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JP4654038B2 - キメラアルファq−ガストデューシンgタンパク質 - Google Patents
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JP4654038B2 - キメラアルファq−ガストデューシンgタンパク質 - Google Patents

キメラアルファq−ガストデューシンgタンパク質 Download PDF

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Description

本発明は、キメラGタンパク質、特に、味覚受容体伝達経路において関与するキメラGタンパク質に関する。本発明はまた、前記タンパク質を含む異種発現系(heterologous expression system)に基づくアッセイ、ならびに、ヒトにおける苦味、甘味およびうま味反応の調節因子のスクリーニングにおけるこれらの使用に関する。
味覚は、5つの別々の様式:苦味、塩味、酸味、甘味およびうま味に分類することができる。味物質は、食物および飲料のおいしさに影響を及ぼし、それによりヒトの栄養学的習慣に影響を与える。それらはまた、経口投与製剤や栄養補助食品などの他の摂取可能なもののおいしさにも影響を与える。味覚伝達のメカニズムを理解し操作することは、食品および製薬業界への示唆を有する。味覚伝達経路が操作できる場合には、異種発現系に基づくアッセイを開発することができ、この異種発現系を今度は、味覚反応を調節することができる化合物を同定するために用いることができ、そしてそれにより、ある種の食品をよりおいしくし、または経口製剤や栄養補助食品についての患者のコンプライアンスを増進させることができる。
味覚伝達のメカニズムは既にかなり公表されてきた。味覚は、味物質分子が、茸状、葉状および有郭乳頭の舌上皮組織ならびに軟口蓋および喉頭蓋に存在する味蕾において見出される、細胞膜に存在するそれらの受容体と相互作用することにより開始される。生化学的および生理学的研究における近年の進歩により、研究者は、甘味、うま味および苦味の伝達には、いわゆるGタンパク質共役型受容体もしくはGPCRが大きく介在していると結論づけることができた。
GPCRは、味物質分子が結合することができる細胞表面タンパク質であり、カルシウムイオンなどのセカンドメッセンジャーを産生する細胞のプロセスを開始させるGタンパク質と共役する。このセカンドメッセンジャーにより、細胞は、味の反応を指示する脳にシグナルを送ることができる。一般的には、GPCRはGq-、Gi-、Go-、およびGs-共役型受容体に分類され、これらの表記は、それらの必須のシグナル伝達経路における最初のGタンパク質エフェクターを反映している。味覚受容体は、Gαi型Gタンパク質であるガストデューシン(Gustducin)と相互作用するため、Gi共役型GPCRとして分類されている。
苦味、甘味およびうま味の味覚に関与すると考えられているGPCRをコードする遺伝子の最近の同定は、味覚伝達経路を調節する化学分子の同定において有用であり得る異種発現系の開発を可能にする。例えば、異種発現系における受容体の利用可能性および使用は、高親和性アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト(inverse agonist)および味の活性の調節因子のスクリーニングを可能にする。しかしながら、異種発現系に基づく信頼性の高いアッセイの開発においては、多くの技術的挑戦が存在する。1つの問題は、異なる(foreign)宿主細胞の表面における、高濃度のGPCRの信頼性の高い発現にある。2番目の問題は、多くの異なるタイプのGPCRと共役することができるだけでなく(しばしば、このようなGタンパク質は、「プロミスカス(promiscuous)」と呼ばれる)、GPCRの表面における濃度が比較的低くても、細胞シグナルができるだけ強い程度に高い効率で共役することができるGタンパク質の提供である。
この2番目の問題に関しては、いわゆるGαqタンパク質である、Gα15 およびGα16が多くの種類のGPCRと結合することが知られている。さらに、これらはGPCRと共役して、細胞内カルシウムレベルの増加を引き起こすホスホリパーゼCを活性化する。このシグナリングカスケードは、当分野においてよく知られているように、細胞内におけるカルシウムレベルを測定することにより、容易に素速く測定することができる(例えばWO 0118050参照)。しかしながら、Gα15 およびGα16は、これらを活性化することができないいくつかの受容体が存在することから、本当に普遍的なプロミスカスGタンパク質であるとは考えられていない。例えば、Offermanns, S. and Simon, M., 1995, J. Biol. Chem., 270:15175-15180;Lee, J.W.M. et al., 1998, J Neurochem., 70:2203-2211;Huang, Y. et al., 1996, J. Biol. Chem. 271:3975-3978.;Wu, D. et al., 1992, J. Biol. Chem. 267: 25798-25802; Wu, D. et al., 1993, Science, 261:101-103;Zhu, X and Birnbaumer, L., PNAS USA, 93: 2827-2831;Parmentier, M.L. et al., 1998, Mol. Pharmacol., 53: 778-786参照。さらに、公表されている文献は、特にGα15 およびGα16 Gタンパク質を活性化することができないこれらGPCRの多くが、Gi型GPCRであることを示している(Mody, S.M. et al., 2000, Mol. Pharmacol., 57:13-23)。
したがって、甘味、うま味および苦味受容体はガストデューシンと共役すると考えられており、そして、前述の研究がGα15 およびGα16はGαi型GPCRに対する最適なパートナーでないことを示唆していることから、当業者は、活性化された味覚受容体がGα15 およびGα16のいずれに対しても効率的に共役することを期待していない。一方で、ガストデューシン自体は、このGタンパク質が、例えばカルシウムイオンの増加ほどには容易に測定されないサイクリックヌクレオチド(cNMP)の放出を調節するため、実用的な解決策を提供しない。cNMPの測定は技術的に困難であって、一般的に4〜6時間程度かかるイムノアッセイが必要とされ、そして終点の評価しか提供しない。さらに、異種発現系においてガストデューシンなどの分化した(specialised)Gαiタンパク質を用いることは困難である。これを行うためには、2つのさらなるGタンパク質サブユニット(βおよびγサブユニット)を異種宿主細胞に導入して、味覚受容体−Gタンパク質複合体を完全に再構成しなければならない。他方で、Gα16は、HEK293細胞系の細胞などの哺乳類細胞に対して内在性のβ/γサブユニットと複合体を形成することができる。ガストデューシンなどのGαi型Gタンパク質よりもGα16を用いるほうが、より迅速で、より容易であり、そしてより感度がよい。
ヒトの味覚反応の調節因子をスクリーニングし、それにより既知の味物質分子の活性を定量し、そして新たな調節因子を発見するために、異種発現系アッセイに取り込むことができる、広範囲の味覚受容体および特に甘味、うま味およびに苦味受容体に対して高い親和性を示すGタンパク質を開発する必要性が引き続き存在する。
キメラGタンパク質の使用は先行技術において示唆されてきた。WO 02/36622においては、トランスデューシン(Transducin)のC末端からの少なくとも5個のアミノ酸ユニットを用いて置換されたGαq キメラタンパク質が記載されている。このようなキメラタンパク質は、2種類の化学受容性(chemosensory)GPCRに関して、野生型(native)Gαq よりもよりプロミスカスであると記載されている。しかしながら、とりわけ、この参考文献において試験された唯一の味覚受容体は、マウスの苦味受容体であった。したがって、記載されているキメラGタンパク質の全てが、ヒトの苦味、甘味またはうま味受容体に対してより効率的に共役するかどうかは、明らかでない。
Molecular Pharmacology 57: 13-23 (2000)においてMody S.M.は、Gα16とGαzの特定の配列とのキメラおよび、Gi共役型受容体に対するその増加したプロミスキティ(promiscuity)を記載している。Modyは、キメラタンパク質は普遍的なGPCRに対するアダプターではなく、特定のGPCRのサブセットの認識を改善することができると結論づけている。とりわけ、研究されたGPCRのサブセットには、味覚受容体は含まれていない。
驚くべきことに、我々はここで、Gαq-ガストデューシンに基づくキメラGタンパク質が、広範囲の既知および推定される苦味受容体、ならびに甘味およびうま味受容体と、高い親和性で結合することができることを見出した。
したがって、本発明は第1の側面において、Gαq-ガストデューシンキメラGタンパク質を提供する。
