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JP4643566B2 - N−アシルヒドラゾンのアリル化方法 - Google Patents
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JP4643566B2 - N−アシルヒドラゾンのアリル化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高い立体選択性をもって目的物を得ることが出来る、エナンチオ選択的にアリル化されたN−アシルヒドラジンの製造方法に関する。得られた化合物は、窒素−窒素結合を切断後、種々の官能基置換によりα−アミノ酸誘導体へと誘導することが出来る。
α−イミノエステルへのアリル化反応は、得られる生成物の様々な官能基変換が可能であるために、種々のα−アミノ酸誘導体を提供する有用な合成反応の一つである。しかしながら、エナンチオ選択的アリル化反応の成功例は極めて少ない。
Lectkaら、Jφrgensenらは、BINAP類と銅塩を組み合わせて調製される触媒が、窒素上がp−トルエンスルホニル基で保護されたα−イミノエステルのアリルシラン及びアリルスズをアリル化剤として用いるエナンチオ選択的なアリル化反応において、それぞれ収率85%、90%ee及び収率91%、83%eeと、有効に機能することを報告している (非特許文献1、非特許文献2)。
一方、一般にN−アシルヒドラゾンは、取り扱いの容易なイミン等価体として有機合成上価値のある化合物である。そこで、本発明者らは、先に、水を反応媒体として用いる有機合成反応の開発において、水の存在下では容易に加水分解されるα−イミノエステルの代わりにα−ヒドラゾノエステルを用いるアリル化反応が、フッ化亜鉛のキラルジアミン錯体によって効果的に促進されることを明らかにし、エナンチオ選択的なイミン類へのアリル化反応を水系溶媒中で初めて実現した (収率85%、90%ee;非特許文献3) 。 更に、同じく本発明者らは、銅塩とキラルジアミンからなる錯体が、α−イミノエステルのアリル化反応において有効に機能することを見出し、報告している (非特許文献4) 。
T. Lectka et al., J. Org. Chem., 1999, Vol.64, pp2168-2169. K.A. Jφrgensen et al., J. Org. Chem., 1999, vol.64, pp4844-4849. T. Hamada et al, Angew. Chem. Int. Ed., 2003, Vol.42, 3927-3930. Y. Nakamura et al. Org. Lett., 2003, Vol.5, 2481, unpublished results.
本発明は、エナンチオ選択的にアリル化されたN−アシルヒドラジンが効率的に得られる、新規なN−アシルヒドラゾンのアリル化方法を提供することを目的とする。
本発明は、一般式[1]
Figure 0004643566
[式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は−COOR(但し、Rは炭化水素基を表す。)を表し、Rはアシル基を表す。]
で示されるN−アシルヒドラゾンと、一般式[2]
Figure 0004643566
(式中、R及びRは共に水素原子を表すか、或いは何れか一方は水素原子を表し、他方は炭化水素基を表す。R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭化水素基を表す。また、RとRとでアルキレン環又は複素環を形成していてもよい。3個のXは、その何れもが塩素原子又は臭素原子を表すか、又は3個の内の2つが塩素原子又は臭素原子を表し、残りの1つがアルキル基を表す。)
で示されるアリル化試薬とを、キラルホスフィンオキシド類の存在下で反応させることを特徴とする、一般式[3]
Figure 0004643566
(式中、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ。)
で示される、エナンチオ選択的にアリル化されたN−アシルヒドラジンの製造方法に関する。
上記一般式[1]及び[3]において、Rで表される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基、及びRで表される−COORにおいてRで表される炭化水素基、並びに上記一般式[2]及び[3]においてR、R、R及びRで表される炭化水素基としては、飽和或いは不飽和の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が挙げられ、具体例としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10の単環、多環又は縮合環式のシクロアルキル基が挙げられ、より具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。
シクロアルケニル基としては、前記したシクロアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の三重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜30、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜15の単環、多環又は縮合環式のアラルキル基が挙げられ、より具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14の単環、多環又は縮合環式の芳香族炭化水素基が挙げられ、より具体的には、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
