以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.構成>
<1−1.概要>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の概略構成を示す図である。この撮像装置1は、レンズ交換式一眼レフタイプのデジタルカメラとして構成されている。
図1に示されるように、撮像装置1は、カメラ本体部(カメラボディ)2を備えており、このカメラ本体部2に対して、交換式の撮影レンズユニット3が着脱可能である。
撮影レンズユニット3は、主として、鏡胴36、ならびに、鏡胴36の内部に設けられるレンズ群37及び絞り38から構成される。レンズ群37には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれている。
カメラ本体部2には、メカニカルシャッタ(以下、単に「シャッタ」とも称する)4と撮像素子(CCDセンサあるいはCMOSセンサ等)5とが設けられている。また、カメラ本体部2には主ミラー6とサブミラー7とペンタプリズム8とレンズユニット9とファインダ10とAFモジュール20とがさらに設けられている。ファインダ10は、いわゆる光学式ファインダとして機能する。
被写体に係る記録用静止画像等を取得する際には、被写体からの光を遮らないように主ミラー6とサブミラー7とが上方に待避し、撮影レンズユニット3からの光がシャッタ4の開放タイミングに合わせて撮像素子5に到達する。このように、被写体からの光が撮影レンズユニット3を介して撮像素子5に導かれることによって、被写体に係る撮影画像(撮影画像データ)が得られる。また、撮像素子5は、記録画像取得用の撮像素子であるとも表現される。
一方、光学ファインダを用いて構図決めを行う際、およびAFモジュール20を用いてAF動作を行う際には、主ミラー6およびサブミラー7が、必要に応じて下降し、撮影レンズユニット3からの被写体像の光路上に配置される(図1参照)。
このとき、撮影レンズユニット3からの光は、主ミラー6で反射されて上方に進路を変更し、ペンタプリズム8でその進路をさらに変更した後にレンズユニット9を通ってファインダ10へと進行する。撮影者はファインダ10を覗くことによって被写体像を確認することができる。
また、主ミラー6は一部の光を透過させることが可能であり、主ミラー6を透過した光はサブミラー7で反射されて下方に進路を変更しAFモジュール20へと進入する。AFモジュール20は、オートフォーカス(AF)制御を行うためのモジュール(「オートフォーカス装置」とも称する)である。AFモジュール20は、主ミラー6およびサブミラー7を介して進入してきた光を用いて、AF動作を実現する。なお、AFモジュール20については後述する。
次に、図2を参照しながら、撮像装置1の機能の概要について説明する。図2は、撮像装置1の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、撮像装置1は、操作部80、制御部101、フォーカス制御部121、ミラー制御部122、シャッタ制御部123、タイミング制御回路124、およびデジタル信号処理回路50等をさらに備える。
操作部80は、シャッタースタートボタン(シャッターボタン)11(図1参照)、動作モード切替スイッチ等の各種ボタン、スイッチを備えて構成される。操作部80に対するユーザーの入力操作に応答して、制御部101が各種動作を実現する。なお、シャッターボタンは、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)の2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。撮像装置1では、S1状態になると、AF制御を含む本撮影動作のための準備動作が行われ、さらにS2状態になると、本撮影動作(記録用静止画像の撮影動作)が行われる。
制御部101は、主にCPU、メモリ、及びROM等を備えて構成され、ROM内に格納されるプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、各種機能を実現する。具体的には、制御部101は、コントラストAF制御部101aと位相差AF制御部101bとを有している。
コントラストAF制御部101aは、コントラストAF制御を行う際の光源の状態(光源情報)を認識する。具体的には、光量(光源光量)に揺らぎ(フリッカー)を生じている光源(「フリッカー光源」とも称する)であるか否かを判断するとともに、光源がフリッカー光源であれば、その光源のフリッカー周波数を検出する。そして、光源の状態に応じて、AFモジュール20によって取得される画像(画像信号)の取得タイミングおよびAF評価値(「コントラスト値」とも称する)の算出手法を変更し、正確なAF評価値を算出する。また、コントラストAF制御部101aは、AF評価値に基づいて、フォーカスレンズを制御するための制御信号をフォーカス制御部121に対して出力する。なお、画像の取得タイミングは、画像の取得間隔(フレーム取得間隔)、或いは、単位時間(1秒)当たりに取得されるフレーム(画像)数(フレームレート)を用いて表すことができる。
位相差AF制御部101bは、位相差AF用センサ26からの信号に基づいて、被写体の合焦状態が実現される位置(レンズ合焦位置)を検出する。そして、位相差AF制御部101bは、適宜求められたレンズ合焦位置に応じて、フォーカスレンズを制御するための制御信号をフォーカス制御部121に対して出力する。
フォーカス制御部121は、制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM1を駆動することによって、撮影レンズユニット3のレンズ群37に含まれるフォーカスレンズを移動させる。また、フォーカスレンズの位置は、レンズ位置検出部39によって検出され、フォーカスレンズの位置を示すデータが制御部101に送られる。このように、フォーカス制御部121および制御部101等は、フォーカスレンズの光軸方向の動きを制御する。
ミラー制御部122は、主ミラー6が光路から退避した状態(ミラーアップ状態)と主ミラー6が光路を遮断した状態(ミラーダウン状態)との状態切替を制御する。ミラー制御部122は、制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM2を駆動することによって、ミラーアップ状態とミラーダウン状態とを切り替える。
シャッタ制御部123は、制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM3を駆動することによって、シャッタ4の開閉を制御する。
タイミング制御回路124は、制御部101からの指示信号に応じて、撮像素子5等のタイミング制御を行う。
撮像素子(ここではCCDセンサ(単にCCDとも称する))5は、光電変換作用により被写体の光像を電気的信号に変換して、撮像画像に係る画像信号を生成する。撮像素子5は、タイミング制御回路124から入力される駆動制御信号(蓄積開始信号・蓄積終了信号)に応答して、受光面に結像された被写体像の露光(光電変換による電荷蓄積)を行い、当該被写体像に係る画像信号を生成する。また、撮像素子5は、タイミング制御回路124から入力される読出制御信号に応答して、当該画像信号を信号処理部51へ出力する。また、タイミング制御回路124からのタイミング信号(同期信号)は、信号処理部51及びA/D変換回路52にも入力される。
また、撮像素子5は、駆動機構5aによって駆動され、被写体からの光の光軸に垂直な平面内において移動する。撮像装置1のブレをジャイロセンサ44によって検出し、当該ブレを補正するように撮像素子5を駆動することによって、光学的な手ブレ補正を行うことが可能である。
撮像素子5で取得された画像信号は、信号処理部51において所定のアナログ信号処理が施され、当該アナログ信号処理後の画像信号はA/D変換回路52によってデジタル画像データ(画像データ)に変換される。この画像データは、デジタル信号処理回路50に入力される。
デジタル信号処理回路50は、A/D変換回路52から入力される画像データに対してデジタル信号処理を行い、撮像画像に係る画像データを生成する。デジタル信号処理回路50は、黒レベル補正回路53、ホワイトバランス(WB)回路54、γ補正回路55及び画像メモリ56を備える。
