しかしながら、係る従来のカメラにおいては、マルチAFを行って焦点検出エリア毎に焦点検出情報を取得し、これら複数の焦点検出エリアについての焦点検出情報に基づき決定された焦点検出エリアが意図する被写体と合致するか否かを撮影者が判断し、合致しない場合には所定の操作を行うことにより、焦点検出エリアが変更され、変更した所定検出エリアに対応する、前記マルチAFにより既に取得されている焦点検出情報に基づきAFがなされる。したがって、焦点検出を行って焦点検出エリア毎に焦点検出情報を取得した時点から、変更した所定検出エリアに対応する焦点検出情報に基づきAFがなされるまでには、撮影者の判断や操作に起因する相当のタイムラグが不可避的に生ずる。
一方、撮影者が意図する被写体は静的なものであるとは限らず、動的な場合もある。したがって、意図する被写体が動的なものである場合において前後方向に変化があると、焦点検出エリアが変更されて対応する焦点検出情報に基づきAFがなされても、意図する被写体に合焦させることができないこととなってしまう。
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、被写体に変化があった場合であっても、意図する被写体に焦点を自動調整することのできるカメラ、カメラ制御プログラム及びカメラ制御方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係るカメラにあっては、複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出し焦点情報を取得する多焦点検出手段と、この多焦点検出手段により取得された複数の焦点情報に基づき前記複数の焦点検出エリアのいずれかを選択する選択手段と、所定の操作に応答して前記多焦点検出手段及び選択手段を再動作させる再動作制御手段とを備え、前記再動作制御手段は、前記選択手段により既に選択された焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリアを前記選択手段に選択させる第1の再動作制御手段、又は前記選択手段による焦点検出エリアの選択基準を変更する第2の再動作制御手段を含む。
したがって、選択手段が選択した焦点検出エリアと撮影者が意図する被写体とが合致しない場合等において、撮影者が所定の操作を行うと、多焦点検出手段及び選択手段を再動作して、複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出し焦点情報を取得する。したがって、この間に被写体に前後方向の変化があっても、多焦点検出手段が再動作することにより、変化があった被写体に対して複数の焦点検出エリアについて再度焦点が検出される。よって、被写体に前後方向の変化が生じた場合であっても、各焦点検出エリアにおいて合焦可能な焦点情報を取得することができ、その結果、選択される焦点検出エリアにおいて合焦した被写体を撮影することが可能となる。
しかも、多焦点検出手段及び選択手段を再動作した際には、既に選択された焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリア、又は選択基準が変更された焦点検出エリアが選択される。したがって、撮影者が意図する被写体と合致しない焦点検出エリアが検出されてしまう確率が低下し、撮影者が意図する被写体とが合致する焦点検出エリアが効率的かつ迅速に選択される。
また、請求項2記載の発明に係るカメラにあっては、前記第1の再動作制御手段は、前記選択手段により既に選択された焦点検出エリアを除く他の複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出し焦点情報を取得するように前記多焦点検出手段を再動作させる手段を含む。したがって、前回までに選択された検出エリアと撮影者が意図する被写体とが合致しなかった場合等にいおいて、前回までに選択された焦点検出エリアが除かれることにより、多焦点検出手段は再度動作した際の焦点検出エリアが減少する。したがって、多焦点検出手段の再動作時における焦点検出エリアが撮影者の意図にあった焦点検出エリアに限定されていき、より効率的に撮影者が意図する被写体が合焦した画像を撮影することができる。
また、請求項3記載の発明に係るカメラにあっては、前記選択手段により選択された前記焦点検出エリアの焦点情報に基づき前記光学系を合焦させる光学系制御手段を更に備える。したがって、選択された焦点検出エリアに合致する被写体が合焦する。
また、請求項4記載の発明に係るカメラにあっては、前記多焦点検出手段は、所定キーの操作に応答して前記焦点を検出して焦点情報を取得し、前記再動作制御手段は、所定の時間内に前記所定キーの操作が再度行われた場合に、前記多焦点検出手段及び選択手段を再動作させる。したがって、撮影者は、所定の時間内に所定キー操作を再度行う簡単な操作により、多焦点検出手段及び選択手段を再動作させて、複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出させることができる。
