JP4635360B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子表面のポリイミド樹脂との密着性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びメモリー用のLOC構造、非LOC構造、非LOCウインドウパッド構造といった各種薄型半導体装置で耐半田リフロー性に優れた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向において、半導体素子の高集積化が年々進み、又半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、半導体素子の封止に用いられているエポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきている。特に半導体装置の表面実装化が一般的になってきている現状では、吸湿した半導体装置が半田リフロー処理時に高温にさらされ、半導体素子やリードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生し、ひいては硬化物にクラックを生じる等、半導体装置の信頼性を大きく損なう不良が生じ、これらの不良の防止、即ち耐半田クラック性の向上が大きな課題となっている。これらの課題に対し、IC、LSI等の半導体素子の封止用エポキシ樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂や硬化剤であるフェノール樹脂の改良により、上記の問題に対する特性の向上が図られてきた。更に封止材料では解決できない問題点に対しては、リードフレームの形状変更、特に半導体素子と接着されるアイランドの形状変更により、対策が行われ、LOC(リードオンチップ)構造、ウインドウ・パッドフレームがこれに相当する。
【0003】
近年、環境負荷物質の撤廃の一環として、鉛を含まない半田への代替化が進められている。鉛を含まない半田では、従来の半田に比べ融点が高いため表面実装時の半田リフロー温度は、従来より20℃程度高く、260℃が必要とされる。鉛を含まない半田対応のための半田リフロー温度の変更によりウインドウ・パッドフレームでもエポキシ樹脂組成物の硬化物とパッドの剥離、半導体素子と半導体用樹脂ペーストの剥離に起因する半導体装置のクラックの問題が生じてきた。このため、260℃表面実装時の耐半田クラック性向上を目的として様々な改良が進められてきたが、そのいずれにおいても、完全なる解決策とはならず、更なる改良が望まれている。更にメモリー用半導体装置ではLOC構造、非LOC構造、非LOCウインドウパッド構造の薄型半導体装置が適用されるが、製造工程管理、在庫管理、コストの面から、全ての構造に共通して使用できる半導体封止用エポキシ樹脂組成物が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は半導体素子表面のポリイミド樹脂との密着性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びメモリー用のLOC構造、非LOC構造、非LOCウインドウパッド構造といった各種薄型半導体装置で耐半田リフロー性に優れた半導体装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1](A)一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で示されるエポキシ樹脂の群から選ばれる1種以上を40〜80重量%と一般式(4)で示されるエポキシ樹脂を20〜60重量%含むエポキシ樹脂、(B)一般式(5)で示されるフェノール樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)無機質充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の当量比=1.05〜1.50である半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、表面にポリイミド樹脂皮膜を有する半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
【化6】
(R1は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同じであっても異なっていてもよい。)
【0006】
【化7】
(R2、R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキルを示し、互いに同じであっても異なっていてもよい。炭素−炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互いに異なる。)
【0007】
【化8】
(R4は、水素原子、炭素数1〜4のアルキルを示し、互いに同じであっても異なっていてもよい。炭素−炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互いに同じである。)
【0008】
【化9】
(R5は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同じであっても異なっていてもよい。nは平均値で、1〜10の正数)
【0009】
【化10】
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において密着性の対象とした半導体素子表面に存在するポリイミド樹脂は、表面がプラズマ処理されているためにイミド環中のC−N結合が優先的に切断され、カルボキシル基、アミノ基等の官能基が導入されている。従って、用いる全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の当量比を1.05〜1.50とすることにより、架橋構造に寄与しないエポキシ樹脂がポリイミド樹脂表面のカルボキシ基、アミノ基等の官能基と相溶もしくは反応し、優れた密着性を与えるものである。本発明で言う当量比とは、エポキシ樹脂のエポキシ基数/フェノール樹脂の水酸基数の比を指す。
