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JP4645615B2 - 無段変速機 - Google Patents
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JP4645615B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に適用されて好適な無段変速機に係り、特にトロイダル式無段変速装置(バリエータ)にプラネタリギヤ装置を組合せて、トルク循環を利用して無段変速装置の変速比に比して大きな範囲の出力変速比を得ることができる無段変速機(無限変速機;IVT)に用いて好適であり、詳しくはバリエータの支持構造に関する。
従来、バリエータを用い、一軸状に各部材を配置したトロイダル式無段変速機が提案されている(特許文献1)。該無段変速機(無限変速機)は、トロイダル式無段変速装置(バリエータ)とプラネタリギヤ装置とを組合せて、該バリエータの変速回転と入力軸からの一定回転とを合成して、トルク循環を利用して、ギヤニュートラル(GN)を含む自動車の出力回転として適当な正逆変速回転を得ることができる(IVT;infinitely variable transmission)。
上記バリエータは、それぞれ半円型の曲面(円弧面)を有する2個の入力ディスクと、これら入力ディスクの間に位置しかつ両側面にそれぞれ半円型の曲面を有する1個の出力ディスクと、入力ディスク及び出力ディスクの対向する曲面に接触するパワーローラと、からなり、前側(エンジン側)の入力ディスクが入力軸(主軸)に固定され、出力ディスクが、上記入力軸に被嵌しているスリーブ軸(出力伝達軸)に連結され、更に後側の入力ディスクのボス部が、上記スリーブ軸に被嵌されると共に、ケースに一体に固定された支持ブロックにベアリングを介して回転自在に支持されている。
上記無段変速機におけるトロイダル式無段変速装置(バリエータ)、特にフルトロイダル式無段変速装置は、それぞれ対向する入力ディスク及び出力ディスクの円弧面にて円形のキャビティを形成し、パワーローラの接触点がキャビティの中心点の互いに反対側にあって、パワーローラにスラスト力が生ぜず、パワーローラを軸に直交する方向にシフトすることにより、少ない力で変速操作が可能である。
特開2006−292078号公報
上記無段変速機(無限変速機;IVT)は、入力ディスクに一体の入力軸に連結する第1の要素と出力ディスクに一体の出力伝達軸に連結する第2の要素との回転を動力循環するように合成し出力要素に出力するが、出力ディスクからの回転を、入力軸に被嵌するスリーブ軸(出力伝達軸)により取出すると、バリエータの変速域に対して車輌として必要とする正逆に亘る所望の変速回転域を得ようとすると、動力循環機構にステップピニオンを有する複雑な(3段)プラネタリギヤを必要とする。
本出願人は、出力ディスクの外周側からドラム状の出力伝達軸により出力回転を取出し、該ドラム状出力伝達軸を、後側の入力ディスクの外径側を通ってプラネタリギヤ装置に延出して、動力循環機構に単純な(1段)のプラネタリギヤを用いることを可能とし、もって構造を簡単化すると共に、ギヤの噛合い数を低減して伝達効率の向上を図った無段変速機を提案している(特願2006−337636号;本願出願時未公開)。
該無段変速機にあっては、ドラム状の出力伝達軸が後側の入力ディスクの外径側を通って反転ギヤ機構まで延びるため、該後側の入力ディスクの支持が面倒となる。
例えば、ドラム状出力伝達軸を一部縮径して、該出力伝達軸と入力軸を2重軸として支持すると、そのために軸方向に余分のスペースを必要とし、無段変速機の軸方向寸法の増加の原因となってしまう。また、入力軸を後方に延長して支持しようとしても、入力軸、ロー伝達軸及びハイ用の伝達軸を支持する3重のベアリング支持構造となり、装置の複雑化及びコストアップを招いてしまう。
そこで、本発明は、反転ギヤ機構としてキャリヤを固定したプラネタリギヤを用い、該キャリヤを構成する固定部材を用いて入力軸の後側部分を支持し、もって上述した課題を解決したトロイダル式無段変速装置(バリエータ)を用いた無段変速機を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は、それぞれ一側面に円弧面(2a)を有する前側及び後側の入力ディスクと(2)(2)、これら両入力ディスクの間に配置され両側面に円弧面(3a)を有する出力ディスク(3)と、前記各入力ディスクと出力ディスクの対向する前記円弧面に接触するように配置されたローラ(4,4)と、を有し、前記ローラの前記入力ディスク及び出力ディスクに対する接触位置を変更することにより、前記入力ディスクに連結する入力軸(12)の回転を無段に変速して前記出力ディスクに連結する出力伝達軸(13)に出力するトロイダル式無段変速装置(5)と、