また、請求項5記載の発明に係るカメラにあっては、前記所定キーの操作は、撮影指示を発生するシャッターキーに対する操作である。したがって、撮影指示を行うためのキーと同一のキーであるシャッターキーに対する所定の操作により、多焦点検出手段及び選択手段を再動作させて、複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出させることができる。
また、請求項6記載の発明に係るカメラにあっては、前記選択手段により焦点検出エリアが選択された状態において、撮影指示の有無を検出する撮影指示検出手段と、前記撮影指示検出手段により前記撮影指示が検出された場合において、前記選択手段により選択されている焦点検出エリアの選択回数を焦点検出エリア毎に計測する計測手段を更に備え、前記選択手段は、前記再動作制御手段による制御が行われていないときに、前記計測手段により計測された前記選択回数に基づき、前記複数の焦点検出エリアのいずれかを選択する手段を含む。したがって、選択頻度等を加味して焦点検出エリアを選択することができる。
また、請求項7記載の発明に係るカメラにあっては、前記選択手段は、前記再動作制御手段による制御が行われていないときに、前記計測手段により計測された前記選択回数に基づき、前記多焦点検出手段により取得された複数の焦点情報に基づき前記複数の焦点検出エリアのいずれかを選択するか否かを決定する手段を含む。したがって、先ず選択回数に基づき、多焦点検出手段により取得された複数の焦点情報に基づき複数の焦点検出エリアのいずれかを選択するAF方式(マルチAF)を選択するか否かを決定される。そして、マルチAFを選択しないことが決定された場合に、前記計測手段により計測された前記選択回数に基づき、前記複数の焦点検出エリアのいずれかが選択されることとなる。
また、請求項8記載の発明に係るカメラにあっては、前記選択手段は、自動的に前記焦点検出エリアを選択する自動選択手段とともに、操作に応じて前記焦点検出エリアを選択する手動選択手段とを含み、前記計測手段は、前記両選択手段により選択された各焦点検出エリアの選択回数を計測し、前記自動選択手段は、前記再動作制御手段による制御が行われていないときに、当該自動選択手段が選択した選択回数と前記手動選択手段が選択した回数の少なくとも一方に基づき、前記複数の焦点検出エリアのいずれかを選択する。したがって、当該撮影者の意思により選択された焦点検出エリアの選択頻度等をも加味して、つまり撮影者の意思を反映させて焦点検出エリアを選択することが可能となる。
また、請求項9記載の発明に係るカメラにあっては、前記選択手段は、前記再動作制御手段による制御が行われていないときに、前記計測手段が計測した選択回数が多い焦点検出エリアを選択する手段を含む。したがって、例えば最も選択回数が多い焦点検出エリアや選択回数が比較的多い複数の焦点検出エリアのいずれか等、焦点検出エリアの使用頻度に応じて撮影者の意思を反映させた焦点検出エリアを選択することができる。
また、請求項10記載の発明に係るカメラにあっては、前記選択手段は、前記再動作制御手段による制御が行われていないときに、前記計測手段が計測した選択回数が少ない焦点検出エリアを除外して選択する手段を含む。したがって、例えば最も選択回数が少ない焦点検出エリアや選択回数が比較的少ない焦点検出エリアが除外されることにより、焦点検出エリアの使用頻度に応じて撮影者の意思を反映させた効率的な焦点検出エリア選択を行うことができる。
また、請求項11記載の発明に係るカメラにあっては、第1の操作と第2の操作とを可能なシャッターキーと、このシャッターキーに対する前記第1及び第2の操作と前記第1の操作の解除とを検出する検出手段と、この検出手段により前記シャッターキーに対する第1の操作が検出された場合、複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出し焦点情報を取得する多焦点検出手段と、この多焦点検出手段により取得された複数の焦点情報に基づき前記複数の焦点検出エリアのいずれかを選択する選択手段と、前記検出手段により前記シャッターキーに対する第1の操作の解除が検出されてから、所定時間内に再度前記第1の操作が検出された場合、前記多焦点検出手段及び選択手段を再動作させる再動作制御手段と、前記検出手段により前記第2の操作が検出された場合、撮影処理を実行する撮影手段とを備え、前記再動作制御手段は、前記選択手段により既に選択された焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリアを前記選択手段に選択させる第1の再動作制御手段、又は前記選択手段による焦点検出エリアの選択基準を変更する第2の再動作制御手段を含む。
したがって、シャッターキーに対し第2の操作を行うことにより撮影することができ、かつ、同一のシャッターキーに対し第1の操作を行った後これを解除する操作を行い、さらに所定時間内に再度第1の操作を行うと、多焦点検出手段及び選択手段が再動作する。また、再度動作した際、選択手段は、既に選択した焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリアを選択し、又は選択基準を変更して焦点検出エリアを選択する。したがって、撮影指示を行うシャッターキーの操作により、既に選択した焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリアの選択や選択基準を変更して焦点検出エリアを選択する動作を行なわせる機能を付加することができ、これによりシャッターキーを有効に利用した新たな焦点検出エリア選択制御形態を形成あるいは確立することができる。
