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JP4649883B2 - 感熱液晶含有マイクロカプセル、その製造方法、及び該マイクロカプセルを含有する塗料組成物 - Google Patents
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JP4649883B2 - 感熱液晶含有マイクロカプセル、その製造方法、及び該マイクロカプセルを含有する塗料組成物 - Google Patents

感熱液晶含有マイクロカプセル、その製造方法、及び該マイクロカプセルを含有する塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、感熱液晶を含有するマイクロカプセル、及び該マイクロカプセルを含有する塗料組成物に関する。
感熱液晶は、特定の温度領域において温度の微細な変化に応じて赤乃至紫に変色させることができる。この感熱液晶は、空気中の水分、太陽光等の紫外線に対する耐久力なく、数ヶ月でその発色特性を失ってしまう。
これを改善するために、感熱液晶を天然高分子やウレタン等の有機材料を使用したカプセル化が検討されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。しかし、これらのカプセル化感熱液晶粒子でも、依然、その発色の領域が狭く、耐候性、耐薬品性、耐水性に乏しいため発色の持続性が短いという問題を有しているため、温度表示、装飾用等の限定された用途として実用化されているにすぎない。
特公昭49−18351号公報 特公昭52−1324号公報 特公昭56−15674号公報 米国特許第3523906号明細書
本発明は、耐湿性、耐候性、耐水性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、感熱液晶そのものの発色性を損なうことなく長期間発色特性を持続し得る感熱液晶含有マイクロカプセル、及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに、該感熱液晶含有マイクロカプセルを用いた塗料組成物、及び該塗料組成物により形成される塗膜を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、芯材である感熱液晶の表面を有機系の被膜(第1カプセル膜)及び無機系の連続被膜(第2カプセル膜)で被覆することにより、感熱液晶の発色特性を維持しつつ耐久性(耐水性、耐薬品性等)に優れた感熱液晶含有マイクロカプセルが得られることを見出した。この知見に基づき、さらに研究を発展させて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の感熱液晶含有マイクロカプセル、その製造方法、及び該マイクロカプセルを用いた塗料組成物等を提供する。
項1.感熱液晶を2層のカプセル膜でカプセル化してなる感熱液晶含有マイクロカプセルであって、該2層のカプセル膜が、感熱液晶表面に形成される有機系被膜(第1カプセル膜)と該第1カプセル膜表面に形成される無機系被膜(第2カプセル膜)とからなることを特徴とする感熱液晶含有マイクロカプセル。
項2.前記第1カプセル膜が、水性媒体中で有機高分子及び感熱液晶を乳化分散させてコアセルベーションにより形成された有機系被膜であり、前記第2カプセル膜が、アルコキシシラン乃至その加水分解縮合物、反応配向剤及び硬化触媒を用いて形成された無機系被膜である項1に記載の感熱液晶含有マイクロカプセル。
項3.球形であり平均粒子径が3〜90μm程度である項1又は2に記載の感熱液晶含有マイクロカプセル。
項4.前記第1カプセル膜と第2カプセル膜を併せた被覆層の膜厚が1〜20μm程度である項1又は2に記載の感熱液晶含有マイクロカプセル。
項5.感熱液晶を2層のカプセル膜でカプセル化してなる感熱液晶含有マイクロカプセルを製造する方法であって、
(1)水性媒体中で有機高分子及び感熱液晶を乳化分散させてコアセルベーションにより感熱液晶粒子を有機系被膜(第1カプセル膜)で被覆してなる第1カプセル粒子の水性分散液を製造する工程、及び
(2)上記工程(1)で製造される第1カプセル粒子の有機系被膜(第1カプセル膜)の表面に無機系被膜(第2カプセル膜)を形成する工程、
を含むことを特徴とする感熱液晶含有マイクロカプセルの製造方法。
項6.前記工程(2)において、(1)で製造される第1カプセル粒子の水性分散液に、アルコキシシラン乃至その加水分解縮合物、反応配向剤及び硬化触媒を加えて無機系被膜を形成する項5に記載の製造方法。