具体的な態様においては、キメラGαq-ガストデューシンは、Gα15-ガストデューシンタンパク質またはGα16-ガストデューシンタンパク質であり、より具体的にはGα16-ガストデューシンタンパク質である。
さらなる具体的な態様においては、Gタンパク質は、Gαqの少なくとも最終の5個のアミノ酸がガストデューシンの相当する数のアミノ酸に置換されているものであり、より詳細には、Gαq の最終の44個のアミノ酸が、ガストデューシンの44個のアミノ酸ユニットに置換されているものである。
好ましい態様においては、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質が提供される。
本発明の他の側面は、上記に定義したタンパク質をコードする核酸を提供する。
好ましい態様においては、核酸は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列を含む。
本発明のキメラタンパク質は、ガストデューシンのC末端において置換を行うことにより作製することができるが、当業者は、そのプロミスキティおよび/またはある受容体に共役するその程度に対して影響を及ぼし得る他の置換または変異が、Gタンパク質中に取り込まれる可能性があることを認識し、Gタンパク質のこれらの変異体は本発明の他の側面を形成する。さらに、このような置換または変異は、当業者が発明的活動を全くすることなく、PCR、遺伝子クローニング、部位特異的変異導入またはcDNAなどの遺伝子技術、宿主細胞のトランスフェクション、およびインビトロ転写における日常的技術を用いることのみにより、形成することができる。その後で、これらの変異体は、受容体に対する機能的共役についてスクリーニングされてもよい。
本発明のこの側面の具体的な態様においては、配列番号2に記載の配列に対して80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の相同性を有するポリペプチドである変異体が提供される。
本発明の他の側面は、本明細書において定義されるキメラGタンパク質をコードする核酸を含む発現ベクター、および、前記ベクターを用いて形質転換されているかまたはトランスフェクトされている宿主細胞である。
本発明のさらなる他の側面においては、宿主細胞の中にキメラGタンパク質をコードする発現ベクターを含有している定義されている宿主細胞を、前記Gタンパク質の発現に十分な条件下において培養し、それによりタンパク質の産生を惹起し、そして細胞により産生されたタンパク質を回収するステップを含む、定義されているキメラGタンパク質を製造する方法が提供される。
本発明のさらなる他の側面においては、本明細書において定義されているキメラタンパク質を用いて、味覚受容体、特に苦味受容体、甘味受容体およびうま味受容体の調節因子を解析し発見する方法が提供される。
具体的な態様においては、このような方法は、一過性にトランスフェクトされた、本発明のキメラタンパク質および味覚受容体、特に苦味受容体、甘味受容体およびうま味受容体をコードする遺伝子またはcDNAを使用する、哺乳類細胞ベースのアッセイを含み、該方法は、化合物を細胞に接触させるステップ、および受容体:キメラGタンパク質複合体における前記化合物の機能的効果、例えば、細胞質のセカンドメッセンジャーの増加などを決定するステップを含む。
この側面の他の具体的な態様においては、本発明は、安定発現された遺伝子またはcDNAを用いた哺乳類細胞ベースのアッセイに関する。
さらなる他の具体的な態様においては、本発明は、好ましくは誘導可能な形態で、細胞が受容体およびキメラGタンパク質の両方を安定に発現する、哺乳類細胞ベースのアッセイに関する。
本発明のさらなる他の側面においては、本明細書において定義されるアッセイ法における使用のための、作用することにより味覚受容体、特に苦味受容体、甘味受容体およびうま味受容体の味覚反応を調節する、化合物または、前記化合物を含む化合物のコレクション(collection)が提供される。
本発明のさらなる他の側面においては、本明細書において記載されるアッセイ法を用いて、味覚反応の調節因子として同定される、化合物または前記化合物を含有する化合物のコレクション、ならびに、それを含有する食品、飲料または経口医薬製剤または栄養補助製剤が提供される。
本発明の種々の側面は、本明細書において、詳細な説明、配列表および例を参照してにさらに解説される。
本発明の詳細な説明
下記においてさらに詳細に議論される、よく確立された一過性発現系は、本発明のキメラGタンパク質が、GPCR味覚受容体および特に苦味受容体、甘味受容体およびうま味受容体と共役する能力を立証するために用いることができる。
本発明のGタンパク質およびGPCRの両方を発現する細胞は、既知の味物質化合物に接触させてもよい。
本発明において用いられ得る苦味物質の例は、アクテオシド(Acteoside)、アドフムロン、アドルプロン、アエスクレチン(Aesculetin)、エスクリン、L−アラニン、L−アラニル−L−アラニル−L−アラニン、L−アラニル−L−イソロイシル−L−アラニン 、L−バリル−L−バリル−アマロゲンチン、アマロパニン(Amaropanin)、アマロスウェリン(Amaroswerin)、アミグダリン、アンガスティフォリン(Angustifoline)、アンチアセチルフムロン(Antiacetylhumulone)、アンチイソフムロン(Antiisohumulone)、アルギニン、L−アルギニルロイシン、アルギニルロイシルロイシン、アルギニルプロリン、アザロンアルデヒド(Asaronaldehyde)、アスパルチル アスパラギン酸、アスパラサポニンI、アトロピン、ベンジルベータ−D−アラビノシド、ベンジルベータ−L−アラビノシド、ベンジルベータ−D−フルクトシド、ベンジルベータ−D−ガラクトシド、ベンジルアルファ−D−グルコシド、ベンジルベータ−D−グルコシド、ベンジルアルファ−D−マンノシド、苦味ペプチド、大豆タンパク質由来の苦味ペプチド、ブチルアルファ−D−グルコシド、ブチルベータ−D−グルコシド、
カフェイン、カルノシフロシド(Carnosifloside)II、カルノシフロシドIII、カルノシフロシドIV、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、チャコニン、アルファ−チャコニン、ベータ2−クロラムフェニコール、コール酸、シコリイン(Cichoriin)、コフムロン、コルプロン、クリプトクロロゲン酸(Cryptochlorogenic Acid)、ガンマ−ラクトン、ククルビタシン(Cucurbitacin)B、ククルビタシンD、シクロアラニン−グリシン、シクロアラニン−フェニルアラニン、シクロアラニン−バリン、シクロ(L−アルギニルグリシル−L−プロリル−L−プロリル−L−フェニルアラニル−L−イソロイシル−L−バリル)、シクロアスパラギン−フェニルアラニン、シクログリシン−フェニルアラニン、シクロヘキシミド、シクロロイシン−トリプトファン、シクロペント(b)アゼピン−8(1H)−オン、7−メチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−シクロペント(b)アゼピン−8(1H)−オン、2,3,6,7−テトラヒドロ−7−ヒドロキシ−7−メチル−シクロペント−2−エン−1−オン、2,5−ジヒドロキシ−5−メチル−3−(1−ピペリジニル)−シクロペント−2−エン−1−オン、2,5−ジヒドロキシ−5−メチル−3−(1−ピロリジニル)シクロペント−2−エン−1−オン、2,3−ジ−1−ピロリジニル−シクロペント−2−エン−1−オン、5−ヒドロキシ−5−メチル−2,3−ジ−1−ピペリジニル−シクロペント−2−エン−1−オン、5−ヒドロキシ−5−メチル−2,3−ジ−1−ピロリジニル−シクロペント−2−エン−1−オン、5−メチル−2,3−ジ−1−ピロリジニル−シクロペント−2−エン−1−オン、5−メチレン−2,3−ジ−1−ピロリジニル−シクロペント−2−エン−1−オン、3−メチル−2−(1−ピロリジニル)−シクロフェニルアラニン−アスパラギン酸、シクロプロリン−アラニン、シクロプロリン−アスパラギン、シクロプロリン−グリシン、シクロプロリン−イソロイシン、シクロプロリン−ロイシン、シクロプロリン−メチオニン、シクロプロリン−フェニルアラニン、シクロプロリン−プロリン、シクロプロリン−バリン、シクロバリン−フェニルアラニン、シナラトリオール(Cynaratriol)、シナロピクリン(Cynaropicrin)、
