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JP4647008B2 - 呼吸器官の気体温度の測定方法および測定装置 - Google Patents
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呼吸器官の気体温度の測定方法および測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、薬剤の適用方法を見つけるように、呼気の温度を測定する方法および装置に関する。より具体的には、本発明は、病気やアレルギーのような炎症性の肺や気道の疾病の診断、予防、治療を含む様々な医学研究の遂行に有用な装置に関し、呼気の温度を評価することが抗炎症性治療の効果の診断および観察の目的に有益であることが判明した。
最も多い社会的に重要な非伝染性の病気の一つである喘息は、その原因が気道のアレルギー性の炎症とされていることはよく知られている。この原因を突き止めるための証拠が侵襲的な検査方法:気管支肺胞洗浄(末梢気管支内へ気管支鏡あるいは他の穴空きチューブを通して食塩水を注入し排液することによって,肺胞の細胞環境(微生物,炎症細胞を含む)を分析する方法)による気管支鏡検査および生体組織検査(biopsies)によって収集された。これらの研究は、気道の炎症の程度と喘息の重大度および、抗炎症性の治療剤の投与とそれによる臨床効果の定量的な関係を確立した。気管支鏡検査は、検査の間およびその後で、患者にとって不快な経験をさせ、ある程度のリスクを伴う。その結果として、気管支鏡検査は個々の患者のための治療法を組み立てるために、気道の炎症の評価に繰り返し適用することはできない。代替案として例えば、痰の検査、呼気中の酸化窒素の測定、呼気凝縮液中(exhaled breath condensate)の伝達物質(mediator)の評価などが、非侵襲性の検査法として導入されている。これらの方法は正確性に欠け、その結果は診断を確実なものとできず、治療決定の基礎とすることもできない。同時にそのような非侵襲性の方法は、時間を消費し費用がかかる。例えば呼気中の酸化窒素の測定は、喘息患者において高レベルであり、複雑で、費用がかかり特定の病院において使用できるだけである。
炎症は、普遍的な病態生理学的過程(pathophysiological process)であり、高められた温度が5つの顕著な特徴の一つである。気道に炎症を起こした患者は、気道粘膜の炎症が、炎症を起こしていない粘膜と比較して隣接する空気をより高く暖める。隣接する空気のこの加熱による範囲は、炎症領域の拡がりと炎症のレベルに依存する。
米国特許4453552の“体温の電子インジケータ”には、患者による呼気の温度の測定装置および方法について述べられている。その装置はチューブを結合し、その中の一端に熱電対が患者の呼気と接触するように配置される。熱電対の他端はチューブの外で周囲の空気と接触するように配置されている。電気システムが熱電対の信号を解析し呼気の温度に関する情報を提供する。米国特許4453552においては、呼気の温度が体温を表すものとして記載され、このアプローチに基づいてオンラインで観察されている。米国特許4453552の装置の使用は蘇生(reanimation)と麻酔学(anesthesiology)の分野である。しかし、体温の表示に使用されるときの米国特許4453552の装置は、明確な構造的欠陥をもつ。開放チューブは、例えば空気の引き抜きや呼吸の仕方などの周囲の環境の影響を受け、呼気の温度の測定に影響を及ぼす可能性がある。さらに、米国特許4453552の装置は、呼吸サイクルを通して変化する瞬間的な温度を測定するが、測定の正確性が低下するものである。
他の呼気温度を測定する装置が以下に開示されている。(1)ピアセンティーニGL、ボディニA、ザーマンLらの(Piacentini GL, Bodini A, Zerman L, et al.)“小児喘息の呼気中の酸化窒素と呼気温度との関係”Eur Respir J 2002; 20: 108−111;
(2)パレディP、アルティノフSA、バーンズPJ(Paredi P, Kharitonov SA, Barnes PJ.)の“喘息の呼気温度の急な上昇:気道の炎症の新規なマーカー?”Am J Respir Crit Care Med 2001; 165: 181−184.
