JP4641707B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明はEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置及びそれを用いた電子装置に関する。具体的には、EL素子の劣化を防ぐための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機材料のEL現象を利用した自発光素子としてEL素子を用いた表示装置(EL表示装置)の開発が進んでいる。EL表示装置は自発光型であるため、液晶表示装置のようなバックライトが不要であり、さらに視野角が広いため、屋外で使用する携帯型機器の表示部として有望である。
【0003】
しかしながら、EL素子の基本部分となるEL層は有機材料であるため、極めて酸化に弱く、僅かな酸素の存在により容易に劣化してしまう。また、熱にも弱く、これもまた酸化を助長する原因となる。この酸化に弱いという欠点が、EL素子の寿命の短さの原因であり、実用化する大きな障壁となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、信頼性の高いEL表示装置を提供することを課題とする。そして、そのようなEL表示装置を表示部として用いることにより表示部の信頼性が高い電子装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明の構成について、図1を用いて説明する。図1(A)は本願発明のEL表示装置であり、EL素子を密閉空間に封入するためのシーリング構造を設けていない状態を示している。
【0006】
図1(A)において、101は基板、102は画素部、103はソース側駆動回路、104はゲート側駆動回路、105は画素部102、ソース側駆動回路103、ゲート側駆動回路104をFPC(フレキシブルプリントサーキット)106に電気的に接続するための接続配線である。また、FPCは外部機器へと電気的に接続され、これにより画素部102、ソース側駆動回路103及びゲート側駆動回路104に外部からの信号を入力することができる。
【0007】
画素部102、ソース側駆動回路103及びゲート側駆動回路104は基板101上に形成された薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で形成されている。なお、TFTとしては如何なる構造のTFTを用いても良い。勿論、公知の構造であっても良い。
【0008】
図1(B)は、図1(A)の状態に、シーリング構造を設けた状態である。本願発明のシーリング構造は、充填材(図示せず)、カバー材107、シール材(図示せず)及びフレーム材108を含む。
【0009】
ここで、図1(B)をA−A’で切断した断面図を図2(A)に、B−B’で切断した断面図を図2(B)に示す。なお、図2(A)、(B)では図1(A)、(B)と同一の部位に同一の符号を用いている。
【0010】
図2(A)に示すように、基板101上には画素部102、駆動回路103が形成されており、画素部102は電流制御用TFT201とそれに電気的に接続された画素電極202を含む複数の画素により形成される。この画素電極202はEL素子の陽極として機能する。また、画素電極202を覆うようにEL層203が形成され、その上にはEL素子の陰極204が形成される。
【0011】
なお、本明細書中では、陽極/EL層/陰極の組み合わせでなる素子をEL素子と呼ぶ。実際には、陽極と陰極との間に電流を流し、EL層で電子と正孔とが再結合することにより発光を得る。
【0012】
また、EL素子の構造は本願発明では特に限定しない。通常、陽極としては仕事関数の大きい膜、例えば透明導電膜が用いられ、陰極としては仕事関数の小さい膜、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む膜が用いられる。また、EL層は公知のあらゆる構造を用いることができる。
【0013】
なお、本明細書中においてEL層とは、陽極と陰極との間にあってキャリアの移動、輸送または再結合を行う場を提供する層を指す。再結合中心となる発光層のみからなる場合もあるが、通常は電子注入層、電子輸送層、正孔注入層または正孔輸送層を組み合わせて用いられる。
【0014】
また、EL層を形成する材料は無機材料と有機材料とがあるが、駆動電圧が小さくて済む有機材料が好ましい。さらに、有機材料の中にも低分子系材料と高分子系(ポリマー系)材料とがあるが、耐熱性が高い点と成膜が容易な点とから高分子系材料が有効である。
【0015】
ところで、画素部102が形成されると同時に駆動回路103も形成される。
駆動回路103はnチャネル型TFT205とpチャネル型TFT206とを相補的に組み合わせたCMOS回路を基本単位として形成される場合が多い。
【0016】
また、陰極204は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線105を経由してFPC106に電気的に接続されている。さらに、画素部102及び駆動回路103に含まれる素子は全てパッシベーション膜207で覆われている。このパッシベーション膜207は省略することも可能であるが、各素子を外部と遮断する上で設けた方が好ましい。