ダイゼイン、ダイズイン(Daidzin) 、安息香酸デナトニウム(Denatonium benzoate)、デナトニウムサッカライド、デュリン(Dhurrin)、ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−エチルβ−L−アラビノシド、エチルアルファ−D−グルコシド、エチルベータ−D−グルコシド、ユーストモロシド(Eustomoroside)、ユーストモシド(Eustomoside)、没食子酸、エピガロカテキン、没食子酸エピガロカテキン、ガウジチャウジオシドF(Gaudichaudioside F)、ゲリドシド(Gelidoside)、ゲニステイン、ゲニスチン(Genistin)、ゲンチオピクロシド、ゲンチシン酸(Gentisic Acid)、ゲントモシド(Gentomoside)、ゲスホイジン(Geshoidin)、6'−O−ベータ−D−グルコシルゲンチオピクロシド、グルコザルザニンC、グルタミルアスパラギン酸、グルタミルグルタミン酸、グリシルロイシン、ゴイトリン(Goitrin)、グラミン(Gramine)、グロッシェミン(Grosshemin)、ヘマトキシリンテトラメチルエーテル、ヘリシン(Helicin)、ヘプタデカ−16−エン、1−アセトキシ−2,4−ジヒドロキシ−ヘプタデカ−16−エン、1,2,4−トリヒドロキシ−ヒスチジン、L−フルポン(Hulupone)、フムリノン(Humulinone)、フムロン、ヒドロキシ安息香酸、4−ヒメノシド(Hymenoside)A、ヒメノシドB、ヒメノシドC、ヒメノシドD、ヒメノシドE、ヒメノシドF、イソフムロン、シス−イソフムロン、トランス−イソロイシン、L−イソルパニン(Isolupanine)、イソスパルテイン、ベータ−イソスパルテイン、10,17−ジオキソ−ベータ−イソスパルテイン、
10−オキソ−ベータ−ラクツシン(Lactucin)、L−ロイシン、L−アラニル−L−アラニル−L−ロイシン、N−[(2R)−6−アミノ−2−[(4S)−2,5−ジオキソ−4−(フェニルメチル)−1−イミダゾリジニル]−1−オキソヘキシル]−L−ロイシル−L−メチオニル−N−メチル−L−フェニルアラニル−(4−1)−ラクタム、グリシル−L−アラニル−ロイシン、L−L−ロイシンN−(N2−L−ロイシル−L−グルタミニル)−L−ロイシン、N−(N−L−ロイシル−L−α−グルタミル)−L−ロイシン、N−[N2−[N2−[N−(1−L−ロイシル−L−プロリル)−L−フェニルアラニル]−L−アスパラギニル]−L−グルタミニル]−L−ロイシン、N−[N2−[N−[N−(1−L−ロイシル−L−プロリル)−L−フェニルアラニル]−L−セリル(seryl)]−L−グルタミニル]−L−ロイシン、L−ロイシル−L−バリル−ロイシルロイシン、ロイシルフェニルアラニン、リモニン、リモニンモノラクトン、リナマリン(Linamarin)、ロタウストラリン(Lotaustralin)、ルピナス(Lupine)、ルパニン(Lupanine)、13−ヒドロキシ−ルパニン、7−ヒドロキシ−ルピニン(Lupinine)、エピルピニン(Epilupinine)、ルポキセス(Lupoxes)B、ルポキセスC、ルプロン(Lupulone)、ルプトリオン(Luputrione)、
メレイン(Mellein)、6−メトキシ−メチオニン、L−メチルアルファ−L−アラビノシド、メチルベータ−L−アラビノシド、メチルベータ−D−グルコシド、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−イソロイシン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−ロイシン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−L−フェニルアラニン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−スレオニン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−チロシン、メチルα−D−マンノシド、メチルベータ−L−キシロピラノシド(xylopyranoside)、メチルアルファ−D−キシロシド(xyloside)、ナリンギン、ネオクロロゲン酸、ガンマ−ラクトン、ネオヘスペリジン、ニューゼニド(Nuezhenide)、オレオニューゼニド(Oleonuezhenide)、オレウロペイン、オリビエロシド(Olivieroside)A、オリビエロシドB、オリビエロシドC、ペルロテチン(Perrottetin)H、フェニルアラニン、L−フェニル アルファ−D−ガラクトシド、フェニル アルファ−D−グルコシド、フェニルベータ−D−グルコシド、フェニルチオウレア、フロミソシド(Phlomisoside)II、ピペリジン−2−カルボン酸、4−[(2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル)チオ]−ピペリジンカルボン酸−2、4−[(2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル)チオ]−プレフムロン(Prehumulone)、プレルプロン(Prelupulone)、プロピルベータ−D−フルクトシド、プロピルアルファ−D−グルコシド、プロピルベータ−D−グルコシド、プロトカテキュ酸(Protocatechuic Acid)、プルナシン(Prunasin)、プルケリミン(Pulcherrimine)、
キニジン、キニン、キノリジニウム−7−オレート、ラニチジン、レバウディオサイド(Rebaudioside)C、サリシン(Salicin)、サリドロシド(Salidroside)、スカブラシド(Scabraside)、スカンデノシド(Scandenoside)R5、スクラレオリド(Sclareolide)、スコポリン(Scopolin)、セプテムフィドシド(Septemfidoside)、セリルリジルグリシルロイシン、シナピン(Sinapine)、ソラニン、アルファ−スパルテイン、スパルテイン、17−オキソ−ステビサリオシド(Stevisalioside)A、ストリキニーネ、スアビオシド(Suavioside)C1、スアビオシドD2、スアビオシドF、スクロースオクタアセテート、スウェロシド(Sweroside)、スウェルチアマリン、スウェルチアプニマリン(Swertiapunimarin)、タキシフィリン(Taxiphyllin)、TFI (フロスタン(Furostan)、ベータ−D−ガラクトピラノシド)、テアフラビン(Theaflavin)、没食子酸テアフラビンA、没食子酸テアフラビンB、トマチジン(Tomatidine)、トマチン(Tomatine)、アルファ−トリシクロデヒドロイソフムロン、トリフロロシド(Trifloroside)、トリヒドロキシ安息香酸、 2,4,6−トリプトファン、L−ウラシル、6−プロピル−2−チオ−L−バリン、L−アルギニルグリシル−L−プロリル−L−プロリル−L−フェニルアラニル−L−イソロイシル− (BPIa)バリン、およびL−ヨヒンビンからなる群から選択される。
甘味物質、または甘味を修飾する化合物としては、テアサポニン(Theasaponin)E1、アセスルファムK、アリテーム(Alitame)、アスパルテーム、CH 401、ズルチン、エリスリトール、グアニジン甘味料(Guanidine Sweetener)、イソマルト、イソマルトシルフルクトシド、イソラフィノース(Isoraffinose)、NC 174、ネオテーム、ペリラルチン(Perillartine)、フェニルアセチルグリシル−L−リジン、サッカリン、SC 45647、 シクラメートナトリウム、ソルビトール、スクラロース、スクロノン酸(Sucrononic Acid)、スオザン(Suosan)、スーパーアスパルテーム、メチルアルファ−L−アラビノシド、メチルベータ−L−アラビノシド、メチルベータ−D−グルコシド、メチルα−D−マンノシド、メチル ベータ−L−キシロピラノシド、メチルアルファ−D−キシロシド、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−スレオニン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−イソロイシン、プロトカテキュ酸、シナリン、グリシフィリン(Glycyphyllin)、レバウディオサイドC、
アブルソシドA、アブルソシドB、アブルソシドC、アブルソシドD、アブルソシドE、アピオグリチルリチン(Apioglycyrrhizin)、アラボグリチルリチン(Araboglycyrrhizin)、バイユノシド(Baiyunoside)、ブラゼイン(Brazzein)、ブリオズルコシド(Bryodulcoside)、カルノシフロシド(Carnosifloside)V、カルノシフロシドVI、D.クミンシー(D. cumminsii)、シクロカリオシド(Cyclocarioside)A、シクロカリオシドI、ズルコシドA、フルオレン−4−アルファ,6−ジカルボン酸、4−ベータ,10−アルファ−ジメチル−1,2,3,4,5,10−ヘキサヒドロ−ガウジチャウジオシド(Gaudichaudioside)A、グリチルリチン酸、ヘルナンズルチン(Hernandulcin)、4ベータ−ヒドロキシ−ヘルナンズルチン、ヘスペリチン(Hesperitin)−7−グルコシドジヒドロカルコン、フアングキオシド(Huangqioside)E、 3−ヒドロキシフロリジン(phloridzin)フアングキオシドE、ケンフェロール、2,3−ジヒドロ−6−メトキシ 3−O−アセテート、マビンリン(Mabinlin)、マルトシル−アルファ−(1,6)−ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、モグロサイドIIE、 モグロサイドIII、モグロサイドIIIE、モグロサイドIV、モグロサイドV、11−オキソモグロサイドV、モナチン、モネリン、グリチルリチン酸モノアンモニウム(Mag)、ムクロジオシド(Mukurozioside)IIb、
