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JP4645579B2 - 自動変速機を搭載した車両の制御装置および制御方法、その制御方法を実現するプログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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JP4645579B2 - 自動変速機を搭載した車両の制御装置および制御方法、その制御方法を実現するプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

自動変速機を搭載した車両の制御装置および制御方法、その制御方法を実現するプログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、自動変速機を搭載し、車両の走行状態に基づいてフューエルカット制御を実行する車両の制御に関し、特に、ロックアップクラッチの状態により変速中のフューエルカット制御の実行可否を判断して、燃費を向上させるとともに変速ショックを低減させる制御に関する。
車両のパワートレーンを構成する要素として、自動変速機がある。この自動変速機は、エンジンの出力側に設けられたトルクコンバータなどの流体継手と、その駆動輪側に設けられた歯車式の有段の変速機構や、ベルト式やトラクション式などの無段の変速機構とから構成される。
有段の変速機構は、たとえば、エンジンのスロットル開度(アクセル開度)および車速に基づいて自動的に動力伝達経路を切換え、自動的に変速ギヤ段を切換える。より具体的には、複数の摩擦係合要素(変速機構内のクラッチやブレーキ)が油圧により係合状態および解放状態のいずれかの状態に制御されて動力伝達経路が切換えられる。
ベルト式の無段の変速機構は、たとえば、アクセル開度および車速に基づいて自動的にベルトが巻き掛けられたプーリの径を変化させて、自動的に変速比を切換える。
このような自動変速機を有した車両には運転者により操作されるシフトレバーが設けられ、シフトレバー操作に基づいて変速ポジション(たとえば、後進走行ポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション)が設定され、このように設定された変速ポジション内(通常は、前進走行ポジション内)において自動的に変速制御が行なわれる。たとえば、車速とスロットル開度とをパラメータとして、アップシフト変速線とダウンシフト変速線とを設定しておいて、車速およびスロットル開度に基づいて、変速線と交差するとアップシフト変速またはダウンシフト変速が実行される。
トルクコンバータは、流体継手とも呼ばれ、その内部に封入された作動油を介して、エンジン側のポンプインペラーの回転が変速機側のタービンランナーの回転へと動力伝達される。さらに、トルクコンバータには、ロックアップクラッチを備えるものが多い。ロックアップクラッチはトルクコンバータの駆動側の部材(エンジン側のポンプインペラー)と従動側の部材(変速機構側のタービンランナー)とを機械的に直接連結するものである。そのため、燃費の向上と乗心地とを両立させることができる。このようなロックアップクラッチを係合させるロックアップ領域を、たとえば車速とスロットル開度とに基づいて設定している。
ところで、たとえば、車両の減速走行においては、エンジン出力(以下においては、エンジン出力をエンジントルクと同義に用いることがある)をあまり必要としないことから、減速状態、エンジン回転数、エンジン冷却水温等の運転状態に応じて、減速状態の場合にエンジンへの燃料供給を中止する、いわゆるフューエルカット制御を実行して、燃料消費の低減により燃費向上を図っている。このフューエルカット制御は、走行性能や乗心地を損なわない範囲でエンジンに対する燃料の供給を可及的に少なくして燃費を向上させる制御である。一般的には、エンジンがアイドリング状態にある減速中にエンジン回転数が予め定められた範囲に入る(フューエルカット回転数以上)ことにより、燃料の供給を停止している。具体的には、走行中にスロットルバルブが閉じられて(減速走行)、かつ、エンジン回転数がフューエルカット回転数以上であると、燃料の供給を停止する。また、エンジン回転数が低下してその範囲の下限を規定している復帰回転数(フューエルカット復帰回転数)に達するとエンジンストールを防止するために燃料の供給を再開する。
なお、近年では、このフューエルカット制御を長引かせるために、上述したロックアップクラッチを係合状態(直結状態)やスリップ状態(入力側のポンプ回転数(エンジン回転数に対応)と出力側のタービン回転数との回転差に応じて、ロックアップクラッチの締結力(係合圧)を所定の状態にフィードバック制御される半係合の状態)として、エンジン回転数の低下を遅らせて、さらなる燃費の向上が図られることもある。なお、上述のように、スリップ状態とは半係合の状態であるので係合状態に含めて説明する。