【0017】
次に、EL素子を覆うようにして充填材208を設ける。この充填材208はカバー材107を接着するための接着剤としても機能する。充填材208としては、PVC(ポリビニルクロライド)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。この充填材208の内部に乾燥剤を設けておくと、吸湿効果を保ち続けられるので好ましい。
【0018】
また、カバー材107としては、ガラス板、アルミニウム板、ステンレス板、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフロライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムを用いることができる。なお、充填材208としてPVBやEVAを用いる場合、数十μmのアルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることが好ましい。
【0019】
但し、EL素子からの発光方向(光の放射方向)によってはカバー材107が透光性を有する必要がある。即ち、図2の場合はカバー材107の反対側に光が放射されるので材質は問わないが、カバー材107側に放射されるような場合はカバー材107は透過率の高い材質からなることが望ましい。
【0020】
次に、充填材208を用いてカバー材107を接着した後、充填材208の側面(露呈面)を覆うようにフレーム材108を取り付ける。フレーム材108はシール材(接着剤として機能する)209によって接着される。このとき、シール材209としては、光硬化性樹脂を用いるのが好ましいが、EL層の耐熱性が許せば熱硬化性樹脂を用いても良い。なお、シール材209はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、シール材209の内部に乾燥剤を添加してあっても良い。
【0021】
以上のような方式を用いてEL素子を充填材208に封入することにより、EL素子を外部から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素等のEL層の酸化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。従って、信頼性の高いEL表示装置を作製することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施形態について図3を用いて説明する。図3は本願発明のEL表示装置を切断した断面図である。なお、基本的な構造は図2(A)と同様であるので、必要に応じて説明を行う。
【0023】
図3のEL表示装置は、ガラス基板301上に形成されたTFTにより画素部302及び駆動回路303が形成されている。また、画素部302に形成された電流制御用TFTにはEL素子304が電気的に接続されている。なお、ガラス基板の代わりに、石英基板、シリコン基板、ステンレス基板、プラスチック基板(プラスチックフィルムを含む)またはセラミックス基板を用いても良い。但し、必要に応じて基板上に絶縁膜を設ける必要がある。
【0024】
また、本実施形態では、電流制御用TFTに接続された画素電極(陰極)の上に、高分子系有機材料を発光層とするEL層及び各画素共通の透明導電膜でなる陽極を形成してEL素子とする。高分子系有機材料としては公知の如何なる材料を用いても良く、低分子系有機材料を積層して用いても良い。また、公知の如何なる積層構造としても良い。本実施形態では、陰極上に特開平8−96959号公報に従って白色発光の発光層を形成する。陽極となる透明導電膜としては、酸化インジウムと酸化スズの化合物、酸化インジウムと酸化亜鉛の化合物、酸化スズまたは酸化亜鉛を用いることができる。
【0025】
以上の構造を含むアクティブマトリクス基板の上には、充填材305としてPVBが設けられ、充填材305には乾燥剤306として酸化バリウムが含まれている。酸化バリウム以外にも特開平9−148066号公報に記載されたものを用いることができる。また、乾燥剤の添加は本願発明において必須ではないが、信頼性をより高めるためには添加しておくことが望ましい。
【0026】
なお、乾燥剤はどのような形態で添加されていても良いが、大きな塊状(クラスター状)で分散させると、画像の明るさを落とす要因になる可能性もあるため、できるだけ小さな粒状で分散させた方が好ましい。好ましくは、平均径100μmφ以下の粒状の乾燥剤が、1×102〜1×105個/cm3の密度で含まれるような状態が好ましい。
【0027】
充填材305の上にはカバー材307としてガラス基板が設けられている。本実施形態の場合、カバー材307は透光性でなければならない。これは、EL素子の構造により発光層から発した光がカバー材307を透過して観測者に到達するからである。勿論、カバー材307としてガラス基板の代わりに、プラスチック基板(プラスチックフィルムを含む)、石英基板またはPVFフィルムを用いることもできる。
【0028】
