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JP4660082B2 - 燃料電池用セパレータ - Google Patents
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JP4660082B2 - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池用セパレータに関する。
近年、燃料の有する化学的エネルギーを電気的エネルギーに直接変換する燃料電池に対する需要が高まっている。一般に燃料電池は、電解質膜を挟んで電極板が配置され、更にその外側にセパレータが配置された単位セルを、多数積層した構造になっている。
図1は、一般的な燃料電池用セパレータの外観を示す概略図であるが、平板部6の両面に所定の間隔で複数の隔壁7を設立して形成されている。燃料電池とするには、多数の燃料電池セパレータ5を、隔壁の突出方向(図中、上下方向)に積層する。そして、この積層により、隣接する一対の隔壁7で形成されるチャネル8に反応ガス(水素や酸素)を流通させる構成となる。そのため、燃料電池セパレータ5は両反応ガスが混合しないように、気体不透過性に優れることが必要である。また、単位セルを積層しているので、燃料電池用セパレータ5は高い導電性を有し、かつ強度にも優れていることが要求される。
例えば、自動車のように高電圧を必要とする分野では、各単位セルを数百枚積層してスタックを構成させる。また、このスタックは一般に約80℃の条件下で使用されるため、熱的寸法安定性(低熱膨張)が求められる。高熱膨張であると、熱によりスタック全体が大きくなるために、締め付け荷重の増大により燃料電池用セパレータ本体、電解質膜の破損が生じる。また、スタック組み付け時に、セパレータの強度、板厚寸法精度、反り等により組み付けの困難、破損などが発生することがある。特に燃料電池用セパレータの反りは、スタックの組み付けを困難にするだけでなく、組み付け後の各セルの密着性が不十分となり、接触電気抵抗にムラが生じ、それによる発電性能の低下、さらに偏荷重により燃料電池用セパレータが破損することがある。
燃料電池用セパレータは、生産性の点で有利なことから、樹脂に膨張黒鉛や炭素繊維などの導電性フィラーを分散させた導電性樹脂組成物を所定の形状にプレス成形して得られるのが一般的である。そのため、導電性樹脂組成物における配合物の分散が十分でないと、燃料電池用セパレータ内で配合物が偏在して、局所的な熱膨張差による反りやうねりが発生し、更に局所的な強度不足も起こる。そのため、燃料電池用セパレータの表裏(集電面、水路面)の形状差に由来して厚さ方向(図1、上下方向)と水平方向(図1、左右方向)とで導電性フィラーの配向状態に差が生じ、その結果熱膨張差により局部的に伸びに差が生じて反りやうねりが発生する。
反りを抑えるために、例えば、電極部と接触する面に含まれる樹脂の含有量を、電極部と接触しない面に含まれる樹脂の含有量よりも少なくした燃料電池用セパレータ(特許文献1参照)、外周または外表面の少なくとも一部を金属材料や繊維補強樹脂材料等からなる補強材で強化した燃料電池セパレータ(特許文献2参照)等が知られている。
また、使用する樹脂や導電性フィラーを特定して熱膨張率差を抑えることも行われており、例えば、特定のアスペクト比や平均粒径の黒鉛粉末と、ノボラック型フェノール樹脂と、炭素繊維とを含有し、隔壁と溝との間に密度差を設けた燃料電池用セパレータ(特許文献3参照)も知られている。
特開2003−151574号公報 特開2002−358973号公報 特開2002−25572号公報
しかし、上記特許文献1及び特許文献2は、反りの原因である熱膨張差について検討されておらず、根本的な解決には至っていない。また、特許文献3の燃料電池用セパレータも、セパレータ全体としての熱膨張率を抑えているものの、セパレータ部位間における熱膨張率差について検討されていない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、従来品に比べて反りが格段に少なく、組み付け性に優れ、また破損も無く、更にはセル間の密着性に優れ、接触電気抵抗ムラも無い、高性能の燃料電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、下記に示す燃料電池用セパレータを提供する。
(1)A)膨張黒鉛20〜60質量%、熱硬化性樹脂粉末20〜40質量%、球状フィラー15〜30質量%及び炭素繊維5〜10質量%の割合で常温にて乾式混合して混合粉体を得る工程と、
