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JP4635756B2 - 光学部材の形成方法 - Google Patents
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Description

本発明は、感光性組成物からなる光伝送用の硬化体、及び少なくとも上記硬化体上に形成される、上記硬化体よりも小さな屈折率を有する上記硬化体の保護用の硬化体(以下、被覆硬化体という)を含む光学部材(例えば、光導波路、マイクロレンズアレイ等)の形成方法に関する。
光導波路は、光ファイバ同士の接続等のための光学部品であり、光が伝送される部分であるコア部と、コア部の周囲に形成されるクラッド部とから構成される。クラッド部は、コア部を保護するとともに、コア部よりも小さな屈折率を有することによって、コア部からの光の漏出を防止するものである。
従来、2種の樹脂溶液を混合してなる硬化性溶液を用いて、コア部およびクラッド部を含む光伝送路(光導波路)を製造する方法が提案されている(特許文献1)。
この方法は、第1の光硬化性樹脂溶液と該第1の光硬化性樹脂溶液より硬化開始波長が短い第2の光硬化性樹脂溶液との混合溶液に対して、第1の光硬化性樹脂溶液のみを硬化させる波長帯で光ビームを入射させて軸状のコア部を作製した後、このコア部の外周に残存する混合溶液に対して、前記第1および第2の光硬化性樹脂溶液を硬化させる波長帯で光を照射させて、コア部の周囲にクラッド部を作製し、コア部の屈折率がクラッド部の屈折率より大である光伝送路を完成させるものである。
特開2000−347043号公報
上述の文献に記載された技術によれば、現像によるコア部のパターニング工程を含まずに、光の照射のみによって、直線状のコア部、及び該コア部の周囲のクラッド部を形成することができる。
しかし、この技術では、分岐状等の種々の形状を有するコア部は、形成することができない。また、マイクロレンズアレイの如き他の光学部材の形成方法に応用することもできない。
そこで、本発明は、現像によるコア部のパターニング工程を含まずに、光の照射等の簡易な工程のみによって、分岐状等の種々の形状を有するコア部を含む光導波路を形成することができ、さらには、光導波路以外の光学部材(例えば、マイクロレンズアレイ)の形成にも適用することのできる光学部材の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、硬化体(例えば、コア部、マイクロレンズ等)を形成するための所定の光硬化性の成分と、少なくとも上記硬化体上に被覆硬化体(例えば、クラッドや、マイクロレンズ用保護層等)を形成するための所定の光硬化性または熱硬化性の成分とを含む感光性組成物を、基体(例えば、下部クラッド、固体撮像素子等)の上面に薄膜状に塗布した後、この薄膜状の感光性組成物の上面に、所定の波長(例えば、400〜800nm)を有する光を、所定の雰囲気下で、所定のパターン形状を有するマスク等を用いて照射すれば、所定の形状(例えば、分岐状のコアや、多数点在するマイクロレンズ等)を有する硬化体が得られること、及び該硬化体を得た後に、該硬化体及び未硬化部分を含む感光性組成物全体に対して、所定の波長(例えば、400nm未満)を有する光の照射、または加熱を行えば、少なくとも上記硬化体上(例えば、硬化体の周囲及び上)に被覆硬化体が形成されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] 基体上に、硬化体と、少なくとも上記硬化体上に形成される、上記硬化体よりも小さな屈折率を有する被覆硬化体とからなる光学部材を形成するための方法であって、(a)(A)ラジカル重合性化合物、(B)光ラジカル重合開始剤、及び(C)カチオン重合性化合物を含有する感光性組成物を、上記基体の上に塗布する工程と、(b)塗布された上記感光性組成物の上面より、上記硬化体を形成する領域に対して、1容量%以上の酸素の存在下で、上記(B)光ラジカル重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、上記(A)ラジカル重合性化合物の硬化により上記硬化体を形成する工程と、(c)上記(C)カチオン重合性化合物を硬化させうる温度で加熱を行い、少なくとも上記硬化体上に上記被覆硬化体を形成する工程とを含むことを特徴とする光学部材の形成方法。
[2] 基体上に、硬化体と、少なくとも上記硬化体上に形成される、上記硬化体よりも小さな屈折率を有する被覆硬化体とからなる光学部材を形成するための方法であって、(a)(A)ラジカル重合性化合物、(B)光ラジカル重合開始剤、(C)カチオン重合性化合物、及び(D)光カチオン重合開始剤を含有する感光性組成物を、上記基体の上に塗布する工程と、(b)塗布された上記感光性組成物の上面より、上記硬化体を形成する領域に対して、1容量%以上の酸素の存在下で、上記(B)光ラジカル重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、上記(A)ラジカル重合性化合物の硬化により上記硬化体を形成する工程と、(c)上記(C)光カチオン重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、少なくとも上記硬化体上に上記被覆硬化体を形成する工程とを含み、上記(B)光ラジカル重合開始剤が400nm〜800nmに感光波長を有し、かつ、400nm〜800nmに、上記(B)光ラジカル重合開始剤は感光するが上記(D)光カチオン重合開始剤は感光しない波長(λ1)が存在しており、上記工程(b)で照射する光の波長が、前記波長(λ1)であることを特徴とする光学部材の形成方法。
[3] 上記(A)ラジカル重合性化合物が、アクリロイル基を有する化合物である上記[1]または[2]に記載の光学部材の形成方法。
