以下、本発明に係る操作パネルの好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳述する。以下の実施の形態では、本発明に係る操作パネルを携帯電話の操作パネルとした例で説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る操作パネル1の正面図である。また、図2は、図1に示す操作パネル1を3つのパーツに分解した状態を示す図である。以後、図1に示す操作パネル1の左、右、上および下の4方向を、それぞれ左、右、上および下と称し、図1の紙面に対して表および裏の2方向を、それぞれ表および裏と称する。なお、図2では、一部のパーツに黒塗りの部分が示されている。かかる部分は、紙面に対して裏側に貫通する部分であることをわかりやすくするために示した部分であり、黒色の部分ではない。
図1および図2に示すように、操作パネル1は、ポリカーボネート製の操作シート2と、シリコーンゴム製のゴム状弾性シート3と、ポリカーボネート製の円形キー10とから主に構成されている。操作シート2は、0.2〜1.0mmの厚さを有する略長方形の板である。円形キー10は、操作シート2と同じ厚さを有している。操作シート2および円形キー10の厚さは、薄すぎると、操作時に強く押した際に押跡が残りやすくなり、好ましくない。一方、厚すぎると、押圧感が悪く、操作しにくくなる。特に、この実施の形態に係る操作パネル1では、各操作キーが完全に分離していないので、極端に厚い操作シート2および円形キー10を採用しない方が好ましい。円形キー10は、操作シート2に形成された一部の穴の内部に配置される円形の板である。また、ゴム状弾性シート3は、操作シート2よりも縦および横の長さが大きい略長方形の薄いシートである。ゴム状弾性シート3の好適な厚さは、約0.2〜0.8mmである。また、ゴム状弾性シート3の裏面には、操作シート2および円形キー10の押圧を通じて裏側のスイッチを操作可能なように、裏側に突出した押圧子(不図示)を有している。操作シート2および円形キー10は、共に、ゴム状弾性シート3の片面に接着され、図1に示す操作パネル1として一体化されている。
図2に示すように、操作シート2には、操作シート2を貫通する円形の穴10aと、操作シート2を貫通し、円形の穴10aの左右両側に配置される折曲形状を持つスリット状の穴11aおよびスリット状の穴12aと、円形の穴10aの下側にあって、操作シート2を貫通し、上下方向に並んで配置される4本の湾曲したスリット状の穴13a,14a,15a,16aとが設けられている。スリット状の穴13a,14a,15a,16aは、操作キーの周囲に形成される切込みである。また、円形の穴10aは、円形キー10よりも少し直径の大きな穴である。
ゴム状弾性シート3における操作シート2との接着面には、その接着面に対して表方向に突出する環状の突出部9と、その突出部9の左右両側に配置される折曲形状を持つ線状の突出部11および突出部12と、環状の突出部9の下側にあって上下方向に並んで配置される4本の湾曲した線状の突出部13,14,15,16とが設けられている。環状の突出部9の外径は、円形の穴10aの内径とほぼ同じ大きさである。また、環状の突出部9の内径は、円形キー10の外径とほぼ同じ大きさである。さらに、線状の突出部11,12,13,14,15および16は、それぞれ、スリット状の穴11a、12a、13a、14a、15aおよび16aとほぼ同形状でかつほぼ同じ大きさである。環状の突出部9、線状の突出部11,12,13,14,15,16は、操作シート2と円形キー10の裏側にゴム状弾性シート3を接着する工程で形成された部分であり、接着部には存在していなかった部分である。ただし、予め、上記突出部9,11,12,13,14,15,16の一部若しくは全部を形成しておいても良い。
操作シート2の上縁をゴム状弾性シート3の上縁に合わせて操作シート2とゴム状弾性シート3とを一体化した状態では、環状の突出部9は、円形の穴10aからその内縁に沿って操作シート2の表側の面からわずかに突出している。また、同様の状態において、各線状の突出部11,12,13,14,15および16は、スリット状の穴11a,12a,13a,14a,15aおよび16aから操作シート2の表側の面へとそれぞれ突出している。このような突出した形態を容易に実現できるのは、操作シート2と円形キー10とをゴム状弾性シート3上に配置し、適切な熱と圧力をかけてゴム状弾性シート3を操作シート2の方向に押しつけながら接着するという方法により、操作パネル1を製造したためである。かかる製造方法については、後で詳述する。
