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JP4637293B2 - 二次電池およびその導電補助層用カーボンインキ - Google Patents
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二次電池およびその導電補助層用カーボンインキ Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池等の二次電池に関し、特に電極活物質として高分子ラジカル材料を用いた二次電池に関する。
近年、通信システムの発展とともに、ノート型パソコン、携帯電話などの携帯電子機器が急激に普及してきた。携帯電子機器は、高機能化される一方で、機能や形状などの多様化も進んでいる。そこで、その電源である電池に対して、小型化、軽量化、高エルギー密度化、高出力密度化などの様々な要求が高まっている。
高エネルギー密度の電池としては、1990年代以降、リチウムイオン電池が広く用いられるようになった。このリチウムイオン電池は、電極活物質として正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムといったリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極に炭素を用いたものであり、リチウムイオンの電極活物質への挿入・脱離反応を利用して充放電を行っている。リチウムイオン電池は、大きなエネルギー密度を持ち、またサイクル特性に優れているため、携帯電話をはじめとした種々の電子機器に利用されている。一方、大きな出力を得ることが難しく、また充電のために長時間を要するという欠点もある。
大きな出力を得ることの出来る蓄電デバイスとして、電気二重層キャパシタが知られている。この電気二重層キャパシタは、大電流を一度に放出できるため、大きな出力を得ることが可能である。しかしながら、エネルギー密度は非常に小さく、しかも小型化が困難であることから、多くの携帯電子機器の電源としては適していない。
また、導電性高分子を電極材料に用いた非水電解質キャパシタも提案されている(特許文献1参照)。この非水電解質キャパシタにおいては、大きな出力を得ることができ、従来の電気二重層キャパシタに比べ高いエネルギー密度をもっている。しかしながら、導電性高分子を電極活物質として用いた電池と同様に、発生するドープ濃度に限界があり、エネルギー密度は小さいものであった。
特許文献2には、正極、負極の少なくとも一方の電極活物質がラジカル材料を含有することを特徴とする二次電池が、また、特許文献3には、ニトロキシル高分子材料を正極中に含有した蓄電デバイスが提案されている。これら二次電池等の蓄電デバイスは、電極活物質(ラジカル化合物)自体の電極反応が速いため大電流で充放電ができ、そのため高い出力が得られるとされている。
更に、特許文献4では、ニトロキシル高分子を電極活物質とする蓄電デバイスの内部抵抗を小さくするために、炭素を主成分とする導電補助層をアルミニウム電極上に一体形成した正極用集電体を用いることを提案している。この蓄電デバイスにおいては、その内部抵抗が小さくすることができ、更に高い出力が得られるとされている。
しかしながら、特許文献4で提案された蓄電デバイスでは、炭素の種類に対する導電補助層の効果について言及しておらず、また、膜厚においてもその効果を確認するも、膜厚の違いによる有効性についても言及していない。また、特許文献4で提案された蓄電デバイスでは、「導電補助層」をアルミニウム電極上に一体形成したものと定義しているが、より分かりやすくするために、ここでは、「集電体と高分子ラジカル材料/導電付与剤電極の間に位置する炭素を主成分とした層」と定義しなおす。
出力特性は、電流と電圧の積によって表されるが、電流に着目した場合、放電電流と放電効率の関係であるレート特性との相関が高い。高いレート特性を示す電池では、大電流による放電が可能となり、高い出力特性が得られる。
特開2000−315527号公報 特許第3687736号公報 特開2002−304996号公報 国際公開2005/078830号
本発明の課題は、導電付与剤と高分子ラジカル材料を有する電極を用いた二次電池であって、導電補助層の性能を更に向上させ、大きな電流においても放電容量の低下が少ない(レート特性が高い)新たな二次電池を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、集電体と高分子ラジカル材料/導電付与剤電極の間に位置する導電補助層の主成分として、グラファイト、繊維状カーボン、特定の粒状カーボンにおいて高い出力が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、少なくとも正極もしくは負極の一方に、電極活物質として高分子ラジカル材料と導電性を有する導電付与剤を用いて成る二次電池であって、集電体と高分子ラジカル材料/導電付与剤電極の間に、DBP(Dibutyl phthalate)吸収量(カーボン粒子間の空隙を満たすに要するDBPの量により、粒子の繋がり、凝集の度合を表す指標)が69cm/100g以下の粒状カーボンを主成分とした導電補助層を設けることを特徴とする二次電池を提供する。
また、本発明は、前記導電補助層が、DBP吸収量が30cm/100g以上、69cm/100g以下の粒状カーボンを主成分とする二次電池を提供する。