特許第2601000号公報(特開平4−112936号公報、特許文献1)は、減速時にフューエルカット制御を実行するエンジンと自動変速機の総合制御装置であって、アクセル足離し操作時にフューエルカットの有無による変速ショックのバラツキを防止する総合制御装置を開示する。この総合制御装置は、アクセル足離し操作した時に車速が基準値以上であるという条件を含んでフューエルカットを開始するフューエルカット制御部を備えたエンジンと、車速の増加およびアクセル開度の低下に応じてアップシフトするように設定したアップシフト変速線を有する変速スケジュールに基づき変速する変速制御部とを備えた自動変速機の総合制御装置であって、アクセル操作を検出するアクセル操作検出部と、車速を検出する車速検出部と、アクセルを足離し操作した時に車速が基準値以上である運転状態であっても、変速スケジュール上、アップシフト線によってアップシフトすべきと判断されて変速指令が発せられた場合には、フューエルカット制御の開始を禁止する総合制御部とを備える。
走行中にアクセルを足離し操作した場合であって車速が基準値以上であると検出された場合には、変速制御部においてアップシフトの変速指令が発生られていないことを条件としてフューエルカット制御が開始され、燃費の向上が図られる。一方、走行中にアクセルを足離し操作した時であって車速が基準値以上であると検出された場合であっても、変速スケジュール上、アップシフト線によってアップシフト変速指令が発せられた場合には、フューエルカット制御の開始が禁止される。このため、フューエルカット制御とアップシフト変速制御をそれぞれ独立して行なう場合、基準値前後の車速域でアクセルを足離し操作した時でアクセル開度の低下によりアップシフトの変速が行なわれる時には、車速が基準値以上であればフューエルカットされ、車速が基準値未満であればフューエルカットが実行されないということになり、フューエルカットの有無によりアップシフトの変速ショックにバラツキが出ていた。この総合制御装置によると特許文献1に開示された総合制御装置によると、アクセル足離し操作時は車速が基準車速以上であってもアップシフトの変速指令が発せられた場合には、一律にフューエルカットの開始を禁止する。これにより、フューエルカットの有無によりアップシフトの変速ショックにバラツキが発生することを防止できる。
特許第2601000号公報(特開平4−112936号公報)
燃料カット制御と変速制御をそれぞれ独立して行なうと、基準値前後の車速域においてアクセルを足離し操作した時のアクセル開度の低下によりアップシフト変速が行なわれる。この時に、車速が基準値以上であれば燃料カットされ、車速が基準値未満であれば燃料カットが実行されないということになり、燃料カットの有無によりアップシフトの変速ショックにバラツキが出る。このことを、上述した特許文献1においては、アップシフト変速が行なわれる場合には、車速に関わらず一律にフューエルカット制御を禁止してしまう。
ところが、燃費向上の観点からは、フューエルカット制御をできるだけ実行することが好ましい。一方、燃費向上の観点を重視して、アップシフト変速中においても一律にフューエルカット制御を実行すると、特許文献1には言及していないロックアップクラッチの状態によっては、変速ショックが生じるおそれがある。ロックアップクラッチが係合状態であると、エンジン回転数(トルクコンバータの入力軸回転数)の変化が、直接的に変速機構の入力軸回転数(トルクコンバータの出力軸回転数)の変化になるためである。
しかしながら、特許文献1においては、ロックアップクラッチの状態に応じた、アップシフト変速中のフューエルカット制御については言及していない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、燃費向上と変速ショックの回避とを両立する、ロックアップクラッチを備えた自動変速機を搭載した車両の制御装置および制御方法、その制御方法を実現するプログラムおよび記録媒体を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、フューエルカット制御を実行する内燃機関と有段式の自動変速機とを搭載した車両を制御する。自動変速機は、内燃機関の出力軸に接続された流体継手と、流体継手の出力軸に接続された変速機構とを含み、流体継手は入出力軸間を機械的に接続するロックアップクラッチを備える。この制御装置は、車両の状態が予め定められた実行条件を満足すると内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットを実行するように、内燃機関を制御するためのフューエルカット実行手段と、ロックアップクラッチの状態を検出するための検出手段と、自動変速機の変速期間内においては、ロックアップクラッチの状態に基づいて、フューエルカット実行手段によるフューエルカットの実行を許可するか否かを判断するための判断手段とを含む。