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JP4662252B2 - 雲竜紙及びその製造方法 - Google Patents
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本発明は、湿式抄紙機により製造される雲竜紙及びその製造方法に関するものである。
雲竜紙は、セルロース繊維等により構成されるベース原料と、レーヨン繊維やこうぞ等の凝集繊維とを混合して、手抄もしくは機械抄により製造される模様紙である。
従来より、紙の外観上の優美性を高くするための方法として、レーヨン繊維やセルロース繊維等を凝集させる方法やその凝集物を付加する方法が提案されている。
特にレーヨン繊維は、雲竜紙の模様用原料として頻繁に使用されてきた。このレーヨン繊維は、合成繊維と比較して親水性に富み且つ抄紙適性が高く、また、N−BKP等の他のセルロース系パルプと比較して高い光沢性が得られる。
さらに、「オールペーパーガイド−紙の商品辞典」(紙業タイムス社、昭和58年12月1日発行)にも記載されているように、「さまざまな方向にくねる長い繊維の装飾」を得るには、コスト的にみても、現在では、レーヨン繊維は最適な繊維であると言える。
レーヨン繊維を凝集させたもの、あるいは、レーヨン繊維をその他の繊維と共に凝集させたものを配合した模様紙を開示する特許文献としては、下記のものを挙げることができる。
特公昭44−28844号公報には、繊度2.2〜5.6dtexで繊維長0.5〜30mmの捲縮アセテートレイヨンを、製紙用ビーター、あるいは、攪拌機で離解して形成させた模様を、セルロース繊維と混抄あるいは抄合わせして製造する模様紙が提案されている。
しかるに、この方法では凝集剤が添加されないために、撹拌時間、撹拌速度により模様の大きさが変化してしまい、得られる模様の大きさは不安定となるだけでなく、もつれによる球状模様が発生し、雲竜紙の模様として不適当なものとなる。
また、実公昭45−15608号公報には、繊度11dtex以下で繊維長1〜10mmのレイヨンステープルを攪拌することにより生ずる球状集合体を、他の紙料繊維と混抄する模様紙が提案されているが、この方法の場合も上記方法の場合と同様に、生成される模様は雲竜紙の模様としては適さないものとなる。
更に、特開2003−293285号公報においては、繊度0.8〜3dtexで繊維長3〜10mmのレーヨン繊維(水への分散濃度0.8重量%以上、絶乾重量)に対し、望ましくはアニオン系アクリル酸共重合タイプの凝集剤を単独で、1〜5%有効成分(対レーヨン繊維絶乾重量)を添加して生成させたレーヨン繊維の凝集物を、パルプスラリー100部に対し20部の割合で混抄し、その混抄紙と天然パルプ紙を抄き合わせたレーヨン混在紙が提案されている。
しかしこの方法では、目的とする模様を得ることができない。
前記特開2003−293285号公報のように、凝集剤を添加して生成した凝集物を模様紙に付加する他の先願例として、特開昭52−21408号公報がある。そこには、叩解度が300〜670mlのパルプに、カチオン性高分子物質を媒体として使用し、アニオン性エマルジョンを沈着せしめることにより、長さが1〜8mmおよび幅が0.1〜5mmである凝集物を混合抄紙する方法が提案されている。
しかし、このようなパルプの凝集物では、模様が小さく、レーヨン繊維を使用した場合のような光沢、模様の大きさの点で満足のいく雲竜紙は得られない。
以上のように、現状では、雲竜紙としての外観を損ねることなく、模様の大きさを一定のバラツキの範囲内で目的とする大きさに調節することを可能ならしめる雲竜紙の製造方法は提案されておらず、そのような製造方法の出現が切望されていた。
特公昭44−28844号公報 実公昭45−15608号公報 特開2003−293285号公報 特開昭52−21408号公報
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、雲竜紙の模様の大きさを調節することが可能で、さらには、模様として好ましくない、大きな塊状の模様の発生を抑制することが可能な雲竜紙及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の雲竜紙は、レーヨン繊維主体の模様を有する雲竜紙であって、前記模様は、繊度が1.7〜5.6dtexで繊維長が10〜30mmのレーヨン繊維を用い、前記レーヨン繊維に対してカチオン性凝集剤を固形分重量として対レーヨン繊維絶乾重量2.0〜7.0%添加すると共に、アニオン性凝集剤を固形分重量として対レーヨン繊維絶乾重量0.5〜4.7%添加し、前記両凝集剤の固形分重量添加比率がカチオン性凝集剤:アニオン性凝集剤=60〜80:40〜20の範囲となるように添加して凝集させたものであることを特徴とする。