[4] 上記(C)カチオン重合性化合物が、環状エーテル構造を有する化合物である上記[1]または[2]に記載の光学部材の形成方法。
[5] 上記光学部材が光導波路である上記[1]〜「4」のいずれかに記載の光学部材の形成方法。
[6] 上記光学部材がマイクロレンズアレイである上記[1]〜「4」のいずれかに記載の光学部材の形成方法。
本発明の光学部材の形成方法によれば、現像によるコア部のパターニング工程を含まずに、光の照射等の簡易な工程のみによって、分岐状等の種々の形状を有するコア部を含む光導波路や、固体撮像素子の受光部に使用されるマイクロレンズアレイ等の光学部材を形成することができる。
以下、加熱により被覆硬化体を形成する場合と、光照射により被覆硬化体を形成する場合に分けて、本発明を説明する。
[A.加熱により被覆硬化体を形成する場合]
本発明の光学部材の形成方法は、基体上に、硬化体と、少なくとも上記硬化体上に形成される、上記硬化体よりも小さな屈折率を有する被覆硬化体とからなる光学部材を形成するための方法であって、(a)(A)ラジカル重合性化合物、(B)光ラジカル重合開始剤、及び(C)カチオン重合性化合物を含有する感光性組成物を、上記基体の上に塗布する工程と、(b)塗布された上記感光性組成物の上面より、上記硬化体を形成する領域に対して、1容量%以上の酸素の存在下(光ラジカル重合を阻害する気体の存在下)で、上記(B)光ラジカル重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、上記(A)ラジカル重合性化合物の硬化により上記硬化体を形成する工程と、(c)上記(C)カチオン重合性化合物を硬化させうる温度で加熱を行い、少なくとも上記硬化体上に上記被覆硬化体を形成する工程とを含むものである。
本発明において、基体が、光導波路の基板及び下部クラッドである場合、光学部材は、下部クラッドの上に形成されるコア部(硬化体)、及び、コア部の周囲及び上に形成される上部クラッド(被覆硬化体)を含む。
本発明において、基体が、固体撮像素子等の光学デバイスである場合、光学部材は、固体撮像素子上に形成される複数のマイクロレンズ(硬化体)、及び、これら複数のマイクロレンズを保護するための保護層(被覆硬化体)を含む。
[工程(a)]
工程(a)は、(A)ラジカル重合性化合物、(B)光ラジカル重合開始剤、及び(C)カチオン重合性化合物を含有する感光性組成物を、上記基体の上に塗布する工程である。
(A)ラジカル重合性化合物
ラジカル重合性化合物は、硬化速度の速い(メタ)アクリレート系化合物であることが好ましい。
より具体的には、ラジカル重合性化合物は、下記式(1)で表される構造を有する化合物と下記式(2)で表される構造を有する化合物のいずれか1種または両方を含有することが、高屈折率、導波路損失、および基体に対する接着性の観点から好ましい。
耐熱性の向上の観点からは、式(1)で表される構造を有するジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
Figure 0004635756
(式中、Rは−(CHCHO)−、−(CHCH(CH)O)−、または−CHCH(OH)CHO−;Xは−C(CH−、−CH−、−O−または−SO−;Yは水素原子またはハロゲン原子;mは0〜4の整数を表す。)
Figure 0004635756
(式中、Rは−(CHCHO)−、−(CHCH(CH)O)−、または−CHCH(OH)CHO−;Yは水素原子またはハロゲン原子、Ph−C(CH−、Ph−、または炭素数1〜20のアルキル基;nは0〜4の整数を表す。ただし、Phはフェニル基を表す。)
ラジカル重合性化合物の具体例としては、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合基を有する多官能性モノマーや、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合基を有する単官能性モノマーが挙げられる。これら単官能モノマーと多官能モノマーは、併用してもよい。
多官能性モノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等の他、式(1)で表される構造を有するジ(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、エチレンオキシド付加ビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキシド付加テトラブロモビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、プロピレンオキシド付加テトラブロモビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるテトラブロモビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールFエポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールFジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるテトラブロモビスフェノールFエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性モノマーは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、エチレンオキシド付加ビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキシド付加テトラブロモビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート等は、特に好ましく用いられる。
