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JP4637571B2 - δオピオイド受容体作動薬によって下部尿路機能障害を治療するための組成物および方法 - Google Patents
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JP4637571B2 - δオピオイド受容体作動薬によって下部尿路機能障害を治療するための組成物および方法 - Google Patents

δオピオイド受容体作動薬によって下部尿路機能障害を治療するための組成物および方法 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、哺乳動物における下部尿路機能障害、特にδオピオイド受容体作動薬を使用して排尿を制御する筋肉の収縮および弛緩を調整する尿路機能障害を治療する組成物ならびに方法に関する。
関連技術の説明
国立腎泌尿器疾患諮問委員会は、米国では約1700万人の人が尿失禁(UI)に罹患していると概算している。失禁は、多くの人が加齢のプロセスを連想する言葉である。しかし、失禁は、加齢プロセスの自然な部分である。該失禁はいずれの年齢でも発症し得、感染、薬品の影響、筋肉の脆弱化、ホルモンの不均衡、神経障害を含む多くのことが原因となり得る。罹患者は、失禁について当惑、孤立感、恥辱感を感じ、進んでこの問題を取り上げようとはしないため、失禁に関する問題は、主として見過ごされたままになっている。
自制には、中枢神経系(CNS)からの入力、および下部尿路機能が健全であることが必要である。CNSの役割は複雑であり、十分に理解されていないが、しかし、副交感神経、交感神経および体制神経が、自制の維持に関与する主要構造を刺激すると考えられている。排尿(尿排泄)の生理学は複雑であるが、しかし、失禁の病因学および治療を認識するためには、基本的な理解が必要である。尿が尿管を介して膀胱に充填されると、排尿筋が伸展して膀胱を拡張させる。膀胱に充填されると、膀胱壁内の伸展受容器が刺激され、膀胱内の尿量に関する脳の情報が与えられる。膀胱の容積が低い場合、交感神経系が刺激を受けて、副交感神経が阻害される結果、内肛門括約筋の収縮および排尿筋の弛緩が生じる。膀胱が充満になり、排尿が所望されると、脳からの阻害シグナルが、排尿筋の収縮を生じさせる副交感神経系を刺激し、内肛門括約筋の弛緩を生じさせる交感神経系を阻害するインパルスに置き換えられる。次いで、膀胱内圧(intravesicle pressure)は、該膀胱内圧が尿道内の抵抗を超える点まで上昇し、尿は膀胱から流れ出る。一旦、膀胱が空になると、脳は、再度、副交感神経の阻害および交感神経の刺激を生じるインパルスを送り、排尿筋の弛緩および内肛門括約筋の収縮を生じる。膀胱は、再度、尿で充填される態勢になる。このように、下部尿管機能はそれほどまでに多くのCNSに関与するため、医薬品および疾患の影響は、しばしば予想することが困難である。
異なるタイプの尿路機能障害は異なる徴候を示す。例えば、排尿困難は、頻尿、夜間多尿および尿意促迫を含み、膀胱炎、前立腺炎、前立腺肥大(BPH)または神経障害によって発症し得る。遺尿症とは、夜間または睡眠中に不随意に尿が通過することを指す。
尿路機能障害のタイプおよび原因が決定された後、行動、外科および/または薬理学的療法アプローチを多様に含み得る治療が続く。行動療法は、筋肉運動、摂取する液体のタイミングもしくは量の調節、および/または排尿の促進を含むことができる。しかし、前記方法は、動機付け、および施設などのいくつかの設備における失禁患者の管理を担当する看護スタッフの献身に依存する。
閉塞、前立腺の拡張、および骨盤筋の脆弱化などの所定の障害を補正するには、手術が必要であり得るが、固有の合併症が手術と同時に発生し得るため、手術は最終的手段であると考えられている。
薬物療法は、行動療法および手術の代わりに、尿路機能障害を治療するアプローチとしてより広範に使用されている。フェニルプロパノールアミンおよびプソイドエフェドリンなどのαアドレナリン作動薬;オキシブチニン、プロパンテリン、ジシクロミンおよびトルテロジンなどの抗コリン薬;プラゾシン、テラゾシンおよびドキサゾシンなどのαアドレナリン遮断薬;ならびに三環系抗うつ薬を含む様々な治療薬が使用されている。しかし、これらの薬物は、すべての患者に有効ではないかもしれない。さらに重要なことに、涸渇、悪心、不眠、脆弱および/または疲労感などのこれらの薬物のネガティブな副作用は治療を停止するか、または患者のコンプライアンスを損ない得る。さらに、疾患の状態または他の薬物による有害な相互作用によって、これらの化合物の使用が禁忌であるか、またはより低い用量しか求められ得ず、該低用量では尿路機能障害を治療するのに有効ではない可能性がある。
よって、現在の療法は、尿路機能障害に関連する問題を首尾よく解決はしない。したがって、当該分野は、簡便に使用することができ、当惑感を伴わず、先行療法に関連する問題に関与しない尿路機能障害の治療のための薬剤の改良について探査し続けている。
発明の概要
本発明は、1つの態様において、尿路機能障害の治療を必要とする被験体に、尿路機能障害の影響を減少するのに有効な量のδオピオイド受容体作動薬を含んでなる薬学的組成物を投与することによる方法に関する。薬学的組成物は、いくつかのネガティブな副作用を伴うにもかかわらず、尿路機能障害を治療するのに有効であることが見出されているさらなる活性薬剤、例えば、αアドレナリン作動薬、抗コリン薬、αアドレナリン遮断薬および三環系抗うつ薬をさらに含むことができ、それによって、低用量のさらなる前記活性薬剤は、δオピオイド受容体作動薬との併用で、前記ネガティブな副作用を改善もしくは排除するか、または併用による他の相乗的利益を達成することが可能である。
本発明の別の態様は:

ならびにその薬学的に許容可能な塩およびエステル
よりなる群から選択される有効量のδオピオイド受容体作動薬を含んでなる薬を被験体に投与することを含んでなる、尿路機能障害の影響を減少するための方法に関する。
本発明の別の態様は、尿路機能障害の影響を減少するための方法であって、式:

[式中:
Arは、炭素、窒素、酸素およびイオウよりなる群から選択される原子を有する5もしくは6員環炭環式またはヘテロ環式芳香環であり、チオフェニル、チアゾリル、フラニル、ピロリル、フェニル、もしくはピリジルを含み得、その第1の炭素原子上に置換基Yおよびその第2の環炭素上に置換基Rを有し、
Yは:
水素;
ハロゲン; C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル;
〜Cハロアルキル;
〜Cアルコキシ;
〜Cシクロアルコキシ;
式SRの硫化物(式中、RはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール部分およびC〜Cアルキル部分を有するアリールアルキル、またはC〜C10アリールである);
式SORのスルホキシド(式中、Rは上記と同一である);
式SOのスルホン(式中、Rは上記と同一である);
ニトリル;
〜Cアシル;
式NHCOのアルコキシカルボニルアミノ(カルバモイル)(式中、Rは上記と同一である);
カルボン酸、またはそのエステル、アミド、もしくは塩;
式CHNR10のアミノメチル(式中、RおよびR10は同一または異なり、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cメトキシアルキル、C〜Cシクロアルキル、もしくはC〜C10アリールであり、またはRおよびR10は一緒になって5もしくは6個の原子の環を形成し、環原子はNおよびCよりなる群から選択される);
式CONR10のカルボキサミド(式中、RおよびR10は上記と同一またはそのC〜C30ペプチドコンジュゲートである);ならびに
式SONR10のスルホンアミド(式中、RおよびR10は上記と同一である)
よりなる群から選択され;
Gは炭素または窒素であり;
は水素、ハロゲン、またはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルであり;
、RおよびRは同一または異なり、水素およびメチルから独立して選択され、ここで、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは水素ではないが、ただし、メチル基の合計数は2を超えないか、もしくはR、RおよびRのうちの任意の2つは一緒になって1〜3個の炭素原子の架橋を形成し;
は:
水素;
〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル;
〜Cシクロアルキル;
〜C10アリールおよびC〜Cアルキル部分を有するアリールアルキル;
〜CアルコキシおよびC〜Cアルキル部分を有するアルコキシアルキル;
〜Cシアノアルキル;
〜Cヒドロキシアルキル;
〜Cアルキル部分を有するアミノカルボニルアルキル;ならびに
12COR13、式中、R12はC〜Cアルキレンであり、R13はC〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシもしくは水酸基である
よりなる群から選択されるか、
あるいはR

であり、
Arは、炭素、窒素、酸素およびイオウよりなる群から選択される原子を有する5もしくは6員環炭環式またはヘテロ環式芳香環であり、その炭素原子上に置換基Xを有し、
ここで、Xは、ハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素)、水素、水酸基、およびそのエステル、カルボキシおよびそのエステル;カルボキシC1〜C4アルキルおよびそのエステル;カルボン酸、アルコキシ、ヒドロキシメチル、およびそのエステル;ならびにアミノ、およびそのカルボキサミドおよびスルホンアミド;ならびにその薬学的に許容可能な塩よりなる群から選択される]
の少なくとも1つの化合物の有効量を被験体に投与することを含んでなる上記方法に関する。
意外なことに、ヒドロキシル基で置換されたフェノール環が、δオピオイド受容体を認識し、生理学的効果を生成するためのペプチドおよび非ペプチドリガンドの重要なファーマコフォアとして引用されているという事実があるものの、ヒドロキシル基で置換されたフェノール環もヒドロキシル基のメチル化も含まない上記で同定される化合物が、尿管の問題の治療に有効であることが見出されている。リアオ(Liao)ら(1998)、J.Med.Chem.,41,4767−4776。
本発明のさらなる態様では、本発明の方法を行うために薬学的組成物が提供される。薬学的組成物は、1つの実施態様において:

ならびにその薬学的に許容可能な塩およびエステルよりなる群から選択される有効量の少なくとも1つのδオピオイド受容体作動薬を、薬学的に許容可能なキャリア、および必要に応じて、泌尿器機能障害に使用されるさらなる活性薬剤との組み合わせで含んでなる。さらなる活性薬剤として、フェニルプロパノールアミンおよびプソイドエフェドリンなどのαアドレナリン作動薬;オキシブチニン、プロパンテリン、ジシクロミンおよびトルテロジンなどの抗コリン薬;プラゾシン、テラゾシンおよびドキサゾシンなどのαアドレナリン遮断薬;ならびに三環系抗うつ薬が挙げられるが、これらに限定されない。
他のタイプの成分、例えば、賦形剤、界面活性剤、保存剤、安定化剤、キレート剤などもまた、組成物に組み入れることができ、このことは、薬学的組成物の調製および薬物送達に係わる当業者にも理解されるであろう。
薬学的組成物の投与は、下部尿路機能障害の治療においてδオピオイド受容体作動薬が有効であるような予め決定された用法内で行われる。
薬学的組成物の送達は、尿路機能障害の緩和を提供するのに有効な任意の投与経路を介して達成することができ、該経路は、経口、直腸、膣、局所、舌下、粘膜、経鼻、眼、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、脊髄、髄膜、関節内、動脈内、くも膜下、気管支、リンパ、経尿道、陰茎海綿体内注射および尿道坐剤投与を含むがこれらに限定されない。
本発明のさらなる別の態様は、尿路機能障害、例えば、遺尿症、失禁または排尿困難を治療するためのキットに関し、ここで、キットは、例えば、薬学的に許容可能な塩またはエステルの形態で本明細書に開示したδオピオイド受容体作動薬を含んでなり、ここで、オピオイド受容体作動薬は、尿路機能障害の影響を減少するのに有効な量で提供される。キットはまた、キャリングケースおよび/または保存ケースなどのキット容器中に投与、投与回数、服薬遵守のための禁忌などに関する指示書を含むことができる。
本発明の他の様々な態様、特徴および実施態様については、次の開示内容および添付の特許請求の範囲によりさらに十分に明らかになるであろう。
発明の詳細な説明および発明の好適な実施態様
以下の米国特許の開示内容は、本明細書において参考としてそれぞれの内容全体が援用される:
チャング(Chang)ら、米国特許第5,552,404号、1996年9月3日発行;
チャング(Chang)ら、米国特許第5,574,159号、1996年11月12日発行;
チャング(Chang)ら、米国特許第5,658,908号、1997年8月19日発行;
チャング(Chang)ら、米国特許第5,681,830号、1997年10月28日発行;
チャング(Chang)ら、米国特許第5,854,249号、1998年12月29日発行;
チャング(Chang)ら、米国特許第5,807,858号、1998年9月15日発行;
チャング(Chang)ら、米国特許第5,985,880号、1999年11月16日発行;および
チャング(Chang)ら、米国特許第6,300,332号、2001年10月9日発行。
δオピオイド受容体は、ヒトを含む多くの種の中枢および末梢神経系に存在する。δオピオイド受容体は、循環および痛覚系、免疫調節活性および胃腸障害などの多くの身体機能において役割を果たすものとして同定されている。
作動薬は、δオピオイド受容体を認識および結合し、それによって、薬理学的応答を発揮することにより生化学および/または生理学的経路に影響を及ぼす。オピオイド受容体活性化の主要ニューロン効果の1つは、アセチルコリンおよびノルエピネフリンなどの神経伝達物質の放出ならびに遊離を遮断することである。任意の特定の作用機構による結合を所望しない一方、本発明において開示する特定のδオピオイド受容体作動薬の1つによるδオピオイド受容体の活性化は、究極的に、副交感神経末端からのアセチルコリンの放出を阻害し、その結果、平滑筋の収縮を妨害して、同時に尿排泄を遅延させる。
定義
本発明を詳細に説明する前に、本発明は、特定の薬物送達系に限定されないことを理解すべきである。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施態様を説明することを目的としており、制限することを意図するものではない。
本発明を説明し、権利を主張するのに、下記の定義に従って以下の用語を使用する。
本明細書で使用する「経皮」送達は、経皮(または「経皮的(percutaneous)」)ならびに経粘膜投与、即ち、薬物の皮膚または粘膜組織を介する血流への通過による送達を含む。
本明細書で使用する「局所投与」とは、局所的薬物または薬理学的活性薬剤の皮膚または粘膜への送達を意味する。
本明細書で使用する「キャリア」または「ビヒクル」は、薬物の投与に適切なキャリア材料を指す。ここで有用なキャリアおよびビヒクルには、当該分野において既知であるような任意の材料、例えば、非毒性であり、有害な様式で組成物の他の成分と相互作用しない任意の液体、ゲル、溶媒、液体希釈剤、可溶化剤などが含まれる。
本明細書で使用する泌尿器障害を治療するための化合物の「有効量」は、障害の少なくとも1つの徴候またはパラメータの測定可能な改善を生じる量である。
泌尿器機能障害を治療するためのδオピオイド受容体作動薬
本発明の方法では、泌尿器機能障害を経験しているかまたは該障害にかかりやすい被験体に有効量のδオピオイド受容体作動薬を投与する。第1の実施態様では、適切なδオピオイド受容体作動薬として、以下の化合物:


ならびにその薬学的に許容可能な塩、エステルおよび活性代謝物が挙げられる。そのような化合物の組み合わせもまた、本発明の範囲内での使用が考慮される。
δオピオイド受容体作動薬はまた、アミドもしくはプロドラッグおよび/またはその組み合わせの形態で投与してもよい。活性薬剤の塩、エステル、アミドおよびプロドラッグは、有機合成化学の分野において公知であり、例えば、J.マーチ(J.March),Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure、第4版(ニューヨーク(New York);ウィリー−インターサイエンス(Wiley−Interscience),1992)に記載されている標準的手順を使用して、調製することができる。例えば、酸付加塩は、適切な酸との反応に関与する従来の手段を使用して、遊離の塩基(典型的に、ここで、薬物の中性形態は中性の−NH基を有する)から調製される。一般に、活性薬剤の塩基性形態を、例えば、メタノールまたはエタノールなどの極性有機溶媒に溶解し、それに酸を添加する。得られる塩は沈殿するか、または低極性溶媒の添加によって溶液からもたらされる。酸付加塩を調製するための適切な酸としては、有機酸、例えば、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸など、ならびに無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの両方が挙げられる。酸付加塩は、適切な塩基で処置することによって、遊離の塩基に再変換してもよい。対照的に、活性薬剤上に存在し得る酸部分の塩基性塩の調製は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミンなどの薬学的に許容可能な塩基を使用する類似の様式で調製される。
薬学的に許容可能な塩の例としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム)、アンモニウムおよびNR’ (式中、R’はC〜Cアルキルである)適切な塩基から誘導される塩が挙げられる。アミノ基の薬学的に許容可能な塩としては、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、ラクトビオン酸、フマル酸、およびコハク酸などの有機カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸;ならびに塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸などの無機酸の塩が挙げられる。水酸基を有する化合物の薬学的に許容可能な塩は、Na、NH 、またはNR’ (式中、R’は、例えば、C〜Cアルキル基である)などの適切なカチオンとの組み合わせで前記化合物のアニオンからなる。
