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JP4670082B2 - しぼり加工によるフランジ付き制振鋼板製ベローズ管の製造方法 - Google Patents
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この発明は、溶接による熱の影響性を排除すると共に、肉厚の均一な円筒体を効率よく形成することが可能な、しぼり加工によるフランジ付き制振鋼板製ベローズ管の製造方法に関する。
従来、住宅や建築設備あるいは自動車関連産業などの分野において、振動を防止すたるための制振鋼板製パイプが知られている。このような制振鋼板製パイプは、金属製パイプを構成する外層パイプと内層パイプとを形成するに際して、外層パイプを形成する帯状板体の第1鋼板と、内層パイプを形成する帯状板体の第2鋼板とを、略同一面積に積層して重なり合わせると共に、帯状板体第1鋼板と第2鋼板鋼板の間に略同一面積の制振部材を挟着し、第1鋼板と制振部材と第2鋼板との3層に積層された平板状の中間素体を形成し、幅方向の両端部を巻回して付き合わせて筒状に成形し、この筒状幅方向の両端部を溶接により固着して形成したものである。
しかしながら、このような3層の制振鋼板製パイプは、筒状幅方向の両端部を溶接によって固着するため、中間素体の制振部材が溶接による熱で溶けるとい問題があり、制振部材がロウ材に混入し異物による溶接不良が生じたり、また、制振部材から熱による溶融ガスが発生し作業者が吸い込むなどの危険が指摘されている。
このため、特許文献1のように、制振鋼板製パイプDの製造に際しては、内層パイプ1aとなる第1鋼板1における結合側の端部1b,1b間の幅寸法を、外層パイプ2aとなる第2鋼板2における結合側の端部2b,2b間の幅寸法よりも短寸とし、内層パイプ1aとなる第1鋼板1が非接触状態となる非積層部5を形成している。また、同様に制振部材3における結合側の端部3a,3a間の幅寸法にも、制振部材3が非接触状態となる非積層部5を形成している。そして、外層パイプ2aとなる第2鋼板2における結合側の端部2a,2a間のみを溶接4により固着し、パイプ成形時に発生する溶接時の熱の影響性を除去するような方法を採用している。
特開平4−231180号公報
パイプ成形にあたり、結合側の端部に鋼板や制振部材が非接触状態となる非積層部を設けるためには、すなわち熱の影響性を受けないためには、鋼板や制振部材に切削部分を設ける必要があり、製作上手間がかかると共に、コストの低減化を図れないなどの問題がある。
この発明は、そのような事情によりなされたものであり、制振部材が熱で溶けるという不具合を解消し、溶接による熱の影響性を排除すると共に、肉厚の均一な円筒体を効率よく形成することが可能なしぼり加工によるフランジ付き制振鋼板製ベローズ管の製造方法を目的とする。
この発明は、そのような課題を解決するために、請求項1記載のように、帯状板体の第1鋼板と帯状板体の第2鋼板の間隙に平板状の制振部材である樹脂部材を挟着し、各材が互いに3層に重ねられた制振鋼板の加工時において、
上記3層の制振鋼板を円筒体とする成形時に、挟着された上記樹脂部材が溶接による熱 の影響を受け溶け出さないようにすべくしぼり加工を施して円筒体を形成し、
上記円筒体の一方側の有底円筒体の底部を切除すると共に、上記円筒体の他方側の開口円筒体の耳部を含む開口部分を切除し、上記円筒体の両端部が開放された単純円筒体を形成し、
しかる後に、上記単純円筒体の外側にベローズ液圧成形金型を装着するか/上記単純円筒 体の外側・内側にロール型を装着するかしてベローズ管を形成し、
上記ベローズ管の両端部の外周にフランジ部を取り付けた3層構造とすることを特徴とするしぼり加工によるフランジ付き制振鋼板製ベローズ管の製造方法。
【0009】
【発明の効果】
この発明によれば、3層に重ねられた制振鋼板製ベローズ管の製造に際し、3層の制振鋼板を溶接による熱の影響性を排除して樹脂部材が溶け出すことなく一体的にしぼり加工を施し、一方側が有底円筒体であり他方側が開口円筒体である円筒体を形成し、一方側の有底円筒体の底部を切除すると共に、他方側の開口円筒体の耳部を含む開口部分を切除し、上記円筒体の両端部が開放された単純円筒体を形成し、しかる後に上記単純円筒体にベローズ管施し、このベローズ管の両端部の外周にフランジ部を取り付けるという手順に従って製造されるので、肉厚の均一な単純円筒体を効率よく形成することができ、かつ溶接による熱の影響性を排除して樹脂部材が溶け出すことなくしぼり加工によるフランジ付き3層の制振鋼板製ベローズ管を製造することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1乃至図3は、この発明に係る制振鋼板製パイプの成形手順を示す説明図、図5は、この発明に係る制振鋼板製パイプの斜視図、図6は、図1乃至図3の成形フロー図である。
この発明の制振鋼板製パイプ10は、溶接による熱の影響性を与えない、深しぼり加工あるいはへらしぼり加工などのしぼり加工によって成形する。なお、この発明の実施例は、深しぼり加工によって説明する。図1〜図3に示すように、平板状の第1鋼板11と平板状の第2鋼板12との間隙に平板状の制振部材である樹脂部材13を挟着し重ね合う(図6中100)。この3層の制振鋼板14は公知の市販されたものを用いればよい。平板状の3層の制振鋼板14は、ポンチとダイスを基に深しぼり加工される(図6中101)。
深しぼり加工された制振鋼板14は、一方側が有底円筒体15aとされ、他方側が開口円筒体15bである円筒体15とされる。円筒体15は、一方側が有底円筒体15aが底部Xを切除され、また、開口円筒体15bの開口部Yを切除する(図6中102)。そして、両端部が開放された3層の単純円筒体16を形成する(図6中103)。さらに、その後3層の単純円筒体16の両端部にフランジ17,17を固着する(図6中104)。なお、開口円筒体15bの開口部Yは隅角部に耳部が設けられたものでもよい。また、単純円筒体16の中央部には1山の凸部16aが形成されている。
