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JP4647631B2 - 高耐久性を有するタッチパネル - Google Patents
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JP4647631B2 - 高耐久性を有するタッチパネル - Google Patents

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Description

本発明は、高温環境下に長時間放置してもリタデーション変化による反射防止特性の劣化が起こらず、且つ快適な入力操作を行え、しかも組立て時の作業性の良好な高耐久性を有するタッチパネルに関するものであり、主にカーナビゲーション用等として用いられるものである。
PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)や携帯電話、パソコン等の製品に広く用いられるLCD、有機EL、CRT等のディスプレイについて、その前面にタッチパネルを配置することが従来から行われている。タッチパネルの基本構造は、下面に透明導電膜より構成される上部電極が設けられた上部電極板と、上面に透明導電膜より構成される下部電極が設けられた下部電極板とを、両電極が空気層を介して対向させて表示領域外のみで接着固定した構造となっており、空気層によって絶縁されていた両電極をパネル表面の一部を押圧することにより接触させて電気的に導通させ入力できるようにしたものである。また、上記上部電極板及び上記下部電極板はそれぞれ、単層で構成されるか或いは複数の層を全面接着により積層して構成されている。
そして、屋外で用いる用途に対しては、外光の反射を防止して視認性を向上させるために、上記上部電極板1が上記上部電極2側から順に1/4波長板9、上記1/4波長板9の光軸と吸収軸が45°又は135°になす偏光板10を少なくとも積層してなる低反射タッチパネルを用いることができる(図4参照)。1/4波長板9と偏光板10とで円偏光タイプの反射防止フィルターを形成させ、外部から入射した光の透明導電膜での反射を効率よくカットするのである。なお、ディスプレイがLCDの場合には、1/4波長板9の一枚だけであるとLCD側から表示用として入射する直線偏光も円偏光に変えてしまうため、さらに上記上部電極板中の1/4波長板9と光軸が直交する1/4波長板を下部電極板3中に配置することによって位相を打ち消させている。つまり、下部電極4側の1/4波長板で円偏光にされた後、上部電極2側の1/4波長板9で再び元の直線偏光に戻される。
近年、自動車業界においてカーナビゲーションが普及しており、これらはリモコンによる画面操作を主としているが、操作性をより快適にするためにディスプレイ画面上にタッチパネルを用いることが考えられている。その場合、日光などの屋外光反射により視認性が悪くなることを防ぐため、上記した円偏光タイプの反射防止フィルターを有するタッチパネルが必須となる。しかし、夏の直射日光下、窓を閉め切った車内では70℃を越える高温環境下になることもあり、その場合、長時間放置すると膨脹を起こすが、上部電極板1中の1/4波長板9と偏光板10とは軸形成時の延伸方向が異なるため、直接的又は間接的に全面で貼り合わせられている状態で互いに異なる膨脹方向11を呈し(図5参照)、タッチパネルの上部電極板1にうねりや歪みが生ずる恐れがある。また、上記高温環境下では、上部電極板1中の1/4波長板9の膨脹が、中央部では自由であるのに対して周縁部では下部電極板3との部分的な接着固定の影響を受けて妨げられたり逆に無理な膨脹を強いられたりするため、1/4波長板9の周縁部にのみストレス12がかかり(図6参照)、表示領域の周縁部付近で1/4波長板9のリタデーション値が変化して反射防止特性が損なわれる恐れがある。
そのため、カーナビゲーション用途としては、上記問題が生じないように、上部電極板1中にガラス板13を配置して1/4波長板9に全面で貼り合わせたものがある(図7参照)。上部電極板1においてガラス板を1/4波長板9に全面で貼り合わすことによって、70℃を越える高温環境下でも、1/4波長板9および偏光板10はほとんど熱膨張を起こさないため、うねりや歪みがない状態が保持される。また、剛性が高いガラス板を1/4波長板9に全面で貼り合わすことによって、1/4波長板9にかかるストレスが分散されるため、リタデーション変化をほとんど起こさず、反射防止特性を損なうことが少ない。