B)混合粉体を、熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度で溶融混合して溶融混合物を得る工程と、
C)溶融混合物を自然冷却して固化させた後、得られた固化物を粉砕し、粒径500μm以下の溶融混合物からなる粉体を分級して得る工程と、
D)溶融混合物からなる粉体を成形金型に充填し、熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度でプレス成形にて仮成形してシート化する工程と、
E)得られたシート状仮成形品を燃料電池用セパレータ用成形金型に収容し、熱硬化性樹脂が完全硬化する温度にて本成形する工程と、
を備える製造方法により得られ、厚さ方向における熱膨張係数と厚さに垂直な方向における熱膨張係数との差が20×10−6・K−1以下、曲げ強度が40MPa以上、かつ曲げ弾性率が12GPa以下であることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
(2)球状フィラーが球状シリカおよび球状黒鉛の一種類以上を含むことを特徴とする上記(1)記載の燃料電池用セパレータ。
(3)球状フィラーの平均粒径が、得られる燃料電池用セパレータの最薄部の厚さに対して75%以下であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の燃料電池用セパレータ。
本発明によれば、反りが小さく、組み付け性に優れ、また破損も無く、更にはセル間の密着性に優れ、接触電気抵抗ムラも無い、高性能の燃料電池用セパレータが得られる。
以下、本発明の燃料電池用セパレータに関して詳細に説明する。
本発明の燃料電池用セパレータは、導電性樹脂組成物を例えば図1に示したような所定形状に成形してなり、かつ厚さ方向における熱膨張係数と水平方向における熱膨張係数との差が20×10−6・K−1以下であることを特徴とする。このような熱膨張係数差を満足できる範囲であれば、その形状には制限がないが、導電性樹脂組成物としては、膨張黒鉛20〜60質量%、熱硬化性樹脂20〜40質量%、球状フィラー15〜30質量%及び炭素繊維5〜10質量%からなる導電性樹脂組成物とする。以下に膨張黒鉛、熱硬化性樹脂、球状フィラー及び炭素繊維について詳細に説明する。
ここで、エポキシ樹脂とは、多官能性エポキシ化合物と硬化剤との反応で形成される構造体、並びに該構造体を与えるエポキシ化合物及び硬化剤すべてを含包する。以後、反応前のエポキシ化合物をエポキシ樹脂前駆体、反応により生じた構造体をエポキシ化合物と言うことがある。また、エポキシ樹脂量は、エポキシ硬化物の質量に等しい。
エポキシ樹脂前駆体としては、種々の公知の化合物を使用することができる。例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型、ビスフェノールADジグリシジルエーテル型、レゾルシノールジグリシジルエーテル型等の2官能性エポキシ化合物;フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等の多官能性エポキシ化合物;更には、エポキシ化大豆油のような線状脂肪族エポキシ化合物、環式脂肪族エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン等の置換基を有する化合物、芳香環が水素化された化合物をも使用することができる。また、そのエポキシ当量、分子量、エポキシ基数等にも、特に制限はない。しかしながら、エポキシ樹脂前駆体として、エポキシ当量が約400以上、特に約700以上のエポキシ化合物を主に使用すると、可使時間を長くすることができる。また、これらの化合物は、常温で固体であるため、粉体成形を行う場合には取り扱いが容易となる。複数のエポキシ化合物を併用することも可能である。例えばエポキシ当量200程度の、網目密度の高い硬化物を与えるエポキシ樹脂前駆体を、エポキシ当量900程度の、可使時間の長い前駆体を混入させ、粉体として、あるいは可使時間のやや長い液状物として取り扱うことができる。