ナリンギンジヒドロカルコン、ネオアスチルビン、ネオヘスペリジン ジヒドロカルコン(NHDHC)、ネオモグロサイド、オスラジン(Osladin)、ペンタジン(Pentadin)、ペリアンドリン(Periandrin)I、ペリアンドリンII、ペリアンドリンIII、ペリアンドリンIV、ペリアンドリンV、フロミソシドI、フロリジン、フィロズルチン、ポリポドシド(Polypodoside)A、グリチルリチン酸カリウムマグネシウムカルシウム、プテロカリオシドス(Pterocaryosides)A、プテロカリオシドスB、2,3−ジヒドロ−3−O−アセテートケルセチン、2,3−ジヒドロ−6−メトキシ−ケルセチン、2,3−ジヒドロ−6−メトキシ−3−O−アセテートケルセチン、レバウディオサイド A、レバウディオサイドB、ルブソシド、スカンデノシド(Scandenoside)R6、シアメノシド(Siamenoside)I、グリチルリチン酸ナトリウム、ステビオールビオシド(Steviolbioside)、ステビオシド、アルファ−グリコシルステビオシド、スアビオシドA、スアビオシドB、スアビオシドG、スアビオシドH、スアビオシドI、スアビオシドJ、タウマチン、グリチルリチン酸トリアンモニウム(TAG)、トリロバチン(Trilobatin)、セリゲアイン(Selligueain)A、
ヘマトキシリン、マルチトール、マンニトール、メチルアルファ−D−グルコシド2,3−ジ−アスパラギン酸、安息香酸、2−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−安息香酸、2−ヒドロキシ−4−アミノメチル−安息香酸、2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイル)−メチルベータ−D−フルクトシド、メチルアルファ−D−ガラクトシド、メチルベータ−D−ガラクトシド、クルクリン、ストロジン1、ストロジン2、ストロジン4、ミラクリン、フェニル酢酸、3,4−ジメトキシ−アミノ安息香酸、3−アニス酸、3−アミノ−4−n−プロポキシルベンジルアルコール、3,4 −カフェイン酸、ケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、2,4−フェルラ酸、グアーガム加水分解物(Hydrolyzed Guar Gum)、ヒドロキシアミノ安息香酸、2,4−ニゲロオリゴサッカライド(Nigerooligosaccharides)、サトウキビバガス抽出物(Sugarcane Bagasse Extract)、ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−クマリン酸、p−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ヒドロキシ安息香酸、3−グルマリン、ギムネマサポニンIII、ギムネマサポニンIV、ギムネマサポニンV、ギムネマ酸I、ギムネマ酸II、ギムネマ酸III、ギムネマ酸IV、
ホズルチン(Hodulcin)、ジュジュバサポニン(Jujubasaponin)II、ジュジュバサポニンIII、プロピオン酸、(−)−2−(4−メトキシフェノキシ)−ジジフィン(Ziziphin)、エチルマルトール、マルトール、ブタン酸、2−オキソ−3−メチル−アラニン、N−(1−メチル−4−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)クレアチニン、アブルソシドEモノ−メチルエステル、ラクチトール、ペリアンドリン酸Iモノグルクロニド、ペリアンドリン酸IIモノグリクロニド、キシリトール、タガトース、d−ベンゾイルオキシ酢酸、4−メトキシホズロシド(Hoduloside)I、4−ニトロフェニル α−D−ガラクトシド、4−ニトロフェニル アルファ−D−グルコシド、4−ニトロフェニル ベータ−D−グルコシド、4−ニトロフェニルアルファ−D−マンノピラノシド、尿素、(N−(4−シアノフェニル)−N'−((ソジオスルフォ(sodiosulfo))メチル)−クロラムフェニコール、
クロロゲン酸、メチルアルファ−D−グルコシド、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−アラニン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−グリシン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−プロリン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−バリン、アニリン、2−ブトキシ−5−ニトロ−アニリン、2−エトキシ−5−ニトロ−アニリン、2−メトキシ−5−ニトロ−アニリン、3−ニトロ−(+)−バイユノール(Baiyunol)−ベータ−D−グルコシド−アルファ−D−グルコシド、1,3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジルアニリン、2−プロポキシ−5−ニトロ− (P4000)ベンゾ−1,4−ジオキサン、2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−ベンゾ−1,3−ジオキサン−4−オン、2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−安息香酸、2−ベンゾイル−4−メトキシ−安息香酸、2−(4−メトキシベンゾイル)ベンゾ−1,3(4H)−キサチアン(xathiane)2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−ベンゾ−1,4−キサチアン、3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−ブタン酸、4−[3,5−ジヒドロキシ−4−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−オキソプロピル]フェノキシ]−2−ヒドロキシ−モノナトリウム塩、ブタン酸、
4−[3,5−ジヒドロキシ−4−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−オキソプロピル]フェノキシ]−3−オキソ− モノナトリウム塩、シクロヘキサジエン−1,4 1−カルボキサルデヒド− 4−(メトキシメチル)−,(E)オキシムエチルベンゼンベータ− (1,3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル)ヘスペルチンジヒドロカルコン、3'−カルボキシ−ヘスペルチンジヒドロカルコン、3'−ホルミル−イソクマリン、3,4−ジヒドロ− 3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシ)−ペリラルチン、8,9−エポキシ−フェニル 3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジルエーテル、ホスホン酸、[3−[3,5−ジヒドロキシ−4−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−オキソプロピル]フェノキシ]プロピル]モノカリウム塩、ステビオシド類縁体、スルファミン酸、[2−[3,5−ジヒドロキシ−4−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−オキソプロピル]フェノキシ]エチル]−モノカリウム塩、尿素、およびN−(4−シアノフェニル)−N'−(2−カルボキシエチル)−L−テアニンを言及することができる。
うま味物質としては、グルタチオン、グルタミルグルタミン酸、(Z)−6−ドデセン(Dodecen)−4−オリド、イノシン酸、ドデク(Dodec)−Z6−エン−4−オリド、グルタミン酸、L−アコニット酸、N−(1−デオキシ−フルクトス−1−イル) グルタメート、植物タンパク質加水分解物(hydrolyzed vegetable protein)、メチルアルファ−D−グルコシド、2,3−ジ−リジン、メチルアルファ−D−グルコシド 2,3−ジ−オルニチン、L−アスパラギン、L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−グルタミン酸、L−α−アスパルチル−L−α−グルタミル−グルタミルバリン、小麦グルテン加水分解物、L−アスパラギン酸、L−α−アスパルチル−L−α−アスパルチル−L−α−アスパルチル−ドコサヘキサエン酸および(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−L−テアニンを言及することができる。
Gタンパク質における味物質分子の機能的効果は、当分野において知られており本明細書で下記により十分に記載されている技術にしたがって、細胞内IP3およびCa2+などの伝達経路のパラメータにおける変化を測定することにより、またはGTPγSを用いたラベルなどの他のGタンパク質特異的なアッセイにより決定されてもよい。
