JP4650653B2 - 捺染用インクジェットプリンタの制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、捺染用インクジェットプリンタの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、騒音が低いことやカラー化が容易なことで、産業用、オフィス用、パーソナル用向け出力機として急速に普及してきている。特に近年、環境面やQRの観点から、インクジェットプリンタの捺染への応用が期待されている。捺染用インクジェットプリンタでは、布帛の一種である綿や絹に対しては水性インクが用いられ、布帛の別な種類である化学繊維(ポリエステルなど)の捺染には、分散染料を分散して微粒子化した分散染料インクが用いられる。また、布種を選ばないインクとして、顔料インクも期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェットプリンタで捺染を行う場合、スカーフやハンカチなどインク吸収量が少なく織りの疎密な布帛に対するモアレの問題がある。かかるモアレについて説明する。
【0004】
一般的に、インクジェットプリンタでの画像処理は、面積階調手法で行われる。すなわち、単位面積当たりに吐出するインクドロップの数をいくらとすることで、捺染すべき色を決定している。ここで、画像処理の一種であるディザ法においては、インクドロップのパターンに応じた周期を持っていて、この周期と布帛の織りの周期が干渉してモアレが生じることがわかっている。これに対し、画像処理の別な種類である誤差拡散法でも、ある階調が決定されれば、やはりある周期が生じ、モアレが生じる。かかるモアレの原因に関しては、特開平10−8386号公報に詳細に述べられている。
【0005】
このようなモアレの問題を解決すべく、特開平6−10278号公報では、無色のインクを用いて、にじませてモアレを回避する方法が提案されている。しかしながら、かかる方法では、インクジェットプリンタの特徴である高精細性を維持できないという問題がある。一方、特開平10−8386号公報では、布帛を送る間隔を変えてプリントする方法が提案されている。本方式ではドットの間隔が変わるため色変化が生じてしまい、色再現性の点で問題がある。かかる問題は、タオルやモケットなどインク吸収量が多い布帛に対して、より顕著に生じる。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、モアレを解消すると共に、例えばタオルやモケットなどインク吸収量が多い布帛に対しても色の濃さを維持する捺染用インクジェットプリンタの制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の捺染用インクジェットプリンタの制御方法は、主走査方向と副走査方向とに移動可能なインクドロップ吐出用のヘッドと、画像データをルックアップテーブル及び擬似階調法に基づいてヘッド駆動データに変更する制御部と、を有する捺染用インクジェットプリンタの制御方法であって、所定解像度で布帛上に前記ヘッドからインクを吐出して画像をプリントした後、後処理を行って得られた布帛にモアレが生じていると判断された場合において、
前記ヘッドから吐出されたインクドロップの、布帛における付着位置を変更すべく解像度を変更する工程と、
前記解像度を変更する工程で変更された解像度に応じて補正した階調データに基づき前記ルックアップテーブルを変更する工程と、
前記ルックアップテーブルを変更する工程で変更されたルックアップテーブルに基づいて、擬似階調法において用いられる入力データを変える工程と、を有し、
前記解像度を変更する工程で変更される解像度は、前記ヘッドの主走査方向と副走査方向の少なくとも一方の方向における解像度を所定の範囲内で変更するものであり、当該解像度の所定範囲において、最小解像度としては、前記ヘッドから吐出され布帛に形成されるドット径の逆数×√2となる値であり、最大解像度としては、当該最大解像度とそれより小さい解像度とのL値の差が少なくともL<1となる値であることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明の捺染用インクジェットプリンタの制御方法は、主走査方向と副走査方向とに移動可能なインクドロップ吐出用のヘッドと、画像データをルックアップテーブル及び擬似階調法に基づいてヘッド駆動データに変更する制御部と、を有する捺染用インクジェットプリンタの制御方法であって、所定解像度で布帛上に前記ヘッドからインクを吐出して画像をプリントした後、後処理を行って得られた布帛にモアレが生じていると判断された場合において、