前記模様用原料とセルロース系原料により構成されるベース原料とを、絶乾重量比で1:16〜4:13の割合で配合して抄造することができる。
上記請求項1に記載の雲竜紙を製造するための請求項に記載の雲竜紙の製造方法は、1.7〜5.6dtexの範囲の繊度と10〜30mmの範囲の繊維長をもつレーヨン繊維を、0.1〜0.5%(絶乾重量)の範囲の水分散濃度に調整し、そのレーヨンスラリーに対し、一定範囲のカチオン性凝集剤およびアニオン性凝集剤を添加して、前記レーヨン繊維の凝集物を生成し、そのレーヨンフロックを湿式抄紙機に連続的に一定量供給し、別のベース原料と混抄して抄造を行う雲竜紙の製造方法であって、前記カチオン性凝集剤の固形分重量添加量は、対レーヨン繊維絶乾重量2.0〜7.0%であり、前記アニオン性凝集剤の固形分重量添加量は、対レーヨン繊維絶乾重量0.5〜4.7%であることを特徴とする。
前記カチオン性凝集剤と前記アニオン性凝集剤の固形分重量添加比率は、カチオン性凝集剤:アニオン性凝集剤=60〜80:40〜20の範囲とし、また、前記模様用原料と前記ベース原料とを、絶乾重量比で1:16〜4:13の割合で配合して抄造する。
本発明によれば、雲竜紙の模様の大きさを、一定のバラツキの範囲で任意に調節することが可能となる。
以下に、本発明に係る雲竜紙及びその製造方法の好ましい実施の形態について説明する。本発明に係る雲竜紙は、レーヨン繊維主体の模様を有する雲竜紙であって、前記模様は、繊度が1.7〜5.6dtexで繊維長が10〜30mmのレーヨン繊維を用い、前記レーヨン繊維に対してカチオン性凝集剤を固形分重量として対レーヨン繊維絶乾重量2.0〜7.0%添加すると共に、アニオン性凝集剤を固形分重量として対レーヨン繊維絶乾重量0.5〜4.7%添加し、前記両凝集剤の固形分重量添加比率がカチオン性凝集剤:アニオン性凝集剤=60〜80:40〜20の範囲となるように添加して凝集させたものであることを特徴とするものであって、それは、1.7〜5.6dtexの範囲の繊度と10〜30mmの範囲の繊維長をもつレーヨン繊維を、0.1〜0.5%(絶乾重量)の範囲の水分散濃度に調整し、そのレーヨンスラリーに対し、一定範囲のカチオン性凝集剤およびアニオン性凝集剤を添加して、前記レーヨン繊維の凝集物を生成し、そのレーヨンフロックを湿式抄紙機に連続的に一定量供給し、別のベース原料と混抄して抄造を行う雲竜紙の製造方法であって、前記カチオン性凝集剤の固形分重量添加量は、対レーヨン繊維絶乾重量2.0〜7.0%であり、前記アニオン性凝集剤の固形分重量添加量は、対レーヨン繊維絶乾重量0.5〜4.7%であることを特徴とする方法によって製造することができる。

次にその製造方法の詳細を工程別に説明する。
次にその製造方法の詳細を工程別に説明する。
(1)繊度1.7〜5.6dtexで繊維長10〜30mmのレーヨン繊維を用意し、こ
れを繊維離解機において、水分散濃度0.1〜0.5%(絶乾重量)に調整する。
(2)そのように調整したレーヨンスラリーに対しカチオン性凝集剤を固形分重量として
2.0〜7.0%、より好ましくは4.0〜6.0%(対レーヨン繊維絶乾重量)、
および、アニオン性凝集剤を固形分重量として0.5〜4.7%、より好ましくは
1.9〜2.9%(対レーヨン繊維絶乾重量)添加して凝集させ、レーヨンフロック
を得る。
(3)そのレーヨンフロックを円網バットに連続的に一定量供給して、セルロース系パル
プ原料であるベース原料と混抄して抄造を行う。レーヨンフロックとベース原料の
割合は1:16〜4:13(絶乾重量比)になるように、レーヨンフロックを湿式抄
紙機に連続的に一定量供給する。
なお、凝集処理を行うレーヨン繊維の繊度と繊維長が上記範囲内にあれば、2種類
以上のレーヨン繊維を使用することも可能である。
上記工程を経ることにより、紙のマシン流れ方向に従って順番に測定した最大幅0.5mm以上の模様500個の最大幅の平均値が1.0mm〜2.0mmで、同じく長さの平均値が40mm〜60mmの範囲にあるレーヨン繊維主体の模様を有する雲竜紙が得られる。