エステルの調製は、δオピオイド受容体作動薬の分子構造内に存在し得る水酸基および/またはカルボキシル基の官能基に関与する。水酸基のエステルは、典型的に、遊離のアルコール基のアシル置換誘導体、即ち、式RCOOH(式中、Rはアルキル、好ましくは低級アルキルである)のカルボン酸から誘導される部分である。所望であれば、従来の加水分解手順によって、エステルを遊離の酸に再変換することもできる。薬学的に許容可能なエステルの例としては、エステル群のカルボン酸部の非カルボニル部分が直鎖または分岐鎖アルキル(例えば、n−プロピル、t−ブチル、n−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、およびアリール(例えば、フェニル)から選択される本発明の化合物中の水酸基のカルボン酸エステル;アルキル−、アリール−、またはアリールアルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル);アミノ酸エステル(例えば、L−バリルまたはL−イソロイシル);ジカルボン酸エステル(例えば、ヘミコハク酸エステル);炭酸エステル(例えば、エトキシカルボニル);カルバミン酸エステル(例えば、ジメチルアミノカルボニル、(2−アミノエチル)アミノカルボニル);ならびに無機エステル(例えば、一リン酸、二リン酸もしくは三リン酸)が挙げられる。薬物の分子構造内のカルボニル基のエステルは、C〜Cアルコール(例えば、エタノール、プロパノール)またはアリールアルキルアルコール(例えば、ベンジルアルコール)から典型的に調製される。アミドおよびプロドラッグの調製は類似の様式で行うことができる。
δオピオイド受容体作動薬の他の誘導体および類似体は、有機合成化学の当業者に既知である標準的な技術を使用して、調製しても、または適切な文献を参考にして推定してもよい。さらに、キラルな活性薬剤は、純粋な異性体の形態であっても、またはそれらを異性体のラセミ混合物として投与してもよい。
薬学的処方および投与形態
本発明の処方としては、経口、経鼻、局所(頬および舌下を含む)、直腸、膣および/または非経口投与に適切な処方が挙げられる。目的とする投与形態に依存して、薬学的組成物は、例えば、錠剤、坐剤、ピル、カプセル、散剤、液剤、懸濁剤、クリーム、軟膏、ローションなどの固体、半固体または液体の剤型であってもよく、好ましくは、正確な用量の単回投与に適切な単位剤型である。組成物は、所望であれば、薬学的に許容可能なキャリアとの組み合わせで有効量のδオピオイド受容体作動薬を含み、さらに、他の薬学的薬剤、アジュバント、希釈剤、緩衝剤などを含んでもよい。投与される活性薬剤の量は、もちろん、治療する被験体、被験体の重量、投与様式および処方する医師の判断に依存する。
尿路障害およびその徴候には、尿意促迫、頻尿、失禁、尿もれ、遺尿症、排尿困難、排尿躊躇および膀胱を空にすることが困難であることが含まれる。さらなるパラメータは尿の容積である。障害を治療するためのδオピオイド受容体作動薬の有効量は、用量および回数のマトリックスを確立し、実験単位または被験体のグループをマトリックスにおける各ポイントと比較することによるなどの当該分野において既知の実験によって決定することができる。任意の徴候もしくは有害な局面の任意の臨床的または統計的に有意な減弱は本発明の範囲内にあることが理解されよう。臨床的に有意な減弱とは、患者および/または医師に認知され得ることを意味する。
単一の患者が、尿意促迫および頻尿などの排尿困難のいくらかの徴候を同時に患うことがあるが、そのいずれか一方または両方を本発明の方法を使用して減少させることができる。失禁の場合、所望されない尿の通過の回数または容積の任意の減少は、本発明の治療方法の有益な効果とみなされる。
単一剤型を生成するためのキャリア材料と組み合わせることができるδオピオイド受容体作動薬の量は、泌尿器障害を治療するのに有効な量である。一般に、δオピオイド受容体作動薬の量は、全処方の約1重量%〜99重量%、好ましくは約5%〜70%、最も好ましくは約10%〜約30%の範囲である。投与されるδオピオイド受容体作動薬の量は治療する被験体、被験体の重量、投与様式および処方する医師の判断にさらに依存する。
固体組成物では、従来の非毒性固体キャリアとして、例えば、製薬用マンニトール、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、ブドウ糖、ショ糖、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。液体の薬学的に投与可能な組成物は、例えば、本明細書に記載の活性化合物および随意の製薬アジュバントを、例えば、水、塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、エタノールなどの賦形剤に溶解、分散し、それにより溶液または懸濁液を形成させることなどによって、調製することができる。所望であれば、投与しようとする薬学的組成物は、また、湿潤または乳化剤、pH緩衝化剤など、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸ナトリウムトリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミンなどのより少量の非毒性助剤物質を含有してもよい。そのような剤型を調製する実際の方法は、当業者に既知であるか、または明らかである;例えば、レミングトン(Remington):the Science and Practice of Pharmacy、第19版(ペンシルバニア州イーストン(Easton,Pa.):マック・パブリシング社(Mack Publishing Co.)、1995) を参照のこと。
経口投与では、組成物は、一般に、錠剤またはカプセルの形態を取るか、あるいは水性もしくは非水性溶液、懸濁液またはシロップであってもよい。錠剤およびカプセルは好適な経口投与形態である。経口用途のための錠剤およびカプセルは、一般に、乳糖およびコーンスターチなどの1つもしくはそれ以上の一般に使用されるキャリアを含む。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤もまた、典型的に添加される。液体懸濁液を使用する場合、本発明のδ受容体作動薬を乳化剤および懸濁化剤と組み合わせてもよい。所望であれば、薬味、着色剤および/または甘味料をさらに添加してもよい。本明細書に記載の経口処方に組み入れるための他の随意的成分として、保存剤、懸濁化剤、濃化剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
非経口投与(使用するのであれば)は、一般に、注射を特徴とする。注射可能な処方は、液体の溶液または懸濁液、注射前に液体に溶解もしくは懸濁するのに適切な固体形態、あるいは乳濁液のいずれかとして従来の形態で調製することができる。好ましくは、滅菌注射用懸濁液は、当該分野において既知の技術に従って、適切なキャリアを使用し、薬剤を分散または湿潤させ、薬剤を懸濁して、処方される。滅菌注射用処方はまた、非毒性の非経口投与に許容可能な希釈剤もしくは溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。用いることができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、リンゲル溶液(Ringer’s solution)および塩化ナトリウム等張溶液がある。さらに、滅菌の不揮発性油、脂肪エステルまたはポリオールは、溶媒または懸濁化媒体として従来より用いられている。非経口投与のためのさらに別の代替的アプローチは、一定レベルの用量が維持されるような徐放または持続放出系の使用に関与する。
活性薬剤は、経尿道的薬物送達に適切な薬学的処方で投与することができる。処方は、水、シリコーン、蝋、流動パラフィン、ポリエチレングリコール(「PEG」)、プロピレングリコール(「PG」)、リポソーム、マンニトールおよび乳糖などの糖、ならびに/あるいは他の様々な材料などの1つもしくはそれ以上の選択されたキャリアまたは賦形剤を含有するが、ポリエチレングリコールおよびその誘導体が特に好適である。
δオピオイド受容体作動薬の制御または持続放出を提供する剤型で本発明の化合物を送達することを所望してもよい。そのような場合、剤型は、典型的に、生体適合性、生物分解性材料、典型的に、生物分解性ポリマーを含んでなる。そのようなポリマーの例としては、ポリエステル、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリオルソエステル、ポリ酸無水物、アルブミン、ゼラチンおよび澱粉が挙げられる。これらおよび他のポリマーを使用して、制御および持続性薬物放出を可能にし、次に、必要な投与回数を最小にする生物分解性微小球を提供することができる。
本発明の化合物はまた、従来の経皮薬物送達系、即ち、経皮「パッチ」を使用する皮膚または粘膜組織を介して送達してもよく、ここで、本発明の組成物は、典型的に、身体表面に添付する薬物送達デバイスとしての役割を果たす積層構造内に含有される。そのような構造では、薬学的組成物は、典型的に、上部裏打ち層の下にある層、または「貯蔵器」に含有される。積層デバイスは、単一の貯蔵器を含有してもよく、または該デバイスは複数の貯蔵器を含有してもよい。1つの実施態様では、貯蔵器は、薬物送達中の皮膚にシステムを添付する役割を果たす薬学的組成物接触付着材料のポリマーマトリックスを含んでなる。適切な皮膚接触付着材料の例としては、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、ポリウレタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、活性薬剤を含有する貯蔵器および皮膚接触付着剤は、個別および異なる層として存在し、貯蔵器の下にある付着剤は、この場合、上記のポリマーマトリックスであってもよく、あるいは該付着剤は液体もしくはゲル貯蔵器であってもよく、または他のいくつかの形態を取ってもよい。デバイスの上部表面としての役割を果たすこれらの積層中の裏打ち層は、積層構造の主要構造エレメントとして機能し、その可撓性の多くを担うデバイスを提供する。裏打ち層のために選択される材料は、活性薬物および存在する他の任意の材料に対して実質的に不浸透性であるべきである。
あるいは、本発明の薬学的組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与してもよい。これらは、薬剤を、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、従って、直腸内で融解して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって、調製することができる。そのような材料としては、ココアバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが挙げられる。坐剤形態の重量は、典型的に、約1mg〜50mgの範囲である。しかし、坐剤のサイズが活性薬剤の効力、組成物の性質、および他の要因に依存して変動し得また変動するであろうことは、当業者であれば理解するであろう。
本発明の薬学的組成物はまた、鼻エアゾルまたは吸入によって投与してもよい。鼻スプレー処方は、保存剤および等張剤ともに活性化合物の精製された水溶液を含んでなる。そのような処方は、好ましくは、鼻粘膜に適合するpHおよび等張状態に調整される。そのような組成物は、薬学的処方の分野において周知である技術に従って調製され、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フルオロカーボンまたは窒素などのプロペラント、および/または他の従来の可溶化もしくは分散化剤を用いて、塩水溶液として調製してもよい。
本発明のδオピオイド受容体作動薬は、軟膏およびクリームなどの局所薬物送達のための処方で調製してもよい。軟膏は、典型的に流動パラフィンまたは他の石油誘導体に基づく半固体製剤である。選択されたδオピオイド受容体作動薬を含有するクリームは、当該分野において既知である通り、粘性液体または半固体乳剤、水中油型または油中水型のいずれか一方である。クリーム基剤は耐水洗性であり、油相、乳化剤および水相を含有する。油相はまた、時々、「内」相と呼ばれ、一般に、流動パラフィンおよびセチルまたはステアリルアルコールなどの脂肪アルコールからなり;水相は通常、必ずしも必要ではないが、油相の容積を超え、一般に湿潤剤を含有する。クリーム処方中の乳化剤は、一般に非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性界面活性剤である。使用しようとする特定の軟膏またはクリーム基剤もまた当業者に認められており、活性薬剤の至適送達を提供する基剤である。他のキャリアまたはビヒクルについて、軟膏は、不活、安定な非刺激性および非感受性であるべきである。
眼処方は、pHおよび等張因子が眼の因子に好適に一致するように調製されることを除いて、鼻スプレーに類似の方法により調製される。
いくつかのアプリケーションにおいて、リポソームもしくは他のカプセル媒体への活性薬剤のカプセル化、または活性薬剤の固定化、例えば、タンパク質、リポプロテイン、糖タンパク質、および多糖などの適切な生体分子に対する共有結合、キレート、もしくは会合配位(associative coordination)などによって、「ベクトル化された」形態で活性薬剤を利用することが有利であり得る。
上記で考察した薬学的処方は、本発明のδオピオイド受容体作動薬にくわえて、1つもしくはそれ以上の薬理学的に活性な薬剤をさらに含んでなり、ここで、さらなる活性薬剤は、尿路機能障害を治療するのに使用されており、本発明のδオピオイド受容体作動薬を伴わずに通常投与されるよりも低い用量で投与され、それによって、さらなる活性薬剤の通常のネガティブな効果を緩和または排除する。さらなる薬理学的に活性な薬剤として、プソイドエフェドリン、エフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プラゾシン、ドキサゾシン、テラゾシン、抗ヒスタミン剤、三環系抗うつ薬、オキシブチニン、プロパンテリン、トルテロジン、塩酸ジシクロミン、インドメタシン、バクロフェン、エストロゲン、イミプラミン、フラボキセート、チロイダジン(thiroidazine)、ハロペリドール、ベンズトロピン、フルフェナジン、テルブタリン、プロパノロール(propanolol)、ベラパミル、メチルドーパ、レセルピン、グアネチジンおよび麻酔薬を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明により考慮されるδオピオイド受容体作動薬には、本明細書において例示した該作動薬、ならびにその生理学的に官能性の誘導体が含まれる。「生理学的に官能性の誘導体」とは、上記の薬学的に許容可能な塩、エステル、エーテルのエステルもしくは塩または化合物のエステルあるいはレシピエントへの投与時に前記化合物またはその活性代謝物もしくは残基を(直接または間接的に)提供することが可能である他の任意の化合物を意味する。
投与されるδオピオイド受容体作動薬の量、および使用される用法は、もちろん、選択された特定のδオピオイド受容体作動薬、年齢および治療を受ける被験体の全身症状、被験体の症状の重症度、ならびに処方する医師の判断に依存する。一般に、治療用途のための本発明の化合物の有効用量は、関与する特定の症状に依存して、本発明の一般的実践において広範に変動し得、当業者の範囲内で容易に決定可能である一方、本明細書に記載の関連化合物のそれぞれ、および本明細書に記載のそれぞれの症状の治療における治療有益性の達成について、本発明の化合物の適切な治療用量は、好ましくは、1日あたりレシピエントの体重1キログラムあたり10マイクログラム(μg)〜500ミリグラム(mg)の範囲、より好ましくは、1日あたり体重1キログラムあたり50μg〜75mgの範囲、最も好ましくは、1日あたり体重1キログラムあたり1mg〜50mgの範囲である。所望される投与は1回であるか、または1日の間で適切な間隔で2、3、4、5、6回、もしくはそれ以上の副投与が投与される。
投与形態および剤型は、もちろん、所定の治療アプリケーションに所望されかつ有効である化合物の治療量に影響を及ぼす。例えば、経口投与される用量は、同一の有効成分について、典型的に少なくとも2回、例えば、2〜10回で、非経口投与で使用される用量レベルである。経口投与では、本発明の化合物の用量レベルは、5〜200mg/70kg体重/日のオーダーであり得る。錠剤剤型では、典型的な活性薬剤の用量レベルは、錠剤あたり10〜100mgのオーダーである。
一般に、局所投与する場合の1日あたりの用量は、全身投与形態に伴って通常与えられる用量よりも少なく、典型的に、δオピオイド受容体作動薬は、1日あたり1〜4回投与される。あるいは、初回に大用量を使用して、有効レベルのδオピオイド受容体作動薬を達成することができ、続いて、それらのレベルを維持するために類似の用量を使用することができる。δオピオイド受容体作動薬の半減期および選択された投与経路によるバイオアベイラビリティに依存して、泌尿器障害治療の満足する結果を達成するために、用法を調節することができる。
キット
本発明はまた、患者が下部尿路機能障害を治療する本発明の方法を行うためのキットを包含する。キットは、投与しようとする薬学的組成物および/または薬学的組成物を投与するためのデバイス(例えば、シリンジ、経皮パッチなどの経尿道薬物送達デバイス)、保存中ならびに使用前に組成物および/または送達デバイスを収容するために好適に密封された容器、ならびに効果的な様式で薬物投与を行うための取扱説明書を含有する。処方は、単位剤型での本発明のδオピオイド受容体作動薬からなり得る。キットは、同一薬剤の異なる用量の複数の処方を含有してもよい。取扱説明書は、書面の形態であっても図面の形態であってもよく、またはオーディオテープ、ビデオテープなどを含む記憶媒体で提供することもできる。
本発明を好適な特定の実施態様と共に説明してきたが、先の説明および以下の実施例は例示を目的としており、本発明の範囲を限定するものではないことは言うまでもない。本発明の範囲内の他の態様、利点および改変は、本発明に係わる当業者に明らかであろう。
以下の実施例は、本発明の化合物を作製するのに有利に利用することができる合成手順の例示である。
