JP4641601B2 - 画像処理装置および画像処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、特に車両に搭載され車両の周辺の道路状況等をビデオカメラにて監視するのに適した画像処理装置、ならびに画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような画像処理装置は、前方を走行する車両との間の車両距離が十分でなくなったことを検知して運転者にアラーム音を発したり、あるいはレーンマークから外れて車両が走行し始めたときに同様に運転者にアラーム音を発したりするために用いることができる。
【0003】
また車両が前進する場合のみならず、後退する場合においても後方確認のためにその画像処理装置を利用することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
画像処理装置は上述のように車両の周辺の他の車両、レーンマーク等の道路状況を画像として捉えさらにその道路状況を認識する機能を果す。すなわち画像認識である。
この画像認識の性能は、画像処理装置自身の性能によって定まるものであるが、実際の運用時においては、画像処理装置が置かれる撮影状況によっても大きく左右される。その撮影状況(日照条件、 天候等)によっては、上記の画像認識を行うことが困難な場合に遭遇することがある。
【0005】
例えば夜間の走行中、その前方を走行する車両のブレーキランプが点灯した場合、ブレーキランプ周辺の画像がぼやけてしまい、 当該車両に設けられる画像処理装置の画像認識性能が低下してしまう、という第1の問題がある。
図20は従来技術の第1の問題点を示す画像の一例を表す図である。
本図に示すとおり、 夜間の走行中に前方を走る車両1が有する例えば3個のブレーキランプ2,3および4の周辺の画像に上記の「ぼやけ」が現れる。
【0006】
また画像処理装置に内蔵される画像メモリのメモリ容量と処理時間とに制限が課せられている、という第2の問題がある。
したがって本発明は上記問題点に鑑み、上述した画像認識性能の低下の問題と、上述したメモリ容量および処理時間に課せられる制限の問題とを同時に解消することのできる画像処理装置、ならびに画像処理システムを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明に係る画像処理装置の基本構成を示す図である。
本図において、参照番号10は画像処理装置であり、該装置10は、 撮像素子14を有する光学系11と、光学系11からの撮像信号Sを入力として画像処理を行う演算処理部12とからなる。なお、撮像素子14の部分についてのみ、 拡大した斜視図Aにて示す。この拡大斜視図は、 レンズ13側から見た図である。
【0008】
ここに撮像素子14は行方向の画素と列方向の画素とを全体にマトリクス状に配列してなる。ただしこの構成は周知であるので、詳細に図示しない。
撮像素子14の撮像面14’は、行単位または列単位で複数の領域に区分されると共に、これら複数の領域は、 第1フィルタF1を該撮像面上に備える第1領域I、第2フィルタF2を該撮像面14’上に備える第2領域IIおよび撮像面14’上にフィルタを設けない第3領域III のうちの少なくともいずれか2つの領域によって構成される。
【0009】
かくしてフィルタ処理が加えられた、 光学系11からの撮像信号Sが演算処理部12に入力され、例えば前方の車両の認識等の処理が行われる。
図2は撮像素子14の分光感度特性を示すグラフである。
本図において、横軸には波長〔nm〕を、縦軸には輝度をそれぞれとって、上記の分光感度特性を示す。ただし撮像素子 (センサIC)14としてCMOSセンサを採用した例を示す。
【0010】
本図のグラフ中、 特に注目すべき部分は、波長帯域Bである。この帯域Bが、図20に表した、 車両1のブレーキランプ(2,3,4)周辺に生じる「ぼやけ」の原因となる帯域である。
このようなぼやけは、赤外領域(B)にあることから、人間の眼には見えないが、一方、上記CMOSセンサにとってみると、このような波長帯域も検知範囲となる。したがってこの波長帯域に基づくセンサ信号が撮像信号Sの中に上記のぼやけとして現れることになる。
【0011】
