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JP4656166B2 - 無線送信機 - Google Patents
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JP4656166B2 - 無線送信機 - Google Patents

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Description

本発明は、セキュリティ分野等で好ましく用いられる無線送信機に関するものである。
従来、携帯電話やパソコンなどにおいては、パスワードロック/アンロック又は電源オン/オフなどの自動化が要望されており、また、自動車においては、ドアロック/アンロックなどの自動化が要望されている。これらの要望に応えるべく、近年、様々な手法が考案されている。例えば、ID(Identification)識別手法を用い、ユニークなIDが割り当てられた無線送信機をユーザが携帯することによって、ユーザが離れた場合に携帯電話やパソコンなどのパスワードロックが行われ、ユーザが近づいた場合にアンロックが行われる手法が考案されている(例えば特許文献1参照)。
この種の無線送信機では、携帯性の観点から小型又は薄型であることが好ましく、特に、ユーザが常に携帯する財布や社員証ホルダなどに収納できるように、できる限り厚みを薄くしたカード形状のタイプとして、携帯性を上げる方が好ましい。また、この種の無線送信機では電池を備えることが好ましい。例えば、特許文献1には、電池、アンテナ及び電子回路を一平面上に並置することによって薄型化が可能であるキーレスエントリ送信機が無線送信機として記載されている。
特開2004−363929号公報
ところで、この種の無線送信機は人が携帯して使用するものであり、胸ポケットや後ろポケットなど、ユーザの使い方により様々な配置があり得る。このため、無線送信のアンテナ指向性は無指向性であることが好ましい。
しかしながら、特許文献1に記載の無線送信機では、アンテナと電池とを結ぶ方向の放射強度が低下してしまうという問題があった。
したがって、本発明の目的は、アンテナと電池とを結ぶ方向の放射強度の低下を低減し、アンテナの無指向性を得ることが可能な無線送信機を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による無線送信機は、無線モジュール部と、無線モジュール部に電力を供給する電池とを備え、無線モジュール部は、回路基板と、回路基板上の回路形成エリアに設けられた信号処理部及び高周波回路部と、回路形成エリアと隣接する回路基板上のアンテナ形成エリアに設けられたアンテナ素子とを備え、無線モジュール部は前記電池と並列に配置されており、アンテナ素子は電池の上面よりも低い位置に設けられており、電池はアンテナ形成エリア内に配置された端子を備え、前記端子はアンテナ素子と電磁界結合していることを特徴とするものである。


本発明において、アンテナ素子は、電池の第1の面よりも低い位置に設けられていることが好ましい。なお、第1の面は電池の実装面の接する面と対向する面として定義される。これによれば、アンテナ素子が無線送信機の薄型化・低背化を阻害することはない。さらに、アンテナ素子のみならず電池の端子や筐体を含む金属部分全体を放射導体として機能させることができる。したがって、電池がアンテナ素子からの電磁波の輻射に対する障壁とならず、アンテナの無指向性を確保することができる。
本発明において、電池の端子は、アンテナ素子と交差しており、且つ、端子及びアンテナ素子は回路基板に対して略垂直な方向に近接していることが好ましい。これによれば、アンテナ素子と電池の端子とが縦方向に電磁界結合した構造を提供することができる。
本発明において、電池の端子は、アンテナ素子と並列に配置されており、且つ、回路基板に対して略平行な方向に近接していることが好ましい。これによれば、アンテナ素子と電池の端子とが略横方向に電磁界結合した構造を提供することができる。
本発明において、電池の端子は、アンテナ形成エリア内に設けられたグランドパターンに接続されていることが好ましい。これによれば、無線送信機の動作の安定性を確保することができる。
本発明において、アンテナ素子を覆う樹脂をさらに備え、電池の端子とアンテナ素子との間に樹脂が介在していることが好ましい。これによれば、電池の端子とアンテナ素子との接触を確実に防止し、かつ両者の距離を常に一定にすることができる。