すべての化学試薬は、他に特定しない限り、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)より購入した。市販の溶媒は、さらなる精製を行うことなく使用した。NMRスペクトルは、200〜600MHzの範囲の磁界で様々な器具上で得た。HPLC解析は、717プラス・オートサンプラー(717 plus Autosampler)、600Eシステム・コントローラー(600E System Controller)および996フォトダイオード・アレイ・ディテクター(966 Photodiode Array Detector)により実施した。質量スペクトルは、化学イオン化(CI)、エレクトロスプレー(ES)、または高速原子衝撃(FAB)を使用する多様な契約供給源によって実施した。分析薄層クロマトグラフィーは、シリカゲルGF(250ミクロン)で予め被覆したE.メルク(E.Merck)ガラスプレート上で実施した。元素分析は、アトランティック・マイクロラボ(Atlantic Microlab)、ジョージア州ノルクロス(Norcross,Georgia)によって実施した。
実施例1
4−((α−S)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド[4−(N,N−ジエチルカルバモイル)ベンズアルデヒド]
4−カルボキシベンズアルデヒド(100.3g、0.67mol)をトルエン(1200mL)に溶解/懸濁し、ジメチルホルムアミド(0.15mL)を添加し、塩化チオニル(53.5mL、87.2g、0.73mol)の段階的添加中に懸濁液を撹拌した。反応混合物を加熱して窒素下で還流し、2時間撹拌し、その間、ほとんど(しかし、すべてではない)のアルデヒド−酸を溶液に通過させた。さらなる量の塩化チオニル(20mL、32.6g、0.27mol)を添加し、還流を1晩継続した。透明な反応混合物をエバポレートし、残渣を無水テトラヒドロフラン(1500mL)に溶解した。溶液を氷/水浴中で冷却し、ジエチルアミン(173mL、122g、1.67mol(2.5当量))を撹拌した溶液に段階的に添加した。氷浴を取り出し、撹拌を2.5時間継続した。反応混合物を濾過して、副産物の白色結晶のジエチルアミン塩酸塩を取り出した。結晶を酢酸エチル(2×600mL)で洗浄し、洗浄物を別に取って置いた。テトラヒドロフラン濾過物をエバポレートし、残渣を酢酸エチル洗浄物に溶解した。溶液を、連続して、1M塩酸(2×600mL)、水(2×300mL)、希炭酸ナトリウム溶液(飽和:HO、1:1、2×600mL)、水(2×300mL)および塩化ナトリウム飽和溶液(300mL)で洗浄した。有機層を分別し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、エバポレートし、淡褐色オイルとして表題化合物を得、さらなる精製を行うことなく使用した(収量115.7g、84%)。
4−((α−S)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(51.3g、250mmol)、ベンゾトリアゾール(29.8g、250mmol)および(−)−(2R,5S)−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(38.6g、250mmol、キロテック・ディビジョン・オブ・ドウ・ファーマ(Chirotech Division of Dow Pharma)、英国ケンブリッジ(Cambridge,UK))のトルエン(2500mL)溶液を、窒素下還流下で水を共沸除去すると共に2.5時間加熱した。反応混合物の残留容積が約700〜800mL間で減少するまでの期間の間、ディーン/スターク(Dean/Stark)トラップを介して、トルエンを徐々に除去した。溶液を無水テトラヒドロフラン(1000mL)で希釈し、氷/イソプロパノール浴中で約0℃にまで冷却し、大口径の二先端針で約20分間のフェニルマグネシウム(テトラヒドロフラン中1M、500mL、500mmol)を添加する間、窒素下で撹拌した。添加中、ほぼ直ちにマグネシウム塩の懸濁液が形成し始めたが、十分な撹拌を妨げるほど顕著に濃厚になることはなかった。はじめは、懸濁液は黄土色を呈し、グリニャール試薬の約3分の2を添加するまでこの色を維持し、反応混合物の色は迅速に赤褐色に変化した。氷浴を取り出して、懸濁液を周囲温度で1.5時間撹拌し、次いで、塩化アンモニウム飽和水溶液で(125mL)焼入れした。黄色の懸濁液を30分間撹拌し、無水塩化マグネシウム(125g)を添加した。懸濁液をさらに1時間撹拌し、濾過した。フィルターケーキをテトラヒドロフラン(400mL)で洗浄し、組み合わせた濾過物および洗浄物をエバポレートし、濃褐色オイルを得た。残渣を、酢酸エチル(2500mL)と水酸化ナトリウム水溶液(1.0M、1000mL)との間で分配した。有機層を分別し、連続的に1M NaOH(3×1000mL)、水(3×1200mL)および塩化ナトリウム水溶液(750mL)で洗浄した。酢酸エチル(75mL)を、部分的に結晶化した懸濁液に添加し、暗色母液中で淡色結晶の厚いスラリーを得た。懸濁液を濾過し、固体を、冷酢酸エチルで軽く洗浄し、減圧下室温で乾燥し、わずかに灰色を帯びた白色の固体(38.31g)を得た。暗色の濾過物および洗浄物をエバポレートして暗色のオイルを得、これを放置して再度部分的に結晶化させた。残渣を酢酸エチル(20mL)で粉砕し、濾過して第2群の黄色結晶(4.04g)を得た。全収量42.35g(40.4%)。H NMR((CDSO、500MHz);δ0.94(d、J=6.2Hz,3H);1.09(d,J=6.2Hz,3H、br m,6Hにより一部不明);1.80(m,1H);2.09(dd,J=11,7Hz,1H);2.50(br m,1H,DMSOにより一部不明);2.72(dd、J=11,2.8Hz,1H);2.84(dd,J=14,7Hz,1H);3.16(dd,J=14,5.2Hz,1H);3.28(br m,3H);5.10(s,1H),5.09(d,J=10.6Hz,1H)により重複;5.16(dd,J=17,1.4Hz,1H);5.79(m,1H);7.28(m,5H);7.38(m,2H);7.42(d,J=8Hz,2H)。
4−((α−S)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
ビス(ジベンジリジンアセトン)パラジウム(1.438g、2.5mmol、アクロス・オーガニクス(Acros Organics))および1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(1.066g、2.5mmol、アクロス・オーガニクス(Acros Organics))のテトラヒドロフラン(20mL)中溶液を窒素下室温で15分間撹拌し、次いで、シリンジを介して、4−((α−S)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(20.98g、50mmol)およびチオサリチル酸(9.25g、60mmol)の無水テトラヒドロフラン(100mL)中の撹拌溶液に窒素下で添加した。反応混合物を、窒素下で2時間、室温で撹拌し、乾燥状態までエバポレートし、残渣を酢酸エチル(120mL)に溶解し、エーテル(300mL)で希釈した。溶液を希炭酸ナトリウム溶液(飽和:HO、1:3、3×200mL)で洗浄した。有機溶液をペンタン(800mL)で希釈し、3M塩酸(5×40mL)で抽出し、続いて、1M塩酸(3×50mL、水(3×50mL)と交互に)で抽出した。合わせた抽出水溶液を濾過して少量の懸濁した固体を取り出し、5M NaOHでpHを12に調整した。得られるわずかな懸濁液を塩化メチレン(3×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾燥状態までエバポレートして、極めて淡黄色の固体(18.07g、97.8%)として、4−((α−S)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを得た。生成物は、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、EM60F254、酢酸エチル中4%NHOH/10% EtOH、R=0.25)上で単一スポットを示し、さらなる精製を行うことなく使用した。C2433O0.2HOに対する計算値:C,75.24;H,8.79;N,10.97。実測値C,75.24;H,8.87;N,10.86%。H NMR(CDCl,600MHz);δ0.93(d、J=6.3Hz,3H);1.12(br m,3H);1.20(d,J=6.1Hz,3H);1.24(br m,3H);1.55(dd,J=9.7、11.3Hz,1H、br m,2Hにより一部不明);2.33(m,1H);2.68(m,2H);2.89(m,1H);2.92(dd、J=12.1,3.1Hz,1H);3.29(br m,2H);3.54(br m,2H);5.38(s,1H);7.14(m,2H);7.30(m,3H);7.35(m,2H);7.46(d,J=7.8Hz,2H)。
4−((α−S)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
4−((α−S)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドのアセトニトリル(150mL)中溶液をヨウ化ナトリウム(360mg、2.4mmol)に添加し、トリエチルアミン(12mL、8.76g、86.6mmol)、続いて臭化3−フルオロベンジル(5.9mL、9.09g、48.1mmol)の添加中、窒素下で撹拌した。臭化フルオロベンジルの添加で1時間に濃化して白色結晶沈殿物を生成する時の即時濁度を観察した。反応混合物を、窒素下で1晩、室温で撹拌した。溶媒をエバポレーションにより取り出し、飽和重炭酸溶液(25mL)を残渣に添加した。多量の白色沈殿物を濾過により回収し、水でよく洗浄し、減圧下、室温で乾燥した。(10.54g、89.2%)。C3138FNO0.2HOに対する計算値:C,75.79;H,7.88;N,8.55;F,3.87。実測値C,75.80;H,7.78;N,8.49;F,3.75%。
熱イソプロパノール(39mL)に撹拌しながら溶解し、250mL三角フラスコ中で穏やかに沸騰するまで加熱することによって、生成物を再結晶化した。穏やかに沸騰している溶液中で濁度の変化が認められなくなるまで水を少しずつ添加した(22mLの水を添加した)。撹拌しながらフラスコを室温まで冷却し、次いで、さらに1時間撹拌を継続しながら氷−水浴中で冷却した。結晶を濾過により回収し、冷2:1イソプロパノール/水で洗浄し、白色結晶を得た(10.11g、96%)。C3138FNOに対する計算値:C,76.35;H,7.85;N,8.62;F,3.90。実測値C,76.36;H,7.85;N,8.62;F,3.77%。H NMR(CDCl3,300MHz);δ1.06(d、J=6.1Hz,3H);1.15(d、J=6.1Hz,3H、br m,3Hにより一部重複);1.22(br m,3H);1.94(dd,J=10.8,8.1Hz,1H);2.02(dd,J=10.7,8.2Hz,1H);2.57(br m,2H);2.67(m,2H);3.18(d,J=13.8Hz,1H);3.28(br m,2H);3.53(br m,2H);3.87(d、J=13.5Hz,1H);5.15(s,1H);6.90(br t,J=8.2Hz,1H);7.04(m,2H);7.21(m,3H);7.30(m,5H);7.46(d,J=8.0Hz,2H)。
実施例2
実施例1に記載の手順に類似の手順によって、4−((α−S)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(実施例1)および臭化4−フルオロベンジルから4−((α−S)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを調製した。C3138FNOに対する計算値:C,76.35;H,7.85;N,8.62;F,3.90。実測値C,76.32;H,7.86;N,8.60;F,3.95%。H NMR(CDCl3,600MHz);δ1.07(d、J=6.2Hz,3H);1.10(d、J=6.3Hz,3H,br m,3Hにより一部重複);1.23(br m,3H);1.93(m,1H);1.98(dd,J=11.1,8.3Hz,1H);2.54(br m,2H);2.65(m,2H);3.14(d,J=13.1Hz,1H);3.28(br m,2H);3.54(br m,2H);3.86(d,J=13.1Hz,1H);5.15(s,1H);6.90(t,J=8.2Hz,2H);7.20(d、J=7.3Hz,2H);7.24(m,2H);7.27(m,1H;CDClにより一部重複);7.29(d,J=9.4Hz,2H);7.33(m,2H);7.46(d,J=8.1Hz,2H)。
実施例3
3−((α−R)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−4−(ジエチルアミノカルボニル)−ベンジル)フェノキシ酢酸
5000mLのジクロロメタン中の3−ブロモフェノール(400g、2.31mol)、tert−ブチルクロロジメチルシラン(391g、2.54mol)、およびイミダゾール(346g、5.08mol)の溶液を1晩、室温で撹拌した。反応溶液を2000mLの水に注ぎ、層を分別した。シリカゲルのパッド(400g、シリカ60、230〜400メッシュ)を介して通過させる前に、有機層を1N塩酸水溶液(3×1500mL)および水(2×1500mL)で洗浄した。シリカゲルをジクロロメタン(2×500mL)で洗浄し、濾過物を合わせて、減少圧下で溶媒を取り出し、透明な淡黄色液体として669g(98.4%)の3−(ブロモフェノキシ)−tert−ブチルジメチルシランを得た。NMR(300MHz,CDCl);δ0.2(s,6H);1.0(s,9H);6.75(m,1H);7.0(br s,1H);7.1(m,2H)。
100mLのインヒビターを含まない無水テトラヒドロフラン中の3−ブロモフェノキシ−tert−ブチルジメチルシラン(27.3g、92.6mmol)およびジブロモエタン(3.45g、18.4mmol)を、200mLのインヒビターを含まない無水テトラヒドロフラン中のマグネシウム削り状(3.57g、147mmol)の溶液に還流で緩徐に添加することによって、臭化3−tert−ブチルジメチルシリルオキシフェニルマグネシウムを形成した。還流で1時間撹拌後、淡褐色の透明な混合物を室温まで冷却した。
4−カルボキシベンズアルデヒド(100.3g、0.67mol)をトルエン(1200mL)に溶解/懸濁し、ジメチルホルムアミド(0.15mL)を添加して、塩化チオニル(53.5mL、87.2g、0.73mol)の段階的添加中に懸濁液を撹拌した。反応混合物を加熱して窒素下で還流し、2時間撹拌し、その間、ほとんど(しかし、すべてではない)のアルデヒド−酸を溶液に通過させた。さらなる量の塩化チオニル(20mL、32.6g、0.27mol)を添加し、還流を1晩継続した。透明な反応混合物をエバポレートし、残渣を無水テトラヒドロフラン(1500mL)に溶解した。溶液を氷/水浴中で冷却し、ジエチルアミン(173mL、122g、1.67mol(2.5当量))を撹拌した溶液に段階的に添加した。氷浴を取り出し、撹拌を2.5時間継続した。反応混合物を濾過して、副産物の白色結晶のジエチルアミン塩酸塩を取り出した。結晶を酢酸エチル(2×600mL)で洗浄し、洗浄物を別に取って置いた。テトラヒドロフラン濾過物をエバポレートし、残渣を酢酸エチル洗浄物に溶解した。溶液を、連続して、1M塩酸(2×600mL)、水(2×300mL)、希炭酸ナトリウム溶液(飽和:HO、1:1、2×600mL)、水(2×300mL)および塩化ナトリウム飽和溶液(300mL)で洗浄した。有機層を分別し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、エバポレートし、淡褐色オイルとして4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミドを得、さらなる精製を行うことなく使用した(収量115.7g、84%)。
冷却器およびディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを固定した1000mL丸底フラスコ中で、4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(9.50g、46.3mmol)、ベンゾトリアゾール(5.51g、46.3mmol)、および(2R、5S)−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(7.15g、46.3mmol、キロテック・ディビジョン・オブ・ドウ・ファーマ(Chirotech Division of Dow Pharma)、英国ケンブリッジ(Cambridge,England))を400mLのトルエンと組み合わせた。反応物を加熱して、トラップ中にさらなる水が観察されなくなるまで窒素下で還流した(約2時間)。反応物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、約50mLの容積とした。無水テトラヒドロフラン(100mL)を、撹拌しながら窒素下でフラスコに添加し、すべての残渣を溶解した。ベンゾトリアゾール付加物の溶液を、臭化3−tert−ブチルジメチルシリルオキシフェニルマンガン(上記)の溶液に、室温で二末端型針を介して添加した。2時間撹拌したあと、20mLの塩化アンモニウム飽和水溶液の添加によって、反応物を焼入れした。無水硫酸マグネシウムを添加し、反応物を濾過した。減圧下で溶媒を取り出し、残渣を800mLの酢酸エチルに再溶解した。酢酸エチル溶液を4×200mLの1M水酸化ナトリウム、200mLの水、および200mLの塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を取り出して、32.7gの暗色オイルを得た。オイルを250mLのテトラヒドロフランおよび250mLの3M塩酸に溶解し、2時間、室温で撹拌した。反応溶液を3×250mLの2:1ジエチルエーテル/酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル(300mL)を水層に添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを8に調整した。層を分別し、別の3×300mLの酢酸エチルで水性部分を抽出した。合わせた有機抽出物を、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で取り出して、12.4gの褐色残渣を得た。残渣を、ジクロロメタン中1〜15%エタノールの勾配で溶出させる300gのシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製し、無色ゴム状の5.54gの4−((α−R)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを得た(4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド由来27%)。