項7.前記工程(1)において、水性媒体中の感熱液晶の濃度が5〜50重量%程度、有機高分子の濃度が2〜50重量%程度であり、前記工程(2)において、水性分散液中の第1カプセル粒子の濃度が5〜50重量%程度であり、アルコキシシラン乃至その加水分解縮合物の配合量が前記水性分散液100重量部に対し5〜30重量部程度、反応配向剤の配合量が前記水性分散液100重量部に対し10〜50重量部程度、硬化触媒の配合量が前記水性分散液100重量部に対し0.005〜0.1重量部程度である項6に記載の製造方法。
項8.項5、6又は7に記載の製造方法により製造される感熱液晶含有マイクロカプセル。
項9.項1、2、3、4又は8に記載の感熱液晶含有マイクロカプセルを含有する塗料組成物。
項10.感熱液晶含有マイクロカプセルが塗料組成物中に5〜70重量%程度含有する項9に記載の塗料組成物。
項11.項9又は10に記載の塗料組成物を基体に塗布して形成される塗膜。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感熱液晶含有マイクロカプセルは、芯材(芯物質)である感熱液晶の表面が有機系の被膜(第1カプセル膜)及び無機系の連続被膜(第2カプセル膜)で被覆されてなる。
感熱液晶
本発明で用いられる感熱液晶とは、特定の温度領域において温度の微細な変化に応じて赤乃至紫に変色する特性を有する液晶をいう。具体的には、例えば、コレステリック相を有する液晶(コレステリック液晶)が挙げられる。これは、分子配列が一つの面内では一定方向を向いているが、これと隣接する面とではねじれを生じて全体としてらせん構造をとっている。
コレステリック相において分子は、厚さ3Å程の薄い層内で分子の長軸が層内にあり、かつ一方向に向かって配列している。層内の分子の方向は、各層ごとに少しずつねじれており、1層当たり各15分の角度で回転していく“らせん”構造をなし、約2000層で1回転する。温度を与えることによりねじれが変わり、ねじれのピッチ幅が広いと赤色を示し、ピッチ幅が小さくなるにつれ、黄色、緑色、青色、紫色とプリズムのように光を選択的に反射するものである。用途としては、温度計等温度表示、装飾品に使用されている。
感熱液晶は、マイクロカプセルの芯材(芯物質)として用いられ、後述するコアセルべーション等を用いて粒子状の形態でカプセル化されて粒子(以下、「第1カプセル粒子」とも呼ぶ)を形成する。
第1カプセル膜(有機系被膜)の形成
第1カプセル膜は、上記の感熱液晶の粒子表面を被覆する有機系被膜で構成される。この第1カプセル膜は、周囲の環境(例えば酸化防止等)から感熱液晶を保護すること、色、味、臭い、毒性を遮蔽すること、見掛け上固体に出来ること、見掛け上の比重を変化できること、貯蔵性能を向上出来ることなどの取扱いを容易にすることを目的として形成される。
この第1カプセル膜は、例えば、水性媒体中で有機高分子及び感熱液晶を乳化分散させて、コアセルベーションを用いて形成することができる。コアセルベーションとは、感熱液晶を水性媒体中で1〜50μm程度の微粒子に乳化分散させて、これを親水性ポリマーである有機高分子の溶液中に懸濁させて、感熱液晶の粒子表面に有機高分子を被着させてカプセル化する方法である。これにより、感熱液晶粒子を有機系被膜(第1カプセル膜)で被覆(カプセル化)してなる粒子(第1カプセル粒子)が製造される。該有機系被膜は、有機高分子を主成分として含有する。
ここで、水性媒体とは水を主成分とする媒体を意味し、本反応に悪影響を与えない範囲で他の成分を含んでいてもよい。感熱液晶を乳化分散する方法は、例えば、攪拌、ホモミキサー乳化等の公知の方法により行うことができる。
該水性媒体中の感熱液晶の濃度は、5〜50重量%程度であればよく、好ましくは15〜35重量%程度である。感熱液晶が沈殿したり凝集したりするのを抑制するためには上記の濃度範囲が推奨される。
この第1カプセル膜の主な材料である有機高分子としては、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸ソーダ等の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース等の半合成高分子;ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、メラミン等の合成高分子等の単体及び複合体(混合物を含む)を使用することができる。
また、該水性媒体中の有機高分子の濃度は2〜50重量%程度であればよく、好ましくは5〜20重量%である。第1カプセル膜の膜厚をカプセル化に必要な膜厚とすると共に感熱液晶の発色性を維持するためには上記の濃度範囲が推奨される。
コアセルベーション法の具体例としては、まず、アラビアゴム溶液と感熱液晶を撹拌して乳化混合し、これに等濃度のゼラチン溶液を添加する(ここで、アラビアゴム溶液とゼラチン溶液を入れ替えてもよい)。これに蒸留水を付加して、酢酸水溶液等でpHを調製する(例えば、pH4.0〜4.3程度)と、ゼラチンとアラビアゴムが反応して濃厚な液状ポリマーを生成する。その後、温度を降下させるとコアセルベーションが始まり、感熱液晶微粒子の周囲にゼラチン・アラビアゴム被膜が被着してカプセル膜を形成する。さらに、アルデヒドなどの硬膜剤を添加してカプセル膜を熟成させる。
