JP4667665B2 - プラズマ式灰溶融炉およびその運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ごみ等の焼却灰を溶融処理してスラグ化した焼却灰を、資源化若しくは減量化するプラズマ式の灰溶融炉において、溶融効率を向上することができるプラズマ式灰溶融炉およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
灰溶融炉は、ごみ焼却灰の有効利用を図るためのものであり、灰溶融炉により溶融した焼却灰は、低沸点の揮散物や、金属類及びその他成分のスラグに分け、無害化するとともに、そのリサイクルを図っている。こうした焼却灰の溶融炉のニーズが増加してきている。これらの灰溶融炉には、焼却灰の溶融のために重油等を燃料にするバーナ式灰溶融炉や、電気抵抗式灰溶融炉及びプラズマ式灰溶融炉等のように電気を熱源として灰を溶融するものが知られている。
【0003】
図4は、それらの灰溶融炉のうち従来のプラズマアーク式灰溶融炉1を示し、灰溶融炉1には、溶融炉本体2の周壁14に囲まれた炉室3を設けている。灰溶融炉1には、主電極4、炉底電極5及び直流電源6等を備えたプラズマ装置が設けられ、主電極4は、溶融炉本体2の天井壁7を貫通して垂下されるとともに、昇降装置8に支持されることにより炉室3内を上下動できるように構成されている。炉底電極5は、主電極4の直下の炉底壁9に炉底電極5を設置し、これらの電極4,5間に、プラズマ発生用の直流電源6を接続している。溶融炉本体2は、外壁を鉄皮10で覆い、内壁11はレンガ等の耐火材で形成し、溶融炉本体2の周壁14には、焼却灰12の投入口13が配設され、投入口13に対向する周壁14には、溶融スラグ16の排出口である出滓口17が配設され、出滓口17には出滓樋18が接続されている。
【0004】
このような構成により、灰溶融炉1の炉室3には、焼却灰の投入口13から炉底壁9上に焼却灰12が投入され、灰溶融炉1の炉室3を還元雰囲気にした状態で、直流電源6により電圧を電極4,5間に印加する。すると、該電極4,5間にプラズマアークが発生し、焼却灰12は加熱されて溶融してスラグ16となり、焼却灰中に含まれているメタル成分が溶融して溶融メタル19となり炉底に沈む。溶融スラグ16が炉底に溜まり出滓口17の高さに達すると、スラグ16が出滓口17から溢れでて出滓樋18を通って、図示しないモールドに供給され、スラグ16は次工程で冷却処理される。他方、溶融メタル19は、図示のように溶融炉本体2が傾倒式のものであれば、シリンダ25を駆動させて支軸26を回転軸として溶融炉本体2を傾倒させて、出滓口17から溶融メタル19を炉外に排出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプラズマ式灰溶融炉1では、処理量を大きくするために炉室3の内径を拡大するような場合は、炉室3の出滓口17付近の内壁11の温度が焼却灰12の融点以下の温度となり、図5に示すように未溶融焼却灰12aがスラグ16面上に浮いて、そのまま出滓口17から出滓樋18を通って、炉室3の外に排出されてしまう。未溶融焼却灰12aには、有害な金属が含まれていることもあり、スラグの品質の確保からも完全に溶融してから炉室3外に排出する必要がある。かかる場合に、プラズマ電極4,5の出力を大きなものにすることも考えられるが、電気消費量が大きくなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、灰溶融炉の灰処理量を大きくするために炉室の径を大きくする場合に、溶融効率を向上することができるプラズマ式灰溶融炉を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ式灰溶融炉は、上記目的を達成するために、焼却灰が投入される炉本体と、該炉本体の炉室内の中心部に配設される主電極と、炉本体の炉底壁に配設される炉底電極と、前記炉本体の周壁部に配設された出滓口と、を備え、上記