本発明において、アンテナ素子に供給される高周波信号の波長λに対して、アンテナ素子の長さはλ/8よりも短いことが好ましい。アンテナ素子がλ/8よりも短い場合には、電池の端子や筐体を含めた金属部分全体が放射導体として作用しやすくなる。
本発明において、無線モジュール部及び電池は並列に配置されていることが好ましく、また電池の面積は無線モジュール部の面積よりも大きいことが好ましい。
このように、本発明の無線送信機によれば、電池の影響を受けることがなく、アンテナと電池とを結ぶ方向の放射強度の低下を低減することが可能である。特に、アンテナの高さを電池の上面よりも低くした場合においても前記効果を得ることができ、アンテナの指向性を無指向化することができる。つまり、無線送信機の低背化に寄与することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による無線送信機の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、無線送信機1は、信号処理部12と、高周波回路部14と、アンテナ部15と、電池20とを備えている。
信号処理部12はCPUとメモリとを備えている。メモリには、IDナンバーと通信フォーマットが予め記憶されている。IDナンバーは、無線送信機ごとに割り振られたユニークなナンバーであり、通信フォーマットは予めプログラムされたものである。メモリには、揮発性のものや不揮発性のものなど様々なメモリを適用可能である。CPUは、これらのIDナンバー及び通信フォーマットをメモリから読み込み、出力信号として高周波回路部14へ断続的且つ定期的に出力する。CPUには、例えば8ビットマイコンを用いることができる。
高周波回路部14は、信号処理部12からの出力信号を受け、この出力信号におけるIDナンバーを含む送信信号を生成する。具体的には、高周波回路部14は、信号処理部12からの出力信号における通信フォーマットに従って、信号処理部12からの出力信号におけるIDナンバーを用いて例えば315MHzの搬送波を変調した変調信号を生成する。換言すれば、高周波回路部14は、例えば、転送レートが9600bpsの2値FSK変調信号を生成する。高周波回路部14は、この変調信号を送信信号としてアンテナ部15へ出力する。
アンテナ部15は、高周波回路部14からの送信信号を電磁波に変換して放射する。
電池20は、信号処理部12及び高周波回路部14へ電力を供給する。電池20としては、例えばポリマーリチウムイオン電池を用いることができ、定格でDC4.2Vの電圧を出力することができる。電池20では、信号処理部12と高周波回路部14との最低動作電圧レベルにもよるが、例えば1.8〜3.3Vの間で電流が消費される。
このような回路構成により、無線送信機1は、IDナンバーを含む送信信号を電磁波として断続的且つ定期的に出力する。次に、無線送信機1の物理的な構成について詳細に説明する。
図2は、無線送信機1の物理的な構成を示す図であって、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿った断面図である。また、図3は、図2(a)のC−C線に沿った無線送信機1の断面図である。
図2及び図3に示すように、無線送信機1は、カード型の薄型形状をなしている。特に限定されるものではないが、無線送信機1の外形は、85×55×1.6mmとすることができる。無線送信機1の厚みが薄ければ薄いほど胸ポケットや財布に収まりやすいことから、携帯性を高めることができる。
無線送信機1は、無線モジュール部10及び電池20を備え、これらはカード型のケース30内に収容されている。図2及び図3では、無線送信機1の内部構造を分かりやすくするために、カード型のケース30の裏面側のケース部材のみが記されており、ケース30の表面側及び側面側のケース部材が省略されているが、実際には全体がケース部材で覆われている。無線モジュール部10は上述した信号処理部12及び高周波回路部14を備え、これらは回路基板11上の回路形成エリア11A内に設けられている。また、回路基板11上のアンテナ形成エリア11Bにはアンテナ素子16が配線パターンによって形成されている。回路基板11としては、フレキシブル回路基板(FPC基板)やFR4基板など、様々な基板を適用可能である。