黒レベル補正回路53は、A/D変換回路52が出力した画像データを構成する各画素データの黒レベルを基準の黒レベルに補正する。WB回路54は、画像のホワイトバランス調整を行う。γ補正回路55は、撮像画像の階調変換を行う。画像メモリ56は、生成された画像データを一時的に記憶するための、高速アクセス可能な画像メモリであり、複数フレーム分の画像データを記憶可能な容量を有する。
本撮影時には、画像メモリ56に一時記憶される画像データは、制御部101において適宜画像処理が施され、カードI/F132を介してメモリカード90に記憶される。
また、画像メモリ56に一時記憶される画像データは、制御部101によって適宜VRAM131に転送され、カメラ本体部2の背面に配置される液晶表示部(LCD)12に画像データに基づく画像が表示される。これによって、撮影画像を確認するための確認表示(アフタービュー)、および撮影済みの画像を再生する再生表示等が実現される。
さらに、撮像装置1は、通信用I/F133を有しており、当該インターフェイス133の接続先の機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)とデータ通信をすることが可能である。
また、撮像装置1は、フラッシュ41、フラッシュ制御回路42、およびAF補助光発光部43を備えている。フラッシュ41は、被写体の輝度不足時等に利用される光源である。フラッシュの点灯の有無および点灯時間等は、フラッシュ制御回路42および制御部101等によって制御される。AF補助光発光部43は、AF用の補助光源である。AF補助光発光部43の点灯の有無および点灯時間等は、制御部101等によって制御される。
<1−2.AFモジュール20>
図3は、AFモジュール20の構成を示す図である。
図3に示されるように、AFモジュール20は、コンデンサレンズ21とハーフミラー22とを備えている。なお、このハーフミラー22と後述のビームスプリッタ29とは、被写体像が導かれる光路を3つの光路に分割する機能を有している。
主ミラー6(図1参照)を透過しサブミラー7で反射されてAFモジュール20の上方からAFモジュール20へと進入してきた光は、コンデンサレンズ21を通ってハーフミラー22に到達する。
ハーフミラー22は、被写体像が導かれる光路を、まず2つの光路、具体的には、ハーフミラー22の透過光の光路とハーフミラー22の反射光の光路とに分割する機能を有している。
ハーフミラー22の透過光の光路上には、AFモジュール20の一部の要素群、具体的には、IR(赤外線)カットフィルタ23と絞りマスク24とセパレータレンズ25と位相差AF用センサ26とが配置されている。
ハーフミラー22を透過した光は、IR(赤外線)カットフィルタ23と絞りマスク24とセパレータレンズ25とを通って位相差AF用センサ26に到達する。位相差AF用センサ26からの信号は制御部101に伝達され、位相差AFに利用される。
このように、IR(赤外線)カットフィルタ23と絞りマスク24とセパレータレンズ25と位相差AF用のセンサ26とは位相差AFユニットとして機能する。この位相差AFユニットは、位相差AF用センサ26の基準面P0(図3参照)における合焦状態を位相差方式で検出する。
なお、ここでは、位相差AF用センサ26(詳細には、位相差AF用センサ26の基準面)は、撮影レンズユニット3の光軸方向における撮像素子5の撮像面の位置と光学的に等価な位置に配置されているものとする。これによれば、位相差AF用センサ26の基準面P0(図3参照)上での合焦状態と、撮像素子5の撮像面P10(図1参照)上での合焦状態とが一致することになる。
また、ハーフミラー22の反射光の光路上には、AFモジュール20の別の要素群、具体的には、リレー光学系27とIRカットフィルタ28とビームスプリッタ29とセンサ31,32とが配置されている。
ハーフミラー22で反射された光は、その進路を図の左側へと変更すると、リレー光学系27とIRカットフィルタ28とを通ってビームスプリッタ29に導かれる。
ビームスプリッタ29は、ハーフミラー22での反射光の光路を、さらに2つの光路、具体的には、ビームスプリッタ29の透過光の光路とビームスプリッタ29の反射光の光路とに分割する機能を有している。ビームスプリッタ29の反射光の光路上にはセンサ31が配置されており、ビームスプリッタ29の透過光の光路上にはセンサ32が配置されている。したがって、反射光(ビームスプリッタ29によって分割され下方に進行する光)はコントラスト検出用のセンサ31に到達し、透過光(ビームスプリッタ29によって分割され図の左側にそのまま直進する光)はコントラスト検出用のセンサ32に到達する。
このように被写体像が導かれる光路上の異なる位置に配置されるセンサ31,32は、それぞれ、コントラスト検出用のセンサとして機能する。具体的には、センサ31,32は、それぞれ、撮像素子などで構成された撮像センサであり、被写体像に係る画像(画像信号)を所定の微小時間間隔(フレーム取得間隔)で順次に取得することができる。すなわち、センサ31,32は、時系列の画像データをそれぞれ取得することが可能である。
具体的には、光源がフリッカー光源であれば、その光源のフリッカー周波数に応じてフレーム取得間隔を変更する。例えば、光源のフリッカー周波数が100Hzであった場合には、第1のフレーム取得間隔(ここでは1/200秒)で画像信号を取得し、光源のフリッカー周波数が120Hzであった場合には、第2のフレーム取得間隔(ここでは1/240秒)で画像信号を取得する。
センサ31,32からの画像信号は制御部101に伝達され、コントラストAF用のAF評価値等の算出に利用される。各センサ31,32で取得された画像に基づいて当該画像のAF評価値(コントラスト値)を算出することによって、そのAF評価値が極大となる位置等が検出される。なお、AF評価値の算出手法については後述する。
このように、リレー光学系27とIRカットフィルタ28とビームスプリッタ29と2つのセンサ31,32とは、コントラストAFユニットとして機能する。また、センサ31を含む要素群は、第1コントラストAFユニットであるとも表現され、センサ32を含む要素群は、第2コントラストAFユニットであるとも表現される。
ここで、センサ31,32は、それぞれ、撮影レンズユニット3の光軸方向における撮像素子5の位置に対して光学的に等価な位置(光学的等価位置とも称する)に配置されるのではなく、当該光学的等価位置から微小量シフトした位置に配置されている。図4は、このような配置状態を概念的に示す図である。なお、図4においては、撮像素子5とセンサ31とセンサ32との光学的な位置関係が示されるとともに、センサ31,32のそれぞれで取得されるAF評価値Vn,Vfの変化曲線L1,L2が示されている。
詳細には、センサ31の撮像面P1は、位相差AF用のセンサ26の基準面P0と光学的に等価な位置(光学的等価位置)から微小距離ずれて配置されている。具体的には、センサ31の撮像面P1は、位相差AF用のセンサ26の基準面P0に対して光学的等価位置に対して近側に所定量Δx(ここでは約30μm)シフトされて配置されている。
また、センサ32の撮像面P2は、位相差AF用のセンサ26の基準面P0と光学的に等価な位置(光学的等価位置)から微小距離ずれて配置されている。具体的には、センサ32の撮像面P2は、位相差AF用のセンサ26の基準面P0の光学的等価位置に対して遠側に所定量Δx(ここでは約30μm)シフトされて配置されている。
図4に示されるように、センサ31(近側のセンサとも称する)はセンサ26に対して近側に微小量Δxずれて配置されているため、センサ31に関するAF評価値Vnの変化曲線L1は、フォーカスレンズが本来の合焦位置よりも近側に微小量Δxずれた位置に存在するときにピークを有する。
また、センサ32(遠側のセンサとも称する)はセンサ26に対して遠側に微小量Δxずれて配置されているため、センサ32に関するAF評価値Vfの変化曲線L2は、フォーカスレンズが本来の合焦位置よりも遠側に微小量Δxずれた位置に存在するときにピークを有する。
<1−3.AFモジュール20を用いたAF原理>
次に、図4〜図10を参照しながら、AFモジュール20を用いたAF制御の原理について説明する。図5は、位相差AFにおける測距動作およびレンズ駆動動作を示すタイミングチャートである。また、図6は、フォーカスレンズが遠方向に駆動される場合を示す概念図であり、図7は、フォーカスレンズが近方向に駆動される場合を示す概念図である。さらに、図8〜図10は、それぞれ、位相差AFにおいて各レンズ位置PA,PB,PCに停止したときの合焦動作を示す概念図である。