また、本発明は、前記導電補助層のDBP吸収量が69cm/100g以下の粒状カーボンの質量比率が50%以上、95%以下である二次電池を提供する。
また、本発明は、前記導電補助層の乾燥後の膜厚が6μm以下である二次電池を提供する。
また、本発明は、前記高分子ラジカル材料が、繰り返し単位中に一般式(1)に示すニトロキシドラジカル構造を持つポリニトロキシドラジカル化合物である二次電池を提供する。
また、本発明は、前記ポリニトロキシドラジカル化合物が、ポリ(4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、ポリ(4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、またはこれらを成分として含む共重合体である二次電池を提供する。
また、本発明は、前記ポリニトロキシドラジカル化合物が、ポリ(4−ビニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、またはこれを成分として含む共重合体である二次電池を提供する。
また、本発明は、前記ポリニトロキシドラジカル化合物が架橋構造を持つ二次電池を提供する。
また、本発明は、前記二次電池がリチウム二次電池である二次電池を提供する。
また、本発明は、少なくとも正極もしくは負極の一方に、電極活物質として高分子ラジカル材料と導電性を有する導電付与剤を用いて成る二次電池において、集電体と高分子ラジカル材料/導電付与剤電極の間に設ける導電補助層の形成に用いる導電補助層用カーボンインキであって、DBP吸収量が69cm/100g以下の粒状カーボンを含有することを特徴とする二次電池の導電補助層用カーボンインキを提供する。
本発明によれば、内部抵抗をより低減でき、結果として、高出力の二次電池が得られるという効果がある。
本発明の二次電池の一例を示す斜視図である。 本発明の二次電池の構成の一例を示す分解斜視図である。 導電補助層の有無によるレート特性の比較図である。 炭素材料の違いによるレート特性の比較図である。 膜厚の違いによるレート特性の比較図である。
図1に本発明の二次電池の一例を斜視図に示す。図2に本発明の二次電池の分解構成の一例を斜視図に示す。図2に示された電池は、正極リード4を有する正極集電体(アルミ箔)3上に形成された、導電補助層2、ラジカル材料/導電付与剤正極1と、負極リード6を有する負極集電体(金属箔)8下に配置した負極7とを、電解質溶液を含むセパレータ5を介して対向するように重ね合わせた構成を有している。これらはアルミラミネート外装体(外装用フィルム)9で封止される。なお、電解質溶液として固体電解質やゲル電解質を用いる場合は、セパレータ5に代えてこれら電解質を電極間に介在させる形態にすることもできる。
本発明の二次電池は、このような構成において、正極1もしくは負極7または両電極と集電体との間に、グラファイト、繊維状カーボン、または特定の粒状カーボンを主成分とする導電補助層2を設けることを特徴とする。本発明の二次電池は、高い電圧が得られるという点から、正極に上記の導電補助層を含む電極を用い、負極にはリチウムまたは炭素などのリチウム層間挿入化合物を用いることが好ましい。
本発明の二次電池における電極の主成分は、高分子ラジカル材料および導電性付与剤である。その他にも、他の電極活物質や導電剤を組み合わせることができる。また、電極の安定性を増したり、作製を容易にしたりすることを目的として結着剤や増粘剤を添加することができる。
本発明の二次電池における導電補助層の主成分は、グラファイト、繊維状カーボン、または特定の粒状カーボンと結着剤である。その他にも、他の導電剤を組み合わせることができる。また、導電補助層の安定性を増したり、作製を容易にしたりすることを目的に増粘剤、その他の添加剤を用いることができる。
[1]導電補助層用カーボン
本発明に用いる導電補助層用カーボンは、導電補助層の主成分であり、集電体と高分子ラジカル材料/導電付与剤電極との電荷移動を補助する機能を有する物質のことである。
前記導電補助層用カーボンとしては、グラファイト、繊維状カーボン、またはDBP吸収量が110cm/100g以下の粒状カーボン(一般に着色用途として供給されている)の内、少なくともいずれか1つを必須としている。本発明に用いる導電補助用カーボンとして、グラファイト、繊維状カーボン、またはDBP吸収量が110cm/100g以下の粒状カーボンのいずれかを単独で用いることができるが、他の炭素材料と組み合わせて用いても良い。なお、実質上、得られる粒状カーボンのDBP吸収量下限値は、30cm/100gであると考えられる。従って、本発明に用いる上記粒状カーボンは、DBP吸収量が110cm/100g以下のものであり、好ましくは30cm/100g以上、110cm/100g以下のものである。
[2]高分子ラジカル材料
本発明に用いる高分子ラジカル材料は、二次電池において電極活物質して機能するものであり、充電反応および放電反応等の電極反応に直接寄与する物質のことである。高分子ラジカル材料としては、ラジカル自体の長期的な安定性が高く、また酸化還元の繰り返し耐性が高いことより、一般式(1)で表されるニトロキシルラジカル構造を持つ高分子ラジカル材料であることが好ましい。
ニトロキシルラジカル材料は、還元状態において一般式(1)で示されるラジカル部分構造をとり、酸化状態において一般式(2)で示されるニトロキシルカチオン部分構造をとるニトロキシル高分子化合物である。
