JP4665782B2 - ペン入力装置用表面材 - Google Patents
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Description
第1の発明のペン入力装置用表面材では、軟質樹脂層の厚さが5〜100μmに設定されて適度な弾力性が得られ、防眩層の厚さが0.2〜10μmに設定されて前記軟質樹脂層の弾力性が防眩層表面においても発現される。更に、軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜に対する防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜についてマルテンス硬度の比が0.1〜10に設定されているため、入力ペンによって防眩層及び軟質樹脂層が押圧されたときに両層の硬さのバランスにより適度なへこみが得られる。このため、入力ペンでの入力操作に際して良好な筆記感が発揮される。
第2の発明のペン入力装置用表面材では、前記軟質樹脂層のマルテンス硬度が0.5〜50N/mm2に設定されていることから、入力ペンの押圧によって適度なへこみの深さが得られ、良好なへこみ感が発揮される。しかも、弾性エネルギーが0.1〜20nJに設定されているため、前記へこみの復元が適度に行われる。従って、第1の発明の効果に加え、筆記感及び耐久性を一層向上させることができる。
ペン入力装置は、パネルの表面に鉛筆やボールペン等に似せたペン形状の器具を用いて描画する動作を行うことにより入力操作を行う装置であり、かつパネル及びペン形状の器具の少なくとも一方に電気や電磁波等による信号出力回路又は信号記録回路を持つ装置である。ペン入力装置として例えば、各種ディスプレイの前面に設けられるペン入力タッチパネル装置、ディスプレイの前面に設けられずにコンピューターに接続されて使用されるタブレット式ペン入力装置、電子ペーパー等が挙げられる。
まず、軟質樹脂層19は、自己修復性を有する層である。ここで、自己修復性とは、軟質であるためにペン入力操作などにより変形(へこみ)が発生するが、そのへこみが復元して元に戻る性質をいう。また、透明樹脂フィルムよりなる基材16上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布後、又は硬化性組成物の粘度が高過ぎる場合等には、希釈溶剤によって希釈された硬化性組成物(液体)を塗布してから溶剤を除去後、いずれも硬化させることにより形成される。この軟質樹脂層19は、ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜のマルテンス硬度が、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときの値として0.5〜50N/mm2であることが好ましく、1〜10N/mm2であることがより好ましい。この場合、ペン入力装置用表面材23は、適度なへこみの深さが得られる点で好ましい。マルテンス硬度(マルテンス硬さ)は、ビッカース圧子によりフィルム表面を押し込んだときの試験荷重と押し込み表面積から求められる塗膜の硬さを表し、物体表面の硬度の指標となる。マルテンス硬度が0.5N/mm2未満のときには、表面材23が柔らかく、へこみ過ぎる傾向を示す。逆に、50N/mm2を越えるときには、表面材23が硬く、へこみ難くなる傾向を示す。
−O−〔(CH2)j−O〕k− ・・・(1)
但し、j=2〜4及びk=2〜30である。
但し、p=10〜24である。
これら長鎖部分の繰り返し単位が、硬化性組成物(固形分)中に10〜70質量%含まれることが好ましく、20〜60質量%含まれることが更に好ましい。繰り返し単位は、化学式(1)の場合kが、2〜30個の連鎖であることが好ましく、2〜20個の連鎖であることが更に好ましい。化学式(1)における繰り返し数jは、2〜4個であることが好ましい。化学式(2)の場合mが、1〜15個の連鎖であることが好ましく、1〜10個の連鎖であることが更に好ましい。化学式(2)における繰り返し数nは、3〜12個であることが好ましく、3〜8個であることが更に好ましい。化学式(3)の場合、炭素数pは10〜24個であることが好ましく、12〜20個であることが更に好ましい。
・ 本実施形態のペン入力装置用表面材23では、軟質樹脂層19のもつ自己修復性とその厚さの設定によって適度な弾力性が得られ、防眩層25の厚さの設定によって軟質樹脂層19の弾力性が防眩層25表面においても発現される。更に、前記マルテンス硬度の比が0.1〜10に設定されているため、入力ペン21によって防眩層25及び軟質樹脂層19が押圧されたときに両層の硬さのバランスにより適度なへこみが得られ、入力ペン21での入力操作に際して良好な筆記感が発揮される。
(1)マルテンス硬度、弾性エネルギー及びマルテンス硬度比
ガラス板上に硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜についてのマルテンス硬度及び弾性エネルギーを超微小硬さ試験装置〔(株)フィッシャー・インストルメンツ社製、商品名:フィッシャースコープH−100〕を用いて20℃、50%相対湿度の雰囲気下で、最大荷重2mN、第1クリープ:5秒、第2クリープ:5秒の条件で測定した。
(2)中心線平均粗さ(Ra)
JIS B0601−1982に従い、カットオフ値0.8mm、縦倍率20000倍として表面粗さ測定機〔(株)小坂研究所社製、商品名:サーフコーダ ET4000AK〕を用い、ペン入力装置用表面材23の防眩層25における中心線平均粗さ(Ra、単位:μm)を測定した。
(3)全光線透過率及びヘイズ値
直読ヘイズメーター〔(株)東洋精機製作所社製、商品名:直読ヘイズメーター(No.206)〕を使用し、光学特性としての全光線透過率(%)及びヘイズ値(%)を測定した。
(4)写り込み性及びギラツキ性
ペン入力装置用表面材23をタッチパネル付液晶ディスプレイの前面部に貼り合わせたペン入力装置10を用いて、目視にて写り込み性及び視認性の評価を行った。写り込みは、ペン入力装置10上3mの高さにある蛍光灯の像の写り込み度合いを評価した。蛍光灯の像がぼやけて見える方が写り込み性の効果が高く、視認性が良好である。そして、蛍光灯の像がぼやけて見える場合を○、蛍光灯の像がはっきりと見える場合を×、その間程度に見える場合を△とした。また、ギラツキ性は、液晶ディスプレイに画像を表示させた状態で、液晶ディスプレイ上50cmの高さにて見る角度を変化させながら目視することにより評価を行った。そして、画像が鮮明に見える場合を○、画像がギラギラとちらついて見える場合を×、その間程度に見える場合を△とした。