図2に示すように、操作シート2におけるスリット状の穴11aおよび12aの各上方には、表側に突出する点状の突出部20および21が配置されている。また、操作シート2における円形の穴10aの上方であって、かつスリット状の穴11aとスリット状の穴12aとの間には、表側の突出する横長の突出部36が配置されている。また、操作シート2における円形の穴10aの左右両側であって、かつスリット状の穴13aの上方には、それぞれ、表側に突出する電話模様の突出部22および23が配置されている。
操作シート2における円形の穴10aとスリット状の穴13aとの間であって、スリット状の穴13aの長さ方向ほぼ中間位置には、表側に突出する「2」の形状を有する突出部25が配置されている。操作シート2におけるスリット状の穴13aとスリット状の穴14aとの間には、操作シート2の左側から順に、それぞれ表側に突出する「1」の形状を有する突出部24、「5」の形状を有する突出部28および「3」の形状を有する突出部26が配置されている。また、操作シート2におけるスリット状の穴14aとスリット状の穴15aとの間には、操作シート2の左側から順に、それぞれ表側に突出する「4」の形状を有する突出部27、「8」の形状を有する突出部31および「6」の形状を有する突出部29が配置されている。
さらに、操作シート2におけるスリット状の穴15aとスリット状の穴16aとの間には、操作シート2の左側から順に、それぞれ表側に突出する「7」の形状を有する突出部30、「0」の形状を有する突出部34および「9」の形状を有する突出部32が配置されている。また、操作シート2におけるスリット状の穴16aの下方であって、突出部30および突出部32と縦方向に揃う位置には、それぞれ表側に突出する、「*」の形状を有する突出部33および「#」の形状を有する突出部35が配置されている。突出部24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35を形成している各領域は、円形キー10と同様、使用者が操作する操作キーの領域である。
スリット状の穴13a,14a,15a,16aは、共に、図2において操作シート2の中央部分で、下方にへこむ湾曲形状を有しており、突出部24、25および26は、操作シート2の横方向にほぼ一直線に並ぶように配置されている。同様に、突出部27、28および29の一群の突出部、突出部30、31および32の一群の突出部、突出部33、34および35の一群の突出部は、操作シート2の横方向にほぼ一直線に並ぶように、それぞれ配置されている。突出部24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35を形成している各領域は、完全に独立した操作キーではなく、当該領域の周囲の一部がスリット状の穴13a等に沿って配置される、いわゆる一部分離型の操作キーである。しかし、スリット状の穴13a等の存在によって、当該各操作キーは操作シート2の裏側へと撓むことができる。したがって、各操作キーは、操作シート2の表側からの押圧によって、ゴム状弾性体3の下方に配置されるスイッチ(例えば、タクトスイッチ)を押すことができる。
点状の突出部20,21、横長の突出部36および各突出部24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35は、操作シート2の持つ無色透明を残す領域である。また、電話模様の突出部22,23は、有色透明の領域である。電話模様の突出部22,23は、操作シート2の裏面から着色されている。また、この実施の形態では、電話模様の突出部22を緑色に、電話模様の突出部23を赤色にしているが、かかる色に限定されるものではない。上述の無色透明および有色透明の部分以外の操作シート2の領域は、操作シート2の裏面から、不透明となるように着色されている。この実施の形態では、当該不透明な着色は、銅系の金属光沢を模すため、ワインレッドの着色としているが、かかる色に限定されるものではない。さらに、この実施の形態において、操作シート2への着色は、操作シート2へのタッチを繰り返すことにより色が薄くなることを防止する観点から、操作シート2の裏面から行われている。しかし、このような必要性が低い場合には、操作シート2の表面から着色するようにしても良い。また、操作シート2の表裏両面から着色しても良い。かかる着色によって、立体効果を奏するようにもできる。