このようなニトロキシルラジカル材料は、下記反応式(A)に示す反応により繰り返し充電および放電を行うことができる。ニトロキシルラジカル材料は、充電時にニトロキシルラジカル構造からニトロキシルカチオン構造へ、放電時にはニトロキシルカチオン構造からニトロキシルラジカル構造へ構造が変化する。
尚、反応式(A)は正極の電極反応を表しており、こうした反応を伴う高分子ラジカル材料は、電子の蓄積と放出を行う蓄電デバイス用材料として機能させることができる。反応式(A)に示す酸化還元反応は、有機化合物の構造変化を伴わない反応機構であるため、反応速度が大きく、この高分子ラジカル材料を電極材料として蓄電デバイスを構成すれば、一度に大きな電流を流すことが可能となる。
本発明において、ニトロキシル高分子化合物としては、長期安定性の観点からその構造中に一般式(3)で示されるピペリジノキシルラジカル、一般式(4)で示されるピロリジノキシルラジカル、および一般式(5)で示されるピロリノキシルラジカルからなる群より選ばれるものを有するものがより好ましく、さらには一般式(6)で示される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカル、一般式(7)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリジノキシルラジカル、および一般式(8)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリノキシルラジカル構造を持つものがより好ましい。
一般式(3)、(4)、(5)においてR〜Rは、炭素数1から4のアルキル基を表わす。
一般式(6)、(7)、(8)においてMeは、メチル基を表わす。
前記ニトロキシル高分子化合物にける主鎖ポリマーの構造としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリデセン、ポリドデセン、ポリヘプテン、ポリイソブテン、ポリオクタデセン等のポリアルキレン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリイソブテン等のジエン系ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸;ポリ(メタ)アクリロニトリル;ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリメチル(メタ)アクリルアミド、ポリジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリイソプロピル(メタ)アクリルアミド等のポリ(メタ)アクリルアミド類ポリマー;
ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリアルキル(メタ)アクリレート類;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー;ポリスチレン、ポリブロモスチレン、ポリクロロスチレン、ポリメチルスチレン等のポリスチレン系ポリマー;ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン等のビニル系ポリマー;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブテンオキシド、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリメチルビニルエーテル、ポリプロピルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリベンジルビニルエーテル等のポリエーテル系ポリマー;ポリメチレンスルフィド、ポリエチレンスルフィド、ポリエチレンジスルフィド、ポリプロピレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテトラフルフィド、ポリエチレントリメチレンスルフィド等のポリスルフィド系ポリマー;
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンパラフェニレンジアセテート、ポリエチレンイソプロピリデンジベンゾエート等のポリエステル類;ポリトリメチレンエチレンウレタン等のポリウレタン類;ポリエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン等のポリケトン系ポリマー;ポリオキシイソフタロイル等のポリ無水物系ポリマー;ポリエチレンアミン、ポリヘキサメチレンアミン、ポリエチレントリメチレンアミン等のポリアミン系ポリマー;ナイロン、ポリグリシン、ポリアラニン等のポリアミド系ポリマー;ポリアセチルイミノエチレン、ポリベンゾイルイミノエチレン等のポリイミン系ポリマー;ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズイミド、ポリピロメルイミド等のポリイミド系ポリマー;