少なくとも前記出力伝達軸(13)に連結し、正転及び逆転を含むように変速して出力軸(16)に出力するプラネタリギヤ装置(U)と、を備え、
前記入力軸(12)、前記トロイダル式無段変速装置(5)、前記プラネタリギヤ装置(U)及び前記出力軸(16)を一軸状に配置してなる無段変速機(1,1’)において、
前記出力伝達軸(13)は、前記出力ディスク(3)の外周側で連結して、前記後側の入力ディスク(2)の外径側をドラム状に囲むようにして前記プラネタリギヤ装置(U)に延出してなり、
前記プラネタリギヤ装置(U)は、ピニオン(P2,P3)を回転自在に支持するキャリヤ(C2)を固定部材(15)として、前記ピニオンに噛合するサンギヤ(S3)(S4)及びリングギヤ(R2)(R3)を有する反転ギヤ機構(7)(7’)を有し、
前記入力軸(12)は、前記前側の入力ディスク(2)の前側で固定部材(23,25)に回転自在(11)に支持されると共に、その後側を前記プラネタリギヤ装置(U)内に延長して、該後側において、前記反転ギヤ機構(7)(7’)のキャリヤ(C2)を構成する前記固定部材(15)にて回転自在(22,18)に支持されてなる、
ことを特徴とする無段変速機にある。
請求項2に係る本発明は、前記トロイダル式無段変速装置(5)は、前記円弧面にて略々円形のキャビティ(31)(31)を構成するフルトロイダルダブルキャビティタイプである、
請求項1記載の無段変速機にある。
請求項3に係る本発明は、前記プラネタリギヤ装置(U)は、前記入力軸(12)に連結する第1の要素(R1;図1参照)(C1;図5参照)と、前記出力伝達軸(13)に連結する第2の要素(S1)と、ロー伝達軸(17)に連結する出力要素(C1;図1参照)(R1;図5参照)と、を有し、前記第1の要素と第2の要素とを動力循環するように合成して前記出力要素に出力する動力循環機構(6)を備え、
前記反転ギヤ機構(7)は、前記リングギヤ(R2)を前記出力伝達軸(13)に連結し、前記サンギヤ(S3)をハイ伝達軸(19)に連結してなり、
前記ロー伝達軸(17)又はハイ伝達軸(19)の回転を選択的に前記出力軸に取出すロー・ハイ切換え機構(10)を備え、
前記ロー伝達軸(17)が、前記反転ギヤ機構(7)のキャリヤ(C2)を構成する前記固定部材(15)にベアリング(22)を介して回転自在に支持され、かつ前記ロー伝達軸(17)に、前記入力軸(12)がベアリング(18)を介して回転自在に支持されてなる、
請求項1又は2記載の無段変速機にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲記載の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、出力ディスクの外周側から出力伝達軸を取出し、ドラム状の出力伝達軸が後側の入力ディスクを囲むようにしてプラネタリギヤ装置に延出する無段変速機であっても、プラネタリギヤ装置の反転ギヤ機構のキャリヤを固定部材により構成し、入力軸が、その前側を固定部材に回転自在に支持されると共にその後側を上記キャリヤを構成する固定部材に回転自在に支持されるので、入力軸を両持ち構造で安定して支持し得るものでありながら、該入力軸の後側を支持するための余分な軸方向スペースを必要とせず、無段変速機の軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
請求項2に係る本発明によると、フルトロイダルダブルキャビティタイプの無段変速装置は、入力ディスク同士及び出力ディスクにより軸力(押圧力)がキャンセルされ、かつローラの円弧面との接触点がキャビティの中心点で互に反対側であってスラスト力が作用しないので、出力ディスクに連結する出力伝達軸にも大きな外力が作用せず、該出力伝達軸を出力ディスクの外周側から取出すことが可能となり、上述した入力軸の支持構造と相俟って、無段変速機の軸支持構造を簡単化して、コンパクト化及びコストダウンを図ることができる。