呼気の温度が、喘息患者の口の前に設置された温度センサを用いて測定され、同時に同じ患者の酸化窒素も測定されている。温度センサは、反応時間が0.05秒の反応性の早い熱電対が使用され、プラスチックチューブ内に設置されている。これらは息を吐く間の複数時に温度の測定が可能である。これらの装置は、呼吸の深さや早さなどの、周囲の状況や患者に関連する因子によって呼気の温度への干渉を許容する開放試験系である。さらに、呼気温度測定の手順は複雑である。従って、これら公知のセンサによって、呼気中の酸化窒素濃度と呼気温度の間の関係が確立されることが可能になったとき、呼吸器疾患(例えば喘息のため)の診断に使用するための、単純で、精確で、信頼できる呼気の温度測定装置および方法の必要性が残されている。
本発明の目的は、測定精度が高く、患者や医師にとって簡単で便利な呼気の温度を測定する装置および方法を提供することである。装置は、医療行為へ日常的に使用してもコストが低く抑えられ、すなわち、可動部品が少なく、少ない構成部品で実行可能なものである。
本発明は、従属請求項により様々な特徴を有する。
一つの特徴として、本発明は、自由な自発呼吸周期の間に呼吸器官からの呼気温度を測定するための装置として以下の構成を有する。(i)チャンバーを画定するハウジング、呼吸器官からの呼気の流れを導入する空気注入口と、この呼気をチャンバーからハウジングの外に放出する空気排出口、(ii)内側表面と外側表面を有するチューブで、該チューブはハウジング内に配置され、空気注入口からチャンバー内に延び、それによって、呼吸器官からの呼気の流れが空気注入口からチャンバー内へ導入する通路を提供し、(iii)呼吸器官からの呼気の温度を測定するためのハウジング内に設置された温度センサを有し、呼気の流れが該センサを通過するときに測定され、ハウジング内を移動する呼吸器官からの呼気の流れを用いて、空気注入口、温度センサおよび空気排出口によって作られた流れは、温度センサの上流を移動するように呼気が流れるときにはチューブの内側表面の少なくとも一部と接触し、温度センサの下流を移動するように呼気が流れるときにはチューブの外側表面の少なくとも一部と接触する。
他の特徴として、本発明は、自由な自発呼吸周期の間に呼吸器官からの呼気温度を測定するための方法として以下の手順を有する。
i)上記の装置を患者に提供し、
ii)装置の温度センサから読み取られる温度が安定したと認められるように熱平衡に達するまで装置の空気注入口に呼気を導入し、
iii)読み取られた温度を記録する。
本発明は多くの利点を有する。装置は、呼吸器官からの呼気をチューブの内面および外面の少なくとも一部と接触させ、言わば、使用中に温度平衡に達することを促進し、より信頼性のある呼気温度の測定が達成される。
本発明の装置において、チューブは伸縮性のチューブでも良く、内面と外面を有して、空気注入口からハウジングの外側まで延出しても良い。この伸縮性のチューブは装置内への呼気導入を容易にするためにマウスピースとして使用されても良く、使い捨てのマウスピースを接続することもできる。好ましくは、装置は、空気排出口を通ってチャンバーから放出される呼気が伸縮性のチューブの外側表面に沿うように構成される。前記構成は、伸縮性のチューブが直接冷たい空気と接触することを防止するのに有利であり、使用中に温度平衡に早く到達し、より信頼性のある呼気温度の測定が達成されるのである。
本発明の装置は、空気排出口が空気注入口の周囲の少なくとも一部に設けられていることが好ましい。より好ましくは、空気排出口が空気注入口の周囲にあり、すなわち、空気排出口が空気注入口の少なくとも一部に、同心的に配される。このような配置は、使用中に温度平衡に早く到達し、より信頼性のある呼気温度の測定が達成されるのである。
本発明の装置は、空気注入口の呼気が逆流することを防止するためにワンウェイバルブを有していても良い。また空気排出口を通ってチャンバー内に周囲の空気が流入することを防止するためにワンウェイバルブを有していても良い。これは、装置内に逆方向に空気が流れることを防止し、使用中に温度が平衡に達することを補助する。
本発明の装置に使用される温度センサは、チューブまたはチャンバ内の通路に配置されることが望ましい。使用時に呼気の流れに接触させやすいからである。好ましくは、温度センサはチューブ内通路に配置される。それにより呼気の流れに対して近くなり、空気排出口から離れているからである。
好ましくは、温度センサはチューブの内表面または外表面に直接設置され、より好ましくは内表面に、またはチューブ内の通路につり下げられる。
