以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
本第1の実施形態の画像形成装置10は、図1に示すように、加熱定着ローラ52A及び加圧ローラ52Bを備えた定着装置52を含んで構成されており、ケーシング31によって被覆され略箱状に形成されている。
画像形成装置10の下部には、複数の用紙トレイ37(本実施の形態においては3つの用紙トレイ37A、37B、及び37Cを図示)が配設されている。それぞれの用紙トレイ37A、37B、及び37Cには、例えば、B5サイズ、B4サイズ、A4サイズ、及びA3サイズ等のサイズの異なる用紙48が備えられている。用紙トレイ37における用紙排出部近傍には半月ローラ39が配設されており、指定された用紙トレイ37から用紙48が一枚ずつ送り出され、複数の搬送ローラ対41によって所定方向に搬送される。また、画像形成装置10によって用紙12の両面(表面と裏面)への画像形成が指示された場合に、表面への画像形成が終了した用紙48の表裏を反転させる用紙反転部17が設けられている。
画像形成装置10の一方の側面には、必要に応じて用紙48を手差しで挿入する手差しトレイ25が配設されている。手差しトレイ25における用紙排出部近傍には、前述した用紙トレイ37と同様に半月ローラ39が配設されており、用紙48を一枚ずつ送り出すことができるようになっている。
画像形成装置10の上部には、定着装置52によって所望の画像が定着された用紙48が排出される排出トレイ27が設けられている。
画像形成装置10における用紙トレイ37の上部には、スキャナで原稿を読み取りかつ各種画像処理を施した画像データ(本実施の形態における画像形成装置10はカラー画像を対象としているため、画像処理を施すことによってイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の4色の画像データに変換される)に基づいて感光体33にビーム光を照射する光走査装置13、及び用紙48に所望の画像を定着する定着装置52等を含んで構成される画像形成部12が設けられている。
光走査装置13は、光源、回転多面鏡38、fθレンズ、シリンドリカルミラー、及び反射ミラー36等によって構成されている。図示しない光源から射出されたレーザ光は、回転多面鏡38によって偏向されかつfθレンズ、シリンドリカルミラー、及び反射ミラー等を介して感光体33に照射される。
また、感光体33の周囲には、帯電器39、ロータリー現像器49、IBTベルトにより構成された中間転写体43、感光体用クリーナー44及び図示しない除電ランプが配設されている。
感光体33は、図1に示される矢印A方向に定速回転する。帯電体39は、感光体33を一様にマイナス帯電する。また、ロータリー現像器49には、イエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の4色のトナー46Y、46M、46C、及び46Bが供給されている。中間転写体43は、複数のローラ47に巻き掛けられており、ローラ47が回転することによって図1に示される矢印B方向に一定速度で移動する。感光体用クリーナー44は、中間転写体43に転写されずに感光体33上に残留したトナーを除去する。さらに、除電ランプは、感光体用クリーナー44によって残留したトナーが除去された後に感光体33を除電する。
さらに、中間転写体43の周囲には、画像検出センサ51及び中間転写体用クリーナー50が配設されている。画像検出センサ51は転写部53よりも中間転写体43の回転方向上流側に設けられており、中間転写体43に形成されたトナー像の有無を検出するようになっている。中間転写体用クリーナー50は、転写部53よりも中間転写体43の回転方向下流側に設けられており、中間転写体43から用紙48へのトナー像の転写が終了した後に中間転写体43の表面に残留したトナーを除去するようになっている。
矢印A方向に回転する感光体33は、帯電器39によって一様にマイナス帯電され、光走査装置13から射出されるレーザ光によってまず第1色目の黒色の潜像が感光体33上に形成される。この潜像は、ロータリー現像器49の黒色の現像器によって黒色トナーで現像される。現像された黒色トナー像は中間転写体43に転写される。感光体33上に転写されずに残ったトナーは、図示しないクリーナーによって除去され、感光体33は除電ランプにより除電される。