また、円形キー10は、図2に示すように、内部の小円10bと、その小円10bの周辺であって互いに直角をなす4方向に配置される三角形の模様10cとを有している。小円10bの線と4つの三角形の模様10cは、無色透明である。また、小円10bを含む小円10bより少し大きめの領域は、不透明な金属光沢色である。さらに、当該金属光沢色より外側の領域は、不透明なつや消しの金属色である。
ゴム状弾性シート3は、前述のように、シリコーンゴム製の、白濁した半透明のシートである。このため、ゴム状弾性シート3の裏側から光を照射すると、その光は、操作シート2上の透明な領域および操作シート2に形成された穴のあいた部分から表側へと透過する。このため、暗い場所で操作する場合でも、キー操作がしやすくなると共に、操作シート2上の点灯表示が視認しやすくなる。
図3は、図1に示す操作パネル1をA−A線で切ったときの断面を示す図である。なお、図3では、構造を理解しやすくするため、断面表示特有のハッチング(斜線)を一部の領域にしか設けていない。
図3に示すように、操作パネル1の裏側に貼り付けられたゴム状弾性シート3の一部は、操作パネル1のスリット状の穴16aから、線状の突出部16として突出している。また、突出部34は、操作シート2の表側の面から突出している。図1および図2に示されている突出部24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,35および線状の突出部11,12,13,14,15も同様に、図3に示すように突出している。操作シート2の表側の面からの突出高さは約0.05〜0.3mmである。このような突出部24等を形成すると、操作シート2が実質的に平板であっても、使用者は、各操作キーの場所を認識しやすくなる。
図4は、図3に示す突出部34の近傍の拡大図である。図4において、断面特有のハッチング(斜線)を省略している。
この実施の形態では、突出部34は、操作シート2の表面に雌型の金型を、また裏面に雄型の金型を配置して、操作シート2を両金型で挟むようにして形成される。このため、突出部34の裏側は、突出の形状に合致した形状で、操作シート2の裏面からへこんでいる。そのへこんだ部分(「凹部」という。)34bは、ゴム状弾性シート3の貼り付けによって、ゴム状弾性シート3が充填された充填領域37となっている。ただし、ゴム状弾性シート3を操作シート2に貼り付ける際の熱および圧力の程度、凹部34bの大きさ等によっては、凹部34bは空間37となっていても良い。さらには、凹部34bに蛍光インク、蛍光顔料、蓄光材等の第三の物質37を充填しても良い。
図5は、操作シート2の表側の面に形成される凹凸模様40を強調して示す図である。また、図6は、図5に示す操作シート2をB−B線で切ったときの断面を、凹凸模様40を強調するように示す図である。図6において、断面特有のハッチング(斜線)の表示を省略する。
操作シート2の表側の面には、図5および図6に示すような凹凸模様40が形成されている。この実施の形態では、凹凸模様40は、断面がV字型の溝を同心円状に形成した模様である。溝は、好適には、ピッチ幅0.1〜0.4mmの範囲内の所定距離で規則的に形成されている。また、溝の好適な深さは、3〜50μmの範囲内の所定深さである。溝のピッチ幅および深さを、かかる範囲内で設定すると、操作シート2を樹脂で形成しているにもかかわらず、金属の加工痕のような模様をより効果的に形成することができる。したがって、操作パネル1をより高級感あふれる形態にすることができる。この実施の形態では、溝のピッチ幅を約0.2mm、溝の深さを約30μmとしている。ただし、溝のピッチ幅および深さを、上記数値の範囲外に設定することもできる。
また、溝の断面形状をV字型ではなく、底部および頂部を丸めた、いわゆる波形にしても良い。さらに、頂部を平らにした形の凹凸模様40を採用しても良い。また、溝を同心円状に形成するのではなく、渦巻き状に形成しても良い。このような凹凸模様40を形成することによって、操作シート2上に光があたった際に、同心円あるいは渦巻きの中心から放射状に光が伸びるように見える。また、直線方向にランダムにひっかき傷のようにするヘアライン状の溝を形成しても良い。かかる場合には、操作シート2上に光があたった際に、光がストライプ状に見える。このような形状の凹凸模様40を施すと、より金属調の美感を創出することができる。
その他、金属調の別の形態として、鋳物調あるいは鍛造調の美感を創出するようにしても良い。そのために、凹凸模様40を、表面粗さを粗くしランダムな凹凸形状の溝としたり、ハンマーで叩いたような凹凸形状とすると良い。また、低反射、ノングレア効果を狙う場合には、光の反射率を下げ、表面粗さでRaを0.1〜5μm程度のシボ加工を施すと良い。なお、凹凸模様40は、操作シート2の表側の面以外に、裏側の面あるいは表裏両側の面に形成しても良い。