(5)総視認性
総視認性には、全光線透過率とヘイズ値だけではなく、写り込み性やギラツキ性及びペン入力時のへこみ残りによる視認性阻害も考慮して、次の3段階の基準で目視にて評価した。
(6)耐久性
消しゴム磨耗試験機〔(株)本光製作所製〕の先端にペーパークロス〔東レ(株)製、商品名:トレシー〕を取り付け、300gの荷重をかけて、1000往復摩擦したときの表面状態を、目視により次の基準にて評価した。
(7)へこみ復元時間(復元性)
20℃、50%相対湿度の雰囲気下で、入力ペン21を用いて防眩層25の表面を荷重200g、10cm/秒の速度で移動させたときに発生する機能層のへこみが復元する時間を目視で評価した。移動させた入力ペン21のペン先を表面材23の表面から離したときから表面材23の表面に発生したへこみが復元するまでの時間を評価した。
(8)静摩擦係数及び動摩擦係数
20℃、50%相対湿度の雰囲気下に入力ペン21〔パーム(palm)社製、商品名:スタイラス〕を用いてペン入力装置用表面材23の防眩層25上を荷重200g、速度10cm/秒で移動させたときにおける動摩擦係数(μs、単位なし)及び静摩擦係数(μk、単位なし)を表面性試験機器〔新東科学(株)社製、商品名:トライボギア、TYPE:14DR〕により測定した。
(9)へこみ感及びすべり感
入力ペン21を用いて防眩層25上を筆記した際におけるへこみ感とすべり感の2つの観点で10人が評価した。10人中6人が良好と判断した場合を○、10人中3〜5人が良好と判断した場合を△及び10人中2人以下が良好と判断した場合を×として評価した。
(実施例1)
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネートD−170N〕20.5部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA5、カプロラクトン単位の繰り返し数=5〕79.5部から形成されたウレタンアクリレート90部と、2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、商品名:HPA〕6.8部と、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」、以下イルガキュアと略す〕3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−381」〕0.2部と、メチルエチルケトン100部とを混合した軟質樹脂層形成用硬化性組成物を調製した。この軟質樹脂層形成用硬化性組成物の固形分中における長鎖部分の繰り返し単位の含有量は、60質量%であった。
(実施例2)
ヘキサメチレンジイソシアネート〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネート700〕2.1部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA10L、カプロラクトン単位の繰り返し数=10〕97.9部から形成されたウレタンアクリレート90部と、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート〔東亞合成(株)製、商品名:M−5400〕6.8部と、イルガキュア3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−381」〕0.2部と、メチルエチルケトン100部とを混合した軟質樹脂層形成用硬化性組成物を調製した。この軟質樹脂層形成用硬化性組成物の固形分中における長鎖部分の繰り返し単位の含有量は、24質量%であった。
(実施例3)
実施例1と同様に作成した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が5μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm2)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。
(実施例4)
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネートD−170N〕20.5部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA5、カプロラクトン単位の繰り返し数=5〕79.5部から形成されたウレタンアクリレート90部と、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート〔東亞合成(株)製、商品名:M−5400〕6.8部と、イルガキュア3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−381」〕0.2部と、メチルエチルケトン100部とを混合した軟質樹脂層形成用硬化性組成物を調製した。
(実施例5)
実施例1と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が100μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm2)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。次いで、実施例1と同様にして防眩層25を形成し、ペン入力装置用表面材23及びペン入力装置10を作製した。その評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様にして軟質樹脂層19を形成した。続いて、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネートD−170N〕20.5部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA5、カプロラクトン単位の繰り返し数=5〕79.5部から形成されたウレタンアクリレート9部と、2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、商品名:HPA〕0.68部と、イルガキュア0.3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−306」〕0.4部と、平均粒子径6μmの架橋アクリル樹脂粒子〔根上工業(株)製、商品名:アートパールC−800透明〕0.1部と、メチルエチルケトン115部とを混合した防眩層形成用硬化性組成物を調製した。