水素化ナトリウム(油中60%分散、250mg(150mg NaH、6.25mmol))を、無水テトラヒドロフラン(2×5mL)で洗浄し、無水テトラヒドロフラン(10mL)を上清として添加した。4−((α−R)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(435mg、1.0mmol)を、撹拌した溶液に溶解し、発泡が治まったら、ヨウ化ナトリウム(15mg、0.1mmol)を添加した。クロロ酢酸メチル(350ml、434mg、4mmol)を、窒素下で撹拌した懸濁液に添加し、反応物を1晩、周囲温度で撹拌した。二酸化炭素ガス(ドライアイス由来)を通過させることによって、反応混合物を部分的に中和し、次いで、湿らせた指示片によって測定される懸濁液のpHが5を示すまで氷酢酸を添加した。反応混合物を乾燥状態までエバポレートし、残渣を、酢酸エチル(10mL)と1M HCl(5mL)との間で分配した。有機層を1M HCl(2×3mL)で抽出し、合わせた酸抽出物のpHを、炭酸ナトリウム飽和水溶液で8に調整した。油性水溶液を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶液をエバポレートして黄色ゴム状とした。残渣を酢酸エチルに溶解し、中型(4×15cm)シリカゲルバイオテージ(Biotage)カラムに適用し、酢酸エチル中10%エタノールで溶出させた。t.l.c.(シリカ、EM60F254、EtOAc中10%EtOH、Rf=0.52)によって証明された生成物を含有するフラクションを乾燥状態にまでエバポレートし、室温および2mm Hgで乾燥し、透明淡黄色ゴム状のメチル3−((α−R)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−4−(ジエチルアミノカルボニル)ベンジル)フェノキシ酢酸を得た。残渣をエタノール(4ml)および水酸化ナトリウム水溶液(2.5M、1.0mL、2.5mmol)に溶解し、室温で6時間撹拌した。溶液をエバポレートして、大量のエタノールを取り出し、水(5ml)を添加した。エバポレーションは、約4mLの溶液が保持されるまで継続した。さらに8mLの水を添加し、溶液をエバポレートして容積をおよそ半分にし、エタノールを完全に取り出すことを確実にした。懸濁した少量の固体を濾過によって取り出し、溶液のpHを3M HClで6に調整した。溶液を乾燥状態にまでエバポレートし、残渣を無水エタノールで数回エバポレートして、水を取り出すことを確実にした。残渣をエタノール(3×20mL)で抽出し、合わせたエタノール抽出物を濾過し、乾燥状態にまでエバポレートした。ゴム状残渣を酢酸エチル(5mL)で粉砕し、濾過し、エバポレートし、高減圧下で乾燥して、脆性白色泡状の3−((α−R)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−4−(ジエチルアミノカルボニル)ベンジル)フェノキシ酢酸を得た(52mg、9.5%)。C29390.9NaCl0.5HOに対する計算値:C,63.45;H,7.20;N,7.65。実測値C,63.83;H,7.19;N,7.25%。H NMR(DO中0.1M NaOD,300MHz);δ0.86(d、J=6.3Hz,3H);0.94(t、J=7.1Hz,3H);1.01(d,J=6.1Hz,3H);1.09(t,J=7.2Hz,3H);1.81(t,J=11.3Hz,1H);2.09(t,J=11.2Hz,1H);2.43(m,2H);2.73(m,3H);3.13(q,J=7.1Hz,2H);3.25(dd,J=13.5,5.8Hz,1H);3.38(q,J=7.2Hz,2H);4.32(s,2H);5.09(s,1H);5.14(d、J=7.8Hz,1H);5.24(s,1H);5.74(m,1H);6.73(s,1H);6.80(s,2H);7.21(m,3H);7.32(d,J=8.2Hz,2H)。質量スペクトル:(ESI−,−5KV,MeOH);m/z:493,(M+,25%);492.5,((M−1)+,100%)。
実施例4
3−((α−S)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−ベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミド
改変された還元アミノ化を使用して、3−フルオロアニリンから3−フルオロ−N−メチルアニリンを調製した。最初に、37%ホルムアルデヒド水溶液をベンゾトリアゾールに、40℃で1:1の割合で添加し、次いで、室温まで冷却して、生成物を沈殿させることによって、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾールを調製した。濾過後、ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール(125g)を加熱して、3−フルオロアニリン(92.2g)を有するトルエン中で還流した。ディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを使用して、共沸性により水を取り出した。3時間後、混合物を室温まで冷却し、次いで、完全な沈殿が生じるまで数時間冷却した。白色の結晶固体を濾過により取り出し、174.2g(86.6%)の1−(3−フルオロアニリノ)メチル)−1H−ベンゾトリアゾールを得た。
1−(3−フルオロアニリノ)メチル)−1H−ベンゾトリアゾール(173.9g)を乾燥テトラヒドロフラン中でスラリー化した。水素化ホウ素ナトリウム(32.5g)を、室温で部分段階的に混合物に添加した。添加が完了した後、混合物を4時間、還流した。次いで、溶液を冷却し、氷を伴う400mLの5N HCl中に徐々に注いだ。これを、室温で1時間撹拌した。次いで、10N水酸化ナトリウム溶液を使用して、溶液のpHを9〜10に調整した。ジエチルエーテルを使用して、生成物を抽出した。エーテル抽出物を1N水酸化ナトリウム溶液、次いで、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過し、次いで、減少圧下でエバポレートし、無色オイルとして87.5g(97%)の3−フルオロ−N−メチルアニリンを得た。[NMR(200MHz,DMSO−d):δ2.76(s,3H);3.41(br.s,1H);6.59−6.92(m,3H);7.27(q,J=8.0Hz,1H)]。クロマトグラフィーのところでは、オイルをジエチルエーテルに溶解し、激しく撹拌しながらエーテルを含んだHClで沈殿させた。白色固体を濾過し、エーテルで濯ぎ、次いで、熱エタノール:酢酸エチル/約1:30から再結晶させた。この塩化水素塩はより安定であり、遊離の塩基より操作が容易である。
3−カルボキシベンゾアルデヒド(フルカ(Fluka);12.01g、80mmol)を、80mLの乾燥トルエンおよび塩化チオニル(7mL、96mmol)および5滴のDMF中でスラリー化した。硫酸カルシウム乾燥管を有する還流冷却器をフラスコに配置した。溶液が透明になった後、混合物を1時間還流し、次いで、冷却した。揮発物を回転蒸発(rotovap)上で取り出した。残渣を、減圧ポンプ上で簡単にポンプ吸引した。
次いで、粗酸塩化物を150mLの乾燥テトラヒドロフランに溶解し、氷/水浴で冷却した。N−メチル−3−フルオロアニリン塩酸塩(13.05g、80.8mmol)を添加した。次いで、50mLの乾燥テトラヒドロフラン中トリエチルアミン(35mL、250mmol)を添加漏斗を介して段階的に添加した。不透明の溶液を1時間、室温まで加温させ、1晩撹拌した。大量の沈殿物を取り出すため、100mLのジエチルエーテルを添加し、反応混合物を濾過した。塩を、さらなるエーテルで濯いだ後、減少圧下で溶媒を取り出した。酢酸エチルで残渣を抽出し、1N HClで2回、次いで、水、炭酸ナトリウム溶液、およびNaCl飽和溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥し、減少圧下のエバポレーションで溶媒を取り出した。淡金色オイルとして粗N−(3−フルオロフェニル)−3−ホルミル−N−メチルベンズアミドを得た、19.92g(96%未クロマトグラフィー収率)[NMR(300MHz,DMSO−d):δ3.38(s,3H);6.94−7.02(m,2H);7.18−7.29(m,2H);7.46(t,J=7.7Hz,1H)7.55(d,J=7.6Hz,1H);7.81(m,2H);9.90(s,1H)]。
2R,5S−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(3.30g、21.4mmol、キロテック・ディビジョン・オブ・ドウ・ファーマ(Chirotech Division of Dow Pharma)、英国ケンブリッジ(Cambridge,England)))、ベンゾトリアゾール(2.58g、21.6mmol)、およびN−(3−フルオロフェニル)−3−ホルミル−N−メチルベンズアミド(5.51g、21.4mmol)を、1滴のトリエチルアミンを有する175mL乾燥トルエン中に混合した。混合物を、120〜130℃(浴温度)に維持した油浴に浸した。フラスコをディーン−スターク(Dean−Stark)トラップに付着して、水を共沸除去させた。混合物を2〜3時間、窒素下で還流して、約150mLのトルエン/水共沸混合物を回収した。残留するトルエンを減少圧下で取り出した。付加物の水感受性の性質のため、琥珀色/黄色のオイル状粗物質を以後の反応に使用した。
上記の粗ベンゾトリアゾール付加物を100mLテトラヒドロフランに溶解し、二末端型針を介してテトラヒドロフラン(40mmol)中1M臭化フェニルマグネシウムの40mLに添加した。反応はわずかに発熱性であり、黄−褐色、不透明な溶液になった。窒素下、室温で2時間撹拌した後、反応物を、5mLの塩化アンモニウム飽和溶液で焼入れした。これを約半時間撹拌し、多量の無水硫酸マグネシウムを添加した。溶液を濾過し、減少圧下で濃縮すると、ベンゾトリアゾールが混入した粗生成物が得られた。この残渣を150mL酢酸エチルおよび100mLジエチルエーテルに溶解し、1M NaOH溶液(4×100mL)で抽出して、ベンゾトリアゾールを取り出した。有機層を2N HCl溶液(2×75mL)で抽出した。合わせた水性酸抽出物を、25%NaOH水溶液でpH2.5に調整し、酢酸エチル(3×75mL)で抽出し、水性部分を捨てた。次いで、合わせた有機抽出物を、1M NaOH溶液でpH9に調整し、分別した。塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減少圧下で酢酸エチルを取り出した。残渣オイルを、シリカゲル(EtOAc+2%NHOH/CHCl)上のクロマトグラフィーにより精製し、2.03g(4.3mmol)の所望の生成物を琥珀色/橙色樹脂として得た。H NMR(300MHz,CDCl);δ7.10−7.38(m,8H),6.97(br dd,J約7.5Hz,2H),6.83−6.89(m,1H),6.76(br d,J約7.8Hz,2H),5.76−5.93(m,1H),5.19(d、J=12.6Hz,1H),5.16(d、J=5.4Hz,1H),5.08(s,1H),3.48(s,3H),3.37(dd,J=6.0,14.4Hz,1H),2.84(dd,J=8.1,8.1Hz,1H),2.77(dd,J=3.0,11.4Hz,1H),2.44−2.56(m,1H),2.38(br d,J約9.3Hz,2H),2.06(t、J=10.5Hz,1H),1.67−1.80(m,2H),1.10(d,J=6.0Hz,3H),0.96(d,J=6.0Hz,3H)。
3034FNO0.25Cに対する計算値:C,75.43;H,7.35;N,8.51;F,3.85%。実測値C,75.47;H,7.38;N,8.34;F,3.70%。この物質を塩酸塩に変換し、粉末の淡黄褐色固体としてCHCl/EtOより沈殿させた。C3034FNO2.0HCl0.3C10O0.03CHClに対する計算値:C,65.89;H,6.92;N,7.38;Cl,12.83%。実測値C,65.75;H,7.03;N,7.13;Cl,12.76%。
実施例5
3−((α−R)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(2−メチル−4−チアゾリルメチル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミド
改変された還元アミノ化を使用して、3−フルオロアニリンから3−フルオロ−N−メチルアニリンを調製した。最初に、37%ホルムアルデヒド水溶液をベンゾトリアゾールに、40℃で1:1の割合で添加し、次いで、室温まで冷却して、生成物を沈殿させることによって、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾールを調製した。濾過後、ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール(125g)を加熱して、3−フルオロアニリン(92.2g)を有するトルエン中で還流した。ディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを使用して、共沸性により水を取り出した。3時間後、混合物を室温まで冷却し、次いで、完全な沈殿が生じるまで数時間冷却した。白色の結晶固体を濾過により取り出し、174.2g(86.6%)の1−(3−フルオロアニリノ)メチル)−1H−ベンゾトリアゾールを得た。
1−(3−フルオロアニリノ)メチル)−1H−ベンゾトリアゾール(173.9g)を乾燥テトラヒドロフラン中でスラリー化した。水素化ホウ素ナトリウム(32.5g)を、室温で部分段階的に混合物に添加した。添加が完了した後、混合物を4時間、還流した。次いで、溶液を冷却し、氷を伴う400mLの5N HCl中に徐々に注いだ。これを、室温で1時間撹拌した。次いで、10N水酸化ナトリウム溶液を使用して、溶液のpHを9〜10に調整した。ジエチルエーテルを使用して、生成物を抽出した。エーテル抽出物を1N水酸化ナトリウム溶液、次いで、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、次いで、減少圧下でエバポレートし、無色オイルとして87.5g(97%)の3−フルオロ−N−メチルアニリンを得た。[NMR(200MHz,DMSO−d):δ2.76(s,3H);3.41(br.s,1H);6.59−6.92(m,3H);7.27(q,J=8.0Hz,1H)]。クロマトグラフィーのところでは、オイルをジエチルエーテルに溶解し、激しく撹拌しながらエーテルを含んだHClで沈殿させた。白色固体を濾過し、エーテルで濯ぎ、次いで、熱エタノール:酢酸エチル/約1:30から再結晶させた。この塩化水素塩はより安定であり、遊離の塩基より操作が容易である。
3−カルボキシベンゾアルデヒド(フルカ(Fluka);12.01g、80mmol)を、80mLの乾燥トルエンおよび塩化チオニル(7mL、96mmol)および5滴のDMF中でスラリー化した。硫酸カルシウム乾燥管を有する還流冷却器をフラスコに配置した。溶液が透明になった後、混合物を1時間還流し、次いで、冷却した。揮発物を回転蒸発(rotovap)上で取り出した。残渣を、減圧ポンプ上で簡単にポンプ吸引した。次いで、粗酸塩化物を150mLの乾燥テトラヒドロフランに溶解し、氷/水浴で冷却した。N−メチル−3−フルオロアニリン塩酸塩(13.05g、80.8mmol)を添加した。次いで、50mLの乾燥テトラヒドロフラン中トリエチルアミン(35mL、250mmol)を添加漏斗を介して段階的に添加した。不透明の溶液を1時間、室温まで加温させ、1晩撹拌した。大量の沈殿物を取り出すため、100mLのジエチルエーテルを添加し、反応混合物を濾過した。塩をさらなるエーテルで濯いだ後、減少圧下で溶媒を取り出した。酢酸エチルで残渣を抽出し、1N HClで2回、次いで、水、炭酸ナトリウム溶液、およびNaCl飽和溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥し、減少圧下のエバポレーションで溶媒を取り出した。淡金色オイルとして粗N−(3−フルオロフェニル)−3−ホルミル−N−メチルベンズアミドを得た、19.92g(96%未クロマトグラフィー収率)[NMR(300MHz,DMSO−d):δ3.38(s,3H);6.94−7.02(m,2H);7.18−7.29(m,2H);7.46(t,J=7.7Hz,1H)7.55(d,J=7.6Hz,1H);7.81(m,2H);9.90(s,1H)]。
2R,5S−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(1.28g、8.3mmol、キロテック・ディビジョン・オブ・ドウ・ファーマ(Chirotech Division of Dow Pharma)、英国ケンブリッジ(Cambridge,England)))、ベンゾトリアゾール(1.00g、8.3mmol)、およびN−(3−フルオロフェニル)−3−ホルミル−N−メチルベンズアミド(2.14g、8.3mmol)を、1滴のトリエチルアミンを有する100mL乾燥トルエン中に混合した。混合物を、120〜130℃(浴温度)に維持した油浴に浸した。フラスコをディーン−スターク(Dean/Stark)トラップに付着して、水を共沸除去させた。混合物を2〜3時間、窒素下で還流して、約75mLのトルエン/水共沸混合物を回収した。残留するトルエンを減少圧下で取り出した。付加物の水感受性の性質のため、琥珀色/黄色のオイル状粗物質を以後の反応に使用した。
70mLの無水ジメチルホルムアミド中の3−ブロモフェノール(8.65g、50mmol)、tert−ブチルクロロジメチルシラン(7.97g、51.8mmol)、およびイミダゾール(8.85g、130mmol)の溶液を1晩、室温で撹拌した。反応混合物を減少圧下で濃縮した後、残渣を200mLのジエチルエーテルに溶解し、250mLの水で2回抽出し、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。エーテル抽出物を硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥し、減少圧下で溶媒を取り出した。淡黄色の液体を、シリカゲルの短いカラム(3.5×10cm)上のクロマトグラフィーに供し、ペンタンで溶出させた。所望のフラクションを合わせ、溶媒を取り出して、透明の液体として、12.78g(89%)の3−(ブロモフェノキシ)−tert−ブチルジメチルシランを得た。NMR(300MHz,CDCl):δ0.2(s,6H);1.0(s,9H);6.75(m,1H);7.0(br s,1H);7.1(m,2H)。