主電極と炉底電極との間に電圧を印加してプラズマアークを発生させ、焼却灰を加熱溶融してスラグ化し、溶融スラグとして前記出滓口から炉室外に排出するように構成されたプラズマ式灰溶融炉において、上記主電極と出滓口とを結ぶほぼ直線上にあって、該直線の中間点または該中間点よりも出滓口寄りの炉室内に、溶融スラグ表面を加熱するための炉室内補助電極が配設されており、前記炉室内補助電極は、前記炉底電極との間に電圧を印加してプラズマアークを発生させ、前記主電極と共に焼却灰を加熱溶融してスラグ化すべく運転可能であるとともに、前記主電極とは別に電力を調整可能である。なお、ほぼ直線上とは、その直線上と、多少のずれがある範囲を含み、多少のずれとは、本発明の効果が発揮されうる範囲である。
【0007】
また、本発明は、上記プラズマ式灰溶融炉の運転方法として、前記主電極と前記炉底電極との間、および、前記炉室内補助電極と前記炉底電極との間に、それぞれ、電圧を印加してプラズマアークを発生させ、焼却灰を加熱溶融してスラグ化するに際して、前記炉本体の炉壁に設けた赤外線透過窓を通じて前記出滓口を赤外線カメラで監視し、前記赤外線カメラに未溶融焼却灰の存在が観測されない通常運転状態では、前記炉室内補助電極の電力を小さく設定しておき、前記赤外線カメラに未溶融焼却灰の存在が観測された場合には、前記炉室内補助電極の電力を大きくする運転方法を採用したことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるプラズマ式灰溶融炉について図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同一名称の部材については同一の符号を付して説明する。図1は、本発明に係るプラズマアーク式灰溶融炉1を示し、この灰溶融炉1は、周壁14に囲まれた炉室3を設け、周壁14は耐熱レンガ等の耐熱材により形成されている。また、灰溶融炉1には、炉室3側に配設される主電極4、炉室3の炉底壁9に配設される炉底電極5が設けられ、これらのプラズマ電極4,5は水平断面が円形である炉室3の中心軸上に配置されている。
【0009】
一方の主電極4は、溶融炉本体2の天井壁7を貫通し、かつ垂下されて配設されるとともに、昇降装置8に支持されることにより炉室3内を上下動できるように構成されている。主電極4は、金属または黒鉛製であり、内部にプラズマ用ガスを発生させる通路を形成した円筒形状のものを用いている。他方の炉底電極5は、主電極4の直下に配設され、その先端部と対向して設置されている。これらのプラズマ電極4,5間には、プラズマ発生用の直流電源6が接続されている。直流電源6は、炉底電極5側に+を接続し、主電極4側に−を接続している。溶融炉本体2の下壁部には、溶融スラグ16の排出口である出滓口17が配設され、出滓口17には、出滓樋18が接続されている。この出滓口17及び出滓樋18は、耐火材で形成されている。
【0010】
灰溶融炉本体2の天井壁7には、主電極4とは別に炉室内電極である補助電極20が配設されている。円筒状の補助電極20は、天井壁7から炉室3内に垂下され、昇降装置21により上下動が可能である。図2に示すように、補助電極20の配置場所は、本実施の形態では、補助電極20の軸心Aが主電極4の軸心Oと出滓口17の開口の幅方向に対する中心Bとを結ぶ線上に配置され、かつ主電極4と出滓口17の開口の中間部(OC=CB=L)C若しくはその中間部Cよりも出滓口17側に近い位置(CB間)に配置している。また、主電極4と補助電極20は同じ径のものを用いることができ、こうすると電極の継ぎ足し用装置の共通化を図ることができ便利である。ただし、主電極4と補助電極20は、必ずしも共通化を図ることなく例えば補助電極20の径を細くすると、炉室内空間が広くなる利点がある。
【0011】
