JP4665598B2 - シリコン基板の加工方法 - Google Patents
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Description
製造方法に関し、特に加工の際にシリコン基板が割れたり、欠けたりすることがなく、加
工精度の高いシリコン基板の加工方法及びこのシリコン基板の加工方法を用いた液滴吐出
ヘッドの製造方法並びに液滴吐出装置の製造方法に関する。
自由度が高い、安価な普通紙を使用できる等の多くの利点を有する。近年、インクジェッ
ト記録装置の中でも、記録が必要なときにのみインク液滴を吐出する、いわゆるインク・
オン・デマンド方式のインクジェット記録装置が主流となっている。このインク・オン・
デマンド方式のインクジェット記録装置は、記録に不要なインク液滴の回収を必要としな
い等の利点がある。
せる方法として、駆動手段に静電気力を利用した、いわゆる静電駆動方式のインクジェッ
ト記録装置がある。また、駆動手段に圧電素子(ピエゾ素子)を利用した、いわゆる圧電
駆動方式のインクジェット記録装置や、発熱素子等を利用した、いわゆるバブルジェット
(登録商標)方式のインクジェット記録装置等がある。
インク液滴を吐出するようになっている。インクジェットヘッドにノズルを設ける方式に
は、インクジェットヘッドの側面側からインク液滴を吐出するサイドイジェクトタイプと
、インクジェットヘッドの表面側からインク液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプが
ある。
フェイスイジェクトタイプのインクジェットヘッドでは、ノズルの孔の部分の流路抵抗
を調整し、ノズルの長さが最適になるようにノズル基板の厚さを調整するのが望ましい。
の製造方法では、シリコン基板を所望の厚さに研削した後に、シリコン基板の両面からド
ライエッチングによって第1のノズル孔と、この第1のノズル孔に連通する第2のノズル
孔を形成するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
法では、シリコン基板の一方の面からICP放電を用いた異方性ドライエッチングにより
、内径の異なる第1のノズル孔と第2のノズル孔を2段に形成した後に、反対側の面を異
方性ウェットエッチングにより掘り下げてノズルの長さを調整するようにしていた(例え
ば、特許文献2参照)。
ンクを吐出する面の撥水性が不十分であるとインクの液滴が付着しやすくなり、付着した
インクによってインクが吐出される際の直進性が失われて印字乱れ等が発生するという問
題点があった。
を熱又は溶剤により熔解させて充填し、ノズルプレート表面に撥水膜を形成した後、ノズ
ル孔内の充填剤を熱又は溶剤によって溶解させて除去することにより、ノズル孔の内部を
除いたノズルプレートの表面のみに撥水膜を形成するようにしていた(例えば、特許文献
3参照)。
照)、ドライエッチングによって第1のノズル孔と第2のノズル孔を形成する前に、シリ
コン基板を研削して薄くするため、製造工程の途中でシリコン基板が割れたり、欠けてし
まうことがあるという問題点があった。またこのため、歩留まりが低くなり、製造コスト
が高くなってしまうという問題点があった。
さらにこのインクジェットヘッド用ノズルプレートの製造方法では、ドライエッチング
加工の際に、加工形状を安定させるためにノズルプレートの加工面の反対側からヘリウム
ガス等で冷却を行うが、ノズルの貫通時にヘリウムガス等が加工面側にリークしてエッチ
ングができなくなってしまうという問題点もあった。
孔が開口する吐出面が、基板表面から深く下がった位置に形成されるため、インク液滴が
飛行中に曲がってしまうという問題点があった。またこのような構造では、ノズルの目詰
まりの原因となる紙粉、インク等を、ゴム片やフェルト片で吐出面から除去するワイピン
グ作業が困難になるという問題点があった。
)、撥水膜の材料に影響を与えない充填剤及び溶剤の選定が難しい、ノズル孔内の充填剤
が完全に除去できない、充填剤の充填及び除去の工程が必要となり製造工程が煩雑になる
等の問題点があった。
