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JP4656993B2 - 塗装方法 - Google Patents
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JP4656993B2 - 塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シーリング材、ビニル系内装材、ビニル系建材等の可塑剤を含有する材料の表面に好適に使用することができる塗装方法に関する。
従来より、建築物内外装においては、各種の塗装により躯体の保護、美観の向上を図ることが頻繁に行われている。
このような塗装の際、被塗面である建築物表面に窯業系や金属系等の各種建材が使用されている場合、建材の継目部分においては、防水性等を付与するためにシーリング材が打設されている。このような建材の継ぎ目部分を含む被塗面全面に対して塗装を施すと、継ぎ目部分の保護を図ることができる。さらには、全体的な意匠性が統一され、美観性が向上できるという利点もある。
このような塗装を行うには、通常、建材部分と、継ぎ目のシーリング材部分の双方を被覆するように塗膜を形成しなければならない。しかしながら、このようなシーリング材の大半は、その成分中に可塑剤を含有している。そのため、シーリング材表面に直接塗装を施すと、経時的にシーリング材中の可塑剤が塗膜に移行して、シーリング材上の塗膜を可塑化し、柔らかくするため、空気中の汚染物質が軟化した塗膜表面に付着して、その美観性を低下させる場合がある。
また、シーリング材は、各種建材の寒暖差による膨張収縮に追従する機能を有しており、この機能はシーリング材自体が伸縮を行うことによって発揮される。従って、シーリング材上の塗膜が、シーリング材の伸縮に追従できないもの、すなわち比較的弾性が劣るものの場合には、塗膜に割れが生じるおそれがある。これに対して、シーリング材上の塗膜として弾性の大きなものを用いれば割れ発生の問題は解決できるが、前述した可塑剤の移行による塗膜軟化の問題に加え、弾性の高い塗膜の場合は元来硬質塗膜に比べ汚染物質が付着しやすく、美観性が損われやすいという問題もある。
一方、建築物の内装においては、塩化ビニルを主成分とする壁紙、天井材、床材等の所謂ビニル系材料が、比較的安価で施工性も良好であることから好んで用いられているが、経時的に劣化や汚染が進行した場合や、意匠性変更の要望があった場合には、改装の必要性が生じている。これらに対する改装の方法としては、古いビニル系内装材を新しいものに取り替える方法が一般的であるが、この方法では、廃棄物処理の問題、例えばダイオキシン発生の問題等が懸念されてきており、これに替わる方法として、最近では塗装による改装が注目されつつある。しかしながら、このようなビニル系材料の表面に直接塗装を施すと、前述のシーリング材の場合と同様に、成分中に含まれる可塑剤が塗膜に移行することによって汚染物質が付着しやすくなる場合がある。
また、ビニル系内装材自体は柔軟性を有しているため、この上に形成された塗膜が硬質のものの場合には、塗膜に割れが生じやすくなる。これに対して、ビニル系内装材上の塗膜として弾性の大きなものを用いれば、割れ発生の問題は解決できるが、今度は塗膜の耐汚染性が低下してしまう。
以上のような問題点を解決するために、シーリング材やビニル系内装材の表面にある種の処理剤を塗付して、可塑剤の移行防止と塗膜の割れ防止を図ろうとするものがある。しかしながら、このような材料の大半は、媒体として有機溶剤を主成分とする所謂溶剤系のものであり、作業における安全性や環境衛生性を考慮すると好ましいとは言い難いものである(特許文献1等)。これに対し、一部には水性の材料も提案されているが、可塑剤移行防止性や割れ防止性の点においては未だ改善の余地がある。
特開平11−92711号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、可塑剤を含有するシーリング材やビニル系内装材等の表面に塗付することで、このような材料中の可塑剤が塗膜に移行するのを防止し、さらにはシーリング材やビニル系内装材等の膨張収縮に起因する塗膜の割れ発生を防止することができる塗装方法を得ることである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、特定の水性樹脂と特定の有機質粉体を含む水性塗料を用いることによって、可塑剤の移行防止効果、及びシーリング材やビニル系内装材等の変位に対する割れ防止効果が得られることを見出し、本発明を完成させるに到った。すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.可塑剤を含有する材料の表面に、
平均粒子径が0.1μm以下であり、被膜の伸びが500%以下である水性樹脂(I)を固形分換算で100重量部、
平均粒子径が0.1〜100μmであり、ガラス転移温度−60〜60℃の重合体からなる有機質粉体(a)、及び/または