第4の発明に係る制御方法は、第1の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第1または第4の発明によると、ロックアップクラッチが係合されているときにフューエルカットが実行されると内燃機関の回転数の急低下が機械的に連結されたロックアップクラッチにより変速機構に直接的に伝達される。このため、ロックアップクラッチの係合時(直結時およびスリップ時)には、変速機構の入力軸回転数がエンジン回転数の急低下と同じように変化する。このような場合に、たとえばアップシフトすると、回転数が急変化している状態で変速機構の摩擦係合要素が係合や解放される。このため、変速ショックが発生する。このため、(アップシフト)変速期間におけるフューエルカットの実行をロックアップクラッチの状態に基づいて判断する。たとえば、ロックアップクラッチが係合しているとき(直結状態であるときおよびスリップ状態であるとき)にはフューエルカットを禁止して、内燃機関への燃料供給を継続して燃料供給停止による内燃機関の回転数の急激な低下を回避して変速機構の入力軸回転数の急激な低下を回避する。このため、変速ショックを防止できる。一方、ロックアップクラッチが係合していないとき(解放状態であるとき)にはフューエルカットを実行して、内燃機関への燃料供給を停止により内燃機関の回転数が急激に低下してもロックアップクラッチが非係合状態(ロックアップクラッチが直結状態でもなくスリップ状態でもない解放状態)であるので変速機構の入力軸回転数の急激な低下を招かない。このため、アップシフト変速期間においてもフューエルカットするので燃費を向上させることができる。その結果、燃費向上と変速ショックの回避とを両立する、ロックアップクラッチを備えた自動変速機を搭載した車両の制御装置および制御方法を提供することができる。
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、判断手段は、自動変速機のアップシフト変速期間内においては、ロックアップクラッチがスリップ状態を含む係合状態であると、フューエルカットの実行を許可しない手段を含む。第5の発明に係る制御方法は、第2の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第2または第5の発明によると、ロックアップクラッチが係合しているときには(この係合しているときとは、ロックアップクラッチが直結状態のときおよびスリップ状態のときいずれのときをも含む)フューエルカットを禁止して、内燃機関への燃料供給を継続して燃料供給停止による内燃機関の回転数の急激な低下を回避して変速機構の入力軸回転数の急激な低下を回避する。このため、変速ショックを防止できる。
第3の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、判断手段は、自動変速機のアップシフト変速期間内においては、ロックアップクラッチが非係合状態であると、フューエルカットの実行を許可する手段を含む。第6の発明に係る制御方法は、第3の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第3または第6の発明によると、ロックアップクラッチが係合していないときには(この係合していないときとは、ロックアップクラッチが解放状態のときである)フューエルカットを実行して、内燃機関への燃料供給を停止により内燃機関の回転数が急激に低下してもロックアップクラッチが非係合状態であるので変速機構の入力軸回転数の急激な低下を招かない。このため、アップシフト変速期間においてもフューエルカットするので燃費を向上させることができる。
第7の発明に係るプログラムは、第4〜6のいずれかの発明に係る制御方法をコンピュータで実現するプログラムであって、第8の発明に係る記録媒体は、第4〜6のいずれかの発明に係る制御方法をコンピュータで実現するプログラムを記録した媒体である。
第7または第8の発明によると、コンピュータ(汎用でも専用でもよい)を用いて、第4〜6のいずれかの発明に係る車両の制御方法を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本発明の実施の形態に係る制御装置であるECU(Electronic Control Unit)を含む車両のパワートレーンについて説明する。
図1に示すように、この車両には、エンジン100と、自動変速機200(トルクコンバータ210および変速機構220)と、これらを制御するECU500と、ECU500にアクセルペダルの開度を示す信号を入力するアクセル開度センサ600とを含む。なお、本実施の形態に係る制御装置は、このようなパワートレーンを有する車両に限定されて適用されるものではない。このパワートレーンの構成要素に加えて、エンジンをアシストするモータ(モータジェネレータ)を有していても構わない。ただし、エンジン100は減速走行時にフューエルカット制御が実行されること、かつ、変速機構は有段式であること、かつ、トルクコンバータ210にロックアップクラッチを備えることが、本実施の形態に係る制御装置が適用されるパワートレーンの前提となる。