これらエポキシ樹脂前駆体は、硬化剤と反応することによって、エポキシ硬化物を生成する。硬化物も各種公知の化合物を使用することができる。例えばジメチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族、脂環族、芳香族のポリアミンまたはその炭酸塩;無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物;フェノールノボラックのようなポリフェノール;ポリメルカプタン;トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、イミダゾール、エチルメチルイミダゾール等のアニオン重合触媒;BFやその錯体のようなカチオン重合触媒;更には熱分解や光分解によって上記化合物を生成する潜在性硬化剤等が挙げられるが、これらに限定されない。複数の硬化剤を併用することもできる。
また、ポリイミドとは、分子内にイミド基((−CO−)N−)を有するポリマーの総てを包含する。例としてポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の熱可塑性ポリイミド;(全)芳香族ポリイミド等の非熱可塑性ポリイミド;熱硬化性ポリイミド、例えばビスマレイミド型ポリイミド、アリルナジイミド等のナジック酸型ポリイミド、アセチレン型ポリイミド等が挙げられるが、これらに限定されない。複数のポリイミドを併用することもできる。中でも熱硬化性ポリイミドの使用が特に好ましい。熱硬化性ポリイミドは、熱可塑性ポリイミドや非熱可塑性(芳香族)ポリイミドに比べ、加工が容易であるという利点を有する。高温特性は非熱可塑性ポリイミドと比べれば劣るものの、各種有機ポリマーの内では極めて良好な部類である。しかも硬化の際にボイドやクラックをほとんど発生しないので、本発明の導電性樹脂組成物の成分として好適である。
また、エポキシ樹脂とポリイミド樹脂との配合比は、エポキシ樹脂が5〜95重量部%で、ポリイミド樹脂が95〜5重量部%が好ましい。何れの樹脂も、配合比が5質量%未満では両樹脂を併用にすることにより生じる利点が僅かである。エポキシ樹脂:ポリイミド樹脂の配合比は、より好ましくは、95:5〜30:70、更に好ましくは85:15〜60:40である。
熱硬化性樹脂の配合量は、燃料電池用セパレータ全量に対して20〜40質量%であるが、20質量%未満では、材料流動性の低下により形状成形が困難になり、バインダーとして効果が薄くなり、燃料電池用セパレータの厚さ復元量が増大し、所望の厚さが得られない等の問題が生じる。また、熱硬化性樹脂の配合量が40質量%を超えると、強度不足、導電性低下、流動性が高くなることで成形時のバリ量の増加、金型へのハリツキ等の問題が生じる。これらの点を考慮すると、熱硬化性樹脂の配合量は20〜30質量%が好ましい。
膨張黒鉛
形性や経済性を考慮して導電性フィラーとして膨張黒鉛を用いる。膨張黒鉛は、黒鉛結晶構造の層間を拡張処理したもので、極めて嵩高いものとなっている。膨張黒鉛としては、好ましくは嵩比重が0.3程度以下、より好ましくは0.1程度以下、特に好ましくは0.05程度以下のものを使用する。これらの膨張黒鉛を用いると、強度、導電性、潤滑性が特に良好となる。
導電性フィラーの配合量は、燃料電池用セパレータ全量に対して20〜60質量%であるが、20質量%未満では満足できる導電性を得られず、60質量%を超えると強度あるいは成形上の問題が生じる。これらを考慮すると、導電性フィラーの配合量は、25〜60質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。
(球状フィラー)
一般に、膨張黒鉛を含有する導電性樹脂組成物を板状に成形すると、膨張黒鉛が成形体の水平方向に多く配向するようになり、水平方向と厚さ方向の熱膨張率差が生じ、反り発生の要因となる。そこで、このような異方性を低減させるために球状フィラーを添加する。
球状フィラーとしては、例えば低熱膨張材である球状シリカ、中空シリカ、球状黒鉛(人造黒鉛)等が挙げられ、それぞれ単独で、あるいはこれらを混合して用いることができる。中でも、導電性を考慮するとシリカよりも導電性フィラーとしても使用可能な球状黒鉛が望ましい。導電性樹脂組成物中に球状フィラーが混在することによって、球状フィラーの周囲で膨張黒鉛が成形体の厚さ方向にも配向しやすくなり、水平方向と厚さ方向とで熱膨張率の差が少なくなる。また、球状フィラーの粒径が大きい程、膨張黒鉛が厚さ方向にも配向しやすくなる。
しかし、球状フィラーの粒径が大き過ぎると、燃料電池用セパレータの表面から球状フィラーの一部が露出し、接触抵抗の低下を引き起こすことがある。そのため球状フィラーの粒径としては、燃料電池用セパレータの最薄部の厚さの75%以下とすることが望ましい。例えば、燃料電池用セパレータの最薄部が0.5mmであるとすると、球状フィラーの粒径は125μm以下が望ましく、更に好ましくは50μm以下が望ましい。