平均粒子径が0.1〜100μmであり、ガラス転移温度30℃未満の重合体からなるコア部とガラス転移温度30℃以上の重合体からなるシェル部を有する有機質粉体(b)からなる有機質粉体(II)を3〜400重量部含む水性塗料を塗付することを特徴とする塗装方法。
2.前記水性塗料における水性樹脂(I)として、第3級アミン塩基、第4級アンモニウム塩基、ニトリル基から選ばれる1種以上の官能基を有するアクリル樹脂、及び/またはポリカーボネートウレタン樹脂を含むことを特徴とする1.に記載の塗装方法。
3.前記水性塗料における水性樹脂(I)が架橋反応型水性樹脂であることを特徴とする1.または2.に記載の塗装方法。
本発明では、可塑剤移行防止性と、塗膜の割れ防止性において優れた性能を発揮することができる。したがって、本発明は、シーリング材、ビニル系内装材、ビニル系建材等の可塑剤を含有する材料の表面塗装に好適である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[水性塗料]
本発明における水性塗料では、バインダーとして、平均粒子径が0.1μm以下であり、被膜の伸びが500%以下である水性樹脂(I)(以下「(I)成分」という)を使用する。本発明では、かかる(I)成分の作用によって、可塑剤移行防止性を発揮することができる。(I)成分の平均粒子径が0.1μmより大きい場合、あるいは被膜の伸びが500%を超える場合は、十分な可塑剤移行防止効果を得ることができない。(I)成分の平均粒子径は0.1μm以下であるが、好ましくは0.01μm以上0.08μm以下である。(I)成分の被膜の伸びは500%以下であるが、好ましくは400%以下、より好ましくは3%以上300%以下である。
なお、平均粒子径は、動的光散乱法により測定した値である。具体的には、動的光
散乱測定装置として、マイクロトラック粒度分析計(例えば、UPA150、日機装株式会社製)を用い、検出された散乱強度をヒストグラム解析法のMarquardt法により解析した値であり、測定温度は25℃である。
また、(I)成分の被膜の伸びは、JIS K6301:1995の方法によって測定した値である。測定温度は20℃である。ただし、試験片としては、(I)成分をガラス板上に流延し、標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で24時間さらに80℃下で48時間乾燥して得た被膜(乾燥膜厚300μm)を3号ダンベル片に打ち抜いたものを使用する。
具体的に(I)成分を構成する樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。特に、(I)成分としては、第3級アミン塩基、第4級アンモニウム塩基、ニトリル基から選ばれる1種以上の官能基を有するアクリル樹脂、及び/またはポリカーボネートウレタン樹脂を含むことが望ましい。
かかる官能基を有するアクリル樹脂は、例えば、第3級アミン塩基含有モノマー、第4級アンモニウム塩基含有モノマー、ニトリル基含有モノマーから選ばれるモノマーを含むアクリル系モノマー混合物を重合することによって得ることができる。
第3級アミン塩基含有モノマーとしては、第3級アミノ基含有モノマーを酸や塩で第3級アミン塩化したものを用いることができる。第3級アミノ基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチル,N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムサルフェート等が挙げられる。
ニトリル基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
上記モノマー以外のアクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのほか、カルボキシル基含有アクリル系モノマー、水酸基含有アクリル系モノマー、アミド基含有アクリル系モノマー、エポキシ基含有アクリル系モノマー、カルボニル基含有アクリル系モノマー、アルコキシシリル基含有アクリル系モノマーが挙げられる。
ポリカーボネートウレタン樹脂は、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られる樹脂である。ポリカーボネートポリオールは、多価アルコールとホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合によって得ることができる。ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添TDI、水添MDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリカーボネートウ
レタン樹脂を製造するには、必要に応じ鎖伸長剤を併用することもできる。鎖伸長剤としては、多価アルコール、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン等が挙げられる。