そこで上記の波長帯域Bをフィルタによりカットして、該ぼやけを除去する、というのが本発明の前提となる。ただし、このようなフィルタによる帯域Bのカットということ自体は公知のことである。本発明の特徴は、そのフィルタの形成の仕方にあり、具体的には図1内の拡大斜視図Aに示すように形成される。なお、本図Aは本発明に基づくある一態様を示したものであって、フィルタF1(I)、フィルタF2(II)およびフィルタなし(III )の各領域の全てが撮像面14’上に形成されているが、これに限らず、 フィルタF1(I)、フィルタF2(II)およびフィルタなし(III )のうちのいずれか2つの領域だけが存在するように構成してもよい。
【0012】
以下、上記図2の説明を続けるが、この説明では第1フィルタF1と第2フィルタF2のみを用いた例を用いる。
図3は撮像面14’上に形成されるフィルタ群15を示す平面図である。
本図の例では、512列および480行のそれぞれに512画素および480画素をマトリクス状に配列してなる撮像素子14を用いており、その撮像面14’上に、行単位ですなわち奇数行と偶数行とに区分して、第1フィルタ(F1)と第2フィルタ(F2)とを交互配置する。このため各フィルタの幅は数10μmと微小なものとなる。
【0013】
このようなフィルタ群を用いて図1の撮像信号Sを得、図1の演算処理部12にて所定の処理を行う。
図4は演算処理部12による処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS11:図3における512画素×120(480/4)画素分の輝度値の平均を算出する。この場合、行単位の画素情報は一例として1/4に間引いている。この行単位の画素情報は、演算処理部12内のメモリ(後述する図5のメモリ24参照)に一旦格納され、さらに、同図中のCPU25にて平均輝度値が算出される。
【0014】
ステップS12:上記ステップS11で算出された平均輝度値により、 当該車両の置かれた環境(昼か夜)を上記CPUにより判断する。
ステップS13:上記の判断により、昼であることが判明すると、インタレース方式により第1フィルタF1が載せられた奇数行のみをスキャンする。このときの第1フィルタF1は、図2の波長帯域Bまでも含めた全波長帯域についての撮像信号Sを得る。この結果、昼間の画像認識性能は従前どおり十分確保することができる。
【0015】
ステップS14:一方上記の判断により、夜であることが判明すると、今度は、上記インタレース方式のもとで、第2フィルタF2が載せられた偶数行のみをスキャンする。このときの第2フィルタF2としては、 図2の波長帯域Bを除いた全波長帯域(青、緑および赤)についての撮像信号Sを得る。この結果、夜間における該帯域Bに起因するぼやけは排除され、夜間の画像認識性能は従前に比して大幅に改善される。
【0016】
上述のとおり、昼と夜とに最適なフィルタ特性をそれぞれ選択でき、既述の第1の問題は解消される。
この場合、第1および第2フィルタF1, F2のいずれか一方に属する撮像面のみしか使用されないので、画像情報量は本来得られる画像情報量に比べてほぼ半減してしまう。しかし実際に実施した結果によれば、画像認識能力の低下は実用上全く問題にならない程度であった。そのような能力の低下は、ぼやけの完全な解消という効果によって十分相殺される。かくして夜間において例えば前方の車両を認識する際、その車両の輪郭をきわめて鮮明に捉えることが可能となる。
【0017】
また上述のとおり、使用する画像情報量がほぼ半減するので、上記メモリ24のメモリ容量は従来のほぼ半分で済むことになり、これに伴い上記CPU25による画像処理(車両の周囲の明るさ判断の処理や、車両の画像の輪郭を抽出する等の処理や、前方の車両との車間距離を計算する処理や、必要に応じて既述のアラーム音を発出する処理等)に要する処理時間も短縮される。この結果、既述の第2の問題も解消される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図5は図1の装置構成の具体例を示す図である。なお全図を通じて、同様の構成要素には同一の参照番号または記号を付して示す。
本図において、画像処理装置10は、図1のとおり、光学系11と演算処理部12とからなる。