制御部101は、基本的にはまず位相差AFによって自動合焦動作を行う。具体的には、図5に示されるように、位相差AF用のセンサ26からの出力信号を用いて位相差AFによる測距動作を行うとともに、必要に応じてレンズ駆動動作が行われる。図5においては、測距動作に応じて合焦位置付近へ向けてのレンズ駆動が開始され、その後、レンズ駆動速度を徐々に低減しつつ、位相差AFによる合焦位置へ向けてフォーカスレンズが移動され、フォーカスレンズの駆動が時刻t10において停止される。この結果、フォーカスレンズが本来の合焦位置付近に位置することになる。
ただし、位相差AFのみを用いたAF動作では、フォーカスレンズが本来の合焦位置付近からずれた位置に存在し、十分な精度で合焦していないこともある。
そこで、この実施形態においては、コントラストAFを併用し、AFの精度をさらに向上させる。
具体的には、上述のセンサ31,32のそれぞれによって取得されたAF評価値(コントラスト値)Vn,Vfを考慮してさらに高精度の合焦動作を実現する。より詳細には、センサ31,32におけるAF評価値Vn,Vfの増減変化方向を用いる。ここでは、図5に示されるように、位相差AFによる自動合焦のためのフォーカスレンズの移動中等においてセンサ31,32によるAF評価値Vn,Vfを取得しておき、その増減変化方向に応じて、さらに詳細な合焦判定を行う場合を例示する。
上述のように、AFモジュール20のセンサ31,32は、それぞれ、撮影レンズユニット3の光軸方向における撮像素子5の位置と光学的に等価な位置から微小量Δxシフトした位置に配置されている(図4参照)。そのため、各センサ31,32で取得されるAF評価値Vn,Vfのピーク位置は本来の合焦位置からΔxずれている。ここでは、2つのAF評価値Vn,Vfのピーク位置のずれを利用して合焦判定等を行う。
図4に示されるように、ここでは、本来の合焦位置に対して±Δx以内のずれ範囲を最終的な合焦範囲RBとする。また、当該合焦範囲RBよりも近側の範囲RBおよび当該合焦範囲RBよりも遠側の範囲RCをいずれも非合焦範囲とする。
換言すれば、フォーカスレンズの停止位置が範囲RA、RB、RC内のいずれに存在するかに応じて合焦状態を判定する。フォーカスレンズが範囲RB内(例えば位置PB(図7))に存在するときには合焦状態であると判定し、フォーカスレンズが範囲RA内もしくは範囲RC内に位置するときには、非合焦状態であると判定する。
例えば、図6に示されるように、位相差AFにおいて近側から遠側に向けてフォーカスレンズを移動する場合(遠方向へ移動する場合)を想定する。この場合、AF評価値Vn,Vfの増減変化方向に応じて、フォーカスレンズの位置について、次の3つ((1)〜(3))に区別することができる。
(1)レンズ駆動の停止直前において、AF評価値Vn,Vfがいずれも増加し続けているときには、未だAF評価値Vn,Vfのいずれもピークを越えておらず、フォーカスレンズが未だ非合焦範囲RA内に位置し合焦範囲RBに到達していないものと判定される。
(2)レンズ駆動の停止直前において、AF評価値Vnがピークを越えて増加から減少に転じ、AF評価値Vfが未だ増加し続けているときには、フォーカスレンズが合焦範囲RB内の位置に存在するものと判定し、最終的な合焦状態であると判定する。換言すれば、AF評価値Vnの増減変化方向(ここでは減少方向)とAF評価値Vfの増減変化方向(ここでは増加方向)とが逆であるときには、最終的な合焦状態であると判定する。
(3)レンズ駆動の停止直前において、AF評価値Vn,Vfがいずれもピークを越えて増加から減少に転じているときには、フォーカスレンズが合焦範囲RBを越えて非合焦範囲RC内に位置するものと判定される。
また、逆に、図7に示されるように、位相差AFにおいて遠側から近側に向けてフォーカスレンズを移動する場合(近方向へ移動する場合)を想定する。この場合、AF評価値Vn,Vfの増減変化方向に応じて、フォーカスレンズの位置について、次の3つ((4)〜(6))に区別することができる。
(4)レンズ駆動の停止直前において、AF評価値Vn,Vfがいずれも増加し続けているときには、未だAF評価値Vn,Vfのいずれもピークを越えておらず、フォーカスレンズが未だ非合焦範囲RC内に位置し合焦範囲RBに到達していないものと判定される。
(5)レンズ駆動の停止直前において、AF評価値Vfがピークを越えて増加から減少に転じ、AF評価値Vnが未だ増加し続けているときには、フォーカスレンズが合焦範囲RB内の位置に存在するものと判定し、最終的な合焦状態であると判定する。換言すれば、AF評価値Vfの増減変化方向(ここでは減少方向)とAF評価値Vnの増減変化方向(ここでは増加方向)とが逆であるときには、最終的な合焦状態であると判定する。
(6)レンズ駆動の停止直前において、AF評価値Vn,Vfがいずれもピークを越えて増加から減少に転じているときには、フォーカスレンズが合焦範囲RBを越えて非合焦範囲RA内に位置するものと判定される。
以上のように、AF評価値Vnの増減変化方向とAF評価値Vfの増減変化方向とが逆であるときには最終的な合焦状態であると判定し、AF評価値Vnの増減変化方向とAF評価値Vfの増減変化方向とが同一であるときには、非合焦状態であると判定する。
上記のうち、最終的な合焦状態であると判定されるとき((2),(5))には、フォーカスレンズをさらに駆動することなくAF動作が終了する。例えば、図9に示されるように、位相差AFによるレンズ移動後のフォーカスレンズの位置PBが範囲RB内であると判定されるときには追加駆動を行うことなくAF動作が終了する。これにより、AF動作後のフォーカスレンズが、範囲RB内の位置(すなわち本来の合焦位置から±Δx以内の位置)に存在するような高精度のAF動作が実現される。
一方、未だ最終的な合焦状態ではないと判定されるとき((1),(3),(4),(6))には、フォーカスレンズを追加的に微小駆動する。
例えば、図8に示されるように、位相差AFでフォーカスレンズが遠方向へ移動する場合において、フォーカスレンズの位置が未だ非合焦範囲RA内(たとえば位置PA)であると判定されるとき(上記(1))には、フォーカスレンズを同一方向(遠方向)に微小量Δx追加駆動する。
そして、AF評価値Vn,Vfのそれぞれについて追加駆動前後の値を比較する。AF評価値Vnがピークを越えて増加から減少に転じ(Vn1>Vn2)、AF評価値Vfが未だ増加し続けている(Vf1<Vf2)と判定されるときには、フォーカスレンズが合焦範囲RB内の位置に存在するものと判定し、最終的な合焦状態であると判定する。換言すれば、AF評価値Vnの増減変化方向(ここでは減少方向)とAF評価値Vfの増減変化方向(ここでは増加方向)とが逆であるときには、最終的な合焦状態であると判定する。ここで、値Vn1,Vn2はそれぞれ当該追加駆動前および当該追加駆動後のAF評価値Vnを表し、値Vf1,Vf2はそれぞれ当該追加駆動前および当該追加駆動後のAF評価値Vfを表す。
最終的な合焦状態であると判定されるとAF動作が終了する。一方、未だ最終的な合焦状態でないと判定されると同様の追加駆動がさらに繰り返される。例えば、位相差AF後の停止位置が位置PAよりもさらに近側の位置PA0(図8)である場合には、数回の遠方向への追加駆動が行われた後に、最終的な合焦状態が実現されることになる。
また、図10に示されるように、位相差AFでフォーカスレンズが遠方向へ移動する場合において、フォーカスレンズの位置が非合焦範囲RC内(例えば位置PC)であると判定されるとき(上記(3))には、フォーカスレンズを逆方向(近方向)に微小量Δx追加駆動する。
そして、AF評価値Vn,Vfのそれぞれについて追加駆動前後の値を比較する。AF評価値Vnが増加し(Vn3<Vn4)、AF評価値Vfが減少する(Vf3>Vf4)と判定されるときには、フォーカスレンズが合焦範囲RB内の位置に存在するものと判定し、最終的な合焦状態であると判定する。換言すれば、AF評価値Vnの増減変化方向(ここでは増加方向)とAF評価値Vfの増減変化方向(ここでは減少方向)とが逆であるときには、最終的な合焦状態であると判定する。ここで、値Vn3,Vn4はそれぞれ当該追加駆動前および当該追加駆動後のAF評価値Vnを表し、値Vf3,Vf4はそれぞれ当該追加駆動前および当該追加駆動後のAF評価値Vfを表す。
最終的な合焦状態であると判定されるとAF動作が終了する。一方、未だ最終的な合焦状態でないと判定されると同様の追加駆動がさらに繰り返される。例えば、位相差AF後の停止位置が位置PCよりもさらに遠側の位置PC0(図10)である場合には、数回の近方向への追加駆動が行われた後に、最終的な合焦状態が実現されることになる。