多くの機能的オーファン苦味受容体、甘味受容体およびうま味受容体は、本発明のキメラGタンパク質と共役することができる。苦味受容体としては、Bufe et al., Nature Genetics 32: 397-401、またはChandrashekar et al., Cell, 100: 703-711、またはMatsunami Nature, 404: 601-604に記載されているいわゆるT2RまたはTAS2R受容体を述べることができる。一方、甘味またはうま味受容体としては、Li, X. et al., 2002, PNAS USA, 99: 4692-4696;Nelson, G. et al., 2002, Nature, 416: 199-202;およびNelson, G. et al., 2001, Cell, 101:381-390に記載されている既知のT1R受容体を述べることができる。さらにまた、本発明のキメラGタンパク質は、リガンドが所定のGPCRと結合する場合に、野生型Gαqタンパク質および本明細書で上記に参照したキメラGαqタンパク質と比較して、より強い細胞の反応を引き起こすことができる。
これを説明するためには、哺乳類細胞、例えば、Bufe(上記参考文献を参照)により記載され特徴づけされたTAS2R16として既知の機能的苦味受容体と、本発明のキメラGタンパク質Gα16-ガストデューシン 44とがトランスフェクトされたHEK293T細胞などを、下記プロトコールにしたがって、5mMサリシンまたは5mMフェニル−ベータ−D−グルコピラノシド(両者とも苦味物質として知られている)と接触させてもよく、これにより、参照されるキメラGタンパク質(Gα16-z44)よりも約3倍強く、そして野生型Gα16よりも約7倍強い、強烈な蛍光シグナル(Flexstationを用いて)を引き起こした。
プロトコールは、「G-protein coupled receptors (Signal Transduction Series)」;Tatsuya Haga およびGabriel Berstein編、1st ed., 424pp.CRC Press - Boca Raton FL;1999年9月において記載されており、下記のように要約することができる:
1.0日:96ウェルプレートに1ウェルあたり細胞20K個を播種し、栄養増殖培地中で一晩37℃にて維持する。
2.1日:1ウェルあたり300ngのGPCRのDNAおよび0.6μlのLipofectamine 2000 (Invitrogen)を用いて、細胞にトランスフェクトする。トランスフェクトされた細胞は、栄養増殖培地中で一晩37℃にて維持する。
3.2日:増殖培地を捨て、細胞を、10mM Hepes、200μM 塩化カルシウムおよび0.1%ウシ血清アルブミンが補充されている37℃でpH7.4のハンクス平衡塩溶液(HBSS)に溶解されている、1.5μM Fluo-4(Molecular Probes)および2.5mM プロベニシドからなるカルシウムアッセイ溶液75μlと(暗所で室温にて)1時間インキュベートする。
4.10mM Hepes、200μM 塩化カルシウムおよび0.1%ウシ血清アルブミンが補充されている37℃でpH7.4のハンクス平衡塩溶液(HBSS)に溶解されている2.5mMプロベニシドからなる洗浄バッファー125μlを各ウェルに加えて、プレートをさらに暗所で室温にて30分間インキュベートする。
5.バッファー溶液を捨てて、プレートを3回100μlの洗浄バッファーで洗い、細胞を200μlの洗浄バッファー中で再構成し、37℃で15分間インキュベートする。
1.プレートを、例えばFlexstation(Molecular Devices)またはFLIPR(Molecular Devices)などの蛍光マイクロプレートリーダーにセットし、20μlの10×濃縮リガンドストック溶液を添加して、受容体の活性化を開始させる。リガンド添加前15秒間およびリガンド添加後45〜75秒間、継続的に蛍光をモニターする。受容体の活性化レベルは、下記の2つの式により定義される:活性化%=(最大蛍光−ベースラインの蛍光/ベースラインの蛍光*100または増加蛍光=最大蛍光−ベースラインの蛍光、ここでベースラインの蛍光は、リガンド添加前の平均蛍光レベルを表す。
他の例においては、マウスT2R5 (Chandreshekar et al, Cell, Vol. 100, 70-711, 2000年3月17日参照) として知られている既知の機能的苦味受容体と本発明のキメラGタンパク質Gα16-ガストデューシン 44とがトランスフェクトされたHEK293T細胞を、10μMシクロヘキシミドと接触させたところ、これにより野生型Gα16よりも5倍強い、強烈な蛍光シグナルを引き起こすことができた。
他の例においては、既知の機能的ヒト苦味受容体TAS2R10 (Bufe et al, Nature Genetics 32: 397-401参照)と本発明のキメラGタンパク質G 16−ガストデューシン 44 とが安定にトランスフェクトされたHEK293 T-Rex(登録商標)細胞を、250μM ストリキニーネと接触させたところ、強い蛍光シグナルを引き起こすことができた。
他の例においては、TAS2R38(提案されているフェニルチオカルバミドに対する苦味受容体、Kim et al. Science 299, 1221-5 およびBufe et al., Nature Genetics 32: 397-401 参照) と本発明のキメラGタンパク質G16−ガストデューシン 44とが安定にトランスフェクトされたHEK293 T-Rex細胞を、250μM フェニルチオカルバミドと接触させたところ、強い蛍光シグナルを引き起こすことができた。同様に、250μM プロピルチオウラシルも強い反応を引き起こした。
他の例においては、TAS2R43と本発明のキメラGタンパク質G16−ガストデューシン 44とが安定にトランスフェクトされたHEK293 T-Rex細胞を、10μM アリストロキン酸と接触させたところ、強い蛍光シグナルを引き起こすことができた。
他の例においては、TAS2R44と本発明のキメラGタンパク質G16−ガストデューシン 44とが安定にトランスフェクトされたHEK293 T-Rex細胞を、10μM アリストロキン酸と接触させたところ、強い蛍光シグナルを引き起こすことができた。
さらなる他の例においては、ヒトTAS1R2およびTAS1R3 (Li, X. et al., 2002, PNAS USA, 99: 4692-4696; Nelson, G. et al., 2001, Cell, 101:381-390.;) のヘテロダイマーにより形成される既知の機能的甘味受容体とキメラGタンパク質Gα16-ガストデューシン 44とがトランスフェクトされたHEK293T細胞を、2.5mMのアスパルテーム、アセスルファムKまたはスクラロースのいずれかと接触させたところ、これらの全てが野生型Gα16よりも2倍強い、強烈な蛍光シグナルを引き起こすことができた。
キメラコンストラクトは、ポリメラーゼ連鎖反応を用いたそれ自体既知の方法で作製することができる。1つの態様においては、キメラコンストラクトは、Mody S. M. et al, 2000, Mol. Pharmacol., 57:13-23において記載されているようなブリッジオーバーラップ(bridge overlap)PCR変異導入法を用いて作製することができ、これによれば、プライマーは、末端、例えばGαqのC末端などにアニーリングし、かつ、少なくとも5個のガストデューシン由来のアミノ酸をコードするように設計される。PCRのキメラ産物は、例えばpCR2.1−Topo(Invitrogenから市販されている)などの適切なベクター中にクローニングされ、Gαqの末端の正確な置換を確認するためにDNA配列決定に供される。
配列の確認後、キメラGαq-ガストデューシンcDNAフラグメントは、例えばpcDNA3.1哺乳類発現ベクターなどの適切なベクターにサブクローニングされ、そして、例えばHEK293TまたはHEK T-Rexなどの哺乳類宿主細胞に一過性にトランスフェクトされ、導入遺伝子の正確な発現を確認してもよい。
トランスフェクション後の期間、例えば48時間の後、細胞可溶化物を調製し、キメラタンパク質の正しい発現を確認するために、ウェスタンブロット解析により解析してもよい。一度、正しい発現が確認された場合には、当業者によく知られた技術にしたがって、例えばHEK293T細胞またはHEK T-Rexなどの適切な哺乳類細胞にトランスフェクトして、キメラGαq-ガストデューシンを安定発現する細胞を作製してもよい。
本発明の種々の側面および態様を実行するにおいて、クローニング、リガンド−受容体ペアの解明、および苦味、甘味またはうま味反応の調節因子の発見に関しては、分子生物学、微生物学および組み換え技術の従来技術を利用することができる。したがって、当業者は、十分にそのような技術を知っているので、本発明の内容を十分に記載するため、今後はそれらは概要的にのみ扱われる。