また、請求項12記載の発明に係るカメラ制御プログラムにあっては、カメラが有するコンピュータを、複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出し焦点情報を取得する多焦点検出手段と、この多焦点検出手段により取得された複数の焦点情報に基づき前記複数の焦点検出エリアのいずれかを選択する選択手段と、所定の操作に応答して前記多焦点検出手段及び選択手段を再動作させる再動作制御手段として機能させるとともに、前記再動作制御手段を、前記選択手段により既に選択された焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリアを前記選択手段に選択させる第1の再動作制御手段、又は前記選択手段による焦点検出エリアの選択基準を変更する第2の再動作制御手段として機能させる。したがって、前記コンピュータがこのプログラムに従って処理を実行することにより、請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
また、請求項13記載の発明に係るカメラ制御方法にあっては、複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出し焦点情報を取得する多焦点検出工程と、この多焦点検出工程により取得された複数の焦点情報に基づき前記複数の焦点検出エリアのいずれかを選択する選択工程と、所定の操作に応答して前記多焦点検出工程及び選択工程を再動作させる再動作制御工程とを含み、前記再動作制御工程は、前記選択工程により既に選択された焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリアを前記選択工程で選択させる第1の再動作制御工程、又は前記選択工程による焦点検出エリアの選択基準を変更する第2の再動作制御工程を含む。したがって、記載した工程に従って処理を実行することにより、請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
以上のように請求項1,12及び13に係る発明によれば、選択手段(又は選択工程)が選択した焦点検出エリアと撮影者が意図する被写体とが合致しない場合等において、撮影者が所定の操作を行うと、多焦点検出手段(又は多焦点検出工程)及び選択手段を再動作して、複数の焦点検出エリアについて光学系の焦点を検出し焦点情報を取得する。したがって、この間に被写体に前後方向の変化があっても、多焦点検出手段及び選択手段が再動作することにより、変化があった被写体に対して複数の焦点検出エリアについて再度焦点を検出することができる。よって、被写体に前後方向の変化が生じた場合であっても、各焦点検出エリアにおいて合焦可能な焦点情報を取得することができ、その結果、被写体に前後方向の変化に左右されることなく、選択される焦点検出エリアにおいて合焦した被写体を撮影することが可能となる。
しかも、多焦点検出手段及び選択手段を再動作した際には、既に選択された焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリア、又は選択基準が変更された焦点検出エリアが選択される。したがって、撮影者が意図する被写体と合致しない焦点検出エリアが検出されてしまう確率が低下し、撮影者が意図する被写体とが合致する焦点検出エリアを効率的かつ迅速に選択することができる。
また、請求項11に係る発明によれば、シャッターキーに対し第2の操作を行うことにより撮影することができ、かつ、同一のシャッターキーに対し第1の操作を行った後これを解除する操作を行い、さらに所定時間内に再度第1の操作を行うことにより、多焦点検出手段及び選択手段を再動作させることができる。また、再度動作した際、選択手段は、既に選択した焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリアを選択し、又は選択基準を変更して焦点検出エリアを選択する。したがって、撮影指示を行うシャッターキーの操作により、既に選択した焦点検出エリアを除く他の焦点検出エリアの選択や選択基準を変更して焦点検出エリアを選択する動作を行なわせる機能を付加することができ、これによりシャッターキーを有効に利用した新たな焦点検出エリア選択制御形態を形成あるいは確立することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本発明の一実施の形態を適用したデジタルカメラ10の回路構成を示すブロック図であり、このデジタルカメラ10は、後述するマルチAF機能とともAE、AWB等の一般的な機能をも有するものである。すなわち、レンズブロック11には、ズームレンズ、フォーカスレンズ等の光学系、及び光学系を駆動するための駆動機構が含まれており、前記光学系は、駆動機構に設けられているモーター12によって光軸方向に駆動される。なお、本実施の形態において、前記AFは、フォーカスレンズを光軸方向に移動させながら、各位置で撮像した画像のAF評価値(コントラスト値)を検出し、AF評価値のピーク位置を合焦位置とするコントラスト検出方式である。