前記ヘッドから吐出されたインクドロップの、布帛における付着位置を変更すべく解像度を変更する工程と、前記解像度を変更する工程で変更された解像度に応じて補正した階調データに基づき前記ルックアップテーブルを変更する工程と、前記ルックアップテーブルを変更する工程で変更されたルックアップテーブルに基づいて、擬似階調法において用いられる入力データを変える工程と、を有し、前記解像度を変更する工程で変更される解像度は、前記ヘッドの主走査方向と副走査方向の少なくとも一方の方向における解像度を所定の範囲内で変更するものであり、当該解像度の所定範囲において、最小解像度としては、前記ヘッドから吐出され布帛に形成されるドット径の逆数×√2となる値であり、最大解像度としては、当該最大解像度とそれより小さい解像度とのL値の差が少なくともL<1となる値であるので、例えばインクドロップのパターンと、布帛の織りの周期とが干渉し、モアレが生じたような場合には、前記ヘッドから吐出されたインクドロップの、布帛における付着位置を変更することによりモアレを解消もしくは抑制し、かつ変更された前記付着位置に応じて、前記ルックアップテーブルを変え、変更された前記付着位置に応じて、擬似階調法において用いられる入力データを変えることにより、捺染される色を維持させることができる。尚、擬似階調法において用いられる入力データとは、例えば色濃度と色合いの複合データをいう。
【0010】
更に、前記擬似階調法が、自動的に誤差拡散又は/かつディザ法を選択できると好ましい。誤差拡散及びディザ法については、画像処理分野では公知技術であるので、詳細は省略する。
【0011】
又、類似する種類の布帛同士で、同一の前記ルックアップテーブルを適用すると、布帛の全種類に対して個々にルックアップテーブルを作成する必要がなくなり便利である。織りとしては、単位mm当たりの本数で規定され、基準に対して±30%以内のものは類似した布と見ることができる。糸の太さに関しては、±30%以内であれば類似したものと見ることができる。さらに糸を構成する本数は、±20%であれば類似したものと見ることができる。
【0012】
最小解像度は、前記ヘッドから吐出され布帛に形成されるドット径の逆数×√2となる値であり、最大解像度は、該最大解像度と、それより小さい解像度とのL値の差が少なくともL<1となる値であるので、画質を維持しつつモアレを効果的に抑制することができる。ここでいうL値とは、CIE1976(L,a,b)空間において定義される知覚色度指数である。
【0013】
更に、前記ヘッドから吐出されたインクドロップの、布帛における付着位置を変更することにより解像度が変更されるようになっており、前記最小解像度は、最大数の吐出されたインクドロップにより形成されたドット径の逆数×√2であって、最大解像度は、1インクドロップにより形成されたドット径の逆数×√2以上であり、かつ可変できる直前の解像度でのL値の差が少なくともL<2となったときであると好ましい。本発明は、例えば1ピクセルあたり、1ドット、2ドット、3ドットなどとしたドット可変型の場合の最小解像度と最大解像度を、捺染用インクジェットプリンタで規定したものである。つまり、ドット可変型インクジェットで、ドット可変をやめて固定とした場合、それに合わせてdpmを決定することを示したものである(後述する実施例4参照)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる捺染用インクジェットプリンタにおける主要部の機械的構成を示す図である。
【0015】
図1を参照して、捺染用インクジェットプリンタ22について説明する。キャリッジ2は、ヘッド10と、ヘッドドライバ(図示せず)を収めた樹脂性のケースである。キャリッジ2に収められたヘッドドライバ(不図示)は、例えばICで構成されており、キャリッジ2から引き出されたフレキシブルケーブル5で制御基板9と接続されている。制御基板9は、画像処理用のパソコン21に通信可能に接続されている。制御基板9とパソコン21とで制御部を構成する。
【0016】
キャリッジ2は、キャリッジ駆動機構6によって図中矢印で示した主走査方向(X方向)に往復移動される。キャリッジ駆動機構6は、モータ6a、プーリ6b、歯付きベルト6c、ガイドレール6dを含んで構成されていて、キャリッジ2は歯付きベルト6cに固着されている。
【0017】
