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JP4638166B2 - ゲンチシン酸誘導体及びそれを用いた皮膚外用剤 - Google Patents
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ゲンチシン酸誘導体及びそれを用いた皮膚外用剤 Download PDF

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Description

本発明は新規で且つ薬効剤として有用なゲンチシン酸誘導体、及びそれを用いた皮膚外用剤に関する。
従来、ゲンチシン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)に美白効果があることが知られている。また、ゲンチシン酸の特定の誘導体についても、皮膚外用剤への応用が提案されている(特許文献1〜3)。しかし、近年、皮膚外用剤には、より高い薬効が求められ、従来の剤の中には、その薬効が、必ずしも要求に応えられるのに充分でないものもある。また、人間の皮膚に直接塗布する皮膚外用剤には、高い安全性が求められ、より低濃度で高い薬効を示す薬効剤、又は薬効のみならず、安全性にも優れた薬効剤の提供が求められている。
特許第3081030号公報 特許第2722309号公報 WO97/41825号公報
本発明は、薬効、特に美白効果に優れるとともに、安全性にも優れた皮膚外用剤を提供することを課題とする。また、本発明は、薬効剤、特に美白剤として有用な新規なゲンチシン酸誘導体を提供することを課題とする。特に、安全性が良好で、しかも低濃度で優れた美白効果を奏するゲンチシン酸誘導体を提供することを課題とする。
本発明は、下記一般式(1):
Figure 0004638166
又は、下記一般式(2):
Figure 0004638166
式中、nは1〜22の整数である;で表されるゲンチシン酸誘導体に関する。また、本発明は、上記ゲンチシン酸誘導体の1種又は2種以上を含有する皮膚外用剤;及び上記ゲンチシン酸誘導体を美白剤として含有する皮膚外用剤にも関する。
また、別の観点から、本発明によって、前記一般式(1)又は(2)で表されるゲンチシン酸誘導体より選ばれる1種又は2種以上を利用する、皮膚の美白方法;前記一般式(1)又は(2)で表されるゲンチシン酸誘導体より選ばれる1種又は2種以上を利用する、色素沈着抑制方法;前記一般式(1)又は(2)で表されるゲンチシン酸誘導体より選ばれる1種又は2種以上を利用する、色素沈着改善方法;又は前記一般式(1)又は(2)で表されるゲンチシン酸誘導体より選ばれる1種又は2種以上を添加することを含む皮膚外用剤(好ましくは美白化粧料)の製造方法;が提供される。
なお、本明細書において「美白」の用語は、肌を白くする積極的効果のみならず、肌の黒化を抑制する予防的効果も含む意味で用いるものとする。例えば、しみ、そばかす等の色素沈着を改善する効果のみならず、色素沈着を抑制する効果も含むものとする。
本発明によれば、薬効、特に美白効果に優れるとともに、安全性にも優れた皮膚外用剤を提供することができる。また、本発明によれば、薬効剤、特に美白剤として有用な新規なゲンチシン酸誘導体を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の皮膚外用剤は、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される化合物(以下、「ゲンチシン酸誘導体」という場合がある)の1種又は2種以上を含有する。
Figure 0004638166
Figure 0004638166
式中、nは1〜22の整数であり、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜3である。nが8以下であると、皮膚への浸透性がより高くなるので、皮膚外用剤中に用いる場合に特に好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物は、従来公知のエステル化反応を利用して合成できる。例えば、ゲンチシン酸と、酸塩化物、酸無水物又は酸アミド(好ましくは酸塩化物)とを反応させることによって合成することができる。反応溶媒については特に制限はなく、ゲンチシン酸やニコチン酸クロリド等の出発原料を溶解可能な有機溶媒を用いるのが好ましい。出発原料の溶解性を向上させるために、2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。使用可能な有機溶媒の例として、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。
前記一般式(1)中、ピリジン環に対するエステル基の置換位置については特に制限はないが、原料の入手容易性の観点から、エステル基は、ピリジン環の2位又は3位であるのが好ましく、2位であるのが特に好ましい。また、ピリジン環の他の置換可能な部位は置換基によって置換されていてもよく、該置換基の例としては、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、及びこれらの複素環にカルボキシル基、又はアミノ基を付した芳香族基が挙げられる。