デジタルカメラ10全体を制御するCPU13には、バス14及びタイミング発生器(TG:Timing Generator)15を介してモータードライバ16が接続されており、モータードライバ16は、CPU13の命令に従いタイミング発生器15が発生するタイミング信号に基づき、モーター12を駆動する。なお、ストロボ17もタイミング発生器15が発生するタイミング信号により駆動される。
また、このデジタルカメラ10は撮像素子としてCCD18を有している。CCD18は、レンズブロック11の光軸上に配置されており、被写体は、レンズブロック11によってCCD18の受光面に結像される。CCD18は、CPU13の命令に従いタイミング発生器15が生成するタイミング信号に基づき垂直及び水平ドライバ19によって駆動され、被写体の光学像に応じたアナログの撮像信号をユニット回路20に出力する。ユニット回路20は、CCD18の出力信号に含まれるノイズを相関二重サンプリングによって除去するCDS回路や、ノイズが除去された撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器等から構成され、デジタルに変換した撮像信号を画像処理部21へ出力する。
画像処理部21は、入力した撮像信号に対しペデスタルクランプ等の処理を施し、それを輝度(Y)信号及び色差(UV)信号に変換するとともに、オートホワイトバランス、輪郭強調、画素補間などの画品質向上のためのデジタル信号処理を行う。画像処理部21で変換されたYUVデータは順次SDRAM22に格納されるとともに、RECスルー・モードでは1フレーム分のデータ(画像データ)が蓄積される毎にビデオ信号に変換され、バックライト(BL)24を備える液晶モニタ(LCD)23へ送られてスルー画像として画面表示される。
そして、静止画撮影モードにおいては、シャッターキー操作をトリガとして、CPU13は、CCD18、垂直及び水平ドライバ19、ユニット回路20、及び画像処理部21に対してスルー画撮影モード(RECスルー・モード)から静止画撮影モードへの切り替えを指示し、この静止画撮影モードによる撮影処理により得られ、SDRAM22に一時記憶された画像データは、CPU13により圧縮され、最終的には所定のフォーマットの静止画ファイルとして外部メモリ25に記録される。また、ムービー録画モードにおいては、1回目のシャッターキーと2回目のシャッターキー操作との間に、SDRAM22に順次記憶される複数の画像データがCPU13により順次圧縮され、動画ファイルとして外部メモリ25に記録される。この外部メモリ25に記録された静止画ファイル及び動画ファイルは、PLAY・モードにおいてユーザーの選択操作に応じてCPU13に読み出されるとともに伸張され、YUVデータとしてSDRAM22に展開された後、液晶モニタ23に表示される。
フラッシュメモリ26には、CPU13に前記各部を制御させるための各種のプログラム、例えばAE、AF、AWB制御用のプログラムや、データ通信用プログラム、さらには、CPU13を本発明の選択手段、光学系制御手段、撮影指示検出手段、再動作制御手段等として機能させるためのプログラム等の各種のプログラムが格納されている。
また、デジタルカメラ10は、電源スイッチ、モード選択キー、シャッターキー、ズームキー、後述するピント枠を手動選択するためのピント枠選択キー等の複数の操作キー及びスイッチを含むキー入力部27、ニッケル水素電池等の充電可能なバッテリー28、このバッテリー28の電力を各部に供給するための電源制御回路29、及びこれらを制御するマイコン30を有している。マイコン30は、キー入力部27における前記操作キーの操作の有無を定常的にスキャンしており、ユーザーによっていずれかの操作キーが操作されると、その操作内容に応じた操作信号をCPU13へ送る。なお、シャッターキーは、半押しと全押しとが可能な所謂ハーフシャッター機能を有するものである。
また、このデジタルカメラ10は、前記ムービー録画モードにおいて、周囲音を記録する録音機能を備えており、CPU13には、音声処理回路を有する音声チップ32を介して、スピーカ(SP)33と、マイクロホン(MIC)34とが接続されている。音声チップ32は、ムービー録画モード時には、マイクロホン34から入力された音声波形を処理して、音声波形データをCPU13に入力する。そして、CPU13は、ムービー録画モードにおいて1回目と2回目のシャッターキー操作間に、音声チップ32から入力された音声波形データを圧縮し、この圧縮周囲音データと圧縮動画データとを含む音声付き動画ファイルを生成して外部メモリ25に記録する。この外部メモリ25に記録された音声付き動画ファイルは、PLAY・モードにおいて動画データが再生される際に、周囲音データが音声チップ32で音声波形に変換されてスピーカ33により再生される。