次に、本発明の実施の形態に係る操作パネル1の製造方法について、図7〜図12に基づいて説明する。
図7は、操作パネル1の主な製造工程の流れを示すフローチャートである。
まず、操作シート2および円形キー10の材料となる樹脂シートに、印刷を行う(ステップS101:印刷工程)。この印刷は、操作面を表側の面とすると、裏側の面に行う。樹脂シートとしては、ハードコート、防汚、低反射、帯電防止などの処理が施されているのが好ましい。また、複数の板から構成される樹脂シートを採用しても良い。次に、表側の面に溝加工を行う(ステップS102:溝加工工程)。次に、樹脂シートの操作シート2内の所定箇所に、各種の突出部20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36の形成を行う(ステップS103:突出部形成工程)。次に、樹脂シートの操作シート2内の所定箇所に、各種の穴11a,12a,13a,14a,15a,16aを形成する(ステップS104:穴形成工程)。次に、樹脂シートから操作シート2および円形キー10を切り出す(ステップS105:切り出し工程)。なお、この切り出し工程によって、円形の穴10aが形成される。最後に、切り出された操作シート2と円形キー10を、ゴム状弾性シート3に貼り付け一体化することによって、操作パネル1を完成する(ステップS106:一体化工程)。
ただし、上記の各工程の順番は、図7に示すフローチャートに限定されず、適宜変更することができる。例えば、樹脂シートへの溝加工工程(ステップS102)を先に行い、次に、溝を形成した面と反対の面に印刷する印刷工程(ステップS101)を行い、次に、図7に示すステップS103、ステップS104、ステップS105、ステップS106の順に工程をすすめても良い(別の製造方法1)。また、図7に示すステップS102に続いて、穴形成工程(ステップS104)を行い、次に、突出部の形成(ステップS103)を行い、その後、図7に示すステップS105、ステップS106の順に工程をすすめても良い(別の製造方法2)。また、別の製造方法2において、ステップS101とステップS102を入れ替えて、溝加工工程の次に印刷工程を行うようにしても良い(別の製造方法3)。また、図7に示すステップS101、ステップS102に続いて、切り出し工程(ステップS105)を行い、その次に、ステップS103、ステップS104、ステップS106の順に工程をすすめても良い(別の製造方法4)。また、別の製造方法4において、切り出し工程(ステップS105)の次に、ステップS104、ステップS103、ステップS106の順に工程をすすめても良い(別の製造方法5)。なお、上記別の製造工程1〜5は、一例に過ぎず、この他にも、図7に示すステップS101〜ステップS105の各工程の順番を適宜変更することが可能である。
次に、図7に示すフローチャートに基づいて、各工程の内容を詳述する。
(1) 印刷工程(ステップS101)
図8は、樹脂シート50に操作シート2の形態に合わせて、樹脂シート50における図8の紙面裏側から印刷を行った状態を示す図である。
先に示した操作シート2における点状の突出部20,21、横長の突出部36および各操作キーの領域内の突出部24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35の部分は、印刷部分51内にあって、印刷をほどこさずに透明な樹脂シート50を残した領域となっている。同様に、円形キー10内の小円10bの線と4つの三角形の模様10cも、印刷を施さずに、透明な樹脂シート50を残した領域となっている。一方、電話模様の突出部22および23は、それぞれ緑色および赤色のインクを薄く付けるように印刷され、有色透明の状態となっている。なお、突出部24等の部分の裏側に、蛍光インク、蛍光塗料、あるいは蓄光材を付けても良い。
印刷工程(ステップS101)では、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、パッド印刷、デジタル印刷等の各種印刷方法を使用することができる。また、金属光沢調の印刷を行いたい場合には、メッキ、蒸着、ホットスタンプ、塗装、スパッタリング、イオンプレーティング等の技術を用いて金属若しくは金属調の薄膜を形成しても良い。
(2)溝加工工程(ステップS102)