【0019】
光学系11はいわばビデオカメラであり、レンズ13と撮像素子14とフィルタ群15等を含む。このビデオカメラは例えば、車両内のルームミラーのところに取り付けられ、および/または、車両のリアウィンドウ中央付近に取り付けられる。
このビデオカメラ(11)からのアナログの撮像信号Sは、演算処理部12に入力され、まず、アンプ21にてこれを増幅し、さらに、ADC(Analog/Digital Converter)22によりディジタルの撮像信号Sに変換する。さらに、メモリI/F制御回路23は、CPU25による指令のもとで、メモリ24へのデータ(撮像信号)の書込みおよびCPU25への読出しを制御する。該回路23はさらに他の制御も行う。
【0020】
図6は本発明に基づく第1実施例を示す平面図であり、
図7は第1実施例の説明に用いるグラフである。なお、図6の見方は図3と同じであり、図7の見方は図2と同じである。
この第1実施例においては、既述の複数の領域は、第1領域Iと第3領域III とから構成される。かつ、第1領域Iに備えられる第1フィルタF1は赤外カットフィルタであることを特徴とするものである。
【0021】
これにより、図7におけるにじみ(既述のぼやけと等価)の原因となるセンサ信号の部分Cは、赤外カットフィルタ(F1)により除去される。
さらに詳細には、前方の車両のストップランプがぼやける夜間に対応するため、奇数行と偶数行のフィルタの特性を変えることにする。すなわち奇数行はフィルタなし、偶数行は赤外カットフィルタ(F1)である。このときの処理としては、演算処理部12で昼または夜の判断を行い、その結果をもとに、インタレースのビデオカメラ信号の処理範囲を次のようにする。
【0022】
・昼ならば、フィルタなしの奇数フィールドを選択し、
・夜ならば、赤外カットフィルタ(F1)有りの偶数フィールドを選択する。
図8は本発明に基づく第2実施例を示す平面図であり、
図9は第2実施例の説明い用いるグラフである。なお、図8の見方は図3と同じであり、図9の見方は図2と同じである。
【0023】
この第2実施例においては、既述の複数の領域は、第1領域Iと第2領域IIと第3領域III から構成される。かつ、第1領域Iに備えられる第1フィルタF1は赤外カットフィルタであり、第2領域IIに備えられる第2フィルタF2も赤外カットフィルタであって、第1フィルタF1と第2フィルタF2の各分光感度特性を相互に異ならせることを特徴とするものである。
【0024】
これにより、図9における上記にじみの原因となる部分C(図7のCと同じ)は、赤外カットフィルタ(F1)または赤外カットフィルタ(F2)により除去される。
さらに詳細には、前方の車両のストップランプがぼやける夜間の場合、3行毎にフィルタの特性を変えることにする。すなわちnは整数で、n=0,1,…,159とすると、
3n+1行:フィルタなし
3n+2行:赤外カットフィルタ1(F1)
3n+3行:赤外カットフィルタ2(F2)
とする。このときの処理としては、演算処理部12で昼または夜の判断を行い、その結果をもとに、インタレースのビデオカメラ信号の処理範囲を次のようにする。
【0025】
・昼ならば、フィルタなしの3n+1行を選択し、
・夜で、ぼやけの小さい時は、赤外カットフィルタ1の3n+2行を選択し、
・夜で、ぼやけの大きい時は、赤外カットフィルタ2の3n+3行を選択する。
本発明に係る撮像素子14の撮像面14’は、行単位または列単位で複数の領域に区分される。上述した第1および第2実施例では、行単位で複数の領域に区分した構成を示したので、次に列単位で複数の領域に区分した構成を、第3および第4実施例として示す。
【0026】
図10は本発明に基づく第3実施例を示す平面図である。
第1実施例(図6)が行単位であるのに対し、この第3実施例は、列単位にしたものである。
詳細には、前方の車両のストップランプがぼやける夜間に対応するため、奇数列と偶数列のフィルタの特性を変えることにする。すなわち奇数列はフィルタなし、偶数列は赤外カットフィルタ(F1)である。このときの処理としては、演算処理部12で昼または夜の判断を行い、その結果をもとに、ビデオカメラ信号の処理範囲を次のようにする。
【0027】
・昼ならば、フィルタなしの奇数列を選択し、