回路基板11上の領域は、回路形成エリア11Aとアンテナ形成エリア11Bに大別される。回路形成エリア11Aは、信号処理部12及び高周波回路部14が形成される領域であり、アンテナ形成エリア11Bは、アンテナ素子16が形成される領域である。回路形成エリア11Aとアンテナ形成エリア11Bとは明確に区別され、回路形成エリア11A内にはアンテナ素子16は形成されず、アンテナ形成エリア11B内には信号処理部12や高周波回路部14を構成する素子や配線パターンは形成されていない。このように、アンテナ形成エリア11Bと回路形成エリア11Aとを明確に区画することで、アンテナ特性を向上させることができる。
信号処理部12は、上述したCPUやメモリICの他、チップコンデンサ、チップコンデンサ、チップ抵抗等から構成される。信号処理部12は、消費電力を抑えるための制御やIDナンバーの出力処理などを行う。IDナンバーはメモリICに記憶されており、予めプログラムされた通信フォーマットと共に高周波回路部14へ出力される。
このときの出力信号は、上述した2値FSK変調信号に変調される。消費電力を抑えるための制御は間欠動作により行われる。例えば、15秒の周期にて30msecの時間だけIDナンバーが所定の通信フォーマットで出力される。これ以外の時間では信号処理部12の動作をオフにし、高周波回路部14もオフ状態となる。信号処理部12の動作では、オン状態となるまでのウェイクアップ時間の短縮化も意識され、待機モード(スリープモード)等の動作モードが信号処理部12内のメモリに予め記録されたプログラムにより実行される。例えば、スリープモードでの消費電流は、3Vの印加電圧にて1μA以下の値となる。
高周波回路部14は、チップコンデンサ、チップインダクタ、チップ抵抗等の受動部品、トランジスタ等の半導体素子等により構成される。高周波回路部14は、信号処理部12から出力された信号を無線送信できるように例えば315MHzの周波数で変調し、その変調信号をアンテナ部15へ出力する。
アンテナ素子16は、高周波回路部14から出力された変調信号を電波として放射する。本実施形態のアンテナ素子16は、銅箔等の導体パターンを用いて構成されており、コの字状の平面形状を有している。アンテナ素子16の一方の端部16aは高周波回路部14に接続されており、アンテナ素子16の給電点を構成している。また、アンテナ素子16の他方の端部16bは開放されている。なお、配線パターンはコの字状に限定されず、種々の形状とすることができる。
アンテナ素子16は、20×20mm程度のアンテナ形成エリア11B内に設けられている。アンテナ形成エリア11Bは、破線で示すように、アンテナ素子16の給電点である一方の端部16aからアンテナ素子16の延設方向に向かって広がる回路基板11上の平面領域として設定されている。より詳細には、図示のB−B線を境界にしてそれよりも下側(回路形成エリア11Aとは反対側)の領域である。なお、B−B線はアンテナ素子16の給電点16aを通過し、回路基板11の幅方向に延びる直線である。
アンテナ部15はアンテナ素子16を含み、アンテナ素子16は回路基板11上のアンテナ形成エリア11B内に形成されている。電波はアンテナ素子16を含む回路基板11全体から放射されるため、アンテナ素子16の周囲を含む回路基板11上の広い範囲が対象となる。したがって、図1に示したアンテナ部15は、アンテナ素子16のみならずアンテナ形成エリア11B内の回路基板11を構成要素として含んでいる。なお、アンテナ形成エリア11Bには、信号処理部12や高周波回路部14を構成する素子や配線パターンは原則として形成されていないが、給電点付近において高周波回路部14を構成する部品の一部が設けられていてもよく、グランドパターンは形成されている。
電池20は、金属製の筐体23を有しており、筐体23は薄型なカード形状を有している。特に限定されるものではないが、電池20の外形は、59×46×1.0mmとすることができる。電池20はプラス端子21及びマイナス端子22を有しており、これらの端子は筐体23の側面から回路基板11と平行に引き出されて回路基板11側に突出している。電池20はできるだけ大容量であることが好ましい。そのため、電池20の面積は無線送信機1の面積の半分以上を占めている。
電池20は、図示のように回路基板11と隣接して並列に配置され、そのプラス端子21は、回路基板11上の回路形成エリア11A内に設けられた給電ライン24に接続されている。また、電池20のマイナス端子22は回路基板11上のアンテナ形成エリア11B内に設けられたグランドパターン25に接続されている。アンテナ特性への影響を防ぐため、従来、電池20のマイナス端子22はプラス端子21と共に回路形成エリア11A内に設けられていたが、本実施形態ではマイナス端子22をアンテナ形成エリア11B内に積極的に配置している。