また、本実施形態では、カバー材307に遮光膜308とカラーフィルター309が形成されている。遮光膜308としては黒色顔料またはカーボンを含む樹脂を用いれば良い。勿論、チタン膜、タンタル膜、タングステン膜等の金属膜を用いても良い。また、カラーフィルター309としては赤色、緑色または青色の顔料を含む樹脂を用いれば良い。遮光膜308とカラーフィルター309の成膜方法はインクジェット法、スピンコート法等の公知の方法で良い。
【0029】
本実施形態では、EL素子として白色発光の発光層を単層で用い、そこから発する白色光をカラーフィルターで色分離して赤色、緑色及び青色の発色を得る。
これによりカラー表示が可能となる。なお、本願発明で用いることのできるカラー表示方式は公知の如何なる方式であっても良い。また、カラー表示に限らず、単色発光によるモノクロ表示も可能である。
【0030】
ここで、充填材305を用いてカバー材307を接着する方法について図4を用いて説明する。図4に示す装置は二重真空方式と呼ばれる方式の貼り合わせ装置である。この貼り合わせ装置は、第1真空室401と第2真空室402を有し、各々には第1排気手段403、第2排気手段404、第1リークバルブ405、第2リークバルブ406が備え付けられている。
【0031】
また、第2真空室402には加熱手段407が取り付けられ、抵抗加熱により第1真空室402の内部の温度を上げることができる。さらに、第2真空室402の内部には、アクティブマトリクス基板(TFT及びEL素子の形成までを終えた基板)408、PVBフィルム409及びカバー材410が配置される。
【0032】
次にまず、第1真空室401及び第2真空室402の内部を真空に排気する。
そして、この状態で加熱手段407により第2真空室402の内部が120℃程度まで加熱され、PVBフィルム409が流動性を示すようになる。PVBフィルム409が流動性を示すようになったら、第1真空室401のリークバルブ405を開け、第1真空室401内を大気解放して加圧する。
【0033】
第1真空室401が加圧されると、第1真空室401と第2真空室402とを仕切るダイアフラム(シリコーン、ゴム等で形成される)が、第2真空室402のカバー材410を圧迫し、アクティブマトリクス基板408とカバー材410とが充填材409によって完全に接着される。この後は、第2真空室402を室温に戻し、リークバルブ406により大気解放する。なお、第2真空室402は冷却水等を循環させて強制冷却しても良い。
【0034】
以上のようにして、アクティブマトリクス基板とカバー材との貼り合わせ工程が行われる。なお、本実施形態では二重真空方式を用いているが、単一真空方式を用いても良い。どちらの技術も「太陽電池ハンドブック,電気学会太陽電池調査専門委員会 編,pp.165-166,1985」に詳しい。
【0035】
以上のようにしてアクティブマトリクス基板とカバー材307とを充填材305によって貼り合わせたら、シール材309によってフレーム材310を接着し、充填材305の端面を完全に覆い隠す。本実施形態では、シール材309として紫外線硬化性のエポキシ樹脂を用い、フレーム材310としてステンレス材を取り付ける。
【0036】
こうして図3に示すようなEL表示装置が完成する。このようなEL表示装置は、外部から水分や酸素が侵入しないため、EL層の劣化を防ぐことができ、EL素子の寿命が長い。即ち、非常に信頼性の高いEL表示装置である。
【0037】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例では、カバー材としてPVFフィルムを用いた例を図5に示す。図5において、501は透光性基板(本実施例ではプラスチック基板)、502は画素部、503は駆動回路であり、各々はTFTで形成されている。また、画素部502にはEL素子504が形成され、画像表示が行われる。
【0038】
EL素子(またはその上のパッシベーション膜)まで形成されたアクティブマトリクス基板の上に乾燥剤506を添加した充填材505を介してカバー材507を貼り合わせる。貼り合わせ工程は図4に示した貼り合わせ装置を用いれば良い。このカバー材507は、PVFフィルム507a、507bでアルミニウム箔(アルミホイル)507cを挟んだ構造となっている。アルミニウム箔507cは耐湿性を高めるために設けられる。
【0039】
その後、紫外線硬化樹脂でなるシール材508を用いてフレーム材509を取り付ける。本実施例ではフレーム材509としてステンレス材を用いる。最後にFPC510を取り付けてEL表示装置が完成する。
【0040】
〔実施例2〕
本実施例では、本願発明を単純マトリクス型EL表示装置に実施した場合の例について図6に示す。図6において、601はプラスチック基板、602はアルミニウム膜とフッ化リチウム膜の積層構造(EL層に接する部分がフッ化リチウム膜)でなる陰極である。本実施例では、陰極602を蒸着法により形成する。なお、図6では図示されていないが、複数本の陰極が紙面に垂直な方向へストライプ状に配列されている。
【0041】