しかしながら、上部電極板1は指やペンなどに直接触れる部分であり、上部電極板1中にガラス板を用いた場合、ガラス板の剛性が高いために、厚みが厚いとペンや指での入力が重くなる。快適な入力操作を行うためには、ガラス厚みを極めて薄く設定する必要がある。ところが、このような厚みのガラス板を用いることにより非常に割れやすくなるため、タッチパネルの組み立て時の取り扱いが非常に困難になり、またタッチパネル入力操作中にガラスが破損する可能性もある。
したがって、本発明の目的は、上記の問題を解決することにあって、高温環境下に長時間放置しても外観形状の変形やリタデーション変化による反射防止特性の劣化が起こらず、且つ快適な入力操作を行え、しかも組立て時の作業性の良好な高耐久性を有するタッチパネルを提供することである。
本発明は、上記目的を達成するため、以下のように構成している。
本発明の第1態様によれば、下面に透明導電膜からなる上部電極が設けられた上部電極板と、上面に透明導電膜からなる下部電極が設けられた下部電極板とを、両電極が空気層を介して対向させて表示領域外のみで接着固定したものであって、上記上部電極板が上記上部電極側から順に1/4波長板、上記1/4波長板の光軸と吸収軸が45°又は135°になす偏光板を少なくとも積層してなるタッチパネルにおいて、
上記上部電極板が、ガラス転移温度が150℃以上、吸水率が1.3%以下の特性を有する厚み0.15〜0.8mmの光学等方性の耐熱透明樹脂板を上記偏光板と上記1/4波長板との間に有し、上記耐熱透明樹脂板が上記1/4波長板に直接的に全面で貼り合わせられている高耐久性を有するタッチパネルを提供する。
本発明の第2態様によれば、上記耐熱透明樹脂板のガラス転移温度が170℃以上である第1態様に記載の高耐久性を有するタッチパネルを提供する。
本発明の第3態様によれば、上記耐熱透明樹脂板の厚みが0.2〜0.7mmである第1態様に記載の高耐久性を有するタッチパネルを提供する。
本発明の第4態様によれば、上記耐熱透明樹脂板の吸水率が1%以下である第1態様に記載の高耐久性を有するタッチパネルを提供する。
本発明の第5態様によれば、上記上部電極板の最上面となる上記偏光板の上面に、防湿性PETフィルムを低反射・防汚機能付き梨地層として配置するようにした第1態様に記載の高耐久性を有するタッチパネルを提供する。
本発明の第6態様によれば、少なくとも上記上部電極板の側端部周囲と上記下部電極板の側端部付近とを覆うシール層をさらに備えるようにした第1態様に記載の高耐久性を有するタッチパネルを提供する。
本発明の高耐久性を有するタッチパネルは、以上のような構成より構成されるので、次のような効果を奏する。
すなわち、円偏光タイプの反射防止フィルターを有するタッチパネルにおいて、上部電極板が、ガラス転移温度が150℃以上の特性を有する厚み0.15〜0.8mmの光学等方性の耐熱透明樹脂板を偏光板10と1/4波長板9との間に有し、上記耐熱透明樹脂板が上記1/4波長板に直接的に全面で貼り合わせられているので、ガラス板同様、夏の直射日光下に窓を閉め切ったときの車内のように70℃を越える高温環境下においても1/4波長板および偏光板の熱膨張をほとんど抑制し、うねりや歪みが生じない安定な状態を保持させることができる。また、上記耐熱透明樹脂板が上記1/4波長板に直接的に全面で貼り合わせられているので、ガラス板同様、上記高温環境下においても1/4波長板にかかるストレスを分散し、リタデーション変化をほとんど起こさせないことができる。すなわち、反射防止特性を損なうことが少ない。
しかも、耐熱透明樹脂板がガラス板と比べて可撓性が高いために、ペンや指での入力が軽くなり、快適な入力操作を行える。