このように、信号処理部12、高周波回路部14、アンテナ部15、及び電池20は、ケースの裏面を共通の搭載面(基準面)として横並びに配置されているので、非常に薄型なカード形状の無線送信機1を提供することができる。
アンテナ形成エリア11Bは樹脂18で覆われており、アンテナ素子16と電池20のマイナス端子22との間には樹脂18が介在している。ただし、回路基板11上のグランドパターン25の上方の樹脂18は除去され、グランドパターン25の上方には開口部26が設けられている。したがって、マイナス端子22はこの開口部26を通じてグランドパターン25に半田接続される。このように、アンテナ素子16とマイナス端子22との間に樹脂18が介在している場合には、両者の接触を防止することができると共に、両者の距離を常に一定にすることができる。
電池20のマイナス端子22は、電池20の筐体23の側面からアンテナ部15側に向かって突出しており、マイナス端子22の先端部はアンテナ素子16の上方を通過してグランドパターン25に半田付けされている。グランドパターン25はアンテナ素子16の内側にあるため、マイナス端子22はアンテナ素子16の上方を覆っており、アンテナ素子16と近接している。これにより、アンテナ素子16と電池20のマイナス端子22とは容量結合状態となり、高周波的に接続された状態となる。
ここで、アンテナ素子16とマイナス端子22との間隔は、アンテナの設計波長λに対してλ/8以下であれば問題はない。アンテナ素子16とマイナス端子22は非常に近接しており、λ/8以上になることは想定できないことから、アンテナ素子16とマイナス端子22との距離が遠すぎて十分な電磁界結合が得られないという事態が生じることはない。
本実施形態において、アンテナ素子16は、電池20の第1の面である上面20aよりも低い位置に設けられていることが好ましい。電池20の上面20aは、カード形状を有する電池筐体23の主面を構成するものであり、電池筐体23の露出面のうち最も広い面である。つまり、電池20の上面20aは、ケース30の裏面(被実装面)と接する面と対向する面として定義される。もしアンテナ素子16が電池20の上面よりも高い位置にある場合には、アンテナ素子16が無線送信機1の薄型化・低背化を妨げる要因となる。しかし、本実施形態によれば、アンテナ素子16が電池の上面よりも低い位置に設けられているので、アンテナ素子16が無線送信機1の薄型化・低背化を阻害することはない。
ところで、アンテナ素子16が電池20の上面よりも低い位置にある場合には、電池20の筐体である金属部分がアンテナ素子16からの電磁波の輻射に対する障壁となるため、アンテナ素子16と電池20とを結ぶ方向の放射強度が低下し、アンテナが指向性をもつことが知られている。しかし、本実施形態のように、アンテナ素子16に対して電池20のマイナス端子22が近接配置されており、両者が高周波的に接続されている場合には、たとえアンテナ素子16の位置が電池20の上面よりも低かったとしても、電池20がアンテナ素子16からの電磁波の輻射に対する障壁となることはなく、無指向性アンテナを実現することができる。
このように、本実施形態の無線送信機1によれば、電池20のマイナス端子22がアンテナ素子16の一部に対して縦方向(回路基板11と垂直な方向)に近接して設けられており、両者が電磁界的に結合していることから、アンテナ素子16のみならず電池20のマイナス端子22や筐体23を含む金属部分全体を放射導体として機能させることができる。したがって、電池20がアンテナ素子16からの電磁波の輻射に対する障壁とならず、アンテナの無指向性を確保することができる。
図4は、図2のXY平面における無線送信機の放射特性を示す図であって、図4(a)は実施例による無線送信機の放射特性を示しており、図4(b)は比較例による無線送信機の放射特性を示している。ここに、実施例による無線送信機1は、図2及び図3に示した無線送信機1であって、アンテナ部15の高さが電池20の高さよりも低く、且つ、アンテナ素子16と電池20のマイナス端子22とが電磁界的に結合した構成を有している。また、比較例による無線送信機は、アンテナ部15の高さが電池20の高さよりも低く、且つ、アンテナ素子16と電池20のマイナス端子22とが電磁界的に結合していない従来構造の無線送信機である。なお、図中の矢印の向き(0度の向き)はアンテナ部15と電池20とを結ぶ方向であって、アンテナ素子16から見た電池20の方向を示している。
図4(a)に示すように、実施例による無線送信機の場合には、アンテナ部15と電池20とを結ぶ方向のアンテナ利得が低下せず、無指向性となることが分かる。これは、アンテナ部15から放射される電波に対して電池20が障壁とならないことによるものである。