そして、感光体33は再び帯電器39によって一様にマイナス帯電され、第2色目のイエローの画像形成が行われる。このようにして、第3色目のマゼンタ、第4色目のシアンまで計4色のトナー像が中間転写体26に順次転写される。4色のトナー像の中間転写体43への転写が完了した時点で、中間転写体43の表面に最終トナー像が形成される。
中間転写体43の下方には、中間転写体43に形成された最終トナー像を用紙48に転写する転写部53が設けられている。用紙48は、前述したように指定されたサイズの用紙48が備えられている用紙トレイ37から搬送ローラ対41によって転写部53まで搬送される。
転写部53の配設位置よりも用紙48の搬送方向下流側には、定着装置52が配設されている。定着装置52では、最終トナー像が転写された用紙38に加熱加圧処理を施すことによって所定の画像が用紙48上に形成される。
図2に示すように、光走査装置13は、レーザビームを射出するための半導体レーザ16、コリメータレンズ22、長方形の制限開口32が形成された光ビームを整形するためのスリット部材24を内蔵したレーザ出射ユニット14、及び光偏向器62を含んで構成されている。また、光走査装置13には、半導体レーザ16から出射されるレーザビームの光路に沿って、エキスパンダレンズ26、シリンドリカルレンズ28、及び折り曲げミラー30がマルチビームレーザ出射ユニット14側から順に配置されている。光偏向器62は、このベースとなる制御基板61を貫通して設けられた詳細を後述する回転体(ロータ)63、ロータ63に連結されロータ63により軸心38Cを中心として一方向へ回転するポリゴンミラー38、このポリゴンミラー38を回転するためのモータ70、及びモータ70の駆動制御を行うための駆動制御回路64を含んで構成されている。本実施の形態では、ポリゴンミラー38は、12面で構成されるものとして説明するが、12面に限られるものではない。
半導体レーザ16から出射したレーザビーム20は、円錐状に広がった後、コリメータレンズ22により略平行光となり、その後、光軸周辺のビームの一部のみが制限開口32を通過する。制限開口32を通過したレーザビームは、球面凹レンズであるエキスパンダレンズ26により拡散光とされた後、シリンドリカルレンズ28により主走査方向に直行する方向には集束光となる。その後、折り曲げミラー30により光路を曲げてfθレンズ34及びfθレンズ36を通過した後、ポリゴンミラー38に入射する。
ポリゴンミラー38は、周方向に複数の反射面38Aを備えて構成されており、ポリゴンミラー38の回転により反射偏向されたレーザビーム20は、fθレンズ34、fθレンズ36、及びシリンドリカルミラー40を介して、感光体33の走査開始位置(例えば、位置57)から主走査方向へと感光体33を走査する。なお、走査開始位置の近傍には、レーザ光の走査開始タイミングの同期をとるための光ビーム位置検出部58が配置されている。光ビーム位置検出部58は、レーザ光を反射する反射ミラー56と、レーザ光による主走査開始(Start Of Scan:SOS)のタイミングの同期をとるためにレーザ光を感知するセンサ部60が設けられており、レーザ光を感知しないときは高レベルの信号(以下、H信号という)を出力し、レーザ光を感知したときには低レベルの信号(以下、L信号という)を出力するようになっている。
感光体33は円柱状に形成され、その外周面がレーザビームに感応する感光面とされている。感光体33は、その軸方向(矢印A方向)がレーザビームの主走査方向と一致するように支持されている。すなわち、画像形成装置10では、レーザ出射ユニット14から出射されたレーザビーム20が感光体33上に各々光スポットとして収束し、この光スポットが主走査方向に沿って感光体33上を移動して主走査線上に沿って潜像が記録される。また、感光体33には副走査駆動手段(図示省略)が連結されており、この副走査駆動手段は、感光体33に対する1回の光走査装置13による主走査完了に同期し、感光体33を所定量だけ回転させる。これにより、感光体33が主走査方向及び副走査方向に走査されて、感光体33に静電潜像が形成される。