ポリアリレン、ポリアリレンアルキレン、ポリアリレンアルケニレン、ポリフェノール、フェノール樹脂、セルロース、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾキサジン、ポリベンゾキサゾール、オリカルボラン、ポリジベンゾフラン、ポリオキソイソインドリン、ポリフランテトラカルボキシル酸ジイミド、ポリオキサジアゾール、ポリオキシンドール、ポリフタラジン、ポリフタライド、ポリシアヌレート、ポリイソシアヌレート、ポリピペラジン、ポリピペリジン、ポリピラジノキノキサン、ポリピラゾール、ポリピリダジン、ポリピリジン、ポリピロメリチミン、ポリキノン、ポリピロリジン、ポリキノキサリン、ポリトリアジン、ポリトリアゾール等のポリアロマティック系ポリマー;ポリジシロキサン、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系ポリマー;ポリシラン系ポリマー;ポリシラザン系ポリマー;ポリホスファゼン系ポリマー;ポリチアジル系ポリマー;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の共役系ポリマーを挙げることができる。なお、(メタ)アクリルとはメタクリル又はアクリルを意味する。
この中で、電気化学的な耐性に優れている点で、ポリアルキレン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリ(メタ)アクリルアミド類、ポリスチレン系ポリマーを主鎖構造として有することが好ましい。
以下に、本発明の二次電池で好ましく用いられるニトロキシル高分子が有する単位の例として、一般式(9)で表されるポリ(4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、一般式(10)で表されるポリ(4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、一般式(11)で表されるポリ(4−ビニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)であること、またはこれらを成分として含む共重合体や架橋体であることがより好ましい。
本発明の二次電池に用いるニトロキシル高分子化合物の分子量は特に制限はないが、蓄電デバイスを構成した際にその電解質に溶けにくくなる分子量を有していることが好ましい。これは電解質中の有機溶媒の種類との組み合わせにより異なる。一般には、重量平均分子量1,000以上であり、好ましくは10,000以上、特に20,000以上が好ましい。また上限としては、5,000,000以下、好ましくは500,000以下である。また、高分子ラジカル材料は、架橋していてもよく、それにより電解質に対する溶解性を下げることができるため、電解液に対する耐久性を向上させることができる。
また、本発明の電池の一つの極の電極活物質において、本発明で用いる高分子ラジカル材料を単独で用いることができるが、他の電極活物質と組み合わせて用いても良い。このとき、電極活物質中に、本発明で用いる高分子ラジカル材料が10〜90質量%含まれていることが好ましく、また20〜80質量%含まれていることがより好ましい。
本発明の二次電池で、高分子ラジカル材料を正極に用いる場合、他の電極活物質として、金属酸化物、ジスルフィド化合物、他の安定ラジカル化合物、および導電性高分子等を組み合わせることができる。ここで、金属酸化物としては、例えば、LiMnO、LiMn(0<x<2)等のマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、MnO、LiCoO、LiNiO、あるいはLi(0<y<2)、オリビン系材料LiFePO、スピネル構造中のMnの一部を他の遷移金属で置換した材料LiNi0.5Mn1.5、LiCr0.5Mn1.5、LiCo0.5Mn1.5、LiCoMnO、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.33Mn0,33Co0.33、LiNi0.8Co0.2、LiN0.5Mn1.5−zTi(0<z<1.5)、等が挙げられる。
ジスルフィド化合物としては、ジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリチオール等が挙げられる。
他の安定ラジカル化合物としては、2,2−ジフェニルピクリル−1−ヒドラジルやガルビノキシルなどが挙げられる。
また、導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられる。
これらの中でも特に、マンガン酸リチウムまたはLiCoOと組み合わせることが好ましい。本発明では、これらの他の電極活物質を単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の二次電池において、高分子ラジカル材料を負極に用いる場合、他の電極活物質は特に限定されないが、グラファイトや非晶質カーボン、リチウム合金、導電性高分子等を用いることができる。また、他の安定ラジカル化合物を用いてもよい。これらの形状としては特に限定されず、例えば金属リチウムでは薄膜状のものに限らず、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等であっても良い。これらの中でも特に、金属リチウムまたはグラファイトと組み合わせることが好ましい。また、これらの他の電極活物質を単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の二次電池は、正極もしくは負極の一方の電極、または両方の電極における電極活物質として、本発明で用いる高分子ラジカル材料を用いるが、一方の電極のみに前記高分子ラジカル材料を電極活物質として用いる場合、他方の電極における電極活物質として、上記例示のような電極活物質が利用できる。これらの電極活物質を単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用することもできる。さらに、これらの電極活物質の少なくとも1種と、前記の高分子ラジカル材料とを組み合わせて用いてもよい。また、前記高分子ラジカル材料を単独で用いることもできる。
