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JP4669767B2 - センサ及びこれを使用した装置 - Google Patents
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本発明は、液中に浸漬された状態で所定振動数の信号を発振する発振子を備えたセンサ及びこれを利用して液中の物質の量を計測する装置に関する。
発振子を、基板に設けることにより構成されるセンサについての提案が、特許文献1になされている。
この文献では、センサが浸漬される溶液の温度変化に伴う発振挙動の不安定さを問題として、圧電板の裏面とプラスチック製の被覆材とによって形成される空間内に気体を保持して、裏側の電極が溶液に接触して表面の電極と短絡することを防止し、更に、被覆材に開口を設け、裏面の電極が面する空間に開口を連通させることにより、空間内の気圧を一定に保持し、比較的短時間で発振子の発振振動数を安定させることが提案されている。
一方、特許文献2には、圧電板の裏面とポリアクリル製の被覆材とによって形成される空間内を大気圧に保つために、空間にニードルをエポキシ樹脂で固定した振動子が開示されている。
しかしながら、特許文献1において提案されたセンサでは、長時間溶液中に浸漬して放置したり、或いは、界面活性剤を含む溶液中に浸漬したりした場合には、開口も溶液中に浸漬されるので、被覆材に設けられた開口から溶液が浸入して、測定誤差や短絡が生じるという問題があった。
また、特許文献2において提案されているセンサの構成では、複数の部材を使用するために製造工程が複雑であり、製造されるセンサ間の特性にばらつきが生じるという問題があった。
国際公開WO02/061396号パンフレット 特開平8−338798号公報
そこで、本発明は、圧電板の裏側の空間に溶液が浸入することなく、空間の気圧を速やかにセンサ外の気圧とすることができ、また、センサ間の特性を均一にすることを目的とする。また、測定装置への取り付けが容易なセンサを提供することを目的とする。また、これを使用した装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、基板中に貫通孔を設けることにより、上記課題を解決することができるという知見に基づき、下記の通り解決手段を見いだした。
即ち、本発明のセンサは、請求項1に記載の通り、基板の一端側に、圧電板の両面に設けられた電極のうちの一方の電極が空間を介して被覆されるようにして固定し、前記基板の他端側の端面に通気口を設けて、前記通気口から前記空間まで貫通させ、前記基板の端面に凹部を設けるとともに前記凹部内に前記通気口を設けて前記基板を測定装置に接続するための取付面として構成したことを特徴とする。
また、請求項2に記載のセンサは、請求項1に記載のセンサにおいて、前記取付面は、外部電源に接続するための接続端子を備えたことを特徴とする
また、請求項3に記載のセンサは、請求項1又は2に記載のセンサにおいて、前記基板は、無機材料から構成されることを特徴とする。
また、本発明の測定装置は、請求項4に記載の通り、請求項1乃至3の何れかに記載のセンサの前記取付面を上側にして装着可能な取付部を備え、前記取付部と、前記基板の端面に設けられた前記凹部との間に空間を存して取り付けられることを特徴とする。
本発明によれば、圧電板の背面の気体を、基板の圧電板とは反対側の端面から排出することができる構造を、簡素な構造により得られるのでセンサ間の特性を均一なものとすることができる。
また、基板の端面に凹部を設け、前記凹部内に通気口を設けて、前記空間に連通させるようにした場合は、センサを測定装置のソケット等に挿入するための位置決めとしても兼用することができる。
また、基板を、無機材料により構成した場合、水溶液及び有機溶媒を使用した溶液の何れにも使用することができる。
また、本発明の測定装置は、センサの通気口が上側となるように装着できるので、圧電板の裏側に形成される空間内の気体は、温度変化に伴って速やかに移動することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。尚、本発明は、本実施の形態により限定されるものではない。
本実施の形態のセンサは、図1に示されるように、基板1の一端側に、発振子2を設けている。前記発振子2は、円形状に形成された圧電板3とその両面の略中央部に同じく円形状に形成された電極4,5とを備えている。各電極4,5からは、互いに反対方向となるように、圧電板3の外周方向に向かってリード線6,7が設けられており、リード線6,7の外周側の端部には円弧状に形成された接続端子8,9が形成されている。尚、図示されるように、圧電板3の表側のリード線6は裏側まで回り込み、接続端子8が圧電板3の裏側に配置される。