また、位相差AFでフォーカスレンズが近方向へ移動する場合(図7参照)において、未だ最終的な合焦状態ではないと判定されるとき(上記(4),(6))も同様である。
具体的には、フォーカスレンズの位置が未だ非合焦範囲RC内であると判定されるとき(上記(4))には、フォーカスレンズを同一方向(近方向)に微小量Δx追加駆動する。そして、直近におけるAF評価値Vnの増減変化方向とAF評価値Vfの増減変化方向とが逆であるときに最終的な合焦状態であると判定する。このような追加駆動を必要に応じて繰り返すことによって最終的な合焦状態が実現される。
同様に、フォーカスレンズの位置が非合焦範囲RA内であると判定されるとき(上記(6))には、フォーカスレンズを逆方向(遠方向)に微小量Δx追加駆動する。そして、直近におけるAF評価値Vnの増減変化方向とAF評価値Vfの増減変化方向とが逆であるときに最終的な合焦状態であると判定する。このような追加駆動を必要に応じて繰り返すことによって最終的な合焦状態が実現される。
以上のようにして、AF動作後のフォーカスレンズの位置が合焦範囲RB内にあるようなAF動作が実現される。換言すれば、AF動作後のフォーカスレンズの位置が、本来の合焦位置から±Δx以内に存在するような高精度のAF動作を実現することができる。
<1−4.シフト量Δxについて>
ところで、上記のシフト量Δxは、式(1)のような条件を満たすように定められることが好ましい。
ここで、Fは、撮像装置1において設定可能な絞り値(Fナンバー)のうちの最小値(すなわち最小Fナンバー)、δは撮像素子5における画素ピッチの2倍の値である。
たとえば、F=1.4、δ=6(μm)×2=12(μm)とすると、式(1)より、Δx<33.6(μm)、となる。
式(1)の右辺の値(2×F×δ)は、パーソナルコンピュータ等のディスプレイにおいて画像を確認する際に撮影画像がいわゆるピンボケ状態とならずに明瞭な合焦状態の画像として認識されるために求められる(片側)焦点深度である。式(1)を満たすようにシフト量Δxが定められれば、パーソナルコンピュータ等のディスプレイにおいて画像を確認する際にも、十分にピントが合った状態で画像を視認できる。また、パーソナルコンピュータ等のディスプレイにおいて画像を確認する際に求められる合焦度合いは、印画紙等に画像をプリントして視認する際に求められる合焦度合いよりも高く、通常の利用態様において求められる合焦度合いの中で最も高い。したがって、式(1)を満たすような微小量Δx内のずれ量で合焦させて得られる撮影画像は、非常に多様な場面で十分な合焦度合いを有する画像として認識されることになる。
<1−5.フリッカーについて>
次に、光源のフリッカーについて説明する。
図11は、画像取得タイミングとフリッカー光源との関係を示す図である。図11では、上から順に、センサ31(或いはセンサ32)における画像の取得タイミング(ここでは200fpsのフレームレート)と、50Hzの蛍光灯(フリッカー周波数100Hz)の光源光量の時間変化と、60Hzの蛍光灯(フリッカー周波数120Hz)の光源光量の時間変化とが示されている。図12は、コントラストAF制御におけるAF評価値の算出方法の変更によってAF評価値のピーク形状が変化する様子を示す図である。図12中の黒丸印は、光源のフリッカー周波数が100Hzである場合に、200フレーム/秒(fps)のフレームレートで順次取得される複数の画像信号からそれぞれ算出されたAF評価値を示している。なお、縦軸はAF評価値、横軸はフォーカスレンズのレンズ位置を示している。
蛍光灯は商用電源の周波数(50Hz或いは60Hz)に応じて短い周期で明滅するため、蛍光灯から発せられる光の量(光量)には揺らぎ(以下「フリッカー」とも称する)が存在する。
具体的には、図11に示されるように、商用電源50Hzの蛍光灯は、1/100秒周期のフリッカー(フリッカー周波数100Hz)を有し、商用電源60Hzの蛍光灯は、1/120秒周期のフリッカー(フリッカー周波数120Hz)を有している。
ここで、コントラストAF制御では、上述のように所定のタイミングで取得される各画像において、隣接画素間の画素値の差分の総和をAF評価値として算出し、当該AF評価値を用いて合焦動作が実行される。
このため、蛍光灯を光源とする撮影環境下においては、フリッカーの影響によって所定のタイミングごとの露光量がばらつくため、正確なAF評価値を算出することができなくなる。具体的には、図12に示されるように、200fpsのフレームレートで順次取得された各画像のAF評価値(図12中の黒丸印)は、その最大値付近(ピーク付近)において、不明瞭な値となり、正確なAF評価値のピークを検出することができなくなる。
そこで、本実施形態では、蛍光灯等のフリッカー光源を光源とする撮影環境下においては、順次取得された画像それぞれについて、隣接画素間の画素値の差分の総和を算出し、これをAF評価値とする手法(通常評価値算出手法)とは異なる手法を用いて、AF評価値を算出する。
具体的には、200fpsのフレームレートで順次取得される画像について隣接画素間の画素値の差分の総和を予備評価値としてそれぞれ算出するとともに、時間的に連続して算出される2つの予備評価値の平均値(図12中の×印)を1つのAF評価値とする手法(フリッカー対策評価値算出手法)を用いる。これによれば、AF評価値が大きく波打つ事もなくなり、AF評価値のピーク形状が明瞭となる(図12の破線)。
ここで、フリッカー光源においてフリッカー対策評価値算出手法を採用すると、AF評価値のピーク形状が明瞭となる原理を詳述する。図13及び図14は、フリッカー対策評価値算出手法の原理を示すタイミングチャートである。図13及び図14では、それぞれ上から順に、センサ31(或いはセンサ32)における画像の取得タイミング(図13では200fpsのフレームレート、図14では240fpsのフレームレート)と、50Hzの蛍光灯(フリッカー周波数100Hz)の光源光量の時間変化と、60Hzの蛍光灯(フリッカー周波数120Hz)の光源光量の時間変化とが示されている。なお、センサ31(或いはセンサ32)による画像取得の際の露光時間は一定とする。
図13に示されるように、光源のフリッカー周波数が100Hzである場合において、200fpsのフレームレートで順次画像を取得すると、フレーム取得間隔が光源光量の変動周期の1/2となり、時間的に連続(隣接)した2回の画像取得タイミングにおける露光量の和が常に一定となる。このため、時間的に連続(隣接)した2回の画像取得タイミングにおいて取得される画像に基づいてそれぞれ算出される予備評価値(すなわち2つの予備評価値)の平均値をAF評価値とすれば、フリッカーの影響に拘わらず、複数のAF評価値のピーク形状が明確になる。
このように、光源のフリッカー周波数が100Hzである場合において、200fpsのフレームレートで順次画像を取得し、フリッカー対策評価値算出手法を用いてAF評価値を算出すると、フリッカーの影響を受けないコントラストAF制御が可能となる。
しかしながら、図13に示されるように、光源のフリッカー周波数が120Hzである場合には、光源光量の変動周期がフレーム取得間隔の2倍とならず、2回の画像取得タイミングにおける露光量の和が一定とならない。したがって、フリッカー周波数が120Hzである場合に、フレームレートが200fpsであると、時間的に連続(隣接)した2回の画像取得タイミングにおいて取得される画像データに基づいてそれぞれ算出される予備評価値の平均値をAF評価値としても、AF評価値が大きく波打ってしまい、AF評価値の明瞭なピーク形状を得ることができない。
そこで、フリッカー周波数が120Hzの場合においても上記フリッカー周波数が100Hzである場合と同様にフレーム取得間隔が光源光量の変動周期の1/2となるように、フリッカー周波数が120Hzの場合にはフレームレートを240fpsとすればよい。これによれば、図14に示されるように、時間的に連続(隣接)した2回の画像取得タイミングにおける露光量の和が常に一定となる。その結果、時間的に連続(隣接)した2回の画像取得タイミングにおいて取得される画像データに基づいてそれぞれ算出される予備評価値(すなわち2つの予備評価値)の平均値をAF評価値とすれば、フリッカーの影響に拘わらず、複数のAF評価値のピーク形状が明確になる。