式(1)で表される構造を有するジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、ビスコート#700、#540(以上、大阪有機化学工業(株)製)、アロニックスM−208、M−210(以上、東亞合成(株)製)、NKエステルBPE−100、BPE−200、BPE−500、A−BPE−4(以上、新中村化学(株)製)、ライトエステルBP−4EA、BP−4PA、エポキシエステル3002M、3002A、3000M、3000A(以上、共栄社化学(株)製)、KAYARAD R−551、R−712(以上、日本化薬(株)製)、BPE−4、BPE−10、BR−42M(以上、第一工業製薬(株)製)、リポキシVR−77、VR−60、VR−90、SP−1506、SP−1506、SP−1507、SP−1509、SP−1563(以上、昭和高分子(株)製)、ネオポールV779、ネオポールV779MA(日本ユピカ(株)製)等が挙げられる。
一方、単官能性モノマーとしては、例えばアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート、等の他、式(2)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェニル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,6−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性モノマーは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート等は、特に好ましく用いられる。
式(2)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、アロニックスM113、M110、M101、M102、M5700、TO−1317(以上、東亞合成(株)製)、ビスコート#192、#193、#220、3BM(以上、大阪有機化学工業(株)製)、NKエステルAMP−10G、AMP−20G(以上、新中村化学工業(株)製)、ライトアクリレートPO−A、P−200A、エポキシエステルM−600A(以上、共栄社化学(株)製)、PHE、CEA、PHE−2、BR−30、BR−31、BR−31M、BR−32(以上、第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
本発明の形成対象物が光導波路である場合、ラジカル重合性化合物の硬化後の屈折率(n 25:25℃、波長589nmのNa−D線)が1.53以上であると、コア部とクラッドの間に適当な屈折率差を設けることができるため、好ましい。上記の理由で、ラジカル重合性化合物の硬化後の屈折率が1.54以上であることが、より好ましい。なお、ラジカル重合性化合物が2種以上の化合物からなる場合、ラジカル重合性化合物の屈折率は、ラジカル重合性化合物全体の屈折率、すなわち、平均屈折率をいう。
上記硬化体は、主にラジカル重合性化合物の硬化物からなるが、実際にはカチオン重合性化合物が含まれることもある。
(B)光ラジカル重合開始剤
光ラジカル重合開始剤の種類は、特に制限されないが、例えば、感光波長が400〜800nmである光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
ここで、感光波長が400〜800nmである光ラジカル重合開始剤とは、400〜800nmに実質的な光吸収を有する光ラジカル重合開始剤をいい、厳密に400〜800nmの波長の光のみを吸収することを意味するものではない。
感光波長が400〜800nmである光ラジカル重合開始剤の例としては、キサントン、フルオレノン、フルオレン、アントラキノン、カルバゾール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
感光波長が400〜800nmである光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、Irgacure369、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI11850(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、LucirinLR8728(BASF社製)等が挙げられる。
なお、光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C)カチオン重合性化合物
カチオン重合性化合物の例としては、環状エーテル構造を有する化合物が挙げられる。
ここで、環状エーテル構造を有する化合物としては、例えば、オキシラン化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物等の脂環式エポキシ化合物が挙げられる。
オキシラン化合物の例としては、エポキシノボラック樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ソルビトールペンタグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールトリグリシジルエーテル;グリセリン、ソルビトール等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキシドやカプロラクトンを付加することにより得られるポリグリシジルエーテルやポリシクロヘキセンオキシド類等を挙げることができる。