また、圧電板3の裏側の電極5は、所定の空間10を存して基板1に固定されている。詳細には、図3において、図1のB−B断面を示すように、基板1の一端側の端部に、圧電板3をはめ込むことができる程度の円形状の凹部11が設けられており、この凹部11の内周面は階段状に形成されて、圧電板3の裏側の電極5が基板1に接触しないようになっている。
前記凹部11の内周面の階段の平坦部12にも接続端子13,14が設けられ、圧電板3に設けられた接続端子8,9は、導電性接着剤15により接着されることになる。導電性接着剤15としては、必要とされる導電性と接着性を備えるものであれば制限はなく、例えば、銀分散エポキシ樹脂等を使用することができる。
尚、基板1の接続端子13,14は、図1に示されるように、基板1内部に設けられた配線16を介して、基板1の他端側にまで延びており、他端側において、外部電源に接続されることになる。
本発明では、圧電板3の裏側の空間10は、図2において、図1のA−A断面を示すように、圧電板3と反対側の端面に設けられた通気口20に連通される。
この通気路の形成方法としては、切削する方法等があるが、特に制限するものではないが、1又は複数の板材に通気路となる溝を形成して、これらを貼り合わせるようにすることもできる。
この通気路の内径は、特に制限はないが、0.3mm〜3.0mmの範囲とすることができる。基板1を構成する材料がセラミックである場合には、焼結時の割れの発生率を少なくし、圧力変化に対して良好な追随性を得るために、1mm〜2mmの範囲とすることが好ましい。また、通気路の断面形状についても特に制限はないが、例えば、矩形状、円形状等とすることができる。
また、通気路の本数についても、特に制限はなく、通気口20を複数設けて複数本の通気路を形成してもよい。
上記説明したセンサ30は、図1に示すように、圧電板3とは反対側の端面において、凹部21を形成し、この凹部21内に通気口20を設けて、空間10に連通させることが好ましい。センサ30を取り付ける位置を、この凹部21により確認できるからである。尚、取り付け後は、この凹部21と取付部との間のわずかな空間から通気性が確保することができる。
尚、この凹部の形状については、特に制限するものではないが、図示したように、切り欠き溝とすることが好ましい。また、切り欠き溝とした場合、その断面形状については、特に制限はないが、例えば、断面が、方形状、三角形状等とすることができる。
上記説明した基板1は、圧電板3が設けられる側から他端側に向けて延出した形状、即ち、細長片として形成する。具体的な例を挙げると、長さ10〜80mm、幅3〜50mm、厚さ1〜15mmの範囲で形成することができる。
また、基板1は、寸法変化率10%以下の材料により構成することが好ましい。
寸法変化率が10%を超える材料を使用した場合、導電性ペーストの接着面に剥離が生じ発振が停止したり、寸法差により圧電板3にストレスがかかり測定値が安定しない、或いは、安定するまでに時間がかかるという事態が生じたり、環境の変化のような外乱に対する応答量が異なりノイズレベルの違いが生じ、同じ測定変化量に対しても、S/N比の違いによる検出限界差となって影響してしまうといった問題があるためである。
基板1を構成する材料としては、無機材料とすることが好ましい。また、単一の部材であっても、単一の部材に対して溶液が浸透したりすることがないように無機材料のコーティングが施されたものであってもよい。具体的な例を挙げると、ガラス、セラミック、金属、カーボン、水晶等の無機材料であることが好ましく、これらの中でも、型成型により良好な寸法精度が得られるという理由から、セラミックであることが好ましい。無機材料により基板1を構成することにより、センサーを組み立てる際や測定に使用する際などに、形状が不安定であったり、寸法が個々のセンサーでばらついてしまうような事が生じにくく、センサー間の測定値再現性が良好となるからである。また、従来は、シリコーン樹脂等の柔軟な材料を使用しないと、早期に発振周波数を安定させることができないとされていたが、セラミック等の無機材料であっても早期に発振周波数を安定させることを発見したためである。
尚、本明細書において、寸法変化率は、以下のように定義される。
基板1を構成する材料からなる試験片(縦辺1cm、横辺1cm、厚さ5mm)を、温度25±0.1℃、常圧に設定された恒温槽内に24時間放置して、精密測長機により、縦辺と横辺の長さを測定して、これらを、それぞれ、a,bとする。
そして、常圧下において、対象となる溶液中に前記試験片を浸漬して、3時間後に取り出し、上記と同様に、縦辺と横辺の長さを測定し、これらを、それぞれ、a',b'とする。尚、溶液への浸漬に際しては、常温常圧下で、溶液の温度を25℃±0.1℃に設定する。