図9は、樹脂シート50に凹凸模様40を施す溝加工を行った状態を示す図である。
この凹凸模様40は、樹脂シート50の表側の面に形成される。凹凸模様40の形成方法の一例は、次の通りである。凹凸模様40を反転させた凹凸の面を有する金型を用意し、樹脂シート50に対して、所定の熱と圧力をかけて、樹脂シート50の表側の面から押しつける。温度は、樹脂シート50の熱変形温度よりも高く、その溶融温度よりも低い温度が好ましい。また、圧力は、溝の形状、加工面積、加工温度によって異なるが、約50kgf/cm2が好ましい。当該熱と圧力は、通常、金型側に付与される。しかし、樹脂シート50側に付与、あるいは金型と樹脂シート50の両方に付与しても良い。雄雌一組の金型を用いていないため、樹脂シート50における押しつけ面と反対側の面は平らの状態である。
金型の一面に形成された凹凸は、V字型で同心円状に形成されている。金型に形成された溝の深さは約0.1mm、ピッチ間は0.2mmである。ただし、溝の形態は、これに限定されない。このような凹凸を持つ面を樹脂シート50に押しつけると、樹脂シート50に、深さ約30μm、ピッチ間約0.2mmの凹凸模様40が形成される。樹脂シート50に形成される凹凸模様40における溝の深さは、金型に形成された凹凸の寸法の他、押圧条件(圧力と熱)に左右される。過度の圧力または熱をかけて金型を樹脂シート50に押しつけると、樹脂シート50の押しつけた場所の周囲が盛りあがったり、あるいは樹脂シート50が反ったりする危険性がある。したがって、過度の条件下で押しつけない方が好ましい。
(3)突出部形成工程(ステップS103)
図10は、樹脂シート50の印刷領域内の所定箇所に、各種の突出部20等を形成する状況を示す図である。
図10に示すように、樹脂シート50の裏側から、各種の突出部20等の形状に合致する凸部60aを有する雄型の金型を所定の圧力と熱をかけて押しつける。この際、樹脂シート50の表側に、当該凸部60aに合致する凹部61aを持つ雌型の金型を配置しておくと、樹脂シート50への各種の突出部20等の形成が容易になる。ただし、雌型の金型は必須の部材ではなく、雄型の金型のみを押しつけて各種の突出部20等を樹脂シート50に形成することも可能である。
このようにして形成された各種の突出部20等の裏側に、蛍光インクあるいは蓄光インク等の機能性インクを充填する工程を、ステップS103に続いて行うようにしても良い。
(4)穴形成工程(ステップS104)
図11は、樹脂シート50の印刷領域内の所定箇所に、各スリット状の穴11a,12a,13a,14a,15a,16aを形成した状態を示す図である。図11において、各スリット状の穴11a,12a,13a,14a,15a,16aは太い黒塗り線で示される。
ステップS103に続いて、樹脂シート50の印刷領域内に、各種スリット状の穴11a,12a,13a,14a,15a,16aが形成される。スリット状の穴11a等の形成は、切削加工、プレスによる打ち抜き、カッター切断、レーザ加工、フォトエッチング等の各種方法にて行うことができる。スリット状の穴11a等の幅を限りなくゼロに近づける必要がある場合には、カッター切断を採用するのが好ましいが、この実施の形態では、0.05〜2mm程度の幅のスリット状の穴11a等を形成する必要から、切削加工若しくはレーザ加工を採用している。
(5)切り出し工程(ステップS105)
ステップS104に続いて、樹脂シート50から操作シート2とおよび円形キー10の切り出しが行われる。切り出しは、ステップS104とほぼ同様の方法で行われる。すなわち、切削加工、プレスによる打ち抜き、カッター切断、レーザ加工、フォトエッチング等の各種方法にて切り出しを行うことができる。この切り出し工程では、樹脂シート50から操作シート2を切り出すと共に、操作シート2の領域内から円形キー10をも切り出す。ただし、操作シート2と円形キー10とを、樹脂シート50内の全く別の箇所から切り出すことも可能である。かかる場合には、ステップS101において、円形キー10の印刷は、操作シート2の印刷と別の場所に行われる。
(6)一体化工程(ステップS106)
図12は、ゴム状弾性シート3に、操作シート2と円形キー10とを貼り付けて、これらを一体化し、操作パネル1とする状況を示す図である。この図において、操作シート2内の各種の穴は太い黒塗りの線で示されている。
