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JP4640346B2 - 蒸しケーキの製造方法 - Google Patents
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本発明はモチモチした食感と復元性に富んだ弾力性を有する蒸しケーキを提供するものである。
ケーキの種類は多く、スポンジケーキ、バターケーキ等があるが、本発明はこれらのケーキではなくて蒸しケーキに関するものである。蒸しケーキは、粉、卵および砂糖を主原料とした生地を混合してそのまま蒸し上げるか、泡立ててから蒸しあげることで得られ、蒸しパンとも呼称されている。例えば、本出願人は特許文献1(特開平10−276660号公報)の「架橋加工澱粉を使用し、比重を調整することを特徴とする蒸しケーキ」を出願した。
弾力のある蒸しケーキとして、特許文献2(特開平06-133695号公報)には、水分が多くても比容積が大きく、沈みのない弾力性に富んだ、ソフトで口溶けが良く、食味、食感の優れた蒸しケーキが開示されている。この発明は、生地において水分は多いが比重を小さくすることにより、蒸成後、製品の沈みがなく、弾力性にとみ、かつ均一でソフトな食感を有する蒸しケーキを製造するものである。しかし、本発明のようにモチモチした食感と復元性のある弾力を有するものでもなく、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いるものでもない。
本出願人は特許文献3(特開昭63-291539号公報)に、大豆蛋白主体又は卵白と大豆蛋白を主体とした、蒸し上げた後も沈まないウェットでソフトな食感を有する蒸しケーキを出願した。ここに云う大豆蛋白は、豆乳、分離大豆蛋白等であり加水分解して泡立ちやすい水解大豆蛋白が好ましい旨開示している。
しかし、本発明の蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を開示するものではなく、本発明ほどのモチモチ感と弾力性を有するものでもない。
また、特許文献4(特開2004-208585号公報)には、小麦粉に平均粒径1.0μm以下の豆乳を使用することにより、しっとり感、きめこまかさ、風味、弾力が良好で、かつ経日変化の少ない豆乳菓子が開示されている。この豆乳菓子製品としては、保湿性よく、きめ細かでふっくら感があり、かつ経日変化の少ないスポンジケーキ、ワッフルなどが開示されている。しかし、蒸しケーキは開示されていない。
この他にも、特許文献5(特開2001-321083号公報)には、豆乳入りスポンジが開示されているが蒸しケーキではない。
以上の特許文献4や5を蒸しケーキに応用したとしても、本発明のように蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を開示しておらず、本発明ほどのモチモチ感と弾力性を有する蒸しケーキを得ることはできない。
そして、従来技術ではある程度の弾力性を有する蒸しケーキは得られるものの、本発明が目的とするほどの復元力に富んだ弾力性を有する蒸しケーキは得られていないのである。すなわち、もちもちとした独特の食感と復元力に富んだ弾力性を併せ有する蒸しケーキを得るという課題は解決されていないのである。
特開平10−276660号公報 特開平06-133695号公報 特開昭63-291539号公報 特開2004-208585号公報 特開2001-321083号公報
従来の弾力性を有すると言われる蒸しケーキでも復元力に優れるものは得られておらず、本発明は、もちもちとした独特の食感と復元力に富んだ弾力性を併せ有する蒸しケーキを目的とした。また蒸しケーキに必要とされるボリュームも提供する。
本発明者等は、上記課題の解決のため、小麦粉、卵および砂糖を主原料とし、これを泡立てた生地を蒸して蒸しケーキを作成するなかで、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いることにより従来にないもちもちとした食感を得られることを見出した。更に研究を重ねるなかで、卵を卵白に代えるだけでなく乾燥卵白を併用することにより、単にそのもちもちとした独特の食感が増強されるだけでなく復元力に富んだ弾力性を有する蒸しケーキを得ることが出来るという知見を得た。
本発明はかかる知見により完成されたものである。
即ち、本発明は、蒸しケーキの製造法において、原料に卵白と蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と乾燥卵白を用いることを特徴とする蒸しケーキの製造方法である。蒸す前の生地の比重は0.35〜0.70が好ましい。また、オールインミックス法で製造することが好ましい。
本発明は蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と卵白を併用するだけでなく、乾燥卵白も併用することにより、もちもちとした独特の食感がより増強され、復元力に富んだ弾力性を有する蒸しケーキの製造が可能となったものである。
また蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いずに生地を蒸した場合は横方向にも膨張して型枠からはみ出したり付着したりするものを、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いることにより縦方向に膨張してかかる問題もなくボリューム感を有する蒸しケーキを得ることができるものである。