・夜ならば、赤外カットフィルタ(F1)有りの偶数列を選択する。
図11は本発明に基づく第4実施例を示す平面図である。
第2実施例(図8)が行単位であるのに対し、この第4実施例は、列単位にしたものである。
【0028】
詳細には、前方の車両のストップランプがぼやける夜間に対応するため、3n+1列と3n+2列と3n+3列のフィルタの特性を変えることにする。すなわちnは整数で、n=0,1,…,159とすると、
3n+1列:フィルタなし
3n+2列:赤外カットフィルタ1(F1)
3n+3列:赤外カットフィルタ2(F2)
とする。このときの処理としては、演算処理部12で昼または夜の判断を行い、その結果をもとに、ビデオカメラ信号の処理範囲を次のようにする。
【0029】
・昼ならば、フィルタなしの3n+1列を選択し、
・夜で、ぼやけの小さい時は、赤外カットフィルタ1の3n+2列を選択し、
・夜で、ぼやけの大きい時は、赤外カットフィルタ2の3n+3列を選択する。
上述した第3および第4実施例は、ビデオカメラからの左右の視野角を適宜設定したいようなときに有効である。例えば、ビデオカメラが車両のリヤウィンドウ側に設けられていて、車両の後方に展開する道路上の白いレーンマークを確認したいような場合に有効である(後述)。
【0030】
このような第3および第4実施例による列単位での撮像信号Sの抽出を行うためには、前述した第1および第2実施例の場合のようなインタレース方式をそのまま利用することができない。
すなわち第1および第2実施例の場合ならば、行単位で区分される既述の複数の領域は、撮像素子14の奇数または偶数番目のいずれか一方の行によって規定され、このインタレース方式の撮像信号Sを、演算処理部12を構成するメモリ24に格納すれば、CPU25およびメモリI/F制御回路23はその後何ら複雑な制御をすることなく、所定の画像処理を行うことができる。
【0031】
しかしながら第3および第4実施例の場合には、演算処理部12内にカウンタ機能(図5のカウンタ31参照)を持たせ、撮像素子14からの行単位の撮像信号Sのうち所定のカウント値に達する毎に選択された撮像信号を、列単位で区分される複数の領域に対応する撮像信号Sとして、演算処理部12を構成するメモリ24から読み出すようにする必要がある。
【0032】
このような読出し操作を行うのは、 例えば図5のメモリI/F(interface)制御回路23である。例えば図11の場合についてみると、上記の所定のカウント値は、赤外カットフィルタ(F1)については、“2→5→8→…→511”であり、赤外カットフィルタ(F2)については、“3→6→9→…→512”である。またフィルタなし(III )については、“1→4→7→…→510”である。
【0033】
どのようなカウント値を選択するかは、最も単純には、車両の置かれた環境が昼であるか夜であるか、に依存する。このような昼/夜の識別は図5の演算処理部12、とりわけCPU25、が行う。
すなわち、演算処理部12は、演算処理部12を構成するメモリ24に格納されている撮像信号Sのデータに基づいて、この撮像素子全体の平均受光輝度を表す輝度値を算出し、この輝度値の大小に応じて、前述した第1、第2および第3領域(I,IIおよびIII )を指定する。つまり、第1フィルタF1を使うか、第2フィルタF2を使うか、またはフィルタなし(III )とするか、を決定する。
【0034】
上記第1および第2実施例は行単位のみでのフィルタ処理をベースにし、上記第3および第4実施例は列単位のみでのフィルタ処理をベースにしている。これをさらに発展させれば行単位と列単位の複合によるフィルタ処理をベースにすることもできる。
図12は本発明に基づく第5実施例を示す図である。
【0035】
この第5実施例では、行単位と列単位の複合でフィルタ処理を行う。図12においては、既述の複数の領域として、第1領域I(第1フィルタF1付き)、第2領域II(第2フィルタF2付き)および第3領域III (フィルタなし)が全て採用され、これらの領域が格子状に配置されていることを示す。
かくしてこの第5実施例のもとでは撮像素子14を有する光学系11と、光学系11からの撮像信号Sを入力として画像処理を行う演算処理部12とからなる画像処理装置において、撮像素子14は行方向の画素と列方向の画素とを全体にマトリクス状に配列すると共に、