陰極602の上には高分子系有機材料でなるEL層(発光層のみ)603が印刷法により形成される。本実施例では、PVK(ポリビニルカルバゾール)、Bu−PBD(2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4''−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、クマリン6、DCM1(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−p−ジメチルアミノスチリル−4H−ピラン)、TPB(テトラフェニルブタジエン)、ナイルレッドを1,2−ジクロロメタンに溶解し、印刷法により陰極602上に転写した後、焼成して白色発光のEL層603を形成する。
【0042】
なお、本実施例ではEL層603を上記発光層のみの単層構造とするが、必要に応じて電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層、正孔注入層、電子阻止層もしくは正孔素子層を設けても良い。
【0043】
EL層603を形成したら、透明導電膜でなる陽極604を形成する。本実施例では、透明導電膜として酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を蒸着法により形成する。なお、図6では図示されていないが、複数本の陽極が紙面に垂直な方向が長手方向となり、且つ、陰極と直交するようにストライプ状に配列されている。また、図示されないが陽極604は所定の電圧が加えられるように、後にFPCが取り付けられる部分まで配線が引き出されている。
【0044】
陽極604を形成したら、パッシベーション膜605として100nm厚の窒化珪素膜を形成する。これは、後にカバー材等を接着する際に、EL層604が外気に触れないようにするための保護膜である。
【0045】
以上のようにして基板601上にEL素子を形成する。次に、カバー材606としてプラスチック板を用意し、その表面に遮光膜607及びカラーフィルター608を形成する。遮光膜607はカーボンを含む樹脂を用い、カラーフィルター608はRGBに対応した顔料を含む樹脂を用いる。成膜方法はインクジェット法、スピンコート法または印刷法を用いれば良い。
【0046】
また、本実施例の構造ではEL素子から発した光がカバー材606を透過して観測者の目に入るため、カバー材606は透光性である。本実施例ではプラスチック板を用いているが、ガラス板、PVFフィルムなどの透光性基板(または透光性フィルム)を用いれば良い。
【0047】
こうしてカバー材606を用意したら、乾燥剤609を添加した充填材610を介してカバー材606を貼り合わせる。貼り合わせ工程は図4に示した貼り合わせ装置を用いれば良い。その後、紫外線硬化樹脂でなるシール材611を用いてフレーム材612を取り付ける。本実施例ではフレーム材612としてステンレス材を用いる。最後にFPC613を取り付けてEL表示装置が完成する。
【0048】
〔実施例3〕
本実施例では、本願発明を単純マトリクス型EL表示装置に実施した場合の例について図7に示す。図7において、701はガラス基板、702は透明導電膜でなる陽極である。本実施例では、酸化インジウムと酸化スズとの化合物をスパッタ法により形成する。なお、図7では図示されていないが、複数本の陽極が紙面に垂直な方向へストライプ状に配列されている。
【0049】
陽極702の上には絶縁膜(本実施例では窒化珪素膜)703がフォトリソグラフィにより形成され、絶縁膜703の上にはアクリルもしくはポリイミド等の樹脂でなるスペーサー704が形成される。スペーサー704は逆三角形になるように形成する。逆三角形にするには、スペーサーとなる樹脂膜を積層構造で設け、下層ほどエッチングレートが速い膜とすれば良い。また、スペーサー704は紙面と垂直な方向が長手方向となるストライプ状に形成される。
【0050】
スペーサー704を形成したら、蒸着法によりEL層705及び陰極706を、真空を破らずに連続形成する。EL層705としては、陽極側から30nm厚のCuPc(銅フタロシアニン)、50nm厚のTPD(トリフェニルアミン誘導体)及び50nm厚のAlq(トリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体)を積層した構造とする。但し、膜厚はこれに限定されるものではない。また、陰極706としては120nm厚のMgAg(Mg:Ag=10:1の割合で共蒸着した合金)電極を用いる。これにより緑色発光のEL素子が形成される。
【0051】
EL層705及び陰極706はシャドーマスクを用いて蒸着するため、不必要な部分に成膜することなくEL層705及び陰極706を選択的に形成することができる。また、画素部ではスペーサー704によって画素707相互の分離が行われるため、高密度に画素707を集積化することができる。勿論、EL層705及び陰極706はスペーサー704に沿って紙面と垂直な方向が長手方向となるストライプ状に形成される。また、この構造では陰極706は陽極702に直交するように配列される。
【0052】
陰極706までを真空を破らずに形成したら、さらに真空を破らずに保護電極708としてアルミニウム膜でなる電極を形成する。保護電極708は陰極706に均一に電圧を加えるための導電体として機能する一方、陰極706の酸化を防ぐ保護膜としても機能する。なお、図示されないが、保護電極708は全ての陰極に同じ電圧を加えられるよう電気的に接続され、且つ、所定の電圧が加えられるように、後にFPCが取り付けられる部分まで配線が引き出されている。