本発明は、蒸しケーキの製造法において、原料に卵白と蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と乾燥卵白を用いることを特徴とする蒸しケーキの製造方法である。
(蒸しケーキ)
本発明における蒸しケーキは粉、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳、卵白、乾燥卵白を含むホイップした生地を蒸すことにより得ることができる。粉は、小麦粉および澱粉性原料など蒸しケーキに用いる公知の原料を利用することができる。ホイップ生地は原料を一緒にしてホイップする所謂オールインミックス法でも、原料を別々にホイップして合わせる方法でもよく、従来公知の方法を利用して得ることができる。蒸す条件も特に限定されるものではなく公知の条件、公知の手段を利用することができる。
本発明は蒸しケーキの製造法において、原料に蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いることが特徴のひとつである。この蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳は豆乳あるいは豆乳製造工程に蛋白質架橋酵素を作用させて得られた豆乳であれば特に限定するものではない。蛋白質架橋酵素としては、蛋白質分子同士の架橋を触媒する酵素であれば特に限定しない。具体的には、グルタミン残基とリジン残基の縮合を触媒するトランスグルタミナーゼ(EC2.3.2.13)やチオール基どうしを縮合し、ジスルフィド結合(−S−S−)の形成を触媒するチオール・ジスルフィド交換酵素(protein disulfide-isomerase, EC5.3.4.1)などを用いることができる。
この蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳は、 例えば、特開昭64-27471号公報、特開2005-204660号公報などに開示の方法を用いて製造することができる。この蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳は同じ濃度の豆乳に比べ、濃厚感に優れるものであり、加熱などの滅菌処理を行っても濃厚感が保持され、大豆本来のうまみと濃厚感(コク味)を有し、風味と食感が良好なものである。
本発明の蒸しケーキにおける蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳の配合量は特に問わないが、粉100部に対して10〜70部が適当である。多すぎるとホイップ性が悪くなり、少なすぎると効果が得がたい。本発明の蒸しケーキはボリューム感が重要であるが、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いた場合は、用いない場合に比べてボリューム感をより効果的に出すことができる。詳しくは、蒸しケーキは横に膨張して蒸し上げた生地が型枠からはみ出すことがあるのに対して、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いると蒸しあげた生地は縦方向に膨張して型枠からはみ出すことなくボリュームを出すことができる。型枠からはみ出すと型枠に付着したりして作業性が悪くなる。また蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳に代えて同じ固形分となるように牛乳、濃厚牛乳、濃縮乳などを用いたとしても、ホイップ性が悪くなりボリュームは劣る。尚、本発明は、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳に、通常の調製豆乳、無調製豆乳を併用することを妨げない。
本発明は蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と卵白を併用するだけでなく乾燥卵白も併用することが重要である。蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いることにより蒸しケーキにモチモチした独特の食感を与えることができ、卵白と乾燥卵白を併用することによりこのモチモチした独特の食感を増強できるだけでなく復元性に富んだ弾力性を付与することができる。
すなわち、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と卵白と乾燥卵白を併用することにより、もちもちとした独特の食感がより増強され復元力に富んだ弾力性を有する蒸しケーキが可能になったものである。このように本発明の蒸しケーキは復元する弾力性を有するので、例えば製品として流通販売される際に山積みされて底部の蒸しケーキが圧迫されても、それらを取り出すと元の形状に復元されるという効果がある。