Gタンパク質または受容体をコードするcDNAを発現させるためには、典型的には、転写を指示する強力なプロモーター、転写/翻訳停止因子、および転写開始のためのリボソーム結合部位を含む発現ベクターに適切なcDNAをサブクローニングする。例えば大腸菌、バチルス spおよびサルモネラ菌などの好適なバクテリアプロモーターは、当分野においてよく知られており、そのような発現系のためのキットが市販されている。同様に、哺乳類細胞、酵母および昆虫細胞のための真核生物発現系は、当分野においてよく知られており、また市販されている。真核生物発現ベクターは、例えば、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクターであってもよい。
プロモーターに加えて、発現ベクターは典型的には、Gタンパク質または受容体をコードする核酸の宿主細胞における発現に必要とされる全ての付加的エレメントを含む転写ユニットまたは発現カセットを含有している。したがって、典型的な発現カセットは、Gタンパク質または受容体をコードする核酸配列に動作可能に結合されているプロモーター、ならびに転写物の効率的なポリアデニル化、リボソーム結合部位および翻訳停止に必要なシグナルを含有している。場合によっては、Gタンパク質または受容体をコードする核酸配列は、典型的には、組み換えGタンパク質または受容体の効率的な細胞表面での発現を促進させるために、ラットのソマトスタチン3受容体配列のN末端45アミノ酸などの膜標的化シグナルに結合していてもよい。付加的エレメントは、例えばエンハンサーを含んでいてもよい。
発現カセットはまた、効率的な停止を提供するために、構造遺伝子の下流に転写停止領域を含有するべきである。転写停止領域は、プロモーター配列と同じ遺伝子から得てもよく、また異なる遺伝子から得てもよい。
Gタンパク質または受容体の発現のためには、当分野においてよく知られている真核細胞または原核細胞における発現のための慣用のベクターを用いてもよい。ベクターの例としては、pBR322ベースのプラスミド、pSKF、pET23Dなどのプラスミド、ならびにGSTおよびLacZなどの融合発現系を含む、標準的なバクテリア発現ベクターを含むが、これらには限定されない。
真核生物ウイルス由来の制御エレメントを含む発現ベクターは、典型的に真核生物発現ベクター、例えば、SV40ベクター、サイトメガロウイルスベクター、パピローマウイルスベクターおよびEpstein-Barrウイルス由来のベクターにおいて用いられる。他の典型的な真核生物ベクターは、pMSG、pAV009/A.sup.+、pMTO10/A.sup.+、pMAMneo-5、バキュロウイルスpDSVE、pcDNA3.1、pIRESおよび、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーターまたは真核細胞における発現に対して有効であることが示されている他のプロモーターの制御下で、タンパク質を発現させることができる全ての他のベクターを含む。
いくつかの発現系は、チミジンキナーゼ、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、およびジヒドロ葉酸還元酵素などの遺伝子増幅を提供するマーカーを有している。また、遺伝子増幅を含まない高率発現系も好適である。
発現ベクターに含まれる典型的なエレメントはまた、大腸菌中で機能するレプリコン、組み換えプラスミドを有するバクテリアを選択できるようにするための薬剤耐性をコードする遺伝子、そして真核生物配列の挿入ができるようにするためのプラスミドの非必須領域におけるユニークな制限酵素部位を含む。選択される特定の薬剤耐性遺伝子は、重要でなく、当分野において知られている多くの薬剤耐性遺伝子のいずれも好適である。必要に応じて、真核細胞におけるDNAの複製を妨害しないように、原核生物の配列が任意に選択される。
大量のGタンパク質または受容体を発現するバクテリア、哺乳類、酵母または昆虫の細胞系を作製するために、標準的なトランスフェクション法を用いることができ、これらGタンパク質または受容体はその後、標準的技術を用いて精製される。
宿主細胞にヌクレオチド配列を導入するためのよく知られた方法は、いずれも用いることができる。これらは、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム、マイクロインジェクション、プラズマベクター、ウイルスベクターおよび、クローニングされたゲノムDNA、cDNA、合成DNAまた他の外在性遺伝子材料を宿主細胞に導入するためのよく知られた他の方法のいずれをも含む。
例えば、T-Rex発現系(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)を用いてもよい。T-Rex系は、大腸菌Tn10がコードされているテトラサイクリン(Tet)耐性オペロン由来の制御エレメントを使用するテトラサイクリンにより制御される哺乳類発現系である(Hillen and Berens 1994, Annu. Rev. Microbiol. 48, 345-369 ; Hillen et al., 1983, Control, J. Mol.Biol. 169, 707-721)。T-Rex
システムにおけるテトラサイクリン制御は、Tetリプレッサーへのテトラサイクリンの結合と、目的遺伝子の発現を制御するプロモーターの抑制とに基づいている(Yao et al. 1998, Hum. Gene Ther. 9, 1939-1950)。
細胞に発現ベクターが導入された後、トランスフェクトされた細胞は、標準的な培養条件下で培養されてもよい。Gタンパク質または受容体タンパク質は、標準的技術を用いて培養物から回収してもよい。例えば、細胞は、沈殿およびクロマトグラフィーステップに供する前に、機械的にまたは浸透圧ショックのいずれかにより破砕することができ、その種類と順序は回収されるべき特定の組み換え材料に依存する。また、組み換えGタンパク質または受容体は、組み換え細胞が培養されていた培養培地から回収してもよい。
リガンドへの結合における受容体の活性およびGタンパク質の受容体への共役は、機能的、化学的および物理的効果を決定するための種々のインビトロおよびインビボのアッセイ、例えば、リガンドの結合、セカンドメッセンジャー(例えばcAMP、cGMP、IP 3 、DAGまたはCa2+)、イオンフラックス、リン酸化レベル、転写レベル、神経伝達物質レベルなどの測定を用いて、評価してもよい。さらに、このようなアッセイは、当分野においてよく知られているように、受容体阻害剤を試験するのに用いることができる。
潜在的な受容体阻害剤が処置されたサンプルまたはアッセイは、その調節の程度を調べるために、試験化合物なしのコントロールサンプルと比較されてもよい。コントロールサンプル(阻害剤未処置)は、相対的活性値を100とする。受容体活性の阻害は、コントロールに対して受容体活性値が低い場合に達成され、逆に、コントロールに対して活性が高い場合には受容体活性は増強されている。
受容体の機能における試験化合物の効果は、上記のパラメータのいずれを調べることによっても測定することができる。受容体活性に影響を与える好適な生理学的変化はいずれも、本発明のGタンパク質への受容体の共役における試験化合物の影響を評価するために用いることができる。インタクトな細胞または動物を用いて機能的な結果が決定される場合には、Ca2+、IP 3 、またはcAMPなどの細胞内セカンドメッセンジャーの変化等のあらゆる効果を測定することができる。そのような測定を行うための好適なアッセイは、参照により本明細書に組み込まれているWO 01 18050において記載されている。
Gタンパク質共役型受容体についての好ましいアッセイは、参照により本明細書に組み込まれている「G-protein coupled receptors 」(Signal Transduction Series)、CRC Press 1999;1st Edition;Haga and Berstein編においてより十分に記載されている、受容体の活性をレポートするイオン感受性色素がロードされている細胞を含む。調節化合物を同定するためのアッセイにおいて、細胞質におけるイオンレベルまたは細胞膜電位の変化は、それぞれイオン感受性蛍光指示薬または膜電位蛍光指示薬を用いてモニターされる。
受容体の活性化は典型的には、引き続く細胞内事象、例えばカルシウムイオンの細胞内ストアを放出させるIP 3 などのセカンドメッセンジャーの増加を開始させる。いくつかのGタンパク質共役型受容体の活性化は、ホスホリパーゼCを介するホスファチジルイノシトールの加水分解によりイノシトール3リン酸(IP3)の形成を刺激する(Berridge & Irvine, Nature 312:315-21 (1984))。IP 3 は次に、細胞内カルシウムイオンストアの放出を刺激する。したがって、細胞質カルシウムイオンレベルまたはIP 3 などのセカンドメッセンジャーレベルの変化は、Gタンパク質共役型受容体の機能を評価するために用いることができる。かかるGタンパク質共役型受容体を発現する細胞は、細胞内ストアおよびイオンチャネルの活性化を介する両方からの寄与の結果として、増加した細胞質カルシウムレベルを示す。このような場合には、内部のストアからのカルシウム放出に由来する蛍光反応を顕著にするために、必須ではないが、任意にEDTAなどのキレート剤が補充されているカルシウムを含有しないバッファー中でかかるアッセイを行うことが望ましい。