上記一般式[1]及び[3]において、Rで表される置換基を有していてもよい複素環基の複素環基としては、環中に少なくとも1個以上の窒素原子、酸素原子又は/及び硫黄原子を有し、1個の環の大きさが5〜20員、好ましくは5〜10員、より好ましくは5〜7員であって、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又はアリール基などの炭素環式基と縮合していてもよい飽和又は不飽和の単環、多環又は縮合環式のものが挙げられ、具体例としては、例えば、ピリジル基、チエニル基、フェニルチエニル基、チアゾリル基、フリル基、ピペリジル基、ピペラジル基、ピロリル基、モルホリノ基、イミダゾリル基、インドリル基、キノリル基、ピリミジニル基等が挙げられる。
上記一般式[1]及び[3]において、Rで表される置換基を有していてもよい炭化水素基及び置換基を有していてもよい複素環基の置換基としては、本発明に係る不斉アリル化反応に支障を来さない置換基であればどのような置換基でも良いが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、エーテル基、アミド基、シアノ基、シリル基等が挙げられる。
上記一般式[1]及び[3]において、Rで表されるアシル基としては、例えば、ベンゾイル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられるが、ベンゾイル基がより好ましい。
上記一般式[2]及び[3]において、RとRとでアルキレン環を形成している場合のアルキレン環としては、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等が挙げられる。
また、RとRとで複素環を形成している場合の複素環としては、例えば、上記Rで表される置換基を有していてもよい複素環基の複素環と同様のものが挙げられる。
上記一般式[2]において、3個のXは、その何れもが塩素原子又は臭素原子を表すか、又は3個の内の2つが塩素原子又は臭素原子を表し、残りの1つがアルキル基を表すが、残りの1つがアルキル基である場合のアルキル基としては、例えば、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
本発明で用いられる上記一般式[2]で示されるアリル化試薬の具体例としては、例えば、アリルトリクロロシラン、クロチルトリクロロシラン、メタリルトリクロロシラン、プレニルトリクロロシラン等が挙げられる。
本発明で用いられるキラルホスフィンオキシド類としては、例えば、下記一般式[4]
Figure 0004643566
(式中、R20及びR21はそれぞれナフタレン環上の置換基を示し、R20及びR21はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、Arはアリール基を表す。)
で示される、(R)−又は(S)−の2,2’−ビス(ジアリールホスフィノ)−1,1’−ビナフチルジオキシド類(以下、BINAPジオキシド類と略す。)が挙げられる。一般式[4]におけるナフタレン環上の置換基R20及びR21は、1個であってもよいが、2個以上存在していてもよい。
一般式[4]で示されるBINAPジオキシド類の好ましい例としては、例えば、R20及びR21が何れも水素原子であるBINAPジオキシド類が挙げられ、更に、一般式[4]におけるArがフェニル基であるBINAPジオキシド類やArがトリル基であるBINAPジオキシド類が好ましいものとして挙げられる。
BINAPジオキシド類の具体例としては、例えば、一般式[4]においてR20及びR21が何れも水素原子で、Arがフェニル基である(S)−BINAPジオキシド及び(R)−BINAPジオキシド、一般式[4]においてR20及びR21が何れも水素原子で、Arがトリル基である(S)−Tol−BINAPジオキシド及び(R)−Tol−BINAPジオキシド等が挙げられる。なお、Tolはトリル基の略である。
BINAPジオキシド類の使用量は、N−アシルヒドラゾンに対し、通常1当量以上、好ましくは1.5当量以上、より好ましくは2当量乃至それ以上である。
本発明で用いられるアリル化試薬の使用量は、N−アシルヒドラゾンに対し、通常1当量以上、好ましくは1.2当量以上、より好ましくは1.5当量乃至それ以上である。
本発明の製造法に係る反応は、通常、有機溶媒中で行われる。
反応に用いられる有機溶媒としては、例えばハロゲン化アルキル類等が好ましいものとして挙げられ、中でも塩化メチレンが特に好ましい。
反応温度は、通常−50℃以下、好ましくは−60℃以下、より好ましくは−70℃以下、更に好ましくは−78℃前後である。
反応時間は、反応温度や反応に使用するアリル化試薬、キラルホスフィンオキシド等の種類や使用量その他の反応条件等により自ずから異なり、一概には言えないが、通常、数時間〜十数時間である。
次に、本発明の製造方法についてその概略を述べる