光偏向器62のロータ63は、図3及び図4に示すように、底面部が開口されかつその周縁部にフランジを有する円柱形状のカバー部材63Aを備えており、当該カバー部材63Aの中空部に面する内側面上には、N極及びS極が交互に連結されたリング状の駆動マグネット63Bが内接して設けられている。また、ロータ63のカバー部材63Aには、反射面を12面有する上記ポリゴンミラー38が、連結部材63Cによって回転軸66を共有するように連結されている。これにより、ポリゴンミラー38とロータ63とは回転軸66を中心に一体に回動可能とされている。なお、回転軸66は、制御基板61が設置されている光走査装置13の樹脂製のハウジング67に設けられた軸受68によって鉛直方向に支持されている。
さらに、制御基板61上において、駆動マグネット63Bの内周部の円周方向に対向する位置にはステータコイル69が固設されており、駆動マグネット63Bの鉛直方向下方に対向する位置にはロータ63の回転位置検出器としてのホール素子56が3つ(ホール素子56A、56B、及び56C)設けられている。なお、本実施の形態では、駆動マグネット63Bは、12分割で着磁され、各ホール素子56A、56B、及び56Cは、80°の位相角で配置されている。
すなわち、光偏向器62では、上記回転軸66を含むロータ63、ステータコイル69、及びホール素子56によってブラシレスモータ(以下、モータという。)70が構成されている。なお、この場合ステータコイル69は3相(U相、V相、及びW相)であることが好ましい。
図5に示すように、モータ70の駆動制御を行うための駆動制御回路64は、PLL制御部71、ローパスフィルタ(以下LPFという)72、パルス幅変調器73、発振器76、ドライブ回路74、及びアンプ75を含んで構成されている。駆動制御回路64は、画像形成装置10全体を制御するための制御回路基板80に接続されている。
制御回路基板80は、画像形成装置10に設けられている各デバイス各々を制御するための制御部77、予め定められた周波数のクロックを発振するための水晶発振器78、及び設定されたモータ70の回転速度に応じた周波数となるように、水晶発振器78から出力された予め定められたクロックの周波数を分周するための、分周器79を含んで構成されている。制御部77には、画像形成装置10における画像形成速度を示す画像形成速度情報及び各種情報を入力するための入力部81がデータ授受可能に接続されている。
画像形成速度情報は、白黒画像形成、カラー画像形成、書込密度、及び画像形成速度等の入力された情報に基づいて用紙48に画像を形成するためには画像形成速度の変更が必要となるような情報である。本実施の形態では、白黒画像形成を示す白黒画像形成情報またはカラー画像形成を示すカラー画像形成情報が入力されるものとして説明する
制御部77は、図示を省略するメモリを備えており、各画像形成速度情報に、各画像形成速度に対応するポリゴンミラー38の回転速度に応じた周波数(詳細後述)を示す周波数情報が対応付けて予め記憶されている。
本実施の形態では、水晶発振器78は、9.0MHzの周波数のクロックを出力する。分周器79には、入力部81から入力された画像形成速度情報に応じた目標回転速度(以下、回転速度という)に応じた周波数となるように分周器79の分周数を変更するように制御すると共に、画像形成装置10全体を制御するための制御部77が接続されている。分周器79は、制御部77の制御によって、分周数が変更されて、水晶発振器78から出力されたクロックを分周し、ポリゴンミラー38の回転速度に応じた周波数の回転基準信号を出力する。
PLL制御部71の一方の入力端子は、分周器79を介して水晶発振器78の出力端子に接続されている。PLL制御部71の他方の入力端子は、複数のホール素子56Aの内の、1つにアンプ75を介して接続されている。PLL制御部71の出力端子は、LPF72を介してパルス幅変調器73の一方の入力端子に接続されている。パルス幅変調器73の他方の入力端子は、発振器76の出力端子に接続されており、パルス幅変調器73の出力端子は、ドライブ回路に接続されている。なお、ホール素子56A、56B、及び56Cは、各々ドライブ回路74に接続されており、ドライブ回路74には、モータ70の3相のステータコイル69が接続されている。