請求項3に係る本発明によると、動力循環により、例えば自動車の変速機として充分な変速範囲を得ることができると共に、トルクコンバータ等の大きな発進装置を必ずしも必要とせず、コンパクトな無段変速機を得ることができると共に、プラネタリ装置に、反転ギヤ機構の外、動力循環機構を必要とするが、ドラム状の出力伝達軸によりコンパクトで伝達効率の高いプラネタリギヤを動力循環機構に適用することが可能となり、上述した反転ギヤ機構の固定キャリヤを利用した入力軸の支持構造と相俟って、全体としてコンパクトで伝達効率の高く、かつ合理的で信頼性の高い無段変速機を提供することができる。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
無段変速機(IVT)1は、図1に示すように、トロイダル式無段変速装置(バリエータ)5と、動力循環機構6及び反転ギヤ機構7からなるプラネタリギヤ装置Uと、ロー・ハイ切換え機構10とからなる。無段変速装置5は、フルトロイダル式無段変速装置からなり、入力軸12に連結された2個の入力ディスク2,2と、2個の入力ディスクの間に配置される1個の出力ディスク3と、両ディスクの間に挟持されるパワーローラ4,4と、を有する。入力ディスク2,2及び出力ディスク3は、それぞれ対向するように円形の一部を形成する円弧状の凹溝2a,3aを有しており、2列のパワーローラを挟んでダブルキャビティを構成して、入力ディスク同士のスラスト力を打消す構成からなる。パワーローラ4,4は、軸に直角方向にシフトさせることにより傾斜して、入力ディスク2,2と出力ディスク3との接触半径を変更することにより、無段に連続して変速する。出力ディスク3はその外周側にドラム状の出力伝達軸13が連結されており、該ドラム状軸13は後側入力ディスク2を囲むようにして後方に延びている。
動力循環機構6は、シンプルプラネタリギヤからなり、ピニオンP1を支持するキャリヤC1と、ピニオンP1に噛合するリングギヤR1と、ピニオンP1に噛合するサンギヤS1とからなる。上記リングギヤ(第1の要素)R1は入力軸12に連結して、エンジンからの一定回転(変速前の回転)が伝達され、上記サンギヤ(第2の要素)S1は前記ドラム状の出力伝達軸13に連結して、バリエータ5の変速(出力)回転が伝達され、そしてキャリヤギヤ(出力要素)C1はロー・ハイ切換え機構10のロークラッチLに出力している。
反転ギヤ機構7は、ステップピニオンを有するプラネタリギヤからなり、固定部材15に回転自在に支持された軸14に固定された2個のピニオンP2,P3を有する。大ピニオンP2は前記ドラム状軸13に固定されたリングギヤR2に噛合して、バリエータ5の出力回転が伝達され、小ギヤP3はサンギヤS3に噛合して、ロー・ハイ切換え機構10のハイクラッチHに出力している。即ち、該反転ギヤ機構7は、キャリヤC2が、ケース23に固定された隔壁等の固定部材15からなり、該キャリヤに支持されるピニオンP2,P3に噛合するリングギヤR2及びサンギヤS3とでプラネタリギヤを構成する。
ロー・ハイ切換え機構10は、上述した動力循環機構6からの出力回転がロー伝達軸(ローモード出力要素)17を介して伝達されるロークラッチLと、反転ギヤ機構7からの出力回転がスリーブ状のハイ伝達軸(ハイモード出力要素)19を介して伝達されるハイクラッチHとからなり、これらロークラッチL及びハイクラッチHは切換えられて、出力軸16に出力する。なお、バリエータ5、プラネタリギヤ装置U及びロー・ハイ切換え機構10並びに入力軸12及び出力軸16は、一軸状に配置されている。
前記動力循環機構6からのロー伝達軸17と反転ギヤ機構7からのハイ伝達軸19との間に、ハイ伝達軸19の回転がロー伝達軸17の回転よりも低回転となることを規制するバリエータの変速比規制(脱落防止)用ワンウェイクラッチ20が介在している。また、入力軸12とドラム状の出力伝達軸13に一体のサンギヤ軸13’との間に、正回転方向にて出力伝達軸が入力軸より速く回転することを阻止する逆転防止用ワンウェイクラッチ21が介在している。
そして、上記入力軸12の前端(エンジン側)部分は、ケース23に固定される隔壁板等の固定部材25にベアリング11を介して回転自在に支持されている。前記ロー伝達軸17は、反転ギヤ機構7のキャリヤC2である固定部材(隔壁)15にベアリング22を介して回転自在に支持されており、かつ該ロー伝達軸17に入力軸12の後端部分がベアリング18を介して回転自在に支持されている。即ち、入力軸12は、その前端部をベアリング11により直接に、その後端部をロー伝達軸17を介して2個のベアリング18,28により回転自在に支持されている。