以上の構成に係るデジタルカメラ10は、図2(A)に示すように、レンズブロック11によってCCD18の受光面に結像され液晶モニタ23に表示される被写体像において、ピント枠[1]〜[5]で表される5ポイントのマルチAFを行うものである。したがって、電源オンの状態で静止画撮影モードが設定されかつマルチAFモードが設定されていると、CPU13の処理により、液晶モニタ23には同図に示したピント枠[1]〜[5]が所定の通常色(例えば緑)で表示される。
この状態において、CPU13は前記フラッシュメモリ26に格納されているプログラムに基づき、図3のフローチャートに示すような処理を実行する。スルー画撮影モードが設定されている撮影待機状態において、先ずスルー画像表示処理を開始し(ステップS101)、液晶モニタ23にスルー画像を表示させる。次に、シャッターキーが半押しされたか否かを判断し(ステップS102)、シャッターキーが半押しされるまで待機する。シャッターキーが半押しされたならば、前回のシャッターキーの解除から2秒以内であるか否かを判断する(ステップS103)。2秒以内でない場合には、ステップS104の処理を行うことなく、ステップS105に進みマルチAF処理を実行する。
すなわち、フォーカスレンズを近端(最短撮影距離)に位置させてピント枠[1]〜[5]毎に画像のAF評価値(コントラスト値)を検出する。引き続き、フォーカスレンズを遠端(∞)側に1ステップ移動させて、同様にピント枠[1]〜[5]毎に画像のAF評価値(コントラスト値)を検出する。以上の処理をフォーカスレンズの近端から遠端まで、本実施の形態においてはフォーカスレンズのステップ1から6までの各移動位置で行う。そして、これらピント枠[1]〜[5]の各ステップ1〜6の評価値をSDRAM22に記憶する。したがって、例えば図2(B)に示すような被写体が結像されて液晶モニタ23に表示されているとすると、SDRAM22には、同図(C)に示すようなピント枠[1]〜[5]毎の評価値がフォーカスレンズの移動ステップとの関係において記憶される。
次に、ピント枠選択表示・AF処理を実行する(ステップS106)。すなわち、ピント枠[1]〜[5]のいずれか、例えば被写体までの距離が最も短いピント枠、すなわちAF評価値のピーク値が最も近側にあるピント枠を選択し、この選択したピント枠を前記通常色(緑)とは異なる色に変化させる。また、この選択したピント枠内の画像が合焦するように、選択したピント枠においてピーク値が検出されたレンズ位置にフォーカスレンズを駆動する。したがって、図2に示した例の場合、レンズのステップ1付近がピークであるピント枠[4]が選択されて、異なる色に変化し、このピント枠[4]内の画像が合焦するように、フォーカスレンズが駆動される。
引き続き、ステップS107とS108のループを繰り返すことにより、シャッターキーが全押しされたか否か(ステップS107)、あるいはシャッターキーの半押し操作が解除されたか否かを判断する(ステップS108)。このとき、撮影者は前記液晶モニタ23で表示色が変化したピント枠と被写体との関係を確認し、ピントの位置がこのピント枠でよければ、つまり図2(B)に示した「花」にピントを合わせて撮影したのであれば、シャッターキーを全押しする。これにより、ステップS107の判断がYESとなり、このステップS107からステップS109に進んでキャプチャー処理に移行する。つまり、前述のようにCPU13は、シャッターキーの全押しをトリガとして、CCD18、垂直及び水平ドライバ19、ユニット回路20、及び画像処理部21に対してスルー画撮影モードから静止画撮影モードへの切り替えを指示し、この静止画撮影モードによる撮影処理により得られ、SDRAM22に一時記憶された画像データを圧縮して、最終的には所定のフォーマットの静止画ファイルとして外部メモリ25に記録する。
しかし、撮影者が意図するピント位置が他のピント枠内の被写体であった場合(例えば、「花」ではなく「人物」であった場合)には、一度シャッターキーの半押し操作を解除し、2秒以内に再度シャッターキーを半押しする。すると、ステップS108の判断がYESとなって、ステップS102に戻った後、該ステップS102の判断及びステップS103の判断が共にYESとなり、ステップS103からステップS104に進む。
そして、前回までの選択ピント枠、つまり前回までにステップS106で選択されたピント枠を削除し、液晶モニタ23から消去する(ステップS104)。また、この削除したピント枠を除く、残存したピント枠に対して、前記マルチAFを実行する(ステップS105)。したがって、前回ステップS105でマルチAFが実行された後、再度このステップS104でマルチAFが実行されるまでに、被写体に前後方向の変化があっても、再度マルチAFが実行されることにより、変化があった被写体に対して(残存した)ピント枠で合焦した画像を撮影することが可能となる。
また、ステップS106では、残存しているピント枠[1]〜[5]のいずれか、被写体までの距離が最も短いピント枠を選択し、この選択したピント枠を前記通常色(緑)とは異なる色に変化させ、以下前述と同様の処理を実行する。