本発明に用いる卵白は、液卵白、凍結卵白等を用いることができる。なお、卵白は全卵と併用することもできるが、卵の黄色み(卵黄由来)が好ましくない場合など、全卵の代わりに卵白を用いることが好ましい。従来の蒸しケーキは卵黄や全卵を使用していたので黄色みがかっており、例えばブルーベリーとかイチゴを配合してもそれらの色が生かしきれなかった。従って卵黄を用いないか或いは配合量を抑えて、卵白を主体に用いるようにすれば、白い生地となり白い蒸しケーキを得ることができる。かかる生地は白いのでどんな色にも染まりやすい効果がある。例えばそのものの色も生かしたい素材(抹茶、苺とか)を添加した時、色鮮やかに発現させることができる。本発明における卵白の配合量は、粉100部に対して100〜220部が適当である。多すぎると食感がねちゃついたりボディ性が悪くなる。
本発明に用いる乾燥卵白は、市販の乾燥卵白を特に制限なく用いることができる。なかでも起泡性を増強させた乾燥卵白が好ましく、例えばキューピータマゴ株式会社製「乾燥卵白Wタイプ」などを用いることができる。蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と卵白を用いるだけでなく加えて乾燥卵白を併用することによりもちもちとした独特の食感がより増強されると共に復元力に富んだ弾力性が蒸しケーキに付与できるのである。それだけでなく乾燥卵白を併用することにより、蒸しケーキ生地の水分調整が容易になり、小麦粉などの粉原料との混合作業性を改善することができる。
また乾燥卵白は蒸す前の生地中0.5〜4.0重量%が適当である。卵白と併用するので卵白100重量部に対して乾燥卵白を1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部用いることが適当である。少ないと本発明の効果が得がたく多すぎるとぱさつく傾向がある。
本発明において、ホイップ生地は以上の原料をオールインミックス法で生地比重が0.35〜0.70、好ましくは0.37〜0.45、より好ましくは0.38〜0.41になるまでホイップして得ることが適当である。換言すれば蒸す前の生地の比重が前述の範囲が適当である。このようにホイップすることによりボリュームがあり復元性に富んだ弾力性を有する蒸しケーキを得ることができる。勿論モチモチ感を有することは言うまでもない。ホイップ後の生地比重が大きすぎるとかかる効果が得難くなり、また生地比重を0.35未満にまでする必要はなく、上記範囲内で充分前記効果を得ることができる。
なお、原料の混合方法は従来公知の方法を特に制限なく用いることができ、例えばオールインミックス法であれば簡便である。ホイップ手段もミキサーやホイッパー等公知の機器を利用することができる。オールインミックス法は、一つのミキサーに各原料を混合してホイップすることができ、実生産では連続ミキサーを用いることができる。
本発明における蒸しケーキは、粉、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳、卵白、乾燥卵白および糖類以外の副原料として、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。
なお、本発明の蒸しケーキは、抹茶、あずき、ブルーベリー、イチゴなどの果物などのケーキ素材を添加したり表面を焦がすなどすることもできる。
従来の蒸しケーキは卵黄を使用していたので黄色みがかっていたが、本発明は卵黄を用いる必要がなく、卵黄を全く用いないか配合量を抑えることで白い生地が得られるのでどんな色にも染まりやすいものである。従って例えば抹茶、ブルーベリーとかイチゴを併用してそのままの色を生かすことができる。
以下実施例により本発明の実施態様を具体的に説明する。
なお、例中、%及び部は、いずれも特に断りのない限り重量基準を意味する。
製造例1(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳の製造)
脱皮脱胚軸大豆1重量部(以下、部)に水10部を加え、20℃で60分間以上浸漬して十分に吸水した膨潤大豆(水分含量40〜55%)1部に対し、水(15℃)3部を加えたものを15℃の温度を保ちつつ、グラインダー(増幸産業(株)製)で微細化し、磨砕液(呉)を得た。遠心分離機によって3000Gで5分間処理し、15℃で豆乳とおからを分離し、生搾り豆乳を得た。この生搾り豆乳は固形分9.0%、蛋白質含量4.5%でpHは6.8であった。
次に得られた豆乳を60℃に保温しつつ、豆乳の蛋白質1gあたり0.15gのトランスグルタミナーゼ製剤「アクティバスーパーカード」(味の素(株)製)(トランスグルタミナーゼ0.2%、還元麦芽糖粉末他99.8%、酵素力価17〜26ユニット/g)を30分間作用させた。反応後、直ちに直接蒸気注入方式による滅菌処理装置(直接加熱装置)に供給し、150℃で4秒間滅菌処理(F値51.7分相当)を行い、10℃に冷却後、無菌包装に無菌充填を行い、生搾り滅菌豆乳を得た。
得られた生搾り滅菌豆乳は大豆固形分が9.0%ながら10℃における粘度が22mPa・sあって、大豆のうまみが強く、自然な濃厚感があり、また驚くべきことに従来の豆乳の製造技術では解消し得なかった独特の豆臭さがなくなり、極めて良好な風味を有していた。
以下、この豆乳を「蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳」として用いる。
実施例1(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と卵白と乾燥卵白を併用)
