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JP4639441B2 - ディジタル信号処理装置および処理方法、並びにディジタル信号記録装置および記録方法 - Google Patents
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ディジタル信号処理装置および処理方法、並びにディジタル信号記録装置および記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定データ量ごとにブロック化し、隣接するブロックと関連させながら高能率符号化されたディジタル信号の一部分を編集可能とするディジタル信号処理装置および処理方法、並びにディジタル信号記録装置および記録方に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ信号の高能率符号化に係る従来技術として、例えば、時間領域のオーディオ信号を単位時間毎にブロック化し、ブロック毎の時間軸上の信号を周波数軸上の信号に変換、たとえば直交変換、して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎に符号化するブロック化周波数帯域分割方式の一つである変換符号化方法が知られている。また、時間領域のオーディオ信号を単位時間毎にブロック化せずに、複数の周波数帯域に分割して符号化する非ブロック化周波数帯域分割方法の一つであるサブ・バンド・コーディング(SBC:Sub Band Coding )方法が知られている。
【0003】
さらに、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組み合わせてなる高能率符号化方法も知られている。この方法では、例えば、帯域分割符号化方式によって分割した各帯域毎の信号を、変換符号化方式によって周波数領域の信号に直交変換し、直交変換された各帯域毎に符号化が施される。
【0004】
ここで、上述した帯域分割符号化方式に使用される帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF(Quadrature Mirror filter)等のフィルタがある。QMFについては、例えば、 R.E.Crochiere Digital coding of speech in subbands Bell Syst.Tech. J. Vol.55, No.8(1976)に述べられている。また、ICASSP 83, BOSTON Polyphase Quadrature filters-A new subband coding technique Joseph H. Rothweiler には、ポリフェーズ クワドラチャ フィルタ(Polyphase Quadrature filter) などの等バンド幅のフィルタ分割手法および装置が述べられている。
【0005】
また、直交変換としては、例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレーム)でブロック化し、該ブロック毎に高速フーリエ変換(FFT)やコサイン変換(DCT)、モディファイドDCT変換(MDCT)等を行うことで時間軸を周波数軸に変換するような方法が知られている。MDCTについては、例えば、ICASSP 1987 Subband/Transform Coding Using Filter Bank Designs Based on Time Domain Aliasing Cancellation J.P.Princen A.B.Bradley Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst.of Tech. に述べられている。
【0006】
一方、周波数帯域分割された各周波数成分を量子化する際に、人間の聴覚特性を考慮した周波数分割幅を用いる符号化方法が知られている。すなわち、臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ばれる、帯域幅が高域程広くなるような帯域幅が広く用いられている。このような臨界帯域を用いてオーディオ信号を複数バンド(例えば25バンド)の帯域に分割することがある。このような帯域分割方法によれば、各帯域毎のデータを符号化する際に、各帯域毎に所定のビット配分、或いは各帯域毎に適応的なビット配分による符号化が行われる。例えば、MDCT処理によって生成されるMDCT係数データを上述したようなビット配分によって符号化する場合には、各ブロック毎に対応して生成される各帯域毎のMDCT係数データに対して適応的なビット数が配分され、そのようなビット数配分の下で符号化が行われる。
【0007】
このようなビット配分方法およびそれを実現する装置についての公知文献として、例えば以下のようなものが挙げられる。まず、例えばIEEE Transactions of Accoustics,Speech,and Signal Processing,vol.ASSP-25,No.4,August(1977)には、各帯域毎の信号の大きさに基づいてビット配分を行う方法が記載されている。また、例えばICASSP 1980 Thecritical band coder--digital encoding of the perceptual requirements of the auditory system M.A. Kransner MIT には、聴覚マスキングを利用することによって各帯域毎に必要な信号対雑音比を得て固定的なビット配分を行う方法が記載されている。
【0008】
また、各帯域毎の符号化に際しては、各帯域毎に正規化を行って量子化を行うことにより、より効率的な符号化を実現するいわゆるブロックフローティング処理が行われている。例えば、MDCT処理によって生成されるMDCT係数データを符号化する際には、各帯域毎に上述のMDCT係数の絶対値の最大値等に対応した正規化を行った上で量子化を行うことにより、より効率的な符号化が行われる。正規化処理は例えば以下のように行われる。すなわち、予め番号付けされた複数種類の値を用意し、それら複数種類の値の内で各ブロックについての正規化に係るものを所定の演算処理によって決定し、決定した値に付されている番号を正規化情報として使用する。複数種類の値に対応する番号付けは、例えば、番号の1の増減に、オーディオレベルの2dBの増減が対応する等の一定の関係の下で行われる。
【0009】
上述したような方法で高能率符号化された符号化データは、次のようにして復号化される。まず、各帯域毎のビット配分情報、正規化情報等を参照して、符号化データに基づいてMDCT係数データを生成する処理がなされる。このMDCT係数データに基づいていわゆる逆直交変換が行われることにより、時間領域のデータが生成される。高能率符号化の過程で帯域分割用フィルタによる帯域分割が行なわれていた場合は、帯域合成フィルタを用いて時間領域のデータを合成する処理がさらになされる。
【0010】
加算、減算等の処理によって正規化情報を変更することにより、符号化データを復号化してなる時間領域の信号に関して、振幅の大きさすなわち再生レベルの調整、フィルタ機能等を実現するデータの編集方法が知られている。この方法によれば、加算、減算等の演算処理によって再生レベルの調整等の操作を行うことができるので、装置の構成が容易に実現できると共に、不要な復号化、符号化等を行う必要がないため、信号品質の劣化を伴わずに再生レベルの調整等の編集処理を行うことが可能となる。また、この方法では、復号化によって生成される信号の時間間隔相当分を変化させることなく符号化データを変更することが可能なので、復号化によって生成される信号の一部分のみを、他の部分に影響を与えることなく変更することが可能となる。
【0011】
なお、正規化情報を変更する方法以外の方法でも、例えば復号化後に生成される信号と元の信号との時間関係、すなわち位相関係の遅延量を把握することにより、復号化によって生成される信号の時間間隔相当分が同一となるような符号化データを作成することが可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような方法で符号化データを変更する場合には、例えば2dB等の、正規化情報としての番号の1の増減に対応するレベル変化を単位とした操作が可能であるが、それより小さいレベル調整等の操作を行うことはできない。また、時間方向でも、符号化方式に係る符号化データフォーマットによって規定される、1フレーム等の最小の時間単位よりも小さい範囲でのレベル調整等の編集操作を行うことはできない。
【0013】
このように、符号化方式、符号化データフォーマット等による制限のために、再生レベルおよび周波数領域における編集処理、および時間方向における編集処理として、ある程度以上細かい処理を行うことはできない。
【0014】
従って、この発明の目的は、例えば再生レベル等において、符号化フォーマット等による制限のより少ない編集処理を行うことを可能とするディジタル信号処理装置および処理方法、並びにディジタル信号記録装置および記録方を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、第1の発明は、
修正離散コサイン変換を用いた符号化がなされた符号化オーディオデータを部分的に復号化して、復号化オーディオデータ部分を生成する部分復号化手段と、
復号化オーディオデータ部分に変更処理を施すデータ変更手段と、
データ変更手段の出力を符号化し、符号化オーディオデータを生成する部分符号化手段と
部分復号化手段からデータ変更手段への出力、またはデータ変更手段から部分符号化手段への出力に対して、遅延補正を施す遅延補正手段と
を有し、
遅延補正手段は、
部分復号化手段および部分符号化手段の動作に起因して生じる、部分復号化手段に入力される符号化オーディオデータに対する、部分符号化手段から出力される符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号処理装置である。
【0016】
第2の発明は、
修正離散コサイン変換を用いた符号化がなされた符号化オーディオデータを部分的に復号化して、復号化オーディオデータ部分を生成する部分復号化ステップと、
復号化オーディオデータ部分に変更処理を施すデータ変更ステップと、