なお、この実施の形態においては、前回のシャッターキーの半押し操作の解除から2秒以内にシャッターキーを半押しすると、ステップS103の判断がYESとなって、ステップS104の処理が実行されることから、全てのピント枠が削除されてしまう場合が生ずる。したがって、この場合にはステップS105で再度全てのピント枠についてマルチAFを行うとともに、液晶モニタ23にも全てのピント枠[1]〜[5]を表示する。
また、この実施の形態においては、ステップS104で前回までの選択ピント枠を削除するようにしたが、削除することなく全てのピント枠[1]〜[5]についてステップS105でマルチAFを行い、ステップS106で前回までとは異なる規準でのピント枠の選択、例えば1回目は最も近距離の被写体に対応するピント枠を選択し、2回目以降は順次遠距離の被写体に対応するピント枠を選択するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、シャッターキー半押し解除から2秒以内に再度シャッターキーが半押しされた場合に、前回までの選択ピント枠を削除しマルチAFを再度行うようにしたが、単に所定のキー操作に応答して、前回までの選択ピント枠を削除しマルチAFを再度行うようにしてもよい。また、マルチAF(ステップS105)を再度行うことなく、前述した従来技術と同様に予め行ったマルチAFによる情報に基づき、ピント枠を選択し直してAFを行うようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
図4及び図5は、本発明の第2の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。この実施の形態は、撮影に使用されたピント枠の使用回数をフラッシュメモリ26に記憶しておき、使用回数に基づきピント枠を自動選択するようにしたものである。すなわち、予めキー入力部27にてピント枠の手動選択モードが設定されている場合には、図4に示すフローチャートに示す処理を実行する。先ずスルー画像表示処理を開始し(ステップS201)、液晶モニタ23にスルー画像を表示させる。次に、このスルー画像が表示された液晶モニタ23に全てのピント枠[1]〜[5]を表示する(ステップS202)。そして、キー入力部27での操作によりいずれかのピント枠が選択されたか否かを判断し(ステップS203)、選択されるまで待機する。いずれかのピント枠が選択されたならば、選択されなかった非選択ピント枠を液晶モニタ23から消去して、選択されたピント枠のみを残存させる(ステップS204)。
次に、シャッターキーが半押しされたか否かを判断し(ステップS205)、シャッターキーが半押しされるまで待機する。シャッターキーが半押しされたならば、コントラストAF処理を実行して、表示されているピント枠内の画像が合焦するように、フォーカスレンズを駆動する(ステップS206)。引き続き、ステップS207とS208のループを繰り返すことにより、シャッターキーが全押しされたか否か(ステップS207)、あるいはシャッターキーの半押し操作が解除されたか否かを判断する(ステップS208)。このとき、撮影者は前記液晶モニタ23に唯一表示されているピント枠と被写体との関係を確認し、ピントの位置がこのピント枠でよければ、シャッターキーを全押しする。これにより、ステップS207の判断がYESとなり、フラッシュメモリ26において、シャッターキーが全押しされた際に選択されていたピント枠のカウント値をカウントアップさせる(ステップS209)。しかる後に、キャプチャー処理に移行する(ステップS210)。
なお、撮影者が意図するピント位置が他のピント枠内の被写体であった場合には、一度シャッターキーの半押し操作を解除する。すると、ステップS208の判断がYESとなって、ステップS202に戻る。
他方、予めキー入力部27にてマルチAFモードが設定されている場合には、図5に示すフローチャートに示す処理を実行する。すなわち、スルー画像表示処理を開始し(ステップS301)、液晶モニタ23にスルー画像を表示させる。次に、シャッターキーが半押しされたか否かを判断し(ステップS302)、シャッターキーが半押しされるまで待機する。シャッターキーが半押しされたならば、前回のシャッターキーの半押し操作の解除から2秒以内であるか否かを判断する(ステップS303)。2秒以内でない場合には、前記フラッシュメモリ26に記憶されているピント枠[1]〜[5]の各使用回数に基づき、所定の選択回数を超えたピント枠があるか否かを判断し(ステップS304)、ない場合には後述するステップS308に進む。
また、所定の使用回数を超えたピント枠がある場合には、その中で選択回数が最も多いピント枠を選択して、液晶モニタ23に表示する(ステップS305)。そして、表示されているピント枠内の画像が合焦するように、フォーカスレンズを駆動する(ステップS306)。引き続き、ステップS310とS311のループを繰り返すことにより、シャッターキーが全押しされたか否か(ステップS310)、あるいはシャッターキーの半押し操作が解除されたか否かを判断する(ステップS311)。このとき、撮影者は前記液晶モニタ23に表示されているピント枠と被写体との関係を確認し、ピントの位置がこのピント枠でよければ、シャッターキーを全押しする。これにより、ステップS310の判断がYESとなり、このステップS310からステップS312に進み、フラッシュメモリ26において、シャッターキーが全押しされた際に選択されていたピント枠のカウント値をカウントアップさせる(ステップS312)。しかる後に、キャプチャー処理に移行する(ステップS313)。