本発明の二次電池では、正極もしくは負極での電極反応に、高分子ラジカル材料が直接寄与していればよく、電極活物質材料として用いる電極は正極もしくは負極のいずれかに限定されるものではない。ただし、エネルギー密度の観点から、特にこの高分子ラジカル材料を正極の電極活物質として用いることが好ましい。このとき、正極活物質としては、この高分子ラジカル材料を単独で用いることが好ましい。ただし、他の正極活物質と組み合わせて使用することもでき、他の正極活物質としては、マンガン酸リチウムまたはLiCoOが好ましい。さらに、上記の正極活物質を用いる場合、負極活物質としては、金属リチウムまたはグラファイトを用いることが好ましい。
[3]導電付与剤
導電付与剤としては、活性炭、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維等の炭素材料、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子が挙げられる。特に、炭素繊維が好ましい。炭素繊維としては、更に、50nmから300nmの平均繊維径を有するものがより好ましい。
[4]結着剤
電極の各構成材料間の結びつきを強めるために、結着剤を用いることもできる。このような結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、各種ポリウレタン等の樹脂バインダが挙げられる。これらの結着剤は、単独で又は2種類以上混合して用いることもできる。電極中の結着剤の割合としては、5〜30質量%が好ましい。また、導電補助層の結着剤の割合としては、5〜50質量%が好ましい。
[5]増粘剤
高分子ラジカル材料の分散体である電極スラリーを作製しやすくするために、増粘剤を用いることもできる。このような増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。これらの増粘剤は、単独でまたは2種類以上混合して用いることもできる。電極中の増粘剤の割合としては、0.1〜10質量%が好ましい。
[6]触媒
本発明の二次電池は、電極反応をより潤滑に行うために、酸化還元反応を助ける触媒を用いることもできる。このような触媒としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子;ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、アクリジン誘導体等の塩基性化合物;金属イオン錯体等が挙げられる。これらの触媒は、単独でまたは2種類以上混合して用いることもできる。電極中の触媒の割合としては、10質量%以下が好ましい。
[7]集電体およびセパレータ
負極集電体、正極集電体としては、ニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス、炭素等からなる箔、金属平板、メッシュ状などの形状のものを用いることができる。電位的な安定性より、正極の集電体としては、特にアルミ箔、負極の集電体としては、銅箔が好ましい。集電体に触媒効果を持たせたり、電極活物質と集電体とを化学結合させたりしてもよい。
一方、上記の正極、および負極が接触しないようにポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質フィルムや不織布などのセパレータを用いることもできる。
[8]電解質
本発明の二次電池において、電解質は、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には20℃で10−5〜10−1S/cmのイオン伝導性を有していることが好ましい。電解質としては、例えば電解質塩を溶剤に溶解した電解液を利用することができる。電解質塩として、例えばLiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CFSOC、Li(CSOC等の従来公知の材料を用いることができる。これらの電解質塩は、単独でまたは2種類以上混合して用いることもできる。このように、本発明の二次電池はリチウム二次電池であることが好ましい。
また、電解液に溶剤を用いる場合、溶剤としては例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒を用いることができる。これらの溶剤を単独もしくは2種類以上混合して用いることもできる。
さらに、本発明の二次電池では、電解質として固体電解質を用いることもできる。固体電解質に用いられる高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体;アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリルニトリル系重合体;さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体などが挙げられる。これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを用いても、電解質塩を含有させた高分子化合物のみをそのまま用いても良い。