撮像素子14の撮像面14’は、行および列の交点の単位で複数の領域に区分され、これら複数の領域は、第1フィルタF1を撮像面14’上に備える第1領域I、 第2フィルタF2を撮像面14’上に備える第2領域IIおよび撮像面14’上にフィルタを設けない第3領域III のうちの少なくともいずれか2つの領域によって構成されるようにする。
【0036】
図13は本発明に基づく第6実施例の説明に用いるグラフである。
前述した各実施例では第1フィルタF1(第2フィルタF2)として赤外カットフィルタを用いたが、この第6実施例(および後述の第7実施例)では均一な濃度のフィルタ(全波長帯域(減衰を必要とする波長帯域)に亘り略一律に透過光量を抑えるフィルタ)であるND(NEUTRAL DENSITY)フィルタを用いる。
【0037】
すなわち、前述した複数の領域は、第1領域Iと第3領域III とから構成されると共に、この第1領域Iに備えられる第1フィルタF1はNDフィルタであることを特徴とするものである。
前述した各実施例では、ぼやけの原因Cを赤外カットフィルタにより除去したが、第6実施例(第7実施例)では、NDフィルタを用いて、全波長帯域に亘り一律に透過率を下げる(透過光量を抑える)ことにより、その原因Cを排除するようにしたものである。既述のぼやけを防ぐ効果は、赤外カットフィルタにほぼ等しい。
【0038】
図13において、曲線DはNDフィルタにより低下した透過率特性を表す。
図14は本発明に基づく第7実施例の説明に用いるグラフである。
この第7実施例では、前述した複数の領域は、第1領域Iと第2領域IIと第3領域III とから構成され、かつ、この第1領域Iに備えられる第1フィルタF1はNDフィルタであり、その第2領域に備えられる第2フィルタF2もNDフィルタであって、第1フィルタF1と第2フィルタF2の各透過率特性を相互に異ならせることを特徴とするものである。
【0039】
図14を参照すると、曲線D1は第1NDフィルタ(F1)の透過率特性を示し、曲線D2は第2NDフィルタ(F2)の透過率特性を示す。そしてF1の透過率の方がF2の透過率よりも大に設定される。それぞれの役割は、既述した第1赤外カットフィルタ(F1)および第2赤外カットフィルタの役割と同じである。
【0040】
以上の実施例ではビデオカメラを主として車両のフロントウィンドウ側に設けた場合について説明したが、以下、このビデオカメラを車両のリヤウィンドウ側に設ける場合について説明する。また使用するフィルタとして赤外カットフィルタおよびNDフィルタについて述べたが、以下の説明ではRGBカラーフィルタも取り入れた場合について述べる。
【0041】
図15は本発明に基づく第8実施例を示す図である。
この第8実施例においては、前述した複数の領域は列単位のみで区分されると共に、撮像面14’の中間部分に配置される第1領域Iと撮像面14’における該中間部分の左右にある左部分と右部分とにそれぞれ配置される第3領域III とから構成され、ここに、第1領域Iに備えられる第1フィルタF1はRGBカラーフィルタであることを特徴とするものである。
【0042】
図16は第8実施例のもとでの撮影画像の一例を示す図である。
本図において、41はディスプレイであり、車両の後方側の映像を表示する。本図は夜間の映像を表示しており、中央に後方車両が映っている(図15の後方車両部)。
夜間走行では車両後方に展開する道路上のレーンマーク(白線)5だけを鮮明に映し出したいことがある。このために、ディスプレイの中央表示部分の左側および右側の部分に相当する撮像面14’の部分はフィルタなし(第3領域III )とする(図15の白線部)。
【0043】
車両後方に展開する映像としては、上記の他、例えば駐車の際の車両後方の確認用として用いる場合がある。このときは、カラー画像として、視野の中央部分を鮮明に映し出す必要がある。このために図15のRGBカラーフィルタ(F1)を撮像面14’の中央に設ける。なお、このような車両後方の確認のときは、拡大表示するのが都合がよい。これを図16のディスプレイ41’として示す。
【0044】
さらに詳細には、車両の後方に取り付けたビデオカメラ(図18の52参照)から後方の白線を認識する場合、 車両の存在する範囲と白線の存在する範囲とで、フィルタの特性を変えることにする。すなわち