先ず、反応基質であるN−アシルヒドラゾン類とキラルホスフィンオキシド類を溶媒に溶解又は懸濁して所定温度まで冷却し、そこへ攪拌下にアリル化試薬を加えた後、更に所定温度で攪拌を続ける。反応の停止はアミン化合物等の反応停止剤の添加等により行う。反応後は、有機溶媒による抽出、洗浄、乾燥脱水、濃縮、蒸留、各種クロマトグラフィーによる精製、乾燥などの、この分野で通常行われる後処理操作により生成物を単離、精製することが出来る。
なお、キラルホスフィンオキシド類を用いる本発明の製造法において、キラルホスフィンオキシド類の使用量を低減させる目的で各種の添加剤を併用することも可能である。
そのような添加剤としては、例えばアリル化試薬としてアリルトリクロロシラン、クロチルトリクロロシラン等を用いた場合に当該アリル化試薬のケイ素原子に配位し得る、ホスフィン類、例えば、トリn−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等が具体例として挙げられる。
本発明の製造法により得られる、下式
Figure 0004643566
(式中、Etはエチル基、Bzはベンゾイル基をそれぞれ表す。)
で示される(2R,3S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3−メチル−4−ペンテノエートは、比較的入手が困難なD−アロイソロイシンの前駆体となる。
上記前駆体を用いたD−アロイソロイシンの合成法を反応スキームで示すと、概略以下のようになる。
Figure 0004643566
上記スキーム中の還元反応としては、種々の水素化反応により実施可能であるが、中でもパラジウム等の貴金属触媒を用いた水素ガスによる接触水素化反応が好適である。
還元反応は、通常、エタノール等の反応溶媒中、通常室温で行われる。反応時間は、通常、10〜20時間程度である。収率は通常65〜85%位である。
続いて、窒素-窒素結合の切断を行うが、この反応は常法に従い、ヨウ化サマリウムを用いて行うのが好ましい。反応後の生成中間体はUV吸収が無く、単離の際に生成物の損失が懸念されるので、生成中間体の単離を行わずに、次の加水分解反応を行うのが好ましい。
ヨウ化サマリウムを用いた反応は、通常、THF−EtOH混合溶媒中、室温で行われる。反応時間は、通常、数十分程度ある。
加水分解反応は、例えば、水酸化リチウム等の強アルカリを用い、通常、室温で数十分程度撹拌することにより達成される。2工程の通算収率は、通常、約70%位である。
以上のように、キラルホスフィンオキシド類を用いる、本発明のN−アシルヒドラゾンのエナンチオ選択的アリル化反応は、効率的なα−アミノ酸誘導体の合成手法を提供するものであるということが出来る。
本発明の製造法によれば、エナンチオ選択的にアリル化されたN−アシルヒドラジンが効率的に得られるという点において、本発明は顕著な効果を奏する。また、得られたアリル化されたN−アシルヒドラジンの中には、比較的入手が困難なD−アロイソロイシンの前駆体となるものもあり、該前駆体からは、D−アロイソロイシンが比較的容易に且つ収率良く得られるので、本発明は、実用的なα−アミノ酸誘導体の合成手法を提供し得るものであるという点においても顕著な効果を奏する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
N−ベンゾイルヒドラゾノ酢酸エチルエステル(22.0mg,0.1mmol)と(S)−BINAPジオキシド(130.9mg,0.2mmol)の塩化メチレン溶液(1.5mL)を−78℃まで冷却し、これにアリルトリクロロシラン(22μL,0.15mmol)の塩化メチレン溶液(0.5mL)を加えた。同温度において12時間攪拌した後、トリエチルアミン(60μL,0.5mmol)の無水エタノール溶液(0.3mL)を添加して反応を停止し、室温まで昇温させた。反応液を塩化メチレンで3回抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで単離、精製(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)し、(R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−ペンテノエートを得た(23.6mg,収率:91%,98%ee)。
(2R,3R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3−メチル−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、アリルトリクロロシランの代りに、Z−クロチルトリクロロシランを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い、(2R,3R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3−メチル−4−ペンテノエートを得た(収率:96%、syn/anti=<1/>99、96%ee)。
[α]27 +117.1(c0.13,CHCl,95%ee);H NMR(300MHz,CDCl)δ1.10(d,3H,J=6.9Hz),1.22(t,3H,J=7.1Hz),2.60(sext,1H,J=6.8Hz),3.59(d,1H,J=6.8Hz),3.88−3.95(br,1H),4.09−4.29(m,2H),5.07(brd,1H,J=10.5Hz),5.08(brd,1H,J=17.3Hz),5.78(ddd,1H,J=8.5,10.5,17.5Hz),7.33−7.57(m,3H),7.64−7.83(m,2H),7.90(brs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ14.3,16.9,39.8,61.0,67.9,108.3,116.7,126.9,128.7,131.9,138.9,167.1,172.4;IR(neat)3288,2981,1733,1705,1404,1200,1029,921,694cm−1;HPLC(CHIRALPAK OD,0.46cmφ25cmL,ヘキサン/2−プロパノール=9/1,流速:1.0mL/min,UV検出:254nm)t=9.1分(2R,3R),t=10.7分(2S,3S)。