但し、図14に示されるように、フリッカー周波数が100Hzである場合には、240fpsのフレームレートで順次画像を取得すると、光源光量の変動周期がフレーム取得間隔の2倍となっておらず、2回の画像取得タイミングにおける露光量の和が一定とならない。したがって、フリッカー周波数が100Hzである場合に、フレームレートが240fpsであると、時間的に連続(隣接)した2回の画像取得タイミングにおいて取得される画像データに基づいてそれぞれ算出される予備評価値の平均値をAF評価値としても、AF評価値が大きく波打ってしまい、AF評価値の明瞭なピーク形状を得ることができない。
そこで、撮像装置1では、次述する手法によって光源の状態(フリッカーの有無およびフリッカー周波数)を検出し、光源の状態に応じてAF評価値算出用の画像取得タイミングを変更するとともに、AF評価値算出手法を変更するように制御する。
以下、光源状態識別方法について説明する。図15及び図16は、フリッカー周波数の識別方法を説明するためのタイミングチャートであり、図17から図20は、フリッカー周波数の識別方法を説明するための図である。図15及び図16では、それぞれ上から順に、センサ31(或いはセンサ32)における画像取得タイミング(図15では100fpsのフレームレート、図16では120fpsのフレームレート)と、フリッカー周波数が100Hzの場合の光源光量の時間変化と、フリッカー周波数が120Hzの場合の光源光量の時間変化とが示されている。
図15に示されるように、フレームレートが100fpsであり、かつフリッカー周波数が100Hzである場合には、フレーム取得間隔と光源光量の変動周期とが一致するため、センサ31(或いはセンサ32)で取得される各画像間で画素値(輝度)の変動が生じない。これに対して、フレームレートが100fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合には、フレーム取得間隔と光源光量の変動周期とが一致しないため、センサ31(或いはセンサ32)で取得される各画像間で画素値(輝度)の変動が生じる。
一方、図16に示されるように、フレームレートが120fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合には、フレーム取得間隔と光源光量の変動周期とが一致するため、センサ31(或いはセンサ32)で取得される各画像間で画素値(輝度)の変動が生じない。これに対して、フレームレートが120fpsであり、かつフリッカー周波数が100Hzである場合には、フレーム取得間隔と光源光量の変動周期とが一致しないため、センサ31(或いはセンサ32)で取得される各画像間で画素値(輝度)の変動が生じる。
図17では、フレームレートが120fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合においてセンサ31(或いはセンサ32)で取得される各画像(各フレーム)における画素値の平均値(輝度の平均値)の具体例が示されている。そして、図18では、フレームレートが100fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合においてセンサ31(或いはセンサ32)で取得される各画像(各フレーム)における画素値の平均値(輝度の平均値)の具体例が示されている。
図17に示されるように、フレームレートが120fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合には、各フレーム間において、輝度の平均値(輝度平均値)の変動がほとんど見られない。
これに対して、図18に示されるように、フレームレートが100fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合には、各フレーム間において、輝度平均値の変動がみられ、5フレーム周期で輝度平均値が増減を繰り返している。
図19では、フレームレートが100fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合における画像データの輝度平均値の変動周期の具体例を示しており、図20では、フレームレートが120fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合における画像データの輝度平均値の変動周期の具体例を示している。図19及び図20においては、縦軸は各周期の極小値間のフレーム数を示しており、横軸は周期No(ナンバー)を示している。ここでは、原則として、隣接する極小値間の範囲を1つの周期としている。ただし、所定範囲(例えば10フレーム)内に極小値が存在しない場合には、当該所定範囲を一つの周期とみなし、当該所定範囲に対応する周期のフレーム数は0(ゼロ)になるものとして表現している。なお、ここでは輝度平均値の変動周期を表すのに極小値間のフレーム数を用いたがこれに限定されず、極大値間のフレーム数を用いてもよい。
図19に示されるように、フレームレートが100fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合には、ほぼ5フレーム周期で輝度平均値が変動する。よって、例えば、フレームレートを100fpsに設定して、10周期(図19中の区間KB1にほぼ相当)のうちの8周期以上について、5フレーム周期で輝度平均値が変動している状況(状況1)では、光源のフリッカー周波数は120Hzであると判定できる。
また、図示していないが、フレームレートが120fpsであり、かつフリッカー周波数が100Hzである場合には、ほぼ6フレーム周期で輝度平均値が変動する。よって、例えば、フレームレートを120fpsに設定して、10周期のうちの8周期以上について、6フレーム周期で輝度平均値が変動している状況(状況2)では、光源のフリッカー周波数は100Hzであると判定できる。
一方、図20に示されるように、フレームレートが120fpsであり、かつフリッカー周波数が120Hzである場合には、輝度平均値の変動は生じない。よって、例えば、フレームレートを120fpsに設定して、10周期のうちの8周期以上について、6フレーム周期で輝度平均値が変動していない状況(状況3)では、光源のフリッカー周波数は100Hzではないと判定できる。したがって、光源のフリッカー周波数が100Hzおよび120Hzのいずれかであるとすれば、光源のフリッカー周波数は120Hzであると判定できる。
さらに、フレームレートが100fpsであり、かつフリッカー周波数が100Hzである場合には、輝度平均値の変動が生じない。よって、例えば、フレームレートを100fpsに設定して、10周期のうちの8周期以上について、5フレーム周期で輝度平均値が変動していない状況(状況4)では、光源のフリッカー周波数は120Hzではないと判定できる。したがって、光源のフリッカー周波数が100Hzおよび120Hzのいずれかであるとすれば、光源のフリッカー周波数は100Hzであると判定できる。
また、上記の判定に際しては、隣接する極小値間の範囲を(原則として)1周期とする場合の10周期分のデータを用いる場合を例示したが、これに限定されない。例えば、状況1および状況4では、5フレームを1周期と仮定した場合の10周期分のデータ(すなわち50フレーム分の画像データ)を用いることが可能であり、状況3および状況2では、6フレームを1周期と仮定した場合の10周期分のデータ(すなわち60フレーム分の画像データ)を用いることが可能である。以下では、このようなデータに基づいて上記の判定を行うものとする。
上記の原理を利用して、撮像装置1のコントラストAF制御部101aでは、
i)フレームレートが100fpsで取得された50フレームにおいて状況1が成立し、かつフレームレートが120fpsで取得された60フレームにおいて状況3が成立する場合には、光源のフリッカー周波数は120Hzであると判定する。
一方、ii)フレームレートが100fpsで取得された50フレームにおいて状況4が成立し、かつフレームレートが120fpsで取得された60フレームにおいて状況2が成立する場合には、光源のフリッカー周波数は100Hzであると判定する。
また、上記i),ii)以外の場合には、光源はフリッカー光源ではない、すなわち非フリッカー光源であると判定する。
なお、状況1または状況2のみを検出するだけでも、光源のフリッカー周波数が100Hzおよび120Hzのいずれであるかを認識することが可能であるが、ここでは、状況3または状況4をも検出する場合を例示する。これによれば、フリッカー周波数の認識をさらに正確に行うことが可能である。
<2.動作>
<2−1.撮影動作>