ゴム状弾性シート3は、樹脂シート50に施された上述の加工とは別個に形成される。ゴム状弾性シート3への操作シート2と円形キー10の貼り付けは、所定の熱と圧力をかけて行われる。かかる貼り付けの際の熱と圧力によって、操作シート2の各種の穴には、押し込まれたゴム状弾性シート3の一部が入り込み、操作シート2の表側の面から突出した状態となる。なお、ゴム状弾性シート3と、操作シート2および円形キー10との間に、予め接着材層を設ける、いわゆるプライマー処理を施しておくと、接着力はより強くなる。
次に、本発明の実施の形態に係る操作パネル1の別の製造方法について、図13に基づいて説明する。
図13は、先に説明した操作パネル1の製造方法と別の製造方法の流れを示すフローチャートである。
まず、操作シート2および円形キー10を含む一体型シートを射出成形によって得る(ステップS201:成形工程)。この成形工程では、射出成形用の金型に溶融樹脂を入れて、将来の操作シート2に形成される凹凸模様40および突出部20等を同時に形成する。次に、射出成形によって得られた一体型シートに印刷を行う(ステップS202:印刷工程)。使用者の操作により印刷が薄くならないように、操作面側と反対の面に印刷する方が好ましいが、操作面側に印刷しても良い。次に、一体型シートにおける操作シート2内の所定箇所に、各スリット状の穴11a等を形成する(ステップS203:穴形成工程)。次に、一体型シートから操作シート2と円形キー10とを切り出す(ステップS204:切り出し工程)。最後に、切り出された操作シート2と円形キー10を、ゴム状弾性シート3に貼り付けて、これらを一体化することによって、操作パネル1を完成する(ステップS205:一体化工程)。
ただし、上記の各工程の順番は、図13に示すフローチャートに限定されず、適宜変更することができる。例えば、ステップS202〜ステップS204の各工程を任意に入れ替えても良い。また、図13に示すステップS201において、凹凸模様40と突出部20等の形成を同時に行っているが、ステップS201では凹凸模様40の形成を行い、その後、突出部20等の形成を別途行うようにしても良い。また、ステップS201では突出部20等の形成を行い、その後、凹凸模様40の形成を別途行うようにしても良い。また、操作シート2および円形キー10とゴム状弾性シート3との一体化は、ゴム成形用の金型に操作シート2および円形キー10を配置して、ゴム状弾性シート3の成形時に同時に行うようにしても良い。
次に、操作シート2に形成されるスリット状の穴の変形例について、図14および図15に基づいて説明する。
図14は、操作キー間のスリット状の穴を、操作シート2の縦方向(上下方向)に並ぶように形成した変形例を示す図である。また、図15は、操作キー毎に独立して、1または複数のスリット状の穴を形成した変形例を示す図である((A)は操作シート2の平面図であり、(B)は操作シート2内の1つの操作キーを抜き出して示した拡大図である。)。
図14に示す変形例のように、操作キーの間に形成されるスリット状の穴70,71,72を、それぞれ、縦方向に並ぶ操作キーの群を縫うように形成することもできる。このようなスリット状の穴70,71,72を形成すると、各操作キーの一辺を支点として裏面への押圧が可能となる。例えば、「1」の操作キーについては、やや右寄りの部分を押圧することで、当該操作キーを裏側に撓ませ、スイッチへの押圧を実行することができる。また、「4」の操作キーについては、やや左寄りの部分を押圧することで、当該操作キーを裏側に撓ませ、スイッチへの押圧を実行することができる。このように、各操作キーの左右いずれかに寄った部分を押圧することで、スイッチを押圧することが可能となる。なお、操作シート2の厚さが薄い場合あるいは操作シート2の材質が可撓性に富むものとした場合には、各操作キーの支点近傍を押圧しても操作に支障がないようにすることもできる。
また、図15に示す変形例のように、操作キー毎に独立して、スリット状の穴81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92を形成することもできる。スリット状の穴81,86,88は、各操作キーの周囲に沿って連続して形成される穴である。一方、スリット状の穴82,83,84,85,87,89,90,91,92は、各操作キーの周囲に沿って分離して形成される2本の穴から構成されている。ただし、スリット状の穴82,83,84,85,87,89,90,91,92は、3本以上の穴から構成されていても良い。このように、各操作キーの周囲に、スリット状の穴81等を形成することによって、各操作キーの周囲においてスリット状の穴81等が形成されていない部分を支点として裏側に各操作キーを押圧することができる。