また、吸水率1.3%以下の耐熱透明樹脂板を有することにより、偏光板を通って侵入した水分の影響を耐熱透明樹脂板があまり受けないため耐熱透明樹脂板が変形を起こしにくく、偏光板の膨張や変形に対してそのストレスを保持することができ、上部電極板が下部電極板と接触することがないため、タッチパネルの性能を損なわないで済む。ここで、耐熱透明樹脂板の吸水率を1.3%以下にする理由としては、耐熱透明樹脂板の吸水率が1.3%を超えると、偏光板を通って侵入した水分又は側面より侵入した水分により耐熱透明樹脂板が変形を起こしてしまう可能性があり、耐熱透明樹脂板が変形を起こしてしまうと偏光板や1/4波長板を耐熱透明樹脂板により保持することが出来ないからである。また、上記理由により、耐熱透明樹脂板とともに上部電極板も変形を起こしてしまい、上部電極板が下部電極板と接触して絶縁不良を起こしてしまう可能性があるためである。これに対して、耐熱透明樹脂板の吸水率を1.3%以下にすることにより、若干の変形が耐熱透明樹脂板に起こっても上部電極板が下部電極板と接触するほどではないため、タッチパネルの性能上、問題は起こらない。
さらに、耐熱透明樹脂板の吸水率は上記1.3%以下のうち、1%以下とすることがより好ましい。その理由は、吸水率を1%以下にすることにより、偏光板を通って侵入した水分又は側面より侵入した水分による耐熱透明樹脂板の変形がほとんど起こらず、偏光板や1/4波長板を耐熱透明樹脂板により、より確実に保持することが出来るためである。
これに対して、従来は、このような耐熱透明樹脂板が無いため、偏光板が吸水すると、吸水により偏光板が変形を起こし、1/4波長板がそのストレスに絶えられず、上部電極板も変形を起こし、その結果、リタデーション変化による色ムラが発生する恐れがある。また、変形した上部電極板が下部電極板と接触することにより絶縁不良を起こすなど、タッチパネルの性能に支障をきたすことになっていた。このような問題は本発明によれば解消することができる。
また、耐熱透明樹脂板が薄いガラス板と異なり割れにくいので、タッチパネルの組み立て時の取り扱いが非常に容易になり、またタッチパネル入力操作中にガラスが破損する恐れもない。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
以下、図を参照しながら本発明について詳細に説明する。図3は本発明の第1実施形態に係る高耐久性を有する低反射タッチパネルを示す断面図である。図中、1は上部電極板、2は上部電極、3は下部電極板、4は下部電極、5は一例として両面粘着テープなどの粘着層、6は空気層、7はスペーサー、8は耐熱透明樹脂板、9は1/4波長板、10は偏光板をそれぞれ示す。
タッチパネルの構造は、下面に透明導電膜より構成される上部電極2が設けられた上部電極板1と、上面に透明導電膜より構成される下部電極4が設けられた下部電極板3とを、両電極1,3が空気層6を介して対向させて表示領域外のみで接着固定したものが基本であり、円偏光方式の低反射タッチパネルの場合、上記上部電極板1として、上記上部電極2側から順に1/4波長板9、上記1/4波長板9の光軸と吸収軸が45°又は135°になす偏光板10を少なくとも積層してなるものが用いられる。また、上記上部電極板1及び上記下部電極板3はそれぞれ、単層で構成されるか或いは複数の層を全面接着により積層して構成されている。本発明の第1実施形態の特徴は、このような低反射タッチパネルについて、上記上部電極板1が、ガラス転移温度が150℃以上の特性を有する厚み0.15〜0.8mmの光学等方性の耐熱透明樹脂板8を上記偏光板と上記1/4波長板との間に有し、上記耐熱透明樹脂板8が上記1/4波長板9に直接的に全面で貼り合わせられている(図3参照)ことにある。なお、本発明の各実施形態において、「板」とは、シートやフィルム等の薄手のものも含む。
上記1/4波長板9は、直線偏光を分解した互いに直交する2成分の偏光に時間的な位相のズレ(位相差)を与えることにより、直線偏光を円偏光あるいは略円偏光に変える機能を持つものであり、一方の偏光成分を他方の偏光成分より1/4波長だけ位相を遅らせる。この1/4波長とは、可視光領域(約400nm〜700nm)の中心波長(約550nm)に対するものである。1/4波長板9としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、又は、ノルボルネン系樹脂等の透明樹脂板を一軸延伸し、その延伸方向(光軸方向)であるx方向の屈折率と、x方向に直交するy方向の屈折率と、厚み方向すなわちx方向とy方向に直交するz方向の屈折率とを制御することによって与えたものが用いられる。