水晶発振器78から出力されたクロックが、分周器79によって制御部77から入力された回転速度に応じた周波数となるように分周されて、回転速度に応じた周波数の基準クロックがPLL制御部71へ入力されると、PLL制御部71では、入力された回転速度に応じた周波数の基準クロックと、ホール素子56Aからの出力信号とを比較して、位相及び周波数が同一となるように位相比較信号を出力する。LPF72は、PLL制御部71から出力された位相比較信号を積分電圧に変換して、回転制御電圧信号をパルス幅変調器73へ出力する。パルス幅変調器73では、LPF72から入力された回転制御電圧信号と、詳細を後述する予め定められた周波数のPWMクロックを発振する発振器76から入力されたPWMクロックとに基づいて、パルス幅変調したデジタル信号を、パルス幅変調信号(以下、PWM信号という)としてドライブ回路74へ出力する。なお、本実施の形態では、PWMクロックの周波数とPWMクロックの周波数に位相関係を持たせないものとする。ドライブ回路74は、ホール素子56A、56B及び56C各々から入力されたホール信号及び、入力されたPWM信号に基づいて、3相のステータコイル69各々にPWM信号電圧に比例した駆動電流を、モータ70のステータコイル69へ供給する。
具体的には、例えば、図6に示すように、ホール素子56A、56B及び56C各々から入力されたホール信号H1、H2、及びH3各々に応じて、3相のステータコイル69のU相、V相、及びW相各々に、各ホール信号H1、H2、及びH3各々がローレベルからハイレベルに切り替わったときに、対応する各U相、V相、及びW相各々から電流を引き込み、各ホール信号H1、H2、及びH3各々がハイレベルからローレベルに切り替わったときに、対応する各U相、V相、及びW相各々へPWM信号電圧に比例した駆動電流を供給する。
また、ドライブ回路74は、ホール素子56A、56B、及び56Cから入力されるホール信号を回転検知信号として、モータ70の回転を検知する。図6に示したように、ホール素子56A、56B、及び56Cから入力されるホール信号によって、ステータコイル69に供給される電流の流れは、V相からU相、W相からU相、W相からV相、U相からV相、U相からW相、V相からW相、及びV相からU相というように切替えられる。本実施の形態では、切替えパタンの一周期でモータ70は1/6回転する。
このように駆動制御回路64及び制御回路基板80を構成することによって、モータ70は、その回転速度を入力部81によって入力された画像形成速度情報に応じた回転速度で回転するように制御される。すなわち、モータ70の回転速度を制御することによって、ポリゴンミラー38を回転させて、各反射面へのレーザ光の入射角を連続的に変化させることにより、レーザ光を偏向してミラー28側に送りつつ、主走査方向に沿って各現像ユニットにおける感光体33上に照射することができる。
ここで、PLL制御部71には、モータ70の回転速度に応じた周波数の基準クロックが入力されるが、この周波数は、予めホール素子56A、56B、及び56Cから入力されるホール信号が、モータ70の一回転に対して何パルス発生するかを考慮して予め定められる。すなわち、基準クロックの周波数は、画像形成装置10の構造と、モータ70の回転数に応じて予め定められる。
なお、本実施の形態では、モータ70が1回転するときに、6サイクルのホール信号(モータ70の回転検知信号)を発生するため、モータ70を例えば2000回転/分で回転させるには、基準クロックの周波数frefは、fref=20000(rpm)×6(パルス)/60(秒)=2000(Hz)となる。
一方、発振器76から出力されるPWMクロックの周波数は、通常20KHzから50KHzの範囲が予め設定される。これは、上述のようにドライブ回路74は、PWM信号の振幅に応じてドライブ回路74に含まれる図示を省略したスイッチング回路の切替え制御によってモータ70への電流の入出力を切替えているので、可聴範囲の周波数を設定するとモータ70から騒音が発生するという問題があるためである。但し、周波数が高くなると、ドライブ回路74に含まれる図示を省略したスイッチング回路(トランジスタ)のスイッチング速度が追いつかなくなり、ドライブ回路74が発熱して損失が大きくなるという問題があるため、PWMクロックの周波数としては、ドライブ回路74の駆動能力内で且つ可聴周波数以上の周波数として、通常20KHzから50KHzの範囲が予め設定される。