溶融炉本体2の壁部には出滓口17の溶融スラグ16の流れを観察できる位置に覗き窓22が設けられ、覗き窓22の近傍には、赤外線カメラ23が配設されている。この赤外線カメラ23は、出滓口17の未溶融焼却灰12aを観察するものであるので、出滓口17の手前側(上流側)の溶融スラグ16の流れや出滓樋18における溶融スラグ16の流れを観察できる部位に設けてもよい。赤外線カメラ23により撮影された映像は、それに接続されているモニターを介して観察することができる。溶融炉本体2の周壁14には、焼却灰12を炉室3に投入する投入口13が設けられ、投入口13は図示しない灰供給用のホッパに連絡している。なお、この灰溶融炉1には、その他、図示されていないプラズマ制御する制御装置や周壁14部を冷却する冷却装置等の設備が多数配設されているが、それらの詳細な説明は省略する。
【0012】
次に、本発明のプラズマ灰溶融炉における実施の形態の作用について説明する。図1に示すように、灰溶融炉1の炉室3には、焼却灰12の投入口13から炉底壁上に焼却灰12が投入され、灰溶融炉1の炉室3を還元雰囲気にした状態で、直流電源6により電圧を炉室内側電極4,20と炉底電極5との間に印加する。この際、補助電極20の出力量は、小さめにしておく。このようにして、これらの電極間にプラズマアークが発生し、炉室3内が1000℃以上の雰囲気となり、焼却灰12が加熱されて溶融して溶融スラグ16となり、焼却灰12中に含まれているメタル成分もまた溶融して溶融メタル19となり炉底に沈む。その上澄みの溶融スラグ16が炉底に溜まり出滓口17の高さに達すると、スラグ16が出滓口17から溢れでて出滓樋18を通って、炉室外に排出される。主電極4及び補助電極20は、灰溶融炉1の稼働中に消耗するので、それら電極4,20の先端部が溶融スラグ16面から所定の高さに位置するように、各々の昇降装置8,21を使用して、その消耗分だけ高さ調整する。
【0013】
この灰溶融炉1の運転中では、図1に示す赤外線カメラ23が、出滓口17近傍を撮影している。赤外線カメラ23は出滓口17での溶融スラグ16の流れを撮影するものであり、未溶融焼却灰12aが炉室外に流出するか否かを観察することができる。その一方、溶融炉本体2が処理量を大きくするために炉室3の径が大きく設計されているような場合は、炉室3の中心側は高温状態が維持されるが、内壁11側に位置する壁面近傍の未溶融焼却灰12aが融点以下の温度となり、未溶融焼却灰12aが出滓口17から流出されることがある。このような場合は、赤外線カメラ23により未溶融焼却灰12aの存在を監視し、それが出滓口17から流出する前に、補助電極側20,5の電力量を大きくする。これにより、出滓口17付近の内壁11に位置する未溶融焼却灰12aの温度が高くなり、未溶融焼却灰12を溶融させてその排出を未然に防ぐことができる。未溶融焼却灰12aが流出するおそれがなくなった場合は、補助電極20の出力量を小さく調整する。なお、灰溶融炉1の運転方法としては、溶融スラグ16の出滓状況を観察しながら、主電極4及び補助電極20の出力量を交互に大きくしたり、小さく調整してもよい。さらには、主電極4及び補助電極20の両者の出力を同時に大きくしたり、小さくしてもよい。こうしたいずれの運転方法であっても、未溶融焼却灰12aの炉室3外の流出を防止することができる。
【0014】
図3は、プラズマ式灰溶融炉1の別の運転方法を示す図である。溶融炉本体2の稼働中に一方の主電極4の先端部を溶融スラグ16層に挿入し、他方の補助電極20を溶融スラグ16面上から所定の間隔を開けて、灰溶融炉本体1を稼働する。すると、炉室3の中心部に配設されている主電極4が溶融スラグ16層を拡散するように攪拌効果を発揮し、溶融スラグ16の温度の均一化を図ることができる。他方、補助電極20は溶融スラグ16の表面の温度を高くして未溶融焼却灰12aを溶融する。
【0015】
以上説明したように、本実施の形態では、一方の電極が主電極4と補助電極20とから構成されているので、未溶融焼却灰12aが炉室3の外へ流出するような場合は、補助電極20の出力を大きくして未溶融焼却灰12aを溶融することができる。また、赤外線カメラ23で炉室3内の出滓口17の上流側近傍を観察したような場合は、未溶融焼却灰12aの存在を予め知ることができ、出滓口17から未溶融焼却灰12aが流出するのを即座に防止することができる。