オキセタン化合物としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシエチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル−(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−[[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル]オキセタン、1,4−ビス[[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル]ベンゼン、1,2−ビス[[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル]ベンゼン、1,3−ビス[[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル]ベンゼン、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等を挙げることができる。
オキソラン化合物の例としては、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジエチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
カチオン重合性化合物の市販品の例としては、UVR−6100、6105、6110、6128、6200、6216(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、2021P、2081、2083、2085、エポリードGT−300、301、302、400、401、403、PB3600、PB4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)、KRM−2100、2110、2199、2400、2410、2408、2490、2720、2750(以上、旭電化工業(株)製)、エピコート828、812、1031、872、CT508(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、デナコールEX−611、612、512、521、411、421、313、314、321(以上、ナガセ化成(株)製)、エポライト40E、100E、70P、200P、400P、1500NP、1600、80MF、100MF、4000、3002(以上、共栄社化学(株)製)、OXA、XDO、POX、DOX、EHOX(以上、東亞合成(株)製)、MMDOL30、MEDOL30、MIBDOL30、CHDOL30、MEDOL10、MIBDOL10、CHDOL10(以上、大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の形成対象物が光導波路である場合、カチオン重合性化合物の硬化後の屈折率(n 25)は、1.53未満であることが好ましく、1.52以下であることがより好ましい。
なお、カチオン重合性化合物が2種以上の化合物からなる場合、「カチオン重合性化合物の硬化後の屈折率(n 25)」とは、2種以上のカチオン重合性化合物全体の屈折率、すなわち、平均屈折率をいう。
本発明で使用する感光性組成物中の各化合物の含有率は、次のとおりである。
ラジカル重合性化合物の含有率は、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは15〜35質量%である。
光ラジカル重合開始剤の含有率は、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%である。
カチオン重合性化合物の含有率は、好ましくは25〜90質量%、より好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは55〜85質量%である。
なお、本発明で用いる感光性組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤等を配合することができる。
感光性組成物を調製するには、各成分を所定の容器に入れた後、ローリングブレンダー、ペイントシェーカー、回転翼を用いた磁気誘導攪拌等の撹拌手段を用いて、均一な混合液になるまで撹拌すればよい。
硬化前の感光性組成物の粘度は、好ましくは10〜10,000mPa・s(cps)、より好ましくは100〜5,000mPa・sである。該粘度が10mPa・s未満の場合、操作性が低下し、該粘度が10,000mPa・sを超えると、塗布性が低下する。
なお、感光性組成物は、通常、無溶剤で調製される。
[工程(b)]
工程(b)は、工程(a)で塗布された感光性組成物の上面より、上記硬化体を形成する領域に対して、1容量%以上の酸素の存在下で、光ラジカル重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、ラジカル重合性化合物の硬化により上記硬化体を形成する工程である。
光の照射(露光)を、1容量%以上の酸素の存在下(例えば、空気雰囲気下)で行うことによって、感光性組成物の塗膜の上面付近の表層部分において、光ラジカル重合を阻害する作用を有する酸素がラジカル重合を阻害して、感光性組成物の硬化の進行を阻止することができる。つまり、光照射により形成された硬化体の上方に、数μmの厚さを有する未硬化部分を残存させることができる。
光照射時の雰囲気中の酸素濃度は、1%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上である。10%以上の酸素を含む雰囲気としては、空気が挙げられる。
なお、光の照射(露光)を、光ラジカル重合を阻害する気体の不存在下(例えば、窒素雰囲気下)で行った場合には、感光性組成物の塗布層の上面から下面まで硬化が進行する。ここで、「光ラジカル重合を阻害する気体の不存在下」とは、光ラジカル重合を阻害する気体を、実質的に光ラジカル重合の阻害の影響を受けない程度しか含まないことを意味する。この場合、光照射後の硬化部分と未硬化部分の境界が明確になり、光導波路を形成した場合の導波路損失が小さくなるという利点を有する反面、感光性組成物の硬化体の上面が露出した状態となるので、この硬化体の上にさらに被覆層を形成させる工程が必要となり、本発明の方法と比べて、光学部材の製造効率が低下する。前記利点を得るための酸素濃度は、1%未満、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.01%以下である。