モータ6aによりプーリ6bが回転すると、歯付きベルト6cに固着されたキャリッジ2は図中矢印X方向に沿って移動させられる。ガイドレール6dは、互いに平行な2本の円柱で、且つキャリッジ2の挿通穴を貫通していてキャリッジ2が滑走するようにしてある。
【0018】
このため歯付きベルト6cはキャリッジ2の自重では撓まないし、キャリッジ2の往復移動の方向は一直線上となる。モータ6aの回転方向を逆転すればキャリッジ2が移動する向きを変更でき、回転数を変更すればキャリッジ2の移動速度を変更することも可能である。インクカートリッジ(図示せず)は内部にインクタンクを有している。インクタンクのインク供給口はインクカートリッジをキャリッジ2にセットしてインク供給パイプと接続されると開口し、接続が解除されると閉鎖され、ヘッド10にインクが供給される。
【0019】
キャリッジ2にはヘッド10が設けられている。このヘッド10の背面には、吐出用のY、M、C、Kの各色のインクを納めたインクカートリッジが着脱自在に配置されている。なお、インクカートリッジについては図示を省略している。フレキシブルケーブル5はデータ転送手段にかかり、可撓性を有するフィルムに、データ信号線、電源線等を含む配線パターンをプリントしたもので、キャリッジ2と制御基板9との間でデータを転送し、キャリッジ2の移動に追従する。
【0020】
エンコーダ7は樹脂の透明なフィルムに所定の間隔で目盛りをつけたもので、この目盛りをキャリッジ2に設けた光センサにより検出して、キャリッジ2の移動速度や位置、移動方向を検知する。搬送機構8は図中矢印Yで示した副走査方向に布帛Pを搬送させる機構で、搬送モータ8a、搬送ローラー対8b、8cを含んで構成される。搬送ローラー対8bと搬送ローラー対8cは搬送モータ8aにより駆動されて、図示せぬギア列によって略等しいが搬送ローラー対8cが極わずかに速い周速で回転するローラー対である。
【0021】
布帛Pは供給機構(図示せず)から送り出されてから一定速度で回転させられている搬送ローラー対8bに挟持され、供給ガイド(図示せず)によって副走査方向に搬送の向きを修正させられたうえで搬送ローラー対8cに挟持されて搬送される。
【0022】
搬送ローラー対8cの周速は搬送ローラー対8bよりも極わずか速いので、布帛Pは弛みを発生させずに記録部を通過する。また布帛Pが副走査方向に移動する速度は一定の速度に設定する。
【0023】
このようにして布帛Pを副走査方向に一定速度で移動させつつ、キャリッジ2を主走査方向に一定速度で移動させ、ヘッド10から吐出したインクを付着させて布帛Pの片面の所定範囲に画像を記録する。本実施の形態においては、キャリッジ2の移動速度を変えることにより、主走査方向の解像度を変更でき、搬送ローラ対8bの回転速度を変えることで、副走査方向の解像度を変更できるようになっている。
【0024】
以下、本実施の形態を用いた実施例について説明する。
(実施例1)
モアレの解消する方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。
まずステップS101で、顧客は、捺染用インクジェットプリンタ22を用いて、推奨解像度(ここでいう推奨解像度とは、布帛の番定から、顧客がモアレ回避を予想できる場合は、その解像度。予想し得ない場合は、適当な解像度をいう)にてプリントして、発色し次いで洗い及び乾燥(以下、後処理)し、モアレの有無を確認する。ここで、モアレが生じていた場合、キャリッジ2の位置に対するインクドロップの吐出タイミングを変え、或いは搬送ローラー対8bの回転位置に対するインクドロップの吐出タイミングを変更する(ステップS102)。これら吐出タイミングを変更することは、布帛におけるインクドロップの付着位置を変更することを意味する。しかし、このように単純に解像度だけを変更しただけでは、捺染の色が異なってしまう。そこで、以下のごとき処理を合わせて行う。
【0025】
まず、画像データをヘッドの駆動データに変換する際に用いるルックアップテーブル(Look Up Table、以下LUTという)を新たに作成(又は変更)する。LUTはパソコン21に格納されて用いられる。LUTの変更方法は、図2の工程Aで示すように、大きく分けると2つのステップS103,S104からなる。
【0026】
第1のステップS103では、プリントの色を構成するところの各色の階調性調整を行う。上述したように解像度を変更すると、最大濃度が異なってしまう。