[9]導電補助層の作製
導電補助層の作製方法としては、特に限定されず、材料に応じて適宜選択した方法を用いることができるが、最も一般的な作製法としては、グラファイト、繊維状カーボン、または特定の粒状カーボンに、前記記載の結着剤および溶剤を混合し、さらに撹拌することによりスラリー状の均一な分散液とし、導電補助層用カーボンインキとする。このカーボンインキを電極集電体に塗布し、加熱もしくは常温で溶剤を揮発させることにより導電補助層を得る方法が挙げられる。導電補助層におけるグラファイト、繊維状カーボン、または特定の粒状カーボンの質量比率は、50%以上、95%以下が好ましい。スラリー化のための溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド、水などが挙げられる。
上記分散物を使用して電極集電体に塗布、乾燥し、導電補助層を作製するに当り、用いられる方式としては、特に制限されないが印刷方式もしくは塗工方式が利用できる。例えば、スクリーン印刷方式、ロータリースクリーン印刷方式、グラビア印刷方式、グラビアオフセット印刷方式、フレキソ印刷方式、ダイコート法、キャップコート法、ロールコート法等が利用でき、この中で、グラビア印刷方式、グラビアオフセット印刷方式、フレキソ印刷方式がより好ましい。塗工、乾燥後の塗膜厚は6μm以下が好ましい。更に、2μm以下がより好ましい。
[10]電極の作製
電極の作製方法としては特に限定されず、材料に応じて適宜選択した方法を用いることができるが、最も一般的な作製法としては、高分子ラジカル材料に、前記記載の導電付与剤、結着剤および溶剤を混合し、さらに撹拌することによりスラリー状の均一な分散液とし、これを電極集電体に塗布し、加熱もしくは常温で溶剤を揮発させることにより電極を得る方法が挙げられる。スラリー化のための溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド、水などが挙げられる。上記分散物を使用して電極集電体に塗布し、正極もしくは負極を作製するに当り、用いられる方式としては、特に制限されないが印刷方式もしくは塗工方式が利用できる。例えば、スクリーン印刷方式、ロータリースクリーン印刷方式、グラビア印刷方式、グラビアオフセット印刷方式、フレキソ印刷方式、ダイコート法、キャップコート法、ロールコート法等が利用でき、この中で、スクリーン印刷方式、ロータリースクリーン印刷方式がより好ましい。
また電極を作製する場合、電極活物質として、本発明で用いる高分子ラジカル材料そのものを用いて作製する場合と、電極反応によって本発明に用いる高分子ラジカル材料に変化する重合体を用いて作製する場合とがある。このような電極反応によって上記高分子ラジカル材料に変化する重合体の例としては、上記高分子ラジカル材料を還元したアニオン体とリチウムイオンやナトリウムイオン等の電解質カチオンとからなるリチウム塩やナトリウム塩、あるいは、上記高分子ラジカル材料を酸化したカチオン体とPF やBF 等の電解質アニオンとからなる塩等が挙げられる。
[11]電池形状
本発明の二次電池において、電池の形状は特に限定されない。電池形状としては、電極積層体、あるいは巻回体を金属ケース、樹脂ケース、あるいはアルミニウム箔などの金属箔と合成樹脂フィルムからなるラミネートフィルム等によって封止したもの等が挙げられ、円筒型、角型、コイン型、およびシート型等で作製されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[12]電池の製造方法
電極を対極させ(対向配置し)、セパレータを挟んで積層または巻回して外装体で包み、電解液を注入して封止する等の方法が挙げられる。電池を製造する際には、電極活物質として高分子ラジカル材料そのものを用いて電池を製造する場合と、電極反応によって本発明に用いる高分子ラジカル材料に変化する重合体を用いて電池を製造する場合とがある。
本発明の二次電池において、電極からのリードの取り出し、外装等のその他の製造条件は電池の製造方法として従来公知の方法を用いることができる。
以下、本発明の詳細について合成例、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(以下「PVDF」:クレハKF#1300)10部に対し、溶剤N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)90部を加え、予め分散撹拌機を用いて完全にPVDFを溶解し、PVDF10%溶液を調製した。NMP18.52gに粒状カーボン(三菱化学製#25:DBP吸収量69cm/100g)1.23g、PVDF10%溶液5.25g加え、ビーズミルにて分散し、導電補助層用カーボンインキを得た。得られたカーボンインキを、ドローダウンロッドを用いてアルミ箔上に均一に塗布し、乾燥し、膜厚1μmの導電補助層を得た。
NMP24.3gに前述の一般式(9)に相当する高分子ラジカル材料、ポリ(4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)(以下「PTMA」)0.9g、PVDF10%溶液3gを加え、分散撹拌機にて十分分散し、高分子ラジカル分散液を得た。その後、導電付与剤炭素繊維カーボンナノファイバー(VGCF)(以下「VGCF」:昭和電工製)を1.8g加え、分散撹拌機にて均一になるまで撹拌し、電極用インキを得た。得られた電極用インキをメタルマスク(ステンシル)による孔版印刷(ニューロング精密工業製スクリーン印刷機LS−150)により前記作製した導電補助層上に塗布し、真空オーブンにて乾燥後、プレスを行い、横25×縦16mm正極を得た。