データ変更ステップの結果を符号化し、符号化オーディオデータを生成する部分符号化ステップと、
部分復号化ステップとデータ変更ステップとの間、またはデータ変更ステップと部分符号化ステップとの間で、復号化オーディオデータ部分に対して遅延補正を施す遅延補正ステップと
を有し、
遅延補正ステップでは、
部分復号化ステップおよび部分符号化ステップの処理に起因して生じる、部分復号化ステップ前の符号化オーディオデータに対する、部分符号化ステップ後の符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号処理方法である。
【0017】
第3の発明は、
入力ディジタルオーディオ信号を修正離散コサイン変換を用いて符号化することによって符号化オーディオデータを生成し、符号化オーディオデータを所定の記録媒体に記録するディジタル記録装置において、
符号化オーディオデータを部分的に復号化して、復号化オーディオデータ部分を生成する部分復号化手段と、
復号化オーディオデータ部分に変更処理を施すデータ変更手段と、
データ変更手段の出力を符号化し、符号化オーディオデータを生成する部分符号化手段と
部分復号化手段からデータ変更手段への出力、またはデータ変更手段から部分符号化手段への出力に対して、遅延補正を施す遅延補正手段と
を有し、
遅延補正手段は、
部分復号化手段および部分符号化手段の動作に起因して生じる、部分復号化手段に入力される符号化オーディオデータに対する、部分符号化手段から出力される符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号記録装置である。
【0018】
第4の発明は、
入力ディジタルオーディオ信号を修正離散コサイン変換を用いて符号化することによって符号化オーディオデータを生成し、符号化オーディオデータを所定の記録媒体に記録するディジタル信号記録方法において、
符号化オーディオデータを部分的に復号化して、復号化オーディオデータ部分を生成する部分復号化ステップと、
復号化オーディオデータ部分に変更処理を施すデータ変更ステップと、
データ変更ステップの結果を符号化し、符号化オーディオデータを生成する部分符号化ステップと、
部分復号化ステップとデータ変更ステップとの間、またはデータ変更ステップと部分符号化ステップとの間で、復号化オーディオデータ部分に対して遅延補正を施す遅延補正ステップと
を有し、
遅延補正ステップでは、
部分復号化ステップおよび部分符号化ステップの処理に起因して生じる、部分復号化ステップ前の符号化オーディオデータに対する、部分符号化ステップ後の符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号記録方法である。
【0020】
第5の発明は、
所定データ量ごとにブロック化し、隣接するブロックと関連させながら高能率符号化された入力ディジタルオーディオ信号に対してディジタル信号処理を行うディジタル信号処理装置において、
入力される修正離散コサイン変換を用いて高能率符号化されたディジタルオーディオ信号を隣接するブロックと関連させながら部分的に復号化する復号化手段と、
復号化されたディジタルオーディオ信号に変更処理を加える変更処理手段と、
変更処理を加えられたディジタルオーディオ信号を隣接するブロックと関連させながら高能率符号化し、符号化オーディオデータを生成する符号化手段と、
復号化手段と変更処理手段との間、または変更処理手段と符号化手段との間において、復号化によって生じる遅延時間を補正する遅延補正手段と
を備え、
遅延補正手段は、
復号化手段の動作に起因して生じる、復号化手段に入力される符号化オーディオデータに対する、符号化手段から出力される符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号処理装置である。
【0021】
第6の発明は、
所定データ量ごとにブロック化し、隣接するブロックと関連させながら高能率符号化された入力ディジタルオーディオ信号に対してディジタルオーディオ信号処理を行うディジタル信号処理方法において、
入力される修正離散コサイン変換を用いて高能率符号化されたディジタルオーディオ信号を隣接するブロックと関連させながら部分的に復号化するステップと、
復号化されたディジタルオーディオ信号に変更処理を加えるステップと、
変更処理を加えられたディジタルオーディオ信号を隣接するブロックと関連させながら高能率符号化し、符号化オーディオデータを生成するステップと、
復号化のステップと変更処理のステップとの間、または変更処理のステップと符号化のステップとの間で、復号化のステップによって生じる遅延時間を補正するステップと
を有し、
遅延時間の補正のステップでは、
復号化のステップの処理に起因して生じる、復号化のステップ前の符号化オーディオデータに対する、符号化のステップ後の符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号処理方法である。
【0022】
以上のような発明によれば、一旦形成された符号化データを部分的に復号化することによって生成されるPCMサンプルを変更し、その後再度符号化することにより、符号化方式、符号化データフォーマット等よる制限の影響を小さくすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
この発明を適用することができるディジタル信号記録装置の一例について、図1を参照して説明する。この発明の一実施形態は、帯域分割符号化(SBC)、適応変換符号化(ATC)及び適応ビット割当ての各処理を施すことにより、オーディオPCM信号等の入力ディジタル信号を高能率符号化する符号化処理系を含むディジタル信号記録装置である。ここで、入力ディジタル信号として、例えば人の話声、歌声、楽器の音等の各種のオーディオ信号をディジタル化してなるディジタルオーディオデータ信号、ディジタルビデオ信号等を扱うことができる。
【0024】
例えばサンプリング周波数が44.1kHzの場合、入力端子100を介して0〜22kHzのオーディオPCM信号が帯域分割フィルタ101に供給される。帯域分割フィルタ101は、供給される信号を0〜11kHz帯域と11kHz〜22kHz帯域とに分割する。11〜22kHz帯域の信号はMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)回路103およびブロック決定回路109、110、111に供給される。
【0025】
また、0kHz〜11kHz帯域の信号は帯域分割フィルタ102に供給される。帯域分割フィルタ102は、供給される信号を5. 5kHz〜11kHz帯域と0〜5. 5kHz帯域とに分割する。5.5〜11kHz帯域の信号はMDCT回路104およびブロック決定回路109、110、111に供給される。また、0〜5. 5kHz帯域の信号は、MDCT回路105およびブロック決定回路109、110、111に供給される。帯域分割フィルタ101、102は、例えばQMFフィルタ等を用いて構成することができる。ブロック決定回路109は、供給される信号に基づいてブロックサイズを決定し、決定したブロックサイズを示す情報をMDCT回路103および出力端子113に供給する。
【0026】
ブロック決定回路110は、供給される信号に基づいてブロックサイズを決定し、決定したブロックサイズを示す情報をMDCT回路104および出力端子115に供給する。ブロック決定回路111は、供給される信号に基づいてブロックサイズを決定し、決定したブロックサイズを示す情報をMDCT回路105および出力端子117に供給する。ブロック決定回路109、110、111の動作により、直交変換に先立って、入力データに応じて適応的にブロックサイズあるいはブロック長が変化させられる。
【0027】
MDCT回路103,104,105に供給される、各帯域毎のデータの例を図2に示す。ブロック決定回路109,110,111の動作により、帯域分割フィルタ101、102から出力される計3個のデータについて、各帯域毎について独立に直交変換ブロックサイズを設定することができると共に、信号の時間特性、周波数分布等により時間分解能を切り換えることが可能とされている。すなわち、信号が時間的に準定常的である場合には、図2Aに示すような、直交変換ブロックサイズを例えば11.6msと大きくするLong Modeが用いられる。
【0028】
一方、信号が非定常的である場合には、直交変換ブロックサイズをLongMode時に比べて2分割または4分割とするモードが用いられる。より具体的には、全てを4分割して例えば図2Bのように2.9msとするShort Mode、或いは、図2Cのように一部を2分割して例えば5.8msとし、他の一部を4分割して例えば2.9msとするMiddle Mode−aまたは、図2DのようなMiddle Mode−bが用いられる。このように時間分解能を様々に設定することにより、実際の複雑な入力信号に適応できるようになされる。
【0029】
回路規模等に係る制約に考慮しながら、直交変換ブロックサイズの分割をさらに複雑なものとすることにより、実際の入力信号をより適切に処理できることは明白である。上述したようなブロックサイズは、ブロック決定回路109,110,111によっての決定され、決定されたブロックサイズの情報はMDCT回路103,104,105およびビット割り当て算出回路118に供給されると共に、出力端子113、115、117を介して出力される。
【0030】
図1に戻り、MDCT回路103は、ブロック決定回路109によって決定されたブロックサイズに応じてMDCT処理を行う。かかる処理によって生成される高域のMDCT係数データまたは周波数軸上のスペクトルデータは、臨界帯域毎にまとめられて適応ビット割り当て符号化回路106およびビット割り当て算出回路118に供給される。MDCT回路104は、ブロック決定回路110によって決定されたブロックサイズに応じてMDCT処理を行う。かかる処理によって生成される中域のMDCT係数データまたは周波数軸上のスペクトルデータは、ブロックフローティングの有効性を考慮して臨界帯域幅を細分化する処理を施された後に適応ビット割り当て符号化回路107およびビット割り当て算出回路118に供給される。
【0031】