上記入力軸12には、前側の入力ディスク2及び後側の入力ディスク2が連結され、かつこれら両ディスク2,2に作用する軸力が該入力軸12内にて互に打消すように作用して、入力軸自体には大きな軸力として作用せず、該入力軸12は、上述した両持ち構造支持構造により安定して支持される。なお、出力ディスク3は、外径方向及びスラスト方向に大きな力が作用しないが、入力軸12に回転自在に支持されるか、又はパワーローラ4の駆動機構を収納する固定部材である連結管に回転自在に支持され、入力軸12に対して大きな軸方向力及びラジアル方向力は作用しない。
トロイダル式無段変速機1を搭載した車輌の発進時又は後進時においては、不図示のシフトレバーや油圧制御装置による油圧制御に基づきロー・ハイ切換え機構10が制御されて、ハイクラッチHが解放されると共にロークラッチLが係合され、トロイダル式無段変速機1はローモード状態にされる。すると、図2に示すように、エンジン出力軸に連結されている入力軸12の回転が、バリエータ5の入力ディスク2,2、及び動力循環機構6のリングギヤR1に伝達される。このうち入力ディスク2,2に入力された入力軸12の回転はバリエータ5で変速され、出力ディスク3よりバリエータ出力回転Voutが出力されて、出力伝達軸13を介してサンギヤS1及びリングギヤR2に入力される。
サンギヤS1にバリエータ出力回転Voutが入力されると、動力循環機構6においては、リングギヤR1に入力される入力軸12の回転とサンギヤS1の上記バリエータ出力回転Voutとがトルク循環される形で合成されて、キャリヤC1より出力される。このキャリヤC1の出力回転は、バリエータ5の変速比の幅に応じて、減速の逆転回転からニュートラル位置(GNポイント)を介して減速の正転回転までの幅に変速された出力回転OutLとなる。そして、このリングギヤR1の出力回転OutLは、ローモード状態の出力回転として、ロー伝達軸17及びロークラッチLを介して出力軸16に出力される。
以上のような伝達経路を形成するローモード時においては、動力循環機構6における入力軸12の回転及びバリエータ出力回転Voutの合成回転に基づいて動力循環を行う動力循環(IVT)モードとなり、バリエータ出力回転Vout(バリエータ5の変速比)が、図2中の一点鎖線で示すギヤニュートラル状態GNである際に、キャリヤC1の回転がニュートラル状態となるため、つまりローモード時の出力回転OutLがニュートラル状態となる。上述したように、この状態においては、エンジン回転数(入力軸12の回転)と出力軸16の回転とが無関係となるので、例えば走行レンジに切換える際にバリエータ5の変速比をギヤニュートラル状態GNに合せた後にロークラッチLを係合することで、回転数差を吸収することが不要であり、トルクコンバータ等の回転数差を吸収する装置を必ずしも設ける必要がない。
ここで、例えば不図示のシフトレバーがリバース(R)レンジであって、このギヤニュートラル状態GNより例えば車速やアクセル開度に応じてバリエータ5の変速比を大きくしていくと(図2中のバリエータ出力回転Voutを下方側にシフトしていくと)、出力軸16の出力回転OutLは、反転回転側に増速していき、つまり後進側に増速されていく。
また反対に、例えば不図示のシフトレバーがドライブ(D)レンジであって、ギヤニュートラル状態GNより例えば車速やアクセル開度に応じてバリエータ5の変速比を小さくしていくと(図2中のバリエータ出力回転Voutを上方側にシフトしていくと)、出力軸16の出力回転OutLは、正転回転側に増速していき、つまり前進側に増速されていく。
つづいて、上述のローモード状態で出力軸16の出力回転OutLが増速されていき(バリエータ5の変速比が小さくされていき)、図2中に示すシンクチェンジSCの変速比に達して例えば車速やアクセル開度に応じて変速判断がなされると、不図示の油圧制御装置による油圧制御に基づきロー・ハイ切換え機構10が制御されて、ロークラッチLが解放されると共にハイクラッチHが係合され、トロイダル式無段変速機1はハイモード状態にされる。
このハイモード状態においては、バリエータ出力回転Voutが、反転ギヤ機構7のリングギヤR2に入力され、該リングギヤR2に入力された回転は、ケース15に固定されたキャリヤC2に回転自在に支持された、ステップピニオンP2及びP3を介して、即ちギヤ比R2/P2及びS3/P3に基づき、バリエータ出力回転Voutが僅かな増速回転に変速されると共に、反転されてサンギヤS3から出力される。そして、このサンギヤS3の出力回転OutHは、ハイモード状態の出力回転として、ハイ伝達軸19及びハイクラッチHを介して出力軸16に出力される。このように、ハイモード時においては、動力循環機構6で動力循環を行うことなく、バリエータ出力回転Voutに基づき回転を出力する非動力循環(ダイレクト)モードとなる。