本発明の装置において、チャンバー内のチューブは全部または一部が、高熱伝導性の材料で形成されることが好ましい。呼気の流入および流出によるチューブへの熱エネルギーの伝導は、チューブを通して均等に分配されるからである。好ましくは、温度センサはチューブとの熱伝導が良好になるように配置される。センサ自身が特異的な高温または低温を記録することを避けるためである。
好ましくは、温度センサは、熱保持部(thermal reservoir)を具備する。
温度センサのための熱保持部の備えによって、装置が熱平衡に到達して、呼気温度の短期の変動をなくし、患者が装置を正確に使用することに慣れて、呼気温度の代表的な値を得ることができる。一つの実施例において、熱保持部はチャンバ内のチューブの全部または一部に設けることができる。他の実施例において、熱保持部は適当な材料(例えば、アルミニウムなど)のブロックまたは一片として提供することができる。他の実施例では、熱保持部はチャンバ内のチューブの少なくとも一部にブロックまたは一片として提供することができる。装置が適当な時間に熱平衡に達するために必要なこととして、当業者が温度センサに適切な熱保持部を提供することができる。典型的には、熱保持部は、3〜81g、好ましくは30〜50gのアルミニウム立方体の熱容量に相当する熱容量を有する。
本発明の熱伝導率は、Wm-1-1のような単位で定量化できる。高熱伝導性の材料は、ポリエチレンよりも熱伝導率が高く、例えば金属としてアルミニウムや銅である。より好ましくはアルミニウムである。好ましくは、チューブを形成する材料の熱伝導率は23℃において、少なくとも1、より好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも40、最も好ましくは200Wm-1-1である。
本発明の装置は、温度センサとしてサーミスタまたは熱電対からなる。サーミスタがより好ましい。温度センサは、電子演算処理ユニットと接続され、また装置内の呼気の温度を表示するディスプレイと接続される。電子演算処理ユニットは、熱平衡に到達したことを示す方法を含み、そのとき、正確な温度が得られる。
本発明において、ハウジングは熱的に外部の大気環境からチャンバを隔離する。一つの実施例において、ハウジングはデュワー瓶(Dewar flask)からなる。他の実施例において、ハウジングは低熱伝導率のプラスチック材料から形成される。好ましくは、ハウジングの熱伝導率は、0.5よりも小さく、より好ましくは0.1、さらに好ましくは0.05、最も好ましくは0.025Wm-1-1よりも小さい。断熱性のハウジングは、使用に際して温度平衡に到達することを補助し、より信頼性のある呼気温度の測定が達成できる。
本発明において、自発的な呼吸とは、人工呼吸器などのように外部から補助されない呼吸を意味する。
装置が温度平衡に達するまでの時間は、10分以内、より好ましくは5分以内、最も好ましくは2分以内である。
本発明の更なる目的は、炎症性の呼吸器官の病気によって苦しめられている患者、例えば喘息などの病気の治療方法を提供するものであり:
a)患者の呼気温度を測定するステップ;
b)ステップa)で測定した患者の呼気温度と患者の通常状態における既知の呼気温度との間の差を計算するステップであって、前記患者の通常状態における既知の呼気温度が、炎症性の呼吸器官の病気からの急性の症状により苦しめられていない時の患者から得られる複数回の呼気温度測定から決定されるものであり;
c)i)ステップa)で測定した患者の呼気温度と、患者の通常状態における既知の呼気温度とが等しいか、またはその差違が所定量より小さい場合には薬剤による治療をしないか、炎症性の呼吸器官の病気の第一の薬剤治療をし;
c)ii)ステップa)で測定した患者の呼気温度と、患者の通常状態における既知の呼気温度との差違が所定量より大きい場合には、炎症性の呼吸器官の病気の第二の薬剤治療を行うステップ、とを含む。
ステップa)で測定した患者の呼気温度と、患者の通常状態における既知の呼気温度との差違が第二の所定量(例えば1℃)より大きい場合には、炎症性の呼吸器官の病気の第三の薬剤治療を行う段階に入る。呼気温度の正確な測定値が、本発明の装置の使用により達成することができる。