図15(B)には、「1」と表示された操作キー(突出部24を表側の面に形成した操作キー)93を拡大して示している。スリット状の穴(図中、斜線で示す部分)81は、当該操作キー93の上辺以外の3辺に形成されている。スリット状の穴81は、操作キー93の全周94の長さの約65%の長さである。スリット状の穴81の長さが、全周94の長さの50%以上となると、キー操作が行いやすくなる。スリット状の穴81以外の連続した一本のスリット状の穴86,88についても同様であり、操作キーの全周長に対して、穴の長さが50%以上となると、キー操作が行いやすくなる。さらに、複数の穴から構成されるスリット状の穴82,83,84,85,87,89,90,91,92についても、それらの穴の長さの合計が操作キーの全周長に対して50%以上の場合にキー操作が行いやすくなる。ここで、キー操作が行いやすくなる指標には、操作に必要な押圧荷重が低いこと、クリック感が良いこと、スイッチの改変動作が安定していること等が挙げられる。
次に、図15に示す変形例において、各操作キーの全周に対するスリット状の穴81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92の各長さの割合(%)とキー操作の良好性との関係を調べた実験結果について説明する。
比較には、図15に示す操作パネル1において、スリット状の穴81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92の形状を維持しながら各長さのみを短くした操作パネル1を用いた。比較に用いた操作パネル1においても、各操作キーの周囲に形成されたスリット状の穴に対しては、図15に示す操作パネル1上のスリット状の穴81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92とそれぞれ同じ符号で示すものとする。
表1に、実施例および比較例の各条件と評価結果を示す。表1中の「1」〜「9」は、図15(A)における「1」〜「9」の各操作キーを意味する。また、表1中の「1’」〜「9’」は、図15(A)における「1」〜「9」の各操作キーの周囲にあるスリット状の穴と同じ形状で、長さだけを短くした穴を周囲に持つ各操作キーを意味する。
操作パネル1を構成する操作シート2には、厚さ0.5mmのポリカーボネート製の板を使用した。各操作キーの大きさは、図15(A)において縦7mm、横10mmの大きさである。スリット状の穴81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92のスリット幅は、0.5mmとした。操作シート2の裏側には、厚さ0.4mmのシリコーンゴム製のシートが貼り付けられている。さらに、シリコーンゴム製のシートの裏側には、アルプス電気株式会社製のタクトスイッチ(SKHHAQA010)を配置して電気的な接点を設けた。
表1に示す評価結果から明らかなように、スリット状の穴の形状に依らず、各操作キーの全周囲長に対する各操作キーの周囲に形成されたスリット状の穴の全長の割合が50%以上になると、キー操作が良好になることがわかった。
次に、操作シート2の裏側に形成された凹部を光らせるための構成について、図16および図17に基づいて説明する。なお、ここでは、突出部20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36の各裏側に形成された凹部を代表し、凹部34bを例に説明する。
図16は、凹部34bの内面に薄膜層95を形成した例を示す図である。また、図17は、凹部34bの内部に、当該内部を充填するように充填物98を備えた例を示す図である。
薄膜層95は、蓄光性若しくは蛍光性のインク層、または金属製若しくは金属調の薄膜層である。薄膜層95が蓄光性若しくは蛍光性のインク層である場合には、突出部34の視認性が高まる。特に、夜間、暗い場所で操作する際に、突出部34が光るので、視認性が高まり、もって操作性が向上する。
一方、薄膜層95が金属製若しくは金属調の薄膜層である場合には、薄膜層95は反射部となる。薄膜層95は、薄膜層95を形成していない周囲の領域と比して反射率が高いので、操作シート2の裏若しくは横方向からの光を受けて、突出部34から操作面の側に光を透過させることも可能である。例えば、薄膜層95をアルミニウム製の薄膜とした場合、操作シート2の厚さ方向から照光すると、操作シート2の内部で反射しながら薄膜層95に光が照射される。その結果、薄膜層95から突出部34に向けて光が出射される。なお、操作シート2の内部に入射した光が容易に操作シート2の表側の面および裏側の面から出射しないように、操作シート2の表側の面および裏側の面に不透明な印刷を施すのが良い。当該印刷は、操作シート2側が鏡面となるような印刷であるのがより好ましい。