なお、PWMクロックを出力する発振器76は、製造時に特定の周波数のPWMクロックを出力するように設定される。
また、本実施の形態の画像形成装置10では、白黒画像形成時には、画像形成速度が203.2mm/s、カラー画像形成時には、画像形成速度158.75mm/sで書込みが行われるものとする。なお、このとき書込み密度は600dpiであるものとする。
書込密度600dpiで白黒画像を形成する時に画像形成速度が203.2mm/sであるとすると、モータ70の回転数は、24000.0rpmであることから、基準クロックの周波数frefは、2400.0Hzとなり、基準クロックの周期は416.7μsとなる。なお、この場合、周波数2400.0Hzの基準クロックは、水晶発振器78から出力された周波数9.0MHzのクロックを、分周器79によって3750分周することによって生成される。
また、本実施の形態の画像形成装置10では、書込密度600dpiでカラー画像を形成する時には、画像形成速度が158.75mm/sであるとすると、この画像形成速度のときの、モータ70の回転数は、18750.0rpmであることから、基準クロックの周波数frefは、1875.0Hzとなり、基準クロックの周期は、533.3μsとなる。なお、この場合、周波数1875.0Hzの基準クロックは、水晶発振器78から出力された周波数9.0MHzのクロックを、分周器79によって4800分周することによって生成される。
なお、制御部77の図示を省略するメモリには、白黒画像形成情報に対応付けて、基準クロックの周波数情報2400.0Hzが格納されるとともに、カラー画像形成情報に対応付けて、基準クロックの周波数情報1875.0Hzが格納されるものとする。なお、メモリに記憶される画像形成速度情報及び周波数情報はこのような値に限られるものではない。
図9には、PWMクロックの周波数として2種類の周波数37.5KHz、及び31.0KHzを定め、PWMクロックの周波数がこれら各々の値のときに、基準クロックの周波数を変化させることによってモータ70の回転数を変化させたときの、用紙48上に形成される画像の主走査方向の揺らぎ(以下、ジッタという)(図12参照)発生量の測定結果を示した。
なお、図8に示すように、モータ70の回転数の制御は、PWMクロックの周波数を37.5KHzに定めた場合(図8(A))、及び31.0KHzに定めた場合(図8(B))各々について、各周波数の整数(N)倍となるような周波数の基準クロックを印加することによって行った(詳細後述)。
この結果、PWMクロックの周波数が37.5KHzのときには、図9に示す実線90の結果が得られ、PWMクロックの周波数が31.0KHzのときには、図9に示す点線92の結果が得られた。
図9に示されるように、モータの回転数が大きくなるほど、ジッタの発生量は低下するが、モータの回転速度が低速になるほど、ジッタの発生量は大きくなっている。特に、モータ70の回転速度が低速になるほど、形成される画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動がポリゴンミラー38に発生していることを示す10μm以上のジッタが発生していることがわかる。
詳細には、画像形成速度が高速の203.2mm/s(白黒画像形成時)であるときのモータの回転数24000.0rpmのときの、ジッタの発生量は10μm以下であるため、形成される画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動はポリゴンミラー38に発生していない。しかし、画像形成速度が低速の158.75mm/s(カラー画像形成時)であるときのモータの回転数18750.0rpmのときの、ジッタの発生量は、10μmを超える値となっており、形成される画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動がポリゴンミラー38に発生しているといえる。