上記のようにして第1カプセル粒子の水性分散液が製造される。形成される第1カプセル膜の膜厚は、0.5〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。また、得られる第1カプセル粒子は球形粒子であり、その平均粒子径は2〜70μm程度、好ましくは5〜40μm程度である。
第2カプセル膜(無機系被膜)の形成
第2カプセル膜は、上記の第1カプセル粒子の第1カプセル膜の表面に、無機系連続被膜として形成される。すなわち、第2カプセル膜は、第1カプセル膜の表面全体を被覆する無機系被膜で構成される。この第2カプセル膜は、上記第1カプセル膜材料とは異なり、容易に分解したりせず、水分、有機溶剤等を透過し難い無機系の材料で連続被膜として構成される点に特徴を有している。
第2カプセル膜は、第1カプセル膜の表面に、壁材、即ち少なくともアルコキシシラン乃至その加水分解縮合物、反応配向剤、及び硬化触媒を用いて形成される(例えば、実施例1(3)、図1を参照)。具体的には、上記の第1カプセル粒子の水性分散液に、アルコキシシラン乃至その加水分解縮合物、反応配向剤及び硬化触媒を加えて撹拌混合することにより、第2カプセル膜が形成される。
或いは、第1カプセル粒子の水性分散液に、反応配向剤を加えて第1カプセル膜表面を処理して、その後アルコキシシラン乃至その加水分解縮合物及び硬化触媒を加えて撹拌混合してもよい。
上記の第1カプセル粒子の水性分散液は、その第1カプセル粒子の固形分濃度が低い場合は、固形分濃度が5〜50重量%程度になるように溶媒を留去して濃縮して用いることが好ましい。
なお、上記成分に加えて、必要に応じて適当な有機溶媒(例えば、トルエン)や界面活性剤を添加してもよい。
以下、各成分の具体例を示す。
アルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物としては、例えば、シリコーン樹脂、シリカゾル及びオルガノシリカゾル、水溶性の珪酸ナトリウムの硬化体又は重合体が挙げられる。
シリコーン樹脂とは一般式(I):
Si(OR4−n (I)
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、又はアリール基、Rは炭素数1〜5のアルキル基、nは、1又は2である。)
で示されるオルガノシラン及び/又はその液状の部分加水分解縮合物である。
で示される炭素数1〜8のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基ものであり、特にメチル基、エチル基が好ましく採用される。
で示されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トルイル基等が例示される。
で示される炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が1〜2個のもの、即ちメチル基又はエチル基である。
このシリコーン樹脂の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、例えば、400〜10000、好ましくは、500〜7000のものが適当である。このようなシリコーン樹脂の具体例としては、市販品において、例えば、SR2402、SR2405、SR2406、SR2410、SR2411(東レ・ダウコーニング(株))、KR−211、KR−214、KR−216、KR−255(信越化学工業(株))、TSR−165、TSR170(GE東芝シリコーン(株))等が挙げられる。
シリカゾルは、水などの分散媒の中にケイ酸(SiO2・nH2O)の微粒子が分散したコロイドを意味し、例えば、スノーテックスAK、スノーテックスC、スノーテックス40、スノーテックスN、スノーテックスO、スノーテックスLSS−45(日産化学工業(株))、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSN、カタロイドSA(いずれも商品名、触媒化学工業(株)製)、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−20A、アデライトAT−20Q(いずれも商品名、旭電化工業(株)製)、シリカドール30、シリカドール20A、シリカドール20B(いずれも商品名、日本化学工業(株)製)などが挙げられる。特に、pHが8.5〜9.で平均粒子径が10〜20nmのスノーテックスCが好ましく採用される。