そのために、階調性が線形的でなくなり色バランスが崩れる。例えば、256階調の場合、32分割してその階調調整をする。ここでは、単に32分割したデータで各色をプリントして、後処理後、測色をして色を数値化して線形的な階調になるように補正をすることで、補正された階調データ(階調曲線のデータ)を作成する。
【0027】
第2のステップS104では、この補正した階調データより、プリントを構成するところの色の組み合わせパッチを測色する。このデータをもとに、色の補間をしてLUTを作成し、色変換ソフトに記憶する。以上の処理は、パソコン21で行うことができる。
【0028】
更に、ステップS105で、誤差拡散法に用いる入力データとして、色濃度と色の組み合わせによって異なったデータをパソコン21に入力する。ステップS106で、顧客は再度、希望する画像を、変更したLUT及び変更した入力データに基づく誤差拡散法で布帛にプリントする。ステップS107で顧客が目視で判断し、モアレが生じていれば、ステップS102で、再度解像度を変更し同様の処理を行い、モアレが生じていなければ、処理を終了する。
【0029】
このように、一度ある布帛に対して、解像度の異なるLUTを記憶させておけば、次回からは、予め解像度に対してLUTを作成する工程と同じになる。つまり、ある布帛に対してある解像度でモアレが生じた場合は、モアレの生じない解像度を選択することができる。事前にその解像度でのLUTは作成を終了しているので、プリント時に、誤差拡散入力データが変更されモアレのない画像がプリントされることとなる。
【0030】
本プリント方法は、ディザ法でもまったく同様に使用できるが、画像処理速度的にはディザ法は優位であるが、周期的なものが生じる場合があり、好ましくは誤差拡散法が良い。
【0031】
尚、図2の工程Aの処理は、解像度の変更がなされる時に行っても良いし、予め行っていても良い。解像度を変更する時にLUTを作成する場合と、予め作成する場合のメリットとデメリットを表1に示す。
【表1】
【0032】
次に、より効率的なモアレ解消方法について説明する。一般的に、色変換ソフトは、媒体性能が変化した場合(例えば布帛や布帛に塗布する前処理剤を代えた場合)は、その変化によって色が変わる現象が生じる。つまり、色再現性の劣化が生じる。このような問題を回避するために、色変換ソフトのLUTの部分のみを変えて、変化した媒体に対しての劣化を防ぐことができる。したがって、媒体(布帛)に対して、各々LUTを作成すると良い。
【0033】
前述したような方法では、布帛ごとに解像度に応じたLUTを作成し、誤差拡散入力データを変えなければならなくなり、莫大な労力を必要とする。これに対し、本発明者らの研究によれば、布の織りと糸の太さが発色状態に大きく影響を与えることがわかり、織りや太さが類似している媒体は、概ね色再現性が良いことが判明した。言い換えれば、布帛ごとにLUTを変える必要はないことが判明したのである。このことは、予め種々の解像度に対してLUTを作成しておけば良いことを示す。
【0034】
予め種々の解像度に対して作成する方法は、類似した布帛を選ぶ工程を含む。
織りとしては、単位mm当たりの本数で規定され、基準に対して±30%以内のものは類似した布と見て良い。また、織り方として、大きく分けて平織り、斜文織り、朱子織り、その他がある。細かく分類すると、斜文織りには片面斜文、両面斜文があるが、これも大きく分類したものであれば、類似した布と見て良い。
【0035】
糸の太さに関しては、±30%以内であれば類似したものと見て良い。さらに糸を構成する本数は、±20%であれば類似したものと見て良い。このようにして類似した布帛の代表例を1種類選択する。
【0036】
次に、解像度ごとに階調曲線の変更データを作成する。かかる変更データの作成方法は、前述した通りである。又、選択できる解像度のうち、どれか1つの解像度で、階調補正をしたデータにて色組み合わせパッチを作成し、LUTを作成する。その他の解像度においては、階調曲線の変更データをもとに、計算上で色組み合わせの色を予想してLUTを作成する。このようにして、代表的な布帛に対して、事前にLUTを作成しておけば、顧客は、類似する布帛においては新たにLUTを作成しなくとも、概ね色が一致したモアレのない画像を解像度の変更で得ることができる。
【0037】
(実施例2)
タオルやモケットなどインク吸収量の多い布帛の場合には、以下のような処理を行う。顧客は、例えばあるタオルに対してプリントして、発色し次いで洗い及び乾燥(以下、後処理)し、色の濃度やにじみを確認する。ここで、色濃度に不足が生じた場合や、にじみが生じた場合、解像度を変更する。以下、上述した実施例1で示した工程と同様な工程を経て、所望の解像度にてプリントをして上記問題を解決することができる。