なお、以下においては、本発明の実施の形態に係る制御装置が、図1に示す、エンジン100、トルクコンバータ210および変速機構220と有する自動変速機200を有するパワートレーンについて適用される場合について説明する(モータを有さない)。さらに、ロックアップクラッチが係合状態とは、ロックアップクラッチがスリップ状態((微少に)滑りながら接続された状態)および係合状態(直結状態)であるものとして、ロックアップクラッチが非係合状態とは、ロックアップクラッチが解放状態であるものとして、説明する。
ECU500は、エンジン100に対して、スロットル開度指令信号などの制御信号を出力し、エンジン回転数信号などの検出信号を受信する。
また、ECU500は、トルクコンバータ210のロックアップクラッチに係合または非係合を指令する制御信号を出力する。また、ECU500は、変速機構220に対して油圧指令信号である制御信号を出力したり、変速機構220から出力軸回転数信号などの検出信号が入力されたりする。
上述のように、自動変速機200は、流体継手であるトルクコンバータ210と、変速機構である、複数の摩擦係合要素を備えた歯車式の有段変速機構とから構成される。
この流体継手であるトルクコンバータ210は、ロックアップクラッチを備える。ロックアップクラッチはトルクコンバータ210の駆動側の部材(エンジン100側のポンプインペラー)と従動側の部材(変速機構220側のタービンランナ)とを機械的に直接連結するものである。このようなロックアップクラッチを係合させるロックアップ領域を、通常、たとえば車速とスロットル開度とに基づいて設定している。
なお、エンジン100の回転数をNE(エンジン回転数)、トルクコンバータ210の出力軸回転数をNT(タービン回転数)、自動変速機200の出力軸回転数をNOUT(出力回転数)とする。また、変速機構220のギヤ比は、タービン回転数NT/出力軸回転数NOUTになる。
図2を参照して、トルクコンバータ210について説明する。なお、本発明は流体継手全般に適用されることも可能である。
図2に示すように、トルクコンバータ210は、エンジン100側のフロントカバー102と、このフロントカバー102に溶接部300により固定されたポンプカバー104とで囲われる内部空隙に、ポンプインペラー106に対向するタービンランナー108と、ポンプインペラー106とタービンランナー108との間のステータ110と、フロントカバー102の端壁に対向するロックアップクラッチ114とを備えている。ステータ110は、ポンプインペラー106との間に介設した第1スラストベアリングと、タービンランナー108との間に介設した第2スラストベアリングとによって軸方向に位置決めされている。また、タービンランナー108は、フロントカバー102との間に介設したスラストベアリングにより軸方向に位置決めされているとともに、タービンハブ118を会して回転軸に接続されている。
ロックアップクラッチ114は、タービンランナー108にダンパースプリング116を介して連結されており、ロックアップクラッチ114とフロントカバー102との間に形成される背圧室の内圧を低下させたとき、トルクコンバータ210の内部空隙の内圧でフロントカバー102にロックアップクラッチ114が摩擦係合して、フロントカバー102からロックアップクラッチ114を介してタービンランナー108に動力が伝達されるように構成されている。また、ステータ110は、ワンウェイクラッチ112により指示され、一方向にのみ回転する構造を有する。
本実施の形態においては、トルクコンバータ210のロックアップクラッチ114は、ECU500により制御される油圧制御回路からの油圧により係合状態(スリップ状態を含む)と非係合状態のいずれかの状態に制御される。
図3を参照して、本実施の形態に係る制御装置の機能ブロック図について説明する。なお、図3に示す機能ブロック図において、前述の図1と同じ構成要素については同じ参照符号を付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図3に示す機能ブロックにおける制御装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、ECU500に含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとして制御装置を実現した場合を説明する。なお、このようなプログラムを記録した記録媒体についても本発明の一態様である。