すなわち、より低速回転となるほどポリゴンミラー38の回転速度変動による画質劣化の影響が大きくなるといえる。
また、図9の実線90及び点線92の各々に示されるように、ジッタの発生量は、PWMクロックの周波数と基準クロックの周波数の整数(N)倍とが近接するような回転数のときに大きくなっていることが分かる。
ポリゴンミラー38の回転速度変動(ビート)の周波数は、PWMクロックの周波数と基準クロックの周波数の整数(N)倍との差によって求められる。なお、このときのNの値は、基準クロックの周波数のN倍とPWMクロックの周波数との値が最も近くなるような値に定められる。この差が大きくなるほど、ポリゴンミラー38のビートの周波数は高周波となるため、画質劣化に影響を及ぼすようなジッタは発生しない。しかしながら、この差が小さくなると、ビートの周波数は低い周波数となるため、画質に影響を及ぼすようなジッタとなる。
そこで、本実施の形態では、特に低速回転時として、カラー画像形成時の低速の画像形成速度158.75mm/sを実現するためのモータ70の回転数18750.0rpmを実現するための基準クロックの周波数1875.0Hzの、整数倍と一致するような周波数となるようにPWMクロックの周波数として、上記37.5KHzを予め定めた場合と、基準クロックの周波数1875.0HzのN倍(Nは整数)とN+1倍との中間となるような周波数となるようにPWMクロックの周波数として、31.0KHzを予め定めた場合各々について、モータ70の回転数を変化させたときのジッタの発生量を測定した。
図9の実線90に示すように、PWMクロックの周波数を37.5KHzに予め定めた場合、カラー画像形成時の低速の画像形成速度158.75mm/sを実現するためのモータ70の回転数18750.0rpmのときのジッタ発生量は、ポイント90Aに示すように、10μm以上となり、形成される画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動がポリゴンミラー38に発生していることを示している。
なお、このとき、白黒画像形成時の高速の画像形成速度203.2mm/sを実現するためのモータ70の回転数24000.0rpmのときの、基準クロックの周期は、図8(A)に示すように、PWMクロックの周期の16倍の周期となるように基準クロックの周期を調整したときのモータの回転数23438rpmと、PWMクロックの周期の15倍の周期となるように基準クロックの周期を調整したときのモータの回転数25000rpmとの中間の値となっている。このときのジッタの発生量は、図9のポイント90Bに示すように、10μm以下となっており、画像品質に影響を及ぼす程の回転速度変動は発生していないことがわかる。
一方、図9の点線92に示すように、PWMクロックの周波数を31.0KHzに予め定めた場合、カラー画像形成時の低速の画像形成速度158.75mm/sを実現するためのモータ70の回転数18750.0rpmのときのジッタ発生量は、ポイント92Aに示すように、10μm以下となり、形成される画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動はポリゴンミラー38に発生していないことが分かる。
なお、このとき、白黒画像形成時の高速の画像形成速度203.2mm/sを実現するためのモータ70の回転数24000.0rpmのときの、基準クロックの周期は、図8(B)に示すように、PWMクロックの周期のN倍の周期とは一致しない。このときのジッタの発生量は、図9のポイント92Bに示すように、10μm以下となっており、画像品質に影響を及ぼす程の回転速度変動は発生していないことがわかる。
そこで、本発明の画像形成装置10では、画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動がポリゴンミラー38に発生することを抑制するために、発振器76の周波数を、特に低速環境下で画像を形成するとき、すなわち、ポリゴンミラー38の低速回転時に、この低速回転を実現するための基準クロックの周波数の、N倍(Nは整数)とN+1倍との中間となるような周波数(例えば、31.0KHz)に、予め設定した。