【0038】
(実施例3)
本発明者らは、捺染用インクジェットプリンタにおいて、モアレ対策のために解像度を変更できる所定範囲は、下記の方法にて決定されることを見出した。例えば、捺染用インクジェットプリンタに搭載されたヘッドにて形成できるドット径が0.070mmの場合、その逆数(14.28)×√2=20(dot数/mm:以下dpmという)が変更可能な最小解像度となる。これよりも最小解像度が小さいと白筋などの問題が生じる。
【0039】
一方、最大解像度はドット径とは関係なく、最大色濃度L値によって決定される。ここでいうL値とは、CIE1976(L,a,b)空間において定義される知覚色度指数である。図3は、横軸にdpm(解像度)をとり、縦軸にL値をとって示すグラフである。dpmの増加と共にL値は小さくなり、色濃度が濃くなることがわかる。本発明者らは、色濃度がdpmの増加と共に差異がなくなることを見出し、これによるにじみが増加することを見出した。表2は、代表的な織りに対する色濃度変化とにじみ具合を示した結果である。つまり、L値の変動が1以下では、布帛のインク吸収量がほぼ限界となり、新たなにじみという問題を引き起こすことがわかったのである。なお、この表における最大解像度は19と判断できる。表2で明白な通り、プリントされる布帛によって、多少最大解像度は変化するが、捺染用インクジェットプリンタとしては、最小解像度の2倍の解像度を有していれば、十分であることがわかる。
【表2】
【0040】
このように解像度の範囲が特定された後、顧客は、細線画像をプリントするか、絵柄をプリントするかによって、解像度の範囲内において自由に選択できる。細線画像の場合は、最小解像度を選択し、絵柄の場合は最大解像度を選択するのが良い。一見、細線画像は最大解像度でプリントしたほうが良いと考えるが、実際には、この解像度の可変範囲は、プリントの色濃度に主眼が置かれている手法であって、細線画像を最大解像度でプリントすると線幅が太ってしまい適さないということがある。
【0041】
(実施例4)
表3に、捺染用インクジェットプリンタにおいて、同一ピクセル内に複数のインクドロップをヘッドから吐出させる場合におけるドット径と解像度の関係を示す。
【表3】
【0042】
かかる表によれば、ドット径を可変とした場合、最小解像度は17dpmであり、最大解像度は37dpmとなる。一般的には、ドロップ可変の場合は、解像度は一定であって、その解像度は、最小解像度によって決定される。ドロップの少ない部分は、面積階調として使用される。
【0043】
本実施例によると、解像度を17dpm〜37dpmの範囲で選択することができる。顧客は、細線画像の場合は17dpmを選択し、絵柄の場合は37dpmを選択すると良い。この理由は、実施例3で述べた理由と同じである。ドロップ可変であっても、プリントする色の入力データによって、ドロップ数は自動的に決定される。つまり、一般的には色の濃いデータは、3ドロップで描画してしまうこととなる。
【0044】
本実施例の応用としては、上記問題を解決するために、解像度を可変として使用することができるので、ドロップ数ごとに特定の解像度としたほうが良い。つまり、ドロップ数によるドット径変更はそのまま、L値の変動値を考慮して、解像度を可変することである。本実施例の場合は、解像度は、37dpm、25dpm、19dpmの3通りの解像度選択ができることを指す。重要なことは、少なくとも、最高解像度が選択できれば良いということである。つまり、この場合は、37dpmが選択できれば良い。このように、ドロップ数と解像度を関係づけることによって、細線画像用として、例えば37dpmを選択できるようにすれば良いのである。絵柄の場合は、解像度可変範囲内から任意に選べば良い。なお、細線画像の場合は、ドロップ径が一定となるためにざらつきの問題が生じる。この場合には、インクを濃色と淡色の2種類設けてプリントするのが良い。
【0045】
(実施例5)
解像度を可変とする捺染用インクジェットプリンタは、主走査方向についてはエンコーダが設置されており、エンコーダの目盛りより読み取った信号を分割して吐出タイミングを制御する方法にてdpmを決定することができる。図4は、かかる構成を概略的に示す図である。
【0046】
解像度のアップ方法:
▲1▼ 不図示のヘッドは、エンコーダEの目盛り(p1,p2,p3・・・)をセンサーSで読んだときに、ドロップ出射するようになっている。まず、はじめに空読み込みをする。より具体的には、エンコーダEの目盛りのピッチが12dpmである時、等速度に達した後、目盛りp1、p2・・・と順次センサーSにて信号を読み取る。この時、同時にクロックを立てて目盛りp1を読み込んだときをt1として、同様に目盛りp2を読み込んだときをt2とする。以下、順次目盛りp3の時間t3として時間を読み込んでいく。
▲2▼ 例えば解像度を2倍にしたい場合、パソコン21の演算子によって、(t2−t1)/2、(t3−t2)/2、(t4―t3)/2 の時間を算出しておく。
▲3▼ 更に、目盛りp1を読み込んだ時、及び(t2−t1)/2 の時間を経た時、及び目盛りp2を読んだとき、というようにインクドロップの出射制御をする。それにより、エンコーダの目盛りの1/2で出射制御が可能となり、解像度dpmが2倍となる。
【0047】
副走査方向は、媒体送り装置エンコーダ付きDCモータに送り量分の信号を送ることによって制御する。この場合はギヤ比を大きくして、細かな媒体の送り量を調整することが可能で、例えば50μm送れば解像度を20dpmとでき、83μm送れば解像度を2dpmと変更できる。ただし、主走査方向でのdpm変更は、プリント速度の大きな影響は与えないが、副走査方向でのdpm変更は、走査回数が変動し、プリント時間に影響を与える。したがって、可能なレベルで主走査方向でのdpm変更が望ましいといえる。
【0048】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、モアレを解消すると共に、例えばタオルやモケットなどインク吸収量が多い布帛に対しても色の濃さを維持する捺染用インクジェットプリンタの制御方法及び捺染用インクジェットプリンタのプリント方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる捺染用インクジェットプリンタの主要部の機械的構成を示す図である。
【図2】捺染用インクジェットプリンタの制御方法を説明するためのフローチャート図である。
【図3】横軸にdpm(解像度)をとり、縦軸にL値をとって示すグラフである。
【図4】捺染用インクジェットプリンタにおける解像度を可変とする構成を示した概略図である。
【符号の説明】
2 キャリッジ
7 エンコーダ
10 ヘッド
22 捺染用インクジェットプリンタ
Claims (3)
- 主走査方向と副走査方向とに移動可能なインクドロップ吐出用のヘッドと、画像データをルックアップテーブル及び擬似階調法に基づいてヘッド駆動データに変更する制御部と、を有する捺染用インクジェットプリンタの制御方法であって、所定解像度で布帛上に前記ヘッドからインクを吐出して画像をプリントした後、後処理を行って得られた布帛にモアレが生じていると判断された場合において、
前記ヘッドから吐出されたインクドロップの、布帛における付着位置を変更すべく解像度を変更する工程と、
前記解像度を変更する工程で変更された解像度に応じて補正した階調データに基づき前記ルックアップテーブルを変更する工程と、
前記ルックアップテーブルを変更する工程で変更されたルックアップテーブルに基づいて、擬似階調法において用いられる入力データを変える工程と、を有し、
前記解像度を変更する工程で変更される解像度は、前記ヘッドの主走査方向と副走査方向の少なくとも一方の方向における解像度を所定の範囲内で変更するものであり、当該解像度の所定範囲において、最小解像度としては、前記ヘッドから吐出され布帛に形成されるドット径の逆数×√2となる値であり、最大解像度としては、当該最大解像度とそれより小さい解像度とのL値の差が少なくともL<1となる値であることを特徴とする捺染用インクジェットプリンタの制御方法。 - 前記ルックアップテーブル変更工程は、類似する種類の布帛が選択された場合には、各々に同一のルックアップテーブルを適用することを特徴とする請求項1に記載の捺染用インクジェットプリンタの制御方法。
- 前記最小解像度は、最大数の吐出されたインクドロップにより形成されたドット径の逆数×√2となる値であり、最大解像度は、1インクドロップにより形成されたドット径の逆数×√2以上であり、かつ可変できる直前の解像度でのL値の差が少なくともL<2となる値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の捺染用インクジェットプリンタの制御方法。
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