例えば、もし、喘息の患者の呼気温度差が、患者の通常状態における既知の呼気温度と0.5℃よりも小さい場合には、患者の状態の診断としては患者の治療法を変更する必要がない、すなわち、薬剤治療は不要であるかまたは患者が既に第一の薬剤治療を受けていれば治療方法は変更する必要はない。しかし、もし、喘息の患者の呼気温度差が、患者の通常状態における既知の呼気温度と0.5℃よりも大きい場合には、患者の状態の診断としては、喘息の発作の可能性を考えざるをえず、そのような発作を避けるための予防策として、患者の治療法を効果の高いものへと変更する。すなわち、患者を第二の薬剤治療へと変更する。第二の薬剤治療を継続して患者の呼気温度が前記通常状態における既知の呼気温度との差異が0.5℃より下になれば、患者を再び薬剤治療なしまたは第一の薬剤治療へと戻すことができる。
医者、患者または他のユーザにとって、呼気温度の僅かな変化を測定することは、呼吸器官の炎症性疾患を早期に治療を調整することができ、効果的である。前記のような疾患は、患者が急性の症状を呈する前に、呼気温度の僅かではあるが重要な変化が観察される。さらに、本発明は、呼気温度の測定値と所定の通常温度との差異の大きさを治療の必要性の臨界値として決めておくことにより、患者を異なる薬剤により治療することができる(例えば、異なる活性の薬剤や、同じ活性の薬剤でも異なる濃度)。
本発明の様々な実施例を、以下に添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
自発的な呼吸の間に呼吸器官からの呼気温度を測定するための手順は以下の通りである。好ましくは凡そ18〜22℃の範囲の室内の空気を鼻を通して吸入し、その空気を装置の空気注入口へ吐き出される。熱チャンバー内で熱センサの抵抗により温度が測定される。それは呼気を何度も繰り返して測定することにより増加する。呼気の温度と熱チャンバ内の金属コア(またはブロック)の温度との間に、この閉鎖系内において温度の平衡状態となるまで測定が継続される。
前記の方法は、断熱ボトルのような容器またはハウジングに、開口部がマウスピースと接続され、熱センサの取り付けられた蓄熱性金属コアおよび、被験者がチャンバーから息を吸い込むことを防ぐバルブを有する、本発明の装置を使用することによって実行することができる。
装置の一つの実施例において、容器はデュワー瓶(または真空フラスコ)のような構成の断熱チャンバーのハウジングに相当し、チャンバーの上部に内部に導入されるチューブに取り付けられるマウスピースを有する。そのチューブは出口を有する手段によってデュワー瓶の口に固定される。チューブの内部には上から、反転バルブ、金属コアに固定された温度センサが設けられ;センサはチャンバーの外の読み取り装置と接続されている。出口の数は呼吸速度を最適に調整するために適当な抵抗を有するように変更することができる。
本発明の装置は、単純で強固な構造を有することを特徴とする。これにより被験者が彼らの呼気温度の測定を、簡単かつ便利な方法により行うことができる。断熱性デュワー瓶の中では、次の呼吸までの間に導入された呼気の熱エネルギーを高熱容量の金属コアと熱センサに伝達することができる。連続して呼気を導入することによって、周囲の環境によらず熱バランスを達成することができ、肺の中の温度を反映させる。呼吸リズムの中断(患者による飲み込みまたは休止)は最終結果に殆ど影響しない。該装置は、気道の炎症性疾患の患者が彼らの病の経過を監視するために個々のゲージとして適用することができ、治療方法の適切な修正を助け、悪化を防止する。
本発明の装置は、測定の進捗を自動的にモニターするプロセッサーや、熱平衡に達したときに音などを発生して表示したり、装置の外側表面または本体に測定温度を表示するディスプレイを有していても良い。
本発明の装置は、炎症性の気道疾患の患者の呼気温度に関する最初の情報を与え、さらに治療方法の参照として使用するために用いることができる。本発明の装置は、患者或いは医者によって操作することができる。また、測定値を保存する手段を含むことができ、毎日のように定期的に測定してデータベースに保存して、医者や患者が必要な行動を取ることができるようにこれを補助することもできる。
呼気の温度を測定するための本発明の方法は、少なくとも5つの評価を含む。患者はマウスピースを通して熱チャンバー内へ呼気を送り、温度センサの電気抵抗を読むことにより温度を決定し、ディスプレイに映すことができる。患者の呼気の温度によって熱チャンバー内の温度が平衡になるまでその値は変化する。平衡に達したときの温度が、被験者の呼気の温度として示される。