ついで、上記実施の形態による具体的な構成を図3に沿って説明する。無段変速機(IVT)1は、ミッションケース23内に収納されており、該ケース23は、筒状のメインケース23a、該メインケースの前側に固定されるハウジング23bからなる。ハウジング23bは、その前端をエンジンに結合され、ダンパ装置(図示せず)が収納される。即ち、本IVT1は、前述したようにギヤニュートラル(GN)を有するので、従来の自動変速機(AT)及び無段変速機(CVT)に必要とされた、トルクコンバータ等の発進装置が不要となり、従ってハウジング23b内には、エンジンの振動及び脈動等を吸収するダンパ装置のみで足りる。
メインケース23aには、トロイダル式無段変速装置(バリエータ)5と、動力循環機構6及び反転ギヤ機構7からなるプラネタリギヤ装置Uとロー・ハイ切換え機構10とが配置される。メインケース20aの下方は、開口されており、かつ該開口はオイルパン21により閉塞されている。該オイルパン21部分に、一体となったポンプ・バルブブロック及びフォルクラムブロックとが収納される状態で、前記メインケース23aの開口部分に固定されている。
ハウジング23bとメインケース23aとに挟まれるように前隔壁板25が固定されており、該隔壁板25の中心ボス部25aには、ニードルベアリング11を介して入力軸(主軸)12の前側部分が回転自在に支持されている。該入力軸12の先端部(前方端部)は、ハウジング23b内に延び、該ハウジング内のダンパ装置を介してエンジン出力軸と連結している。入力軸12には、皿状の支持板27が一体に固定されており、該支持板に隣接して前側入力ディスク2が支持されている。該入力ディスク2は、支持板27とその外周部分にてスプライン係合をしていると共に、該入力ディスク2の背面と支持板27との間に押圧装置29が配置されており、入力ディスク2は、入力軸12と一体に回転すると共に、バリエータ5に必要とする押圧力が付与される。
入力軸12には出力ディスク3が遊嵌されており、該出力ディスク3はその外周側においてドラム状の出力伝達軸13が連結されており、該出力伝達軸13は、後側の入力ディスク2の外径側を囲むようにしてプラネタリギヤ装置Uに延びている。後側の入力ディスク2はその内周側においてスリーブ軸12’が連結されており、該スリーブ軸12’は入力軸12に被嵌すると共にスプライン係合して、一体の入力軸12を構成している。
前記前側の入力ディスク2に形成された環状円弧面2aと、出力ディスク3の前方に形成された環状円弧面3aとの間にそれぞれ複数枚(3枚)のパワーローラ4が挟持されており、同様に後側(第2の)入力ディスク2に形成された環状円弧面2aと、出力ディスク3の後方に形成された環状円弧面3aとの間にそれぞれ複数枚(3枚)のパワーローラ4が挟持されている。前記互いに対向する円弧面2a,3aにより断面円形状の2個のキャビティ31,31が形成され、前記パワーローラ4は、その中心が前記各円形キャビティ31,31の中心にあってかつ該中心を通るセンタ軸を中心に回転する。即ち、バリエータ5は、フルトロイダルダブルキャビティ型からなり、従ってダブルキャビティ(2列)からなることにより、1列のものに比してトルク容量が2倍となると共に、入力ディスク同士、出力ディスク同士でスラスト力を打消し合い、軸受負荷とならず、かつパワーローラ4の2個の接触点がキャビティ31の中心点の互いに反対側にあって打消し合うので、パワーローラに殆どスラスト力が作用しない。
なお、支持板27の押圧装置29は、予め定められた予圧を作用するスプリング(板ばね)と、前記ポンプ・バルブブロックからの油圧が作用するダブルピストンからなる油圧アクチュエータを有しており、各ローラ4が入力ディスク2,2及び出力ディスク3の各円弧面2a,3aに所定圧力で押付ける押付け力を作用しており、これによりトラクションオイルの介在の基に、各ローラとディスクとの間にトラクション力が作用する。即ち、バリエータ5は、トラクションドライブにより入力ディスク2,2と出力ディスク3との間に動力が伝達される。
前記ドラム状の出力伝達軸13には、後側入力ディスク2の後方にて円板状プレート13aが前後方向に位置決めされてスプライン係合されており、該プレート13aの内周側にてサンギヤ軸13’が一体に固定されている。そして、該サンギヤ軸13’は、入力軸と一体のスリーブ軸12’の外周との間で所定間隔を隔てて同軸状に延びており、該サンギヤ軸13’と入力軸12’との間に、逆転防止用のワンウェイクラッチ21が配置されている。