オルガノシリカゾルとしては、例えばメタノールシリカゾル、IPA−ST、IPA−ST−UP、IPA−ST−ZL、EG−ST、NPC−ST−30、DMAC−ST、MEK−ST、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST(日産化学工業(株))などが挙げられる。
水溶性の珪酸ナトリウムの硬化体又は重合体としては、Na2O・nSiO2・xH2Oの化学式で表わされ、1号(SiO:35〜38%、NaO:17〜19%)、2号(SiO:34〜36%、NaO:14〜15%)、3号(SiO:28〜30%、NaO:9〜10%)、メタ珪酸ナトリウム1種 (SiO:27.5〜29%、NaO:28.5〜30%)、メタ珪酸ナトリウム 2種(SiO:19〜20%、NaO:20〜21%)などが挙げられる。
シリコーン樹脂、シリカゾルゾル及びオルガノシリカゾル、水溶性の珪酸ナトリウムの硬化体又は重合体は、それらの1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応触媒とは第2カプセル膜の重縮合反応に関するもので、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウリレート、テトライソプロポキシチタネート、トリイソプロポキシアルミレート、テトライソプロポキシジルコニウム等のルイス酸;塩酸、硫酸、硝酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸;水酸化ナトリウム、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基等が挙げられる。中でも、第2カプセル膜である無機系被膜の安定性等の観点から、塩酸、硫酸、硝酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることが好ましく、特に塩酸(濃度0.05〜2N程度)が好ましい。
反応配向剤とは、第1カプセル膜と第2カプセル膜を強固に結合させ得る試薬であり、いわゆるシランカップリング剤等が挙げられる。具体的には、第1カプセル膜表面に存在する有機基(例えば、水酸基)と親和性を有する有機官能基(例えば、アルキル基、アルコキシル基、カルボキシル基、1級、2級及び3級アミノ基、スルホニル基、メルカプト基、イソシアナト基、イソチオシアナト基、ハロゲン原子)、及び第2カプセル膜の主原料である上記のアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物と反応しうる無機官能基(例えばSi−OH)を併せもつ化合物が挙げられる。
反応配向剤としてより具体的には、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルトリエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p-スチリトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等のシリケート類などが挙げられるが、メチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―イソシアナトプロピルトリメトキシシランが好適である。
この反応配向剤が、無機系被膜(第1カプセル膜)と有機系被膜(第2カプセル膜)を強固に結合させる役割を果たしているため、より強固なカプセル膜が形成され、耐久性に優れた感熱液晶含有マイクロカプセルが得られる。
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、具体的には、例えば、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類;ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデシルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類;モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類;モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリルのポリエチレンオキサイド付加物、モノオレイン酸グリセリルのポリエチレンオキサイド付加物等のグリセリン脂肪酸エステルのポリエチレンオキサイド付加物類;モノパルミチン酸ソルビタンのポリエチレンオキサイド付加物、モノステアリン酸ソルビタンのポリエチレンオキサイド付加物、トリステアリン酸ソルビタンのポリエチレンオキサイド付加物等のソルビタン脂肪酸エステルのポリエチレンオキサイド付加物類;モノラウリン酸ソルビットのポリエチレンオキサイド付加物、テトラステアリン酸ソルビットのポリエチレンオキサイド付加物、ヘキサステアリン酸ソルビットのポリエチレンオキサイド付加物等のソルビット脂肪酸エステルのポリエチレンオキサイド付加物類;ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類等を挙げることができる。