一般式(1)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂、一般式(2)及び一般式式(3)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、溶融時に低粘度であるため優れた流動性を与える。更に前記当量比を1.05〜1.50とすることにより架橋構造に寄与しないエポキシ樹脂が流動性を付与し、ポリイミド樹脂のみならず、金属等の異種界面との塗れ性を向上するといった相乗効果を与える。
一般式(4)で示されるエポキシ樹脂は、エポキシ基間に疎水性構造を有することを特徴とする。 一般式(4)で示されるエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、疎水性の構造を多く含むことから吸湿率が低く、又架橋密度が低いため、 ガラス転移温度を越えた高温域での弾性率が低いという特徴があり表面実装の半田付け時における熱応力を低減し、耐半田クラック性、半田処理後の基材との密着性に優れるという特徴を有している。一方エポキシ基間の疎水性構造は、剛直なビフェニル骨格であることから、架橋密度が低い割には耐熱性の低下が少ないという特徴を有する。
一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で示されるエポキシ樹脂の群から選ばれる1種以上と一般式(4)で示されるエポキシ樹脂を併用することにより、それぞれ単独で用いた場合に比べ流動性、密着性、耐熱性が向上し、高温における耐半田クラック性が向上する。
【0012】
当量比が1.50を越えると十分な架橋構造が得られないため、硬化性が大きく低下し、耐半田クラック性に問題を生じる。一方当量比が1.05未満だと、架橋構造に寄与しないエポキシ樹脂量が極端に少なくなるため、大型化する半導体素子上のポリイミド樹脂表面への濡れ性が悪くなり、十分な密着性が得られないので好ましくない。
本発明に用いるエポキシ樹脂は、一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で示されるエポキシ樹脂の群から選ばれる1種以上を40〜80重量%と一般式(4)で示されるエポキシ樹脂を20〜60重量%からなるが、一般式(4)で示されるエポキシ樹脂が60重量%を越えると、溶融粘度が高くなり濡れ性が悪くなるため、LOC構造の様な段差のあるものに対しては、異種界面との間に十分な密着性が得られず、更に流動性も低下してしまうため、薄型半導体装置を充填することができない。一般式(4)で示されるエポキシ樹脂が20重量%未満だと、疎水性、耐熱性が低下し耐半田クラック性の向上が得られない。
【0013】
本発明で用いる一般式(5)で示されるフェノール樹脂は、パラキシリレン骨格を含む構造を有することを特徴とする。一般式(5)で示されるフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、疎水性の構造を含むことから吸湿率が低く、又架橋密度が低いため、 ガラス転移温度を越えた高温域での弾性率が低いという特徴があり、表面実装の半田付け時における熱応力を低減し、リードフレーム等の金属類及び半導体素子との密着性に優れるという特徴を有している。又フェニル基間のパラキシリレン結合は架橋密度が低い割には耐熱性の低下が少ないという特徴を有する。
【0014】
更に一般式(5)で示されるフェノール樹脂の特徴を損なわない範囲で、分子内にフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ビスフェノールA、トリフェノールメタン等のフェノール樹脂を併用しても差し支えない。併用する場合の一般式(5)で示されるフェノール樹脂の配合量としては、全フェノール樹脂中に70重量%以上が好ましい。70重量%未満だと吸湿率が多くなったり、弾性率が高くなり、耐半田クラック性に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明に用いられる硬化促進剤は、エポキシ樹脂とフェノール性水酸基との反応を促進させるものであればよく、一般に封止用材料に使用されているものを広く使用することができ、例えば1,8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−メチルイミダゾール等を単独又は混合しても良い。
本発明に用いる無機質充填材としては、溶融シリカ粉末、球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、2次凝集シリカ粉末、多孔質シリカ粉末、2次凝集シリカ粉末又は多孔質シリカ粉末を粉砕したシリカ粉末、アルミナ等が挙げられ、特に溶融シリカ粉末が好ましい。
【0015】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(D)を必須成分とするが、これ以外に必要に応じてシランカップリング剤、赤燐系難燃剤、ブロム化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、ヘキサブロムベンゼン等の難燃剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤及びシリコーンオイル、ゴム等の低応力添加剤、離型剤等の種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
又本発明の封止用エポキシ樹脂組成物を成形材料として製造するには、(A)〜(D)成分、その他の添加剤をミキサー等により十分に均一混合した後、更に熱ロールまたはニーダー等で溶融混合し、冷却後粉砕して成形材料とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するにはトランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すれば良い。
【0016】
【実施例】
以下に本発明を実施例で示す。実施例で使用したエポキシ樹脂組成物の各成分は下記のとおりである。配合割合を表1に示した。各成分の配合割合は重量部とする。
・エポキシA:式(6)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、融点105℃)