MDCT回路105は、ブロック決定回路111によって決定されたブロックサイズに応じてMDCT処理を行う。かかる処理の結果としての低域のMDCT係数データまたは周波数軸上のスペクトルデータは、臨界帯域(クリティカルバンド)毎にまとめる処理を施された後に適応ビット割り当て符号化回路108およびビット割り当て算出回路118に供給される。ここで、臨界帯域とは、人間の聴覚特性を考慮して分割された周波数帯域であり、ある純音の周波数近傍の同じ強さの狭帯域バンドノイズによって当該純音がマスクされる時に、当該狭帯域バンドノイズの帯域のことである。臨界帯域は、高域ほど帯域幅が広くなるという性質がある。0〜22kHzの全周波数帯域は、例えば25のクリティカルバンドに分割されている。
【0032】
ビット割当算出回路118は、供給されるMDCT係数データまたは周波数軸上のスペクトルデータ、およびブロックサイズ情報に基づいて、後述するようなマスキング効果等を考慮して上述の臨界帯域およびブロックフローティングを考慮した各分割帯域毎のマスキング量、エネルギーおよび或いはピーク値等を計算し、計算結果に基づいて各帯域毎にブロックフロ−ティングの状態を示すスケ−ルファクタ、および割当てビット数を計算する。計算された割当てビット数は、適応ビット割当符号化回路106、107、108に供給される。以下の説明において、ビット割り当ての単位とされる各分割帯域を単位ブロックと表記する。
【0033】
適応ビット割当符号化回路106は、ブロック決定回路109から供給されるブロックサイズ情報、ビット割り当て算出回路118から供給される割当ビット数および正規化情報としてのスケールファクタ情報に応じて、MDCT回路103から供給されるスペクトルデータまたはMDCT係数データを再量子化すなわち正規化して量子化する処理を行う。かかる処理の結果として、符号化フォーマットに則した符号化データが生成される。この符号化データは演算器120に供給される。適応ビット割当符号化回路107は、ブロック決定回路110から供給されるブロックサイズ情報、ビット割り当て算出回路118から供給される割当ビット数およびスケールファクタ情報に応じて、MDCT回路104から供給されるスペクトルデータまたはMDCT係数データを再量子化する処理を行う。かかる処理の結果として、符号化フォーマットに則した符号化データが生成される。この符号化データが演算器121に供給される。
【0034】
適応ビット割当符号化回路108は、ブロック決定回路110から供給されるブロックサイズ情報、ビット割り当て算出回路118から供給される割当ビット数およびスケールファクタ情報に応じて、MDCT回路105から供給されるスペクトルデータまたはMDCT係数データを再量子化する。かかる処理の結果として、符号化フォーマットに則した符号化データが生成される。この符号化データが演算器122に供給される。
【0035】
符号化データのフォーマットの一例を図3に示す。ここで、左側に示した数値0,1,2,‥‥,211はバイト数を表しており、この一例では212バイトを1フレームの単位としている。先頭の0バイト目の位置には、図1中のブロック決定回路109、110、111において決定された、各帯域のブロックサイズ情報を記録する。次の1バイト目の位置には、記録する単位ブロックの個数の情報を記録する。例えば高域側になる程、ビット割当算出回路118によってビット割当が0とされて記録が不必要となる場合が多いため、このような状況に対応するように単位ブロックの個数を設定することにより、聴感上の影響が大きい中低域に多くのビットを配分するようになされている。それと共に、かかる1バイト目の位置にはビット割当情報の2重書きを行なっている単位ブロックの個数、及びスケールファクタ情報の2重書きを行なっている単位ブロックの個数が記録される。
【0036】
2重書きとは、エラー訂正用に、あるバイト位置に記録されたデータと同一のデータを他の場所に記録する方法である。2重書きされるデータの量を多くする程、エラーに対する強度が向上するが、2重書きされるデータの量を少なくする程、スペクトラムデータに使用できるデータ容量が多くなる。この符号化フォーマットの一例では、ビット割当情報、スケールファクタ情報のそれぞれについて独立に2重書きを行なう単位ブロックの個数を設定することにより、エラーに対する強度と、スペクトラムデータを記録するために使用されるビット数とを適切なものとするようにしている。なお、それぞれの情報について、規定されたビット内でのコードと単位ブロックとの個数の対応は、あらかじめフォーマットとして定めている。
【0037】
1バイト目の位置の8ビットにおける記録内容の一例を図4に示す。ここでは、最初の3ビットを実際に記録される単位ブロックの個数の情報とし、後続の2ビットをビット割当情報の2重書きを行なっている単位ブロックの個数の情報とし、最後の3ビットをスケールファクタ情報の2重書きを行なっている単位ブロックの個数の情報とする。
【0038】
図3の2バイト目からの位置には、単位ブロックのビット割当情報が記録される。ビット割当情報の記録のために、単位ブロック1個当たり例えば4ビットが使用される。これにより、0番目の単位ブロックから順番に記録される単位ブロックの個数分のビット割当情報が記録されることになる。ビット割当情報のデータの後に、各単位ブロックのスケールファクタ情報が記録される。スケールファクタ情報の記録のために、単位ブロック1個当たり例えば6ビットが使用される。これにより、0番目の単位ブロックから順番に記録される単位ブロックの個数分のスケールファクタ情報が記録される。
【0039】
スケールファクタ情報の後に、単位ブロック内のスペクトラムデータが記録される。スペクトラムデータは、0番目の単位ブロックより順番に、実際に記録させる単位ブロックの個数分記録される。各単位ブロック毎に何本のスペクトラムデータが存在するかは、あらかじめフォーマットで定められているので、上述したビット割当情報によりデータの対応をとることが可能となる。なお、ビット割当が0の単位ブロックについては記録を行なわない。
【0040】
このスペクトラム情報の後に、上述したスケールファクタ情報の2重書き、およびビット割当情報の2重書きを行なう。この2重書きの記録方法は、個数の対応を図4に示した2重書きの情報に対応させるだけで、その他の点については上述のスケールファクタ情報、およびビット割当情報の記録と同様である。最後のバイトすなわち211バイト目、およびその1バイト前の位置すなわち210バイト目には、それぞれ、0バイト目と1バイト目の情報が2重書きされる。これら2バイト分の2重書きはフォーマットとして定められており、スケールファクタ情報の2重書きやビット割当情報の2重書きのような、2重書き記録の可変の設定はできない。
【0041】
なお、入力端子100を介して供給されるPCMサンプルについては、1フレーム内に1024サンプルが含まれるが、前半の512サンプルは先行する隣接フレームでも使用される。また、後半の512サンプルは後続する隣接フレームでも使用される。このようなフレームの取り扱いは、MDCT処理でのオーバーラップに鑑みたものである。
【0042】
図1に戻り、正規化情報変更回路119は、低域、中域、高域に対応してスケールファクタ情報の変更に係る値を生成し、低域、中域、高域に対応する値をそれぞれ、演算器120、121、122に供給する。演算器120は、適応ビット割当符号化回路106から供給される符号化データ中のスケールファクタ情報に、正規化情報変更回路119から供給される値を加算する。但し、正規化情報変更回路119から出力される値が負の場合は、演算器120は減算器として作用するものとする。また、演算器121は、適応ビット割当符号化回路107から供給される符号化データ中のスケールファクタ情報に、正規化情報変更回路119から供給される値を加算する。但し、正規化情報変更回路119から出力される値が負の場合は、演算器121は減算器として作用するものとする。
【0043】
また、演算器122は、適応ビット割当符号化回路108から供給される符号化データ中のスケールファクタ情報に、正規化情報変更回路119から供給される値を加算する。但し、正規化情報変更回路119から出力される値が負の場合は、演算器122は減算器として作用するものとする。ここで、正規化情報変更回路119は、例えば操作パネル等を介してユーザ等によってなされる操作に従って動作する。この場合、後述するユーザ等が所望する、レベル調整、フィルタ処理等の機能が実現される。演算器120、121、122の出力は、それぞれ出力端子112、114、116を介して例えば光磁気ディスク等の記録媒体に記録を行うためのここでは図示されていない一般的な記録系に供給される。
【0044】
記録系では、記録媒体上に構成されたトラックのアドレスを適切に制御する等の方法で編集処理の結果として生成される1種類または複数種類の符号化データを、編集処理前のデータとは別個に記録する処理がなされる。かかる処理については後述する。これにより、編集処理の結果として生成される1種類または複数種類の符号化データ、および/または編集処理前のデータを記録してなる記録媒体を作成することができる。なお、記録媒体としては、光磁気ディスク以外にも、磁気ディスク等のディスク状記録媒体、磁気テープ、光テープ等のテープ状記録媒体、或いはICメモリ、板状メモリ、メモリカード、光メモリ等を用いることができる。
【0045】
各処理についてより詳細に説明する。まず、ビット割当て処理についてより詳細に説明する。ビット割り当て算出回路118の構成の一例を図5に示す。入力端子301を介して、MDCT回路103、104、105からの周波数軸上のスペクトルデータ又はMDCT係数、およびブロック決定回路109、110、111からのブロックサイズ情報がエネルギー算出回路302に供給される。エネルギー算出回路302は、例えば当該単位ブロック内での各振幅値の総和を計算する等の方法で単位ブロック毎のエネルギーを計算する。
【0046】
エネルギー算出回路302の出力の一例を図6に示す。図6では、各バンド毎の総和値のスペクトルSBを、先端に丸を付した縦方向の線分によって示す。ここで、横軸が周波数、縦軸が信号強度をそれぞれ示す。なお、図示が煩雑となるのを避けるため、図6中ではB12のスペクトルのみに符号SBを付し、また、単位ブロックによる分割数を12ブロックとしてB1〜B12とした。なお、エネルギー算出回路302の代わりに振幅値のピーク値、平均値等を計算する構成を設け、振幅値のピーク値、平均値等の計算値に基づいてビット割当て処理を行うようしても良い。