フルトロイダルバリエータ5は、ローラにスラスト力が作用せず、上述したようにローラ4を軸に直交方向にシフトさせることにより、少ない力で変速が可能であるが、反対方向に回転すると、パワーローラ4の挟持力が緩んでしまう。このため、万一、エンジンの逆転又は車輪から逆駆動により、バリエータ5に逆方向のトルクが作用しても、上記ワンウェイクラッチ21によりバリエータ5が逆駆動されることを阻止している。
前記後側入力ディスク2の後方には、同軸状に後方に向けて動力循環機構6、反転ギヤ機構7そしてロー・ハイ切換え機構10が順次配置されている。動力循環機構6は、シンプルプラネタリギヤからなり、かつドラム状の出力伝達軸13に内包されるように配置されている。そのサンギヤS1が前記サンギヤ軸13’に形成されている。前記入力スリーブ軸12’に一体に形成された外径方向に延びるフランジ部12bの外周部にリングギヤR1が一体に固定されている。キャリヤC1は、リングギヤR1を囲むように配置されたカップ状のキャリヤプレート31と、リング状のディスク32とからなり、これらプレート31とディスク32との間に亘ってシャフトが配置され、これらシャフトにピニオンP1が回転自在に支持されている。
前記キャリヤプレート31の外周縁部後端にはロー伝達軸17のフランジ部17aが一体に固定されており、該ロー伝達軸17は、その内径側にて入力軸12の先端部分をベアリング18を介して回転自在に支持している。入力スリーブ軸12’はナット36により後側入力ディスク2と共に入力軸12に対して軸方向が位置決めされており、かつ該スリーブ軸フランジ部12bに対してサンギヤ軸13’及びロー伝達軸フランジ部17bがスラストベアリングを介して軸方向に位置決めされている。
ミッションケース23にはその反転ギヤ機構7の収納部分にて断面Z字状の隔壁15が固定されている。該隔壁の内径側ボス15aには前記ロー伝達軸17の軸部分がベアリング22を介して回転自在に支持されている。該隔壁15は、ミッションケース23に固定される外周部15bと、上記ロー伝達軸17を支持する内径側ボス部15aと、これら外周部及びボス部を径方向の中間において軸方向に延びてこれら両部を連結する連結部15cとを有し、上記連結部の軸方向両端に形成された支持部15d,15dにステップピニオンの支持軸14が回転自在に支持されている。該支持軸14に回転自在に支持されるステップピニオンの大ピニオンP2は、前記ドラム状の出力伝達軸13の先端部に固定されたリングギヤR2に噛合しており、小ピニオンP3はハイ伝達軸19に形成されたサンギヤS3噛合している。従って、反転ギヤ機構7は、ケース23aと一体の隔壁(固定部材)15によりキャリヤC2が構成され、該キャリヤC2に支持されるピニオンP2,P3と噛合するリングギヤR2とサンギヤS3とにより、キャリヤ固定のプラネタリギヤを構成する。
前記ロー伝達軸17は、そのフランジ部17aにてキャリヤC1と一体に構成されていると共に上記固定キャリヤC2を構成する隔壁15にベアリング39を介して回転自在に支持されている。従って、入力軸12の後側は、上記ロー伝達軸17を介して固定部材である隔壁15に2個のベアリング18,22を介して回転自在に支持されている。つまり、入力軸12は、その前端側で隔壁板25にベアリング11を介して支持されていると共に、その後端側で隔壁15にロー伝達軸17及びベアリング18,22を介して支持されており、従って入力軸12は、入力ディスク2,2と共に両持ち構造にて回転自在に支持されている。
上記隔壁のボス部15aに配置されるベアリング22は、小ピニオンP3と軸方向にオーバラップする部分に配置され、該ベアリング22の外径全周に亘って配置されるボス部15aの全周部分が、反転プラネタリギヤ機構7と干渉することなく配置され、入力軸後端部分支持用の軸方向スペースを必要とせず、また該反転ギヤ機構7が径方向に大きくなることも防止し得る。更に、上記隔壁15の軸方向寸法は、反転プラネタリギヤ機構7のキャリヤC2の略々同一幅内に納められている。また、ロー伝達軸17に入力軸12を支持するベアリング18も、上記ベアリング22に対して軸方向に近い部分に配置され、ロー伝達軸17に作用する曲げモーメントの影響を少なくしている。
前記ハイ伝達軸19は、ロー伝達軸17に遊嵌していると共にハイクラッチ用ハブ19aが一体に固定されている。前記ロー伝達軸17の先端部には段付構造のロークラッチ用ハブ17dがスプライン係合しており、ハイクラッチ用ハブ19aとロークラッチ用ハブ17dの段付部との間に、脱落防止用ワンウェイクラッチ20が配置されている。
