JP4635575B2 - 絞り・しごき缶被覆用ポリエステルフィルム、絞り・しごき缶用ポリエステルフィルム被覆金属板、及びポリエステルフィルム被覆絞り・しごき缶 - Google Patents
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Description
板厚減少率(%)=((元板厚−缶壁部板厚)/元板厚))×100 … 数式1
(1)ポリエステルA層とポリエステルB層の二層よりなり、該ポリエステルB層が、ポリエステル原料成分中の全酸成分の1〜8モル%が炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸であるポリエステルよりなる積層ポリエステルフィルムであって、該積層ポリエステルフィルムは、該積層ポリエステルフィルムを該ポリエステルB層が金属板に接するように金属板に貼り合わせ、該積層ポリエステルフィルムの融点以上の熱で再溶融して急速冷却させた後、50℃環境下で鋼球を滑走子としたときの該ポリエステルA層表面の動摩擦係数が、0.30以下であることを特徴とする絞り・しごき缶被覆用ポリエステルフィルム。
(2)前記ポリエステルA層が金属板との非被覆面側となり、かつワックスを含有してなることを特徴とする(1)に記載の絞り・しごき缶被覆用ポリエステルフィルム。
(3)前記(1)又は(2)記載の絞り・しごき缶被覆用ポリエステルフィルムを、前記ポリエステルB層を被覆面として、金属板の少なくとも一方の面に被覆してなることを特徴とする、絞り・しごき缶用ポリエステルフィルム被覆金属板。
(4)前記(3)記載の絞り・しごき缶用ポリエステルフィルム被覆金属板を成形加工してなることを特徴とする、ポリエステルフィルム被覆絞り・しごき缶。
(50℃での動摩擦係数)÷(23℃での動摩擦係数)=動摩擦係数比
(1)鋼球を滑走子とする動摩擦係数
i)50℃環境下での鋼球動摩擦係数
実施例1、2、及び比較例1、2で作成したリメルトアルミニウム板の測定箇所に、50℃の環境下にて鋼球3個を三角形状に配置、固定させ、前記測定箇所と3点で接触(各鋼球で1点ずつ接触)するように滑走子(重量=0.5kg)をセットし、速度200mm/分で滑走させた時の動摩擦係数を測定した。
ii)23℃環境下での鋼球動摩擦係数
23℃環境下にて測定を実施する以外は、上記測定と同様の方法で行った。
iii)動摩擦係数比
(上記i法での鋼球動摩擦係数)÷(上記ii法での鋼球動摩擦係数)
=動摩擦係数比
とした。
(2)温水白化性(温水処理後の白化程度)
実施例1、2、及び比較例1、2で作成したリメルトアルミニウム板を製缶して得た缶を、更に270℃で40秒間加熱した後水中冷却したものをサンプルとする。このサンプルを80℃の温水中に10分間浸漬した後、水中急冷して得た缶を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:白化が目立たない
×:白化によりアルミニウム合金板の色が見えない
(3)成形加工性(製缶性:缶内面樹脂と加工ポンチの離型性)
実施例1、2、及び比較例1、2で作成したリメルトアルミニウム板をn=10で製缶し、成形缶上部に起こる座屈程度を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:缶開口部の座屈未発生
×:缶開口部円周の1/3以上に座屈発生
(4)耐衝撃性(耐デント性)
実施例1、2、及び比較例1、2で作成したリメルトアルミニウム板を製缶して得た缶を280℃で40秒加熱後水中冷却した缶の胴壁中央部より7cm角のサンプルを切り出す。このサンプルの評価をしない面に対して先端径10mmφの重り(600g)を高さ10cmから落して衝撃を付与した。ついで衝撃を与えた部分の評価を実施する面を7%の希塩酸に浸漬させ、3日後に該部の腐蝕状態を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:腐蝕未発生
×:腐蝕発生
(積層ポリエステルフィルムの作製)
ポリエステルA層:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールを用い、固相重合法にて合成したポリエチレンテレフタレート(PET)と、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを用い、同じく固相重合法にて合成したポリブチレンテレフタレート(PBT)とを、PET/PBT=40/60重量%の比率で配合した混合ポリエステルをベース樹脂とし、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%とポリエチレンワックスを1000ppm含有させた、極限粘度0.7dl/g、エチレンテレフタレート環状三量体が0.4重量%のポリエステル組成物A1を用いた。