水性分散液中における第1カプセル粒子の濃度(固形分濃度)は、5〜50重量%程度であり、5重量%未満では感熱液晶の沈殿が起こり、50重量%を越える場合は感熱液晶の凝集が起こる場合がある。好ましくは15〜35重量%である。
アルコキシシラン乃至その加水分解縮合物の配合量は、上記水性分散液100重量部に対して5〜30重量部程度であり、好ましくは10〜20重量部程度用いればよい。5重量部未満では第2カプセル膜の膜厚が1μm未満となり、カプセル化が困難な場合があり、30重量部を越える場合は第2カプセル膜の膜厚が20μmを越えるため発色性が劣る場合がある。
反応配向剤の配合量は、上記水性分散液100重量部に対し10〜50重量部程度であり、好ましくは20〜30重量部程度用いればよい。10重量部未満では第1カプセル粒子とアルコキシシラン乃至その加水分解縮合物の粒子が別々に生成し、50重量部を越える場合はアルコキシシラン乃至その加水分解縮合物の反応体に粘着性があり、生成した粒子が凝集する場合がある。
硬化触媒の配合量は、上記水性分散液100重量部に対し0.005〜0.1重量部程度で、好ましくは0.01〜0.05重量部程度用いればよい。0.005重量部未満では反応触媒として十分機能を果たさず硬化不良が起こりやすく、0.1重量部を越える場合は反応速度に変化を生じない。
第1カプセル膜表面に第2カプセル膜を形成する具体的な操作方法として、例えば、上記各成分を用いて、第1カプセル粒子の水性分散液に、アルコキシシラン乃至その加水分解縮合物、反応配向剤、硬化触媒及び必要に応じて他の成分を加えて500〜1500rpm程度で混合撹拌し、40〜80℃程度で12〜36時間程度反応させればよい。これにより、感熱液晶含有マイクロカプセル水性分散体が製造される。該マイクロカプセルを減圧下で乾燥することにより、本発明の感熱液晶含有マイクロカプセルが製造される。
本発明の感熱液晶含有マイクロカプセルは球形であり、その平均粒子径が3〜90μm程度(好ましくは、10〜60μm程度)である。
また、被覆層(第1カプセル膜+第2カプセル膜)の膜厚は、1〜20μm程度(好ましくは、2〜10μm程度)である。被覆層の膜厚がかかる範囲において、被覆層に所定の強度が付与されると共に、カプセル化感熱液晶の発色特性が劣化せず好適に維持されるためである。
塗料組成物
本発明の塗料組成物は、上記の感熱液晶含有マイクロカプセルを含有している。該感熱液晶含有マイクロカプセル以外の成分は、塗料の用途や目的に応じ適宜選択することができ、公知のものが採用される。例えば、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール類等)、水、顔料(例えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系顔料、黄色酸化鉄、弁柄、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機着色顔料等)が挙げられる。バインダー樹脂(例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース等天然高分子、アクリル樹脂エマルション、アクリルシリコーン樹脂エマルション、ポリウレタン樹脂エマルションなどの成分を含有していてもよい。
感熱液晶含有マイクロカプセルは、塗料組成物中に5〜70重量%程度配合される。配合量が5重量%程度未満では塗膜にざらざら感があり、70重量%程度を越える場合は艶消塗膜となり、塗装塗膜の光沢が低下する場合がある。好ましくは20〜50重量%である。
本発明の塗料組成物を基体(被塗装物)に作用させ、乾燥させることにより、塗膜が形成される(例えば、実験例2、図2を参照)。基体(被塗装物)への作用方法としては、塗布、浸漬、スプレー、ロールコーター、バーコーター、アプリケーター、刷毛、ローラー等公知の方法が採用される。基体(被塗装物)としては、塗料組成物が施用され得るものであればその材質や形状には特に制限はなく、例えば、金属、ガラス、プラスチック、セラミックス等の材質が例示される。これにより、耐湿性、耐候性、耐水性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、感熱液晶そのものの発色性を損なうことなく長期間発色特性を持続し得る塗膜が形成される。