3−(ブロモフェノキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(4.21g,14.6mmol,1.76当量)の溶液を乾燥テトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、窒素下で−75℃まで冷却した。この溶液を激しく撹拌しながら、ヘキサン中n−ブチルリチウム(9.1mLの1.6M溶液、14.5mmol、1.75当量)を、シリンジを介して徐々に溶液に添加した。−75℃で40分間撹拌した後、溶液を、二末端型針を介して、無水テトラヒドロフラン(50mL)中臭化マグネシウムエーテル化合物(4.37g、16.9mmol、2.03当量)の懸濁液を含有するフラスコに移し、1時間、室温で撹拌した。次に、粗ベンゾトリアゾール付加物(上記のように2R,5S−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジンによって形成される)を約10mLのテトラヒドロフランに溶解し、二末端型針を介して、新たに調製した臭化アリルマグネシウム試薬に添加した。反応はわずかに発熱性であり、黄−褐色、不透明な溶液になった。窒素下、室温で2時間撹拌した後、反応物を、3〜4mLの塩化アンモニウム飽和溶液で焼入れした。これを約半時間撹拌し、多量の無水硫酸マグネシウムを添加した。溶液を濾過し、減少圧下で濃縮すると、副産物のベンゾトリアゾールが混入した粗シリルエーテルが得られた。この残渣を酢酸エチルに溶解し、10%NaOH水溶液で3回抽出して、ほとんどのベンゾトリアゾールを取り出した。有機層を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥し、減少圧下で酢酸エチルを取り出した。
残渣を40mLのテトラヒドロフランに溶解し、室温で40mLの3N HCl水溶液を添加することによって、t−ブチルジメチルシリル保護基を脱離させた。酸添加時に溶液を加温した。混合物を90分間、室温で撹拌した。反応物を減少圧下で濃縮し、ほとんどの有機溶媒を取り出した。残基を、水とジエチルエーテル:酢酸エチル/3:2の溶液との間で分配した。酸性水層を、ジエチルエーテル:酢酸エチル/3:2の溶液で2回抽出した。NaOH水溶液を使用して、水層をpH=2に調整し、この時点で不透明を維持し、暗色オイルが沈殿し始めた。塩化メチレン(約100mL)を添加して、激しく撹拌した。これを分別し、水層を再度、さらなる塩化メチレンで洗浄した。合わせた有機抽出物を水で分配し、激しく撹拌しながら、NaOH水溶液を使用して、pH=9に調整した。次いで、これを分別し、水層を再度、さらなる塩化メチレンで洗浄した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥し、減少圧下で溶媒をエバポレートした。粗物質を、シリカゲルカラム(粗物質1グラムあたり約20〜25gのシリカゲル)上のクロマトグラフィーに供し、最初に塩化メチレン、次いで、塩化メチレン中20%酢酸エチルで溶出させて、低極性混入物を取り出した。次いで、2%水酸化アンモニウム(溶液A)を含有する酢酸エチルに塩化メチレン(溶液B)による勾配を施し、極性形態を25%〜100%に迅速に増加させる溶液(溶液B中A)で、カラムを溶出させた。所望のフラクションを合わせ、減少圧下で溶媒を取り出し、ジアステレオマーの10:1混合物を60%の粗収率で得た。
ジアステレオマーの混合物を熱酢酸エチルに溶解し(2〜3mL/物質のg)、溶液の加熱を保持しながらヘキサン(酢酸エチルの2倍の容積)を少量ずつ添加することによって、生成物を結晶化した。溶液を緩徐に撹拌して24時間させたところ、灰色を帯びた結晶固体として1.78gの(+)−3−((α−R)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミドを得た(m.p.=114〜145℃)。NMR(200MHz,DMSO−d);δ0.84(d、J=6.0Hz,3H);0.97(d、J=5.9Hz,3H);1.69(dd,J=7.7Hz,J=10.7Hz,1H);2.01(dd,J=7.4Hz,J=10.7Hz,1H);2.28(br.d,J=8.3Hz,1H);2.40−2.52(m,2H);2.67(br d,J=10.5Hz,1H);2.82(dd,J=7.6Hz,J=13.2Hz,1H);3.17(br.d,J=14.0Hz,1H);3.34(s,3H);4.80(s,1H);5.10(d、J=10.1Hz,1H);5.17(d,J=17.3Hz,1H);5.70〜5.84(m,1H);6.42(d,J=7.1Hz,1H);6.56(s,1H);6.65(d,J=8.3Hz,1H);6.90〜7.32(m,9H);9.31(s,1H)。質量スペクトル:(CI−CH)m/z:488(m+1,100%),334(39%),153(87%)。
(+)−3−((α−R)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミド(4.88g、10mmol)、N−フェニルトリフルオロメタン−スルホンイミド(3.82g、10.7mmol)、およびトリエチルアミン(3.1mL、22mmol)を、75mLジクロロメタンに溶解し、1晩、室温、窒素下で撹拌した。減少圧下で濃縮した後、残基を100mL酢酸エチルに溶解し、NaCO溶液(3×100mL)、水(1×100mL)、および塩水(1×100mL)で洗浄した。溶液を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留オイルを、シリカゲル(EtOAc+2%NHOH/CHCl)上のクロマトグラフィーにより精製し、粘性の黄金色オイルとして、6.1g(9.8mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸エステルを得た。
ゲネット(Genet)の方法[J.P.ゲネット(J.P.Genet)、S.レマリエ−オードイエ(S.Lemaire−Audoire)、M.サビクナック(M.Savignac)、Tetrahedron Letters,36,1267−1270(1995)]により、チオサリチル酸の存在下でPd(dba)/DPPBを使用して、アリル部分を取り出した。反応物を濃縮し、残渣を50mL酢酸エチルおよび100mLジエチルエーテルに溶解した。NaCO溶液(3×100mL)および水(1×100mL)でこれを洗浄した後、有機溶液を3N HCl(3×20mL)および1N HCl(1×20mL)で抽出した。NaOH溶液を使用して、酸抽出物をpH8.5に調整し、ジクロロメタン(3×25mL)で抽出した。溶液を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留オイルを、シリカゲル(EtOAc+2%NHOH/CHCl)上のクロマトグラフィーにより精製し、粘性の濃琥珀−橙色オイルとして、4.44g(7.6mmol)の3−((α−R)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミドを得た。
上記の遊離のアミン(0.93g、1.6mmol)を、無水炭酸ナトリウム粉末(1.39g、13.2mmol)、10mL無水アセトニトリル、ヨウ化ナトリウム(0.10g、0.67mmol)、および4−クロロメチル−2−メチルチアゾール塩酸塩(0.34g、1.84mmol)と合わせた。反応物を、2日間、室温、窒素下で撹拌し、次いで、減少圧下で濃縮した。残渣を15mLエタノールに懸濁し、10mLの2N NaOH溶液を添加し、反応物を1晩、室温で撹拌した。エタノールを減圧下で取り出し、残基を水とジクロロメタンとの間で分配した。6N HClを使用して、溶液をpH8.5に調整し、分別し、再度、ジクロロメタン(2×25mL)で抽出した。溶液を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留オイルを、シリカゲル(EtOAc+2%NHOH/CHCl)上のクロマトグラフィーにより精製し、灰色を帯びた白色泡状の0.71g(1.2mmol)の3−((α−R)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(2−メチル−4−チアゾリルメチル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミドを得た。H NMR(300MHz,d−DMSO);δ9.31(s,1H),7.15−7.26(m,6H),6.95−7.09(m,3H),6.86(d,J=7.9Hz,1H),6.62(dd,J=1.5,8.0Hz,1H),6.52(s,1H),6.38(d,J=7.5Hz,1H),4.81(s,1H),3.70(d,J=14.5Hz,1H),3.47(d,J=14.5Hz,1H),3.31(s,3H),2.67(br dd,J=約9Hz,1H),2.60(s,3H),2.37−2.48(m,2H−DMSOピークにより一部不明),2.27(br d,J=約9Hz,1H),2.05(dd,J=8.4,10.9Hz,1H),1.65(dd,J=8.4,10.9Hz,1H),0.96および0.94(重複対d,J=約7Hz,3H)。C3235FNS・0.30C・0.07CHClに対する計算値:C,67.60;H,6.40;N,9.48;F,3.21;S,5.42%。実測値C,67.51;H,6.54;N,9.47;F,3.22;S,5.65%。この物質は塩酸塩に変換し、EtOH/HOから凍結乾燥して綿毛状の灰色を帯びた白色の固体を得た。C3235FNS・1.0HCl・0.85HOに対する計算値:C,62.96;H,6.22;N,9.18;S,5.25;Cl,5.81%。実測値C,63.06;H,6.22;N,8.99;S,5.26;Cl,5.85%。
実施例6
3−((α−R)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロプロピル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミド
3−((α−R)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルベンズアミド(実施例5より、0.70g、1.2mmol)を、無水炭酸ナトリウム粉末(0.65g、6.1mmol)、10mL無水アセトニトリル、ヨウ化ナトリウム(0.03g、0.2mmol)、および1−ブロモ−3−フルオロプロパン(0.12mL、1.3mmol)と合わせた。反応物を3日間、室温、窒素下で撹拌し、次いで減少圧下で濃縮した。残渣を15mLエタノールに懸濁し、10mLの10%w/vNaOH水溶液を添加し、反応物を2時間、室温で撹拌した。エタノールを減圧下で取り出し、残渣を水とジクロロメタンとの間で分配した。3N HClを使用して、溶液をpH8.5に調整し分別し、再度、ジクロロメタン(2×15mL)で抽出した。溶液を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留オイルをシリカゲル(EtOAc+2%NHOH/CHCl)上のクロマトグラフィーにより精製し、灰色を帯びた白色泡状の0.39(0.77mmol)の所望の生成物を得た。H NMR(600MHz,d−DMSO);δ9.28(s,1H),7.17−7.24(m,5H),7.04−7.07(m,2H),6.97(dt,J=2.2,8.4Hz,1H),6.88(dd,J=1.2,8.0Hz,1H),6.61(dd,J=1.8,8.0Hz,1H),6.55(s,1H),6.41(d,J=7.4Hz,1H),4.74(br s,1H),4.42(dt,J=47.5,6.0Hz,2H),3.30(s,3H),2.70(dd,J=2.9,11.0Hz,1H),2.55−2.61(m,1H),2.48−2.52(m,1H−DMSOピークにより一部不明),2.38−2.42(m,1H),2.26(br d,J約9.2Hz,1H),2.19−2.24(m,1H),2.00(dd,J=7.3,10.8Hz,1H),1.70−1.75(m,1H),1.64−1.70(m,2H),0.95(d,J=6.2Hz,3H),0.86(d,J=6.2Hz,3H)。C3035に対する計算値:C,70.98;H,6.95;N,8.28;F,7.48%。実測値C,70.78;H,7.23;N,8.19;F,7.24%。
実施例7
3−((S)−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)(2−メチルフェニル)メチル)フェノール
2R,5S−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(3.06g、20mmol、キロテック・ディビジョン・オブ・ドウ・ファーマ(Chirotech Division of Dow Pharma)、英国ケンブリッジ(Cambridge,England)))、ベンゾトリアゾール(2.38g、20mmol)、および2−トルアルデヒド(2.40g、20mmol)を、140mL乾燥トルエン中に混合した。混合物を、120〜130℃(浴温度)に維持した油浴に浸した。フラスコをディーン−スターク(Dean/Stark)トラップに付着して、水を共沸除去させた。混合物を2〜2.5時間、窒素下で還流して、約100mLのトルエン/水共沸混合物を回収した。残留するトルエンを減少圧下で取り出した。付加物の水感受性の性質のため、粗琥珀色/黄色のオイルを以後の反応に使用した。
3−(ブロモフェノキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(実施例5より、9.49g、33mmol)の溶液を乾燥テトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、窒素下で−75℃まで冷却した。この溶液を激しく撹拌しながら、ヘキサン中n−ブチルリチウム(13mLの2.5M溶液、32.5mmol)を、シリンジを介して徐々に溶液に添加した。−75℃で45分間撹拌した後、溶液を、二末端型針を介して、無水テトラヒドロフラン(100mL)中臭化マグネシウムエーテル化合物(9.55g、37mmol)の懸濁液を含有するフラスコに移し、1時間室温で撹拌した。次に、粗ベンゾトリアゾール付加物(上記のように2R,5S−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジンおよびトルアルデヒドによって形成される)を約50mLのテトラヒドロフランに溶解し、二末端型針を介して、新たに調製した臭化アリルマグネシウム試薬に5分間にわたり添加した。反応はわずかに発熱性であり、黄−褐色、不透明な溶液になった。窒素下、室温で2時間撹拌した後、反応物を、5mLの塩化アンモニウム飽和溶液で焼入れした。これを約5分間撹拌し、多量の無水硫酸マグネシウムを添加した。溶液を濾過し、減少圧下で濃縮すると、副産物のベンゾトリアゾールが混入した粗シリルエーテルが得られた。この残渣を酢酸エチルに溶解し、1N NaOH水溶液(3×100mL)で抽出して、ほとんどのベンゾトリアゾールを取り出した。有機層を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥し、減少圧下で酢酸エチルを取り出した。
残渣を50mLの無水アセトニトリルに溶解し、フッ化テトラエチルアンモニウム二水和物(6.21g、33.5mmol)を添加することによって、t−ブチルジメチルシリル保護基を脱離させた。1時間、窒素下、室温で撹拌した後、反応物を濃縮し、残基を100mL酢酸エチルに溶解した。混合物を希NaHCO溶液(3×75mL)および水(1×50mL)で抽出した。有機層を100mLジエチルエーテルで希釈し、これ以上着色物質が抽出されなくなるまで、10%クエン酸溶液(5×20mL)で抽出した。合わせた水性抽出物を、50%NaOH水溶液を使用して、pH8.5に調整し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。有機層を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。シリカゲル(EtOAc+2%NHOH)を介して、残留固体を濾過し、淡黄褐色固体として、2.08g(5.93mmol)のベンズヒドリルエピマーの混合物を得た。酢酸エチル/ヘプタンからの結晶化により、0.85g(2.42mmol)の3−((S)−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)(2−メチルフェニル)メチル)フェノールを得た。H NMR(600MHz,d−DMSO);δ9.25(s,1H),7.58(d,J=7.8Hz,1H),7.17(dt,J=2.0,7.2Hz,1H),7.04−7.08(m,3H),6.70(d,J=7.7Hz,1H),6.68(s,1H),6.58(dd,J=1.8,8.0Hz,1H),5.73−5.80(m,1H),5.15(dd,J=1.7,17.2Hz,1H),5.07(dd,J=0.9,10.1Hz,1H),4.90(s,1H),3.10(dd,J=5.3,13.9Hz,1H),2.86(dd,J=6.8,13.9Hz,1H),2.75−2.78(m,3H),2.69(dd,J=3.1,11.1Hz,1H),2.49−2.53(m,1H−DMSOピークにより一部不明),2.19(s,3H),2.06(dd,J=6.1,11.1Hz,1H),1.97(dd,J=5.6,11.3Hz,1H),0.98(d,J=6.4Hz,3H),0.92(d,J=6.4Hz,3H)。C2330Oに対する計算値:C,78.82;H,8.63;N,7.99%。実測値C,78.89;H,8.67;N,8.09%。この物質は塩酸塩に変換し、HOから凍結乾燥して綿毛状の白色の固体を得た。C2330O・1.1HCl・0.35HOに対する計算値:C,69.60;H,8.08;N,7.06;Cl,9.83%。実測値C,69.57;H,8.05;N,6.93;Cl,9.77%。
実施例8
4−((α−S)−α−((2S,5R)−4−(4−ブロモベンジル)−2,5−ジメチル−1−ピぺラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