図3に示すように、この制御装置は、車速およびスロットル開度ならびに変速マップ(アップシフト変速線およびダウンシフト変速線)に基づいて変速制御を実行するとともに、ロックアップクラッチ114の係合圧を制御する変速制御部・ロックアップクラッチ制御部510と、ロックアップクラッチ114の係合状態を判定する(特にロックアップクラッチ114が係合していることを判定する)ロックアップ判定部520と、アクセルペダル開度を小さく(アクセルオフを含む)したことによりアップシフト変速線を跨ぐとアップシフト開始を判定するアップシフト開始判定部530と、(1)ロックアップクラッチ114の状態、(2)アップシフト変速開始の状態、(3)エンジン回転数等のエンジン100の状態に基づいて、フューエルカットを実行するか否かを判断する統合制御部540とを含む。
変速制御部・ロックアップクラッチ制御部510には、車速検出部610およびアクセル開度検出部から検出信号が入力される。変速制御部・ロックアップクラッチ制御部510には、車速およびスロットル開度(アクセル開度)をパラメータとした変速マップ(アップシフト変速線およびダウンシフト変速線)が記憶されている。
統合制御部540には、ロックアップ判定部420およびアップシフト開始判定部530から判定信号が、アクセル開度検出部600およびエンジン回転数検出部620から検出信号が入力される。統合制御部540においてフューエルカットすると判断された場合には、フューエルカット制御部550によりエンジン100においてフューエルカット制御が実行される。なお、図3においては、図1のECU500に対応する部分を一点鎖線で囲んである。
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU500で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰返し実行される。さらに、このプログラムは、アクセルオフでのアップシフト変速時におけるフューエルカット制御に限定したものであって、全般的はフューエルカットは、他のプログラムで制御されているものとする。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU500は、車速Vを検出する。このとき、ECU500は、自動変速機200の出力軸回転数NOUTに最終ギヤ比を乗算して車速Vを検出する。なお、車速センサからの車速信号に基づいて、車速Vを検出するようにしても構わない。
S110にて、ECU500は、アクセル開度を検出する。S120にて、ECU500は、アクセルオフのアップシフト変速が開始されるか否かを判断する。このとき、スロットル開度(アクセル開度)および車速Vならびに記憶された変速マップのアップシフト変速線に基づいて判断される。アクセルオフのアップシフト変速が開始されると判断されると(S120にてYES)、処理はS130へ移される。もしそうでないと(S120にてNO)、処理はS100へ戻される。
S130にて、ECU500は、フューエルカットを開始するためのフューエルカット条件に関する車両の状態量(エンジン100の回転数、エンジン100の冷却水温等)を検出する。S140にて、ECU500は、フューエルカット条件が成立しているか否かを判断する。フューエルカット条件が成立していると(S140にてYES)、処理はS150へ移される。もしそうでないと(S140にてNO)、処理はS180へ移される。
S150にて、ECU500は、ロックアップクラッチ114の係合状態を検出する。このとき、ECU500は、ロックアップクラッチ114の係合状態(係合圧)を実際にはセンシングできないので、ECU500からロックアップクラッチ114の油圧制御部に出力されている制御信号を検出する。
S160にて、ECU500は、ロックアップクラッチ114が係合状態であるか否かを判断する。ECU500からロックアップクラッチ114の油圧制御部に出力されている制御信号が係合状態を示す信号であるか否かによりロックアップクラッチ114が係合状態であるか否かを判断する。ロックアップクラッチ114が係合状態であると(S160にてYES)、処理はS180へ移される。もしそうでないと(S160にてNO)、処理はS170へ移される。
S170にて、ECU500は、フューエルカットを実行して、エンジン100において燃料供給を停止する(インジェクタからの燃料噴射を停止する)。その後、処理はS190へ移される。S180にて、ECU500は、フューエルカットを実行しないで、エンジン100において燃料供給を継続する(インジェクタから燃料を噴射する)。
S190にて、ECU500は、アップシフト変速が終了したか否かを判断する。このとき、ECU500は、トルクコンバータ210の出力軸回転数であるタービン回転数(変速機構220の入力軸回転数でもある)が、アップシフト変速後のギヤ段の同期回転数に到達しているか否かによりアップシフト変速が終了したか否かを判断する。また、変速開始(S130にてYES)からの経過時間によりアップシフト変速が終了したか否かを判断するようにしても構わない。