本発明において、(I)成分は架橋反応性を有するものであってもよい。(I)成分が架橋反応型水性樹脂ある場合は、可塑剤移行防止性、さらには塗膜の耐水性、密着性等を高めることができる。架橋反応型水性樹脂は、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。このような架橋反応性は、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシル基どうし等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。
本発明では、上記(I)成分に対し、有機質粉体(II)(以下「(II)成分」という)を混合する。かかる(II)成分を混合することにより、塗膜の割れ防止効果を得ることができる。具体的に(II)成分としては、
平均粒子径が0.1〜100μmであり、Tg−60〜60℃の重合体からなる有機質粉体(以下「(a)成分」という)、及び/または
平均粒子径が0.1〜100μmであり、Tg30℃未満の重合体からなるコア部とTg30℃以上の重合体からなるシェル部を有する有機質粉体(以下「(b)成分」という)を使用する。
(a)成分、(b)成分の平均粒子径は、通常0.1〜100μmであるが、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜30μmである。
(a)成分の重合体は、各種重合性モノマーを共重合することによって形成されるものである。使用可能な重合性モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニルモノマー等が挙げられる。分子内に2個以上のビニル基を有する多官能モノマー等も使用可能である。
(a)成分のTgは、通常−60〜60℃、好ましくは−50〜50℃、より好ましくは−40〜40℃である。(a)成分のTgは、重合体を構成するモノマーの種類や比率を適宜設定することによって調整できる。Tgが高すぎる場合は、塗膜の割れ防止性において十分な性能を得ることができず、Tgが低すぎる場合は、耐汚染性等の点で不利となる。
本発明では(b)成分を使用することにより、割れ防止効果をより高めることができる。この場合、(a)成分と(b)成分を混合して使用することもできる。
(b)成分のコア部のTgは、通常30℃未満、好ましくは−60〜20℃、より好ましくは−60〜10℃である。シェル部のTgは、通常30℃以上、好ましくは50〜140℃、より好ましくは60〜130℃である。
(b)成分においては、コア部及びシェル部のTgが所定の範囲内となる限り、重合体を構成するモノマーは特に制限されず、上述の(a)成分と同様のモノマーからなるものも使用できる。
なお、(a)成分、(b)成分は、いずれも非造膜性の粉体であり、造膜性を有する(I)成分とは別異の材料である。
(II)成分の混合比率は、(I)成分の固形分100重量部に対し、通常3〜400重量部、好ましくは4〜300重量部、より好ましくは5〜200重量部である。(II)成分の混合比率がこのような範囲であれば、可塑剤移行防止性を確保しつつ、十分な割れ防止効果を得ることができる。
本発明における水性塗料では、上述の成分以外の成分を混合することができる。かかる成分としては、例えば、体質顔料、着色顔料、骨材、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤、吸着剤等が使用可能である。
このうち、体質顔料として平均粒子径が0.1〜100μmである無機質粉体、中空粉体、有機質粉体(ガラス転移温度60℃以下の重合体を有するものを除く)等を使用すれば、本発明の効果を保持しつつ、艶消し効果を高めることができ、さらに塗膜の強度や肉厚感、塗装時の作業性等を高めることもできる。
[塗装方法]
本発明は、可塑剤を含有する材料(シーリング材、ビニル系内装材等)を対象に塗装を行うものであり、主に建築物の内外装において適用することができる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン等が挙げられる。
本発明において、上記水性塗料を用いてシーリング材上に塗装を行う際には以下のように実施することができる。
シーリング材としては、可塑剤を含有するものが対象となるが、具体的には、シリコーン系シーリング材、変性シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、変性ポリサルファイド系シーリング材、アクリルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、SBR系シーリング材、ブチルゴム系シーリング材等が挙げられる。これらは一成分形、二成分形のいずれであってもよい。