【0047】
また、エネルギー算出回路302は、スケールファクタ値を決定する処理を行う。具体的には、例えばあらかじめスケールファクタ値の候補として幾つかの正の値を用意し、それらの内、単位ブロック内のスペクトルデータ又はMDCT係数の絶対値の最大値以上の値をとるものの中で最小のものを当該単位ブロックのスケールファクタ値として採用する。スケールファクタ値の候補は、実際の値と対応した形で、例えば数ビットを用いて番号付けを行ない、その番号を図示しないROM(Read Only Memory)等に記憶させておけば良い。この際に、スケールファクタ値の候補は、番号順に例えば2dBの間隔での値を持つように規定しておく。ある単位ブロックについて上述したようにして採用されたスケールファクタ値に付されている番号が当該単位ブロックについてのスケールファクタ情報とされる。
【0048】
エネルギー算出回路302の出力すなわちスペクトルSBの各値は、畳込みフイルタ回路303に送られる。畳込みフイルタ回路303は、スペクトルSBのマスキングにおける影響を考慮するために、スペクトルSBに所定の重み付け関数を掛けて加算するような畳込み(コンボリユーション)処理を施す。畳込み処理について図6を参照して詳細に説明する。上述したように、図6には、ブロック毎の(すなわち帯域毎の)スペクトルSBの一例が図示されている。そして、畳込みフイルタ回路303によってなされる畳込み処理により、点線で示す部分の総和が計算される。畳込みフイルタ回路303は、例えば、入力データを順次遅延させる複数の遅延素子と、これら遅延素子からの出力にフイルタ係数としての重み付け関数を乗算する複数の乗算器と、各乗算器出力の総和をとる総和加算器とから構成することができる。
【0049】
図5に戻り、畳込みフイルタ回路303の出力は演算器304に供給される。
演算器304には、さらに、許容関数としてマスキングレベルを表現する関数が(n−ai)関数発生回路305から供給される。演算器304は、許容関数に従って、畳込みフイルタ回路303によって畳み込まれた領域における、許容可能なノイズレベルに対応するレベルαを計算する。ここで、許容可能なノイズレベルすなわち許容ノイズレベルに対応するレベルαとは、後述するように、逆コンボリユーション処理を行うことによって、クリテイカルバンドの各バンド毎の許容ノイズレベルとなるようなレベルである。レベルαの算出値は、許容関数を増減させることによって制御される。
【0050】
すなわち、許容ノイズレベルに対応するレベルαは、クリテイカルバンドのバンドの低域から順に与えられる番号をiとすると、次の式(1)で求めることができる。
【0051】
α=S−(n−ai) (1)
【0052】
式(1)において、n,aは定数でa>0、Sは畳込み処理されたスペクトルの強度であり、式(1)中(n−ai)が許容関数となる。一例としてn=38,a=1とすることができる。
【0053】
演算器304によって計算されるレベルαが割算器306に伝送される。割算器306は、レベルαを逆コンボリユーションする処理を行い、その結果としてレベルαからマスキングスペクトルを生成する。このマスキングスペクトルが許容ノイズスペクトルとなる。なお、逆コンボリユーション処理を行う場合、一般的には複雑な演算が行われる必要があるが、この発明の一実施形態では、簡略化した割算器306を用いて逆コンボリユーションを行っている。マスキングスペクトルは、合成回路307に供給される。合成回路307には、さらに、後述するような最小可聴カーブRCを示すデータが最小可聴カーブ発生回路312から供給される。
【0054】
合成回路307は、割算器306の出力であるマスキングスペクトルと最小可聴カーブRCのデータとを合成することにより、マスキングスペクトルを生成する。生成されるマスキングスペクトルが減算器308に供給される。減算器308には、さらに、エネルギー検出回路302の出力、すなわち帯域毎のスペクトルSBが遅延回路309によってタイミングを調整された上で供給される。減算器308は、マスキングスペクトルとスペクトルSBとに基づく減算処理を行う。
【0055】
かかる処理の結果として、ブロック毎のスペクトルSBの、マスキングスペクトルのレベル以下の部分がマスキングされる。マスキングの一例を図7に示す。スペクトルSBにおける、マスキングスペクトル(MS)のレベル以下の部分がマスキングされていることがわかる。なお、図示が煩雑となるのを避けるため、図7中ではB12においてのみ、スペクトルに符号“SB”を付すと共にマスキングスペクトルのレベルに符号“MS”を付した。
【0056】
雑音絶対レベルが最小可聴カーブRC以下ならばその雑音は人間には聞こえない。最小可聴カーブは、コーデイングが同じであっても例えば再生時の再生ボリユームの違いによって異なる。但し、実際のデジタルシステムでは、例えば16ビットダイナミックレンジへの音楽データの入り方にはさほど違いがないので、例えば4kHz付近の最も耳に聞こえやすい周波数帯域の量子化雑音が聞こえないとすれば、他の周波数帯域ではこの最小可聴カーブのレベル以下の量子化雑音は聞こえないと考えられる。
【0057】
従って、例えばシステムの持つワードレングスの4kHz付近の雑音が聞こえないような使い方をする場合、最小可聴カーブRCとマスキングスペクトルMSとを合成することによって許容ノイズレベルを得るようにすれば、この場合の許容ノイズレベルは図8中の斜線で示す部分となる。なお、ここでは、最小可聴カーブの4kHzのレベルを例えば20ビット相当の最低レベルに合わせている。図8では、各ブロック内の水平方向の実線としてSB、各ブロック内の水平方向の点線としてMSをそれぞれ示した。但し、図示が煩雑となるのを避けるため、図8ではB12のスペクトルのみについて符号“SB”、“MS”を付した。また、図8では、信号スペクトルSSを一点鎖線で示した。
【0058】
図5に戻り、減算器308の出力は許容雑音補正回路310に供給される。許容雑音補正回路310は、例えば等ラウドネスカーブのデータ等に基づいて、減算器308の出力における許容雑音レベルを補正する。すなわち、許容雑音補正回路310は、上述したマスキング、聴覚特性等の様々なパラメータに基いて、各単位ブロックに対する割り当てビットを算出する。許容雑音補正回路310の出力は、出力端子311を介して、ビット割り当て算出回路118の最終的な出力データとして出力される。ここで、等ラウドネスカーブとは、人間の聴覚特性に関する特性曲線であり、例えば1kHzの純音と同じ大きさに聞こえる各周波数での音の音圧を求めて曲線で結んだもので、ラウドネスの等感度曲線とも呼ばれる。
【0059】
また、この等ラウドネスカーブは、図8に示した最小可聴カーブRCと同じ曲線を描く。この等ラウドネスカーブにおいては、例えば4kHz付近では1kHzのところより音圧が8〜10dB下がっても1kHzと同じ大きさに聞こえ、逆に、50Hz付近では1kHzでの音圧よりも約15dB高くないと同じ大きさに聞こえない。このため、最小可聴カーブRCのレベルを越える雑音(許容ノイズレベル)が等ラウドネスカーブに沿った周波数特性を持つようにすれば、その雑音が人間に聞こえないようにすることができる。等ラウドネスカーブを考慮して許容ノイズレベルを補正することは、人間の聴覚特性に適合していることがわかる。
【0060】
ここで、スケールファクタ情報についてより詳細に説明する。スケールファクタ値の候補として、例えばビット割当て算出回路118内のメモリ等に予め複数個、例えば63個の正の値が用意されている。それらの値の内、ある単位ブロック内のスペクトルデータ又はMDCT係数の絶対値の最大値以上の値をとるものの内で最小のものが当該単位ブロックのスケールファクタ値として採用される。採用されたスケールファクタ値に対応する番号が当該単位ブロックのスケールファクタ情報とされ、符号化データ中に記録される。ここで、スケールファクタ値の候補として予め用意されている複数個の正の値に対しては、例えば6ビットを用いて番号付けが予め行われており、複数個の正の値は、番号順に例えば2dBの間隔で並ぶものとする。
【0061】
加算、減算等の演算によってスケールファクタ情報を操作することにより、再生されるオーディオデータについて例えば2dB毎のレベル調整を行うことができる。例えば、正規化情報変更回路119から全て同じ数値を出力し、その数値を全単位ブロックのスケールファクタ情報に加算または減算する処理により、全単位ブロックに対して2dBづつのレベル調整を行うことが可能とされる。ただし、加減算の結果として生成されるスケールファクタ情報は、フォーマットで定められた範囲に収まるように制限される。
【0062】
また、例えば、正規化情報変更回路119から単位ブロック毎に独立な数値を出力し、それらの数値を各単位ブロックのスケールファクタ情報に加算または減算する処理により、単位ブロック毎のレベル調整を行うことができ、その結果としてフィルタ機能を実現することができる。より具体的には、正規化情報変更回路119が単位ブロックの番号と、当該単位ブロックのスケールファクタ情報とに加算または減算すべき値との組を出力させる等の方法で、単位ブロックと、当該単位ブロックのスケールファクタ情報に加算または減算すべき値とが対応付けられるようにする。
【0063】
上述したようなスケールファクタ情報の変更を行うことにより、図10、図11、図12を参照して後述するような機能が実現される。なお、帯域分割方法および符号化方式として、QMFおよびMDCT以外の処理を行うディジタル信号記録装置も知られている。例えばフィルタバンク等を利用するサブバンドコーディングを用いる方式等、正規化情報とビット割り当て情報による量子化を行う符号化方式であれば、正規化情報を変更することによる編集処理が可能である。
【0064】
次に、この発明を適用することができるディジタル信号再生および/または記録装置の一例について、図9を参照して説明する。例えば光磁気ディスク等の記録媒体から再生された符号化データが入力端子707に供給される。また、符号化処理において使用されたブロックサイズ情報、すなわち図1中の出力端子113、115、117の出力信号と等価のデータが入力端子708に供給される。また、正規化情報変更回路709は、例えば操作パネル等を介して行われるユーザ等による指令に従って、編集処理に係るパラメータ、すなわち各単位ブロックのスケールファクタ情報に加算または減算すべき値を生成する。