前記レーヨン繊維の繊維長を10mm未満とすると、模様の長さが短くなり、また、繊維長を30mmよりも長くすると、過度の繊維のもつれを生じ、外観上好ましくない大きな塊が発生してしまう。
レーヨン繊維の繊度については、1.7dtex未満とすると、繊維の剛性が低くなるため、模様の過度の屈曲が起こって外観を損ね、5.6dtexよりも太くすると、剛性が高くなりすぎ、不規則なくねりを持つ模様が得られず、雲竜紙の模様としては適さないものとなる。
前記離解機中のレーヨン繊維の水分散濃度を0.1%未満(絶乾重量)にすると、濃度が薄すぎて、レーヨン繊維同士の絡み合いが不十分となり、所望の大きさの模様が得られない。また、前記離解機中のレーヨン繊維の水分散濃度を0.5%(絶乾重量)より高くすると、濃度が濃すぎて過度のもつれが生じ、外観上好ましくない大きな塊が発生してしまう。
カチオン性、アニオン性凝集剤の添加比率は、固形分重量比でカチオン性凝集剤:アニオン性凝集剤=60〜80:40〜20の範囲とする必要があり、この範囲を逸脱した場合は、添加されたどちらかの凝集剤が余剰となり、コスト的に不利となるばかりでなく、凝集剤自体が凝集を起こすなど、抄造上のトラブルを引き起こす可能性が高い。
上記添加比率において、カチオン性凝集剤の固形分添加率を2.0%(対レーヨン繊維絶乾重量)より低くすると模様の凝集性が足りず、所望の大きさの模様を得ることができなくなる。また、固形分添加率を7.0%(対レーヨン繊維絶乾重量)より高くすると、過度の凝集が発生し、外観上好ましくない大きな塊が発生してしまう。
従って、本発明におけるアニオン性凝集剤の固形分添加率は、0.5〜4.7%(対レーヨン繊維絶乾重量)ということになる。
カチオン性凝集剤としては、特に限定されないが、カチオン性ポリアクリルアミド系樹脂、カチオン性スチレン系樹脂等が使用される。また、アニオン性凝集剤としては、特に限定されないが、アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂等が使用される。
レーヨンフロックとベース原料の配合割合を1:16(絶乾重量比)より小さくすると、模様が少なくなり過ぎるので、好ましくない。一方、レーヨンフロックとベース原料の配合割合を4:13(絶乾重量比)より大きくすると、模様が多過ぎて抄造時に模様同士のもつれが生じるようになるので、やはり好ましくない。
前記模様の大きさは、紙のマシン流れ方向に従って順番に測定した最大幅0.5mm以上の模様500個の最大幅の平均値が1.0〜2.0mmで、同じく長さの平均値が40〜60mmの範囲において調節することが可能となる。
本発明を下記の実施例と比較例により、具体的に説明するが、それは、本発明をこれらに限定する趣旨のものではないことは言うまでもない。
[実施例1]
離解機にダイワボウレーヨン(株)製レーヨン繊維(3.3dtex、繊維長20mm及び25mm、配合比率20mm:25mm=65:35)を投入し、循環離解および注水しながらレーヨン繊維の水分散濃度を0.2%に調整した。次に、循環している前記レーヨン繊維スラリーにカチオン性スチレン系樹脂(明成化学(株)製「セラフィクスST」)を固形分として5.0%(対レーヨン繊維絶乾重量)添加し、更に、アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂(明成化学(株)製「ファイレックスM」)を固形分として2.4%(対レーヨン繊維絶乾重量)添加し、数分間撹拌後、離解機を停止し、レーヨンフロックを形成させ、そのレーヨンフロックのスラリーを別の原料チェストに移送した。
次に、ベース原料として、セルロース系原料スラリー(N−BKP70%、レーヨン繊維3.3dtex×5mm 25%、PVAバインダー繊維5%、それぞれ絶乾重量比)に対して、上記レーヨンフロックスラリーを、絶乾重量比率で15:2になるように、湿式円網抄紙機のバットに上記原料チェストから連続的に一定量供給して混抄を行い、17g/mの雲竜紙を得た。
[実施例2]
前記カチオン性スチレン系樹脂の固形分添加率を6.0%(対レーヨン繊維絶乾重量、以下同じ)、および、前記アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂の固形分添加率を2.8%とした以外は実施例1と同様にして抄造を実施した。