本発明において、所定の波長の光のみを照射するための方法としては、選択的に所定の波長の光のみを透過するフィルタを通して露光できるようにしたマスクアライナーを用いる方法や、レーザー光を利用する方法等が挙げられる。
感光性組成物の上面より、上記硬化体を形成する領域に対して光を照射するための方法としては、マイクロミラーを使用した光照射や、アライナー等で所定のパターン形状を有するマスクを介した光照射や、レーザー光を用いた描画等が挙げられる。
[工程(c)]
工程(c)は、(C)カチオン重合性化合物を硬化させうる温度で加熱を行い、少なくとも上記硬化体上に被覆硬化体を形成する工程である。
本工程における加熱温度は、好ましくは25℃以上、より好ましくは40℃以上、特に好ましくは60℃以上である。該加熱温度が25℃未満では、熱硬化性のカチオン重合性化合物の硬化が遅く、生産性が低くなる。
本工程における加熱温度の上限値は、特に限定されないが、コスト等の観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下、特に好ましくは110℃以下である。
加熱時間は、カチオン重合性化合物の種類によっても異なるが、好ましくは0.1〜10時間、より好ましくは0.5〜6時間である。
本工程は、空気雰囲気で行ってもよいが、本発明で製造される光学部材の表面が酸化されるのを抑えるために、酸素を含まない不活性雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)で行うのが好ましい。
[B.光照射により被覆硬化体を形成する場合]
本発明の光学部材の形成方法は、基体上に、硬化体と、少なくとも上記硬化体上に形成される、上記硬化体よりも小さな屈折率を有する被覆硬化体とからなる光学部材を形成するための方法であって、(a)(A)ラジカル重合性化合物、(B)光ラジカル重合開始剤、(C)カチオン重合性化合物、及び(D)光カチオン重合開始剤を含有する感光性組成物を、上記基体の上に塗布する工程と、(b)塗布された上記感光性組成物の上面より、上記硬化体を形成する領域に対して、1容量%以上の酸素の存在下で、(B)光ラジカル重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、(A)ラジカル重合性化合物の硬化により上記硬化体を形成する工程と、(c)(C)光カチオン重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、少なくとも上記硬化体上に被覆硬化体を形成する工程とを含み、(B)光ラジカル重合開始剤が400nm〜800nmに感光波長を有し、かつ、400nm〜800nmに、(B)光ラジカル重合開始剤は感光するが(D)光カチオン重合開始剤は感光しない波長(λ1)が存在しており、工程(b)で照射する光が前記波長(λ1)を有することを特徴とするものである。
該光学部材の形成方法が、光導波路のコア部及びクラッドの形成や、固体撮像素子上の複数のマイクロレンズ及び保護層の形成に適用可能であることは、上述の「A.加熱により被覆硬化体を形成する場合」と同様である。
[工程(a)]
工程(a)は、(A)ラジカル重合性化合物、(B)光ラジカル重合開始剤、(C)カチオン重合性化合物、及び(D)光カチオン重合開始剤を含有する感光性組成物を、上記基体の上に塗布する工程である。
このうち、成分(A)〜(C)については、上述の「A.加熱により被覆硬化体を形成する場合」と同様である。
ただし、成分(B)(光ラジカル重合開始剤)としては、400〜800nmに感光波長を有するものが用いられる。
本発明においては、市販の光重合開始剤の感光波長を考慮して、通常、感光波長が400〜800nmである(B)光ラジカル重合開始剤と、後述の感光波長が200nm以上、400nm未満である(D)光カチオン重合開始剤の組み合わせが用いられる。
(D)光カチオン重合開始剤
光照射により被覆硬化体を形成する場合においては、400nm〜800nmに、(B)光ラジカル重合開始剤は感光するが、(D)光カチオン重合開始剤は感光しない波長(λ1)が存在することが必要である。
この条件を満たす(D)光カチオン重合開始剤の例としては、感光波長が200nm以上、400nm未満である光カチオン重合開始剤が挙げられる。
感光波長が200nm以上、400nm未満である光カチオン重合開始剤とは、200nm以上、400nm未満の波長の範囲に実質的な光吸収を有する光カチオン重合開始剤をいい、厳密に200nm以上、400nm未満の波長の光のみを吸収することを意味するものではない。
かかる光カチオン重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、下記式(3)で表される構造を有するオニウム塩を挙げることができる。このオニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。
[R Z]m+[MXn+mm− (3)
(式中、カチオンはオニウムイオンであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、ClまたはN≡Nを示し、R、R、RおよびRは、互いに同一または異なる有機基を示す。a、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はZの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体[MXn+m]の中心原子を構成する金属またはメタロイドを示し、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xは例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。)