【0065】
符号化データは、入力端子707から演算器710に供給される。演算器710は、さらに、正規化情報変更回路709から数値データを供給される。演算器710は、供給される符号化データ中のスケールファクタ情報に対して、正規化情報変更回路119から供給される数値データを加算する。但し、正規化情報変更回路119から出力される数値が負の数の場合は、演算器710は減算器として作用するものとする。演算器710の出力は、適応ビット割当復号化回路706、および出力端子711に供給される。
【0066】
適応ビット割当復号化回路706は、適応ビット割当情報を参照してビット割当てを解除する処理を行う。適応ビット割当て復号化回路706の出力は、逆直交変換回路703、704、705に供給される。逆直交変換回路703、704、705は、周波数軸上の信号を時間軸上の信号に変換する処理を行う。逆直交変換回路703の出力は、帯域合成フィルタ701に供給される。また、逆直交変換回路704、705の出力は、帯域合成フィルタ702に供給される。逆直交変換回路703,704,705としては、逆モディファイドDCT変換回路(IMDCT)等を用いることができる。
【0067】
合成フィルタ702は、供給される信号を合成し、合成結果を帯域合成フィルタ701に供給する。帯域合成フィルタ701は、供給される信号を合成し、合成結果を出力端子700に供給する。このようにして、逆直交変換回路703、704、705の出力である各部分帯域の時間軸上信号が全帯域信号に復号化される。帯域合成フィルタ701、702としては、例えばIQMF(Inverse Quadrature Mirror filter)等を使用することができる。復号化された全帯域信号は、出力端子700を介して、図示しないD/A変換器、スピーカ等を含む、再生音声を出力するための一般的な構成に供給される。
【0068】
演算器710による加算または減算によってスケールファクタ情報を操作することにより、再生データについて例えば2dB毎のレベル調整を行うことができる。例えば、正規化情報変更回路709から全て同じ数値を出力し、その数値を全単位ブロックのスケールファクタ情報に一律に加算または減算する処理により、全単位ブロックに対して2dBを単位とするレベル調整を行うことが可能とされる。かかる処理においては、加減算の結果として生成されるスケールファクタ情報がフォーマットで定められたスケールファクタ値の範囲内に収まるような制限がなされる。
【0069】
また、例えば、正規化情報変更回路709から単位ブロック毎に独立な数値を出力し、それらの数値を各単位ブロックのスケールファクタ情報に加算または減算する処理によって単位ブロック毎のレベル調整を行うことができ、その結果としてフィルタ機能を実現することができる。より具体的には、正規化情報変更回路709が単位ブロックの番号と、当該単位ブロックのスケールファクタ情報に加算または減算すべき値との組を出力させる等の方法で、単位ブロックと当該単位ブロックのスケールファクタ情報に加算または減算すべき値とが対応付けられるようにする。
【0070】
スケールファクタ情報を変更することによる編集処理について詳細に説明する。適応ビット割当符号化回路706から出力される符号化データに反映される正規化処理としてブロックフローティング処理の一例を図10に示す。図10では、0〜9までの番号が付された10個の正規化レベルが予め用意されているものとした。各単位ブロック中で最大のスペクトルデータ又はMDCT係数を上回るものの内で最小の正規化レベルに対応する番号を、当該単位ブロックのスケールファクタ情報とする。従って、図10では、ブロック番号0に対応するスケールファクタ情報は5となり、ブロック番号1に対応するスケールファクタ情報は7となる。他のブロックについても同様にスケールファクタ情報が対応させられる。図3を参照して上述したように、スケールファクタ情報は符号化データに書き込まれる。一般には、これらの正規化情報に基づいて復号化がなされる。
【0071】
図10に示したようなスケールファクタ情報の操作の一例を図11に示す。正規化情報調整回路119が全単位ブロックについて−1なる値を出力し、この値−1が演算器120,121,122によって図10に示したようなスケールファクタ情報に加算されると,図11に示すような、スケールファクタ情報が元の値より1小さい値とされる。このような処理により、各単位ブロック内のスペクトルデータまたはMDCT係数例えば2dB低い値として復号されることになり、信号レベルを例えば2dB低化させるレベル調整がなされる。
【0072】
また、符号化データ中のスケールファクタ情報を正規化情報変更回路709によって操作する処理の他の一例を図12に示す。正規化情報変更回路119が図10中のブロック番号3のブロックに対しては−6なる値、ブロック番号4のブロックに対しては−4なる値、をそれぞれ出力して、それらの値をブロック番号3、ブロック番号4のブロックのスケールファクタ情報にそれぞれ加算することにより、ブロック番号3および4のブロックのスケールファクタ値が0とされる。このような処理により、フィルタリング処理が行われる。図12に示した例は、負の数の加算(減算)によってスケールファクタ値を例えば0とするものであるが、例えば所望のブロックのスケールファクタ値を強制的に0とするようにしても良い。
【0073】
なお、図10〜図12を参照した上述の説明においては、単位ブロックの個数を0〜4の5個、正規化候補番号の個数を0〜9の10個としているが、現実の記録媒体、例えば光磁気ディスクの1種であるMD(ミニディスク)に用いられているフォーマットでは、単位ブロックの個数が0〜51の52個、正規化候補番号の個数が0〜63の64個とされている。このような範囲内で、単位ブロック、スケールファクタ情報の変更等に係るパラメータを細かに指定することにより、より精緻なレベル調整、フィルタ処理等を行うことが可能となる。
【0074】
図9を参照して上述した構成に、例えば光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスク状記録媒体、磁気テープ、光テープ等のテープ状記録媒体、或いはICメモリ、メモリスティック、メモリカード等の記録媒体に記録を行うための記録系を付加することにより、編集結果に沿って記録媒体を書き換えることが可能とされる。また、図9中の出力端子711を介して編集結果を出力し、出力した編集結果を記録媒体に書き加えるようにすれば、簡単な構成によって記録媒体上のスケールファクタ情報等の変更に対応する書き換えを行うことができる。これらの構成により、再生結果を参照しながら、すなわち、試聴しながらユーザ等が編集処理を行い、編集結果に沿って記録媒体を書き換えることができる。このような操作により、正規化情報の変更等に係る編集処理結果を保持できると共に、編集処理結果が記録されてなる記録媒体を作成することができる。
【0075】
図10〜図12等を参照して上述したようなスケールファクタ情報の変更による編集処理の結果として、再生レベル調整機能、フェードインとフェードアウト機能、フィルタ機能、ワウ機能等の種々の機能を実現することが可能である。但し、正規化情報としての番号の1の増減に対応する、例えば2dB等のレベル変化が最小の処理単位とされ、それより小さい範囲でのレベル調整を含む編集はできない。また、時間方向でも、符号化方式に係る符号化データフォーマットによって規定される、1フレーム等の最小の時間単位よりも小さい範囲でのレベル調整等の編集操作を行うことはできない。
【0076】
そこで、この発明では、符号化データを一旦復号化してPCMサンプルを生成し、生成したPCMサンプルに編集処理を施した後に再度符号化することによって符号化データを得るようにしている。但し、符号化データ内の各フレームは、隣接するフレームとオーバーラップするデータ部分を含むので、オーバーラップ部分を考慮した処理が必要となる。この点について以下に説明する。上述したように、1フレームは、例えば1024個のPCMサンプルからなるが、図1中のMDCT103,104,105による処理においては、通常、順次処理されていく各フレーム内でサンプルがオーバーラップ部分を有するようになされている。このような処理の一例を図13に示す。n番目からn+1023番目までの1024個のPCMサンプルをN番目のフレームで処理する場合に、N+1番目のフレームでは、n+512番目からn+1535番目までの1024個のPCMサンプルを処理し、N+2番目のフレームでは、n+1024番目からn+2047番目までの1024個のPCMサンプルを処理するようになされる。
【0077】
但し、最初のフレームでは、サンプル列開始時点以前に512個の0データのPCMサンプルを想定して、それら512個の0データのPCMサンプルを、最初のフレーム以前の仮想的なフレームとオーバーラップして処理するものとする。また、最後のフレームでは、サンプル列終了時点以後に512個の0データのPCMサンプルを想定して、それら512個の0データのPCMサンプルを、最後のフレーム以後の仮想的なフレームとオーバーラップして処理するものとする。このような処理においては、1フレーム当たりの実質的な処理サンプル数は512である。
【0078】
上述したように、スケールファクタ情報を変更することによって1フレームを単位とする編集処理が可能である。但し、上述したようなフレーム毎のMDCT処理に関連して、所望の編集を行うためには、オーバーラップ分を考慮する必要があることがわかる。この点について、図13に則してより具体的に説明する。ここで、PCMサンプルを時間方向に並んだ点の集合体として示す。N番目のフレームとN+1番目のフレームとについてスケールファクタ情報を変更する編集処理を行う場合に、n+512番目〜n+1023番目までのPCMサンプルについては編集処理に対応するレベル調整等の機能が実現されるが、n番目〜n+511番目まで、およびn+1024番目〜n+1535番目までのPCMサンプルについては、編集処理が施されていない隣接フレームとのオーバーラップに起因して、編集処理に対応する機能が実現されない。
【0079】
また、スケーファクタ情報の1の増減に対応する例えば2dB等のレベル変化幅より小さい範囲でのレベル調整ができない、或いはフィルタ機能等が1フレーム内の単位ブロック数や単位ブロックに対応する周波数分割幅に制約される等、符号化方式、符号化データフォーマットによっても、編集処理は制限される。