1/4波長板9は、その上面の偏光板10と組み合わせて、円偏光タイプの反射防止フィルターを形成している。屋内の蛍光灯や屋外の光等の外部からの光は偏光板10を通り直線偏光となり、1/4波長板9を透過することによって円偏光となるが、透明導電膜で反射しても、円偏光が再び1/4波長板9を通過して偏光板10の透過軸と垂直な直線偏光になるため、反射光が抑えられる。なお、1/4波長板9は、ペンや指による入力を容易にするために可撓性を備えているものが用いられる。
1/4波長板9の上面に配置される偏光板10の吸収軸は、1/4波長板9の光軸7と45°または135°になるように形成される。偏光板10としては、一般に、ポリビニルアルコール板にヨウ素、染料などの二色性色素を含浸させて延伸し、その両面にセルロース系またはアクリル系の保護膜を被覆したもの等が用いられる。
上記1/4波長板9と上記耐熱透明樹脂板8とは、直接全面で貼り合わせられてもよいし(図3参照)、光学等方性の透明樹脂板を介して間接的に貼り合わせられてもよい。貼り合せに用いる粘着剤としては、アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、ゴム系樹脂、水性、又は、UV硬化粘着剤等がある。また、上記光学等方性の透明樹脂板の材料としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、又は、ノルボルネン系樹脂等の透明性に優れるものが望ましい。なお、本発明の上記実施形態において光学等方性とは、リタデーション値が10nm以下のものを指し、好ましくは5nm以下のものをいう。
上記耐熱透明樹脂板8の材質としては、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン系樹脂、エポキシ系樹脂、シロキサン系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、又は、紫外線硬化性アクリル樹脂若しくはエポキシアクリル樹脂などの耐熱アクリル樹脂等の光学等方性の透明樹脂の中から、ガラス転移温度が150℃以上のものを0.15〜0.8mmの厚みに成形して用いる。
本発明の上記実施形態の耐熱透明樹脂板8は、上部電極板1の一構成層として1/4波長板9及び偏光板10と全面で貼り合わすことによって、ガラス板と同様に、夏の直射日光下に窓を閉め切ったときの車内のように70℃を越える高温環境下において、あるいは雨の日など湿度が80%を越える高温高湿環境下においても、1/4波長板9および偏光板10の熱膨張をほとんど抑制し、うねりや歪みが生じない安定な状態を保持させるものである。したがって、上記高温又は高湿度環境下でも熱による変形を起こさない材料が必要である。その指標がガラス転移温度と吸水率であり、ガラス転移温度が150℃以上、吸水率が1.3%以下の光学等方性の透明樹脂板であれば、本発明の各実施形態の耐熱透明樹脂板8として用いることができる。より好ましくは、ガラス転移温度が170℃以上の耐熱透明樹脂板8を用いる。ここで、耐熱透明樹脂板8の吸水率を1.3%以下にする理由としては、耐熱透明樹脂板8の吸水率が1.3%を超えると、偏光板10を通って侵入した水分又は側面より侵入した水分により耐熱透明樹脂板8が変形を起こしてしまう可能性があり、耐熱透明樹脂板8が変形を起こしてしまうと偏光板10や1/4波長板9を耐熱透明樹脂板8により保持することが出来ないからである。また、上記理由により、耐熱透明樹脂板8とともに上部電極板も変形を起こしてしまい、上部電極板が下部電極板と接触して絶縁不良を起こしてしまう可能性があるためである。これに対して、耐熱透明樹脂板8の吸水率を1.3%以下にすることにより、若干の変形が耐熱透明樹脂板8に起こっても上部電極板1が下部電極板3と接触するほどではないため、タッチパネルの性能上、問題は起こらない。
さらに、耐熱透明樹脂板8の吸水率は上記1.3%以下のうち、1%以下とすることがより好ましい。その理由は、吸水率を1%以下にすることにより、偏光板10を通って侵入した水分又は側面より侵入した水分による耐熱透明樹脂板8の変形がほとんど起こらず、偏光板10や1/4波長板9を耐熱透明樹脂板8により、より確実に保持することが出来るためである。