なシリコン基板の加工方法及びこのシリコン基板の加工方法を用いた液滴吐出ヘッドの製
造方法並びにこの液滴吐出ヘッドの製造方法を適用した液滴吐出装置の製造方法を提供す
ることを目的とする。
ノズル孔に連通し、第1のノズル孔よりも径の大きい第2のノズル孔からなるノズルとな
る凹部を形成する工程と、樹脂を用いてシリコン基板のノズルとなる凹部が形成されてい
る面に支持基板を貼り合わせる工程と、シリコン基板の支持基板が貼り合わせられた面の
反対面から、シリコン基板を薄板化する工程と、シリコン基板を薄板化した後に、支持基
板をシリコン基板から剥離する工程とを有し、シリコン基板に支持基板を貼り合わせる工
程において、樹脂がノズルとなる凹部に充填されるようにするものである。
ノズルとなる凹部を形成し、ノズルとなる凹部が形成されている面に支持基板を貼り合
わせて、支持基板が貼り合わせられた面の反対面からシリコン基板を薄板化するため、ノ
ズルとなる凹部を形成するときに厚いシリコン基板を使用することができ、シリコン基板
が割れたり欠けたりするのを防止することができる。またこの液滴吐出ヘッドの製造方法
では、薄板化したシリコン基板を加工する工程がなく、シリコン基板が割れたり欠けたり
するのを効果的に防止することができる。
さらに、シリコン基板に支持基板を貼り合わせる工程において、樹脂がノズルとなる凹
部に充填されるようにするため、シリコン基板を薄板化する際にノズルの先端部が欠ける
のを防止することができる。
程の後に、樹脂をシリコン基板から引き剥がす工程を有するものである。
支持基板をシリコン基板から剥離する工程の後に、樹脂をシリコン基板から引き剥がす
ようにすれば、ノズル内の樹脂も樹脂層と共に引き抜かれるため、ノズル内の充填剤の除
去といった工程が不要となり、シリコン基板の生産性が向上する。
工程を、真空中で行うものである。
シリコン基板に支持基板を貼り合わせる工程を真空中で行うことにより、ノズルとなる
凹部に気泡等が溜まることなく、ノズルとなる凹部に樹脂を充填することが可能となる。
工程において、樹脂を支持基板にコーティングするものである。
樹脂を支持基板側にコーティングすることにより、ノズルとなる凹部に気泡等が溜まる
ことなく、ノズルとなる凹部に樹脂を充填することが可能となる。
、バックグラインダー、ポリッシャー及び/又はCMPによってシリコン基板を研磨加工
するものである。
シリコン基板の薄板化工程をバックグラインダー、ポリッシャー及び/又はCMPで行
うことにより、シリコン基板の表面をきれいに仕上げることが可能となる。
支持基板がシリコン基板に貼り合わされた状態で、第1のノズル孔に充填している樹脂の
一部を除去する工程を有するものである。
シリコン基板を薄板化する工程の後に、支持基板がシリコン基板に貼り合わされた状態
で、第1のノズル孔に充填している樹脂の一部を除去することにより、例えばシリコン基
板の表面に撥インク膜を形成する際に、第1のノズル孔内の一部にも撥インク膜を形成す
ることが可能となる。
ル孔に充填している樹脂の一部を除去するものである。
O2プラズマ処理によって第1のノズル孔に充填している樹脂の一部を除去すれば、容
易且つきれいに樹脂の一部を除去することが可能となる。
程の前に、シリコン基板の薄板化された側の面に耐インク保護膜及び撥インク膜を形成す
る工程を有するものである。
支持基板が樹脂によってシリコン基板に貼り付けられた状態で耐インク保護膜及び撥イ
ンク膜を形成することにより、ノズル内を除いたシリコン基板表面のみに耐インク保護膜
及び撥インク膜を形成することが可能となる。
形成するものである。
耐インク保護膜を常温スパッタにより形成すれば、例えばシリコン基板と支持基板を熱
に弱い樹脂を用いて接着した場合でも、樹脂層が劣化するのを防止することができる。
工程において、シリコン基板と支持基板の間に、光によって分離する剥離層を形成するも
のである。
シリコン基板と支持基板の間に光によって分離する剥離層を形成することにより、例え
ばレーザー等の光によって容易に支持基板を剥離することが可能となる。
のである。
支持基板をガラス等の透明材料から構成すれば、レーザー等の光を剥離層に容易に照射