次に、撮像装置1の撮影動作について説明する。図21は、撮像装置1における撮影動作を示すフローチャートである。本動作フローは、制御部101の制御によって実現される。なお、撮像装置1は撮影時(ステップSP119)にはミラーアップ状態にされるが、その他の動作時(ステップSP100〜SP118,SP120,SP122等)においてはミラーダウン状態となっている。
撮像装置1では、まず、操作部80に含まれる動作モード切替スイッチを適宜操作することで、撮像装置1の動作モードが静止画を撮影するモード(静止画撮影モード)に設定されると、図21のステップSP100に進む。
ステップSP100では、コントラストAFユニットとして機能する2つのセンサ31,32に電源が投入され、センサ31,32の駆動が開始される。
ステップSP101では、2つのセンサ31,32のうち近側のセンサ31のフレームレートが100fpsに設定される。具体的には、制御部101からの信号に応じて、近側のセンサ31が100fpsのフレームレートで画像信号の読み出しを開始する。
また、ステップSP102では、2つのセンサ31,32のうち遠側のセンサ32のフレームレートが120fpsに設定される。具体的には、制御部101からの信号に応じて、遠側のセンサ32が120fpsの画像信号の読み出しを開始する。
そして、ステップSP103では、近側のセンサ31を用いて、100fpsで50フレーム分の画像データが読み出され、当該50フレーム分の画像データそれぞれについて、輝度平均値(100fpsの輝度平均値)が算出される。なお、この50個の輝度平均値は、制御部101内のメモリに一時的に記憶される。
また、ステップSP104では、遠側のセンサ32を用いて、120fpsで60フレーム分の画像データが読み出され、当該60フレーム分の画像データそれぞれについて、輝度平均値(120fpsの輝度平均値)が算出される。なお、この60個の輝度平均値は、制御部101内のメモリに一時的に記憶される。
ここにおいて、ステップSP104の動作は、ステップSP103の動作と並行して(並列的に)実行される。したがって、ステップSP103の動作とステップSP104の動作とを順次に(直列的に)行う場合に比べて、高速な処理が可能である。
ステップSP105では、ステップSP102で算出された100fpsの輝度平均値に周期変動があるか否かが判定される。具体的には、50フレーム分の画像データにおいて5フレームを1周期とした場合の10周期のうち、8周期以上について5フレーム周期で輝度平均値が変動している状況(状況1)が認識されれば、100fpsの輝度平均値に周期変動があると判定する。そして、ステップSP105において、周期変動があると判定されれば、ステップSP106に進み、周期変動がないと判定されれば、ステップSP111に進む。
ステップSP106では、ステップSP104で算出された120fpsの輝度平均値に周期変動が無いか否かが判定される。具体的には、60フレーム分の画像データにおいて6フレームを1周期とした場合の10周期のうち、8周期以上について6フレーム周期で輝度平均値が変動している状況(状況2)が認識されなければ、120fpsの輝度平均値に周期変動がないと判定される。そして、ステップSP106において、周期変動があると判定されれば、ステップSP107に進み、周期変動がないと判定されれば、ステップSP109に進む。
ステップSP107では、光源が非フリッカー光源であると認識する。具体的には、100fps及び120fpsに係る輝度平均値の双方において周期変動が見られたため、光源のフリッカー周波数が100Hzとも120Hzとも断定することができないため、光源が非フリッカー光源であると認識される。
ステップSP108では、ステップSP107で認識された非フリッカー光源に合わせて、コントラストAF動作時の2つのセンサ31,32のフレームレートがそれぞれ200fpsに設定される。
また、ステップSP109では、光源が60Hzの蛍光灯であると認識される。
ステップSP110では、ステップSP109で認識された光源(60Hz)に合わせてコントラストAF動作時の2つのセンサ31,32のフレームレートがそれぞれ240fpsに設定される。
一方、ステップSP111では、ステップSP104で算出された120fpsの輝度平均値に周期変動があるか否かが判定される。具体的には、60フレーム分の画像データにおいて6フレームを1周期とした場合の10周期のうち、8周期以上について6フレーム周期で輝度平均値が変動している状況(状況2)が認識されれば、120fpsの輝度平均値に周期変動があると判定される。そして、ステップSP111において、周期変動があると判定されれば、ステップSP112に進み、周期変動がないと判定されれば、ステップSP114に進む。
ステップSP112では、光源が50Hzの蛍光灯であると認識される。
ステップSP113では、ステップSP112で認識された光源(50Hz)に合わせてコントラストAF動作時の2つのセンサ31,32のフレームレートがそれぞれ200fpsに設定される。
また、ステップSP114では、光源が非フリッカー光源であると認識される。具体的には、100fps及び120fpsに係る輝度平均値の双方において周期変動が見られなかったため、光源が非フリッカー光源であると認識される。
ステップSP115では、ステップSP114で認識された非フリッカー光源に合わせて、コントラストAF動作時の2つのセンサ31,32のフレームレートがそれぞれ200fpsに設定される。
ステップSP116では、シャッターボタン11のS1状態が検出されたか否かが判定される。ここでは、S1状態が検出されるまでステップSP116の判定が繰り返され、S1状態が検出されるとステップSP117に進む。
ステップSP117では、自動合焦動作(AF動作)が実行される。具体的には、後述のように位相差AF制御とコントラストAF制御とが実行される。
コントラストAF制御では、フレームレートの設定工程(ステップSP108,SP110,SP113,SP115)において設定された共通のフレームレート(200fps又は240fps)で2つのセンサ31,32から画像を取得し、当該画像に基づいてAF評価値を算出する動作が実行される。
このように、撮像装置1は、フリッカー周波数が検出された場合に、コントラストAFの際の2つのセンサ31,32のフレームレートをフリッカー周波数に応じて決定し、2つのセンサ31,32から共通のフレームレートで取得される画像に基づいてAF評価値を取得し、コントラストAF動作を実行する。
次のステップSP118では、シャッターボタン11のS2状態が検出されたか否かが判定される。S2状態が検出されると、ステップSP119に移行し、S2状態が検出されなければステップSP120に移行する。
ステップSP120では、S1状態であるか否かが判断され、S1状態であればステップSP118に移行し、S1状態でなければ、ステップSP116へと移行する。
一方、ステップSP119では、撮影が行われる。換言すれば、記録用静止画像取得のための露光動作を含む本撮影動作が行われる。この本撮影動作時においては、撮像装置1は、ミラーアップ状態を有しており、撮像素子5に到達した被写体像が記録用の画像データとして取得される。また、この本撮影動作が終了すると、撮像装置1は再びミラーダウン状態に戻る。
撮影が終了すると、ステップSP121に移行し、撮影モードが継続されているか否かが判定される。撮影モードが継続されていれば、ステップSP116からステップSP120の処理を繰り返し実行し、撮影モードが解除されていれば、撮影動作を終了する。
以上のように、本発明の実施形態に係る撮像装置1では、2つのセンサ31,32によって、互いに異なるフレームレートで並行して取得された複数の画像に基づいて、光源のフリッカー周波数を検出するので、フリッカー周波数の検出に用いられる画像を高速に取得することが可能となり、光源のフリッカー周波数を高速に検出することができる。
また、撮像装置1では、コントラストAFユニットとして機能する2つのセンサ31,32を用いて光源のフリッカー周波数を検出することができるので、フリッカー周波数検出用の新たな構成を設けることなく、光源のフリッカー周波数を検出することができる。
また、光源のフリッカー周波数が検出された場合には、画像取得の際のフレームレートをフリッカー周波数の2倍(200fps又は240fps)に設定し、時間的に連続して取得される2つの画像データを用いて1つのAF評価値を算出することで、複数のAF評価値を算出する。そして、当該複数のAF評価値に基づいてコントラストAF制御を実行する。これによれば、光源のフリッカーに起因した被写体からの光の光量の変動の影響を低減して、高精度の合焦制御を実現することができる。