表題化合物を、実施例1の方法と同様に4−ブロモベンジルブロミドを用いて、4−((α−S)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(実施例1より)のアルキル化によって調製した。(収率89.87%)。C3138BrNOに対する計算値:C,67.87;H,6.98;N,7.66;Br,14.57。実測値C,68.00;H,7.02;N,7.68;Br,14.44%。H NMR(CDCl,600MHz);δ1.06(d、J=6.2Hz,3H);1.10(d,J=6.1Hz,3H、重複br m,3H);1.23(br m,3H);1.94(br t,J=9.4Hz,1H);2.01(dd、J=11.1,8.1Hz,1H);2.54(m,2H);2.65(d、J=9.2Hz,2H);3.13(d、J=13.4Hz,1H);3.27(br m,2H);3.54(br m,2H);3.83(d,J=13.5Hz,1H);5.15(s,1H);7.17(d,J=8.1Hz,2H);7.21(d,J=7.5Hz,2H);7.27(d,J=6.2Hz,1H、CHClにより一部不明);7.29(d,J=8.1Hz,2H);7.32(br t,J=7.4Hz,2H);7.39(d,J=8.3Hz,2H);7.49(d,J=8.1Hz,2H)。
実施例9
N−(3−フルオロフェニル)−N−メチル−3−((ピペリジン−4−イリデン)(3−ヒドロキシフェニル)メチル)−ベンズアミド
O/THF(530mL/212mL)中ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル(50g)、重炭酸ジ−tert−ブチル(76.4g)およびNaCO(64.4g)の混合物を2時間、還流した。室温まで冷却した後、反応混合物をEtOAc(400mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(500mL×1)および塩水(500mL×1)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濃縮してピペリジン−1,4−カルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル(85.6g)を得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ4.04(q,2H,J=7.0Hz),3.81(m,2H),2.80(bs,2H),2.48(m,1H),1.77(m,2H),1.37(m,3H),1.36(s,9H),1.16(t,J=7.0Hz)。
THF(650mL)中の上記の生成物およびNHMe(OMe):HCl(48.6g)の混合物に、−20℃でi−PrMgCl(THF中2.0M溶液、498.4mL、996.8mmol)を添加した。得られる溶液を2時間、−5℃で撹拌し、次いで、NHCl水溶液で焼入れし、EtOAc(800mL×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濃縮して、4−(N−メトキシ−N−メチルカルボニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(80.3g)を得た。H NMR(600MHz,CDCl)δ4.08(m,2H),3.67(s,3H),3.14(s,3H),2.76(bs,3H),1.63(m,4H),1.41(s,9H)。
THF(120mL)中の(3−ブロモフェニル)−tert−ブチルジメチルシラン(実施例5より、6.12g)の溶液に、−75℃、窒素下で、徐々に、nBuLi(9.37mLの2.5M溶液)を添加した。15分後、THF(10mL)中の4−(N−メトキシ−N−メチルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.80g)の溶液を、段階的に添加した。反応物を、窒素下で1晩撹拌する一方、該反応物は室温にまで加温された。NHCl水溶液(80mL)を徐々に添加することにより、反応物を焼入れした。得られた混合物をEtOH(120mL)で抽出した。有機層を水(80mL×3)および塩水(80mL×1)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して粗生成物(9.13g)を得、精製して純粋な4−[3−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)ベンゾイル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た(5.12g;57%)。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ7.60(d,1H,J=8.0Hz),7.41(dd,1H,J=8.0,8.0Hz),7.32(m,1H),7.11(dd,1H,J=8.0,2.5Hz),3.94(m,2H),3.57(m,1H),2.90(bs,2H),1.72(m,2H),1.38(s,9H),1.37(m,2H),0.94(s,9H),0.19(s,6H)。
3−ヨード安息香酸(15.0g)およびSOCl(120mL)を、窒素下で1時間、還流した。溶液を室温まで冷却し、ロータリーエバポレーターで濃縮してSOClを取り出した。残渣の塩化3−ヨードベンゾイルを、2時間、減圧下で乾燥し、次いで、CHCl(200mL)に溶解して、窒素下、0℃で20分間、撹拌した。溶液に3−フルオロフェニルアミン(6.72g)を段階的に添加し、続いて、EtN(12.24g)を添加した。室温、窒素下で1晩、撹拌した後、水(10mL)の添加によって、反応物を焼入れした。残留混合物を水(100mL×3)および塩水(100mL×1)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して組成生物(19.8g)を得、CHClから再結晶化して、白色固体として純粋なN−(3−フルオロ−フェニル)−3−ヨードベンズアミドを得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.47(s,1H),8.27(s,1H),7.94(m,2H),7.71(m,1H),7.53(m,1H),7.40−7.32(m,2H),6.93(m,1H)。
水素化ナトリウム(鉱油中60%NaHの1.11g)を、DMF(120mL)中CHI(4.53g)およびN−(3−フルオロフェニル)−3−ヨードベンズアミド(7.26g)の溶液に、0℃、窒素下で添加した。0℃でさらに5分間、撹拌した後、反応物を室温、窒素下で4時間、撹拌した。NHCl(120mL)飽和水溶液を徐々に添加し、続いて、水(100mL)を添加することによって、反応物を焼入れした。混合物を、ジエチルエーテル(300mL×2)で抽出した。合わせたエーテル層を、水(150mL×4)および塩水(150mL×1)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して粗生成物(7.56g)を得、カラムクロマトグラフィーで精製して、N−(3−フルオロ−フェニル)−3−ヨード−N−メチルベンズアミド(5.88g;78%)を得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ7.64(m,2H),7.28(m,1H),7.24(d,1H,J=7.5Hz),7.19(m,1H),7.04−6.99(m,3H),3.33(s,3H)。
n−ブチルリチウム(1.61mLの1.92M溶液;3.10mmol)を、THF(150mL)中N−(3−フルオロフェニル)−3−ヨード−N−メチルベンズアミド(1.0g;2.82mmol)および4−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シアニルオキシ)ベンゾイル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.182g;2.82mmol)に、−78℃窒素下で一度に添加した。反応物を窒素下で1晩、撹拌する一方、温度を室温まで加温した。NHCl飽和溶液(25mL)を反応混合物に添加し、続いて、25mLの水に添加した。混合物をエーテル(300mL×2)で抽出した。エーテル層を水(200mL×2)および塩水(200mL×1)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、2.03gの粗生成物を得、ペンタン中30%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、4−([3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]{3−[N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルカルボニル]フェニル}ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(763mg;42%)を得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ7.34(bs,1H),7.29(s,1H),7.23−7.16(m,3H),7.09(m,2H),6.94(m,2H),6.85(m,2H),6.60(d,1H,J=7.0Hz),5.25(s,1H),3.88(m,2H),3.35(s,3H),2.60(bs,2H),2.34(m,1H),1.37(s,9H),1.36(m,2H),1.16(m,2H),0.91(s,9H),0.12(s,6H)。
ベンゼン(200mL)中4−[3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]{3−[N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルカルボニル]フェニル}ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.59g)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(3.5g)の混合物を、ディーン/スターク(Dean/Stark)トラップを具備した丸底フラスコ中で、一晩、還流した。反応溶液を室温まで冷却した。NaCO飽和溶液(50mL)を溶液に添加し、続いて、100mLのHOを添加した。得られた混合物をEtOAc(300mL)で抽出した。固体が2層の間に浮遊していることが観察された。従って、75mlの0.5M NaOH溶液を混合物に添加した。30分間、撹拌した後、混合物は透明になった。有機層および水層を分別した。水層をEtOAc(100mL×1)で抽出した。合わせた有機層を水(75mL×2)および塩水(75mL×1)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、4−([3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]{3−[N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルカルバモイル]フェニル}メチレン)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.83g;粗)。粗生成物のTLCおよびH NMRは、化合物の混合物を示し、明からに、所望される脱水生成物は、N−Bocおよび/またはO−TBDMS保護基を消失していることが示された。粗生成物は、精製することなく次の工程に移った。
テトラヒドロフラン(70mL)および3N HCl(50mL)を、上記の粗4−([3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]{3−[N−(3−フルオロフェニル)−N−メチルカルバモイル]フェニル}メチレン)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.75g)を添加した。得られた混合物を60℃で4時間、撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、続いて、水(100mL)を添加した。得られた溶液をジエチルエーテル(100mL×2)で抽出した。得られた水層を、10%NaOHでpH約9に中和した。水層は、この段階で不透明になった。不透明の水混合物を、n−ブタノール(100mL×3)で抽出した。合わせたn−ブタノール層を、水(75mL×2)および塩水(75mL×1)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、組成生物(2.27g;粗)を得、これを精製してN−(3−フルオロフェニル)−3−[(3−ヒドロキシフェニル)−ピペリジン−4−イリデン−メチル]−N−メチルベンズアミド(579mg)を得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ9.25(s,1H),7.23(m,3H),7.09(d,1H,J=10.0Hz),7.03(dd,1H,J=8.0,8.0Hz),6.96(ddd,1H,J=8.5,8.5,2.5Hz),6.92(m,2H),6.85(s,1H),6.56(dd,1H,J=8.0,2.0Hz),6.34(s,1H),6.31(d,1H,J=7.5Hz),3.35(s,3H),2.65(m,2H),2.55(m,2H),2.13(bs,1H),2.07(m,2H),1.72(m,2H)。実測値C,72.87;H,6.51;N,5.86。計算値C,72.77;H,6.62;N,5.98。
実施例10
3−((S)−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)(2−メチルフェニル)メチル)フェノール
ゲネット(Genet)の方法[J.P.ゲネット(J.P.Genet)、S.レマリエ−オードイエ(S.Lemaire−Audoire)、M.サビクナック(M.Savignac)、Tetrahedron Letters,36,1267−1270(1995)]により、チオサリチル酸の存在下でPd(dba)2/DPPBを使用して、3−((S)−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)(2−メチルフェニル)メチル)フェノール(実施例7、1.07g、2.2mmol)からアリル基を取り出した。反応物を濃縮し、残渣を50mL酢酸エチルおよび50mLジエチルエーテルに溶解した。NaCO溶液(2×50mL)および水(1×50mL)でこれを洗浄した後、有機溶液を3N HCl(4×20mL)で抽出した。50%NaOH水溶液を使用して、酸抽出物をpH8.5に調整し、ジクロロメタン(3×25mL)で抽出した。溶液を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留オイルを、シリカゲル(EtOAc+2%NHOH)上のクロマトグラフィーにより精製し、0.54g(1.2mmol)の粘性の淡琥珀色オイルを得た。
上記の遊離のアミン(0.50g、1.1mmol)を、20mLエタノールに懸濁し、10mLの10%w/vNaOH水溶液を添加し、反応物を2時間、室温で撹拌した。エタノールを減圧下で取り出し、残渣を水とジクロロメタンとの間で分配した。3N HClを使用して、溶液をpH8.5に調整し、分別し、再度、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。溶液を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留オイルは、淡黄褐色泡状の0.39g(1.1mmol)の所望の生成物を与えた。H NMR(600MHz,d−DMSO);δ9.28(br s,1H),7.46(d,J=7.8Hz,1H),7.16(br t,J約7.4Hz,1H),7.06−7.11(m,3H),6.59−6.62(m,2H),6.56(s,1H),5.12(s,1H),2.87(dd,J=2.8,11.8Hz,1H),2.73−2.78(m,1H),2.56−2.62(m,1H),2.47−2.50(m,1H−DMSOピークにより一部不明),2.44(dd,J=8.8,11.8Hz,1H),2.11(s,3H),1.74(dd,J=8.7,11.3Hz,1H),0.98(d,J=6.4Hz,3H),0.87(d,J=6.4Hz,3H)。C2026O・0.3HO・0.35CHClに対する計算値:C,70.73;H,7.96;N,8.11%。実測値C,70.78;H,7.87;N,8.08%。この材料を塩酸塩に変換し、HOから凍結乾燥して綿毛状ベージュ色/黄褐色固体とした。C2026O・0.95HCl・0.90HOに対する計算値:C,66.49;H,8.02;N,7.75;Cl,9.32%。実測値C,66.36;H,7.86;N,7.61;Cl,9.23%。
実施例11
4−{4−[(R)−(4−ジメチルスルファモイルフェニル)−(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−(2S,5R)−ジメチル−ピペラジン−1−イルメチル}安息香酸
t−ブチルジメチルクロロシラン(26.01g;172.56mmol)を、0℃で、漏斗を介して、CHCl(300mL)中3−ヒドロキシベンズアルデヒド(20.7g;164.35mmol)およびイミダゾール(27.97g;410.9mmol)の溶液に添加した。反応物を、N下で1晩、撹拌する一方、反応物は室温にまで加温された。反応混合物を水(100mL×3)および塩水(100mL×1)で洗浄し、NaSO4上で乾燥し、濃縮して、組成生物(29.56g)を得、(i)ペンタンおよび(ii)ペンタン中3%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンズアルデヒド(21g;54%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl);δ9.93(s,1H),7.45(d,1H,J=7.5Hz),7.38(dd,1H,J=7.5,7.5Hz),7.31(d,1H,J=1.0Hz),7.09(1H,dd,J=7.5,1.0Hz),0.98(s,9H),0.20(s,6H)。
