JP4641082B2 - 画像処理装置および印刷シリンダ作成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、滑らかな輪郭を持った印刷物を作成するための画像処理装置および印刷シリンダの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より印刷手法の一つとして、グラビア印刷が知られている。グラビア印刷とは、印刷シリンダ表面に印刷インキを載せるための凹部を形成し、この凹部に印刷インキを載せて用紙に転写することにより、印刷物を作成する手法である。また、印刷シリンダ表面に凹部を形成するための刷版手法についても、いくつかの方式が存在しており、シリンダ表面を直接削って行く彫刻刷版方式や、レーザーにより必要部分を硬化させ、他の部分を腐食させるレーザー刷版方式が有名である。
【0003】
このうち、レーザー刷版方式では、レーザー刷版機に原画像が入力され、この原画像の各領域における画素値に従って、印刷シリンダ上にレーザー露光するか否かを決定する。さらに、レーザー露光を行う領域については、原画像の画素値に基づいてどの位の割合で露光を行うかが決定される。例えば、50%の割合で露光を行うことになったとする。このときレーザー刷版機は、その特性により、その領域内が50%露光されるように均一に露光するのではなく、所定の大きさのセル内は100%露光し、このセル外は露光しないようにして領域内全体で露光される箇所が50%となるように露光する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
二値の原画像を基に印刷を行おうとする場合、通常、インキが載らない部分は濃度0%、インキが載る部分は濃度100%のデータとして形成される。しかし、濃度100%でインキを載せる部分を形成すると、印刷時に、この部分に満たされたインキがドクターにより掻き出されてしまうという問題がある。そのため、インキを載せる領域を濃度100%未満、例えば、98%程度のデータを用いて形成するようにすることが行われている。上述のように100%未満のデータを用いた場合には、セルが形成されることになるが、セルが形成されることにより、セルとセルの間にいわゆる土手状の部分が形成されることになり、ドクターにより大量にインキが掻き出されることがなくなる。しかしながら、例えば、レーザービームが10×10μmの場合、セルは、このレーザービーム10×10個分の100×100μmという大きなものに設定されることが多い。このため、露光された領域の輪郭部分が、セル形状の影響によりギザギザの鋸形状となり、いわゆるジャギイが目立つという別の問題が生じる。
【0005】
そこで、上記のような点に鑑み、本発明は、露光領域の輪郭部分を滑らかにするように原画像を加工する画像処理装置および処理された画像に基づいて印刷シリンダを作成する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、第1の値(例えば、黒)と第2の値(例えば、白)の二値で表現される原画像を入力し、前記入力された原画像における第1の値を有する領域の輪郭抽出を行い、輪郭の内部を原画像が取り得る第1の値と第2の値の間となる第3の値(例えば、グレー)に設定することにより階調画像を得るとともに、その階調画像を表示するときには前記第3の値をその表示値に置換した表示画像を表示するようにしたことを特徴とする。請求項1に記載の発明よれば、印刷用の二値の原画像に対して輪郭処理を行い、その内部を中間の値にすることにより3つの値を有する階調画像を作成するようにしたので、この画像を用いて印刷シリンダを作成することにより、印刷時にインキが大量に掻き出されることを防止することができると共に、輪郭が滑らかな印刷物を作成することが可能となる。また、表示画像において、第1の値の画素、第2の値の画素に対して第3の値の画素に所定の濃度差を設けることができ、第3の値の画素部分が正しく作成されているかどうかをオペレータが画像表示部4の画面上で容易に確認することが可能となる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明における階調画像の作成を、原画像内の各画素に対して、当該画素が前記第2の値を有する場合は、そのままの値とし、当該画素が前記第1の値を有する場合は、周辺に前記第2の値を有する画素が存在する際には、そのままの値とし、周辺の画素が全て前記第1の値を有する際には、前記第3の値に設定するようにしたので、二値の原画像から3つの値を有する階調画像を作成する処理が迅速に行われることになる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、第1の値と第2の値の二値で表現される原画像を入力し、前記入力された原画像における第1の値を有する領域の輪郭抽出を行い、その内部を前記第1の値と第2の値の間となる第3の値に設定することにより階調画像を作成し、その階調画像を表示するときには前記第3の値をその表示値に置換した表示画像を表示し、作成された前記階調画像の内、第3の値を有する領域を、第1の値を有する所定の大きさのセルとセル以外の第2の値を有する土手部分に、その比率が領域内部全体として前記第3の値に対応するように区分することにより露光用データを形成し、前記第2の値を有する部分をレーザー露光することにより印刷シリンダを作成するようにしたことを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、二値画像から3つの値を有する階調画像を作成し、この階調画像の内、中間の値を有する領域をセル部分と土手部分に区分し、この土手部分と領域外部を露光することにより印刷シリンダを作成するので、作成された印刷シリンダには、輪郭とセルに対応する部分にインキを載せるための凹部が形成される。