することが可能となり、容易に支持基板を剥離することが可能となる。
4F8及びSF6を用いたドライエッチングにより行うものである。
ノズルとなる凹部を形成する工程を、C4F8及びSF6を用いた異方性ドライエッチン
グで行うことにより、円筒状の第1のノズル孔及び第2のノズル孔を精密に形成すること
ができる。
を用いて液滴吐出ヘッドを製造するものである。
上記のいずれかのシリコン基板の加工方法を用いて液滴吐出ヘッドのノズル基板を製造
すれば、シリコン基板に割れや欠けが発生せず、高精度のノズル基板を製造することが可
能となり、また歩留まりも向上する。
液滴吐出装置を製造するものである。
上記の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造すれば、印字性能等の
高い液滴吐出装置を得ることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドを示した縦断面図である。なお図1
では、駆動回路21の部分を模式的に示している。また図1では、液滴吐出ヘッドの例と
して、静電駆動方式でフェイスイジェクトタイプの液滴吐出ヘッドを示している。
本実施形態1に係る液滴吐出ヘッド1は、主にキャビティ基板2、電極基板3、及びノ
ズル基板4が接合されることにより構成されている。ノズル基板4はシリコンからなり、
例えば円筒状の第1のノズル孔6と、第1のノズル孔6と連通し、第1のノズル孔6より
も径の大きい円筒状の第2のノズル孔7を有するノズル8が形成されている。第1のノズ
ル孔6は、液滴吐出面10(キャビティ基板2との接合面11の反対面)に開口するよう
に形成されており、第2のノズル孔7は、キャビティ基板2との接合面11に開口するよ
うに形成されている。
なおノズル基板4は、後に示す所定の加工を施しやすいように単結晶シリコンを使用す
るのが望ましい。
13となる凹部が複数形成されている。なお複数の吐出室13は、図1の紙面手前側から
紙面奥側にかけて平行に並んで形成されているものとする。またキャビティ基板2には、
各吐出室13にインク等の液滴を供給するためのリザーバ14となる凹部と、このリザー
バ14と各吐出室13を連通する細溝状のオリフィス15となる凹部が形成されている。
図1に示す液滴吐出ヘッド1では、リザーバ14は単一の凹部から形成されており、オリ
フィス15は各吐出室13に対して1つずつ形成されている。なおオリフィス15は、ノ
ズル基板4の接合面11に形成するようにしてもよい。
さらにキャビティ基板2の全面には、例えばCVD又は熱酸化によって酸化シリコン等
からなる絶縁膜16(後述の液滴保護膜24等)が形成されている。この絶縁膜16は、
液滴吐出ヘッド1の駆動時の絶縁破壊やショートを防止し、また吐出室13やリザーバ1
4の内部の液滴によりキャビティ基板2がエッチングされるのを防止するためのものであ
る。
合されている。電極基板3には、振動板12と対向する複数の電極17が形成されている
。この電極17は、例えばITO(Indium Tin Oxide)をスパッタする
ことにより形成する。また電極基板3には、リザーバ14と連通するインク供給孔18が
形成されている。このインク供給孔18は、リザーバ14の底壁に設けられた孔と繋がっ
ており、リザーバ14にインク等の液滴を外部から供給するために設けられている。
なお、キャビティ基板2が単結晶シリコンからなり、電極基板3がホウ珪酸ガラスから
なる場合には、キャビティ基板2と電極基板3の接合を陽極接合によって行うことができ
る。
の電極17には駆動回路21が接続されている。駆動回路21によりキャビティ基板2と
電極17の間にパルス電圧が印加されると、振動板12が電極17の側に撓み、リザーバ
14の内部に溜まっていたインク等の液滴が吐出室13に流れ込む。そして、キャビティ
基板2と電極17の間に印加されていた電圧がなくなると、振動板12が元の位置に戻っ
て吐出室13の内部の圧力が高くなり、ノズル8からインク等の液滴が吐出される。
なお本実施形態1では、液滴吐出ヘッドの例として静電駆動方式の液滴吐出ヘッドを示