また、操作シート2の裏側から照光する場合には、操作シート2の内部で光を反射させるため、入射光が少なくとも操作シート2の表面から出射しないように、操作シート2の表面に不透明な印刷を施すのが良い。
なお、薄膜層95は、一層ではなく、複数層から構成されるものでも良い。かかる場合、操作シート2側の層95bを透明な層とし、凹部34bの空間側の層95aを鏡面層とすると、操作シート2の裏あるいは厚さ方向からの照光により、突出部34からの発光をより効果的に生じさせることができる。薄膜層95は、突出部34(凹部34bと言い換えても良い)の形成前に設けると形成しやすいので、より好ましい。
また、図17に示すように、凹部34bに、蓄光性若しくは蛍光性のインクまたは高反射物質等の充填物98を充填すると、前述の薄膜層95を形成した例と同様、突出部34の視認性を高め、もって操作パネル1の操作性を高めることができる。上記インクを充填しておくと、暗い場所でも突出部34が光って見えるからである。インク以外に、顔料を用いても良い。凹部34bにインクあるいは顔料を充填する好適な方法としては、凹部34bを形成した後に、ディスペンサ等を用いてインクあるいは顔料を充填する方法を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、高反射物質等の充填物98の一例としては、結晶性の良い微粒子を挙げることができる。かかる場合、充填物98は反射部となる。充填物98に入射した光が、微粒子の結晶面で反射して、その一部が突出部34から操作面の方向に出射されるからである。微粒子の充填方法としては、微粒子を含むペーストの塗布、噴霧等により容易に実現できるが、これに限定されるものではない。
さらに、凹部34bの内側の面の表面粗さを粗くしてシボ加工を施したり、鏡面加工を施したり、凹部34bを構成する操作シート2の内部に、光を反射させる高反射物質等を混ぜることによっても、突出部34等を光らせることが可能となる。
次に、操作シート2のスリット状の穴13a等にゴム状弾性シート3を挿入しないで、当該穴13aを溝とした状態の操作パネル1について説明する。なお、ゴム状弾性シート3を挿入しないスリット状の穴としては、スリット状の穴13a以外にスリット状の穴11a,12a,14a,15a,16aおよび円形キー10の外周部があるが、説明をわかりやすくするため、ここでは、スリット状の穴13aを一例に説明する。
図18は、スリット状の穴13aにゴム状弾性シート3を挿入していない状態の操作パネル1の断面の一部を示す図である。
スリット状の穴13aは、必ずしもゴム状弾性シート3の線状の突出部13を挿入した状態になくても良く、裏面のゴム状弾性シート3側にへこんだ状態の溝のままでも良い。かかる場合、操作シート2の表側の面に不透明な印刷を施し、操作シート2の厚さ方向から光を入射させると、入射光Pは操作シート2の内部で反射しながら進行し、スリット状の穴13aから出射する。スリット状の穴13aの端面99の表面粗さを大きくしたりあるいは端面99に着色したりすることによって、スリット状の穴13aの発光がより強調されて使用者に視認される。したがって、暗い場所にて操作パネル1を使用することがより容易になる。なお、図18の状態と異なり、スリット状の穴13aにゴム状弾性シート3の線状の突出部13が挿入されている場合であっても、光は、突出部13を通じて操作シート2の表側に出射可能である。ただし、光はゴム状弾性シート3の突出部13を通って出射されるので、光Pが端面99から出射される場合と比較すると、スリット状の穴13aの視認性はいくぶん低くなる。
以上、本発明にかかる操作パネルの実施の形態について説明したが、本発明は、かかる実施の形態に限定されず、種々変形を施した形態にて実施可能である。
例えば、操作キーの裏側に形成されている突出部24等を数字あるいは記号以外に、文字、絵としたり、あるいは、これらの1以上の組合せとしても良い。また、操作シート2は、平板ではなく表側に突状に湾曲した板、表側に緩やかな凹凸を有する板でも良い。また、突出部24等は透明でなくとも良い。また、スリット状の穴11a,12a,13a,14a,15a,16aからゴム状弾性シート3が突出せず、操作シート2の面と水平あるいはわずかに下方にへこむようにゴム状弾性シート3が埋められていても良い。