球状フィラーの配合量は、燃料電池用セパレータ全量に対して15〜30質量%であるが、5質量%未満では、満足する膨張黒鉛の配向制御ができないことから熱膨張の低下がみられず、燃料電池用セパレータに反りが生じる。30質量%を超えると、燃料電池用セパレータの表面から突出することがあり、接触抵抗の低下や、成形体の強度及び気体不透過性の低下を起こすおそれがある。これらを考慮すると、球状フィラーの配合量は15〜25質量%が好ましい。
(炭素繊維)
炭素繊維としては、例えばPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が挙げられ、それぞれ単独で、あるいはこれらを混合して用いることができる。炭素繊維を添加することにより燃料電池用セパレータの強度、特に耐衝撃性を改善することができ、また導電性や熱膨張に殆ど影響を与えずに強度を改善することができる。炭素繊維の形状には特に制限はないが、導電性樹脂組成物とするときに好ましくは繊維長が約0.01〜100mm、特に0.1〜20mmのものを使用する。繊維長が100mmを超えると成形が難しく、また表面を平滑にし難くなり、0.01mmを下回ると補強効果が期待できなくなる。
炭素繊維の配合量は、燃料電池用セパレータ全量に対して5〜10質量%であるが、5質量%未満では満足できる耐衝撃性が得られず、10質量%を超えると成形上の問題が生じる。これらを考慮すると、炭素繊維の配合量は7〜9質量%が好ましい。
本発明の燃料電池用セパレータを製造するには、例えば以下のようにして行うことができる。
先ず、上記の配合比にて膨張黒鉛、熱硬化性樹脂、球状フィラー及び炭素繊維をヘンシェルミキサーやシェイカー等を用いて常温にて乾式混合し、混合粉体を得る。次いで、混合粉体を熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度で溶融混合する。この溶融混合には加圧ニーダー、ブラベンダー、短軸または二軸スクリュー等の混合機を用いることができる。溶融混合により、膨張黒鉛、球状フィラー及び炭素繊維が破砕もしくは切断されて微細物となり、更には熱硬化性樹脂が軟化、流動して膨張黒鉛、球状フィラー及び炭素繊維の隙間に入り込み、導電性樹脂組成物中における配合物の分散性が向上し、特に導電性フィラーである膨張黒鉛の異方性を低減することが可能となる。次いで、得られた溶融混合物を自然冷却して固化させた後、固化物を金型に充填しやすいように、ヘンシェルミキサーやミキサー、ボールミル等で粉砕する。この溶融混合物の粉体は、金型への充填のし易さや成形性を考慮すると、平均粒径が500μm以下であるのが好ましい。
溶融混合物の粉体をそのまま燃料電池用セパレータ用の金型に充填し、熱硬化性樹脂が完全硬化する温度にてプレス成形して燃料電池用セパレータを得ることもできるが、一旦、溶融混合粉体を熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度でプレス成形にて仮成形してシート化し、作製したシート状仮成形体を燃料電池用セパレータ用金型に収容し、熱硬化性樹脂が完全硬化する温度にて本成形することが好ましい。
本発明の燃料電池用セパレータは、厚さ方向における熱膨張係数と水平方向における熱膨張係数との差が20×10−6・K−1以下と従来の燃料電池用セパレータに比べて格段に小さく、後述する実施例に示すように、反り量が2mm以下と寸法精度に優れ、更に曲げ強度が40MPa以上、曲げ弾性率が12GPa以下と機械的強度にも優れたものとなる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(サンプル作製)
膨張黒鉛、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、平均繊維径13μmで平均繊維長370μmの炭素繊維、平均粒径が約50μmの球径シリカおよび球状黒鉛を用い、表1に示す配合比でヘンシェルミキサーに投入し、室温で乾式混合した。得られた混合粉体を加圧ニーダーに投入し、100℃にて溶融混合した後、自然冷却して固化させた。次いで、固化物を粉砕して平均粒径100μmの溶融混合物粉体を得た。そして、溶融混合粉体を金型に充填して100℃でプレス成形して厚さ3mmのシート状仮成形品を作製し、次いで金型温度200℃、プレス圧100MPaで10分間本成形して厚さ2mmのシート状のサンプルを作製した(実施例1〜4及び比較例1)。