しているが、本実施形態1で示すノズル基板4の製造方法は圧電駆動方式やバブルジェッ
ト(登録商標)方式等の液滴吐出ヘッドにも適用することができる。
第1のノズル孔6がノズル基板4の液滴吐出面10側に複数開口している。なお第2のノ
ズル孔7は、図2の個々のノズル孔6の紙面奥側に形成されている。またキャビティ基板
2の吐出室13は、個々の第1のノズル孔6(ノズル8)ごとに形成されており、個々の
吐出室13は図2のA−A線方向に細長いものとする。
本実施形態1では、以下において主にノズル基板4を製造するためのシリコン基板の加
工方法について説明する。なお本実施形態1に係る液滴吐出ヘッド1では、第1のノズル
孔6と第2のノズル孔7の中心軸が高い精度で一致しているものとする。これにより、ノ
ズル8から液滴を吐出する際の液滴の直進性を向上させることができる。
ヘッドを製造する際の製造工程を示した縦断面図である。なお図3から図7は、主にノズ
ル基板4の製造工程を示しており、図8及び図9は、キャビティ基板2及び電極基板3を
接合した接合基板5の製造工程を示している。また図3から図7は、図2のA−A線に沿
った縦断面におけるノズル8の周辺部を示している。初めに図3から図7を用いてシリコ
ン基板30からノズル基板4を製造し、このノズル基板4を接合基板に接合して液滴吐出
ヘッド1を製造する工程を説明する。
まず、例えば厚さが525μmのシリコン基板30を準備し、このシリコン基板30の
全面にシリコン酸化膜31を均一に成膜する(図3(A))。このシリコン酸化膜31は
、例えば熱酸化装置により温度1075℃、酸素と水蒸気の混合雰囲気中で4時間熱酸化
することにより形成する。
る部分7aをパターニングして、第2のノズル孔7となる部分7aのレジスト32を除去
する(図3(B))。なおレジスト32のコーティングされた面は、後にノズル基板4の
接合面11となる。
そして、例えばフッ酸水溶液とフッ化アンモニウム水溶液を1対6で混合した緩衝フッ
酸水溶液でシリコン酸化膜31をハーフエッチングし、第2のノズル孔7となる部分7a
のシリコン酸化膜31を薄くする(図3(C))。なおこのときレジスト32の形成され
ていない面のシリコン酸化膜31も薄くなる。
それから、シリコン酸化膜31の片面に形成されたレジスト32を剥離する(図3(D
))。
となる部分6aをパターニングして、第1のノズル孔6となる部分6aのレジスト33を
除去する(図4(E))。
そして、例えばフッ酸水溶液とフッ化アンモニウム水溶液を1対6で混合した緩衝フッ
酸水溶液でシリコン酸化膜31をハーフエッチングし、第1のノズル孔6となる部分6a
のシリコン酸化膜31を除去する(図4(F))。なおこのときレジスト33の形成され
ていない面のシリコン酸化膜31もすべて除去される。
それから、図4(E)の工程で形成されたレジスト33を剥離する(図4(G))。
次に、ICP(Inductively Coupled Plasma)放電による
ドライエッチングによって第1のノズル孔6となる部分6aから異方性エッチングを行い
、例えば深さ25μmの凹部6bを形成する(図4(H))。なおこの凹部6bは、第1
のノズル孔6となる凹部6cの元となるものである(図5(J)参照)。この異方性ドラ
イエッチングのエッチングガスとして、C4F8、SF6を交互に使用することができる。
このとき、C4F8は凹部6bの側面方向にエッチングが進行しないように凹部6bの側面
を保護するために使用し、SF6は凹部6bの垂直方向のエッチングを促進するために使
用する。
aのシリコン酸化膜31を除去する(図5(I))。なおこのとき、シリコン酸化膜31
のその他の部分も薄くなる。
そして、再度ICP放電によるドライエッチングによって第2のノズル孔7となる部分
7a(凹部6bを含む)から例えば深さ40μmだけ異方性ドライエッチングを行い、第
1のノズル孔6となる凹部6c及び第2のノズル孔7となる凹部7bを形成する(図5(
J))。
それからシリコン基板30に残ったシリコン酸化膜31を例えばフッ酸水溶液ですべて
除去した後、シリコン基板30の全面に例えば厚さ0.1μmのシリコン酸化膜34を均