上記一般式(2)で表される化合物は、従来公知のエステル化反応を利用して合成できる。例えば、ゲンチシン酸とピコリルアルコールとを反応させることによって合成することができる。反応系中には、酸を存在させるのが好ましく、酸としては、塩酸、酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又はカンファースルホン酸が挙げられる。反応溶媒については特に制限はない。出発原料は、溶媒中に溶解していても、また分散もしくは懸濁した状態であってもよい。使用可能な有機溶媒としては、トルエン、キシレン、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
前記一般式(2)中、ピリジン環の置換可能な部位は置換基によって置換されていてもよく、該置換基の例としては、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、及びこれらの複素環にカルボキシル基又はアミノ基を付した芳香族基が挙げられる。
なお、本発明において、前記一般式(1)又は(2)で表されるゲンチシン酸誘導体の範囲には、同等な薬効を有する前記ゲンチシン酸誘導体の塩、及び溶媒和体(水和体を含む)も含まれるものとする。
本発明の皮膚外用剤における前記ゲンチシン酸誘導体の含有量は、好ましくは0.00001〜10質量%(以下、単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.0001〜1%である。この範囲内であれば、前記ゲンチシン酸誘導体を安定に配合することができ、且つ優れた薬効を発揮することができる。また、前記ゲンチシン酸誘導体は、毒性が低く、この範囲の含有量で前記ゲンチシン酸誘導体を含有する皮膚外用剤は、安全に皮膚に適用することができる。
前記ゲンチシン酸誘導体は、単独でも優れた美白効果を奏するが、他の各種美白剤と併用することによって、更に美白効果を高めることもできる。他の各種美白剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、アルコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC誘導体;アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、リノール酸が挙げられる。中でも、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、アスコルビン酸パルミチン酸エステル及びアルブチンからなる群より選ばれる1種又は2種以上と併用すると、更に美白作用が高まる。また、上記例示したものの他、胎盤抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤における、前記他の美白剤の含有量の好ましい範囲は、用途に応じて異なるが、一般的には0.001〜20%であるのが好ましく、0.01〜20%であるのがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤には、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、防腐剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、紫外線防御剤、植物・動物・微生物由来の抽出物、抗炎症剤、細胞賦活剤、活性酸素除去剤、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を必要に応じて加えることができる。
油剤は、基剤の構成成分としては、又は使用性もしくは使用感を改善する目的で用いられる。通常の化粧料に使用されるものであればいずれも使用することができ、天然系油であるか、合成油であるか等の由来について、又は、固体、半固体、液体であるか等の性状については問わない。本発明には、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等を使用することができる。より具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、トリ−2−エチルヘキサン酸セチル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等の合成エステル油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ油、シア脂等の植物や動物由来の油脂、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ゲイロウ等のロウ類等を用いることができる。
アルコールは、溶解、清涼感、防腐、保湿等の目的で用いられる。本発明に使用可能なアルコールの例には、エタノール等の低級アルコール;及びグリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;等が含まれる。
水溶性高分子は、系の安定化のため、又は使用性もしくは使用感を改良するために用いられ、又保湿効果を得るためにも用いられる。使用可能な水溶性高分子の例には、カラギーナン、ペクチン、寒天、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム等の微生物系高分子、ゼラチン等の動物系高分子、デンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子等が含まれる。
防腐剤、抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