また、撮像装置1では、静止画撮影モード選択時に光源のフリッカー周波数を検出するので、AF制御を行う前に(S1状態が検出される前に)光源情報を取得することが可能となり、AF指示(S1状態検出)後、すぐに合焦動作を実行することが可能となる。
<2−2.AF動作>
次に、図22〜図26を参照しながら撮像装置1のAF動作(ステップSP117)について詳述する。図22〜図26は撮像装置1のAF動作に関するサブルーチン処理を示すフローチャートである。
シャッターボタン11がS1状態(半押し状態)にされる(ステップSP116)と、図22に示すようなAF動作が開始される。
まず、位相差AF用のセンサ26が起動される(ステップSP1)。その後、位相差AFによる測距動作が行われる(ステップSP2)。この測距動作は、セパレータレンズ25およびセンサ26等を含む位相差AFユニットによって実現される。なお、この時点においては未だフォーカスレンズは駆動されていない。
ステップSP3においては、位相差AFにおける測距動作の結果が判定される。合焦していると判定されるときにはステップSP21(図23)へと進み、合焦していないと判定されるときにはステップSP41(図24)へと進む。
まず、ステップSP41以降について説明する。位相差AFにおいて非合焦状態であると判定されると、フォーカスレンズは、制御部101およびフォーカスレンズ制御部121等によって駆動され、位相差AFによって合焦であると判定される位置にまで移動する(ステップSP41,SP43)。また、このフォーカスレンズの移動中において、フレームレートの設定工程(ステップSP108,SP110,SP113,SP115)において設定された共通のフレームレート(200fps又は240fps)で画像が取得され、当該画像に基づいてAF評価値Vn,Vfが順次取得される(ステップSP42)。取得された各AF評価値Vn,Vfの時系列データは制御部101内のメモリ等に格納される。このように、位相差AFユニットを用いた位相差方式の合焦動作としてフォーカスレンズの移動動作が行われている間に、AF評価値(コントラスト値)Vn,Vfが取得される。以上のようにして位相差AF動作が終了する。
なお、AF評価値の算出においては、光源の状態に応じてその算出手法が変更される。具体的には、光源が非フリッカー光源である場合には、通常評価値算出手法が用いられ、光源がフリッカー光源である場合には、フリッカー対策評価値算出手法が用いられる。
ステップSP44〜SP53においては、上述のようなコントラストAF動作における判定動作が行われる。
具体的には、AF評価値Vnの増減変化方向とAF評価値Vfの増減変化方向とが逆であるときには合焦状態であると判定する。
詳細には、AF評価値Vfがピークを越えておらず未だ増加傾向にある一方で、AF評価値Vnがピークを越えており減少傾向にある(ステップSP44,SP45)場合(図7参照)には、原則として、合焦状態であると判定される(ステップSP51)。ただし、ここでは誤判定を防止するため、さらに位相差AFによる駆動方向が遠方向であるか否かが判定される(ステップSP46)。位相差AFによる駆動方向が遠方向でないときには、例外的に非合焦状態であると判定される(ステップSP49)。
また、AF評価値Vfがピークを越えており減少傾向にある一方で、AF評価値Vnがピークを越えておらず未だ増加傾向にある(ステップSP44,SP47)場合(図6参照)にも、原則として、合焦状態であると判定される(ステップSP52)。ただし、ここでは誤判定を防止するため、さらに位相差AFによる駆動方向が近方向であるか否かが判定される(ステップSP48)。位相差AFによる駆動方向が近方向でないときには、例外的に非合焦状態であると判定される(ステップSP53)。
以上のように、合焦状態であることがステップSP51あるいはステップSP52において判定されると、このAF動作は終了する。
一方、AF評価値Vnの増減変化方向とAF評価値Vfの増減変化方向とが同一であるときには非合焦状態であると判定する。
詳細には、AF評価値Vfがピークを越えておらず未だ増加傾向にあり、且つ、AF評価値Vnもピークを越えておらず未だ増加傾向にある(ステップSP44,SP45)場合(図6、図7参照)には、非合焦状態であると判定される(ステップSP49)。また、AF評価値Vfがピークを越えて減少傾向にあり、且つ、AF評価値Vnもピークを越えて減少傾向にある(ステップSP44,SP47)場合(図6、図7参照)にも、非合焦状態であると判定される(ステップSP53)。
非合焦状態であると判定されると、フォーカスレンズの微小駆動を伴うコントラストAF動作がさらに行われる。
具体的には、非合焦状態であることがステップSP49で判定されると、ステップSP61(図25)に進む。
ステップSP61では、位相差AFによる駆動方向と同一方向にフォーカスレンズが微小量(ここではΔx)駆動される。
位相差AFによる駆動方向が遠方向である場合には条件C1(次述)が成立すると判定(ステップSP63)されるまで、ステップSP61〜SP63の微小駆動動作等が繰り返される。ここで、条件C1は、AF評価値Vnが減少し、且つ、AF評価値Vfが増加することである。条件C1が成立するときには合焦状態であると判定(ステップSP64)され、このAF動作を終了する。
位相差AFによる駆動方向が近方向である場合には条件C3(次述)が成立すると判定(ステップSP63)されるまで、ステップSP61〜SP63の微小駆動動作等が繰り返される。ここで、条件C3は、AF評価値Vnが増加し、且つ、AF評価値Vfが減少することである。条件C3が成立するときには合焦状態であると判定(ステップSP64)され、このAF動作を終了する。
微小駆動動作の繰り返し中に微小駆動量の総和(ここではΣΔx)が閾値TH1以上であると判定(ステップSP62)されるときには、自動合焦不可能であるとして非合焦判定(ステップSP65)を行うとともにAF動作を終了する。
また、非合焦状態であることがステップSP53で判定されると、ステップSP71(図26)に進む。
ステップSP71では、位相差AFによる駆動方向とは逆方向にフォーカスレンズが微小量Δx駆動される。
当該逆方向の駆動方向(換言すれば新たな駆動方向)が近方向である場合には条件C3(上述)が成立すると判定(ステップSP73)されるまで、ステップSP71〜SP73の微小駆動動作等が繰り返される。条件C3が成立するときには合焦状態であると判定(ステップSP74)され、このAF動作を終了する。
当該逆方向の駆動方向(換言すれば新たな駆動方向)が遠方向である場合には条件C1(上述)が成立すると判定(ステップSP73)されるまで、ステップSP71〜SP73の微小駆動動作等が繰り返される。条件C1が成立するときには合焦状態であると判定(ステップSP74)され、このAF動作を終了する。
微小駆動動作の繰り返し中に微小駆動量の総和が閾値TH1以上であると判定(ステップSP72)されるときには、自動合焦不可能であるとして非合焦判定(ステップSP75)を行うとともにAF動作を終了する。
次に、ステップSP3(図22参照)において合焦状態であると判定された場合について説明する。すなわち、位相差AFユニットを用いた位相差方式の合焦判定によって合焦状態であると判定され、当該位相差方式による合焦動作としてのレンズ駆動が行われない場合の動作について説明する。この場合には、ステップSP21(図23)に進む。
位相差AFにおいて合焦状態であると判定されているので本来の合焦位置付近に存在しているが、さらに高精度に合焦させるため、コントラストAFを併用する。以下でも、基本的には、上述の思想を適用してAF動作を行う。ただし、この時点では位相差AFによる測距動作は既に行われているが位相差AFによる駆動動作が未だ行われていないため、センサ31,32によるAF評価値Vn,Vfの増加傾向を把握することができない。そこで、ここでは、まずフォーカスレンズを微小量駆動してAF評価値Vn,Vfの増加傾向を把握する動作を行う。
そのため、まず、ステップSP21において、未駆動時点における現在位置でのAF評価値Vn,Vfを取得する。そして、その大小関係に基づいてレンズの移動方向を決定する(ステップSP22)。具体的には、AF評価値VnがAF評価値Vfよりも大きい(Vn>Vf)場合には、フォーカスレンズが比較的近側に存在するものとみなして、遠方向へと微小駆動する(ステップSP23)。一方、AF評価値VnがAF評価値Vfよりも小さい(Vn<Vf)場合には、フォーカスレンズが比較的遠側に存在するものとみなして、近方向へと微小駆動する(ステップSP28)。