これに対して、従来は、このような耐熱透明樹脂板が無いため、偏光板が吸水すると、吸水により偏光板が変形を起こし、1/4波長板がそのストレスに絶えられず、上部電極板も変形を起こし、その結果、リタデーション変化による色ムラが発生する恐れがある。また、変形した上部電極板が下部電極板と接触することにより絶縁不良を起こすなど、タッチパネルの性能に支障をきたすことになっていた。
これに対して、本実施形態では、上記したように、吸水率1.3%以下の耐熱透明樹脂板8を配置することにより、偏光板10を通って侵入した水分の影響を耐熱透明樹脂板8があまり受けないため耐熱透明樹脂板8が変形を起こしにくく、偏光板10の膨張や変形に対してそのストレスを保持することができ、上部電極板1が下部電極板3と接触することがないため、タッチパネルの性能を損なわないで済む。
また、1/4波長板9及び偏光板10にうねりや歪みが生じない安定な状態を保持させるには、上記耐熱透明樹脂板8の厚みは0.15mm以上必要である。ガラス転移温度が150℃以上であっても厚みが0.15mm未満であると、耐熱透明樹脂板8自体は熱による変形を起こさないが、1/4波長板9及び偏光板10の変形しようとする力に対して耐えられないからである。より好ましくは、厚みが0.2mm以上の耐熱透明樹脂板8を用いる。
また、本発明の各実施形態の耐熱透明樹脂板8は、厚みを0.8mm以下に設定すれば、ガラス板と比べて可撓性が高いために、上記上部電極板1の一構成層として組み込んでも充分にペンや指での入力を軽く行なえるものである。より好ましくは、厚みが0.7mm以下の耐熱透明樹脂板8を用いる。しかも、ガラス板と異なり割れることがないため、タッチパネルの組み立て時の取り扱いが非常に容易になり、またタッチパネル入力操作中に破損する可能性もない。また、ロール加工も可能となり、貼りあわせ時の脱泡処理等が容易にできる。
下記表1は、サイズ130mm×100mm、ガラス転移温度195℃の上記耐熱透明樹脂板A〜Cとガラス板について、上面中央部にφ20mmの鋼球を置き、これを加圧したときの撓み量を示したものである。
Figure 0004647631
同厚の耐熱透明樹脂板Aとガラス板とでは、静圧条件が同一条件で撓み量に3倍の差がある。また、厚さ0.2mmのガラス板は、耐熱透明樹脂板Cの厚みを上限である0.8mmまで厚くしたものと比べても撓み量が小さく、快適な入力操作を行うためには厚さを0.2mm未満に設定する必要があり、結果として非常に割れやすくなる。
以上のような上部電極板1の下面に上部電極2として設けられる透明導電膜の材料としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、若しくは、ITO等の金属酸化物や、金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、若しくは、パラジウム等の金属の薄膜が用いられる。透明導電膜の上記上部電極板1への形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又は、CVD法等が用いられる。下部電極板3の上面に下部電極4として設けられる透明導電膜についても同様である。
次に、下部電極板3について説明する。下部電極板3は、単層で構成されるか或いは複数の層を全面接着により積層して構成されている。たとえば、上記した光学等方性の透明樹脂板の他、ガラス板、又はこれらの積層体を用いることができる。また、ディスプレイがLCDの場合には、1/4波長板9の一枚だけであるとLCD側から表示用として入射する直線偏光も円偏光に変えてしまうため、さらに上記上部電極板1中の1/4波長板9と光軸が直交する1/4波長板を下部電極板3中に配置することによって位相を打ち消させる。この場合、1/4波長板単層で下部電極板3を構成してもよいし、光学等方性の透明樹脂板やガラス板との積層体で下部電極板3を構成してもよい。なお、ディスプレイがLCDの場合でも、そのLCDの表面に二枚目の1/4波長板を設けるならば、本発明の上記実施形態のタッチパネルの下部電極板3中に二枚目の1/4波長板を設けなくてもよい。