上記式(3)において、オニウムイオンの具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィド、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)- フェニル] スルフィド、η −2, 4−(シクロペンタジエニル)[1, 2, 3, 4, 5, 6−η]−(メチルエチル)−ベンゼン] −鉄(1+)等が挙げられる。
上記式(3)において、アニオン[MXn+m] の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等が挙げられる。
また、一般式[MX(OH)] で表されるアニオンを有するオニウム塩を使用することができる。さらに、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
このようなオニウム塩のうち、光カチオン重合開始剤として特に有効な光酸発生剤は、芳香族オニウム塩である。例えば特開昭50−151996号公報、特開昭50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、特開昭52−30899号公報、特開昭56−55420号公報、特開昭55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報等に記載のVA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、特開昭56−149402号公報、特開昭57−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4, 139, 655号明細書に記載のチオビリリウム塩等が好ましい。また、鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤等も挙げることができる。
光カチオン重合開始剤として好適に使用することのできる光酸発生剤の市販品としては、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−172(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacure 261(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−103(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬(株)製)等を挙げることができる。これらのうち、UVI−6970、UVI−6974、アデカオプトマーSP−170、SP−172、CD−1012、MPI−103は、これらを含有してなる組成物に高い光硬化感度を発現させることができることから特に好ましい。
上記の光酸発生剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて、光カチオン重合開始剤を構成することができる。
本発明で使用する感光性組成物中の各化合物の含有率は、次のとおりである。
光ラジカル重合性化合物の含有率は、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは15〜35質量%である。
光ラジカル重合開始剤の含有率は、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%である。
カチオン重合性化合物の含有率は、好ましくは25〜90質量%、より好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは55〜85質量%である。
光カチオン重合開始剤の含有率は、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%である。
成分(A)〜(D)以外に必要に応じて配合しうる成分や、感光性組成物の調製方法や、硬化前の感光性組成物の粘度等は、上述の「A.加熱により被覆硬化体を形成する場合」と同様である。
[工程(b)]
工程(b)は、照射する光の波長が下記のものに限定される点を除き、上述の「A.加熱により被覆硬化体を形成する場合」の工程(b)と同様である。
本工程で照射する光の波長は、(B)光ラジカル重合開始剤は感光するが、(D)光カチオン重合開始剤は感光しない波長(λ1)である。
したがって、上述の「A.加熱により被覆硬化体を形成する場合」と同様に、(A)ラジカル重合性化合物のみを硬化させて、(A)ラジカル重合性化合物を主体とする硬化体を形成させることができる。また、1容量%以上の酸素の存在下で光を照射するため、光照射により形成された硬化体の上方に、数μmの厚さを有する未硬化部分を残存させることができる。
[工程(c)]
工程(c)は、(C)光カチオン重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、工程(b)で形成された上記硬化体の少なくとも上に、被覆硬化体を形成する工程である。
(C)光カチオン重合開始剤の感光波長を含む光としては、例えば、200nm以上、400nm未満の波長を有する光が挙げられる。
本発明の光学部材の形成方法の実施形態例を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の光導波路の形成方法の一例を示すフロー図、図2は、本発明のマイクロレンズアレイの形成方法の一例を示すフロー図、図3は、窒素雰囲気下での露光によってラジカル重合性化合物を硬化させた場合の光導波路の形成方法の参考例を示すフロー図である。
図1中、シリコン基板1の上に、本発明で用いる成分(A)〜(D)を含む液状の感光性組成物、或いは、該感光性組成物中の(C)カチオン重合性化合物及び(D)光カチオン重合開始剤のみを含む液状の組成物を所定の厚さ(20μm程度)で塗布した後、窒素雰囲気下での光(例えば、波長365nmの光)の照射によって、硬化体である下部クラッド2を形成する(図1中の(A))。