車両部1:RGBカラーフィルタ(I)
白線部5:フィルタなし(III )
とする。このときの処理としては、中央部の映像は画面に表示するために、カラー表示が必要であり、一方、その左右の白線部は画像処理を行うためにRGBカラーフィルタをとり、フィルタなしとする。
【0045】
図17は本発明に基づく第9実施例を示す図である。
第9実施例は上記第8実施例の変形であり、白線部(5)の光量が強過ぎるような場合に採用することができる。
すなわち第9実施例においては、前述の複数の領域は列単位のみで区分されると共に、 撮像面14’の中間部分に配置される第1領域Iと撮像面14’における該中間部分の左右にある左部分と右部分とにそれぞれ配置される第2領域IIとから構成され、ここに、第1領域Iに備えられる第1フィルタF1はRGBカラーフィルタであり、第2領域IIに備えられる第2フィルタF2は赤外カットフィルタであることを特徴とするものである。
【0046】
上記の赤外カットフィルタ(F2)についてみると、これをさらに2段階に区分することもできる。既述の図9において両矢印のF1およびF2として示すとおりである。
すなわち、第2フィルタF2をなす赤外カットフィルタは第1赤外カットフィルタと第2赤外カットフィルタからなり、かつ、該第1および第2赤外カットフィルタの各分光感度特性を相互に異ならせるようにする。
【0047】
またさらなる変形例としては、その赤外カットフィルタに代えて既述のNDフィルタとすることもできる。すなわち、かかる実施態様のもとでは、前述の複数の領域は列単位のみで区分されると共に、撮像面14’の中間部分に配置される第1領域Iと撮像面14’における該中間部分の左右にある左部分と右部分とにそれぞれ配置される第2領域IIとから構成され、かつ、この第1領域Iに備えられる第1フィルタF1はRGBカラーフィルタとし、該第2領域IIに備えられる第2フィルタF2はNDフィルタとする。
【0048】
そしてこのNDフィルタ(F2)についても、これをさらに2段階に区分することもできる。既述の図14において曲線D1およびD2として示すとおりである。
かかる実施態様のもとでは、第2フィルタF2をなすNDフィルタは第1NDフィルタと第2NDフィルタからなり、かつ、これら第1および第2NDフィルタの各透過率特性を相互に異ならせるようにする。
【0049】
次に説明する第10実施例は、車両の後方にビデオカメラだけでなく、その後方の映像を浮かび上がらせる照光手段をもさらに設けるものである。
図18は本発明に基づく第10実施例を説明するための斜視図である。
本図において、車両1はレーンマーク(白線)5に沿って走行中であり、この車両1の後方には、既に述べてきたビデオカメラが52として示されると共に、上述した照光手段が51として示されている。ただし、採用する撮像面14’上のフィルタ構成は、前述の第8実施例(図15)あるいは第9実施例(図17)と全く同じである。
【0050】
照光手段51としては特定波長で発光する発光素子を用いる。本図の例ではその発光素子として赤外LEDを用いており(中心周波数950nm)、図18では、レーンマーク5を照光する様子が示されている。
図19は本発明に基づく第10実施例を示す図であり、分光感度特性を表すグラフGと共に示されている。
【0051】
上記の例では、照光手段51として赤外LED(特定波長は950nm)を用いており、この特定波長域(図19のグラフG内のH参照)を透過させる特定波長フィルタを第2フィルタF2として用いる。
すなわちこの第10実施例においては、前述の複数の領域は列単位のみで区分されると共に、 撮像面14’の中間部分に配置される第1領域Iと該撮像面14’における該中間部分の左右にある左部分と右部分とにそれぞれ配置される第2領域IIとから構成され、ここに、その第1領域Iに備えられる第1フィルタF1はRGBカラーフィルタであり、その第2領域に備えられる第2フィルタF2は特定の波長域を透過させる特定波長フィルタであることを特徴とするものである。
【0052】