一に成膜する(図5(K))。このシリコン酸化膜34は、例えば熱酸化装置により温度
1000℃、酸素雰囲気中で2時間熱酸化することにより形成する。なお図5(K)では
熱酸化によりシリコン酸化膜34を成膜するため、第1のノズル孔6となる凹部6c及び
第2のノズル孔7となる凹部7bの内壁にも均一にシリコン酸化膜34を形成することが
できる。
ートし、その上に樹脂からなる樹脂層42をスピンコートする。そして支持基板40の剥
離層41及び樹脂層42をスピンコートした面と、シリコン基板30の第2のノズル孔7
となる凹部7b等が形成されている面を向かい合わせて樹脂層42を硬化させることによ
り、第1の支持基板40とシリコン基板30を貼り合わせる(図5(L))。なお図5(
L)以降の工程では、シリコン基板30の向きが図3から図5までと上下逆になっている
。
本実施形態1では、図5(L)の支持基板40とシリコン基板30の貼り合わせを真空
中で行い、樹脂層42を構成する樹脂が第1のノズル孔6となる凹部6c及び第2のノズ
ル孔7となる凹部7bに充填されるようにする。このように支持基板40とシリコン基板
30の貼り合わせを真空中で行うことにより、第1のノズル孔6となる凹部6c及び第2
のノズル孔7となる凹部7bに気泡等が溜まることを防止することができる。
剥離層41は、レーザー光等の光が当てられることにより剥離層41内部やシリコン基
板31との界面において剥離(層内剥離又は界面剥離という)を起こすものである(図6
(O)参照)。即ち剥離層41は、一定の強度の光を受けることにより剥離層41を構成
する材料の原子又は分子間の結合力が消失若しくは減少することにより、アブレーション
(ablation、切除又は除去)を生じる。剥離層41は一定の強度の光を受けると
、剥離層41を構成する材料の成分が気体となることにより剥離を起こす。これにより、
以下の図6(O)の工程において薄板化されたシリコン基板30(ノズル基板4)から支
持基板40を取り外すことができる。
なお支持基板40は、光を透過するガラス等からなるものを用いるのが望ましい。これ
によりシリコン基板30から支持基板40を剥離するときに、支持基板40の裏面(シリ
コン基板30が接合された面の反対面)から剥離層41に光を照射して十分な剥離エネル
ギーを与えることが可能となる。
いが、例えば非晶質シリコン(a−Si、アモルファスシリコン)、酸化ケイ素、ケイ酸
化合物や、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化セラミックス、光の照射
によって原子間結合が切断される有機高分子材料、又はアルミニウム、リチウム、チタン
、マンガン、インジウム、錫、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジウム、プラセ
オジム、ガドリニウム、サマリウム等の金属、若しくは上記の金属を少なくとも1種以上
含んだ合金等が挙げられる。これらの材料のうち、剥離層41の構成材料として非晶質シ
リコンを用いるのが好ましく、この非晶質シリコンの中に水素が含まれているのがさらに
好ましい。このような材料を用いることにより、剥離層41が光を受けた場合に水素が放
出されて剥離層41に内圧が発生し、剥離を促進させることができる。この場合の剥離層
41の水素の含有量は、2重量%以上が好ましく、2〜20重量%であるとさらに好まし
い。
板40を接合するためのものである。樹脂層42を構成する材料としては、シリコン基板
30と第1の支持基板40を接合する機能を有するものであれば特に限定されないが、例
えば熱硬化性接着剤や光硬化性接着剤等の硬化性接着剤を用いることができる。なお樹脂
層42は、耐ドライエッチング性の高い材料を主材料としているものが望ましい。
ばこれらの層を1つの層から構成するようにしてもよい。これは例えば、シリコン基板3
0と支持基板40を接着する機能を有し、且つ光エネルギーや熱エネルギーによって剥離
を引き起こす機能を持った層を形成することで実現できる。なおこのような機能を持った
材料については、例えば特開2002−373871号公報を参照されたい。