なお、シリコン基板1及び下部クラッド2は、本発明における基体に相当する。下部クラッド2の代わりに、シリコン酸化膜の如き無機材料層を形成させてもよい。
次いで、下部クラッド2の上面に、本発明で用いる液状の感光性組成物3を所定の厚さ(30〜40μm)で塗布して、コア用薄膜を形成した後(図1中の(B))、所定のパターン形状を有するマスク4を介して、空気雰囲気下で、400〜800nmの波長を有する光(例えば、波長405nmの光)5をコア用薄膜に部分的に照射し、コア部(硬化体)6を形成する(図1中の(C))。
続いて、窒素雰囲気下で、400nm未満の波長を有する光(例えば、波長365nmの光)7をコア用薄膜に全面的に照射して、コア部6以外の未硬化部分を硬化させ、上部クラッド(被覆硬化体)8を形成する。こうして、コア部6及び2層のクラッド2,8を有する光導波路が完成する(図1中の(D))。
図2中、基体10の上に、本発明で用いる成分(A)〜(D)を含む液状の感光性組成物11を、所定の厚さ(50μm程度)で塗布して、マイクロレンズ用薄膜を形成した後(図2中の(A))、所定のパターン形状を有するマスク12を介して、空気雰囲気下で、400〜800nmの波長を有する光(例えば、波長405nmの光)13をマイクロレンズ用薄膜に部分的に照射し、格子状に多数点在するマイクロレンズ(硬化体)14を形成する(図2中の(B))。
続いて、400nm未満の波長を有する光(例えば、波長365nmの光)15をマイクロレンズ用薄膜に全面的に照射して、マイクロレンズ14以外の未硬化部分を硬化させ、保護層(被覆硬化体)16を形成する。こうして、マイクロレンズアレイが完成する(図2中の(C))。
図3中、まず、シリコン基板21の上に、本発明で用いる成分(A)〜(D)を含む液状の感光性組成物、或いは、該感光性組成物中の(C)カチオン重合性化合物及び(D)光カチオン重合開始剤のみを含む液状の組成物を所定の厚さ(20μm程度)で塗布した後、窒素雰囲気下での光(例えば、波長365nmの光)の照射、または加熱によって、硬化体である下部クラッド22を形成する(図3中の(A))。
次いで、下部クラッド22の上面に、本発明で用いる成分(A)〜(D)を含む液状の感光性組成物23を所定の厚さ(30〜40μm)で塗布して、コア用薄膜を形成した後(図3中の(B))、所定のパターン形状を有するマスク24を介して、窒素雰囲気下で、400〜800nmの波長を有する光(例えば、波長405nmの光)25をコア用薄膜に部分的に照射し、コア部(硬化体)26を形成する(図3中の(C))。
続いて、窒素雰囲気下で、400nm未満の波長を有する光(例えば、波長365nmの光)27をコア用薄膜に全面的に照射して、コア部26以外の未硬化部分を硬化させ、中間クラッド(被覆硬化体)28を形成する(図3中の(D))。
最後に、コア部26及び中間クラッド28を含む層の上面に、下部クラッド22の形成材料と同じ組成物を所定の厚さ(20μm程度)で塗布した後、窒素雰囲気下での光(例えば、波長365nmの光)を全面的に照射して、硬化体である上部クラッド29を形成する。こうして、コア部26及び3層のクラッド22,28,29を有する光導波路が完成する(図3中の(E))。
上記の図1〜図3の方法において、成分(A)〜(D)を含む感光性組成物に代えて、成分(A)〜(C)を含む感光性組成物を使用し、被覆硬化体(光導波路のクラッド、またはマイクロレンズアレイの保護層)を加熱(例えば、80℃、1時間)により硬化させてもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下の文中の「部」は、質量部を表す。
[実施例1]
(1)感光性組成物の調製
(a)使用材料
使用材料は、下記のとおりである。
「VR77」:ビスフェノールAポリエポキシジアクリレート(昭和高分子工業(株)製;硬化物の屈折率:1.56)
「Irgacure819」:トリ(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
「XDO」:1,4−ビス[[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル]ベンゼン(東亞合成(株)製;硬化物の屈折率:1.51)
「セロキサイド2021P」:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製;硬化物の屈折率:1.51)
「SP172」:トリアリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩混合物(旭電化工業(株)製)
(b)調製方法
「VR77」24.5部、「Irgacure819」0.5部、「XDO」63.75部、「セロキサイド2021P」10.5部、「SP172」0.75部を仕込み、液温を50〜60℃に制御しながら1時間撹拌し、液状の感光性組成物を得た。
(2)下部クラッドの形成
4インチシリコン基板上に、前記の液状の感光性組成物をスピンコート法により、膜厚20μmになるように塗布し、下部クラッド用薄膜を形成した。マスクホルダに設置した石英ガラス上にバンドパスフィルタを置き、選択的に365nmの光で露光できるようにしたマスクアライナーを用い、窒素雰囲気下で、前記の下部クラッド用薄膜を1J/cmの照射量で全面露光し、下部クラッドを形成した。
(3)コア部及び上部クラッドを含む層の形成
下部クラッド上に、前記の液状の感光性組成物をスピンコート法により、膜厚35μmになるように塗布し、コア用薄膜を形成した。
バンドパスフィルタによって選択的に405nmの光で露光できるようにしたマスクアライナーを用い、コア部を形成する部分に光が照射されるように作製したマスクを通して、空気雰囲気下で、前記のコア用薄膜を3J/cmの照射量で部分露光し、コア部(硬化体)を形成した。