【0053】
以上のようにして基板601上にEL素子を形成する。次に、乾燥剤709を添加した充填材710を介してカバー材711を貼り合わせる。貼り合わせ工程は図4に示した貼り合わせ装置を用いれば良い。その後、紫外線硬化樹脂でなるシール材712を用いてフレーム材713を取り付ける。本実施例ではフレーム材713としてステンレス材を用いる。最後にFPC714を取り付けてEL表示装置が完成する。
【0054】
なお、本実施例の構造ではEL素子から発した光がカバー材711の反対側に放射されるため、カバー材606は透光性であっても遮光性であっても良い。本実施例ではカバー材711としてガラス板を用いているが、プラスチック板、PVFフィルムなどの透光性基板(または透光性フィルム)またはセラミックス板、PVFでアルミニウム箔を挟んだフィルム等を用いれば良い。
【0055】
〔実施例4〕
本願発明を実施して形成されたEL表示装置は、自発光型であるため液晶表示装置に比べて明るい場所での視認性に優れ、しかも視野角が広い。従って、様々な電子装置の表示部として用いることができる。例えば、TV放送等を大画面で鑑賞するには対角30インチ以上(典型的には40インチ以上)のELディスプレイ(EL表示装置を筐体に組み込んだディスプレイ)の表示部として本願発明のEL表示装置を用いるとよい。
【0056】
なお、ELディスプレイには、パソコン用ディスプレイ、TV放送受信用ディスプレイ、広告表示用ディスプレイ等の全ての情報表示用ディスプレイが含まれる。また、その他にも様々な電子装置の表示部として本願発明のEL表示装置を用いることができる。
【0057】
その様な本願発明の電子装置としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、カーナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはコンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(LD)又はデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から見ることの多い携帯情報端末は視野角の広さが重要視されるため、EL表示装置を用いることが望ましい。それら電子装置の具体例を図8に示す。
【0058】
図8(A)はELディスプレイであり、筐体2001、支持台2002、表示部2003等を含む。本願発明は表示部2003に用いることができる。ELディスプレイは自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。
【0059】
図8(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。本願発明のEL表示装置は表示部2102に用いることができる。
【0060】
図8(C)は頭部取り付け型のELディスプレイの一部(右片側)であり、本体2201、信号ケーブル2202、頭部固定バンド2203、表示部2204、光学系2205、EL表示装置2206等を含む。本願発明はEL表示装置2206に用いることができる。
【0061】
図8(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2301、記録媒体(CD、LDまたはDVD等)2302、操作スイッチ2303、表示部(a)2304、表示部(b)2305等を含む。表示部(a)は主として画像情報を表示し、表示部(b)は主として文字情報を表示するが、本願発明のEL表示装置はこれら表示部(a)、(b)に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には、CD再生装置、ゲーム機器なども含まれうる。
【0062】
図8(E)は携帯型(モバイル)コンピュータであり、本体2401、カメラ部2402、受像部2403、操作スイッチ2404、表示部2405等を含む。本願発明のEL表示装置は表示部2405に用いることができる。
【0063】
図8(F)はパーソナルコンピュータであり、本体2501、筐体2502、表示部2503、キーボード2504等を含む。本願発明のEL表示装置は表示部2503に用いることができる。
【0064】
なお、将来的にEL材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
【0065】
また、上記電子装置はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。EL材料の応答速度は非常に高いため、EL表示装置は動画表示に好ましいが、画素間の輪郭がぼやけてしまっては動画全体もぼけてしまう。従って、画素間の輪郭を明瞭にするという本願発明のEL表示装置を電子装置の表示部として用いることは極めて有効である。
【0066】
また、EL表示装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする表示部にEL表示装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが望ましい。