そして、駆動方向が遠方向である場合には条件C1(上述)が成立すると判定(ステップSP25)されるまで、微小駆動動作等(ステップSP23〜SP25)が繰り返される。条件C1が成立するときには合焦状態であると判定(ステップSP26)され、このAF動作を終了する。
駆動方向が近方向である場合には条件C3(上述)が成立すると判定(ステップSP31)されるまで、微小駆動動作等(ステップSP28,SP29,SP31)が繰り返される。条件C3が成立するときには合焦状態であると判定(ステップSP33)され、このAF動作を終了する。
微小駆動動作の繰り返し中に微小駆動量の総和が閾値TH1以上であると判定(ステップSP24、SP29)されるときには、自動合焦不可能であるとして非合焦判定(ステップSP27、SP32)を行うとともにAF動作を終了する。
以上のようなAF動作によれば、位相差AFユニットによる合焦動作を行うとともに第1コントラストAFユニットおよび第2コントラストAFユニットによる合焦動作を行うので、高速且つ高精度の合焦動作を行うことができる。また、第1コントラストAFユニットの撮像面P1は位相差AFユニットの基準面P0の光学的等価位置に対して近側にシフトされて配置され、第2コントラストAFユニットの撮像面P2は位相差AFユニットの基準面P0の光学的等価位置に対して遠側にシフトされて配置されている。そのため、各撮像面P1,P2によって取得される2つの評価値(AF評価値)Vn,Vfのピーク位置を利用して、本来の合焦位置に対して非常に近い範囲(ここでは±Δx)内にフォーカスレンズを移動し、高精度に合焦させることが可能になる。
また、位相差AFユニットによる合焦動作のためにフォーカスレンズが移動されている間に、AF用の各評価値Vn,Vfが取得されるので、位相差AFユニットによる合焦動作のためのフォーカスレンズ移動完了後にAF用の評価値の取得を開始する場合に比べて、高速化を図ることができる。
また、各撮像面P1,P2における画像信号に基づいて取得された評価値Vn,Vfによって合焦していると判定される場合には、必ずしもさらにレンズ駆動を行う必要がない。すなわち、常に位相差AF後にコントラストAF用のレンズ駆動動作をさらに行うことを要しない。このように、第1および第2コントラストAFユニットの撮像面P1,P2での画像信号に基づいて取得される第1および第2評価値Vn,Vfを用いることによって、無駄なレンズ駆動動作を低減して的確に合焦させることができる。
<3.変形例>
上記実施形態においては、2つの評価値Vn,Vfの増減変化方向を利用して、最終的な合焦状態であるか否かを判定したが、これに限定されない。例えば、2つの評価値Vn,Vfの差と閾値との大小関係に基づいて、最終的な合焦状態であるか否かを判定するようにしてもよい。より詳細には、位相差AFユニットを用いた位相差方式の合焦判定によって合焦状態であると判定され当該位相差方式による合焦動作としてのレンズ駆動が行われない場合において、評価値Vn,Vfの差が閾値TH2よりも小さいときには合焦状態であると判定し、評価値Vn,Vfの差が閾値TH2よりも大きいときには非合焦状態であると判定するようにしてもよい。
図27はこのような変形例に係る動作を示すフローチャートであり、図28は合焦判定の原理について説明する概念図である。
図28に示すように、本来の合焦位置付近において、2つの評価値(AF評価値)Vn,Vfの差(絶対値)は比較的小さな値になる。このような性質を利用して、ここでは、2つの評価値(AF評価値)Vn,Vfの差、すなわち|Vn−Vf|が所定の閾値TH2よりも小さいとき(|Vn−Vf|<TH2)は、最終的な合焦状態であるものと判定する。また逆に、当該差|Vn−Vf|が所定の閾値TH2よりも大きいとき(|Vn−Vf|<TH>)には、未だ最終的な合焦状態ではないものと判定する。このように、2つの評価値Vn,Vfの差を利用することによって、より高精度の合焦判定動作を実現することも可能である。なお、閾値TH2としては、適宜の値が設定されればよい。閾値TH2を比較的小さな値に設定すれば、図29のように合焦範囲RDが比較的狭い範囲となる。
図27においては、上記実施形態における図23の各処理に代わって行われる処理が示されている。具体的には、ステップSP3(図22参照)において合焦状態であると判定された場合には、図27のステップSP21に進む。ステップSP21においては、現時点(未駆動時点)におけるAF評価値Vn,Vfを取得する。
次にステップSP36に進み、2つの評価値(AF評価値)Vn,Vfの差が所定の閾値TH2よりも小さい(|Vn−Vf|<TH2)か否かを判定する。
そして、不等式、|Vn−Vf|<TH2、が成立するときには、最終的な合焦状態であるものと判定する(ステップSP37)。
一方、不等式、|Vn−Vf|<TH2、が成立しないときには、最終的な合焦状態でないものと判定し、ステップSP22に進む。なお、等号成立時(|Vn−Vf|=TH2)は、最終的な合焦状態であると判定するようにしても良い。
ステップSP22以降においては、上記と同様の動作(図23参照)が行われる。すなわち、コントラストAFによる微小駆動等が行われる。
以上のような動作によっても、高速かつ高精度の合焦動作を行うことができる。特に、|Vn−Vf|が所定の閾値TH2よりも小さいとき(|Vn−Vf|<TH2)は、レンズを駆動することなく最終的な合焦状態であることが確認される。
また、上記実施形態においては、位相差AFユニットの基準面P0の光学的等価位置に対する両撮像面P1,P2のシフト量、具体的には、センサ31の撮像面P1のシフト量とセンサ32の撮像面P2のシフト量とはいずれもΔxであり略同一である場合を例示した。換言すれば、センサ31の撮像面P1とセンサ32の撮像面P2とは、位相差AFユニットの基準面P0の光学的等価位置に対して略同一距離離れた位置に存在する場合を例示した。しかしながら、これに限定されず、位相差AFユニットの基準面P0の光学的等価位置に対する両撮像面P1,P2のシフト量は、互いに異なる値であってもよい。
また、上記実施形態では、コントラストAF制御において、フレームレートをフリッカー周波数の2倍に設定し、時間的に連続して取得された2つの画像データを用いて1つのAF評価値を算出したが、これに限られない。例えば、フレームレートをフリッカー周波数の3倍に設定した場合には、光源光量の変動周期が、フレーム取得間隔の3倍となるため、センサ31(或いはセンサ32)によって時間的に連続して取得された3つの画像データから1つのAF評価値を算出するようにしても良い。
更に、フレームレート(1秒あたりのフレーム数:fps)をフリッカー周波数(Hz)のn倍(nは自然数)に設定した場合には、光源光量の変動周期と、フレーム取得間隔のn倍とが一致する。このため、例えば、センサ31によって時間的に連続して取得された、n枚の画像を用いて1つのAF評価値を算出するようにしても良い。これによれば、光源のフリッカーに起因した被写体からの光の光量の変動の影響を低減して、高精度の合焦制御を実現することができる。
また、上記実施形態では、静止画撮影モード選択時に光源のフリッカー周波数を検出していたが、これに限定されない。
具体的には、撮像装置1を起動したときに光源のフリッカー周波数を検出するようにしてもよい。「撮像装置を起動したとき」には、例えば、(a)撮像装置1の電源が投入(ON)されたとき、(b)自動電源OFF(auto power off)等の省電モードから所定のボタン操作によって復帰したとき等が含まれる。或いは、撮影モードにおいて、適正露出の変化が検知されたときに、光源のフリッカー周波数を検出するようにしてもよい。或いは、2つのセンサ31,32によって取得される画像のホワイトバランスが変更されたときに、光源のフリッカー周波数を検出するようにしてもよい。或いは、電源投入状態において、撮影レンズユニット3の交換が行われ、新たな撮影レンズユニット3の装着が検知されたときに、光源のフリッカー周波数を検出するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、蛍光灯の明滅に起因する光源から発せられる光の量(光量)の揺らぎを「フリッカー」と称し、その揺らぎの周波数を「フリッカー周波数」と称したが、これに限られず、例えば、蛍光灯以外の光源から発せられる光の量(光量)の揺らぎ一般を「フリッカー」と称し、その揺らぎの周波数を「フリッカー周波数」と称するようにしても良い。