本発明の液晶粒子含有マイクロカプセルは、有機系の被膜(第1カプセル膜)及び無機系の連続被膜(第2カプセル膜)で被覆されてなり、これにより耐湿性、耐候性、耐水性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、感熱液晶そのものの発色性を活かしたまま長期間発色特性を持続することができる。このように優れた耐久性を有する感熱液晶含有マイクロカプセルは、広く塗料組成物に配合させることができる。
次に、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1(感熱液晶のカプセル化)
(1)感熱液晶の母体はコレステロールである。ステロールは動植物の不酸化物中に存在する結晶性のアルコール性物質であって、飽和フェナントロレンの1, 2-位に5員環が縮合した骨格を有する。動物体の主なステロールであるコレステロールは、この骨格にC8-側鎖と2個のメチル基を有する構造である。
Figure 0004649883
コレステロールは動物体の各組織中に存在するが、特に羊毛脂には多量に含まれており、感熱液晶の抽出原料としては羊毛を用いた。
攪拌機を取り付けた三口フラスコに上記コレステロール38重量部(0.1mol)、ピリジン12重量部(0.15mol)、塩化メチレン100重量部、無水酢酸15重量部(0.1mol)加え、昇温して2時間還流させる。室温放置後、イオン交換水200mlを加え、エステル分を塩化メチレン層、未反応物等を水層に分離して、分液漏斗で抽出する。数回イオン交換水で抽出後、塩化メチレン層を減圧下で蒸留し、コレステリルアセテート34重量部回収した。
(2)第1カプセル膜であるゼラチンーアラビアガムのカプセル化方法
攪拌機を取り付けた三口フラスコに上記コレステリルアセテート9重量部、10重量%ゼラチン水溶液30重量部加えて乳化分散させる。そこに10重量%アラビアゴム水溶液30重量部を滴下漏斗にて約20分間で滴下する。そこに40℃の温水を200重量部、次いで10重量%酢酸水溶液を滴下してpHを4.0〜4.3に調整する。これを氷浴を用いて5℃に低下させ、30重量%ホルマリン1重量部加えて、10重量%NaOH水溶液でpHを9.0に調整する。更にこの溶液を1℃/minの速度で50℃まで昇温して平均粒子径25μmの球形のゼラチン−アラビアガムカプセル化感熱液晶含有マイクロカプセルを得た。
(3)第2カプセル膜である無機系被膜のカプセル化方法
攪拌機を取り付けた三口フラスコに、(2)で得られたゼラチン−アラビアガムカプセル化感熱液晶含有マイクロカプセル分散水溶液を固形分28重量%となる程度に濃縮した分散液100重量部、コロイダルシリカC(日産化学社製スノーテックスC、固形分30重量%)50重量部、γ―イソシアナトプロピルトリメトキシシラン25重量部、触媒として0.1N塩酸水溶液5重量部及びトルエン50重量部を調整した。
これを800rpmで撹拌混合し、50℃で24時間反応した(例えば、図1を参照)。結果、粒径分布:1〜70μm、平均粒径:30μmの球形の感熱液晶含有マイクロカプセルを得た。
比較例1
実施例1のγ―イソシアナトプロピルトリメトキシシランに代えてγ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いる以外は実施例1と同様にしてマイクロカプセルを作製した。
結果、粒径分布:1〜70μm、平均粒径:30μmの含感熱液晶マイクロカプセルを得た。
比較例2
実施例1のγ―イソシアナトプロピルトリメトキシシランに代えてγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いる以外は実施例1と同様にしてマイクロカプセルを作製した。
結果、粒径分布:1〜70μm、平均粒径:30μmの含感熱液晶マイクロカプセルを得た。
比較例3
実施例1のスノーテックスC(pH:8.5〜9.0、粒子径10〜20m)に代えて、スノーテックス20L(pH:9.5〜11.0、粒子径40〜50m)(コロイダルシリカ;日産化学社製)を用いる以外は実施例1と同様にしてマイクロカプセルを作製した。
結果、粒径分布:1〜70μm、平均粒径:30μmの含感熱液晶マイクロカプセルを得た。
比較例4
実施例1においてγ―イソシアナトプロピルトリメトキシシランを用いない以外、実施例1と同様にしてマイクロカプセルを作製した。
結果、粒径分布:1〜70μm、平均粒径:28μmの含感熱液晶マイクロカプセルを得た。
比較例5
実施例1において全ての膜材材料を用いず、感熱液晶粒子自身をそのまま使用した。
実験例1(耐溶剤性試験)
実施例1及び比較例1〜5で得られた感熱液晶含有マイクロカプセル1gに対し、同量の溶剤(キシレン)2mlを添加して攪拌後30分室温放置する。その後、該分散液を黒画用紙に塗布して自然乾燥する。乾燥したら50℃で30分強制乾燥し、発色性を評価した。評価の基準は下記に示す通りである。