このため、印刷時には、印刷シリンダから印刷インキが大量に掻き出されることがなく、また、作成される印刷物においては、滑らかな輪郭が表現されることになる。また、表示画像において、第1の値の画素、第2の値の画素に対して第3の値の画素に所定の濃度差を設けることができ、第3の値の画素部分が正しく作成されているかどうかをオペレータが画像表示部4の画面上で容易に確認することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による画像処理装置の一実施形態における構成を示す図である。図1において、1は画像入力部、2は演算処理部、3は画像出力部、4は画像表示部である。図1に示す画像処理装置は、専用のソフトウェアを搭載したコンピュータおよびその周辺機器により実現される。画像入力部1は、二値の原画像を入力するためのものであり、FD、MOなどの電子記録媒体の読取装置で実現される。演算処理部2は、輪郭抽出部5、階調処理部6を有しており、入力された原画像に対して輪郭抽出処理、階調処理を行うことにより、3つの値を取る階調画像を作成するものである。演算処理部2は、コンピュータのCPUおよびメモリにより実現され、輪郭抽出部5、階調処理部6は専用のソフトウェアにより実現される。画像出力部3は、3つの値を取る階調画像を出力するためのものであり、FD、MOなどの電子記録媒体の書込み装置で実現される。また、画像表示部4は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置により実現される。
【0010】
次に、図1に示した画像処理装置の処理動作について説明する。図2は、演算処理部2による画像処理の様子を示す図であり、(a)は処理前の原画像、(b)は処理後の階調画像の対応する部分を示すものである。図2(a)において、黒で示した画素は画素値が大きいものであることを示し、白で示した画素は画素値が小さいものであることを示す。原画像はスキャン方向に従って一列ごとにバッファに読み込まれる。バッファは、一つ手前の列用のPREバッファ、現在処理中の列用のNOWバッファ、次の列用のPOSTバッファの計3種類が用意されており、この3つのバッファを利用して、各画素は、その8近傍の画素と比較されることにより処理される。
【0011】
各画素がどのように処理されるかは、その画素の状態により異なる。具体的には、画素値が白に対応する場合は、処理後の画素値も白となる。画素値が黒に対応する場合は、周辺の8近傍の画素の状態により異なり、8近傍の中に少なくとも1つ白に対応する画素値が存在すると、処理後の画素値は黒のままとなり、8近傍全ての画素値が黒に対応すると、処理後の画素値は白と黒の間に位置する色(例えば、グレー)となる。例えば、画素Aは図2(a)に示した原画像で白に対応しているので、図2(b)に示した階調画像においても白となる。また、画素Bは原画像で黒に対応し、8近傍に白の画素が存在するので、階調画像においても黒となる。画素Cについては、原画像で黒に対応し、8近傍全ての画素値が黒であるので、階調画像においてはグレーとなる。
【0012】
ここで、原画像、およびこの原画像を処理した階調画像全体の様子を図3に示す。図3(a)は原画像、図3(b)は階調画像である。両者を比較するとわかるように、原画像はある領域内が黒く塗りつぶされ、領域外は白となった二値画像であるが、階調画像は領域の輪郭は黒であるが、その内部は中間色であり、領域外は白である、という3つの値により表現されている。
【0013】
作業の流れとしては、オペレータが画像入力部1から原画像を入力して、画像表示部4に図3(a)に示すような状態で表示させ、キーボード、マウス等から画像処理実行の指示を行うことにより画像処理が行われ、図3(b)に示すような階調画像が表示されることになる。このとき、作成された階調画像を、原画像と同一画面内に並べて表示することにより、輪郭処理が上手く行なわれているかどうか等の確認を容易にすることができる。表示される画像において、白い画素は0%、黒い画素は100%の場合、中間色の画素は50%程度にすることが好ましい。これは、白い画素、黒い画素と所定の濃度差を設けることにより、中間色部分が正しく作成されているかどうかをオペレータが画像表示部4の画面上で確認し易くするためである。
【0014】
このようにして得られた階調画像は画像出力部3から出力され、レーザー刷版機(図示せず)に渡される。このとき、レーザー刷版機に渡される階調画像の中間色部分は、実用上98%に変換される。この98%という数値は、画像表示部4で画像を確認する場合は、50%程度の方が確認し易いが、実際に印刷を行う場合は、100%を回避できれば良く、しかも原画像においてはこの部分は100%であるから、本来の画像を再現するためには、なるべく100%に近付けたいという要望を満たすために決定されたものである。
【0015】
続いて、中間色が98%に変換された画像データを用いて、レーザー刷版機が印刷シリンダに対してレーザービームによる露光を行う。レーザー刷版機の特性として0%の領域については、レーザービーム単位で露光を行い、0%より大きく100%未満の領域については、所定の大きさのセルを形成し、このセル以外の部分に露光を行う。また、100%の領域には露光は行なわれない。ここで、図4に示すような横長楕円形状の領域を印刷シリンダに形成する場合を考えてみる。図4(a)において、Dは濃度100%の輪郭、その内部のEは中間色領域、輪郭の外側は濃度0%の領域である。この中間色領域Bは実際には、図4(b)に示すように形成されている。すなわち、四角形状のセルE1が多数形成されて、セルE1以外の土手部分E2(ここでは、最終的に腐食されずに残る部分を「土手」と表現する。)と区分されている。セルE1内部は100%、セルE1外部である土手部分E2は0%であり、中間色領域E内全体で98%となるように設定される。さらに、図4(b)において矩形で示されるF部分を拡大した状態を図5に示す。