ジメチルアミン(100mLの2.0M THF溶液;200mmol)を、ピリジン(300mL)中塩化ピプシル(54.76g;181mmol)の溶液に、0℃、N下で添加し、続いて、N,N−ジメチルアミノピリジン(15mg)を添加した。反応物をN下で2日間、撹拌する一方、反応物は0℃から室温に加温された。反応溶液を1.2リットルの水に注いだ。所望の生成物を、HO/ピリジン溶液から沈殿させた。濾過によって固体を回収し、HO(300mL×2)で濯いだ。固体をEtOAc(500mL)に溶解した。EtOAc溶液を5%HCl水溶液(300mL×3)、水(300mL×2)および塩水(300mL×1)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮して、白色固体として4−ヨード−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(49.46g;88%)を得、さらなる精製を伴うことなく次の反応で使用した。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.88(d,2H,J=8.5Hz),7.46(d,2H,J=8.5Hz),2.69(s,3H)。
4−{(R)−((2R,5S)−4−アリル−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−[3−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−フェニル]−メチル}−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド
第1部−イミニウム中間体の調製:分子ふるいを充填したソックスレー(Soxhlet)抽出器を具備した三つ口フラスコに、ベンゾトリアゾール(618mg;5.19mmol)、3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンゾアルデヒド(1.227g;5.19mmol)、(+)−(2S,5R)−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(961mg;6.23mmol)およびトルエン(150mL)を添加した。溶液を、N下で20時間、還流し、室温まで冷却した。
第2部−グリニャール試薬の調製:塩化イソプロピルマグネシウム(6.91mLの2.0M THF溶液;13.82mmol)を、4−ヨード−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(4.3g;13.82mmol)に、室温、N下で添加した。20分間、撹拌した後、反応混合物のTLCは、新たなスポットの形成および出発物質の消失を示した。
第3部−中間体の反応:第1部の溶液を、第2部で調製したグリニャール試薬に、シリンジを介して、室温、N下で、35分間の期間で添加する一方、反応溶液を激しく撹拌した。反応物を、室温、N下で1晩撹拌した。反応物を、NHCl(10mL)飽和水溶液の添加によって焼入れした。得られた混合物をEtOAc(120mL)および水(120mL)を添加することにより希釈した。不透明な混合物を、セライト(Celite)パットを介して濾過した。濾過物を分別漏斗に注いだ。有機層および水層を分別した。有機層を10%NaOH(75mL×4)水溶液で抽出し、水(100mL×3)および塩水(100mL×1)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮して組成生物を得、コンビフラッシュ(CombiFlash)TMSq 16×上で行うシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:100%CHCl〜CHCl中7%MeOH)によって精製し、4−{(R)−((2R,5S)−4−アリル−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−[3−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−フェニル]−メチル}−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(1.3g;45%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.71(d,2H,J=8.0Hz),7.35(d,2H,J=8.0Hz),7.12(dd,1H,J=8.0,8.0Hz),6.92(s,1H),6.84(d,1H,J=8.0Hz),6.71(d,1H,J=8.0Hz),5.82(1H,m),5.23−5.11(m,3H),3.35(dd,1H,J=14.0,5.5Hz),2.88(dd,1H,J=14.0,8.0Hz),2.82(dd,1H,J=11.0,3.0Hz),2.73(s,6H),2.68(dd,1H,J=11.0,2.5Hz),2.55(m,2H),2.16(dd,1H,J=11.0,8.5Hz),1.85(dd,1H,J=11.0,9.0Hz),1.18(d,3H,J=6.0Hz),1.01(d,3H,J=6.0Hz),0.96(s,9H),0.17(s,3H),0.16(s,3H)。
4−[(R)−((2R,5S)−4−アリル−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−(3−ヒドロキシ−フェニル]メチル}−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド
塩酸水溶液(3M、7mL)を、THF(15mL)中4−{(R)−((2R,5S)−4−アリル−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−[3−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−フェニル]−メチル}−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(1.3g)の溶液に添加した。混合物は、室温、1晩で撹拌した。水(15mL)を反応物に添加した。反応混合物は、ジエチルエーテル(25mL×3)で抽出した。残留したHO層を、10%NaOH水溶液でpH=8〜9に中和し、次いで、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせたEtOAc層を水(20mL×3)および塩水(20mL×1)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮して、0.83gの粗生成物を得た。粗生成物は、コンビフラッシュ(CombiFlash)TMSq 16×上で行うシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:100%CHCl〜CHCl中7%MeOH)によって精製し、4−[(R)−((2R,5S)−4−アリル−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−(3−ヒドロキシ−フェニル]メチル}−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(720mg;70%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.71(d,2H,J=8.5Hz),7.35(d,2H,J=8.5Hz),7.14(dd,1H,J=8.0,8.0Hz),6.89(bs,1H),6.85(d,1H,J=8.0Hz),6.68(d,1H,J=8.0,2.5Hz),5.83(1H,m),5.24−5.12(m,3H),3.32(dd,1H,J=13.5,5.0Hz),2.86(dd,1H,J=13.5,8.0Hz),2.78(dd,1H,J=11.5,3.0Hz),2.72(s,6H),2.65(dd,1H,J=11.0,2.5Hz),2.51(m,2H),2.14(dd,1H,J=11.5,9.0Hz),1.81(dd,1H,J=11.0,9.5Hz),1.16(d,3H,J=6.0Hz),0.98(d,3H,J=6.0Hz),MS(FAB、グリセロール)m/z:444(M+H),290,153;実測値:C,58.32;H6.66;N,8.18。計算値(C2433S0.8CHCl):C,58.23;H6.82;N,8.21。
ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(199mg)を、THF(4mL)中1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(148mg)の溶液に、窒素下、室温、10分間で添加した。得られるPd−触媒[J.P.ゲネット(J.P.Genet)、S.レマリエ−オードイエ(S.Lemaire−Audoire)、M.サビクナック(M.Savignac)、Tetrahedron Letters,36,1267−1270(1995)]を、THF(130mL)中4−[(R)−((2R,5S)−4−アリル−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−(3−ヒドロキシ−フェニル]−メチル}−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(3.08g)およびチオサリチル酸(1.28g)の溶液に、シリンジを介して移した。反応物を、窒素下、室温で1晩、撹拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAc(350mL)を残留する残基に添加し、1N HCl水溶液(300mL)を添加した。得られた混合物を分別漏斗に注いだ。EtOAc層および酸性水層を分別した。酸性水層をEtOAc(100mL×3)で抽出した。酸性水層を、1N NaOH溶液でpH約8に中和した。この段階で、水溶液中の固体沈殿物を観察した。不透明の水性混合物を、EtOAc:MeOH=95:5(200mL×4)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL×1)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、2.46gの組成生物を得、これを精製して、4−[(R)−(3−ヒドロキシフェニル)−((2R,5S)−ジメチルピペラジン−1−イル)−メチル]−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(1.82g、65%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ9.28(s,1H),7.74(d,2H,J=8.0Hz),7.43(d,2H,J=8.0Hz),7.09(dd,1H,J=8.0,8.0Hz),6.78(s,1H),6.69(d,1H,J=8.0Hz),6.61(d,1H,J=8.0Hz),5.33(s,1H),2.81−2.72(m,2H),2.62(s,6H),2.62−2.40(m,2H),2.13(m,1H),1.87(bs,1H),1.39(1H,dd,J=10.0,10.0Hz)。
10mLのTHFおよび5mLのDMF中4−[(R)−(3−ヒドロキシフェニル)−((2R,5S)−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(210mg)、4−カルボキシベンズアルデヒド(156mg)および酢酸(63mg)の混合物を、窒素下室温で30分間、撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(276g)を溶液に添加した。反応物を、窒素下室温で1晩、撹拌した。反応物を、水(2mL)の添加により焼入れした。得られた混合物を真空下で濃縮し、THFを脱離した。残留した残基をHO(70mL)で希釈し、pH約5の不透明の水性混合物を得た。水層を、1M NaOH溶液によってpHを約8に中和した。白色固体(所望の生成物)が水性混合物中に浮遊していた。混合物を濾過し、固体を水(15mL×2)で濯いだ。固体をEtOAc(60mL)に溶解した。EtOAc溶液を水(40mL×1)および塩水(40mL×1)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、粗生成物を得、これを、コンビフラッシュ(CombiFlash)TMSq 16×上で行うシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:100%CHCl〜CHCl中10%MeOH)により精製し、白色固体として、4−{4−[(R)−(4−ジメチルスルホニル−フェニル)−(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−(2R,5S)−ジメチルピペラジン−1−イルメチル}安息香酸を得た(148mg;53%)。H NMR(300MHz,CDOD)δ7.97(d,2H,J=8.0Hz),7.77(d,2H,J=8.5Hz),7.57(d,2H,J=8.5Hz),7.45(d,2H,J=8.0Hz),7.12(dd,1H,J=8.0Hz),6.89(s,1H),6.84(d,1H,J=8.0Hz),6.66(dd,1H,J=8.0,2.0Hz),5.22(s,1H),4.16(d,1H,J=13.5Hz),3.67(d,1H,J=13.5Hz),2.99−2.87(m,3H),2.68(s,6H),2.64(m,1H),2.38(m,1H),2.11(m,1H),1.93(d,3H,J=6.5Hz),1.15(d,3H,J=6.5Hz)。MS(FAB、グリセロール)m/z:538.1(M+H),404.2,290.2;実測値:C,63.28;H6.69;N,7.39。計算値(C2935S0.9CHOH):C,58.23;H6.82;N,8.21。
実施例12
N,N−ジエチル−3−((R)−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(ピリジン−4−イル−メチル)ピペラジン−1−イル)(3−ヒドロキシフェニル)メチル)ベンズアミド
3−カルボキシベンゾアルデヒド(150g、100mmol)を、250mLの三つ口丸底フラスコに秤量し、110mLのトルエン中、窒素下で撹拌した。塩化チオニル(8.75mL、120mmol)を混合物に添加し、続いて、6滴のDMFを添加した。塩化カルシウム管を装着した還流冷却器をフラスコに配置した。反応物を油浴に配置し、120℃未満に維持した浴温度で加熱した。透明な溶液が得られた後、混合物を1時間還流させ、次いで、室温に冷却した。溶液を無水トルエンで希釈し、揮発物質を減圧下で取り出した。
粗酸塩化物を200mLの乾燥テトラヒドロフランに溶解し、氷/水浴で冷却した。70mLの乾燥テトラヒドロフラン中トリエチルアミン(27.88mL、200mmol)を添加漏斗を介して段階的に添加し、ジエチルアミン(10.45mL、100mmol)を続けて添加した。不透明の溶液を1時間、室温まで加温させ、1晩撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水および塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し減少圧下で溶媒を取り出した。淡金色オイルとして3−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(17.72g)を得た(86%未クロマトグラフィー収率)。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ1.04−1.18(m,6H);3.17−3.45(m,4H);7.65−7.66(m,2H);7.85(s,1H);7.93−7.94(m,1H);10.03(s,1H)。
2R,5S−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(2.31g、15mmol、キロテック・ディビジョン・オブ・ドウ・ファーマ(Chirotech Division of Dow Pharma)、英国ケンブリッジ(Cambridge,England)))、ベンゾトリアゾール(1.80g、15.15mmol、1.01当量)、および3−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(3.08g、15mmol)を、2滴のトリエチルアミンを有する150mLの乾燥トルエン中に混合した。混合物を、140℃(浴温度)未満に維持した油浴に配置した。フラスコをディーン−スターク(Dean−Stark)トラップに付着して、水を共沸除去させた。混合物を2〜3時間、窒素大気下で還流し、次いで、減少圧下でトルエンの大部分を取り出した。単離することなく、粗付加物を以下の手順に使用した。
粗ベンゾトリアゾール付加物を約20mLのテトラヒドロフランに溶解し、二末端型針を介して3−フェノキシ−tert−ブチルジメチルシラン臭化マグネシウム(実施例5より、1.75当量)の溶液に添加した。窒素下、室温で2時間撹拌した後、反応物を、6〜8mLの塩化アンモニウム飽和溶液で焼入れした。30分間、撹拌した後、多量の無水硫酸マグネシウムを添加した。
溶液を濾過し、減少圧下で濃縮すると、副産物のベンゾトリアゾールが混入した粗シリルエーテルが得られた。この残渣を酢酸エチルに溶解し、10%NaOH溶液で3回抽出して、ベンゾトリアゾールの大部分を取り出した。有機層を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥し、減少圧下で酢酸エチルを取り出した。
残渣を80mLのテトラヒドロフランに溶解し、室温で80mLの3N HCl水溶液を添加することによって、t−ブチルジメチルシリル保護基を脱離させた。酸添加時に溶液を加温した。混合物を90分間、室温で撹拌した。反応物を減少圧下で濃縮し、ほとんどの有機溶媒を取り出した。残基を、水とジエチルエーテル:酢酸エチル/3:2の溶液との間で分配した。酸性水層を、ジエチルエーテル:酢酸エチル/3:2の溶液で2回抽出した。NaOH水溶液を使用して、水層をpH=2に調整し、この時点で不透明を維持し、暗色オイルが沈殿し始めた。塩化メチレン(約100mL)を添加して、激しく撹拌した。これを分別し、水層を再度、さらなる塩化メチレンで洗浄した。合わせた有機抽出物を水で分配し、激しく撹拌しながら、NaOH水溶液を使用して、pH=9に調整した。次いで、これを分別し、水層を再度、さらなる塩化メチレンで洗浄した。合わせた円貨メチレン抽出物を硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥し、減少圧下で溶媒をエバポレートした。粗物質を、シリカゲルカラム(粗物質1グラムあたり約20〜25gのシリカゲル)上のクロマトグラフィーに供し、最初に塩化メチレン、次いで、塩化メチレン中20%酢酸エチルで溶出させて、低極性混入物を取り出した。次いで、2%水酸化アンモニウム(溶液A)を含有する酢酸エチルに塩化メチレン(溶液B)による勾配を施し、極性形態を25%〜100%に迅速に増加させる溶液(溶液B中A)で、カラムを溶出させた。所望のフラクションを合わせ、減少圧下で溶媒を取り出した。ジアステレオマーの10:1混合物(約2.01g)を得た。酢酸エチル(5〜10mL)の熱溶液からの結晶化、続いてヘプタン(10〜20mL)を徐々に添加し、緩徐に冷却することによって、純粋な生成物を得、>98%異性体純度(NMRで決定した)の灰色を帯びた白色結晶固体として、1.35gの(+)−3−((αR)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ0.90−0.92(d,J=6.1Hz,3H);0.94−1.04(m,6H);1.06−1.08(d,J=6.1Hz,3H);1.73−1.76(m,2H);2.01−2.15(m,1H);2.52−2..56(q,J=11.1Hz,2H);2.69−2.72(q,J=14.0Hz,2H);2.75−2.82(q,J=13.9Hz,1H);3.11−3.40(d,J=4.9Hz,2H);3.56−3.62(d,J=13.3Hz,2H);5.05−5.11(dd,J=6.1Hz,J=16.6Hz,2H);5.16(s,1H);5.70−5.82(m,1H);7.13−7.16(d,J=7.3Hz,1H);7.24−7.41(m,7H);9.31(s,1H)。