コン基板30の支持基板40が接合された面の反対面からバックグラインダー、ポリッシ
ャー、CMP(Chemical Mechamical Polishing)等によ
って研磨加工を行い、第1のノズル孔6となる凹部6cの先端のシリコン酸化膜34が除
去されるまでシリコン基板30を薄板化する(図6(M))。なおこのとき、例えばバッ
クグラインダーで第1のノズル孔6となる凹部6cの先端のシリコン酸化膜34の付近ま
でシリコン基板30を薄板化し、薄板化の仕上げをポリッシャー又はCMPによって行う
ようにすれば、シリコン基板30の表面を鏡面状に仕上げることができる。
いて酸化シリコンからなる耐インク保護膜35を、例えば厚さ0.1μmで形成する。な
お本実施形態1では、耐インク保護膜35を形成するのにECR(Electorn C
yclotron Resonance)スパッタ装置等の常温スパッタ装置を用いる。
これは、ECRスパッタ装置を用いて緻密な耐インク保護膜35を形成するためと、樹脂
層42が熱によって劣化するのを防止するためである。なお樹脂層42が劣化しない温度
(約200℃以下)のものであれば、他のスパッタ装置や他の方法で耐インク保護膜35
を形成してもよい。
そしてシリコン基板30の耐インク保護膜35の表面に、例えば蒸着やディッピング(
浸漬)等によって、撥インク膜36を形成する(図6(N))。撥インク膜36の材料と
しては、フッ素原子を含有した撥インク材料を用いることができる。この段階でシリコン
基板30自体の加工は終了し、ノズル基板4が完成する。なお図6(N)の工程では、樹
脂が第1のノズル孔6及び第2のノズル孔7に充填されているため、ノズル8の内部が撥
インク処理されることがない。
を剥離して(図6(O))、その後、樹脂層42をシリコン基板30からゆっくりと引き
剥がす(図6(P))。この際、樹脂層42をシリコン基板30の外周部から剥がし取る
ようにする。なお図6(P)の工程では、ノズル8の内部の樹脂も樹脂層42と共に引き
抜かれる。
それから、シリコン基板30(ノズル基板4)の第2のノズル孔7が形成されている面
に接着剤等を転写して接着剤層37を形成し、電極基板3が接合されたキャビティ基板2
と、シリコン基板30を接合する(図7(Q))。
最後に、例えばキャビティ基板2、電極基板3、及びノズル基板4が接合された接合基
板をダイシング(切断)により分離して、液滴吐出ヘッド1が完成する。
す縦断面図である。以下、キャビティ基板2及び電極基板3を接合した接合基板の製造工
程について簡単に説明する。なお、キャビティ基板2及び電極基板3の製造方法は、図8
及び図9に示されるものに限定されるものではない。
まず、ホウ珪酸ガラス等からなるガラス基板を、例えば金・クロムのエッチングマスク
を使用してフッ酸によってエッチングすることにより凹部19を形成する。なおこの凹部
19は、電極17の形状より少し大きい溝状のものであって複数形成するものとする。
そして凹部19の内部に、例えばスパッタによってITO(Indium Tin O
xide)からなる電極17を形成する。
その後、ドリル等によってインク供給孔18となる孔部18aを形成して電極基板3を
形成する(図8(a))。
ン基板2aの片面にプラズマCVD(Chemical Vapor Depositi
on)によってTEOS(TetraEthylOrthosilicate)からなる
厚さ0.1μmのシリコン酸化膜22を形成する(図8(b))。なおシリコン酸化膜2
2を形成する前に、エッチングストップのためのボロンドープ層を形成するようにしても
よい。振動板12をボロンドープ層から形成することにより、厚み精度の高い振動板12
を形成することができる。
それから、図8(b)に示すシリコン基板2aと、図8(a)に示す電極基板3を例え
ば360℃に加熱し、シリコン基板2aに陽極、電極基板3に陰極を接続して800V程
度の電圧を印加して陽極接合を行う(図8(c))
シリコン基板2aと電極基板3を陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等で図3(