かかるシーリング材上に本発明の水性塗料を塗付方法としては、特に限定されないが、シーリング材の表面処理のみを目的とする場合は、通常刷毛塗りによってシーリング材表面及びその周辺を、シーリング材が打設された幅より3〜10mm程度広く塗付すればよい。勿論、シーリング材表面を含む被塗面全面に塗装を行うこともできる。水性塗料の塗付量は、水性塗料の形態にもよるが、通常は固形分換算で30〜300g/m程度である。
上記水性塗料を用いてシーリング材上に塗装を行った後には、仕上塗材を塗付することもできる。かかる仕上塗材としては、一般的に建築物等の塗装に使用可能なものであればよい。例えば、JIS
K 5654「アクリル樹脂エナメル」、JIS K 5656「建築用ポリウレタン樹脂塗料」、JIS
K 5658「建築用ふっ素樹脂塗料」、JIS K 5660「つや有り合成樹脂エマルションペイント」、JIS
K 5663「合成樹脂エマルションペイント」、JIS K 5667「多彩模様塗料」、JIS
K 5668「合成樹脂エマルション模様塗料」、JIS A 6909 「建築用仕上塗材」等に規定されるものが好適に使用できる。特に、汚染の問題を考慮すると硬質系のものが好ましいが、目的によっては弾性系のものも使用することができる。また、仕上塗材の塗装前には、各種下塗材による塗装を行うこともできる。
仕上塗材を塗付するまでの工程間隔時間は、通常2時間〜7日程度とする。この際、各種仕上塗材を各々の施工仕様に基づき、適宜塗装することにより、汚れや割れ、はがれ、膨れ等の問題のない塗膜を形成することができる。なお、補助部材としてパテや寒冷紗等を用い、大壁工法とすることも可能である。
また、上記水性塗料を用いて、ビニル系内装材上に塗装を行う際には以下のように実施することができる。
ビニル系内装材としては、塩化ビニル系樹脂を主成分とし、さらに可塑剤を含有する壁材、天井材、床材等が対象となる。このような内装材上に本発明の水性塗料を塗付方法としては、特に限定されず、刷毛、スプレー、ローラー等を用い、内装材全体に塗装を行えばよい。このときの塗付量は、通常、固形分換算で30〜300g/m程度とすればよい。
上記水性塗料を用いてビニル系内装材上に塗装を行った後には、各種仕上塗材を各々の施工仕様に基づき、適宜塗装することもできる。仕上塗材を塗付するまでの工程間隔時間は、通常2時間〜7日程度とすればよい。
上記水性塗料自体が、例えばJIS K 5663「合成樹脂エマルションペイント」等に該当するような場合は、上記水性塗料の塗装のみで仕上げを行うこともできる。
本発明は、上記のシーリング材やビニル系内装材の他に、塩化ビニル被覆品、塩化ビニル成形品等の可塑剤を含有する各種材料に適用することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(塗料の製造)
表1〜表2に示す配合に従い、各原料を常法により混合・攪拌することによって塗料を製造した。原料としては下記のものを使用した。
・水性樹脂1:メチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−メタクリル酸−アクリロニトリル共重合体、固形分50重量%、平均粒子径0.06μm、伸び200%
・水性樹脂2:メチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−メタクリル酸−アクリロニトリル共重合体、固形分50重量%、平均粒子径0.1μm、伸び700%
・水性樹脂3:メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、固形分50重量%、平均粒子径0.04μm、伸び60%
・水性樹脂4:メチルメタクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート−ダイアセトンアクリルアミド−アクリル酸共重合体とアジピン酸ジヒドラジドの混合物、固形分50重量%、平均粒子径0.08μm、伸び300%)
・水性樹脂5:メチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−メタクリル酸共重合体、固形分50重量%、平均粒子径0.15μm、伸び1200%
・水性樹脂6:ポリカーボネートウレタン樹脂、固形分30重量%、平均粒子径0.03μm、伸び20%
・有機質粉体1:アクリルポリマー粉体(平均粒子径8μm、Tg20℃、比重1.0)
・有機質粉体2:コアシェル型アクリルポリマー粉体(平均粒子径8μm、コア部Tg−54℃、シェル部Tg105℃、比重1.0)
・有機質粉体3:アクリルポリマー粉体(平均粒子径8μm、Tg105℃、比重1.0)
・消泡剤:シリコーン系消泡剤
(実施例1)
縦300mm×横300mm×厚さ3mmのスレート板上に、縦300mm×横140mm×厚さ12mmの窯業系サイディングボード2枚を、20mmの間隔を設けて取り付けた。このボード間の目地部に対し、ポリウレタン系シーリング材(フタル酸エステル系可塑剤30重量%含有)をへらで充填し、7日間養生した。次に、水性塗料1を塗付量0.15kg/mでスプレー塗装し、2時間養生後、硬質アクリルエマルション塗料を塗付量0.3kg/mでスプレー塗装し14日間養生した。なお、塗装、養生等はすべて標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で行った。