(2R,3S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3−メチル−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、アリルトリクロロシランの代りに、E−クロチルトリクロロシランを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い、(2R,3S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3−メチル−4−ペンテノエートを得た(収率:92%、syn/anti=98/2、>99%ee)。
[α]27 +36.0(c0.11,CHCl,89%ee);H NMR(300MHz,CDCl)δ1.08(d,3H,J=6.9Hz),1.22(t,3H,J=7.1Hz),2.70−2.81(m,1H),3.72(brd,1H,J=4.2Hz),4.08−4.26(m,2H),5.14(brd,1H,J=10.5Hz),5.16(brd,1H,J=18.5Hz),5.34(brs,1H),5.90(ddd,1H,J=6.5,10.1,17.1Hz),7.33−7.47(m,3H),7.63−7.67(m,2H),7.86(brs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ14.2,14.4,38.7,61.0,66.7,116.2,126.9,128.6,131.9,132.5,138.9,166.8,172.3;IR(neat)3292,3068,2979,1733,1557,1201,920,696cm−1;Anal.Calcd for C2013:C,65.20;H,7.30;N,10.14.Found:C,64.95;H,7.24;N,10.09;HPLC(CHIRALPAKOD,0.46cmφ 25cmL,ヘキサン/2−プロパノール=19/1,流速:1.0mL/min,UV検出:254nm)t=14.7分(2R,3S),t=16.5分(2S,3R)。
(R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−メチル−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、アリルトリクロロシランの代りに、メタリルトリクロロシランを用い、反応時間を6時間とした以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い(R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−メチル−4−ペンテノエートを得た(収率:83%、94%ee)。
H NMR(300MHz,CDCl)δ1.20(d,3H,J=7.3Hz),1.81(s,3H),2.33(dd,1H,9.7,14.0Hz),2.98(dd,1H,J=4.1,14.0Hz),3.88(brs,1H),4.03−4.20(m,2H),4.85(brd,2H,J=12.7Hz),7.33−7.46(m,3H),7.66−7.69(m,2H),8.14(br,2H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ14.1,21.6,39.4,60.2,61.1,114.6,126.9,128.6,131.9,132.5,140.6,167.0,173.0;IR(neat)3297,2924,1726,1639,1466,1384,1027,693、610cm−1;HPLC(CHIRALPAK OD,0.46cmφ 25cmL,ヘキサン/2−プロパノール=9/1, 流速:1.0mL/min,UV検出:254nm)t=8.7分(R),t=11.4分(S)。
(R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3,3’−ジメチル−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、アリルトリクロロシランの代りに、プレニルトリクロロシランを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い(R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3,3’−ジメチル−4−ペンテノエートを得た(収率:57%、32%ee)。