[実施例3]
前記カチオン性スチレン系樹脂の固形分添加率を4.0%、および、前記アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂の固形分添加率を2.0%とした以外は実施例1と同様にして抄造を実施した。
[実施例4]
模様用レーヨン繊維の配合比率を20mm:25mm=100:0とした以外は、実施例1と同様にして抄造を実施した。
[実施例5]
前記カチオン性スチレン系樹脂の固形分添加率を2.0%、および、前記アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂の固形分添加率を0.7%とした以外は実施例4と同様にして抄造を実施した。
[比較例1]
模様用レーヨン繊維の配合比率を20mm:25mm=100:0とし、凝集剤を不使用とした以外は実施例1と同様にして抄造を実施した。
[比較例2]
前記カチオン性スチレン系樹脂の固形分添加率を8.0%、および、前記アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂の固形分添加率を3.8%とした以外は、実施例1と同様にして抄造を実施した。
[比較例3]
前記カチオン性スチレン系樹脂の固形分添加率を1.0%、および、前記アニオン性ポリアクリルアミド系樹脂の固形分添加率を0.5%とした以外は、実施例1と同様にして抄造を実施した。
最大幅の測定法…最大幅0.5mm以上の模様500個の最大幅を集計し、その平均値より求めた。
長さの測定法…上記500個の模様の長さを集計し、その平均値を求めた。
繊維塊の個数…雲竜紙の流れ方向1000mを観察し、繊維のもつれにより発生した、雲竜紙として好ましくない繊維塊の個数をカウントした。
Figure 0004662252
表中、模様の最大幅(太さ)と長さの評価を次のように総合評価した。
◎…最良、○…良、△…○と×の中間、×…不十分
実施例1〜5においては、外観上好ましくない繊維塊の発生を抑制しつつ、本発明が意図する範囲で、模様の大きさを調節することができた。
比較例1は、模様の太さ、長さとも不十分と判定された。
比較例2は、凝集が強すぎ、外観上好ましくない繊維塊が多数発生した。
比較例3は、凝集が弱すぎ、模様の太さが不十分と判定された。
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。

Claims (5)

  1. レーヨン繊維主体の模様を有する雲竜紙であって、前記模様は、繊度が1.7〜5.6dtexで繊維長が10〜30mmのレーヨン繊維を用い、前記レーヨン繊維に対してカチオン性凝集剤を固形分重量として対レーヨン繊維絶乾重量2.0〜7.0%添加すると共に、アニオン性凝集剤を固形分重量として対レーヨン繊維絶乾重量0.5〜4.7%添加し、前記両凝集剤の固形分重量添加比率がカチオン性凝集剤:アニオン性凝集剤=60〜80:40〜20の範囲となるように添加して凝集させたものであることを特徴とする雲竜紙。
  2. 前記模様用原料とセルロース系原料により構成されるベース原料とを、絶乾重量比で1:16〜4:13の割合で配合して抄造した、請求項1に記載の雲竜紙。
  3. 1.7〜5.6dtexの範囲の繊度と10〜30mmの範囲の繊維長をもつレーヨン繊維を、0.1〜0.5%(絶乾重量)の範囲の水分散濃度に調整し、そのレーヨンスラリーに対し、一定範囲のカチオン性凝集剤およびアニオン性凝集剤を添加して、前記レーヨン繊維の凝集物を生成し、そのレーヨンフロックを湿式抄紙機に連続的に一定量供給し、別のベース原料と混抄して抄造を行う雲竜紙の製造方法であって、
    前記カチオン性凝集剤の固形分重量添加量は、対レーヨン繊維絶乾重量2.0〜7.0%であり、前記アニオン性凝集剤の固形分重量添加量は、対レーヨン繊維絶乾重量0.5〜4.7%であることを特徴とする雲竜紙の製造方法。
  4. 前記カチオン性凝集剤と前記アニオン性凝集剤の固形分重量添加比率は、カチオン性凝集剤:アニオン性凝集剤=60〜80:40〜20の範囲である、請求項3に記載の雲竜紙の製造方法。
  5. 前記模様用原料と前記ベース原料とを、絶乾重量比で1:16〜4:13の割合で配合して抄造することを特徴とする、請求項3に記載の雲竜紙の製造方法。
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