なお、この低速とは、図9に示すように、ポリゴンミラー38の回転数が、画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動が発生する閾値以下であるときの画像形成速度及び回転数(回転速度)であって、例えば、ジッタの発生量10μm以下となるように予め測定結果によって定められた範囲の速度を示す。
次に本実施の形態の作用について説明する。
画像形成装置10の図示を省略した電源スイッチにより画像形成装置10に電力が供給されると、制御部77では、図10に示す処理ルーチンが実行されてステップ100へ進み、ユーザによる入力部81の操作指示によって、画像形成速度を示す画像形成速度情報が入力されると、ステップ102へ進む。画像形成速度情報としては、白黒画像形成、カラー画像形成、書込密度、及び画像形成速度等の、画像形成装置10側で入力された情報に基づいて用紙に画像を形成するためには画像形成速度の変更が必要な情報である。本実施の形態では、白黒画像形成を示す白黒画像形成情報またはカラー画像形成を示すカラー画像形成情報が入力される。
次のステップ102では、上記ステップ100で取得した画像形成速度情報に応じた、基準クロックの周波数情報を図示を省略したメモリから読取り、読取った周波数情報の周波数となるように、水晶発振器78から出力されるクロックの周波数を分周するための分周数を示す情報を分周器79へ出力する。分周器79では、分周数を示す情報が入力されると、入力された分周数に基づいて水晶発振器78から出力されるクロックの周波数を、上記ステップ100で入力された画像形成速度情報に応じた周波数となるように分周した基準クロックを駆動制御回路64のPLL制御部71へ出力する。
基準クロックがPLL制御部71へ入力されると、PLL制御部71では、入力された基準クロックと、ホール素子56Aからの出力信号(回転検知信号)とを比較して、位相及び周波数が同一となるように位相比較信号を出力する。LPF72は、PLL制御部71から出力された位相比較信号を積分電圧に変換して、回転制御電圧信号をパルス幅変調器73へ出力する。パルス幅変調器73では、LPF72から入力された回転制御電圧信号と、ポリゴンミラー38の低速回転時にこの低速回転を実現するための基準クロックの周波数のN倍(Nは整数)とN+1倍との中間となるような周波数(例えば、31.0KHz)に発振する周波数が予め設定された発振器76から入力されたPWMクロックとに基づいて、パルス幅変調したデジタル信号をPWM信号としてドライブ回路74へ出力する。ドライブ回路74は、ホール素子56A、56B及び56C各々から入力されたホール信号及び、入力されたPWM信号に基づいて、3相のステータコイル69各々にPWM信号電圧に比例した駆動電流を、モータ70のステータコイル69へ供給する。
このように制御することによって、モータ70は、その回転速度を入力部81によって入力された画像形成速度情報に応じた回転速度で回転するように制御される。
次のステップ104では上記ステップ100で取得した画像形成速度情報に応じた画像形成速度で画像を形成するように、画像形成装置10に設けらている感光体33の回転制御やその他各種デバイスの制御を行うとともに、入力された回転速度に応じた回転速度で回転するポリゴンミラー38に画像データに応じたレーザ光を射出するように光走査装置13を制御することによって、上記ステップ100で設定された画像形成速度で記録用紙に画像を形成した後に、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本発明の画像形成装置10では、画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動がポリゴンミラー38に発生することを抑制するために、発振器76の周波数を、特に低速環境下で画像を形成するとき、すなわち、ポリゴンミラー38の低速回転時に、この低速回転を実現するための基準クロックの周波数のN倍(Nは整数)とN+1倍との中間となるような周波数にPWMクロックの周波数を予め定めたので、ポリゴンミラー38の回転速度変動を抑制することができ、ジッタの発生を抑制することができる。