好ましい態様においては、受容体の活性は、受容体をホスホリパーゼCのシグナル伝達経路にリンクさせる、上記で定義されたようなGタンパク質共に受容体を細胞内に発現させることにより測定される。任意に細胞系はHEK293であるが、CHOおよびCOS等の他の哺乳類細胞もまた好ましい。味覚伝達の調節は、受容体に関係する分子の投与を介して受容体のシグナル伝達経路の調節に対する反応を変化させる、細胞内Ca2+レベルにおける変化を測定することによりアッセイされる。Ca2+レベルにおける変化は、任意に蛍光Ca2+指示色素および蛍光イメージングを用いて測定される。
他のさらなる態様においては、リガンド結合をアッセイするために、受容体のリガンド結合部位を、インビトロでの可溶性または固体(solid-state)反応において用いることができる。受容体または受容体のドメインにおけるリガンドの結合は、溶液において、脂質一重層中の固体相に結合した二重膜またはビークルにおいて、調べることができる。それにより、受容体またはドメインに対する調節因子の結合は、当分野においてよく知られているように、例えば蛍光、吸収もしくは屈折指数などの分光学的性質;または流体力学的(例えば形)特性、クロマトグラフィー特性もしくは溶解度特性における変化を用いて観察することができる。
受容体の調節因子として試験される化合物は、小さな化学化合物あるいはタンパク質、糖、核酸または脂質などの生物学的構成要素のいずれであってもよい。典型的には、試験化合物は小化学分子であろう。本質的には、全ての化学化合物が本発明のアッセイにおいて潜在的調節因子またはリガンドとして用いることができるが、個々の受容体のリガンド特異性の知識により当業者は目的化合物を予め選択することができるであろう。いくつかの好ましい化合物は上記で記載されている。アッセイは、アッセイのステップを自動化し、アッセイに便利な供給源から化合物を提供することにより、大きな化合物ライブラリーをスクリーニングするように設計されてもよく、これらは典型的には同時に(例えば、ロボットアッセイでのマイクロタイタープレートにおけるマイクロタイター形式で)行われる。当業者は化学化合物のライブラリーの供給者が多く存在することを理解するであろう。
アッセイは、多数の潜在的治療化合物または(潜在的なリガンド化合物である)味物質化合物を含む、コンビナトリアル化合物ライブラリーあるいはペプチドライブラリーを提供することを含むハイスループットスクリーニング法で行われてもよい。そして、かかるライブラリーは、所望の性質の活性を示すそれらライブラリーの成員(特に化合物の種類または下位分類)を同定するために、本明細書で記載されているように、1または2以上のアッセイにおいてスクリーニングされる。こうして、同定された化合物は、最終的な製品のための調節因子をさらに開発するためのリード化合物として役割を果たすことができるか、または実際の調節因子としてそれら自体を用いることができる。
コンビナトリアル化学ライブラリーは、数多くの試薬などの化学的「ビルディングブロック」を組み合わせることによって、化学合成または生合成のいずれかにより作製された種々の化学化合物のコレクションである。例えば、ポリペプチドライブラリーなどの直線的なコンビナトリアル化学ライブラリーは、一連の化学的ビルディングブロック(アミノ酸)をある特定の化合物の長さ(すなわち、ポリペプチド化合物におけるアミノ酸数)になるように全ての可能なやり方で組み合わせることにより形成される。化学的ビルディングブロックのそのようなコンビナトリアル混合によって、数百万の化学化合物を合成することができる。
コンビナトリアル化学ライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業者によく知られており、ここでさらに述べる必要はない。
本発明のハイスループットアッセイにおいては、1日に数千種までの異なる調節因子またはリガンドをスクリーニングすることが可能である。特に、マイクロタイタープレートの各ウェルは、選択された潜在的調節因子に対する別々のアッセイを行うのに用いることができ、または、濃度もしくはインキュベーション時間の効果を観察すべきである場合には、各5〜10個のウェルで1つの調節因子について調べることができる。したがって、1つの標準的なマイクロタイタープレートは約100(例えば96)種の調節因子をアッセイすることができる。1536ウェルプレートを用いる場合には、したがって、1つのプレートで約100〜1500種の異なる化合物をアッセイすることができる。1日あたり数枚の異なるプレートをアッセイすることができるので、本発明の総合的システムを用いて、アッセイにより、約6000〜20000種までの異なる化合物についてスクリーニングすることができる。
本明細書において上記で記載されたアッセイ技術により発見されたリード化合物、またはそれらのリード化合物から製造された開発化合物は、味覚を調節するためにヒト対象に直接投与することができる。また、かかる化合物は、例えば、食品および飲料、薬学製剤または栄養補助製剤またはホメオパシー(homeopathic)製剤などの経口摂取されるべき製剤の他の材料と共に処方することができる。
経口摂取されるべき化合物の量は、ヒト対象において有益な反応をもたらすのに十分でなければならず、特定の味調節因子の効率ならびに、特定の化合物の投与に伴う何らかの副作用の存在、性質および程度により決定される。
ここで、下記に本発明を説明するのに役立つ一連の例を示す。
全ての例について、HEK293細胞が用いられた;受容体の一過性トランスフェクションには、HEK293T細胞が用いられ、受容体の安定トランスフェクションには、T-Rex HEK293細胞(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA) が用いられた。
例1
G α16-ガストデューシン 44 キメラの作製
pcDNA3.1中のヒトGα16およびラットガストデューシンcDNAをテンプレートとして用い、外側のフランキングプライマー領域としてT7およびSP6プロモーター配列を使用してブリッジオーバーラップPCR変異導入により、Gα16-ガストデューシン 44を構築した。用いられた遺伝子特異的プライマーは:
16gust44-S: (5’ GGCCCCGAGGGCAGCAACTTAAAAAAAGAAGATAAGGAA 3’)
16gust44-AS: (5’ TTCCTTATCTTCTTTTTTTAAGTTGCTGCCCTCGGGGCC 3’)
であった。
最初に、Gα16およびガストデューシンに対応するオーバーラップしている2つのPCRフラグメントを増幅した。16gust44-ASプライマーと組み合わせてT7プライマーを用いて、5’Gα16フラグメントを作製し、一方、3’ガストデューシンフラグメントは、16gust44-Sプライマーと組み合わせてSR6プライマーを用いて作製した。個々のPCR産物をアガロースゲル電気泳動により分離して精製した。精製されたPCR産物を混合し、一緒にアニーリングさせ、そして全長キメラフラグメントをT7およびSP6プライマーを用いて増幅した。PCR混合物には、1.5mMのMgCl2 が含まれており、PCR産物は、Applied BiosystemsからのGeneAmp PCR System 9700を使用し、94℃45秒、50℃90秒、および72℃120秒の温度サイクルパラメータを用いて増幅した。集められたキメラPCRフラグメントは、pcDNA3.1にサブクローニングされ、DNA配列決定および制限酵素地図により完全であることを確認した。融合タンパク質の適切な発現は、抗Gα16ポリクローナル抗体 (Torrey Pines Biolabs)を用いて、トランスフェクトされた細胞からの細胞溶解物全体のウェスタンブロットにより確認された。
例2
Fluo-4カルシウムアッセイ
全てのアッセイは、前日に1ウェルあたり20K個のトランスフェクトされた細胞が播種されており、そして適切な増殖培地中で一晩37℃にて維持された、黒色透明の底の96ウェルプレート(black, clear-bottom 96 well plate)を用いて行われる。アッセイ時には、増殖培地を捨て、細胞を、10mM Hepes、200μM 塩化カルシウムおよび0.1%ウシ血清アルブミンが補充されている37℃でpH7.4のハンクス平衡塩溶液(HBSS)に溶解されている、1.5μM Fluo-4(Molecular Probes)および2.5mM プロベニシド(Sigma-Aldrich)からなるカルシウムアッセイ溶液75μlと(暗所で室温にて)1時間インキュベートする。
最初の1時間のロード時間の後、10mM Hepes、200μM 塩化カルシウムおよび0.1%ウシ血清アルブミンが補充されている37℃でpH7.4のハンクス平衡塩溶液(HBSS)に溶解されている2.5mM プロベニシドからなる洗浄バッファー125μlを各ウェルに加えて、プレートをさらに暗所で室温にて30分間インキュベートし、Fluo-4-AMを完全に脱エステル化させる。バッファー溶液を捨てて、プレートを3回100μlの洗浄バッファーで洗い、最終的に細胞を200μlの洗浄バッファー中で再構成し、37℃で15分間インキュベートする。