この正極のアルミ箔面に、長さ65mm幅0.4mmのアルミリードを溶接した。また、リチウム張り合わせ銅箔(リチウム厚30μm)を正極同様に25×16mmの長方形に打ち抜き金属リチウム負極とし、長さ65mm幅0.4mmのニッケルリードを銅箔面に溶接した。正極、多孔質ポリプロピレンセパレータ(30×20mmの長方形)、負極の順に、ラジカル正極層と金属リチウム負極を対峙する向きで重ね合わせて蓄電体とした。2枚の熱融着可能なアルミラミネートフィルム(縦58mm×横52mm×厚さ0.12mm)の三方を熱融着することにより袋状のケースとし、蓄電体を入れた。更に、電解液[1.0mol/LのLiPF電解質塩を含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液(混合体積比3:7)]を上記のアルミラミネートケースの中に加えた。
この際、アルミおよびニッケルリード付電極の端を2.7cm外に出し、アルミラミネートケースの未溶着の一辺を1.6mmHgの低圧化で熱融着した。これにより、電極と電解液をアルミラミネートケース中に完全に密閉した。以上のように薄型有機ラジカル電池(縦58mm×横52mm×厚さ0.3mm)を作製した。
この導電補助層を設けた実施例1の電池を、1Cで充電し、1Cで放電した際の放電容量を測定した。その後、充電を各々1Cで行い、2C、5C、10C、20Cで放電した際の放電容量を測定した。その結果を図3に示す。図3は、横軸に放電電流密度、縦軸に1Cにて放電した際の放電容量を基準とした百分率(放電効率)を示す。ここで、「1C」は、電池の全容量を1時間で放電する場合の電流密度を指す。尚、「mA/cm」は電流密度を表す。
(比較例1)
導電補助層を設けないで正極を作製すること以外実施例1と同一の方法で電池を作製した。この導電補助層を設けない比較例1の電池を、1Cで充電し、1Cで放電した際の放電容量を測定した。その後、充電を各々1Cで行い、2C、5C、10C、20Cで放電した際の放電容量を測定した。その結果を図3に示す。
(実施例2)
実施例1と同様に、粒状カーボン(三菱化学製#25:DBP吸収量69cm/100g)を用い、5μm膜厚の導電補助層を得た。
水48.6gに、PTMA8gを加え、ビーズミルにて分散し、高分子ラジカル分散液を得た。その後、VGCF2.85g、結着剤ポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」:ダイキン工業製)0.11g、増粘剤カルボキシメチルセルロース(以下「CMC」:ダイセル工業)0.46gを加え、分散撹拌機にて均一になるまで撹拌して、電極用インキを得た。得られた電極用インキを、実施例1と同様の方法で、上記作製した粒状カーボン#25を用いた導電補助層上に塗布し、真空オーブンにて乾燥後、プレスを行い、横25×縦16mm正極を得た。
上記作製した正極を用い、実施例1と同様の方法で薄型有機ラジカル電池(縦58mm×横52mm×厚さ0.3mm)を作製した。
この導電補助層用カーボンとして粒状カーボンを用いた実施例2の電池を、1Cで充電し、1Cで放電した際の放電容量を測定した。その後、充電を各々1Cで行い、2C、5C、10C、20Cで放電した際の放電容量を測定した。その結果を図4に示す。図4は、図3と同様、横軸に放電電流密度、縦軸に1Cにて放電した際の放電容量を基準とした百分率を示す。
(実施例3(参考例)
導電補助層用カーボンとしてグラファイト(SECカーボン製SGP−3)を用い、実施例1と同様の方法で導電補助層用カーボンインキを作製し、アルミ箔上に均一に塗布、乾燥し、導電補助層を得た。その後、実施例2と同様の方法で正極を得た。
実施例2と同様の方法で、上記グラファイトを用いた導電補助層を使用した薄型有機ラジカル電池(縦58mm×横52mm×厚さ0.3mm)を作製した。
この導電補助層用カーボンとしてグラファイトを用いた実施例3の電池を、1Cで充電し、1Cで放電した際の放電容量を測定した。その後、充電を各々1Cで行い、2C、5C、10C、20Cで放電した際の放電容量を測定した。その結果を図4に示す。
(実施例4(参考例)
導電補助層用カーボンとして炭素繊維(VGCF)(繊維状カーボン)を用い、実施例1と同様の方法で導電補助用カーボンインキを作製し、アルミ箔上に均一に塗布、乾燥し、導電補助層を得た。その後、実施例2と同様の方法で正極を得た。
実施例2と同様の方法で、上記炭素繊維を用いた導電補助層を使用した薄型有機ラジカル電池(縦58mm×横52mm×厚さ0.3mm)を作製した。
この導電補助層用カーボンとして炭素繊維を用いた実施例4の電池を、1Cで充電し、1Cで放電した際の放電容量を測定した。その後、充電を各々1Cで行い、2C、5C、10C、20Cで放電した際の放電容量を測定した。その結果を図4に示す。
(比較例2)
導電補助層用カーボンとして導電カーボン(三菱化学製汎用導電カーボン#3050:DBP吸収量175cm/100g)を用い、実施例1と同様の方法で導電補助層用カーボンインキを作製し、アルミ箔上に均一に塗布、乾燥し、導電補助層を得た。