以下の方法により蒸しケーキをオールインミックス法にてミキシングし、蒸しあげた。まず、グラニュー糖100重量部と乾燥卵白5重量部を良く混ぜ合わせた。乾燥卵白はキューピータマゴ株式会社製「乾燥卵白Wタイプ」を用いた。次に、縦型ミキサー(ケンウッドミキサーを使用)のミキサーボールの中に前記混合物と卵白100重量部を投入し30℃前後に温めた。その中に乳化油脂(商品名「パーミングセレクト」不二製油(株)製)13重量部を投入し軽く分散するまで攪拌した。
次に、これに薄力粉50重量部、小麦粉澱粉20重量部、ベーキングパウダー2重量部を合わせて篩ったものを投入し、ダマができないよう軽く攪拌した。その後、約25℃前後に温めた製造例1で製造した「蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳」30重量部と、練り込み用クリーム(商品名「フレッシュナー3000」不二製油(株)製)10重量部、バニラオイル0.5重量部を順に添加し、中高速(150rpm)で3分ほど攪拌ホイップさせた。(比重を0.4前後目安)
次に、耐熱性のある型枠(※1)の穴に穴のサイズに合う紙製のグラシンを敷き、ホイップした生地を50g流し込んだ。生地を流し込んだ型枠を蒸し器に入れ、80℃〜90℃で15分、その後90℃〜98℃で5分、その後98℃〜100℃で2分蒸しあげた。
この結果、もちもちと独特の食感を有し、さらに復元力に富んだ弾力性を有するボリュームのある蒸しケーキを作製することができた。
※1:プラスチック製で横50cm縦42cm高さ2.5cmの型枠で直径8.5cm口径の円柱状の穴が5列4段、計20個開いている。穴の底は中心に直径5.5cmの穴が開いており、直径8.5cmから中心の穴部分5.5cmを引いた部分は生地を支えるためにプラスチックの部分がある。
以下の実施例、比較例においてもこの耐熱性のある型枠を用いる。
比較例1(無調整豆乳を蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳の代わりに用いた)
製造例1で製造した「蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳」30重量部の代わりに豆乳(商品名「無調整豆乳」不二製油(株)製)を30重量部配合した以外は、実施例1と同様に蒸しケーキを調製した。
比較例2(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳の代わりに濃縮乳を用いた)
製造例1で製造した「蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳」30重量部の代わりに、濃縮乳タイプの水中油型エマルジョン(商品名「プロベスト500」不二製油(株)製)10重量部と水20重量部配合した以外は、実施例1と同様に蒸しケーキを調製した。
比較例3(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と卵白を用いるが乾燥卵白は用いない例)
実施例1と同様にミキサーを用いて、蒸しケーキ生地をオールインミックス法にて調製し、蒸しケーキを蒸しあげた。
まず、グラニュー糖100重量部と卵白100重量部と合わせ、攪拌しながら30℃前後に温めた。この中に乳化油脂(商品名「パーミングセレクト」不二製油(株)製)13重量部を入れ、再び全体に分散するように軽く攪拌した。
この中に薄力粉50重量部、小麦粉澱粉20重量部、ベーキングパウダー2重量部を合わせて篩ったものを入れダマができないように軽く攪拌した。その後、約25℃前後に温めた蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳(製造例1で製造したもの)30重量部と、練り込み用クリーム(商品名「フレッシュナー3000」不二製油(株)製)10重量部、バニラオイル0.5重量部を順に添加し、中高速(/分)で3分ほど攪拌ホイップさせた(比重を0.4前後目安)。実施例1と同様にして蒸しあげた。
前記実施例および比較例で得られた蒸しケーキの30人のパネラーによる官能評価結果を表1〜表4に示す。
(表1)もちもち感の官能評価
------------------------
最も、もちもちしていると感じた人の割合は以下の通りであった。
実施例1(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳+乾燥卵白あり)で50%
比較例1(無調整豆乳+乾燥卵白あり)で30%
比較例2(濃縮乳+乾燥卵白あり)で20%
比較例3(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳+乾燥卵白なし)で0%
------------------------
以上のように、試食の結果もちもち感の順位は、実施例1>比較例1>比較例2>比較例3の順であった。
すなわち、もちもちしていると感じるのは蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と乾燥卵白を併用した蒸しケーキで、蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いても乾燥卵白を併用しないとモチモチ感は少ないことがわかった。
(表2)弾力性の官能評価結果------------------------
最も弾力があると感じた人の割合は、
実施例1(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳+乾燥卵白あり)で60%