ポリエステルB層:ジカルボン酸成分がテレフタル酸単位90モル%、炭素数36個のダイマー酸単位10モル%よりなり、ジオール成分がエチレングリコール単位100モル%よりなるダイマー酸共重合PETを用い、この共重合PETとPETを、共重合PET/PET=40/60重量%の比率で混合した、ポリエステル組成物B1を用いた。
実施例1のポリエステル組成物B1における原料成分中の炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸(=ダイマー酸)の割合は、前述したbとcがそれぞれb=10、c=40になるため、10×40÷100=4、即ち全酸成分の4モル%となる。
ポリエステル組成物A1及びポリエステル組成物B1をそれぞれパドルドライヤで乾燥させ、別々の単軸式押出機直上の漏斗状のホッパに供給し、それぞれ押出機内で溶融させた。それぞれの溶融体を、ポリエステル組成物A1/ポリエステル組成物B1=50/50重量%の比率となるようそれぞれの押出機から押し出し、ダイ内で合流させた後、押し出し急冷して未延伸積層シートを得た。
この未延伸積層シートを、予熱温度65℃、延伸温度100℃で、縦方向に3.3倍延伸し、さらにテンター中で予熱温度65℃、延伸温度90℃で、横方向に4.0倍延伸した後、160℃にて8秒間熱処理を行い、160℃で4%の弛緩処理を行い、厚さ20μm(ポリエステルA層の厚み10μm、ポリエステルB層の厚み10μm)の二軸延伸積層フィルムを得、絞り・しごき缶被覆用フィルムとした。
(フィルム被覆金属板の作製)
予熱したアルミニウム板の両面に、上記で作製した積層ポリエステルフィルムのポリエステルB層がアルミニウム板と接するように、ニップロール間を通過させて被覆した後、熱処理を行い、直後に10〜40℃の水槽中で急冷し、両面にフィルムが被覆されたアルミニウム板を得た。被覆時には、初期密着性や張力変動、ニップロールへの巻き付き等もなく、本実施例の積層ポリエステルフィルムの被覆適性は良好であった。次に、積層ポリエステルフィルムを被覆したアルミニウム板を、275℃で加熱した後冷却して、リメルトアルミニウム板を作製し、絞り・しごき缶用金属板とした。該絞り・しごき缶用金属板の23℃環境及び50℃環境下での鋼球動摩擦係数を測定した。又、得られたデータから動摩擦係数比を算出し、表1記載のとおり良好な結果を得た。
(フィルム被覆金属缶の作製)
上記で作製したリメルトアルミニウム板を、板厚減少率30%となるように、絞り・しごき成形を行ってポリエステルフィルム被覆絞り・しごき缶を作製した。成形時には、フィルムの剥離や破れはなく、金型との離型性等もよく、また熱処理後の急冷時にもフィルムの白化による外観変化はなかった。
さらに外面を印刷した後、ニスを塗布し、加熱硬化後、冷風で冷却した。
このようにして成形した金属缶に飲料を充填し、タブの付いた蓋を巻き締め接合後、100℃で30分間温水処理をして、2ピース飲料缶を製造した。
製造された飲料缶は、表1に示したように製缶時の成形加工性も良く、温水処理による白化、白化斑もなく、また飲料へのオリゴマーの溶出やフィルムからの析出もなかった。さらに流通段階や低温保管時に予想される外部からの衝撃に対してもフィルムの破れ等もなかった。
ポリエステルA層:実施例1のポリエチレンテレフタレート(PET)とポリブチレンテレフタレート(PBT)とを、PET/PBT=50/50重量%の比率で配合した混合ポリエステルをベース樹脂とし、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%とポリエチレンワックスを500ppm含有させた、極限粘度0.7dl/g、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物A2を用いた。
ポリエステルB層:ジカルボン酸成分がテレフタル酸単位90モル%、炭素数36個のダイマー酸単位10モル%よりなり、ジオール成分がエチレングリコール単位100モル%であるダイマー酸共重合PETを用い、この共重合PETとPETを、共重合PET/PET=10/90重量%の比率で混合した、ポリエステル組成物B2を用いた。
実施例2のポリエステル組成物B2における原料成分中の炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸(=ダイマー酸)の割合は、前述したbとcがそれぞれb=10、c=10になるため、10×10÷100=1、即ち全酸成分の1モル%となる。
これ以降のフィルム積層工程、フィルム被覆金属板、フィルム被覆金属缶の作製工程、評価については実施例1に準ずる。
製造されたフィルム被覆金属板の23℃環境及び50℃環境下での鋼球動摩擦係数、及び動摩擦係数比は、表1記載のとおりで良好な結果を示した。
製造された飲料缶は、実施例1と同様に、製缶時の成形加工性も良く、温水処理による白化、白化斑もなく、また飲料へのオリゴマーの溶出やフィルムからの析出もなかった。さらに流通段階や低温保管時に予想される外部からの衝撃に対してもフィルムの破れ等はなかった。