一方、ミッションケース23のエンドケース部分にはボス23dが一体に固定されており、該ボス23dの内周側には出力軸16がニードルベアリング41及びラジアルベアリング42を介して回転自在に支持されている。該出力軸16には、上記ボス23dを取り囲む形でドラム部材45のスリーブ部45aが一体に結合されており、該ドラム部材45は、ロー・ハイ切換え機構10を構成するハイクラッチH及びロークラッチLをその油圧アクチュエータ46,47と共に内包している。
ハイクラッチHは、前記ハイクラッチ用ハブ19aと上記ドラム部材45との間の多板摩擦板により構成され、ロークラッチLは、前記ロークラッチ用ハブ17dと上記ドラム部材45との間の多板摩擦板により構成される。ドラム部材45にはハイクラッチ用油圧アクチュエータ46を構成するピストン46aが油密状に嵌合しており、該ピストンはロークラッチ用のドラム側(外)摩擦板を貫通する複数のピン49を介してハイクラッチ用摩擦板を操作し得る。ドラム部材のスリーブ部45aに軸方向を位置決めされてシリンダプレート50が支持されており、該シリンダプレート50にはロークラッチ用油圧アクチュエータ47を構成するピストン47aが油密状に嵌合しており、該ピストンはロークラッチ用摩擦板を操作し得る。
前記ハイ伝達軸19、ロークラッチ用ハブ17d、出力軸16(のフランジ部)は、隔壁15とボス23dとの間においてそれぞれスラストベアリングを介在して軸方向に位置決めされている。
ついで、一部変更した他の実施の形態について、図4〜図6に基づき説明する。なお、先の実施の形態と同様なものは、同一符号を付して説明を省略する。
図4は、反転ギヤ機構7に、1個のピニオP2からなるシンプルプラネタリギヤを採用した実施の形態を示す。該反転プラネタリギヤも、同様に、キャリヤC2が固定部材(隔壁)15により構成され、該固定部材15にベアリング22を介してロー伝達軸17が支持されており、かつ該ロー伝達軸17にベアリング18を介して入力軸12の後端部分が支持されている。
また、上記ベアリング22は、反転ギヤ機構7のサンギヤS3の内径側に軸方向にオーバラップして配置されており、該支持用として軸方向に余分なスペースを必要としない。
本実施の形態は、上述した実施の形態に比して反転ギヤ機構7がステップギヤとなっていない点が相違しているだけで、ハイモードの変速範囲が異なる以外、図2の速度線図も同等である。
図5は、動力循環機構6にデュアルピニオンプラネタリギヤを用いた実施の形態を示す。即ち、該プラネタリギヤは、互に噛合するピニオンP1a,P1bを支持するキャリヤC1と、ピニオンP1aに噛合するリングギヤR1と、ピニオンP1bに噛合するサンギヤS1とからなり、キャリヤC1が入力軸12に連結される第1の要素となり、サンギヤS1が出力伝達軸13に連結される第2の要素となり、リングギヤR1がロー伝達軸17に連結される出力要素となる。本実施の形態は、図2に示す速度線図において、バリエータ5の入力要素がC1からR1(C1→R1)に、出力要素がR1からC1(R1→C1)に変更されるだけで、その他は同様である。
そして、図面表記法が異なるが、先の実施の形態と同様に、反転ギヤ機構7のキャリヤC2を構成する固定部材15にロー伝達軸17がベアリング22を介して回転自在に支持されており、該ロー伝達軸17に入力軸12の後端部分がベアリング18を介して回転自在に支持されている。
図6は、トロイダル式無段変速装置(バリエータ)5を、動力循環を伴わない無段変速機(CVT)1’に適用した実施の形態を示す。プラネタリギヤ装置Uは、ステップピニオンP2,P3を有するプラネタリギヤからなり、上記ピニオンP2,P3の支持軸14を回転自在に支持するキャリヤC2は、ケース23に固定された隔壁等の固定部材15からなる。また、バリエータ5の出力ディスク3の外周から延びているドラム状の出力伝達軸13は、分岐されてサンギヤS4に連結すると共に、リバース伝達軸117に連結している。
本実施の形態にあっては、先の実施の形態のロー・ハイ切換え機構に代えて、前進クラッチDと後進クラッチRとを選択的に切換えて出力軸16に出力する前後進切換え機構110が設けられている。前記固定キャリヤC2(15)に支持されるステップピニオンの小ピニオンP2に前記サンギヤS4が噛合し、大ピニオンP3に噛合するリングギヤR3が前記前進クラッチDに連結している。また、本実施の形態にあっては、ギヤニュートラル(GN)が存在しないで、エンジンと入力軸12との間にトルクコンバータ100が配置される。