c)の工程で得られた接合基板をエッチングすることにより、シリコン基板2aの全体を
例えば厚さ140μmになるまで薄板化する(図8(d))。
にプラズマCVDによって例えば厚さ1.5μmのTEOS膜を形成する。
そしてこのTEOS膜に、吐出室13となる凹部13a、リザーバ14となる凹部14
a及びオリフィスとなる凹部15aとなる部分を形成するためのレジストをパターニング
し、この部分のTEOS膜をエッチング除去する。
その後、シリコン基板2aを水酸化カリウム水溶液等でエッチングすることにより、吐
出室13となる凹部13a、リザーバ14となる凹部14a及びオリフィスとなる凹部1
5aを形成する(図9(e))。このとき、電極取出し部23となる部分もエッチングし
て薄板化しておく。なお図9(e)のウェットエッチングの工程では、例えば初めに35
重量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、その後3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用
することができる。これにより、振動板12の面荒れを抑制することができる。
してシリコン基板2aに形成されたTEOS膜を除去する。また電極基板3のインク供給
孔18となる孔部18aにレーザー加工を施し、インク供給孔18が電極基板3を貫通す
るようにする(図9(f))。
次に、シリコン基板2aの吐出室13となる凹部13a等の形成された面に、例えばC
VDによってTEOS等からなる液滴保護膜24を、例えば厚さ0.1μmで形成する(
図9(g))。
それからRIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取出し
部23を開放する。またシリコン基板2aに機械加工又はレーザー加工を行って、インク
供給孔18をリザーバ14となる凹部14aまで貫通させる。これにより、キャビティ基
板2と電極基板3が接合された接合基板5が完成する。この接合基板5は、図7(Q)の
工程において、ノズル基板4と接合されることとなる。
なお電極取出し部23に、振動板12と電極17の間の空間を封止するための封止剤(
図示せず)を塗布するようにしてもよい。
となる凹部を形成し、ノズル8となる凹部が形成されている面に支持基板40を貼り合わ
せて、支持基板40が貼り合わせられた面の反対面からシリコン基板30を薄板化するた
め、ノズル8となる凹部を形成するときに厚いシリコン基板30を使用することができ、
シリコン基板30が割れたり欠けたりするのを防止することができる。また薄板化したシ
リコン基板30を加工する工程がないため、シリコン基板30が割れたり欠けたりするの
を効果的に防止することができる。
さらに、シリコン基板30に支持基板40を貼り合わせる工程において、樹脂が第1の
ノズル孔6となる凹部6c及び第2のノズル孔7となる凹部7bに充填されるようにする
ため、シリコン基板30を薄板化する際にノズル8の先端部が欠けるのを防止することが
できる。
また厚いシリコン基板30に非貫通状態でノズル8となる凹部を形成するため、ヘリウ
ムガス等が加工面側にリークしてエッチングができなくなるのを防止することができる。
図10は、本発明の実施形態2に係るシリコン基板の加工方法を用いて液滴吐出ヘッド
を製造する際の製造工程を示した縦断面図である。なお、図6(M)までの製造工程及び
図6(O)以降の製造工程は実施形態1と同様であるため説明を省略する。
本実施形態2では、実施形態1の図6(M)の工程においてシリコン基板30を薄板化
した後に、シリコン基板30をドライエッチング装置(図示せず)にセットし、O2プラ
ズマ処理によって第1のノズル孔6の先端に充填している樹脂を厚みaだけ除去する(図
10(M’))。この厚みaは、例えば数μmから10μm程度である。
その後、図6(N)の工程と同様に、シリコン基板30の表面に耐インク保護膜35及
び撥インク膜36を形成する(図10(N’))。このとき、第1のノズル孔6の樹脂が
除去された部分にも撥インク処理が施される。なお除去する樹脂の厚さaを調整すること