例えば、上記実施の形態で説明したように、基準クロックとPWMクロックとの間に位相関係を持たせない場合(図7(A)参照)には、カラー画像形成時の低速の画像形成速度158.75mm/sを実現するためのモータ70の回転数18750.0rpmを実現するための基準クロックの周波数が1875.0Hzであるときに、PWMクロックの周波数を、基準クロックの周波数の整数倍(20倍)の周波数37.5KHzに近接する周波数として37.8KHzに定めたとすると、ビートの周波数はPWM周波数と基準クロックの整数倍の周波数との差となり、最も長い周期で37.8KHz―(1875Hz×20)=300Hzとなる。また、ビートの周期は333μsとなり、画質に影響を及ぼすようなジッタが発生する。
これは、ポリゴンミラー38の回転速度変動(ビート)の周波数は、PWMクロックの周波数と基準クロックの周波数の整数(N)倍との差によって求められる。なお、このときのNの値は、基準クロックの周波数のN倍とPWMクロックの周波数との値が最も近くなるような値に定められる。この差が小さくなるほど、ビートの周波数は低い周波数となるため、画質に影響を及ぼすようなジッタとなるためである。
一方、PWMクロックの周波数と基準クロックの整数倍の周波数との差が、基準クロックの周波数の整数倍となるような周波数に近接するような値にPWMクロックの周波数を定めた場合のPWMクロックと基準クロックの周波数の差より大きくなるほど、ビートは高周波となるので、ビート周期は短くなり、画質劣化は目立たなくなる。
本実施の形態では、基準クロックの周波数のN倍(Nは整数)とN+1倍との中間となるような周波数にPWMクロックの周波数を予め定めているので、ポリゴンミラー38の回転速度変動によるジッタの発生を抑制することができ、画質劣化を抑制することができる。
なお、上記実施の形態で説明したように、基準クロックとPWMクロックとの間に位相関係を持たせない場合について説明したが、基準クロックとPWMクロックとを同期式にした場合についても同様に、基準クロックの周波数のN倍(Nは整数)とN+1倍との中間となるような周波数にPWMクロックの周波数を予め定めれば、ポリゴンミラー38の回転速度変動によるジッタの発生を抑制することができ、画質劣化を抑制することができる。
図7(B)に示すように、基準クロックとPWMクロックとを同期式にした場合に、基準クロックの出力タイミングとPWMクロックの出力タイミングとを同期させる(リセットさせる)必要があるが、実際には、完全に同期させることは難しい。具体的には、このリセットタイミングのずれが数ns以下の単位で発生することが知られている。しかし、基準クロックの周波数のN倍(Nは整数)とN+1倍との中間となるような周波数にPWMクロックの周波数を予め定めれば、ポリゴンミラー38の回転速度変動によるジッタの発生を抑制することができ、画質劣化を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、白黒画像形成を示す白黒画像形成情報またはカラー画像形成を示すカラー画像形成情報が入力される場合を説明したが、このような形態に限られるものではない。
例えば、用紙の厚み及び書込み密度を示す情報等の画像形成情報各々を入力可能としてもよい。この場合、各画像形成情報情報に応じた画像形成速度を実現するためのポリゴンミラー38の回転速度に応じた基準クロックの周波数を示す周波数情報を、予め制御部77の図示を省略したメモリに記憶するとともに、PWMクロックの周波数を、用紙の厚み及び書込み密度を示す情報等に応じた画像形成速度の内、画像品質に影響を及ぼす程度の回転速度変動が発生する閾値を予めジッタの発生量の測定結果から求めて、この閾値以下の画像品質に影響を及ぼす画像形成速度に対応する基準クロックの周波数各々の整数倍と一致しないように、PWMクロックの周波数を予め定めるようにすればよい。
このようにすれば、入力部81によって画像形成速度を変更する必要が生じるような情報が入力された場合であっても、ポリゴンミラー38の回転速度変動を抑制することができるので、回転速度変動による画質低下を抑制することができる。