S200にて、ECU500は、S130と同様に、フューエルカットを開始するためのフューエルカット条件に関する車両の状態量(エンジン100の回転数、エンジン100の冷却水温等)を検出する。S210にて、ECU500は、S140と同様に、フューエルカット条件が成立しているか否かを判断する。フューエルカット条件が成立していると(S210にてYES)、処理はS220へ移される。もしそうでないと(S210にてNO)、処理はS230へ移される。
S220にて、ECU500は、フューエルカットを実行して、エンジン100において燃料供給を停止する(インジェクタからの燃料噴射を停止する)。その後、この処理は終了する。S230にて、ECU500は、フューエルカットを実行しないで、エンジン100において燃料供給を継続する(インジェクタから燃料を噴射する)。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU500により制御される車両の動作について、図5を参照して説明する。
[ロックアップクラッチ係合状態]
車両の走行中において、車速Vが検出されて(S100)、アクセル開度が検出される(S110)。たとえば、車速がアップシフト変速線近傍であって、運転者がアクセルペダルから足を離してアクセルオフの状態になると、変速マップにおいてアップシフト変速線と交差して、アクセルオフのアップシフト変速が開始されると判断される(S120にてYES)。
さらに、フューエルカットを開始するフューエルカット条件に関する車両の状態量が検出されて(S130)、フューエルカット条件が成立すると(S140にてYES)、ロックアップクラッチ114の係合状態が検出される。
ロックアップクラッチ114が係合状態(スリップ状態を含む)であると(S160にてYES)、フューエルカットが実行されない(S180)。なお、ロックアップクラッチ114が係合状態であるので(ポンプインペラー106とタービンランナー108とは機械的に直接接続(直結)されている状態または微少に滑りながら接続された状態であるので)、エンジン回転数NEと、変速機構220の入力軸回転数であるタービン回転数NTとは同じ(ほぼ同じ)である。
図5に示すように、時刻T(1)においてフューエルカットが実行されず、エンジン100の回転数の急激な低下が回避され、図5の時刻T(1)〜時刻T(3)の実線で示されるように、回転数が緩やかに低下する。タービン回転数が急激に低下していない状態で、アップシフト変速が実行されることになり、急激に回転数が変化(低下)していない状態(図5の時刻T(1)〜時刻T(3)の実線で示される状態)で摩擦係合要素を係合させるので、変速ショックが大きくならない。
一方、図5に点線で示すように、ロックアップクラッチ114が係合(スリップ)しているときに、フューエルカットを実行してしまうと、燃料供給停止によるエンジン100の回転数の急激な低下が、ロックアップクラッチ114によりタービンランナー108に直接的に伝達される。このため、変速機構220への入力軸回転数であるタービン回転数が急激に低下する。この状態で、アップシフト変速が実行されることになり、急激に回転数が変化(低下)している状態(図5の時刻T(1)〜時刻T(2)の点線で示される状態)で摩擦係合要素が係合されるので、変速ショックが大きくなってしまい変速フィーリングが悪化する。
[ロックアップクラッチ非係合状態]
車両の走行中において、アクセルオフのアップシフト変速が開始されると判断されたときであって(S120にてYES)、フューエルカット条件が成立したときに(S140にてYES)、ロックアップクラッチ114が非係合状態(解放状態)であると(S160にてNO)、フューエルカットが実行される(S170)。
フューエルカットを実行しても、燃料供給停止によるエンジン100の回転数の急激な低下が、ロックアップクラッチ114が係合されていない(係合状態でもなく微少に滑りながら接続されたスリップ状態でもない)ので、トルクコンバータ210の流体によりタービンランナー108に伝達されるに過ぎない。このため、タービン回転数が急激に低下しない。この状態で、アップシフト変速を実行しても、急激に回転数が変化(低下)していない状態で摩擦係合要素を係合させるので、変速ショックが大きくならない。
このように、アップシフト変速中において、燃費向上のためにロックアップクラッチ114が非係合の場合にはフューエルカットして、変速フィーリング向上のためにロックアップクラッチ114が係合中であるときにはフューエルカットしない。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置によると、アップシフト変速時において、ロックアップクラッチが係合しているときにはフューエルカットを禁止して、エンジンへの燃料供給を継続して燃料供給停止によるエンジン回転数の急激な低下を回避してタービン回転数の急激な低下を回避する。このため、変速ショックを防止できる。