【0016】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように本発明のプラズマ式灰溶融炉によれば、焼却灰が投入される炉本体と、該炉本体の炉室内の中心部に配設される主電極と、炉本体の炉底壁に配設される炉底電極と、上記主電極及び炉底電極により加熱された焼却灰が溶融してスラグ化した溶融スラグを炉室外に排出する出滓口とを備えたプラズマ式灰溶融炉において、上記主電極と出滓口とを結ぶほぼ直線上にあって、該直線の中間点または該中間点よりも出滓口寄りの炉室内に、溶融スラグ表面を加熱するための炉室内補助電極が配設されているので、炉室内補助電極の電力を調整することにより未溶融の焼却灰を出滓口からの流出を抑制することができるようになる。
【0018】
また、上記プラズマ式灰溶融炉の運転方法として、前記炉本体の炉壁に設けた赤外線透過窓を通じて前記出滓口を赤外線カメラで監視し、前記赤外線カメラに未溶融焼却灰の存在が観測されない通常運転状態では、前記炉室内補助電極の電力を小さく設定しておき、前記赤外線カメラに未溶融焼却灰の存在が観測された場合には、前記炉室内補助電極の電力を大きくして未溶融焼却灰を溶融させる運転方法を採用したので、未溶融焼却灰の炉室外への流出を未然防止することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマアーク式灰溶融炉の概略縦断面図である。
【図2】図1のプラズマ式灰溶融炉の概略横断面図である。
【図3】図1のプラズマアーク式灰溶融炉の主電極の先端部を溶融スラグ内に挿入させた状態を示す概略断面図である。
【図4】従来のプラズマアーク式灰溶融炉の概略縦断面図である。
【図5】従来のプラズマアーク式灰溶融炉の概略横断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマアーク式灰溶融炉
2 溶融炉本体
3 炉室
4 主電極
5 炉底電極
6 直流電源
7 天井壁
8,21 昇降装置
10 鉄皮
11 内壁
12,12a 焼却灰
13 投入口
14 周壁
16 溶融スラグ
17 出滓口
18 出滓樋
19 溶融メタル
20 補助電極
22 覗き窓
23 赤外線カメラ
Claims (2)
- 焼却灰が投入される炉本体と、該炉本体の炉室内の中心部に配設される主電極と、炉本体の炉底壁に配設される炉底電極と、前記炉本体の周壁部に配設された出滓口と、を備え、上記主電極と炉底電極との間に電圧を印加してプラズマアークを発生させ、焼却灰を加熱溶融してスラグ化し、溶融スラグとして前記出滓口から炉室外に排出するように構成されたプラズマ式灰溶融炉において、上記主電極と出滓口とを結ぶほぼ直線上にあって、該直線の中間点または該中間点よりも出滓口寄りの炉室内に、溶融スラグ表面を加熱するための炉室内補助電極が配設されており、前記炉室内補助電極は、前記炉底電極との間に電圧を印加してプラズマアークを発生させ、前記主電極と共に焼却灰を加熱溶融してスラグ化すべく運転可能であるとともに、前記主電極とは別に電力を調整可能であることを特徴とするプラズマ式灰溶融炉。
- 請求項1に記載のプラズマ式灰溶融炉の運転方法であって、前記主電極と前記炉底電極との間、および、前記炉室内補助電極と前記炉底電極との間に、それぞれ、電圧を印加してプラズマアークを発生させ、焼却灰を加熱溶融してスラグ化するに際して、前記炉本体の炉壁に設けた赤外線透過窓を通じて前記出滓口を赤外線カメラで監視し、前記赤外線カメラに未溶融焼却灰の存在が観測されない通常運転状態では、前記炉室内補助電極の電力を小さく設定しておき、前記赤外線カメラに未溶融焼却灰の存在が観測された場合には、前記炉室内補助電極の電力を大きくすることを特徴とするプラズマ式灰溶融炉の運転方法。
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