実施例2と同様の方法で、上記導電カーボン#3050を用いた導電補助層を使用した薄型有機ラジカル電池(縦58mm×横52mm×厚さ0.3mm)を作製した。
この導電補助層用カーボンとして導電カーボンを用いた比較例2の電池を、1Cで充電し、1Cで放電した際の放電容量を測定した。その後、充電を各々1Cで行い、2C、5C、10C、20Cで放電した際の放電容量を測定した。その結果を図4に示す。
(実施例5)
実施例1と同様に、粒状カーボン(三菱化学製#25:DBP吸収量69cm/100g)を用い、乾燥後の膜厚1.5μmの導電補助層を得た。その後、実施例2と同様の方法で正極を得た。
実施例2と同様の方法で、上記正極を使用した薄型有機ラジカル電池(縦58mm×横52mm×厚さ0.3mm)を作製した。
上記の導電補助層を用いた実施例5の電池を、1Cで充電し、1Cで放電した際の放電容量を測定した。その後、充電を各々1Cで行い、2C、5C、10C、20Cで放電した際の放電容量を測定した。その結果を図5に示す。
(実施例6)
実施例1と同様に、粒状カーボン(三菱化学製#25:DBP吸収量69cm/100g)を用い、乾燥後の膜厚5μmの導電補助層を得た。その後、実施例2と同様の方法で正極を得た。
実施例2と同様の方法で、上記正極を使用した薄型有機ラジカル電池(縦58mm×横52mm×厚さ0.3mm)を作製した。
上記導電補助層を用いた実施例6の電池を、1Cで充電し、1Cで放電した際の放電容量を測定した。その後、充電を各々1Cで行い、2C、5C、10C、20Cで放電した際の放電容量を測定した。その結果を図5に示す。
図3より、導電補助層の有無により、レート特性が大きく異なり、導電補助層を持つ電池が高いレート特性を示した。
図4より、DBP吸収量が110cm/100g以下の粒状カーボンを主成分とした導電補助層を持つ実施例2の電池、グラファイトを主成分とした導電補助層を持つ実施例3の電池、および炭素繊維を主成分とした導電補助層を持つ実施例4の電池と、導電カーボンを主成分とした導電補助層を持つ比較例2の電池とでは、レート特性が大きく異なり、比較例2の電池よりも実施例2〜4の電池のほうが高いレート特性を示した。そして、実施例2〜4の内で、DBP吸収量が110cm/100g以下の粒状カーボンを主成分とした導電補助層を持つ実施例2の電池が最も高いレート特性を示した。
図5より、乾燥後の膜厚1.5μmに調整した実施例5の電池のレート特性が、乾燥後の膜厚5μmに調整した実施例6の電池のレート特性より、より高いレート特性を示した。
本発明の二次電池は、薄層タイプで高いレート特性が得られるので、高い出力を必要とする二次電池として利用することができ、各種電子機器の小型軽量化に資する。
1 ラジカル材料/導電付与剤正極
2 導電補助層
3 正極集電体
4 正極リード
5 セパレータ
6 負極リード
7 負極
8 負極集電体
9 アルミラミネート外装

Claims (10)

  1. 少なくとも正極もしくは負極の一方に、電極活物質として高分子ラジカル材料と導電性を有する導電付与剤を用いて成る二次電池であって、
    集電体と高分子ラジカル材料/導電付与剤電極の間に、DBP吸収量が69cm/100g以下の粒状カーボンを主成分とした導電補助層を設けることを特徴とする二次電池。
  2. 前記導電補助層は、DBP吸収量が30cm/100g以上、69cm/100g以下の粒状カーボンを主成分とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記導電補助層のDBP吸収量が69cm/100g以下の粒状カーボンの質量比率が50%以上、95%以下である請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記導電補助層の乾燥後の膜厚が6μm以下である請求項1または2に記載の二次電池。
  5. 前記高分子ラジカル材料が、繰り返し単位中に一般式(1)に示すニトロキシドラジカル構造を持つポリニトロキシドラジカル化合物である請求項1または2に記載の二次電池。
  6. 前記ポリニトロキシドラジカル化合物が、ポリ(4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、ポリ(4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、またはこれらを成分として含む共重合体である請求項5に記載の二次電池。
  7. 前記ポリニトロキシドラジカル化合物が、ポリ(4−ビニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、またはこれを成分として含む共重合体である請求項5に記載の二次電池。
  8. 前記ポリニトロキシドラジカル化合物が架橋構造を持つ請求項5に記載の二次電池。
  9. リチウム二次電池である請求項1または2に記載の二次電池。
  10. 少なくとも正極もしくは負極の一方に、電極活物質として高分子ラジカル材料と導電性を有する導電付与剤を用いて成る二次電池において、集電体と高分子ラジカル材料/導電付与剤電極の間に設ける導電補助層の形成に用いる導電補助層用カーボンインキであって、
    DBP吸収量が69cm/100g以下の粒状カーボンを含有することを特徴とする二次電池の導電補助層用カーボンインキ。
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