そして、入力軸12の前端側は、ケース23に固定される隔壁板等の固定部材25にベアリング15を介して回転自在に支持されている。該入力軸12の後側はプラネタリギヤ装置U内に延びており、該後端部分が前記リバース伝達軸117内にベアリング18を介して回転自在に支持されている。また、前記キャリヤC2を構成する固定部材15に上記リバース伝達軸117がベアリング22を介して回転自在に支持されている。従って、該入力軸12は、その前端を固定部材25に直接的に、その後端をリバース伝達軸117を介して固定部材15に間接的に、両持ち構造にて支持されている。
本実施の形態は、以上のような構成からなるので、入力軸12の回転は、バリエータ5にて変速されて出力伝達軸13に出力される。前後進切換え機構110が前進状態にある場合、上記出力伝達軸13の回転は、キャリヤ固定のプラネタリギヤ装置Uにより反転されて前進クラッチDから正方向回転として出力軸16に出力する。
前後進切換え機構110が後進状態にある場合、前記出力伝達軸13の回転が、リバース伝達軸117及び後進クラッチRを介して出力軸16に出力する。
本発明の実施の形態の概略を示す図。 その速度線図を示す図。 上記実施の形態による無段変速機(IVT)の断面を示す図。 一部変更した実施の形態を示す概略図。 他の実施の形態を示す概略図。 動力循環を伴わない無段変速機(CVT)に適用した実施の形態を示す概略図。
符号の説明
1,1’ 無段変速機(IVT,CVT)
,2 入力ディスク
2a 円弧面
3 出力ディスク
3a 円弧面
4 (パワー)ローラ
5 トロイダル式無段変速装置(バリエータ)
6 動力循環機構
7,7’ 反転ギヤ機構
10 ロー・ハイ切換え機構
11 ベアリング
12 入力軸
13 出力伝達軸
15,23,25 固定部材(隔壁,ケース)
16 出力軸
17 ロー伝達軸
18,22 ベアリング
19 ハイ伝達軸
31,31 キャビティ
C2 (固定)キャリヤ
R2 リングギヤ
S3,S4 サンギヤ
P2,P3 ピニオン
U プラネタリギヤ装置

Claims (3)

  1. それぞれ一側面に円弧面を有する前側及び後側の入力ディスクと、これら両入力ディスクの間に配置され両側面に円弧面を有する出力ディスクと、前記各入力ディスクと出力ディスクの対向する前記円弧面に接触するように配置されたローラと、を有し、前記ローラの前記入力ディスク及び出力ディスクに対する接触位置を変更することにより、前記入力ディスクに連結する入力軸の回転を無段に変速して前記出力ディスクに連結する出力伝達軸に出力するトロイダル式無段変速装置と、
    少なくとも前記出力伝達軸に連結し、正転及び逆転を含むように変速して出力軸に出力するプラネタリギヤ装置と、を備え、
    前記入力軸、前記トロイダル式無段変速装置、前記プラネタリギヤ装置及び前記出力軸を一軸状に配置してなる無段変速機において、
    前記出力伝達軸は、前記出力ディスクの外周側で連結して、前記後側の入力ディスクの外径側をドラム状に囲むようにして前記プラネタリギヤ装置に延出してなり、
    前記プラネタリギヤ装置は、ピニオンを回転自在に支持するキャリヤを固定部材として、前記ピニオンに噛合するサンギヤ及びリングギヤを有する反転ギヤ機構を有し、
    前記入力軸は、前記前側の入力ディスクの前側で固定部材に回転自在に支持されると共に、その後側を前記プラネタリギヤ装置内に延長して、該後側において、前記反転ギヤ機構のキャリヤを構成する前記固定部材にて回転自在に支持されてなる、
    ことを特徴とする無段変速機。
  2. 前記トロイダル式無段変速装置は、前記円弧面にて略々円形のキャビティを構成するフルトロイダルダブルキャビティタイプである、
    請求項1記載の無段変速機。
  3. 前記プラネタリギヤ装置は、前記入力軸に連結する第1の要素と、前記出力伝達軸に連結する第2の要素と、ロー伝達軸に連結する出力要素と、を有し、前記第1の要素と第2の要素とを動力循環するように合成して前記出力要素に出力する動力循環機構を備え、
    前記反転ギヤ機構は、前記リングギヤを前記出力伝達軸に連結し、前記サンギヤをハイ伝達軸に連結してなり、
    前記ロー伝達軸又はハイ伝達軸の回転を選択的に前記出力軸に取出すロー・ハイ切換え機構を備え、
    前記ロー伝達軸が、前記反転ギヤ機構のキャリヤを構成する前記固定部材にベアリングを介して回転自在に支持され、かつ前記ロー伝達軸に、前記入力軸がベアリングを介して回転自在に支持されてなる、
    請求項1又は2記載の無段変速機。
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