【0080】
この発明に係る、符号化データを一旦復号し、復号したPCMサンプルに対して編集処理を施し、その後、編集処理を施したPCMサンプルを再度符号化するようにした構成の一例を図14に示す。端子801を介して、符号化データが復号化回路802に供給される。復号化回路802は、供給される符号化データを部分的に復号化して、PCMサンプルを生成する。ここで、復号化回路802によって復号化される符号化データ中のデータ部分は、例えば操作パネル等を介してなされるユーザ等による指令に従うものとされる。すなわち、復号化回路802によって復号化される符号化データ中のデータ部分は、ユーザ等が所望する部分とすることが可能である。復号化回路802によって生成されるPCMサンプルはメモリ803に供給され、一旦記憶される。
【0081】
データ変更回路804は、メモリ803に記憶されているPCMサンプルに、種々の編集処理に対応する変更処理を施す。この際に施すことが可能な変更処理としては、リバーブ、エコー、フィルタ、コンプレッサ、イコライジング等、様々な処理が知られている。データ変更回路804の出力である、変更処理されたPCMサンプルは遅延補正回路805に供給され、遅延補正処理されて、メモリ806に一旦記憶される。符号化回路807は、メモリ806に記憶されているPCMサンプルに符号化処理を施す。符号化回路807によって生成される符号化データが出力端子808を介して、出力される。出力端子808を介して、記録媒体に記憶を行う構成に供給される場合には、編集結果として生成される符号化データを記録してなる記録媒体を作成することができる。
【0082】
ここで、遅延補正回路805による処理について詳細に説明する。かかる遅延補正処理は、復号化回路802および符号化回路807の動作時間等に起因して生じる、符号化回路807の出力の、端子801から入力する符号化データに対するずれを補償する位相調整処理である。これにより、符号化回路807の出力中のフレームと、端子801から入力する符号化データ中のフレームとが同一の時間関係となることが担保される。ここで、遅延量は、帯域分割フィルタ或いは帯域合成フィルタの構成たとえば次数、これらのフィルタへの入力タイミング、0データのPCMサンプル数、MDCT処理のウインドウ処理を考慮したバッファリング等の種々の設定によって決定される。
【0083】
例えば、図1中の帯域分割フィルタ101、102、或いは図9中の帯域合成フィルタ702、701の次数が何れも48次であり、符号化時の最初のフレームに仮想的な前フレームのオーバーラップを想定した512個のPCMサンプルの0データを設定する場合には、符号化と復号化に起因して生じる遅延量は、PCMサンプル653個分となる。遅延補正回路805は、復号化回路802の出力から、符号化回路807の出力の間であれば、何れの位置に設けても良い。遅延補正回路805は、遅延量を補正するためのバッファメモリ等を有する構成としても良いが、メモリ803、806に対して、遅延量を考慮したタイミングでのアクセスがなされるように制御するタイミング制御回路等であっても良い。
【0084】
図14中の復号化回路802は、図9を参照して上述した構成を有する。また、図14中の符号化回路807は、図1を参照して上述した構成を有する。図14を参照して上述したような構成によって、符号化データを一旦復号し、復号したPCMサンプルに対して編集処理を施し、その後、編集処理を施したPCMサンプルを再度符号化することによって生成される符号化データを記録してなる記録媒体を作成することができる。この際の記録媒体としては、光磁気ディスク以外にも、磁気ディスク等のディスク状記録媒体、磁気テープ、光テープ等のテープ状記録媒体、或いはICメモリ、メモリスティック、メモリカード等を用いることができる。
【0085】
次に、入力端子801を介して供給される符号化データと、出力端子808を介して出力される符号化データとの時間関係について図16を参照して説明する。図16で、N−1番目、N番目,N+1番目,N+2番目,N+3番目の各フレームは、入力端子801を介して入力する符号化データ内のフレームを示す。これらのフレームから復号されるPCMサンプルを時間方向に並んだ点の集合体として示す。復号されたPCMサンプルの時間関係は図12のような信号の振幅値の編集処理の場合は編集処理を行っても変化しない。但し、符号化回路807によって形成される符号化データ内のフレームの時間関係を編集前と統一させるためには、上記説明した653ポイント分の遅延補正を行う必要がある。
【0086】
遅延補正されたPCMサンプルが符号化されてなる最初のフレームをM−1番目のフレームとした場合、M−1番目のフレームの後半512個のPCMサンプルサンプルは、復号化によって得られたPCMサンプルを653サンプル分遅延させた位置から512個のPCMサンプルとされる。この際に、M−1番目のフレームは符号化されてなる最初のフレームであるため、M−1番目のフレームの前半の512個のPCMサンプルは、上述したように0データとされる。その後、M番目,M+1番目,M+2番目,M+3番目の各フレームがPCMの順を追って符号化され、出力端子808を介して出力される。ここで、M−1番目のフレームにN−1番目のフレームが対応し、M番目のフレームにN番目のフレームが対応し、M+1番目のフレームにN+1番目のフレームが対応し、M+2番目のフレームにN+2番目のフレームが対応し、M+3番目のフレームにN+3番目のフレームが対応する。
【0087】
このような関係の下では、例えばM番目のフレームに相当するPCMを生成するためには、N−1〜N+2番目のフレームが復号化される必要がある。すなわち、所望のフレームを編集して再び符号化するために、最低限、前の1フレーム分と後ろの2フレーム分とが必要となる。
【0088】
但し、出力端子808を介して出力される、M−1,M,M+1,・・・においても、オーバーラップの関係がある点を考慮する必要がある。すなわち、図16で編集部分eを編集したい場合、N番目のフレームを編集してM番目のフレームに置き換えるだけでは、M+1番目のフレームとのオーバーラップ分のために、再生時に所望の編集結果を得ることができない。この場合には、所望の編集結果を得るために、N+1番目のフレームを編集してM+1番目のフレームに置き換える必要がある。この際には、上述したように、N〜N+3番目のフレームが復号化される必要がある。
【0089】
すなわち、編集部分eを編集して所望の編集結果を得るためには、N−1〜N+3番目のフレームを抽出して復号化を行うことによってPCMサンプルを生成し、生成したPCMサンプルに編集処理を施すことによってM番目およびM+1番目のフレームを得て、これらのフレームをN番目およびN+1番目のフレームの代わりに用いるようにすれば良い。より長い時間間隔相当の編集も、同様にして、所望の編集結果を得るために生成されるべきデータと、PCMサンプルを生成するために復号化すべきフレームとの時間関係を正確に把握することにより、的確に行うことが可能である。また、この発明の一実施形態では、直交変換におけるウインドウ形状による影響を考慮していないが、これを考慮することにより、編集処理を精緻化することが可能である。
【0090】
これをさらに図15A,図15B,図15Cと合わせてより具体的に説明する。図15Aは記録媒体上に記録された信号を表したものである。F1,F2,F3,F4,F5,F6は記録媒体上に作成されたデータ記録単位としてのフレームを示している。各フレームには信号波形として示した信号がディジタルコード化されて記録されている。
【0091】
いま、図15Aに示された信号のうちフレーム3としてのF3とフレーム4としてのF4に対してエフェクト処理を施す場合について説明する。
【0092】
図15に示される信号のうちエフェクト処理を施されるフレームF3とF4が図14の端子801に入力され復号化回路802において復号化されてメモリ803に記憶される。メモリ803に記憶されたフレームF3とF4のディジタルコード化された信号はデータ変更回路804によってエフェクト処理される。この復号化処理とエフェクト処理によって図15Bに示したような遅延D2が発生する。これは先に説明したように、最初のフレームとなるフレームF3では、サンプル列開始時点以前に512個の0データのPCMサンプルを想定して、それら512個の0データのPCMサンプルを、最初のフレーム以前の仮想的なフレームとオーバーラップして処理するものとすることによる遅延とエフェクト処理による遅延によって発生するものであり、たとえばフレームF3に処理が施された結果をフレームDF3、フレームF4に処理が施された結果をフレームDF4とすれば遅延D2を持った波形の一部を表すことができる。つまり、図15Aの信号波形の開始時点以前に信号0がフィルされた信号波形の一部としてフレームDF3とDF4が生成されたことになる。
【0093】
この遅延D1を持った信号をさらに符号化回路807によって符号化した場合、復号化のときと同様に遅延D2が発生し、図15Aの信号波形に対して遅延D1と遅延D2が加算された遅延を持った信号の一部としてフレームDDF3とDDF4が生成されることになる。つまり記録媒体上のフレーム1の先頭からディレイD1+ディレイD2の期間信号0がフィルされた信号波形の一部としてフレームDDF3とDDF4が生成されたことになる。
【0094】
ここで、遅延補正回路805による遅延補正を行わずにエフェクト処理されたフレームDDF3とDDF4が持つ時間情報に基づいて対応する記録媒体上の時間情報を持つ位置に書き戻すことを行ったとすると、フレームDDF3に関しては記録媒体上のフレームF5の一部と記録媒体上のフレームF6の一部に上書きされることになり、また生成されてフレームDDF4に関してはフレームF6の一部と記録媒体上のフレームF7の一部に上書きされることになる。
【0095】
このようにして生成された記録媒体上には、フレームF1、フレームF2、フレームF3、フレームF4、フレームF5の一部、エフェクト処理されたフレームDDF3、エフェクト処理されたフレームDDF4、フレームF7の一部が記録されたことになり、信号の継続性が失われたことになる。
【0096】