H NMR(400MHz,CDCl)δ1.09(t,3H),1.11(s,3H),1.21(t,3H,J=7.1Hz),2.56(s,1H),4.17(ddq,1H,J=2.0,3.7,7.1),5.08(d,1H,J=17.3Hz),5.10(d,1H,J=10.2Hz),5.93(dd,1H,J=10.3,17.3Hz),7.33−7.63(m,7H);13C NMR(100MHz,CDCl)δ14.3,22.1,25.3,39.6,60.8,70.9,113.7,126.8,128.6,131.9,132.5,144.0,167.2,171.9;IR(neat)3297,2924,1726,1638,1466,1384,1027,693,610cm−1;(CHIRALPAK OD,0.46cmφ 25cmL,ヘキサン/2−プロパノール=9/1, 流速:0.3mL/min,UV検出:254nm)t=25.6分(R),t=28.8分(S)。
(R)−イソプロピル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、N−ベンゾイルヒドラゾノ酢酸エチルエステルの代りに、N−ベンゾイルヒドラゾノ酢酸イソプロピルエステルを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い(R)−イソプロピル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−ペンテノエートを得た(収率:70%、97%ee)。
[α]27 +37.6(c0.30,CHCl,97%ee);H NMR(300MHz,CDCl)δ1.19(d,6H,J=5.7Hz),2.37-2.47(m,1H),2.52−2.59(m,2H),3.75(dd,1H,J=5.2,7.2Hz),4.46(brs,1H),4.98−5.23(m,2H),5.74−5.88(m,1H),7.34−7.48(m,3H),7.66−7.69(m,2H),8.07(brs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ21.8,35.1,62.1,68.9,119.0,126.9,128.7,131.9,132.4,132.7,166.8,172.0;IR(neat)3302,2981,1730,1643,1464,1105,694cm−1
(R)−シクロヘキシル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、N−ベンゾイルヒドラゾノ酢酸エチルエステルの代りに、N−ベンゾイルヒドラゾノ酢酸シクロヘキシルエステルを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い(R)−シクロヘキシル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−ペンテノエートを得た(収率:28%、98%ee)。
[α]29 +32.3(c0.11,CHCl,98%ee);H NMR(300MHz,CDCl)δ1.15−1.49(m,6H),1.64−1.69(m,2H),1.77−1.79(m,2H),2.42−2.49(m,1H),2.57−2.62(m,1H),3.81(brs,1H),4.76−4.83(m,1H),5.12−5.23(m,2H),5.76−5.86(m,1H),7.34−7.39(m,2H),7.42−7.48(m,1H),7.67−7.70(m,2H),8.18(brs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ23.6.25.2,31.5,35.0,62.1,73.9,77.2,119.2,120.7,132.1,132.2,132.5,162.6,166.7;IR(neat)3293,1734,1651,1541,1070,669cm−1
(R)−ベンジル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、N−ベンゾイルヒドラゾノ酢酸エチルエステルの代りに、N−ベンゾイルヒドラゾノ酢酸ベンジルエステルを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い(R)−ベンジル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−ペンテノエートを得た(収率:12%、91%ee)。
[α]24 −636.2(c0.04,CHCl,91%ee);H NMR(300MHz,CDCl)δ2.43−2.50(m,1H),2.56−2.65(m,1H),3.87−3.91(m,1H),3.83−4.02(br,1H),5.06−5.24(m,4H),5.71−5.82(m,1H),7.20−7.62(m,10H),8.11(brs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ34.8,62.2,67.9,77.2,119.4,126.9,127.0,128.4,128.5,128.66,128.69,132.1,132.3,135.3,166.8,171.9;IR(neat)3327,2346,1736,1633,1092,916,800,752,692cm−1;Anal.Calcd for C1920:C,70.35;H,6.21;N,8.64.Found:C,70.31;H,6.27;N,8.65。