しかし、撮影者が意図するピント位置が他のピント枠内の被写体であった場合には、一度シャッターキーの半押し操作を解除し、2秒以内に再度シャッターキーを半押しする。すると、ステップS311の判断がYESとなって、ステップS302に戻った後、該ステップS302の判断及びステップS303の判断が共にYESとなり、ステップS303からステップS307に進む。
そして、前回までの選択ピント枠、つまり前回までにステップS305又は後述するステップS309で選択されたピント枠を削除し、削除したピント枠を除く残存のピント枠を液晶モニタ23に表示する(ステップS307)。また、この削除したピント枠を除く、残存したピント枠に対して、前記マルチAFを実行する(ステップS308)。また、ステップS309では、残存しているピント枠[1]〜[5]のいずれか、被写体までの距離が最も短いピント枠を選択し、この選択したピント枠を前記通常色(緑)とは異なる色に変化させ、この選択したピント枠内の画像が合焦するように、選択したピント枠においてピーク値が検出されたレンズ位置にフォーカスレンズを駆動し、以下前述と同様の処理を実行する。
なお、本実施の形態においては、フラッシュメモリ26に自動的に選択されたピント枠の使用回数と手動選択されたピント枠の使用回数とを識別することなくカウントして記憶するようにしたが、両者を個別にカウントして記憶し、いずれか一方のカウント値に基づき、ピント枠を自動選択するようにしてもよい。また、前記マルチAFにより自動的に選択されたピント枠の使用回数のみを記憶して、これに基づきピント枠を自動選択するようにしたり、あるいは手動選択されたピント枠の使用回数のみを記憶して、これに基づきピント枠を自動選択するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、ステップS304で所定回数を超えたピント枠があるか否かを判断した後、選択回数の最も多いピント枠を選択するようにしたが、前記判断を行うことなく、選択回数の最も多いピント枠を選択するようにしてもよい。また、この実施の形態においては、前述のように所定回数を超えたピント枠があるか否か、つまり選択回数の絶対値を判断するようにしたが、例えば最も選択回数の少ないピント枠と最も選択回数の多いピント枠との差が所定以上であるか否か等の、相対値を用いて判断を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、前述した実施の形態と同様に、ステップS309では、残存しているピント枠[1]〜[5]のいずれか、被写体までの距離が最も短いピント枠を選択するようにしたが、選択回数の多いピント枠を順次選択するようにしてもよい。
また、本実施の形態においても、シャッターキーの半押し解除から2秒以内に再度シャッターキーが半押しされた場合に、前回までの選択ピント枠を削除しマルチAFを再度行うようにしたが、単に所定のキー操作に応答して、前回までの選択ピント枠を削除しマルチAFを再度行うようにしてもよい。また、マルチAF(ステップS308)を再度行うことなく、前述した従来技術と同様に予め行ったマルチAFによる情報に基づき、ピント枠を選択し直してAFを行うようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、焦点検出エリアの選択履歴として、選択回数を記憶する場合を示したが、これに限ることなく、例えば選択日時とともに選択された焦点検出エリアを記憶しておき、最近の選択頻度に基づき焦点検出エリアを選択する等、選択履歴やその基準は如何なる構成であってもよい。
(第2の実施の形態の変形例)
図6は、本発明の第2の実施の形態の変形例における処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、ステップS405を除く他のステップS401〜S404、S406〜S414は、前述した図5に示すフローチャートのステップS301〜S313と同一である。そして、唯一異なるステップS405においては、フラッシュメモリ26に記憶されているピント枠[1]〜[5]の各使用回数に基づき、使用回数が最も少ないピント枠を削除し、削除したピント枠を除く残存のピント枠を液晶モニタ23に表示する。したがって、この変形例によれば、使用回数が所定回数を超えたピント枠がある場合(ステップS404;YES)には、その後ステップS409において、使用回数が最も少ないピント枠を除き、前述したマルチAFが実行されることとなる。しかし、使用回数が所定回数を超えたピント枠がない場合(ステップS405;NO)には、使用回数が最も少ないピント枠であっても除かれることなく、残存したピント枠に対して、前述したマルチAFが実行されることとなる。