そこで、あらかじめ分かっている各遅延量D1、D2の総計時間分だけ、生成されたフレームDDF3およびDDF4の持つ時間情報をオフセットさせることで、フレームDDF3を記録媒体上のフレームF3の位置に、またフレームDDF4を記録媒体上のフレームF4の位置に書き戻すことができ、これによって信号の継続性が保たれ、かつエフェクト処理が施されたフレームを含む記録媒体が作成できたことになる。
【0097】
さらに図17A,図17B,図17Cを用いて入力されるPCMデータの符号化して記録媒体上に記録された上記PCMデータの一部を復号化して編集を加えてから再度符号化して記録媒体に書き戻す場合について説明する。
【0098】
図17Aには入力されるPCMデータをウィンドウによってフィルタリングしながらフレーム単位に符号化している様子を示している。なおウィンドウサイズはフレームと同じサイズとし、この例の場合1024サンプルとされる。
【0099】
入力されるPCMデータは、例えばフレームNの場合ウィンドウW2、ウィンドウW3、ウィンドウW4の3個のウインドウでフィルタリングされて合成されて使用される。
【0100】
図17AにおけるPCMデータのうちのAで示した部分を符号化する場合、N−2フレームとN−1フレームから生成されることになる。また、ウィンドウをしてはウィンドウW1とウィンドウW2でフィルタリングされたPCMデータが使用されることになる。
【0101】
ところで、Aで示した部分はPCMデータのうちの最初の部分であるため隣接フレームがフレームNの片側しか存在しない。そこでウィンドウW1の前半の一部を構成するフレームにはヌルデータを付加して符号化を行う必要がある。そのためN−1の隣接するフレームのうちの1つをヌルフレームとしている。
【0102】
そして図17Aに示したPCMデータを符号化した場合、記録媒体に記録されるフレームとしてはフレームN−1、フレームN、フレームN+1、フレームN+2、・・・、フレームN+5である。記録されるフレームにはヌルフレームは含まれず、記録時には記録が省略される。これによって、記録媒体上には入力されたPCMデータを構成する必要最小限のフレームのみが記録されることになる。つまり符号化の都合上で必要となったフレームは記録されないようにされている。
【0103】
図17Aのように符号化されて記録媒体に記録されたPCMデータの一部に対して編集を加える場合について図17Bを使って説明する。
【0104】
図17Aのように符号化されて記録媒体に記録されたPCMデータのうち図17Bで示すようにEDITと記された部分を編集するわけであるが、この場合に復号化が必要となるフレームとしては、フレームN、フレームN+1、フレームN+2、フレームN+3である。図17Bの例では説明を分かりやすくするためにフレームN−1についも復号化している。
【0105】
さて上記の5個のフレームに関連する部分を復号する場合、最初と最後のフレームであるフレームN−1とフレームN+3には隣接フレームが1個しかないため復号することができない。そのため復号の便宜上フレームN−1およびフレームN+3に対してはヌルフレーム隣接フレームの一つとして与えて復号化を行うことになる。
【0106】
この復号化によって再生されたPCMデータに対して編集を行うわけであるが、先に説明したように復号時に与えたヌルフレームとフィルタの次数による位相遅れが発生した結果フレームN−1の開始位置はこの例の場合653フレーム時間的にシフトした位置にずれている。
【0107】
このように復号化されたPCMデータのEDIT部分に編集を加えると破線で示したような記録媒体上に記録されたデータを便宜的に位置合わせして重ねた波形から編集された部分の波形が異なったことが分かる。
【0108】
ここで、フレームN+3の後半のヌルフレームと関連する部分の復号化された波形が、記録媒体上のデータと異なる波形になるのは、フレームN+3の後半部分を復号化する際に本来はフレームN+4と関連して復号化されずにヌルフレームを使って復号されたからである。
【0109】
これに対してフレームN−1は、入力されたPCM信号を符号化する際にヌルフレームを関連させて符号化したため、復号化する場合にヌルフレームとともに復号化されたPCM信号は入力されたPCM信号と同一波形となっている。
【0110】
さて、ここで編集が加えられたPCM信号を再度記録媒体上の対応するフレーム位置に書き戻す必要がある。このときに図17Aと同一のウィンドウでフィルタした信号を使って符号化した場合、ウィンドウW1、ウィンドウW2、ウィンドウW3、・・・を使用すると、復号化時に発生した遅延分だけずれた位置の信号に対するウィンドウになる。
【0111】
そこで、図17Bに示すウィンドウW11、ウインドウW12、ウィンドウW13、・・・、ウィンドウW16の新たなウィンドウを用意してフィルタリングすることによって図17Aと同一の時間関係を持つ信号を抽出することが可能となる。
【0112】
図17BにおけるウィンドウW11は、図17AにおけるW1に相当し、図17BにおけるウィンドウW12は、図17AにおけるW2に相当し、図17BにおけるウィンドウW13は、図17AにおけるW3に相当すると言える。
【0113】
このようにウィンドウによるフィルタリングの位置を図17Cに示すように遅延補正量だけずらす処理を施すことで、符号化したフレームN、フレームN+1、フレームN+2を記録媒体上のそれぞれフレームN、フレームN+1、フレームN+2に相当するフレーム位置に書き戻すことが可能となる。
【0114】
上述したこの発明の一実施形態、この発明の他の実施形態は、MDCTと、人間の聴覚特性を考慮した帯域分割と、各帯域毎のビット配分とを組合わせ、さらに各帯域毎の正規化および量子化を行うことによる高能率符号化方式における符号化データを前提として、この発明を適用したものである。これに対して、例えばMPEGオーディオ規定に従う符号化データフォーマット等の他の符号化方式を前提としてこの発明を適用することも可能である。MPEGオーディオ規定に従う符号化データフォーマットを図18に示す。
【0115】
ヘッダは固定長の32ビットとされ、ヘッダ内には、同期用のワード、ID,レイヤ層、プロテクンビット、ビットレートインデックス、サンプリング周波数、バディングビット、プライベートビット、モード、コピーライトの有無、オリジナルあるいはコピーの別、エンファシス等の情報が記録される。ヘッダに続いてオプションであるエラーチェック用のデータが記録される。エラーチェック用のデータに続いてオーディオデータが記録される。このオーディオデータがサンプルデータと共に、リングアロケーション情報、スケールファクタ情報を含んでいるので、かかるデータフォーマットに対してこの発明を適用することが可能である。
【0116】
なお、正規化情報としては、符号化の方式等によってスケールファクタ情報以外のものが用いられることがある。そのような場合にも、この発明を適用することは可能である。
【0117】
また、この発明は、上述したこの発明の一実施形態、この発明の他の実施形態等に限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0118】
【発明の効果】
この発明によれば、ディジタルオーディオデータ等に係るディジタル信号に基づいて一旦形成された符号化データを部分的に復号化することによって生成されるPCMサンプルを変更し、その後再度符号化することにより、符号化方式、符号化データフォーマット等による、レベル調整幅、フィルタ機能、時間方向の処理等に係る編集における制限の影響を小さくすることができ、より細かい編集が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用することができるディジタル信号記録装置の一例を示すブロック図である。
【図2】各帯域毎の直交変換ブロックサイズについて説明するための略線図である。
【図3】この発明を適用することが可能な符号化データフォーマットの一例を示す略線図である。
【図4】図7中の1バイト目のデータの詳細を示した略線図である。
【図5】ビット割当算出回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】臨界帯域、ブロックフローティング等を考慮して分割された帯域のスペクトルの一例を示す略線図である。
【図7】マスキングスペクトルの一例を示す略線図である。
【図8】最小可聴カーブ、マスキングスペクトルの合成について説明するための略線図である。
【図9】この発明を適用することができるディジタル信号再生および/または記録装置の一例を示すブロック図である。
【図10】正規化情報の生成について説明するための略線図である。
【図11】正規化情報の変更によるレベル操作について説明するための略線図である。
【図12】正規化情報の変更によるフィルタ操作について説明するための略線図である。
【図13】符号化データ内の各フレームにおけるオーバーラップについて説明するための略線図である。
【図14】この発明に係る編集処理を行う構成の一例を示すブロック図である。
【図15】記録媒体上に記録された信号の一例を示す略線図である。
【図16】この発明に係る編集処理における各フレーム間の時間関係の一例について説明するための略線図である。
【図17】PCMデータの一部を復号化して編集を加えてから再度符号化して記録媒体に書き戻す場合について説明するための略線図である。
【図18】この発明を適用することが可能な符号化データフォーマットの他の例を示す略線図である。
【符号の説明】
101、102・・・帯域分割フィルタ、103、104、105・・・直交変換回路、119・・・正規化情報変更回路、120、121、122・・・演算器(減算器)、709・・・正規化情報変更回路、802・・・復号化回路、804・・・データ変更回路、805・・・遅延補正回路、807・・・符号化回路

Claims (17)

  1. 修正離散コサイン変換を用いた符号化がなされた符号化オーディオデータを部分的に復号化して、復号化オーディオデータ部分を生成する部分復号化手段と、
    上記復号化オーディオデータ部分に変更処理を施すデータ変更手段と、
    上記データ変更手段の出力を符号化し、符号化オーディオデータを生成する部分符号化手段と
    上記部分復号化手段から上記データ変更手段への出力、または上記データ変更手段から上記部分符号化手段への出力に対して、遅延補正を施す遅延補正手段と
    を有し、
    上記遅延補正手段は、