一方、図4(b)に示すように、従来構造の無線送信機の場合には、アンテナ部15と電池20とを結ぶ方向のアンテナ利得が低下し、指向性を持つことが分かる。これは、アンテナ部15から放射される電波に対して電池20が障壁となってしまうことによるものである。これにより、アンテナ部15と電池20とを結ぶ方向にヌル点が存在してしまう可能性がある。
図5は、アンテナ部15の大きさと無線送信機1の指向性比との関係を示す表である。詳細には、電池20の上面の高さを基準面から一定(1.0mm)とし、アンテナ素子16の高さを基準面から0.2mm〜1.6mmまで0.2mmずつ変化させたときの指向性比を示している。なお、「指向性比」とは、図4における最小アンテナ利得と最大アンテナ利得との比である。また、「アンテナ部15の大きさ」とは、アンテナ形成エリアの長手方向の一辺の長さLを言うものとする(図2参照)。
図5に示すように、アンテナ部15の大きさが25mm(λ/18)の場合には、アンテナ素子16の高さによらず、指向性比が常に1.0となっている。アンテナ部15の大きさが45mm(λ/10)の場合も同様であり、指向性比は常に1.0となっている。すなわち、アンテナ部15と電池20とを結ぶ方向のアンテナ利得が改善され、無指向性が得られている。
しかし、アンテナ部15の大きさが56mm(λ/8)の場合には、アンテナ素子16の高さが低くなるほど指向性比が低下している。詳細には、アンテナ素子16の高さが0.4mmのときに指向性比が0.9となり、0.3mmのときに0.8となり、0.2mmのときに0.6mmとなっている。さらに、アンテナ素子16の高さが112mm(λ/4)の場合には、指向性比の低下がより顕著に現れている。詳細には、アンテナ素子16の高さが0.8mmのときに指向性比が0.8となり、0.4mmのときに0.6となり、0.3mmのときに0.2となり、0.2mmのときに0.02mmとなっている。
以上の結果から次のことが分かる。アンテナ部15の大きさがλ/8以上である場合には、アンテナ素子16の長さもλ/8以上となり、アンテナ素子16のみから電波を放射しようとするため、電池20の筐体23である金属部分がアンテナ素子16からの電波の放射に対する障壁となる。そのため、アンテナ素子16と電池20とを結ぶ方向の放射強度が低下し、アンテナが指向性をもつようになる。しかし、アンテナ部15の大きさが設計波長に対してλ/8よりも短い場合には、アンテナ素子16だけでなく電池20のマイナス端子22や電池20の金属筐体部分も放射導体の一部となり、無線送信機全体から電波を放射しようとする。つまり、電池20が電波に対する障壁となるというよりむしろ電波の放射を補助するように機能するため、アンテナを無指向化することができる。
ところで、長寿命化の観点から、電池容量、すなわち電池20の体積はできるだけ大きいことが好ましい。電池20の体積を大きくするためには、電池20の面積及び厚さを大きくすればよいと考えられる。しかしながら、電池の厚さを大きくしてしまうと、アンテナ部15から放射される電磁波に対して電池が障壁となってしまう。さらにこの状態で電池の面積を単純に大きくしてしまうと、より広い範囲にわたって放射強度が低減してしまう。
しかしながら、本実施形態の無線送信機1によれば、アンテナ部15の放射特性は電池20の面積や厚さの影響を受けないことから、電池20を単純に大きくすることができる。したがって、本実施形態の無線送信機1によれば、無指向性を阻害することなく電池容量を増加することができ、無線送信機1の長寿命化が可能である。
図6は、本発明の第2の実施形態による無線送信機2の物理的な構成を示す平面図である。
図6に示すように、本実施形態による無線送信機2の特徴は、電池20のマイナス端子22とアンテナ素子16とが第1の実施形態のように交差しているわけではないが、電池20のマイナス端子22がアンテナ形成エリア11B内に設けられ、これによりアンテナ素子16とマイナス端子22との間で電磁界結合が生じている点にある。本実施形態においては、給電点16aが電池20側に寄った位置にあり、ここを始点としてアンテナ素子16はアンテナ形成エリア11Bの外周に沿って略コの字状に形成されている。アンテナ素子16を構成するX方向及びY方向の帯状導体によって矩形領域を定義するとき、マイナス端子22はこの矩形領域を規定する4つの辺のうち、帯状導体が存在しない残りの一辺に相当する位置に設けられており、アンテナ素子16の先端部16b付近に近接している。よって、第2の実施形態と同様、マイナス端子22とアンテナ素子16とは横方向(回路基板11と平行な方向)に電磁界結合している。その他の構成については第1の実施形態による無線送信機1と同様であることから、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