以上の方法で得た試験板を、80℃環境下にて7日間放置後取り出し、標準状態で放冷した。次いで、試験体を水平に置いて8号黒色珪砂を散布した後、試験板を垂直に立てて珪砂を自然落下させた。このとき、付着した8号黒色珪砂の程度(ふりかけた面積に対する付着面積の割合)を目視にて確認することで可塑剤移行防止性を評価した。評価基準は、◎:付着面積が20%以下、○:付着面積が20〜50%、△:付着面積が50〜80%、×:付着面積が80%以上とした。
また、上記方法で得られた試験体について、水浸漬(23℃)18時間→−20℃3時間→50℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、塗膜外観を確認した。評価基準は、塗膜に割れが生じていないものを○、割れが生じているものを×とした。
試験結果を表3に示す。
(実施例2)
水性塗料1に代えて水性塗料2を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
(実施例3)
水性塗料1に代えて水性塗料3を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
(実施例4)
水性塗料1に代えて水性塗料4を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
(実施例5)
水性塗料1に代えて水性塗料5を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
(実施例6)
水性塗料1に代えて水性塗料6を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
(実施例7)
水性塗料1に代えて水性塗料7を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
(実施例8)
水性塗料1に代えて水性塗料8を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
(実施例9)
水性塗料1に代えて水性塗料9を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
(比較例1)
水性塗料1に代えて水性塗料10を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表4に示す。
(比較例2)
水性塗料1に代えて水性塗料11を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表4に示す。
(比較例3)
水性塗料1に代えて水性塗料12を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表4に示す。
(比較例4)
水性塗料1に代えて水性塗料13を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表4に示す。
(比較例5)
水性塗料1に代えて水性塗料14を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表4に示す。
Figure 0004656993
Figure 0004656993
Figure 0004656993
Figure 0004656993

Claims (3)

  1. 可塑剤を含有する材料の表面に、
    平均粒子径が0.1μm以下であり、被膜の伸びが500%以下である水性樹脂(I)を固形分換算で100重量部、
    平均粒子径が0.1〜100μmであり、ガラス転移温度−60〜60℃の重合体からなる有機質粉体(a)、及び/または
    平均粒子径が0.1〜100μmであり、ガラス転移温度30℃未満の重合体からなるコア部とガラス転移温度30℃以上の重合体からなるシェル部を有する有機質粉体(b)からなる有機質粉体(II)を3〜400重量部含む水性塗料を塗付することを特徴とする塗装方法。
  2. 前記水性塗料における水性樹脂(I)として、第3級アミン塩基、第4級アンモニウム塩基、ニトリル基から選ばれる1種以上の官能基を有するアクリル樹脂、及び/またはポリカーボネートウレタン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
  3. 前記水性塗料における水性樹脂(I)が架橋反応型水性樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗装方法。
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