本発明の方法はこの目的のために構成された装置によって実行することができる。図1は呼気測定装置の典型的な実施例の概略図である。装置はデュワー瓶(1)のような熱チャンバーまたはハウジングを有し、空気排出口(4)を有する保持部材(3)によって注入チューブ(2)がその上部に固定されている。熱チャンバーが長い円筒形状であって、半球状をした底部が形成されて緩やかな折り返し部を有することが好ましい。この形状は、呼気の滑らかな流れを保証し、乱流を防止する。排出口の数は、所望の呼気速度に好都合な最適の空気抵抗を達成するように選択できる。空気注入チューブ(2)の上から下までの内面において、一方向弁あるいは逆止弁(5)が設けられ、温度センサ(6)、金属コア(7)を有し;センサはチャンバー(1)の外側に設けられた読み取り装置(8)に連結されている。温度センサは、0℃から36℃の範囲内の2点で調整されている。熱チャンバーの温度は、サーミスタのような温度センサの電気抵抗(オーム)を決定することにより算定される。作成されたプロトタイプを使って測定するとき、その検査者は1分間隔で抵抗値を記録し、最後に記録された値が前のものと同じであったときに測定を終了する。熱平衡に達するまでの時間は、5〜12分の範囲内である。
本発明の特徴は呼気によって熱保持部が暖められることである。それぞれの呼気によって平衡に達するまで内部温度は上昇する。熱保持部は比較的大きな体積を持ち、最小で(作為的な)短期間の温度変化でも、最終結果に殆ど影響しない。室温(18−22℃)で測定することが好ましく、再現性、信頼性のある結果が保証される。装置は、注入チューブにマウスピースを接続することにより測定のための準備が整う。被験者は装置を一方または両方の手で保持し、自己の最適な間隔で、鼻で息を吸って、マウスピースを通して息を吐き出す。被験者には、過呼吸になることの無いように注意し、唾下のための小休憩や口頭でのやりとりを許容する。検査者は、一定の値になるまで分間隔で抵抗値を読み取って記録する。装置の最初の調整が行われたときの算出された式に従って、前記値が対応する温度へ変換される。測定が完了すると、装置は解体されて、冷水で洗浄され、乾燥後、次の測定のために組み立てられる。
上記のように本発明の装置は呼気温度の測定に使用された。装置は11人の健常者を使って毎日再現性が試験された。測定時の温度は19℃と22℃の間の室温である。統計結果を表1に示す。
我々は、呼吸器官の疾病のない11人(男性4人、女性7人、年齢は20から65歳)の被験者の呼気温度を測定し、彼らの腋の下で測る体温および耳式体温とを比較した。
毎日の彼らの測定結果の再現性を計算すると相関係数0.991となった。並行して測定された耳式体温および腋の下式体温の再現性はさらに低く、呼気温度の方が生理学的変数としてより安定であることが示唆された。呼気温度と耳式および腋の下式温度との相関は低く、相違するより一定した生理学的変数が測定できることが示唆される。
Figure 0004647008
装置の更なる研究について、健常者の群(n=17)と喘息患者の群(n=19)との間を区別することができると評価され、14人の喘息患者の対象群中で抗炎症性治療を施した前後でその違いが検出できることが分かった。
我々は、17人の呼吸器官の疾患を患っていない被験者(男性5人、女性12人、年齢は20から65歳)の呼気温度と、疾患の程度は異なるレベルである19人の喘息の通院患者(男性8人、女性11人、年齢は17から45歳)の呼気温度とを比較した。
我々は、喘息が酷いために入院し、7日間の浸透性ステロイド治療を受けた14人の喘息の患者(男性6人、女性8人、年齢は17から65歳)の呼気温度を測定した。
本発明の装置の更なる試験を実施したことを以下に示す。
喘息患者の呼気温度(34.41±0.27℃)とコントロール群(35.02±0.21℃)では差違があるが、かなりの重なり合い(p=0.081)もある。喘息患者の呼気温度は治療前(35.33±0.17℃)と治療により改善された後(34.64±0.21℃)とでは差違がある(p<0.001)。観察された大部分の喘息患者が、吸入コルチコステロイド剤で比較的良く治療されたということができる。
喘息患者の呼気温度は治療前(35.33±0.17℃)と抗炎症剤治療により改善された後(34.64±0.21℃)とでは際だった差違がある(p=0.000)。この試験の結果は図2および3に示す。
本発明の装置は、患者の口に挿入またはくわえる為に使い捨てのマウスピースが提供されることが好ましい。使い捨てのマウスピースは衛生的だからである。空気注入の気道を暖めるという本発明は、空気注入の気道のマウスピースをも暖めることができる。この加温は本発明の装置による方向転換された空気の(逆方向の)流れによるので、追加のダクトや個別の加熱要素を提供せずにマウスピースの入口を暖める便利な方法を実現する。上記の通り、空気の逆方向の流れにより気道の入口を暖めることは、特に温度センサ近傍に高い熱容量部材を用いるときにおいて、呼気温度の信頼性のある測定を可能とする。