このように、本実施形態の無線送信機2によれば、電池20のマイナス端子22とアンテナ素子16とが電磁界的に結合していることから、アンテナ素子16のみならず電池20のマイナス端子22や筐体23を含む金属部分全体を放射導体として機能させることができる。したがって、電池20がアンテナ素子16からの電磁波の輻射に対する障壁とならず、アンテナの無指向性を確保することができる。なお、本実施形態においては、アンテナ素子16によって定義される矩形領域において帯状導体が存在しない辺に相当する位置にマイナス端子22が設けられているが、矩形領域の内側にマイナス端子22を設けることも可能である。
図7は、本発明の第3の実施形態による無線送信機3の物理的な構成を示す平面図である。
図7に示すように、本実施形態による無線送信機3の特徴は、電池20のマイナス端子22とアンテナ素子16とが第1の実施形態のように交差しているわけではないが、電池20のマイナス端子22がアンテナ形成エリア11B内に設けられ、これによりアンテナ素子16とマイナス端子22との間で電磁界結合が生じている点にある。特に、本実施形態においては、アンテナ素子16がアンテナ形成エリア11Bの外周に沿って略L字状に形成されている。アンテナ素子16を構成するX方向及びY方向の帯状導体によって取り囲まれる矩形領域を定義するとき、マイナス端子20はこの矩形領域の内側に設けられており、アンテナ素子16の先端部16b付近に近接している。よって、第2の実施形態と同様、マイナス端子22とアンテナ素子16とは横方向(回路基板11と平行な方向)に電磁界結合している。その他の構成については第1の実施形態による無線送信機1と同様であることから、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
このように、本実施形態の無線送信機4によれば、第1及び第2の実施形態と同様、電池20のマイナス端子22とアンテナ素子16とが電磁界的に結合していることから、アンテナ素子16のみならず電池20のマイナス端子22や筐体23を含む金属部分全体を放射導体として機能させることができる。したがって、電池20がアンテナ素子16からの電磁波の輻射に対する障壁とならず、アンテナの無指向性を確保することができる。なお、本実施形態においては、アンテナ素子16によって定義される矩形領域の内側にマイナス端子20が設けられているが、矩形領域において帯状導体が存在しない辺に相当する位置にマイナス端子20を設けることも可能である。
図8は、本発明の第4の実施形態による無線送信機4の物理的な構成を示す平面図である。また、図9は、図8のC−C線に沿った無線送信機1の断面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態による無線送信機4の特徴は、アンテナ素子16と電池20のマイナス端子22との電磁界結合の方向が縦方向(回路基板11と垂直な方向)ではなく、横方向(回路基板11と平行な方向)となっている点にある。そのため、マイナス端子22はアンテナ素子16の上方を覆っておらず、アンテナ素子16を横切る手前で回路基板11上のグランドパターン25に接続されている。すなわち、マイナス端子20はアンテナ素子16に近接しているけれども、アンテナ素子16を構成するX方向及びY方向の帯状導体によって定義される矩形領域の外側に設けられている。なお、その他の構成については第1の実施形態による無線送信機1と同様であることから、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
このように、本実施形態の無線送信機4によれば、電池20のマイナス端子22がアンテナ素子16の一部に対して横方向に近接して設けられており、両者が電磁界的に結合していることから、アンテナ素子16のみならず電池20のマイナス端子22や筐体23を含む金属部分全体を放射導体として機能させることができる。したがって、電池20がアンテナ素子16からの電磁波の輻射に対する障壁とならず、アンテナの無指向性を確保することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明の範囲に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態においては、アンテナ素子16がコの字状又はL字状の配線パターンによって形成されているが、アンテナ素子16の形状はこれらに限定されるものではなく、例えば、一巻き形状、直線形状、ミアンダ形状、スパイラル形状、ヘリカル形状など、様々な形状であってもよい。