アッセイの測定については、プレートを、例えばFlexstation(Molecular Devices)などの蛍光マイクロプレートリーダーにセットし、20μlの10×濃縮リガンドストック溶液を添加して、受容体の活性化を開始させる。リガンド添加前15秒間およびリガンド添加後45〜75秒間、継続的に蛍光をモニターする。受容体の活性化レベルは、下記の2つの式により定義される:活性化%=(最大蛍光−ベースラインの蛍光/ベースラインの蛍光*100または増加蛍光=最大蛍光−ベースラインの蛍光、ここでベースラインの蛍光は、リガンド添加前の平均蛍光レベルを表す。
例3
T2R苦味受容体のトランスフェクション
0日目に、Gタンパク質を安定発現する細胞を、黒色透明の底の96ウェルプレートに1ウェルあたり20000細胞で播種し、選択増殖培地中で一晩増殖させる。1日目に、培地を抗生物質を含有しない増殖培地に交換し、細胞を300ngのGPCR DNAおよび0.6μlのLipofectamine 2000 (Invitrogen)を用いて、細胞にトランスフェクトする。細胞を一晩増殖させ、翌日、上記例2において記載されているFluo-4カルシウムアッセイ条件を用いて処置した。
例4
T1R甘味受容体のトランスフェクション
0日目に、Gタンパク質を安定発現する細胞を、6ウェルプレートに1ウェルあたり800,000〜950,000細胞の密度で播種し、選択増殖培地中で一晩増殖させる。1日目に、培地を抗生物質を含有しない増殖培地に交換し、細胞を2μgのT1R2および2μgのT1R3 cDNAおよび10μlのLipofectamine 2000 (Invitrogen)を用いて、細胞にトランスフェクトする。細胞を抗生物質を含有しない増殖培地中で一晩維持する。2日目に、細胞を黒色透明の底の96ウェルプレートに1ウェルあたり20,000細胞で播種し直し、一晩増殖させる。カルシウムアッセイの朝、糖およびグルタミン酸塩による受容体の脱感作を最小にするために、培地をGlutamaxおよび透析されているFBSを補充した低グルコース培地に置き換える。細胞をこの培地中でさらに6時間37℃でインキュベートする。この時間の終わりに、上記条件にしたがって、カルシウムアッセイのために細胞を処置する。
例5
異なるGタンパク質を発現する細胞における、苦味グルコシドによるヒトTAS2R16の活性化
hTAS2R16と、野生型Gα16、本発明のキメラであるGα16ガストューシン44、および比較のキメラGa16z44のいずれかとを発現する細胞に、5mMのフェニル−β−D−グルコピラノシドを添加した。異なるGタンパク質を安定に発現する細胞に、ヒトTAS2R16苦味受容体を24時間一過性にトランスフェクトした。トランスフェクションの後、細胞をFluo-4で処理し、細胞内カルシウム蛍光を例2において上記したように測定した。細胞の蛍光は継続的にモニターし、リガンド添加前15秒間に測定された平均蛍光を刺激されていないレベルの蛍光である、ベースラインとみなした。Gα16ガストューシン44キメラを発現する細胞は、Gα16を発現する細胞よりも、リガンド刺激後より大きな程度の受容体活性化を示した。
表1:Gタンパク質変異体によるヒト苦味受容体の機能的活性
Figure 0004654038
全てのデータは相対的蛍光ユニット(RFU)で表されており、リガンド添加後のベースラインからの平均蛍光における増加を示す。用いられたリガンドおよび最終濃度は、5mM フェニル−β−D−グルコピラノシドであった。同様の結果が、5mM D−サリシンを用いても得られた。
例6
Gタンパク質によるマウス苦味受容体(T2R5)の機能的活性
例5に記載された通りの方法にしたがって、下記結果が得られた:
表2:
Figure 0004654038
全てのデータは相対的蛍光ユニット(RFU)で表されており、リガンド添加後のベースラインからの平均蛍光における増加を示す。用いられたリガンドおよび最終濃度は、10μM シクロヘキシミドであった。
例7
G α16ガストデューシン44 とTAS2R10とを安定発現する細胞における、ストリキニーネによるヒト苦味受容体TAS2R10の活性化
この例は、一過性トランスフェクションの代わりに、ヒトTAS2R10とG16gust44とを安定発現するテトラサイクリン誘導細胞系が用いられた以外は、本質的には例5において記載されているとおり行った。細胞は、75〜80%の細胞密度で維持された。下記結果が得られた:
表3
Figure 0004654038
全てのデータは相対的蛍光ユニット(RFU)で表されており、リガンド添加後のベースラインからの平均蛍光における増加を示す。用いられたリガンドおよび最終濃度は、250μM ストリキニーネであった。
例8
G α16ガストデューシン44 とTAS2R38とを安定発現する細胞における、フェニルチオカルバミドまたはプロピルチオウラシルによるヒト苦味受容体TAS2R38の活性化
この例は、一過性トランスフェクションの代わりに、ヒトTAS2R38とG16gust44とを安定発現するテトラサイクリン誘導細胞系が用いられた以外は、本質的には例5において記載されているとおり行った。細胞は75〜80%の細胞密度で維持された。下記結果が得られた:
表4
Figure 0004654038
全てのデータは相対的蛍光ユニット(RFU)で表されており、リガンド添加後のベースラインからの平均蛍光における増加を示す。用いられたリガンドおよび最終濃度は、250μM フェニルチオカルバミドであった。同様の結果が250μM プロピルチオウラシルを用いて得られた。
例9
Gタンパク質によるヒト苦味受容体(TAS2R43)の機能的活性
一過性トランスフェクションの代わりに、ヒトTAS2R43とG 16gust44 とを安定発現するテトラサイクリン誘導細胞系が用いられた以外は、例5と同様の方法を用いた。細胞は75〜80%の密度で維持された。下記結果が得られた:
表5
Figure 0004654038
全てのデータは相対的蛍光ユニット(RFU)で表されており、リガンド添加後のベースラインからの平均蛍光における増加を示す。用いられたリガンドおよび最終濃度は、10μM アリストロキン酸であった。
例10
Gタンパク質によるヒト苦味受容体(TAS2R44)の機能的活性
一過性トランスフェクションの代わりに、ヒトTAS2R44とG16gust44とを安定発現するテトラサイクリン誘導細胞系が用いられた以外は、例5と同様の方法を用いた。細胞は75〜80%の細胞密度で維持された。下記結果が得られた:
表6
Figure 0004654038
全てのデータは相対的蛍光ユニット(RFU)で表されており、リガンド添加後のベースラインからの平均蛍光における増加を示す。用いられたリガンドおよび最終濃度は、10μM アリストロキン酸であった。
例11
Gタンパク質によるヒト甘味受容体の機能的活性
例5において記載されているとおりの方法にしたがって、下記結果が得られた:
表7
Figure 0004654038
全てのデータは相対的蛍光ユニット(RFU)で表されており、リガンド添加後のベースラインからの平均蛍光における増加を示す。用いられたリガンドおよび最終濃度は、2.5mM スクラロースであった。2.5mMアスパルテームまたはアセスルファムKを用いても同様の結果が得られた。

Claims (12)

  1. ヒトGα16 の最終の44個のアミノ酸が、ラットガストデューシンの44個のアミノ酸ユニットに置換されている、キメラGタンパク質。
  2. 配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のキメラGタンパク質。
  3. 配列番号1に記載のヌクレオチド配列を含む核酸によりコードされる、請求項1に記載のキメラGタンパク質。
  4. 請求項1において定義されたキメラGタンパク質をコードする配列番号1に記載のヌクレオチド配列を含む核酸。
  5. 請求項1において定義されたキメラGタンパク質をコードする配列番号1に記載のヌクレオチド配列を含む核酸を含む、発現ベクター。
  6. 請求項5において定義されている発現ベクターがトランスフェクトされている宿主細胞。
  7. キメラGタンパク質と味覚受容体とを安定発現する、請求項に記載の宿主細胞。
  8. 細胞中にキメラGタンパク質をコードする発現ベクターを含有している宿主細胞を、前記Gタンパク質の発現に十分な条件下において培養し、それによりタンパク質の産生を惹起し、そして細胞により産生されたタンパク質を回収するステップを含む、請求項1において定義されているキメラGタンパク質を製造する方法。
  9. 請求項1において定義されたキメラGタンパク質を用いて、味覚受容体の調節因子を解析し発見する方法。
  10. 請求項1において定義されたキメラGタンパク質を用いて、苦味受容体、甘味受容体およびうま味受容体の群から選択される、味覚受容体の調節因子を解析および発見する方法。
  11. トランスフェクトされた、本発明のキメラGタンパク質と味覚受容体とをコードする遺伝子またはcDNAを使用する、哺乳類細胞ベースのアッセイを含む請求項に記載の方法であって、化合物を細胞に接触させるステップ、および受容体:キメラGタンパク質複合体における前記化合物の機能的効果を決定するステップを含む、前記方法。
  12. 機能的効果が、IP3またはカルシウム2+などの細胞内メッセンジャーの変化を測定することにより決定される、請求項〜1のいずれかに記載の方法。
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