(2S,3R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3,4−ジメチル−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、アリルトリクロロシランの代りにE−2−メチル−2−ブテニルトリクロロシランを、また(S)−BINAPジオキシドの代りに(R)−Tol−BINAPジオキシドを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い(2S,3R)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3,4−ジメチル−4−ペンテノエートを得た(収率:80%、syn/anti=98/2、96%ee)。
[α]28 −64.1(c0.10,CHCl,96%ee);H NMR(300MHz,CDCl)δ1.09(d,3H,J=7.0Hz),1.23(t,3H,J=7.0Hz),1.87(s,3H),2.68(qd,1H,J=7.0Hz),3.26(br,1H),3.87(d,1H,J=4.8Hz),4.08−4.26(m,2H),4.87(brs,1H),4.97(brs,1H),7.33−7.54(m,3H),7.63−7.66(m,2H),7.89(brs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ13.6,14.2,21.5,41.6,61.1,64.1,77.2,113.0,126.8,128.7,132.0,145.5,166.7,172.5;IR(neat)3296,2976,1734,1647,1460,1198,901,712cm−1;Anal.Calcd for C1622:C,65.88;H,7.63;N,9.52.Found:C,66.18;H,7.64;N,9.65;HPLC(CHIRALPAKOD,0.46cmφ 25cmL,ヘキサン/2−プロパノール=9/1,流速:0.8mL/min,UV検出:254nm)t=8.7分(2S,3R),t=10.0分(2R,3S)。
(2S,3S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3,4−ジメチル−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、アリルトリクロロシランの代りにZ−2−メチル−2−ブテニルトリクロロシランを、また(S)−BINAPジオキシドの代りに(R)−Tol−BINAPジオキシドを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い(2S,3S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3,4−ジメチル−4−ペンテノエートを得た(収率:80%、syn/anti=<1/>99、81%ee)。
[α]25 −74.8(c0.15,CHCl,72%ee);H NMR(300MHz,CDCl)δ1.04(d,3H,J=7.1Hz),1.22(t,3H,J=7.1Hz),1.80(s,3H),2.62(qd,1H,J=7.1,9.2Hz),3.77(d,1H,J=9.2Hz),4.27(qd,2H,J=1.1,7.1Hz),4.90(d,1H,J=6.1Hz),4.91(d,1H,J=6.1Hz),7.34−7.48(m,4H),7.64−7.68(m,2H),8.06(br,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ14.3,16.3,18.3,42.8,61.1,65.8,77.2,114.1,127.0,128.7,132.1,145.3,167.4,172.5;IR(neat)3311,1734,1651,1458,1093,903,696cm−1;HPLC(CHIRALPAK OD,0.46cmφ25cmL,ヘキサン/2−プロパノール=9/1,流速:0.8mL/min,UV検出:254nm)t=8.7分(2R,3R),t=10.4分(2S,3S)。
(S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−フェニル−4−ペンテノエートの合成
Figure 0004643566
実施例1において、アリルトリクロロシランの代りに2−フェニル−2−プロペニルトリクロロシランを、また(S)−BINAPジオキシドの代りに(R)−Tol−BINAPジオキシドを用いた以外は、実施例1と同様にして反応及び後処理を行い(S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−4−フェニル−4−ペンテノエートを得た(収率:50%、95%ee)。
[α]28 −36.5(c0.11,CHCl,97%ee);H NMR(300MHz,CDCl)δ1.19(t,3H,J=7.1Hz),2.82(dd,1H,J=8.3,14.3Hz),3.05(dd,1H,J=4.6,14.3Hz),3.70−3.83(m,1H),3.70−4.03(br,1H),4.07(q,2H,J=7.1Hz),5.26(brs,1H),5.38(brs、1H),7.19−7.45(m,8H),7.59−7.62(m,2H),7.88(brs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ14.1,36.8,61.3,77.2,116.3,126.9,127.9,128.5,128.6,132.0,132.3,139.9,143.7,162.3,166.6;IR(neat)3342,2927,1655,1460,1093,474cm−1;Anal.Calcd for C2022:C,70.50;H,6.68;N,8.27.Found:C,70.99;H,6.55;N,8.28;HPLC(CHIRALPAK OD,0.46cmφ 25cmL,ヘキサン/2−プロパノール=9/1, 流速:2.0mL/min,UV検出:254nm)t=5.9分(R),t=17.1分(S)。