・エポキシB:(4,4’−ビス(2,3’−エポキシプロポキシ)−5’−ターシャリブチル−2,3’,5’−トリメチルスチルベン(式(7))を主成分とする樹脂40重量%と4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン(式(8))を主成分とする樹脂60重量%の混合物(エポキシ当量209)
・エポキシC:式(9)で示されるエポキシ樹脂(軟化点60℃、エポキシ当量270)
・フェノールA:式(5)で示されるフェノールアラルキル樹脂(軟化点75℃、水酸基当量174)
・フェノールB:フェノールノボラック樹脂(軟化点105℃、水酸基当量105)
・溶融シリカ :平均粒径20um
・赤燐系難燃剤:赤燐の表面を水酸化アルミニウムで被覆した後、更にその表面をフェノール樹脂で被覆したもので、赤燐含有量94重量%、平均粒径4.5um、最大粒径11um
・1,8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7(以下、DBUという)
・三酸化アンチモン
・シランカップリング剤
・カルナバワックス
・カーボンブラック
上記の各成分を表1の処方に従って配合し、常温でミキサーを用いて混合し、50〜130℃で2軸ロールにより混練し、冷却後粉砕し成形材料とし、これをタブレット化して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。この組成物を低圧トランスファー成形機(成形条件:175℃、70Kg/cm2、120秒)を用いて成形し、得られた成形品を175℃、8時間で後硬化し評価した。結果を表1に示す。
【0017】
【化11】
【0018】
【化12】
【0019】
【化13】
【0020】
【化14】
【0021】
《評価方法》
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。スパイラルフローは流動性のパラメーターであり、数値が大きい方が流動性良好である。単位:cm
耐クラック性、剥離率:使用したパッケージは50pTSOP(LOC構造、パッケージサイズ:21×10×1.0mm、42アロイリードフレーム、チップサイズ:8.8×18.8×0.35mm)、44pTSOP通常構造(非LOC構造、パッケージサイズ:18×10×1.0mm、42アロイリードフレーム、アイランドサイズ:5.0X8.5mm、チップサイズ:4.5×8.0×0.35mm)、44pTSOPウインドウフレーム構造(非LOC構造、パッケージサイズ:18×10×1.0mm、42アロイリードフレーム、アイランドサイズ/ウインドウサイズ:5.0×8.5mm/2.0×5.0mm、チップサイズ:4.5×8.0×0.35mm)の計3種。表面にポリイミド樹脂皮膜を有する半導体素子をLOC、非LOC2種、計3種のTSOP型リードフレーム(42アロイ材、インナーリード先端を銀メッキで被覆)に載置した後、前記樹脂組成物を用いて175℃、1分で硬化し成形品を得、175℃、8時間の後硬化を行ってサンプルとした。各材料毎に5個のパッケージを得た。このパッケージを85℃、60%の恒温恒湿槽内に168時間投入した後に260℃のIRリフロー処理を行った。顕微鏡で処理後のパッケージを観察し、外部クラックの発生率[(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を求めた。単位は%。処理後のパッケージ内部の半導体素子表面のポリイミド樹脂皮膜、リードフレームパッド裏面の剥離を超音波探傷機で観察し、チップと樹脂組成物との剥離面積の割合を測定した。
剥離率((剥離面積)/(チップ面積)×100)を%で表示した。
比較例1〜6
表2の処方に従って配合し、実施例と同様にして樹脂組成物を得、実施例と同様にして評価した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】
本発明に従うと半導体素子表面のポリイミド樹脂、金属リードフレームとの密着性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びメモリー用のLOC構造、非LOC構造、非LOCウインドウパッド構造といった各種薄型半導体装置は、耐半田リフロー性に優れている。
Claims (1)
- (A)一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で示されるエポキシ樹脂の群から選ばれる1種以上を40〜80重量%と一般式(4)で示されるエポキシ樹脂を20〜60重量%含むエポキシ樹脂、(B)一般式(5)で示されるフェノール樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)無機質充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の当量比=1.05〜1.50である半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、表面にポリイミド樹脂皮膜を有する半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
(R1は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同じであっても異なっていてもよい。)
(R2、R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキルを示し、互いに同じであっても異なっていてもよい。炭素−炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互いに異なる。)
(R4は、水素原子、炭素数1〜4のアルキルを示し、互いに同じであっても異なっていてもよい。炭素−炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互いに同じである。)
(R5は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同じであっても異なっていてもよい。nは平均値で、1〜10の正数)
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