり、立体視画像生成装置1によって生成された右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像によれば、観察者は、奥行きや物体の大きさが正しく表現された立体映像を見ることができる。
なお、ここでは、立体視画像生成装置1は、情報入力手段10によって、外部から表示画面情報及び標準条件情報を入力することとしたが、予め設定された表示画面情報及び標準条件情報のうちの、一部あるいは全部を記憶する記憶装置(図示せず)を備え、仮想空間設定手段11によって、この記憶装置に記憶された表示画面情報及び標準条件情報を参照することとしてもよい。
また、立体視画像生成装置1は、観察者の位置を検出する位置検出手段(図示せず)を備え、この位置検出手段によって検出された観察者の位置と、表示画面の大きさ及び標準条件情報に基づいて、仮想空間設定手段11によって仮想視線方向、仮想右眼位置、仮想左眼位置、仮想表示画面領域及び仮想標準表示領域を設定することとしてもよい。更に、立体視画像生成装置1は、予め設定された、あるいは、検出された観察者の右眼及び左眼の位置を外部から入力し、この観察者の右眼及び左眼の位置によって観察者の位置が示されることとしてもよい。
更に、視線方向設定部11bは、仮想表示画面領域を含む平面に直交する方向を仮想視線方向として設定することとしてもよい。また、仮想空間設定手段11は視線方向設定部11bを備えず、両眼位置設定部11cが、予め設定された、あるいは、検出された右眼及び左眼の位置に基づいて仮想空間上に仮想右眼位置及び仮想左眼位置を設定し、標準表示領域設定部11dが、この仮想右眼位置及び仮想左眼位置に基づいて仮想標準表示領域を設定することとしてもよい。
また、右眼用画像及び左眼用画像が、フレーム画像あるいはフィールド画像であり、立体視画像生成装置1が、右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像のフレーム画像あるいはフィールド画像を生成し、立体映像の動画像を生成することとしてもよい、
更に、ここでは、立体視画像生成装置1は、外部に接続された図示しない立体表示装置の表示画面に右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を表示することとしたが、例えば、右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像の各々を投影する、異なる向きの偏光板を備えた2台のプロジェクタに出力することとしてもよい。
なお、本発明の立体視画像生成装置1は、フィルタメガネ方式、時分割方式、レンチキュラ方式及びパララックスバリア方式のような様々な2眼式立体映像の表示方式に対応する右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を生成することができる。
また、立体視画像生成装置1は、コンピュータにおいて各手段を各機能プログラムとして実現することも可能であり、各機能プログラムを結合して、立体視画像生成プログラムとして動作させることも可能である。
[立体視画像生成装置の動作]
次に、図4を参照(適宜図1参照)して、本発明における立体視画像生成装置1の動作について説明する。図4は、本発明における立体視画像生成装置が右眼用立体視画像及び左眼用立体視画像を生成する動作を示したフローチャートである。
立体視画像生成装置1は、情報入力手段10によって、外部から表示画面情報と標準条件情報とを入力する(ステップS10)。そして、立体視画像生成装置1は、仮想空間設定手段11の表示画面領域設定部11aによって、ステップS10において入力された表示画面情報に基づいて仮想空間の座標軸を設定し、この仮想空間上に仮想観察者位置と仮想表示画面領域とを設定する(ステップS11)。続いて、立体視画像生成装置1は、仮想空間設定手段11の視線方向設定部11bによって、仮想空間上に、ステップS11において設定された仮想観察者位置から仮想表示画面領域の中心への方向を仮想視線方向として設定する(ステップS12)。
そして、立体視画像生成装置1は、仮想空間設定手段11の両眼位置設定部11cによって、仮想空間上に、ステップS11において設定された仮想観察者位置を挟み、ステップS12において設定された仮想視線方向に直交する方向に、ある間隔だけ離隔した位置を仮想右眼位置及び仮想左眼位置として設定する(ステップS13)。更に、立体視画像生成装置1は、仮想空間設定手段11の標準表示領域設定部11dによって、ステップS10において入力された標準条件情報に基づいて、仮想空間上に、ステップS12において設定された仮想視線方向に直交する向きに仮想標準表示領域を設定する(ステップS14)。
続いて、立体視画像生成装置1は、右眼用画像領域設定手段12によって、ステップS13において設定された仮想右眼位置から、ステップS11において設定された仮想表示画面領域に対して、ステップS14において設定された仮想標準表示領域を透視投影した仮想右眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定する(ステップS15)。
更に、立体視画像生成装置1は、左眼用画像領域設定手段13によって、ステップS13において設定された仮想左眼位置から、ステップS11において設定された仮想表示画面領域に対して、ステップS14において設定された仮想標準表示領域を透視投影した仮想左眼用画像領域を仮想表示画面領域内に設定する(ステップS16)。
そして、立体視画像生成装置1は、右眼用画像生成手段14によって、ステップS11において設定された仮想表示画面領域に対応する画像領域内に、ステップS15において設定された仮想右眼用画像領域に対応する領域に、外部から入力された右眼用画像を透視投影変換してはめ込み、右眼用立体視画像を生成する(ステップS17)。
更に、立体視画像生成装置1は、左眼用画像生成手段15によって、ステップS11において設定された仮想表示画面領域に対応する画像領域内に、ステップS16において設定された仮想左眼用画像領域に対応する領域に、外部から入力された左眼用画像を透視投影変換してはめ込み、左眼用立体視画像を生成する(ステップS18)。