比較例1(無調整豆乳+乾燥卵白あり)で40%
比較例2(濃縮乳+乾燥卵白あり)で0%
比較例3(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳+乾燥卵白なし)で0%
------------------------
以上のように、試食の結果弾力性の順位は、実施例1>比較例1>比較例2>比較例3であった。
また、指で押して復元する復元性を伴う弾力性も表2の順位であった。
すなわち、弾力性についても蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳だけでなく乾燥卵白を併用したほうが優れた結果を示した。また濃縮乳を用いても蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳のような弾力性に優れた蒸しケーキを得ることができなかった。
蒸しあげたケーキの体積や高さは3D(3D Laser Scanner)を用いて測定した。
(表3)蒸しケーキの体積平均(3Dで測定)
------------------------
実施例1(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳+乾燥卵白あり)は182.56cm3
比較例1(無調整豆乳+乾燥卵白あり)は172.41cm3
比較例2(濃縮乳+乾燥卵白あり)は163cm3
比較例3(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳+乾燥卵白なし)は161.61cm3
------------------------
以上蒸しケーキの体積を測定した結果、ボリュームが出たのは蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と乾燥卵白を併用した実施例1で蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いても乾燥卵白を併用しないとボリュームは低いものであった。
なお、蒸しケーキの高さの平均は、(3D測定)より次の表4の通りであった。
(表4)蒸しケーキの高さ
------------------------
実施例1(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳+乾燥卵白あり)は44.55cm
比較例1(無調整豆乳+乾燥卵白あり)は40.38cm
比較例2(濃縮乳+乾燥卵白あり)は38.36cm
比較例3(蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳+乾燥卵白なし)は38cm
------------------------
以上より蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と卵白および乾燥卵白を併用した実施例1が最も高さが出て、ボリューム感が出た。
蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳(実施例1)と無調整豆乳(比較例1)で最も差がでたのはボリュームであった。
即ち、実施例1のように蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いた蒸しケーキは縦にボリュームがでて、他の比較例と比べて高さがあり、体積も大きくボリューム感が出た。これに比べ、比較例1のように無調整豆乳を用いた蒸しケーキは横にボリュームがでるので型からはみ出しやすく、生地が型にくっついてしまう問題も生じた。
以上のように蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳は無調整豆乳に比べてボリュームが出るだけでなく横にはみ出して型枠に付着することもなく作業性にも優れるものであった。
本発明により、もちもちとした独特の食感がより増強され、復元力に富んだ弾力性を有する蒸しケーキが可能になったものである。
特に、豆乳を用いると横方向にも膨張するものを蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳を用いることにより縦方向に伸びてボリューム感を出すことができるものである。従来の蒸しケーキはコンビニエンスストア、量販店等の陳列棚に積み重ねられるとボリュームダウンが否めなかった。本発明の蒸しケーキは、元の形状に復元するのでかかる問題を解決するものである。
また、卵黄を必須としないため白い生地が得られ、どんな色にも染まりやすい効果がある。従来の蒸しケーキは卵黄を使用していたので黄色みがかっていたので例えばブルーベリーとかイチゴを併用してもそのものの色が生かしきれなかった。しかし、本発明は色々な素材(抹茶、苺とか)を添加した時色鮮やかに発現する効果がある。

Claims (3)

  1. 蒸しケーキの製造法において、原料に卵白と蛋白質架橋酵素を作用させた豆乳と乾燥卵白を用いることを特徴とする蒸しケーキの製造方法。
  2. 蒸す前の生地の比重が0.35〜0.70である請求項1の製造方法。
  3. オールインミックス法で製造する請求項1の製造方法。
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