さらに上記の特定波長フィルタ(F2)は、第1特定波長フィルタと第2特定波長フィルタからなり、かつ、これら第1および第2特定波長フィルタの各透過率特性を相互に異ならせるようにすることもできる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、撮像素子14の撮像面14’上に選択的に所望のフィルタを配列したビデオカメラが提供される。
これにより、所望の映像をより一層鮮明に得ることができる。
また、所望のフィルタを選択的に使用することにより、メモリ24のメモリ容量を減らし、これに伴いCPU25の処理時間を短縮することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の基本構成を示す図である。
【図2】撮像素子14の分光感度特性を示すグラフである。
【図3】撮像面14’上に形成されるフィルタ群15を示す平面図である。
【図4】演算処理部12による処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1の装置構成の具体例を示す図である。
【図6】本発明に基づく第1実施例を示す平面図である。
【図7】第1実施例の説明に用いるグラフである。
【図8】本発明に基づく第2実施例を示す平面図である。
【図9】第2実施例の説明に用いるグラフである。
【図10】本発明に基づく第3実施例を示す平面図である。
【図11】本発明に基づく第4実施例を示す平面図である。
【図12】本発明に基づく第5実施例を示す平面図である。
【図13】本発明に基づく第6実施例の説明に用いるグラフである。
【図14】本発明に基づく第7実施例の説明に用いるグラフである。
【図15】本発明に基づく第8実施例を示す図である。
【図16】第8実施例のもとでの撮像画像の一例を示す図である。
【図17】本発明に基づく第9実施例を示す図である。
【図18】本発明に基づく第10実施例を説明するための斜視図である。
【図19】本発明に基づく第10実施例を示す図である。
【図20】従来技術の第1の問題点を示す画像の一例を表す図である。
【符号の説明】
1…車両
2,3,4…ブレーキランプ
5…レーンマーク
10…画像処理装置
11…光学系(ビデオカメラ)
12…演算処理部
13…レンズ
14…撮像素子
14’…撮像面
15…フィルタ群
21…アンプ
22…ADC
23…メモリI/F制御回路
24…メモリ
25…CPU
31…カウンタ
41…ディスプレイ
51…照光手段
52…ビデオカメラ
S…撮像信号
I…第1領域
II…第2領域
III …第3領域
F1…第1フィルタ
F2…第2フィルタ
Claims (3)
- 撮像素子を有するカメラと、
前記カメラの撮像信号を入力として画像処理を行う画像処理装置と、を備え、
前記カメラは、
前記撮像素子が複数の領域に区分されると共に、前記複数の領域のうち、所定の領域の撮像面上に配置されるフィルタを備え、
前記画像処理装置は、
周囲環境に基づいて、前記撮像信号の画像処理を行う処理範囲を設定する演算処理部を備え、
前記フィルタとして少なくともRGBカラーフィルタを含み、かつ該RGBカラーフィルタが配置される前記所定の領域は、前記撮像面の左右部分を除いた中央に位置する領域であることを特徴とする画像処理システム。 - 前記フィルタとしてさらに、所定波長帯域の透過をカット、又は全波長帯域の透過光量を減衰するフィルタを含み、前記演算処理部は、前記周囲環境が昼の場合、前記処理範囲として、前記のカット又は減衰するフィルタが配置された領域で撮像された撮像信号を選択することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
- 撮像素子を有し、該撮像素子が複数の領域に区分されると共に、該複数の領域のうち、所定の領域の撮像面上に配置されるフィルタを備えるカメラからの撮像信号が入力され、該入力された撮像信号を画像処理する演算処理部を備え、
前記演算処理部は、周囲環境に基づいて、前記撮像信号の画像処理を行う処理範囲を設定し、
前記フィルタとして少なくともRGBカラーフィルタを含み、かつ該RGBカラーフィルタが配置される前記所定の領域は、前記撮像面の左右部分を除いた中央に位置する領域であることを特徴とする画像処理装置。
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