10:カプセル化前の感熱液晶の発色(これを基準とする)
8:10と比較して温度変化にやや鈍感に発色するが実用上問題ないレベル
6:最初発色するが約1時間後には全く発色しない
4:最初少し発色するが約1時間後には全く発色しない
2:最初縁のみ発色するが約1時間後には発色しない
1:発色しない
Figure 0004649883
実験例2(塗膜の耐水性試験)
実施例1及び比較例1〜5で得られた感熱液晶含有マイクロカプセル50重量部、ポリビニルアルコール(日本合成社製、ゴーセノール)2.5重量部、イオン交換水47.5重量部混合したものを塗布液とし、バーコーダー#4にて黒画用紙に塗布し、常温で12時間放置して塗膜を形成した(例えば、図2を参照)。
得られた塗装塗膜を、乾燥後、及び耐湿試験機(50℃、95RH%)で48時間後について目視評価にて発色性を確認した。
10:カプセル化前の感熱液晶の発色(これを基準とする)
8:10と比較して温度変化にやや鈍感に発色するが実用上問題ないレベル
6:最初発色するが約1時間後には全く発色しない
4:最初少し発色するが約1時間後には全く発色しない
2:最初縁のみ発色するが約1時間後には発色しない
1:発色しない
Figure 0004649883
本発明の感熱液晶含有マイクロカプセルの第2カプセル膜(無機系被膜)の形成方法を模式的に示した図である。 本発明の感熱液晶含有マイクロカプセルを含む塗料組成物を被塗装物に塗装した塗膜の断面模式図である。

Claims (11)

  1. 感熱液晶を2層のカプセル膜でカプセル化してなる感熱液晶含有マイクロカプセルであって、該2層のカプセル膜が、感熱液晶表面に形成される有機系被膜(第1カプセル膜)と該第1カプセル膜表面に形成される無機系被膜(第2カプセル膜)とからなり、該第1カプセル膜が、水性媒体中で有機高分子及び感熱液晶を乳化分散させてコアセルベーションにより形成された有機系被膜であり、該第2カプセル膜が、pH8.5〜9.0、粒子径10〜20nmのシリカゾル、イソシアナト基を有するシランカップリング剤、及び硬化触媒を用いて形成された無機系被膜であることを特徴とする感熱液晶含有マイクロカプセル。
  2. 前記イソシアナト基を有するシランカップリング剤がγ−イソシアナトプロピルトリメトキシシランである請求項1に記載の感熱液晶含有マイクロカプセル。
  3. 球形であり平均粒子径が3〜90μmである請求項1又は2に記載の感熱液晶含有マイクロカプセル。
  4. 前記第1カプセル膜と第2カプセル膜を併せた被覆層の膜厚が1〜20μmである請求項1〜3のいずれかに記載の感熱液晶含有マイクロカプセル。
  5. 感熱液晶を2層のカプセル膜でカプセル化してなる感熱液晶含有マイクロカプセルを製造する方法であって、
    (1)水性媒体中で有機高分子及び感熱液晶を乳化分散させてコアセルベーションにより感熱液晶粒子を有機系被膜(第1カプセル膜)で被覆してなる第1カプセル粒子の水性分散液を製造する工程、及び
    (2)上記工程(1)で製造される第1カプセル粒子の水性分散液に、pH8.5〜9.0、粒子径10〜20nmのシリカゾル、イソシアナト基を有するシランカップリング剤、及び硬化触媒を加えて撹拌混合して有機系被膜(第1カプセル膜)の表面に無機系被膜(第2カプセル膜)を形成する工程、
    を含むことを特徴とする感熱液晶含有マイクロカプセルの製造方法。
  6. 前記イソシアナト基を有するシランカップリング剤がγ−イソシアナトプロピルトリメトキシシランである請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記工程(1)において、水性媒体中の感熱液晶の濃度が5〜50重量%、有機高分子の濃度が2〜50重量%であり、前記工程(2)において、水性分散液中の第1カプセル粒子の濃度が5〜50重量%であり、pH8.5〜9.0、粒子径10〜20nmのシリカゾルの配合量が前記水性分散液100重量部に対し5〜30重量部、イソシアナト基を有するシランカップリング剤の配合量が前記水性分散液100重量部に対し10〜50重量部、硬化触媒の配合量が前記水性分散液100重量部に対し0.005〜0.1重量部である請求項に記載の製造方法。
  8. 請求項5、6又は7に記載の製造方法により製造される感熱液晶含有マイクロカプセル。
  9. 請求項1、2、3、4又は8に記載の感熱液晶含有マイクロカプセルを含有する塗料組成物。
  10. 感熱液晶含有マイクロカプセルが塗料組成物中に5〜70重量%含有する請求項9に記載の塗料組成物。
  11. 請求項9又は10に記載の塗料組成物を基体に塗布して形成される塗膜。
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