一方、アップシフト変速時において、ロックアップクラッチが係合していないときにはフューエルカットを実行して、エンジンへの燃料供給の停止によりエンジン回転数が急激に低下してもロックアップクラッチが非係合状態であるのでタービン回転数の急激な低下を招かない。このため、アップシフト変速時においてもフューエルカットするので燃費を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態においては、アップシフト変速時におけるフューエルカットの許否をロックアップクラッチの状態に基づいて判断していたが、ダウンシフト変速時におけるフューエルカットの許否をロックアップクラッチの状態に基づいて判断する態様を接触的に排除することを表わすものではない。
なお、上述した実施の形態においては、油圧制御部に出力されている制御信号に基づいて係合状態を判定したが、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとからロックアップクラッチの係合状態を判定してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUを含む制御ブロック図である。 トルクコンバータの断面図である。 本発明の実施の形態に係る車両の制御装置の機能ブロック図である。 ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 ECUにより制御された車両の動作を示すタイミングチャートである。
符号の説明
100 エンジン、200 自動変速機、210 トルクコンバータ、220 変速機構、500 ECU、600 アクセル開度センサ。

Claims (4)

  1. フューエルカット制御を実行する内燃機関と有段式の自動変速機とを搭載した車両の制御装置であって、
    前記自動変速機は、前記内燃機関の出力軸に接続された流体継手と、前記流体継手の出力軸に接続された変速機構とを含み、
    前記流体継手は入出力軸間を機械的に接続するロックアップクラッチを備え、
    前記制御装置は、
    前記車両の状態が予め定められた実行条件を満足すると前記内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットを実行するように、前記内燃機関を制御するためのフューエルカット実行手段と、
    前記ロックアップクラッチの状態を検出するための検出手段と、
    前記自動変速機の変速期間内においては、前記ロックアップクラッチの状態に基づいて、前記フューエルカット実行手段による前記フューエルカットの実行を許可するか否かを判断するための判断手段とを含み、
    前記判断手段は、前記自動変速機のアップシフト変速期間内においては、前記ロックアップクラッチが非係合状態である場合に前記フューエルカットの実行を許可し、前記ロックアップクラッチがスリップ状態を含む係合状態である場合に前記フューエルカットの実行を許可しない、制御装置。
  2. フューエルカット制御を実行する内燃機関と有段式の自動変速機とを搭載した車両の制御方法であって、
    前記自動変速機は、前記内燃機関の出力軸に接続された流体継手と、前記流体継手の出力軸に接続された変速機構とを含み、
    前記流体継手は入出力軸間を機械的に接続するロックアップクラッチを備え、
    前記制御方法は、
    前記車両の状態が予め定められた実行条件を満足すると前記内燃機関への燃料供給を停止するフューエルカットを実行するように、前記内燃機関を制御するフューエルカット実行ステップと、
    前記ロックアップクラッチの状態を検出する検出ステップと、
    前記自動変速機の変速期間内においては、前記ロックアップクラッチの状態に基づいて、前記フューエルカット実行ステップにおける前記フューエルカットの実行を許可するか否かを判断する判断ステップとを含み、
    前記判断ステップは、前記自動変速機のアップシフト変速期間内においては、前記ロックアップクラッチが非係合状態である場合に前記フューエルカットの実行を許可し、前記ロックアップクラッチがスリップ状態を含む係合状態である場合に前記フューエルカットの実行を許可しない、制御方法。
  3. 請求項2に記載の制御方法をコンピュータに実現させるプログラム。
  4. 請求項2に記載の制御方法をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体。
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