【0016】
図5においては、図4と同一のものについては同一符号が付されている。図5(a)において、格子状を形成する最小の四角形は、レーザービームの露光単位を示す。また、ここでは露光された箇所を白、露光されない箇所を黒で示す。輪郭Dは、レーザービーム単位の太さとなっており、この部分が露光されないことにより形成される。セルE1は、図5の例では、レーザービーム41個分の大きさであり、この部分が露光されないことにより形成される。土手部分E2、輪郭の外部Gは全て露光される。なお、図5(a)においてレーザービームの露光単位が格子状に示されているのは、説明の便宜上のためであり、実際には、図5(b)に示すように露光される領域E2、Gは全て露光され、格子状の跡は残らない。この後、露光された印刷シリンダは、腐食工程に進み、露光されて硬化した部分は残り、露光されなかった部分が腐食する。図5(b)の例では、白で示した領域E2、Gは残り、黒で示した領域D、E1が腐食により窪むことになる。
【0017】
なお、この図5の例では、図面の制約上および説明の便宜上、セル1個をレーザービーム41個分の大きさとしたが、実際には、上記発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、セル1個の大きさはレーザービーム100個分程度で行なわれる。そのため、セルの一辺が輪郭の幅の約10倍程度となり、輪郭処理により滑らかさが増すことになる。
【0018】
このようにして得られた印刷シリンダに対して印刷インキを載せることにより、印刷が行なわれる。このとき、印刷インキは、領域D、E1に示したような窪んだ部分にだけ載ることになる。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、第1の値と第2の値の二値で表現される原画像を入力し、前記入力された原画像における第1の値を有する領域の輪郭抽出を行い、その内部を前記第1の値と第2の値の間となる第3の値に設定することにより階調画像を作成し、作成された前記階調画像の内、第3の値を有する領域を、第1の値を有する所定の大きさのセルとセル以外の第2の値を有する土手部分に、その比率が領域内部全体として前記第3の値に対応するように区分することにより露光用データを形成し、前記第2の値を有する部分をレーザー露光することにより印刷シリンダを作成するようにしたので、作成された印刷シリンダには、輪郭とセルに対応する部分にインキを載せるための凹部が形成され、印刷時には、印刷シリンダから印刷インキが大量に掻き出されることがなく、また、作成される印刷物においては、滑らかな輪郭が表現されることになり、また、表示画像において、第1の値の画素、第2の値の画素に対して第3の値の画素に所定の濃度差を設けることができ、第3の値の画素部分が正しく作成されているかどうかをオペレータが画像表示部4の画面上で容易に確認することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【図2】演算処理部2による画像処理の様子を示す図である。
【図3】原画像と階調画像を比較した状態を示す図である。
【図4】印刷シリンダに形成されるある領域を示す図である。
【図5】図4のF部分を拡大した状態を示す図である。
【符号の説明】
1・・・画像入力部
2・・・演算処理部
3・・・画像出力部
4・・・画像表示部
5・・・輪郭抽出部
6・・・階調処理部
Claims (3)
- 第1の値と第2の値の二値で表現される原画像を入力する画像入力手段と、前記入力された原画像における第1の値を有する領域の輪郭抽出を行う輪郭抽出手段と、輪郭の内部を原画像が取り得る第1の値と第2の値の間となる第3の値に設定する階調処理手段と、前記輪郭抽出手段、階調処理手段により処理されることにより得られる階調画像における前記第3の値を表示値に置換した表示画像を表示する画像表示手段と、前記階調画像を出力する画像出力手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
- 前記輪郭抽出手段、階調処理手段は、原画像内の各画素に対して、当該画素が前記第2の値を有する場合は、そのままの値とし、当該画素が前記第1の値を有する場合は、周辺に前記第2の値を有する画素が存在する際には、そのままの値とし、周辺の画素が全て前記第1の値を有する際には、前記第3の値に設定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 第1の値と第2の値の二値で表現される原画像を入力する段階と、前記入力された原画像における第1の値を有する領域の輪郭抽出を行って、その内部を前記第1の値と第2の値の間となる第3の値に設定することにより階調画像を作成する段階と、前記階調画像における前記第3の値を表示値に置換した表示画像を表示する画像表示手段と、作成された前記階調画像の内、第3の値を有する領域を、第1の値を有する所定の大きさのセルとセル以外の第2の値を有する土手部分に、その比率が領域内部全体として前記第3の値に対応するように区分することにより露光用データを形成する段階と、前記第2の値を有する部分をレーザー露光することにより印刷シリンダを作成する段階を有することを特徴とする印刷シリンダ作成方法。
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