使用可能な紫外線防御剤の例には、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、4−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
抗炎症剤は、日焼け後の皮膚のほてりや紅斑等の炎症を抑制する目的で用いられる。本発明に使用可能な抗炎症剤の例には、イオウ及びその誘導体、トラネキサム酸、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アロエ抽出物、アルテア抽出物、アシタバ抽出物、アルニカ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、オウバク抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ゲンチアナ抽出物等が含まれる。
細胞賦活剤は、肌荒れの改善等の目的で用いられる。本発明に使用可能な細胞賦活剤の例には、カフェイン、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン又はその分解物、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、ニンジン抽出物、ローズマリー抽出物、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸及びそれらの誘導体等が含まれる。
活性酸素除去剤は、過酸化脂質生成抑制等の酸化障害抑制の目的で用いられる。本発明に使用可能な活性酸素除去剤の例には、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ボタンピ抽出物、ヤシャジツ抽出物、メリッサ抽出物、羅漢果抽出物、レチノール及びその誘導体、カロチノイド等のビタミンA類、チアミンおよびその誘導体、リボフラビンおよびその誘導体、ピリドキシンおよびその誘導体、ニコチン酸およびその誘導体等のビタミンB類、トコフェロール及びその誘導体等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が含まれる。
保湿剤の例には、エラスチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、尿素、リン脂質、セラミド、オウレン抽出物、ショウブ抽出物、ジオウ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ドクダミ抽出物、ハマメリス抽出物、ボダイジュ抽出物、マロニエ抽出物、マルメロ抽出物等が含まれる。
本発明の皮膚外用剤の配合形態の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の、いずれの形態の化粧料であっても外用医薬品等であってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
[例1:化合物(1)(ピリジン−2−カルボン酸−3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニルエステル)の合成]
以下の方法により化合物(1)を合成した。
Figure 0004638166
窒素雰囲気下、ピコリン酸クロリド11.4g(64mmoL)を溶解させた乾燥ジメチルホルムアミド(50mL)及び乾燥ピリジン(20mL)混液に、ゲンチシン酸10g(64mmoL)の乾燥ジメチルホルムアミド(50mL)溶液を30分要して滴下し、室温で12時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去したのち、粗反応油をメタノールに懸濁させ濾過した。得られた濾液をエバポレートし、結晶の析出がなくなるまで、メタノールにて懸濁、濾去を繰り返した。得られた油状固形物をメタノールにて再結晶することにより、目的の化合物(1)を2.2g(収率13.1%)得た。
なお、同定はIRにより行った。
IRνmax(KBr)cm-1:3500、1730、1676、1626、1497、1452。
IR測定結果を図1に示す。
[例2:化合物(2)(ピリジン−3−カルボン酸−3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニルエステル)の合成]
以下の方法で、化合物(2)を合成した。
Figure 0004638166
窒素雰囲気下、ニコチン酸クロリド塩酸塩11.4g(64mmoL)を溶解させた乾燥ジメチルホルムアミド(50mL)及び乾燥ピリジン(20mL)混液に、ゲンチシン酸10g(64mmoL)の乾燥ジメチルホルムアミド(50mL)溶液を30分要して滴下し、室温で12時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した後、粗反応油をメタノールに懸濁させ濾過した。得られた濾液をエバポレートし、結晶の析出がなくなるまで、メタノールにて懸濁、濾去を繰り返した。得られた油状固形物をメタノールにて再結晶することにより、目的の化合物(2)を4.2g(収率25%)得た。
なお、同定はIRにより行った。
IRνmax(KBr)cm-1:3485、1731、1591、1491。
IR測定結果を図2に示す。
[例3:化合物(3)(2,5−ジヒドロキシベンゾイックアシッドピリジン−3−イルメチルエステル)の合成]
以下の方法により化合物(3)を合成した。
Figure 0004638166