続いて、下部クラッドの形成時と同じ状態にしたマスクアライナーを用い、窒素雰囲気下で、コア用薄膜を1J/cmの照射量で全面露光し、コア部の周囲及び上方の未硬化部分を硬化させ、上部クラッド(被覆硬化体)を形成し、光導波路を完成させた。
光導波路の850nmにおける導波路損失を測定したところ、2dB/cmであった。
[実施例2]
ガラス基板上に、前記の液状の感光性組成物をスピンコート法により、膜厚50μmになるように塗布し、マイクロレンズ用薄膜を形成した。
バンドパスフィルタによって選択的に405nmの光で露光できるようにしたマスクアライナーを用い、マイクロレンズを形成する部分に光が照射されるように作製したマスクを通して、空気雰囲気下で、前記のマイクロレンズ用薄膜を3J/cmの照射量で部分露光し、格子状に多数点在するマイクロレンズ(硬化体)を形成した。
続いて、マスクホルダに設置した石英ガラス上にバンドパスフィルタを置き、選択的に365nmの光で露光できるようにしたマスクアライナーを用い、窒素雰囲気下で、マイクロレンズ用薄膜を1J/cmの照射量で全面露光し、マイクロレンズの周囲及び上方の未硬化部分を硬化させ、保護層(被覆硬化体)を形成した。
[参考例1]
コア部の形成を窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)で行った以外は実施例1と同様の操作を行った。
その後、コア部及びその周囲のクラッド(中間クラッド)を含む層の上に、前記の液状の感光性組成物をスピンコート法により、膜厚20μmになるように塗布し、上部クラッド用薄膜を形成した。マスクホルダに設置した石英ガラス上にバンドパスフィルタを置き、選択的に365nmの光で露光できるようにしたマスクアライナーを用い、窒素雰囲気下で、前記の上部クラッド用薄膜を1J/cmの照射量で全面露光し、上部クラッドを形成した。これにより光導波路が完成した。
光導波路の850nmにおける導波路損失を測定したところ、0.35dB/cmであった。
本発明の光導波路の形成方法の一例を示すフロー図である。 本発明のマイクロレンズアレイの形成方法の一例を示すフロー図である。 窒素雰囲気下での露光によってラジカル重合性化合物を硬化させた場合の光導波路の形成方法の参考例を示すフロー図である。
符号の説明
1,21 シリコン基板
2,22 下部クラッド
3,11,23 感光性組成物
4,12,24 マスク
5,13,25 波長405nmの光
6,26 コア部(硬化体)
7,15,27 波長365nmの光
8,29 上部クラッド
28 中間クラッド(被覆硬化体)
10 基体
14 マイクロレンズ
16 保護層(被覆硬化体)

Claims (6)

  1. 基体上に、硬化体と、少なくとも上記硬化体上に形成される、上記硬化体よりも小さな屈折率を有する被覆硬化体とからなる光学部材を形成するための方法であって、
    (a)下記成分(A)〜(C):
    (A)ラジカル重合性化合物
    (B)光ラジカル重合開始剤
    (C)カチオン重合性化合物
    を含有する感光性組成物を、上記基体の上に塗布する工程と、
    (b)塗布された上記感光性組成物の上面より、上記硬化体を形成する領域に対して、1容量%以上の酸素の存在下で、上記(B)光ラジカル重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、上記(A)ラジカル重合性化合物の硬化により上記硬化体を形成する工程と、
    (c)上記(C)カチオン重合性化合物を硬化させうる温度で加熱を行い、少なくとも上記硬化体上に上記被覆硬化体を形成する工程と
    を含むことを特徴とする光学部材の形成方法。
  2. 基体上に、硬化体と、少なくとも上記硬化体上に形成される、上記硬化体よりも小さな屈折率を有する被覆硬化体とからなる光学部材を形成するための方法であって、
    (a)下記成分(A)〜(D):
    (A)ラジカル重合性化合物
    (B)光ラジカル重合開始剤
    (C)カチオン重合性化合物
    (D)光カチオン重合開始剤
    を含有する感光性組成物を、上記基体の上に塗布する工程と、
    (b)塗布された上記感光性組成物の上面より、上記硬化体を形成する領域に対して、1容量%以上の酸素の存在下で、上記(B)光ラジカル重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、上記(A)ラジカル重合性化合物の硬化により上記硬化体を形成する工程と、
    (c)上記(C)光カチオン重合開始剤の感光波長を含む光を照射して、少なくとも上記硬化体上に上記被覆硬化体を形成する工程と
    を含み、
    上記(B)光ラジカル重合開始剤が400nm〜800nmに感光波長を有し、かつ、400nm〜800nmに、上記(B)光ラジカル重合開始剤は感光するが上記(D)光カチオン重合開始剤は感光しない波長(λ1)が存在しており、
    上記工程(b)で照射する光の波長が、前記波長(λ1)であることを特徴とする光学部材の形成方法。
  3. 上記(A)ラジカル重合性化合物が、アクリロイル基を有する化合物である請求項1または2に記載の光学部材の形成方法。
  4. 上記(C)カチオン重合性化合物が、環状エーテル構造を有する化合物である請求項1または2に記載の光学部材の形成方法。
  5. 上記光学部材が光導波路である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学部材の形成方法。
  6. 上記光学部材がマイクロレンズアレイである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学部材の形成方法。
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