こうして製缶性と耐デント性の両立した絞り・しごき缶被覆用ポリエステルフィルム、絞り・しごき缶用ポリエステルフィルム被覆金属板、及びポリエステルフィルム被覆絞り・しごき缶を得ることができた。
ポリエステルA層:実施例1のポリエチレンテレフタレート(PET)とポリブチレンテレフタレート(PBT)とを、PET/PBT=60/40重量%の比率で配合した混合ポリエステルをベース樹脂とし、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%とポリエチレンワックスを700ppm含有させた、極限粘度0.7dl/g、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物A3を用いた。
ポリエステルB層:PETのみを用い、ポリエステル組成物B3とした。従って、比較例1のポリエステル組成物B3における原料成分中の炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸(=ダイマー酸)の割合は、0モル%となる。
これ以降のフィルム積層工程、フィルム被覆金属板、フィルム被覆金属缶の作製工程、評価については実施例1に準ずる。
製造されたフィルム被覆金属板の23℃環境及び50℃環境下での鋼球動摩擦係数、及び動摩擦係数比は、表1記載のとおりで良好な結果を示した。
製造された飲料缶は、製缶性は良好であり、飲料へのオリゴマーの溶出やフィルムからの析出もなかったが、温水処理による白化、白化斑は許容範囲外であり、かつ流通段階や低温保管時に予想される外部からの衝撃に対してフィルムの破れ等が発生した。製缶性と耐デント性のバランスはとれなかった。
ポリエステルA層:実施例1のポリエチレンテレフタレート(PET)とポリブチレンテレフタレート(PBT)とを、PET/PBT=40/60重量%の比率で配合した混合ポリエステルをベース樹脂とし、凝集タイプのシリカ粒子(平均粒径1.5μm)0.3重量%とポリエチレンワックスを1000ppm含有させた、極限粘度0.7dl/g、エチレンテレフタレート環状3量体が0.4重量%のポリエステル組成物A4を用いた。
ポリエステルB層:ジカルボン酸成分がテレフタル酸単位90モル%、炭素数36個のダイマー酸単位10モル%よりなり、ジオール成分がエチレングリコール単位100モル%であるダイマー酸共重合PETが100重量%であるポリエステル組成物B4を用いた。
従って比較例2のポリエステル組成物B4における原料成分中の炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸(=ダイマー酸)の割合は、前述したbとcがそれぞれb=10、c=100になるため、10×100÷100=10、即ち全酸成分の10モル%となる。
これ以降のフィルム積層工程、フィルム被覆金属板、フィルム被覆金属缶の作製工程、評価については実施例1に準ずる。
製造されたフィルム被覆金属板の23℃環境及び50℃環境下での鋼球動摩擦係数、及び動摩擦係数比は、表1に記載のとおりで好ましい結果を得ることはできなかった。
製造された飲料缶は、実施例1と同様に、温水処理による白化、白化斑もなく、また飲料へのオリゴマーの溶出やフィルムからの析出もなかった。さらに流通段階や低温保管時に予想される外部からの衝撃に対してもフィルムの破れ等はなかったものの、製缶時の成形加工性に劣り収率は非常に悪く、製缶性と耐デント性のバランスはとれなかった。
Claims (3)
- ポリエステルA層とポリエステルB層の二層よりなり、該ポリエステルB層は、該ポリエステルB層のポリエステル原料成分中の全酸成分の1〜4モル%が炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸であり、ポリエステルA層が金属板との非被覆面側となり、かつワックスを含有してなることを特徴とするポリエステルよりなる積層ポリエステルフィルムであって、該積層ポリエステルフィルムは、該積層ポリエステルフィルムを該ポリエステルB層が金属板に接するように金属板に貼り合わせ、該積層ポリエステルフィルムの融点以上の熱で再溶融して急速冷却させた後、50℃環境下で鋼球を滑走子としたときの該ポリエステルA層表面の動摩擦係数が、0.30以下であり、該動摩擦係数を23℃環境下と50℃環境下にて測定した場合の下記式(1)の動摩擦係数比が1.3以下であることを特徴とする絞り・しごき缶被覆用ポリエステルフィルム。
(50℃での動摩擦係数)÷(23℃での動摩擦係数)=動摩擦係数比 式(1) - 請求項1記載の絞り・しごき缶被覆用ポリエステルフィルムを、前記ポリエステルB層を被覆面として、金属板の少なくとも一方の面に被覆してなることを特徴とする、絞り・しごき缶用ポリエステルフィルム被覆金属板。
- 請求項2記載の絞り・しごき缶用ポリエステルフィルム被覆金属板を成形加工してなることを特徴とする、ポリエステルフィルム被覆絞り・しごき缶。
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