(実施例7)
実施例2と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が40μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm2)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。
(比較例1)
実施例1と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が200μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm2)し、硬化させて軟質樹脂層を形成した。
(比較例2)
実施例1と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が40μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm2)し、硬化させて軟質樹脂層を形成した。
(比較例3)
実施例1と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が40μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm2)し、硬化させて軟質樹脂層を形成した。
(比較例4)
厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100部と、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(光重合開始剤)3部と、平均粒子径3μmのアクリル系樹脂粒子3質量%と、シリコーン系撥水撥油剤0.4部とを含有する樹脂液を塗布し、紫外線照射により硬化させ、厚さ6μmの硬質樹脂層を形成した。このポリエチレンテレフタレートフィルムの反対面にアクリル系粘着剤を溶液状で塗工、乾燥することによりペン入力装置用表面材を作製した。この表面材を用い、実施例1と同様にしてペン入力装置を作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例5)
ポリエチレングリコール(#1000)ジアクリレート60質量部と、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート10質量部と、ラウリルアクリレート30質量部と、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート5質量部とからなる混合液に平均粒子径10μmのアクリル系微粒子を3質量部添加後、十分に攪拌して樹脂液を調製した。
・ 基材16を構成する透明樹脂の原料としてカルボキシル基と水酸基の少なくとも一方を有する単量体を用い、透明樹脂にカルボキシル基又は水酸基をもたせて軟質樹脂層19との密着性を向上させるように構成することもできる。
・ 防眩層25又は軟質樹脂層19を形成する硬化性組成物に、熱可塑性エラストマー等の弾性材料を配合し、防眩層25又は軟質樹脂層19の復元性を向上させるように構成することもできる。
(1) 前記軟質樹脂層の厚さは、防眩層の厚さより厚く形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、ペン入力装置用表面材の弾力性を保持することができ、筆記感を向上させることができる。
但し、j=2〜4及びk=2〜30である。
但し、p=10〜24である。
(6) 前記軟質樹脂層又は防眩層は、カルボキシル基及び水酸基の少なくとも一方を有する化合物を0.01〜30質量%含有する硬化性組成物を塗布、硬化して形成されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。この場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、基材に対する軟質樹脂層の密着性又は軟質樹脂層に対する防眩層の密着性を向上させることができる。
Claims (3)
- 樹脂フィルムよりなる基材上に自己修復性を有する軟質樹脂層を設け、その上に防眩層を設けたペン入力装置用表面材であって、
前記軟質樹脂層の厚さは5〜100μm及び防眩層の厚さは0.2〜10μmであると共に、ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜とそれと同一条件で形成した防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜を、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度の比(軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜に対する防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜の比)が0.1〜10であり、かつヘイズ値が0.5〜40%であることを特徴とするペン入力装置用表面材。 - ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜を、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度が0.5〜50N/mm2であり、かつ弾性エネルギーが0.1〜20nJであることを特徴とする請求項1に記載のペン入力装置用表面材。
- 前記防眩層の表面における中心線平均粗さが0.01〜1μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペン入力装置用表面材。
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