また、上部電極2が設けられた上記上部電極板1と下部電極4が設けられた上記下部電極板3とは、通常、両面粘着テープや透明粘着材などの粘着層5によって表示領域外のみで接着固定され、表示領域には空気層6が残される。この場合、上記1/4波長板9が下部電極板3と直接的又は光学等方性の透明樹脂板を介して間接的に表示領域外のみで接着固定されることになるので、低反射タッチパネルの反射防止特性を維持するためには、高温環境下で1/4波長板9の周縁部にのみストレスがかからないようにしなければならない。本発明の上記実施形態においては、上記上部電極板1が先に説明した耐熱透明樹脂板8を有し、上記耐熱透明樹脂板8が上記1/4波長板9に直接的に全面で貼り合わせられているので、1/4波長板9にかかるストレスを分散し、リタデーション変化をほとんど起こさせないことができる。すなわち、反射防止特性を損なうことが少ない。
また、タッチパネルの面積が大きい場合、上部電極2が設けられた上部電極板1が自重で下部電極4が設けられた下部電極板3に接触するのを防ぐため、上部電極2又は下部電極4のいずれかの表面に微細なドット状のスペーサー7が形成される。このスペーサー7としては、透明な光硬化型樹脂をフォトプロセスで微細なドット状に形成して得ることができる。また、印刷法により微細なドットを多数形成してスペーサー7とすることもできる。
また、上部電極板1の最上面となる偏光板10の上面に低反射処理、防汚処理、梨地処理を施すことができる。あるいは、これらの処理を施したフィルムを、低反射・防汚機能付き梨地層として、偏光板10上に粘着剤等を介して貼り合わせてもよい。ここで、低反射処理としては、フッ素樹脂やシリコン樹脂等を用いた低反射材料を塗布したり、金属の多層膜を真空蒸着法やスパッタリング法等にて形成することがあげられる。上記フィルムは防湿性があるものが望まれる。例えば、40μm〜80μmの厚みのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いて、偏光板10上に防湿・低反射・防汚機能付き梨地層20を形成するのがよい。PETフィルムは防湿性に優れているため、偏光板10の上面に貼付けすることにより、上部電極板1への水分の進入を防止する事ができる。PETフィルムは事前に熱処理することで低収縮化したものを用いるのもよい。防汚処理としては、フッ素樹脂等を用いた防汚材料を塗布することがあげられる。梨地処理としては、サンドブラスト加工、エンボス加工、マットコーティング加工、又は、エッチング加工等があげられる。
本発明は、図3に示すように偏光板10と1/4波長板9との間に耐熱透明樹脂板8を配置することによりそれぞれの光学板に対し耐熱透明樹脂板8が支持板となるため、高温高湿環境下においても偏光板10や1/4波長板9の膨張が抑えられ、リタデーションの変化や光学特性の劣化を起こしにくい。一方、図1,図2の形態については、偏光板10と1/4波長板9が直接貼り合わせられているため、図3の構成に比べてうねりや歪みを起こしやすくなる。
さらに、本発明の他の実施形態として、図8に示すように、上部電極板1と下部電極板3とが大略同一形状である場合、上部電極板1と下部電極板3の側端部周囲を覆うようにシール材を塗布してシール層21を形成するようにしても良い。また、本発明の他の実施形態として、図9に示すように、上部電極板1が下部電極板3よりも小さい場合、上部電極板1の端部周囲と下部電極板3の縁部周囲を覆うようにシール材を塗布してシール層22を形成するようにしても良い。シール材の種類としては、UV硬化樹脂、熱・UV併用硬化樹脂、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、又は、シリコン系等の熱硬化樹脂が好ましい。シール方法としてはディスペンス法が例示される。このように、シール層21,22により、上部電極板1などの端部からの水分の侵入を防ぐことができて、両面粘着テープあるいは透明粘着材などの粘着層5の劣化を防ぐことができる。高温高湿環境下でも影響を受けにくく、上部電極板1と下部電極板3とを接着させている両面粘着テープあるいは透明粘着材などの粘着層5が剥がれたとしても、さらにシール層21,22で保持している為、タッチパネル特性を損なわない。