参考例1 オレフィン基還元反応:
(2R,3S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3−メチル−4−ペンテノエート(116mg,0.4mmol)のエタノール溶液(5mL)に10%パラジウム活性炭(20mg)を加え、室温下にて12時間攪拌した。反応溶液を濾過し、パラジウム活性炭をエタノール(15mL)で洗浄した。濾液と洗浄液を併せて溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製、単離し、(2R,3S)−エチル 2−(N’−ベンゾイルヒドラジノ)−3−メチルペンタノエートを得た(80mg,収率:70%)。
Figure 0004643566
H NMR(400MHz,CDCl)δ0.92(d,3H,J=7.1Hz),0.94(t,3H,J=7.3Hz),1.17−1.33(m,1H),1.21(t,3H,J=7.3Hz),1.52−1.62(m,1H),1.83−1.92(m,1H),3.63(d,1H,J=4.15Hz),4.07−4.22(m,2H),4.22−5.00(brs,1H),7.32−7.36(m,2H),7.41−7.45(m,1H),7.65−7.70(m,2H),8.02(brs,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ11.8,14.2,14.9,26.2,36.7,60.9,67.0,126.8,128.6,131.8,132.6,166.8,173.2;IR(neat)3311,2968,1732,1651,1604,1579,1403,1201,1094,845,694cm−1
本発明の方法により効率的に得られるエナンチオ選択的にアリル化されたN−アシルヒドラゾンの中には、比較的入手が困難なD−アロイソロイシンの前駆体となるものもある。本発明の方法により得られる上記前駆体からは、D−アロイソロイシンが比較的容易に且つ収率良く得られる。従来のアロイソロイシンの合成手法は、何れも実用面では改善の余地があるので、実用的なα−アミノ酸誘導体の合成手法を提供し得るものであるという点において本発明は利用価値が高い。

Claims (10)

  1. 一般式[1]
    Figure 0004643566
    [式中、R は−COOR(但し、Rは炭化水素基を表す。)を表し、Rはアシル基を表す。]
    で示されるN−アシルヒドラゾンと、一般式[2]
    Figure 0004643566
    (式中、R及びRは共に水素原子を表すか、或いは何れか一方は水素原子を表し、他方は炭化水素基を表す。R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭化水素基を表す。また、RとRとでアルキレン環又は複素環を形成していてもよい。3個のXは、その何れもが塩素原子又は臭素原子を表すか、又は3個の内の2つが塩素原子又は臭素原子を表し、残りの1つがアルキル基を表す。)
    で示されるアリル化試薬とを、一般式[4]
    Figure 0004643566
    (式中、R 20 及びR 21 はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、Arはアリール基を表す。)
    で示される、(R)−又は(S)−の2,2’−ビス(ジアリールホスフィノ)−1,1’−ビナフチルジオキシド類の存在下で反応させることを特徴とする、一般式[3]
    Figure 0004643566
    (式中、R、R、R、R、R及びRは前記と同じ。)
    で示される、エナンチオ選択的にアリル化されたN−アシルヒドラジンの製造方法。
  2. 一般式[4]におけるR20及びR21が何れも水素原子である、請求項に記載の製造方法。
  3. 一般式[4]におけるArがフェニル基である請求項又はに記載の製造方法。
  4. 一般式[4]におけるArがトリル基である請求項又はに記載の製造方法。
  5. ホスフィン類を添加剤として反応系に加える、請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
  6. ホスフィン類が、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン又はアルキルジアリールホスフィンである請求項に記載の製造方法。
  7. 一般式[2]で表されるアリル化試薬がクロチルトリクロロシランである、請求項1〜の何れかに記載の製造方法。
  8. 一般式[2]で表されるアリル化試薬が2−メチル−2−ブテニルトリクロロシランである、請求項1〜の何れかに記載の製造方法。
  9. 一般式[2]で表されるアリル化試薬がアリルトリクロロシランである、請求項1〜の何れかに記載の製造方法。
  10. 請求項1〜の何れかに記載の製造方法に係る不斉アリル化反応を鍵反応とする、アロイソロイシンの製造方法
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