    上記部分復号化手段および上記部分符号化手段の動作に起因して生じる、上記部分復号化手段に入力される符号化オーディオデータに対する、上記部分符号化手段から出力される符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号処理装置。
  2. 請求項1において、
    上記部分復号化手段は、
    上記符号化オーディオデータ中の所望の部分を復号化することを特徴とするディジタル信号処理装置。
  3. 修正離散コサイン変換を用いた符号化がなされた符号化オーディオデータを部分的に復号化して、復号化オーディオデータ部分を生成する部分復号化ステップと、
    上記復号化オーディオデータ部分に変更処理を施すデータ変更ステップと、
    上記データ変更ステップの結果を符号化し、符号化オーディオデータを生成する部分符号化ステップと、
    上記部分復号化ステップと上記データ変更ステップとの間、または上記データ変更ステップと上記部分符号化ステップとの間で、上記復号化オーディオデータ部分に対して遅延補正を施す遅延補正ステップと
    を有し、
    上記遅延補正ステップでは、
    上記部分復号化ステップおよび上記部分符号化ステップの処理に起因して生じる、上記部分復号化ステップ前の符号化オーディオデータに対する、上記部分符号化ステップ後の符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号処理方法。
  4. 入力ディジタルオーディオ信号を修正離散コサイン変換を用いて符号化することによって符号化オーディオデータを生成し、符号化オーディオデータを所定の記録媒体に記録するディジタル記録装置において、
    符号化オーディオデータを部分的に復号化して、復号化オーディオデータ部分を生成する部分復号化手段と、
    上記復号化オーディオデータ部分に変更処理を施すデータ変更手段と、
    上記データ変更手段の出力を符号化し、符号化オーディオデータを生成する部分符号化手段と
    上記部分復号化手段から上記データ変更手段への出力、または上記データ変更手段から上記部分符号化手段への出力に対して、遅延補正を施す遅延補正手段と
    を有し、
    上記遅延補正手段は、
    上記部分復号化手段および上記部分符号化手段の動作に起因して生じる、上記部分復号化手段に入力される符号化オーディオデータに対する、上記部分符号化手段から出力される符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号記録装置。
  5. 入力ディジタルオーディオ信号を修正離散コサイン変換を用いて符号化することによって符号化オーディオデータを生成し、符号化オーディオデータを所定の記録媒体に記録するディジタル信号記録方法において、
    符号化オーディオデータを部分的に復号化して、復号化オーディオデータ部分を生成する部分復号化ステップと、
    上記復号化オーディオデータ部分に変更処理を施すデータ変更ステップと、
    上記データ変更ステップの結果を符号化し、符号化オーディオデータを生成する部分符号化ステップと、
    上記部分復号化ステップと上記データ変更ステップとの間、または上記データ変更ステップと上記部分符号化ステップとの間で、上記復号化オーディオデータ部分に対して遅延補正を施す遅延補正ステップと
    を有し、
    上記遅延補正ステップでは、
    上記部分復号化ステップおよび上記部分符号化ステップの処理に起因して生じる、上記部分復号化ステップ前の符号化オーディオデータに対する、上記部分符号化ステップ後の符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号記録方法。
  6. 所定データ量ごとにブロック化し、隣接するブロックと関連させながら高能率符号化された入力ディジタルオーディオ信号に対してディジタル信号処理を行うディジタル信号処理装置において、
    入力される修正離散コサイン変換を用いて高能率符号化されたディジタルオーディオ信号を隣接するブロックと関連させながら部分的に復号化する復号化手段と、
    上記復号化されたディジタルオーディオ信号に変更処理を加える変更処理手段と、
    上記変更処理を加えられたディジタルオーディオ信号を隣接するブロックと関連させながら高能率符号化し、符号化オーディオデータを生成する符号化手段と、
    上記復号化手段と上記変更処理手段との間、または上記変更処理手段と上記符号化手段との間において、上記復号化によって生じる遅延時間を補正する遅延補正手段と
    を備え、
    上記遅延補正手段は、
    上記復号化手段の動作に起因して生じる、上記復号化手段に入力される符号化オーディオデータに対する、上記符号化手段から出力される符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号処理装置。
  7. 請求項6において、
    上記符号化手段は、
    入力されるディジタルオーディオ信号を複数の周波数帯域成分に分割する帯域分割手段と、
    上記帯域分割手段にて複数の周波数帯域に分割された入力ディジタルオーディオ信号の各々を時間軸方向および/または周波数軸方向に並んだサンプル列をブロック化して符号化する符号化手段と、
    上記符号化手段にて符号化された各ブロック毎の信号を正規化処理して正規化情報を生成する正規化処理手段と、
    上記ブロック毎の信号成分の特徴を表す量子化係数を計算する量子化係数計算手段と、
    上記量子化係数計算手段にて計算された量子化係数に基づいてブロック毎のビット配分量を決定するビット配分手段と、
    上記正規化処理手段にて生成された正規化情報と上記ビット配分手段でビット配分量とに基づいて各ブロック内の信号配分を再量子化を行い所定フォーマットに則した符号化オーディオデータを生成する符号化データ生成手段とを備えることを特徴とするディジタル信号処理装置。
  8. 請求項6において、
    上記復号化手段は、
    入力されるブロック化されて高能率符号化されたディジタルオーディオ信号の各々に対する情報圧縮パラメータに基づいて復号化することを特徴とするディジタル信号処理装置。
  9. 請求項6において、
    上記ディジタル信号処理装置は、さらにユーザの操作によって上記編集される高能率符号化されたディジタルオーディオ信号を指定する操作手段を備えることを特徴とするディジタル信号処理装置。
  10. 請求項6において、
    上記入力される高能率符号化されたディジタルオーディオ信号は記録媒体から読み出されて入力されることを特徴とするディジタル信号処理装置。
  11. 請求項10において、
    上記符号化手段によって高能率符号化されたディジタルオーディオ信号は、上記遅延補正手段によって遅延時間を補正され上記記録媒体へ読み出されたディジタルオーディオ信号に位相を合わせて書き込まれることを特徴とするディジタル信号処理装置。
  12. 所定データ量ごとにブロック化し、隣接するブロックと関連させながら高能率符号化された入力ディジタルオーディオ信号に対してディジタルオーディオ信号処理を行うディジタル信号処理方法において、
    入力される修正離散コサイン変換を用いて高能率符号化されたディジタルオーディオ信号を隣接するブロックと関連させながら部分的に復号化するステップと、
    上記復号化されたディジタルオーディオ信号に変更処理を加えるステップと、
    上記変更処理を加えられたディジタルオーディオ信号を隣接するブロックと関連させながら高能率符号化し、符号化オーディオデータを生成するステップと、
    上記復号化のステップと上記変更処理のステップとの間、または上記変更処理のステップと上記符号化のステップとの間で、上記復号化のステップによって生じる遅延時間を補正するステップと
    を有し、
    上記遅延時間の補正のステップでは、
    上記復号化のステップの処理に起因して生じる、上記復号化のステップ前の符号化オーディオデータに対する、上記符号化のステップ後の符号化オーディオデータの位相のずれを補償し、位相を合わせることを特徴とするディジタル信号処理方法。
  13. 請求項12において、
    上記符号化するステップは、
    入力されるディジタルオーディオ信号を複数の周波数帯域成分に分割するステップと、
    上記帯域分割するステップにて複数の周波数帯域に分割された入力ディジタルオーディオ信号の各々を時間軸方向および/または周波数軸方向に並んだサンプル列をブロック化して符号化するステップと、
    上記符号化するステップにて符号化された各ブロック毎の信号を正規化処理して正規化情報を生成するステップと、
    上記ブロック毎の信号成分の特徴を表す量子化係数を計算するステップと、
    上記量子化係数を計算するステップにて計算された量子化係数に基づいてブロック毎のビット配分量を決定するステップと、上記正規化情報を生成するステップにて生成された正規化情報と上記ビット配分手段でビット配分量とに基づいて各ブロック内の信号配分を再量子化を行い所定のフォーマットに則した符号化オーディオデータを生成するステップとを有することを特徴とするディジタル信号処理方法。
  14. 請求項12において、
    上記復号化するステップは、入力されるブロック化されて高能率符号化されたディジタルオーディオ信号の各々に対する情報圧縮パラメータに基づいて復号化することを特徴とするディジタル信号処方法。
  15. 請求項12において、
    ユーザの操作によって上記編集される高能率符号化されたディジタルオーディオ信号が指定されることを特徴とするディジタル信号処理方法。
  16. 請求項12において、
    上記入力される高能率符号化されたディジタルオーディオ信号は記録媒体から読み出されて入力されることを特徴とするディジタル信号処理方法。
  17. 請求項16において、
    上記符号化するステップによって高能率符号化されたディジタルオーディオ信号は、上記遅延補正するステップによって遅延時間を補正され上記記録媒体へ読み出されたディジタルオーディオ信号に位相を合わせて書き込まれることを特徴とするディジタル信号処理方法。
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