また、上記配合物を用い、表1に示す配合比でヘンシェルミキサーに投入し、室温で乾式混合した。そして、得られた混合粉体を金型に充填して常温でプレス成形してシート化し、それを金型温度200℃、プレス圧100MPaで10分間本成形して厚さ2mmのシート状のサンプルを作製した(比較例2〜4)。
(サンプルの物性の測定)
熱膨張係数は、得られたサンプルから5mm角、厚さ10mmの試験片を切り出し、試験片の厚さ方向及び水平方向について、理学製「MA8310」を用い、0.1Nの荷重をφ3mmのプローブにかけて1℃/minで昇温した時の28〜100℃における熱膨張率を測定した。
曲げ強度および曲げ弾性率は、得られたサンプルから幅20mm、長さ100mm、厚さ2mmの試験片を切り出し、島津製作所製「オートグラフAG−100kND」を用い、JIS K7171に準じて100℃雰囲気で測定した。
(燃料電池用セパレータの反りの測定)
上記サンプルの作製手順及び成形条件に従い、図1に示した形状の燃料電池用セパレータを作製した。尚、各部の形状及び寸法は、平板部が全長300mm、全横250mmであり、その一方の面に冷却水流路溝(幅2mm、深さ0.5mm)を60本、他方の面にガス流路溝(幅1mm、深さ0.5mm)を120本設け、最薄部である平板部の厚さを0.5mmとし、一方の面の隔壁の上端面から他方の面の隔壁の上端面まで(全厚)を1.5mmとした。
そして、三次元レーザー測定機(コムス製)を用い、燃料電池用セパレータを定板上に置き、表面を35点測定し、その最大値と最小値との差を反り量として求めた。
表1に、混合方法及び配合比とともに上記の各測定結果を示す。
表1より、本発明で規定する配合材料及び配合比を満足し、厚さ方向における熱膨張係数と水平方向における熱膨張係数との差が20×10−6・K−1以下であれば、反り量が2mm以下に抑えられ、更に曲げ強度が40MPa以上で、曲げ弾性率も12GPa以下と優れることがわかる。
(配合材料の分散性の検証)
実施例1及び比較例4で作製したサンプルについて、その断面を光学顕微鏡にて撮影した。図2に実施例1のサンプル、図3に比較例4のサンプルの光学顕微鏡写真を示すが、実施例1のサンプルでは微細な膨張黒鉛、炭素繊維及び球状シリカが均一に分散しているのに対し、比較例4のサンプルでは炭素繊維が当初の長繊維のままであり、更に膨張黒鉛及び球状シリカの分散性も悪いことがわかる。このような配合材料の分散性が熱膨張率差に反映し、更に反り量となって現われてくるといえる。
本発明および従来の燃料電池用セパレータの一例を示す概略図である。 実施例1で作製したサンプルの断面を撮影した光学顕微鏡写真である。 比較例4で作製したサンプルの断面を撮影した光学顕微鏡写真である。
符号の説明
5 燃料電池用セパレータ
6 平板部
7 隔壁
8 チャネル

Claims (3)

  1. A)膨張黒鉛20〜60質量%、熱硬化性樹脂粉末20〜40質量%、球状フィラー15〜30質量%及び炭素繊維5〜10質量%の割合で常温にて乾式混合して混合粉体を得る工程と、
    B)混合粉体を、熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度で溶融混合して溶融混合物を得る工程と、
    C)溶融混合物を自然冷却して固化させた後、得られた固化物を粉砕し、粒径500μm以下の溶融混合物からなる粉体を分級して得る工程と、
    D)溶融混合物からなる粉体を成形金型に充填し、熱硬化性樹脂が完全硬化しない温度でプレス成形にて仮成形してシート化する工程と、
    E)得られたシート状仮成形品を燃料電池用セパレータ用成形金型に収容し、熱硬化性樹脂が完全硬化する温度にて本成形する工程と、
    を備える製造方法により得られ、厚さ方向における熱膨張係数と厚さに垂直な方向における熱膨張係数との差が20×10−6・K−1以下、曲げ強度が40MPa以上、かつ曲げ弾性率が12GPa以下であることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 球状フィラーが球状シリカおよび球状黒鉛の一種類以上を含むことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 球状フィラーの平均粒径が、得られる燃料電池用セパレータの最薄部の厚さに対して75%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池用セパレータ。
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