ゲンチシン酸2g(12.8mmoL)、ピコリルアルコール1.4g(12.8mmoL)、及びp−トルエンスルホン酸250mgを乾燥トルエン(50mL)に懸濁し、140℃で12時間加熱環流した。反応終了後、室温に戻した。溶媒を留去して、得られた粗反応油をオープンカラムクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム:メタノール=95:5)にて分画して精製することにより、目的の化合物(3)を1.5g(収率42%)得た。
なお、同定はIRにより行った。
IRνmax(KBr)cm-1:3500、1691、1641、1596、1482、1442、1407。
IR測定結果を図3に示す。
[試験例4:培養細胞によるメラニン生成抑制試験]
2枚の6穴プレートに10%FBS含有MEM培地を適量とり、B16メラノーマ細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5%中にて静置した。翌日、例1〜3でそれぞれ製造した化合物(1)及び(3)のジメチルスルフォキシド溶液のそれぞれ、及びジメチルスルフォキシドのみを、培地中に添加した。化合物(1)については、その最終濃度が0(対照)、0.095、0.19及び0.38μmol/mLとなるように検体調製液を添加し、混和した。化合物(3)については、その最終濃度が0(対照)、0.0014及び0.004μmol/mLとなるように検体調製液を添加し混和した。培養5日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、1枚のプレートについて、細胞をリン酸緩衝液にて洗浄した後回収し、B16メラノーマ培養細胞の白色化度を以下の基準にて評価した。化合物(1)については結果を表1に、化合物(3)については結果を表2に示す。
又、比較例として、メラニン生成抑制作用のあることが知られているゲンチシン酸、下記化合物A、B及びCについても同様の試験を行った。化合物A及びBについては、化合物(1)と同一の濃度条件で、化合物Cについては、化合物(3)と同一の濃度条件で、ゲンチシン酸については、双方の濃度条件で試験を行った。それぞれの結果を表1又は表2に示す。
なお、化合物A(特許第2722309号公報に記載の化合物)は市販品(ACROS ORGANICS社製)を用いた。化合物BはWO/97/41825号公報、及び化合物Cは特許第3081030号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0004638166
(判定基準)
++:対照に対してあきらかに白色である。
+:対照に対して白色である
±:対照に対してやや白色である。
−:対照と同じ黒色である。
Figure 0004638166
Figure 0004638166
n.d.:not detected(判定できず)。具体的には、化合物の毒性が高く、細胞生育率が低いので、回収できる細胞数が少なくなり、上記判定(対照と比較した色の評価)ができない場合である。
さらに、残りの1枚のプレートについて、細胞をホルマリン固定後、1%クリスタルバイオレット溶液に添加し、染色した。各検体濃度に対する生存細胞率をモノセレーター(オリンパス社製)で測定した。
以下に、化合物(1)、A、B及びゲンチシン酸について、0.38μmol/mLの濃度における細胞生育率の結果を、ならびに、化合物(3)、C及びゲンチシン酸について、0.004μmol/mLの濃度における細胞生育率の結果を、表3及び表4にそれぞれ示す。
Figure 0004638166
Figure 0004638166
上記表1〜4に示す結果から、以下のことが示された。
まず、表1に示す結果から、本発明の化合物(1)は、同濃度のゲンチシン酸と比較して格段に優れたメラニン生成抑制効果を有し、美白効果に優れていた。また、化合物(1)は、美白効果が知られている公知の化合物A及びBと比較しても、それ以上の優れた美白効果を有していた。さらに、表3の結果から、本発明の化合物(1)の細胞生育率は、同濃度の公知化合物A及びBの細胞生育率と比較して高いことがわかった。これらの結果から、本発明の化合物(1)は、同濃度の公知のゲンチシン酸誘導体A及びBと比較して、美白効果に優れているとともに、B16メラノーマ培養細胞に対する毒性が低いことがわかった。
一方、化合物(3)も、表2の結果から、美白効果が知られている公知の化合物Cと比較して、優れた美白効果が認められた。さらに、表4の結果から、本発明の化合物(3)の細胞生育率は、同濃度の公知化合物Cの細胞生育率と比較して格段に高いことがわかった。なお、化合物Cは、0.0014〜0.004μmol/mLの範囲では、細胞毒性が高く、美白効果を評価することはできなかった。化合物Cの濃度を0.0014μmol/mLより低下させていくと、細胞生育率が充分に高くなるが、かかる濃度範囲では美白効果は全く認められなかった。これらの結果から、本発明の化合物(3)は、同濃度の公知のゲンチシン酸誘導体Cと比較して、美白効果に優れているとともに、B16メラノーマ培養細胞に対する毒性が低いことがわかった。
従って、本発明の化合物(1)又は(3)を配合した本発明の皮膚外用剤は、肌に安全に適用することができ、且つ肌への適用によって、極めて優れたメラニン生成抑制作用を発揮し、日焼けによる肌の黒色化、シミ、ソバカスなどを効果的に抑制して美白及び美肌効果を得ることができる。
次に、ゲンチシン酸誘導体の皮膚外用剤への実施例を示す。
[例5:化粧水]
下記成分(3)、〜(5)、および(9)〜(11)を混合溶解した溶液と、成分(1)、(2)、(6)〜(8)及び(12)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