【0067】
ここで図9(A)は携帯電話であり、本体2601、音声出力部2602、音声入力部2603、表示部2604、操作スイッチ2605、アンテナ2606を含む。本願発明のEL表示装置は表示部2604に用いることができる。なお、表示部2604は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
【0068】
また、図9(B)は音響再生装置、具体的にはカーオーディオであり、本体2701、表示部2702、操作スイッチ2703、2704を含む。本願発明のEL表示装置は表示部2702に用いることができる。また、本実施例では車載用カーオーディオを示すが、携帯型の音響再生装置に用いても良い。なお、表示部2704は黒色の背景に白色の文字を表示することで消費電力を抑えられる。
これは携帯型の音響再生装置において特に有効である。
【0069】
以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子装置に用いることが可能である。また、本実施例の電子装置は実施例1〜7に示したいずれの構成のEL表示装置を用いても良い。
【0070】
【発明の効果】
本願発明を実施することで、EL表示装置のEL素子の部分の劣化を効果的に抑制することができる。従って、信頼性の高いEL表示装置が得られる。また、そのような信頼性の高いEL表示装置を電子装置の表示部として用いることで、電子装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EL表示装置の上面構造を示す図。
【図2】 EL表示装置の断面構造を示す図。
【図3】 EL表示装置の断面構造を示す図。
【図4】 二重真空方式の貼り合わせ装置を示す図。
【図5】 EL表示装置の断面構造を示す図。
【図6】 EL表示装置の断面構造を示す図。
【図7】 EL表示装置の断面構造を示す図。
【図8】 電子装置の具体例を示す図。
【図9】 電子装置の具体例を示す図。
Claims (8)
- 基板と、
前記基板上に、ストライプ状に配列された第1電極と、
前記第1電極上のEL層と、
前記EL層上に、前記第1電極と直交するようにストライプ状に配列された第2電極と、
前記EL層および前記第2電極を覆うように設けられた充填材と、
前記充填材を介して前記基板と貼り合わされたカバー材と、
前記EL層、前記第2電極および前記カバー材が設けられていない部分に取り付けられた、前記第1電極と電気的に接続するフレキシブルプリントサーキットと、
を有し、
前記フレキシブルプリントサーキットが取り付けられた周囲では、前記カバー材の側面、前記充填材の側面、前記EL層側とは反対側の前記カバー材の面、および前記第1電極上に、シール材を介してステンレスでなるフレーム材が接着され、
前記フレキシブルプリントサーキットが取り付けられていない部分では、前記充填材の側面、前記基板および前記カバー材の側面、並びに前記基板および前記カバー材の、前記EL層側とは反対側の面に、前記シール材を介して前記フレーム材が接着され、
前記第1電極は、前記シール材および前記フレーム材と、前記基板との間を、前記基板表面に沿って延びており、
前記EL層は、前記充填材、前記カバー材、前記シール材および前記フレーム材によって、密閉空間に封入されていることを特徴とする表示装置。 - 請求項1において、
前記充填材には、乾燥剤が添加されていることを特徴とする表示装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記充填材は、ポリビニルクロライド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラルまたはエチレンビニルアセテートであることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記基板は、ガラス基板またはプラスチック基板であることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記カバー材は、ガラス板、アルミニウム板、ステンレス板、プラスチック板、ポリビニルフロライドフィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムであることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記カバー材には、遮光膜およびカラーフィルターが設けられていることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
前記EL層を複数有し、
隣り合う前記EL層の間および隣り合う前記第2電極の間には、スペーサーが設けられていることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
前記EL層を複数有し、
隣り合う前記EL層の間および隣り合う前記第2電極の間には、前記第1電極に接して窒化珪素膜が設けられていることを特徴とする表示装置。
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