なお、この変形例においては、最も使用回数が少ないピント枠を削除するようにしたが、最も使用回数が少ないものから複数番目までのピント枠を削除するようにしてもよい。
また、本実施の形態においても、シャッターキーの半押し解除から2秒以内に再度シャッターキーが半押しされた場合に、前回までの選択ピント枠を削除しマルチAFを再度行うようにしたが、単に所定のキー操作に応答して、前回までの選択ピント枠を削除しマルチAFを再度行うようにしてもよい。また、マルチAF(ステップS308)を再度行うことなく、前述した従来技術と同様に予め行ったマルチAFによる情報に基づき、ピント枠を選択し直してAFを行うようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。この実施の形態は、マルチAFを行った際の被写体画像とその後の被写体画像とを比較し、両者に閾値以上の変化があった場合にはその時点で再度マルチAFを行うようにしたものである。スルー画撮影モードが設定されている撮影待機状態において、先ずスルー画像表示処理を開始し(ステップS501)、液晶モニタ23にスルー画像を表示させる。次に、シャッターキーが半押しされたか否かを判断し(ステップS502)、シャッターキーが半押しされるまで待機する。シャッターキーが半押しされたならば、前回のシャッターキーの半押し操作の解除から2秒以内であるか否かを判断する(ステップS503)。2秒以内でない場合には、ステップS504〜S507の処理を行うことなく、ステップS506み、全てのピント枠を液晶モニタ23に表示させる。そして、液晶モニタ23に表示されているピント枠に対応してマルチAF処理を実行する。このとき、このマルチAFを行った際の被写体画像をSDRAM22に記憶する(ステップS509)。
次に、前述したピント枠選択表示・AF処理を実行し(ステップS510)、引き続き、ステップS511とS512のループを繰り返すことにより、シャッターキーが全押しされたか否か(ステップS511)、あるいはシャッターキーの半押し操作が解除されたか否かを判断する(ステップS512)。このとき、撮影者は前記液晶モニタ23で表示色が変化したピント枠と被写体との関係を確認し、ピントの位置がこのピント枠でよければ、シャッターキーを全押しする。これにより、ステップS511の判断がYESとなり、このステップS511からステップS513に進んでキャプチャー処理に移行する。 しかし、撮影者が意図するピント位置が他のピント枠内の被写体であった場合には、一度シャッターキーの半押し操作を解除し、2秒以内に再度シャッターキーを半押しする。すると、ステップS512の判断がYESとなって、ステップS502に戻った後、該ステップS502の判断及びステップS503の判断が共にYESとなり、ステップS503からステップS504に進む。
そして、前記S509でSDRAM22に記憶された被写体画像と、その後CCD18より取り込んだ現時点(シャッターキー半押し時点)の被写体画像とを比較し(ステップS504)、両者に所定の閾値以上の相違があるか否かを判断する(ステップS505)。両者に閾値以上の相違がなく、前記マルチAF時の被写体画像に対し現時点の被写体が閾値以上変化していなければ、前回までの選択ピント枠、つまり前回までにステップS510で選択されたピント枠を削除し、液晶モニタ23から消去する(ステップS507)。
しかし、被写体に閾値以上の変化が生じた場合には、ステップS505からステップS506に進み、全てのピント枠を液晶モニタ23に表示する。したがって、ステップS507の処理が既に実行されていて前回までのピント枠が削除されている場合であっても、この削除が取り消されて全てのピント枠が液晶モニタ23に表示される。したがって、この場合、ステップS508では、全てのピント枠に対応してマルチAFがなされ、前述したステップS509以降の処理が実行される。よって、被写体に左右上下方向の変化が生じた場合には、全てのピント枠を用いたマルチAF処理に変更されることにより、変化があった被写体に対し各ピント枠について再度焦点が検出されることとなる。
なお、本実施の形態においても、シャッターキーの半押し解除から2秒以内に再度シャッターキーが半押しされた場合、マルチAF(ステップS508)を再度行うようにしたが、マルチAFを再度行うことなく、前述した従来技術と同様に予め行ったマルチAFによる情報に基づき、ピント枠を選択し直してAF(ステップS510)を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、前回のシャッターキーの半押し解除から2秒以内であると判断された時点、つまりステップS503の判断がYESとなった時点で、画像比較(ステップS504)及び閾値以上の変化があるか否かの判断(ステップS505)を行うようにしたが、ステップS511とS512のループ中において、画像比較(ステップS504)及び閾値以上の変化があるか否かの判断(ステップS505)を行い、閾値以上の変化があった場合には、全ピント枠表示(ステップS506)を行って、マルチAF処理(ステップS508)を実行するようにしてもよい。