(成分) (%)
(1)グリセリン 5.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2
モノラウリン酸エステル
(4)エチルアルコール 8.0
(5)化合物(1)*1 0.005
(6)L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム*2 0.5
(7)乳酸 0.05
(8)乳酸ナトリウム 0.1
(9)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 3.0
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
(12)精製水 残量
*1 例1で製造したもの
*2 シグマ社製
[例6:乳液]
下記成分(13)、(16)及び(18)を加熱混合し、70℃に保った混合物Aを、成分(1)〜(9)、(12)及び(15)を加熱混合し、70℃に保った混合物Bを加えて混合し、均一に乳化して乳化物Cを得た。この乳化物Cを冷却後、成分(10)及び(11)を加え均一に混合して、さらに、成分(14)を加え、十分に攪拌し、さらに(17)を加え、均一に混合して乳液を得た。
(成分) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0
モノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット 0.5
テトラオレエート
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)パルミチン酸レチノール*1 0.002
(8)グリチルリチン酸ジカリウム*2 0.3
(9)化合物(2)*3 0.02
(10)カンゾウ抽出物*4 0.1
(11)ヒアルロン酸 0.1
(12)防腐剤 0.1
(13)カルボキシビニルポリマー 0.1
(14)水酸化ナトリウム 0.05
(15)エチルアルコール 5.0
(16)精製水 残量
(17)香料 適量
(18)酸化亜鉛*5 5.0
*1 日本ロシュ社製
*2 シグマ社製
*3 例2で製造したもの
*4 丸善製薬社製
*5 シグマ社製
[例7:クリーム]
下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物Aを、下記成分(13)〜(17)および(20)〜(22)を加熱混合し、70℃に維持した混合物Bに混合し、均一に乳化して、乳化物Cを得た。この乳化物Cを冷却後、成分(18)及び(19)を加え、均一に混合してクリームを得た。
(成分) (%)
(1)セトステアリルアルコール 3.0
(2)グリセリン脂肪酸エステル 2.0
(3)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0
(4)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(5)N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム 0.5
(6)ワセリン 5.0
(7)ジメチルポリシロキサン(100mm2/s) 3.0
(8)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 20.0
(9)dl−α―トコフェロール*1 1.0
(10)化合物(2)*2 0.001
(11)化合物(3)*3 0.05
(12)エラグ酸*4 0.05
(13)乳酸(50%水溶液) 1.0
(14)ジプロピレングリコール 10.0
(15)アルブチン*5 3.0
(16)クエン酸ナトリウム 0.5
(17)L−アスコルビン酸−2−グルコシド*6 0.1
(18)酸化チタン 0.1
(19)香料 適量
(20)エデト酸二ナトリウム 0.03
(21)防腐剤 適量
(22)精製水 残量
*1 エーザイ社製
*2 例2で製造したもの
*3 例3で製造したもの
*4 シグマ社製
*5 和光純薬社製
*6 東洋精糖社製
上記例5、6及び7で調製した化粧料は、肌に適用することにより、極めて優れた美白効果を有し、且つ安全性及び安定性も良好であった。
本発明のゲンチシン酸誘導体は、優れたメラニン生成抑制効果を示し、且つ安全性にも優れた成分である。従って、化粧料、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤のための幅広い製剤への配合が可能であり、皮膚外用剤の美白成分として有用である。かかるゲンチシン酸誘導体を含有する本発明の皮膚外用剤は美白効果に優れているとともに、安全性にも優れている。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0004638166
    で表されるゲンチシン酸誘導体。
  2. 請求項1に記載のゲンチシン酸誘導体の1種又は2種以上を含有する皮膚外用剤。
  3. 請求項1に記載のゲンチシン酸誘導体を美白剤として含有する請求項2に記載の皮膚外用剤。
  4. 下記一般式(2):
    Figure 0004638166
    式中、nは1〜22の整数である;で表されるゲンチシン酸誘導体。
  5. 請求項4に記載のゲンチシン酸誘導体の1種又は2種以上を含有する皮膚外用剤。
  6. 請求項4に記載のゲンチシン酸誘導体を美白剤として含有する請求項5に記載の皮膚外用剤。
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