また、上記各実施形態においては、電池20のマイナス端子22とアンテナ素子16とを電磁界結合させているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、電池20のプラス端子21とアンテナ素子16とを電磁界結合させても構わない。
図1は、本発明の第1の実施形態による無線送信機1の構成を示すブロック図である。 図2は、無線送信機1の物理的な構成を示す図であって、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿った断面図である。 図3は、図2(a)のC−C線に沿った無線送信機1の断面図である。 図4は、図2のXY平面における無線送信機の放射特性を示す図であって、図4(a)は本実施形態による無線送信機1の放射特性を示しており、図4(b)は従来構造の無線送信機の放射特性を示している。 図5は、アンテナ部15の大きさとアンテナ部15の指向性比との関係を示す表である。 図6は、本発明の第2の実施形態による無線送信機2の物理的な構成を示す平面図である。 図7は、本発明の第3の実施形態による無線送信機3の物理的な構成を示す平面図である。 図8は、本発明の第4の実施形態による無線送信機4の物理的な構成を示す平面図である。 図9は、図8のC−C線に沿った無線送信機4の断面図である。
符号の説明
1 無線送信機
2 無線送信機
3 無線送信機
4 無線送信機
10 無線モジュール部
11 回路基板
11A 回路形成エリア
11B アンテナ形成エリア
12 信号処理部
14 高周波回路部
15 アンテナ部
16 アンテナ素子
16a アンテナ素子の一方の端部(給電点)
16b アンテナ素子の他方の端部(開放端)
18 樹脂
20 電池
21 電池のプラス端子
22 電池のマイナス端子
23 電池の筐体
24 給電ライン
25 グランドパターン
26 樹脂の開口部
30 ケース

Claims (8)

  1. 無線モジュール部と、前記無線モジュール部に電力を供給する電池とを備え、前記無線モジュール部は、回路基板と、前記回路基板上の回路形成エリアに設けられた信号処理部及び高周波回路部と、前記回路形成エリアと隣接する前記回路基板上のアンテナ形成エリアに設けられたアンテナ素子とを備え、前記無線モジュール部は前記電池と並列に配置されており、前記アンテナ素子は前記電池の上面よりも低い位置に設けられており、前記電池は前記アンテナ形成エリア内に配置された端子を備え、前記端子は前記アンテナ素子と電磁界結合していることを特徴とする無線送信機。
  2. 前記電池の前記端子は、前記アンテナ素子と交差していることを特徴とする請求項1に記載の無線送信機。
  3. 前記電池の前記端子は、前記アンテナ素子と並列に設けられており、且つ、前記回路基板に対して略平行な方向に近接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線送信機。
  4. 前記電池の前記端子は、前記アンテナ形成エリア内に設けられたグランドパターンに接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記アンテナ素子を覆う樹脂をさらに備え、前記電池の前記端子と前記アンテナ素子との間に樹脂が介在していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記アンテナ素子に供給される高周波信号の波長λに対して、前記アンテナ形成エリアの長手方向の一辺の長さがλ/8よりも短いことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線送信機。
  7. 前記アンテナ素子は、前記アンテナ形成エリア内に形成された帯状導体パターンであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  8. 前記電池の面積は、前記無線モジュール部の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の無線送信機。
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