3−((R)−((2R,5S)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N−ジエチルベンズアミド(4.35g、10mmol)、N−フェニルトリフルオロメタン−スルホンイミド(3.82g、10.7mmol)およびトリエチルアミン(3.1mL、22mmol)を、75mLのジクロロメタンに溶解し、1晩、室温、窒素下で撹拌した。減少圧下で濃縮した後、残基を100mLの酢酸エチルに溶解し、NaCO溶液(3×100mL)、水(1×100mL)、および塩水(1×100mL)で洗浄した。溶液を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留オイルを、シリカゲル(EtOAc/CHCl中2%NHOH)上のクロマトグラフィーにより精製し、得られる粘性の黄金色オイルとして6.01g(10.59mmol)のトリフラートエステルを得た。
ゲネット(Genet)の方法[J.P.ゲネット(J.P.Genet)、S.レマリエ−オードイエ(S.Lemaire−Audoire)、M.サビクナック(M.Savignac)、Tetrahedron Letters,36,1267−1270(1995)]により、チオサリチル酸の存在下でPd(dba)/DPPBを使用して、アリル基を取り出した。反応物を濃縮し、残渣を50mL酢酸エチルおよび100mLジエチルエーテルに溶解した。NaCO溶液(3×100mL)および水(1×100mL)でこれを洗浄した後、有機溶液を3N HCl(3×20mL)および1N HCl(1×20mL)で抽出した。NaOH溶液を使用して、酸抽出物をpH8.5に調整し、ジクロロメタン(3×25mL)で抽出した。溶液を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留オイルを、シリカゲル(EtOAc/CHCl中2%NHOH)上のクロマトグラフィーにより精製し、4.39g(8.32mmol)の粘性の濃琥珀−橙色オイルを得た。
アセトニトリル(10mL)中の上記の遊離のアミン(0.87g、1.50mmol)の溶液を、ヨウ化ナトリウム(100mg)、炭酸ナトリウム(0.88g、8.30mmol)に添加し、塩化4−ピコリル塩酸塩(0.27g、1.65mmol)を添加する間、窒素下室温で撹拌した。反応は6時間で完了した。溶媒をエバポレーションで取り出し、残基を塩化メチレンと水との間で分配し、水層を塩化メチレンで2回以上抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(NaSO/MgSO)し、減少圧下で濃縮した。残留した暗赤色の無定形固体を、シリカゲル(EtOAc/CHCl=1/1、次いで、CHCl中2%NHOHを伴う75%EtOAc)上のクロマトグラフィーにより精製し、白色無定形固体として0.35g(0.72mmol)のN,N−ジエチル−3−((R)−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(ピリジン−4−イル−メチル)ピペラジン−1−イル)(3−ヒドロキシフェニル)−メチル)ベンズアミドを得た。塩基をエタノールに溶解し、エタノール中0.2M HClでpH3.60に滴定することによって、塩を作製した。得られた援用液を1晩凍結乾燥して、白色の粉末固体を得た。H NMR(300MHz,d−DMSO);δ0.90−1.10(m,12H);1.90−2.08(m,2H),2.58−2.68(m,5H);3.08−3.50(m,4H);3.68−3.79(d,J=15.1Hz,1H);4.94(s,1H);6.61−6.76(m,3H);7.07−7.44(m,7H);8.43−8.45(d,J=5.7Hz,2H);9.32(s,1H)。:487.6(M+1,100%),509.3(30%)。C3038・HCl HOに対する計算値:C,66.59;H,7.64;N,10.35;Cl,6.55%。実測値C,66.23;H,7.59;N,10.23;Cl,6.73%。
実施例13
オピオイド受領体親和性のインビトロ試験
尿路機能障害を治療するのに有益なオピオイド受容体作動薬の群を、ラット脳膜(μおよびδオピオイド)ならびにモルモット小脳(κオピオイド受容体)におけるインビトロオピオイド受容体親和性について評価した。放射性リガンド結合のための膜を、ペル−フリーズバイオロジカル社(Pel−Freeze Biological Inc.)(アーカンソー州ロジャーズ(Rogers,AR))より供給されるラット全脳またはモルモット小脳のいずれかから調製した。組織を、50μg/mlダイズトリプシンインヒビター、1mM EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、および100μM PMSF(フェニルメタンスルホニルフルオリド)を含有する50mM TRIS(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン)緩衝液(pH7.4)中で均質化した。均質化した濃組織を、500×gで30分間(4℃)遠心分離して、大きな破砕物を取り出した。上清を、10秒間、ポリトロニック的に(polytronically)音波処理した(2のP.E.設定、4℃)。次いで、10mM TRIS−ショ糖緩衝液(pH7.4)を使用して、ショ糖溶液を添加して最終濃度の0.35Mとし、次いで、脳膜を40,000×gで30分間(4℃)遠心分離した。次いで、膜ペレットを、50μg/mlダイズトリプシンインヒビター、1mM EDTA、および100μM PMSFを含有する10mM TRIS緩衝液(pH7.4)中で2回洗浄した。
50μg/mlダイズトリプシンインヒビター、1mM EDTA、5mM MgCl、および100μM PMSFを含有する10mM TRIS緩衝液(pH7.4)中で、放射性リガンド結合アッセイを実施した。ニュー・イングランド・ヌクレアー(New England Nuclear)より購入した三重水素標識DAMGO(μ)、デルトルフィンII(Deltorphin II)(δ)、またはU69593(κ)を、0.5×10−6Mナロキソン(シグマ・ケミカル社(SIGMA Chemical Co.)より購入した)によって規定される非特異的結合を伴う競合実験のリガンド(2〜3×10−10M最終濃度)として使用した。すべての結合アッセイは、室温で、90分間行い、次いで、ブランデル・セミオートマチック・セル・ハーベスター(Brandel Semi−automatic Cell Harvester)(モデルM48(Model M48)、ブランデル(Brandel)、メリーランド州ゲイサーズバーグ(Gaithersburg,MD))を用いる50mM TRIS緩衝液(4℃)を伴うGF/Cグラスファイバーフィルター(ワットマン(Whatman)、オレゴン州ヒルズボロ(Hillsboro,OR))上での迅速な濾過により終了した。フィルターを50mM TRIS緩衝液(4℃、pH7.4)で2回洗浄し、フィルターを液体シンチレーションカクテルに配置し、ベックマン(Beckman)LS6500シンチレーションカウンター上で結合放射能を計数した。DAMGO(μ)、デルトルフィンII(Deltorphin II)(δ)、またはU69593(κ)の結合を阻害する化合物の有効性を、標識された化合物の結合を50パーセントだけ減少する濃度(IC50)として決定した。
インビトロ試験の結果を図1(表1)にまとめる。他よりも大きな活性を有する化合物もあるが、図1ではδオピオイド受容体活性を有するすべての試験化合物を示す。
実施例14
健常覚醒ラットにおける膀胱内パラメータに対するδオピオイド受容体作動薬の効果
体重200〜250グラムの雄性ラットを使用した。ラットを収容し、実験の実施期間を除いて、食事を自由に取らせ、強制的12時間の明暗サイクル、22〜24℃で、少なくとも1週間維持した。
ラットを、フェノバルビタール、65mg/kg腹膜腔内で麻酔し、仰向けに置いた。剃毛して清潔にした腹壁に約10mm長の中線切開を施した。膀胱を結合組織から取り出し、空にし、次いで、ドーム部の切開を介してポリエチレンカニューレ(PE50)を挿入し、この場所で縫合して永久的に固定した。肩甲骨後方(retroscapular)領域の皮下トンネルを介してカニューレを体外に出したが、ここで、該カニューレはラットから取り出される危険性を回避するためにプラスチックアダプターに接続した。試験化合物の静脈内(i.v.)注射のために、ポリエチレンチューブ(PE50)を形状脈に挿入し、肩甲骨後方(retroscapular)領域で体外に出した。膀胱内圧パラメータは、カテーテルインプラント後の経過時間の影響を受けることが報告されているため、ラットを、1mg/kgペニシリンG、筋肉内で処置し、感染を防止し、インプラント後3日間および試験開始前は安静にさせた。
試験化合物の経口投与のため、ポリエチレンチューブ(PE50)を胃に挿入し、この場所で縫合して永久的に固定した。肩甲骨後方(retroscapular)領域の皮下トンネルを介してカニューレを体外に出したが、ここで、該カニューレはラットから取り出される危険性を回避するためにプラスチックアダプターに接続した。
実験日、ラットをボルマン(Bollman)ケージ内に置き、先端自由の膀胱カテーテルをT型チューブを介して、膀胱圧を記録するための圧変換機(グラス(Grass)PT300またはゴールド(Gould)P23)、および0.1ml/分の食塩溶液の一定速度での膀胱への継続的な注輸のための蠕動ポンプに接続した。注輸中の管腔内圧シグナルを継続的に記録した。2つの尿力学パラメータ:排尿圧および排尿筋収縮が生じる前の容積容量に同等とみなされる排尿間の間隔(収縮回数の減少)を評価した。各用量のいくらかの動物に対する試験結果の平均として、算出した。薬物の効果を、100%と設定したコントロールデータの活性に対する相対パーセントとして表した。
食塩溶液で輸注を開始し、コントロールベースラインとして使用する試験化合物を伴わないラットの活性を決定した。食塩溶液の輸注を中断し、試験化合物を投与した。静脈内投与の90分後および経口薬物投与の120分後の時点で、各動物の膀胱内圧を記録し、記録された膀胱内圧パラメータの平均値を計算した。
本発明の異なる試験化合物による静脈内注射の90分後に実施した膀胱内圧の記録の結果を図2(表2)にまとめる。特に、結果は、化合物1、2、3、4、10および12の静脈内(i.v.)投与が膀胱収縮を阻害することを示す。化合物1〜10および12は、膀胱収縮の回数の減少(膀胱収縮間の間隔の増加であり、膀胱容量の増加に反映する)を引き起こした。化合物1、2、3、4、10および12は、膀胱収縮の強度の減少および膀胱収縮の回数の減少を起こすことによって、両パラメータに影響を及ぼした。
化合物1、2、8および11はまた、胃カニューレを介する経口投与による有効性について試験した。上記のように、同じ膀胱内圧パラメータを試験し、結果を図3に記載の表3にまとめる。化合物1および11の経口投与は、膀胱収縮の回数の減少およびこれらの収縮の圧力の減少を生じ、それによって膀胱の容量の増加を提供した。意外なことに、化合物1は両方の投与方法に同様の有効性を示し、化合物の同様の血中レベルを、異なる投与形態で達成することができることを示した。興味深いことに、化合物1は、水酸基で置換されたフェノール環も水酸基のメチル化も含まない。フェノール環上の水酸基またはメトキシ基は、δオピオイド受容体を認識し、生理学的効果を生じるためのペプチドおよび非ペプチドリガンドに重要なファーマコフォアである。しかし、化合物1は、上記のようなフェノール環を伴わずに驚くべき有効性を示し、従って、予想外の生理学的効果を提供することを見出した。
実施例15
部分的尿道制限を経験するラットの膀胱内パラメータに対するδオピオイド受容体作動薬の効果
体重200〜250グラムの雄性ラットを使用した。膀胱流出口を閉塞し、それによって部分的尿道制限を生じるための方法は、マルムグレン(Malmgren)ら、J.Urol.137:1291−1294(本明細書に参考として援用される)により報告されていることと本質的に同じである。麻酔の導入後、服側の腹壁および会陰部を剃毛し、ベタジンで清浄にした。下部中線の腹部切開を施し、膀胱および隣接の尿道を同定した。外径約1mmのプラスチックの棒を尿道と平行に配置し、絹の結紮糸で尿道およびプラスチックの棒の周囲を縛った。結紮糸を確実にした後、外部に存在するプラスチック棒を取り出し、従って、腔径が約1mmとなるように束縛した。動物に鎮痛薬のブプレノルフィンを投与し、回復させた。第2の手術手順を実施して、尿道結紮糸の配置の6週間後に尿道結紮糸を取り出し、その時点で膀胱内カテーテルを配置した。尿道内の6週間のプラスチック棒のインプラントはその領域で炎症を引き起こし、試験ラットは、真性尿路機能障害の示す副作用に類似する膀胱筋肉の不安定を経験した。
試験日に、膀胱カテーテルを、T型チューブを介して膀胱圧を等積的に記録するための圧変換機(グラス(Grass)PT300またはゴールド(Gould)P23)、および0.1ml/分の食塩溶液の一定速度での膀胱への継続的な注輸のための蠕動ポンプに接続した。注輸中の圧シグナルを継続的に記録した。
試験ラットの2つの尿力学パラメータ:排尿圧および排尿筋収縮が生じる前の容積容量に同等とみなされる排尿間の間隔(収縮回数の減少)を評価した。膀胱活性の変化を記録し、経時的な圧または容積としてあらわした。
図4は、予めインプラントした閉塞により尿管に障害を生じさせた3匹の試験ラットの尿力学パラメータの膀胱内圧トレースを示す。トレースは、試験化合物の投与前および化合物1の10mg/kgの経口投与後の試験動物の尿力学パラメータを例示する。プロットの左側のトレースは、化合物1の投与前の3匹の試験動物の圧および排尿経歴(1aおよびb、2aおよびb、ならびに3aおよびb)を示す。トレース1aおよび1bを見ると、試験化合物番号1は、膀胱筋の複数かつ強力な収縮を経験したことが明らかである。さらに、トレース1bからは、動物が連続的に排尿して、膀胱に尿がほとんど貯蔵されないことを確認することができる。他の2匹の試験動物のトレースもまた、不安定な膀胱を示している。3匹の試験動物に、経口用量の化合物1を投与したあと、収縮および貯蔵容積の顕著な改善が認められた。トレース1cおよび1dは、収縮の回数および各収縮の圧が顕著に減少したことを示す。さらに、トレース1dは、容積用量が増加し、試験動物が、排尿前に膀胱容量を増加したことを示す。トレース1bで示された継続排尿の代わりに、試験動物は、間欠的に排尿し、従って、排尿間により大きな尿の容積を貯蔵していた。明らかに、すべての3匹の試験動物は、化合物1の投与後に圧収縮の(減少した)回数および強度ならびに容積の量において顕著な改善を示した。
発明の例示的δオピオイド受容体作動薬のδオピオイド受容体親和性の概要を表す。 発明の例示的δオピオイド受容体作動薬のδオピオイド受容体親和性の概要を表す。 発明の例示的δオピオイド受容体作動薬のδオピオイド受容体親和性の概要を表す。 静脈注射によって投与された本発明の例示的δオピオイド受容体作動薬についての2つの尿力学パラメータの膀胱内圧評価の結果の概要を表す。 静脈注射によって投与された本発明の例示的δオピオイド受容体作動薬についての2つの尿力学パラメータの膀胱内圧評価の結果の概要を表す。 静脈注射によって投与された本発明の例示的δオピオイド受容体作動薬についての2つの尿力学パラメータの膀胱内圧評価の結果の概要を表す。 経口投与された本発明の例示的δオピオイド受容体作動薬についての2つの尿力学パラメータの膀胱内圧評価の結果の概要を表す。 部分的尿道的制限を経験する試験動物の膀胱内圧トレースおよび本発明の化合物1を経口投与する効果を例示する。トレース1a、1c;2a、2c;および3a、3cは、膀胱の収縮および排尿の回数による排尿圧変化を示す。トレース1b、1d;2b、2d;および3b、3dは、ケージにおいて回収された排尿容積を示す。

Claims (7)

  1. 尿路機能障害を治療するのに有効な量のδオピオイド受容体作動薬および薬学的に許容可能なキャリアを含む、尿路機能障害を治療するための薬学的組成物であって、ここで、前記δオピオイド受容体作動薬は:
    ならびにその薬学的に許容可能な塩よりなる群から選択される、薬学的組成物。
  2. 請求項に記載の薬学的組成物のための薬学的単位剤型であって、ここで、前記薬学的単位剤型は、錠剤、軟弾性ゼラチンカプセル、経皮パッチおよび坐剤よりなる群から選択される、薬学的単位剤型。
  3. 尿路機能障害を治療する少なくとも1つのさらなる活性薬剤をさらに含む、請求項に記載の薬学的組成物。
  4. 前記活性薬剤は、αアドレナリン作動薬、抗コリン薬、αアドレナリン遮断薬および三環系抗うつ薬よりなる群から選択される、請求項に記載の薬学的組成物。
  5. 尿路機能障害は尿失禁を含む、請求項に記載の薬学的組成物。
  6. 尿路機能障害を治療するための有効量のδオピオイド受容体作動薬を含む、尿路機能障害を治療するためのキットであって、ここで、前記δオピオイド受容体作動薬は:
    ならびにその薬学的に許容可能な塩よりなる群から選択されるキット。
  7. αアドレナリン作動薬、抗コリン薬、αアドレナリン遮断薬および三環系抗うつ薬よりなる群から選択される、尿路機能障害を治療するために使用される少なくとも1つの活性薬剤をさらに含む、請求項に記載のキット。
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