図1は本発明の装置の断面図である。 図2は、耳式体温計の値と、呼気の温度との違いを示した図である。 図3は、喘息の患者の治療前と治療後の呼気温度の違いを示した図である。

Claims (18)

  1. 自由な自発呼吸周期の間に呼吸器官からの呼気温度を測定するための装置であって、
    (i)チャンバーを画定するハウジングで、呼吸器官からの呼気の流れを導入する空気注入口と、この呼気をチャンバーからハウジングの外に放出する空気排出口を有し、
    (ii)内側表面と外側表面を有するチューブで、該チューブはハウジング内に配置され、空気注入口からチャンバー内に延び、それによって、呼吸器官からの呼気の流れが空気注入口からチャンバー内へ導入する通路を提供し、
    (iii)呼吸器官からの呼気の温度を測定するためのハウジング内に設置された温度センサを有し、
    ハウジング内を移動する呼吸器官からの呼気の流れを用いて、空気注入口、温度センサおよび空気排出口によって作られた流れは、温度センサの上流を呼気が移動するときにはチューブの内側表面の少なくとも一部と接触し、温度センサの下流を移動するように呼気が流れるときにはチューブの外側表面の少なくとも一部と接触することを特徴とする、呼気温度測定装置。
  2. 前記装置が、内側表面と外側表面を有する延長チューブをさらに具備し、該チューブがハウジングの空気注入口に接続し外側に延出されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記空気排出口は、チャンバーから空気排出口を通って放出される呼吸器官の呼気が前記延長チューブの外側面に沿うように形成されている、請求項2に記載の装置。
  4. 温度センサがチューブの内側に設置されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
  5. チューブの全部または一部が高い熱伝導性を有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
  6. チャンバー内に延びるチューブの全部または一部が高い熱容量を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記装置がさらに、空気注入口を通って外に出る空気の流れ、または空気排出口を通って中に入る空気の流れの少なくともいずれか一方を防止する逆止弁を有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
  8. 空気注入口を通って外に出る空気の流れを防止する前記逆止弁が、温度センサの上流であってチューブの内側または上方に設けられている請求項7に記載の装置。
  9. 前記温度センサが、高い熱容量の熱保持部を有するか、または結合されている、請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
  10. 前記熱保持部が金属ブロックを有する請求項9に記載の装置。
  11. 温度センサがサーミスタである、請求項1乃至10のいずれかに記載の装置。
  12. 前記装置が、温度センサからの電気信号を処理するためのプロセッサとプロセッサからの信号を表示するディスプレイを含む、請求項1乃至11のいずれかに記載の装置。
  13. 前記空気排出口が前記空気注入口の少なくとも一部を囲む、請求項1乃至12のいずれかに記載の装置。
  14. 前記空気排出口が前記空気注入口の少なくとも一部と同心状である、請求項13に記載の装置。
  15. 前記空気注入口と前記空気排出口が共にハウジングに形成された一つの開口に存在する、請求項1乃至14のいずれかに記載の装置。
  16. 前記ハウジングがチャンバーを断熱する作用をする、請求項1乃至15のいずれかに記載の装置。
  17. ハウジングがデュワー瓶(Dewar flask)からなる、請求項16に記載の装置。
  18. 自由な自発呼吸周期の間に呼吸器官からの呼気温度を決定する方法であって、
    i)患者に請求項1乃至17のいずれかに記載の装置を提供する工程、
    ii)装置の温度センサから得られる安定した温度によって、装置が熱平衡に達したと決定されるまで、患者が装置の空気注入口へ呼気を供給する工程、
    iii)得られた温度を記録する工程、
    を含む、呼気温度決定方法。
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