により、第1のノズル孔6内の撥インク領域を調整することができる。
、例えばシリコン基板30の表面に撥インク膜36を形成する際に、第1のノズル孔6内
の一部にも撥インク膜36を形成することが可能となる。
第1のノズル孔6内の一部に撥インク膜36を形成する理由は以下の通りである。すな
わち、インク等の液滴のメニスカス(ノズル8の先端部の液滴又は液滴が空気に触れてい
る部分)からの増粘により、メニスカスが不安定になる場合がある。そのため本実施形態
2のように、ノズル8内の撥インク領域を調整しメニスカスの位置を吐出面10からノズ
ル8内に引き込むことにより、ノズル8内のメニスカスが安定し液滴の吐出安定性が向上
するという効果がある。
図11は、実施形態1又は実施形態2の製造方法で得られた液滴吐出ヘッドを搭載した
液滴吐出装置の一例を示した斜視図である。図11に示す液滴吐出装置100は、一般的
なインクジェットプリンタである。なおこの液滴吐出装置100は、周知の製造方法によ
って製造することができる。
実施形態1又は実施形態2で得られた液滴吐出ヘッド1は、上記のように割れや欠けが
なく、液滴吐出装置100は吐出性能が高いものである。
なお実施形態1又は実施形態2の製造方法で得られた液滴吐出ヘッド1は、図11に示
すインクジェットプリンタの他に、液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラ
ーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用する
ことができる。
また実施形態1又は実施形態2の製造方法で得られた液滴吐出ヘッド1は、圧電駆動方
式の液滴吐出装置や、バブルジェット(登録商標)方式の液滴吐出装置にも使用できる。
本発明の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において変更するこ
とができる。例えば図5(L)の製造工程において、必ずしも剥離層41を形成する必要
はない。
のノズル孔、7 第2のノズル孔、8 ノズル、10 液滴吐出面、11 接合面、12
振動板、13 吐出室、14 リザーバ、15 オリフィス、16 絶縁膜、17 電
極、18 インク供給孔、21 駆動回路、100 液滴吐出装置。
Claims (4)
- シリコン基板に、第1のノズル孔と、前記第1のノズル孔に連通し、前記第1のノズル孔よりも径の大きい第2のノズル孔からなるノズルとなる凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板の前記ノズルとなる凹部に樹脂が充填されるようにして前記樹脂を用いて前記凹部が形成されている面に透明材料からなる支持基板を貼り合わせる工程と、
前記シリコン基板の前記支持基板が貼り合わせられた面の反対面から、前記シリコン基板を薄板化する工程と、
前記シリコン基板を薄板化する工程の後に、前記支持基板が前記シリコン基板に貼り合わされた状態で、前記第1のノズル孔に充填している前記樹脂の一部をO2プラズマ処理によって除去した後、前記シリコン基板の薄板化された側の面に耐インク保護膜及び撥インク膜を形成する工程と、
前記耐インク保護膜及び撥インク膜を形成する工程後に前記支持基板を前記シリコン基板から剥離する工程と、を有し、
前記シリコン基板に支持基板を貼り合わせる工程において、前記シリコン基板と前記支持基板の間に水素含有量2〜 20重量%である剥離層を形成することを特徴とするシリコン基板の加工方法。 - 前記支持基板を前記シリコン基板から剥離する工程の後に、前記樹脂を前記シリコン基板から引き剥がす工程を有することを特徴とする請求項1記載のシリコン基板の加工方法。
- 前記シリコン基板に支持基板を貼り合わせる工程を、真空中で行うことを特徴とする請求項1又は2記載のシリコン基板の加工方法。
- 前記シリコン基板に支持基板を貼り合わせる工程において、前記樹脂を前記支持基板にコーティングすることを特徴とする請求項3記載のシリコン基板の加工方法。
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