上記各実施形態によれば、円偏光タイプの反射防止フィルターを有するタッチパネルにおいて、上部電極板1が、ガラス転移温度が150℃以上の特性を有する厚み0.15〜0.8mmの光学等方性の耐熱透明樹脂板8を有し、上記耐熱透明樹脂板8が上記1/4波長板9に直接的に全面で貼り合わせられているので、ガラス板同様、夏の直射日光下に窓を閉め切ったときの車内のように70℃を越える高温環境下においても1/4波長板9及び偏光板10の熱膨張をほとんど抑制することができて、うねりや歪みが生じない安定な状態を保持させることができる。また、上記耐熱透明樹脂板8が上記1/4波長板9に直接的に全面で貼り合わせられているので、ガラス板同様、上記高温環境下においても1/4波長板9にかかるストレスを分散し、リタデーション変化をほとんど起こさせないことができる。すなわち、反射防止特性を損なうことが少ない。

よって、高温環境下に長時間放置しても外観形状の変形やリタデーション変化による反射防止特性の劣化が起こらず、且つ快適な入力操作を行え、しかも組立て時の作業性の良好な高耐久性を有する。
さらに、耐熱透明樹脂板8がガラス板と比べて可撓性が高いために、ペンや指での入力が軽くなり、快適な入力操作を行える。
また、耐熱透明樹脂板8が薄いガラス板と異なり割れにくいので、タッチパネルの組み立て時の取り扱いが非常に容易になり、またタッチパネル入力操作中にガラスが破損する恐れもない。
さらに、高温環境下に長時間放置しても外観形状の変形やリタデーション変化による反射防止特性の劣化が起こらず、且つ快適な入力操作を行え、しかも組立て時の作業性の良好な高耐久性を有する。
耐熱透明樹脂板が1/4波長板の下方に配置されている低反射タッチパネルを示す断面図である。 耐熱透明樹脂板が偏光板の上方に配置されている低反射タッチパネルを示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る高耐久性を有する低反射タッチパネルを示す断面図である。 従来技術に係る低反射タッチパネルを示す断面図である。 図4の低反射タッチパネルの上部電極板について高温環境下における変化を示す分解平面図である。 図4の低反射タッチパネルについて高温環境下で上部電極板にかかるストレスを示す断面図である。 従来技術に係る高耐久性を有する低反射タッチパネルを示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る高耐久性を有する低反射タッチパネルを示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る高耐久性を有する低反射タッチパネルを示す断面図である。
符号の説明
1 上部電極板
2 上部電極
3 下部電極板
4 下部電極
5 一例として両面粘着テープなどの粘着層
6 空気層
7 スペーサー
8 耐熱透明樹脂板
9 1/4波長板
10 偏光板

Claims (6)

  1. 下面に透明導電膜からなる上部電極が設けられた上部電極板と、上面に透明導電膜からなる下部電極が設けられた下部電極板とを、両電極が空気層を介して対向させて表示領域外のみで接着固定したものであって、上記上部電極板が上記上部電極側から順に1/4波長板、上記1/4波長板の光軸と吸収軸が45°又は135°になす偏光板を少なくとも積層してなるタッチパネルにおいて、
    上記上部電極板が、ガラス転移温度が150℃以上、吸水率が1.3%以下の特性を有する厚み0.15〜0.8mmの光学等方性の耐熱透明樹脂板を上記偏光板と上記1/4波長板との間に有し、上記耐熱透明樹脂板が上記1/4波長板に直接的に全面で貼り合わせられている高耐久性を有するタッチパネル。
  2. 上記耐熱透明樹脂板のガラス転移温度が170℃以上である請求項1に記載の高耐久性を有するタッチパネル。
  3. 上記耐熱透明樹脂板の厚みが0.2〜0.7mmである請求項1に記載の高耐久性を有するタッチパネル。
  4. 上記耐熱透明樹脂板の吸水率が1%以下である請求項1にの高耐久性を有するタッチパネル。
  5. 上記上部電極板の最上面となる上記偏光板の上面に、防湿性PETフィルムを低反射・防汚機能付き梨地層として配置するようにした請求項1に記載の高耐久性を有するタッチパネル。
  6. 少なくとも上記上部電極板の側端部周囲と上記下部電極板の側端部付近とを覆うシール層をさらに備えるようにした請求項1に記載の高耐久性を有するタッチパネル。
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