そして、下記式により、当該試験片の寸法変化率を算出する。合計5個の試験片に対して寸法変化率を得、その平均値を、本明細書でいう寸法変化率とした。
寸法変化率(%)=|((b'−b)+(a'−a))/2|/(a+b)×100
上記対象となる溶液とは、本発明のセンサが浸漬される溶液のことで、各測定毎に異なる。尚、測定に使用される溶液の例を挙げると、アセチレン、アセトアルデヒド、アセトニトリル、アセトン、アニリン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテル、エタノールアミン、エチルアルコール、エチルベンゼン、エチレングリコール、塩化エチル、塩化メチル、キシレン、グリセリン、クロロトルエン、クロロナフタリン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジエチレングリコール、四塩化炭素、ジオキサン、シクロヘキサン、ジクロロベンゼン、ジブチルエーテル、ジメチルスホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、トリエタノールアミン、トリクロロエチレン、トルエン、パークロルエチレン、ピリジン、フェノール、ブチルアルコール、ブチルセルソルブ、プロピルアルコール、フロロベンゼン、ヘキサアルデヒド、ヘキサン、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、ベンゼン、ホルムアルデヒド及びメチルアルコールの何れか又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物等がある。
次に、上記センサ30を備える本発明の測定装置について説明する。
本発明の測定装置は、図4に示されるように、上記センサ30の通気口20を上側にして取り付けることが可能な取付部22を備え、圧電板3の電極4,5に対して交流電圧を印加して振動させ、この振動周波数等の変化を測定することができるものであれば、特に制限はなく、単に発振回路とセンサ30の周波数等の電気的特性を測定できるものや、ネットワークアナライザ、インピーダンスアナライザを使用したものも当然含まれる。
測定に際しては、センサ30を取付部22に差し込んでから行うが、このとき、上記説明したように、圧電板3と反対側の端面には溝21が形成されており、差し込む際の位置決めが容易になる。
また、取付部22にセンサ30を差し込むことで、センサ30の通気路は上下方向に配置される。これにより、圧電板3の裏側の空間10の気体は、温度変化によって上下方向に速やかに移動することができる。また、センサ30と取付部22との間での気体の出入りは、溝21と取付部22との隙間から行われることになる。
上記した圧電板3も、公知のものを使用することができ、例えば、水晶以外にも、チタン酸バリウム、PZT(登録商標)等を使用することができる。また、その形状についても特に制限はなく、上記説明した円板形状の他に、矩形状等のものも使用することができる。
また、基板1に設けられる接続端子13,14や、圧電板3に設けられる電極4,5や接続端子8,9についても、同様に公知のものであり、金等の金属製材料を蒸着等して設けられる。
本発明は、DNAやタンパク質等の生体物質の相互作用や抗原抗体反応を利用した測定等に利用することができる。
本発明の一実施の形態のセンサの平面図 同A−A断面図 同B−B断面図 本発明の一実施の形態の測定装置の取付部の説明図
符号の説明
1 基板
2 発振子
3 圧電板
4 電極
5 電極
6 リード線
7 リード線
8 接続端子
9 接続端子
10 空間
11 凹部
12 平坦部
13 接続端子
14 接続端子
15 導電性接着剤
16 配線
17 シール剤
20 通気口
21 凹部
22 取付部
30 センサ

Claims (4)

  1. 基板の一端側に、圧電板の両面に設けられた電極のうちの一方の電極が空間を介して被覆されるようにして固定し、前記基板の他端側の端面に通気口を設けて、前記通気口から前記空間まで貫通させ、前記基板の端面に凹部を設けるとともに前記凹部内に前記通気口を設けて前記基板を測定装置に接続するための取付面として構成したことを特徴とするセンサ。
  2. 前記取付面は、外部電源に接続するための接続端子を備えたことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記基板は、無機材料から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のセンサの前記取付面を上側にして装着可能な取付部を備え、前記取付部と、前記基板の端面に設けられた前記凹部との間に空間を存して取り付けられることを特徴とする測定装置。
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