さらに、具体的に詳説する。第1鋼板11と第2鋼板12は金属製部材により形成されるのが好適であるが、この実施例においては、それぞれステンレス鋼板であるSUS鋼板、例えばSUS304鋼板を母材とするオーステナイト系ステンレス鋼の鋼板よりなる。但し、この母材としてはフェライト系ステンレス鋼のSUS430鋼などでもよい。第1鋼板と第2鋼板の平板状の鋼板は、巻回されてそれぞれのパイプとされるが、その幅方向は所望の所定幅とされ、この実施例の場合には、例えば外層パイプΦ80と内層パイプΦ79のものが想定され、長さは長尺あるいは短尺のものなど種々のものがあるが、この実施例の場合には、外層パイプ12および内層パイプ11の長さは、それぞれ500mmのものが想定されている。板厚は、上記同様に種々のものがあるが、この実施例の場合には、外層パイプ12および内層パイプ11の板厚0.3tのものが想定されている。
制振部材は、制振作用を有する樹脂部材13の合成樹脂部材からなるもであり各種の部材を用いることができるが、例えば、α−オレフィン共重合体のものが好ましい。但し、その他にポリエステル系樹脂やナイロン系樹脂などを適宜選択することができる。例えば、熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂などがある。また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル系樹脂、熱硬化性アクリル系樹脂などがある。
樹脂部材の代わり、制振作用を有する粘性のゴム部材を用いることもできる。ゴム部材としては、汎用のゴム材として天然ゴム(NR)、イソブレンゴム(IR)スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR),エチレンプロピレンゴム(EPDM)、特殊ゴム材としてNBR(ニトリルゴム)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(CO若しくはECO)、フッ素ゴム(FKM),シリコーンゴム(Q)、ウレタンゴム(U)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)ポリスルフィドゴム(T)などから選択される。
深しぼり加工は、金属板をパンチP,ダイスQ、しわ押さえRなどによって底のある継ぎ目のない容器を成形する加工法で、へらしぼり加工は、金属素材をマンドレル(金型)の中心に落ちコップで密着固定させ、回転させながらローラ(又はへら)を押し当てて塑性変形させ徐々に金型に近づけて成形する加工法である。
この制振鋼板製パイプ10では、主として3層の単純円筒体16の外周にベローズを形成する場合に用いる。パイプ成形装置は、図7と図8に示すように、ベローズ液圧成形法やベローズロール成形法など、公知のパイプ成形装置を用いることができる。ベローズ液圧成形法では、ベローズ用素材管の外側に成形金型A,Bを装着し、素材管の内部に液体を注入し、液体に所定の圧力をかけ素材管を膨張させ、同時にプレス機で圧縮し成形する。また、ベローズロール成形法では、ベローズ用素材管の外側・内側にロール型C,Dを装着し、素材管にロール型を押し付け成形する。
このように、制振鋼板製パイプ10の製造に際し、平板状の第1鋼材11と平板状の第2鋼材12と平板状の制振部材である樹脂部材13とを重ねた鋼板、すなわち第1鋼材11と第2鋼材12の間隙に制振部材である樹脂部材13を挟着し、3層に重ねられた制振鋼板14を深しぼり加工し、一方側が有底円筒体15aであり他方側が開口部である開口円筒体15bである円筒体を形成した後に、有底円筒体15aの底部Xを切除すると共に、開口部Yを切除して両端部が開放された単純円筒体16を形成する。したがって、制振部材が熱で溶けるという不具合を解消し、溶接による熱の影響性を排除すると共に、肉厚の均一な円筒体を効率よく形成することができる。
このように、パイプ成形に際しては、溶接による熱の影響性を排除することが可能となり、結合側の端部に鋼板や制振部材が非接触状態となる非積層部(切削部分)を設ける必要がなく、製作上手間がかからずコストの低減化を図ることができる。また、肉厚の均一な円筒体を効率よく形成することが可能なしぼり加工によるので、アーク溶接機などにより所定幅にスリットされた鋼帯を多段配置された成形スタンドで、板幅方向に順次折り曲げてオープンパイプにロール成形し、板幅方向両端部を溶接する必要がない。また、円筒体は1山程度の凸部を有する短尺の円筒体としても好適である。
以上のように、この制振パイプの成形に際しては、溶接による熱の影響性を受けず、肉厚の均一な円筒体を効率よく形成することができる。
この発明に係る制振鋼板製パイプの成形手順の第1を示す説明図である。 この発明に係る制振鋼板製パイプの成形手順の第2を示す説明図である。 この発明に係る制振鋼板製パイプの成形手順の第3を示す説明図である。 この発明に係る制振鋼板製パイプの成形手順の第4を示す説明図である。 この発明に係る制振鋼板製パイプの斜視図である。 図1乃至図4の成形フロー図である。 ベローズ液圧成形法の第1を示す説明図である。 ベローズ液圧成形法の第2を示す説明図である。 ベローズロール成形法を示す説明図である。 従来の制振鋼板製パイプの1例を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
10 制振鋼板製パイプ
11 第1鋼板
12 第2鋼板
13 樹脂部材
14 制振鋼板
15 円筒体
15a 有底円筒体
15b 開口円筒体
16 単純円筒体
X 底部
Y 開口部

Claims (1)

  1. 帯状板体の第1鋼板と帯状板体の第2鋼板の間隙に平板状の制振部材である樹脂部材を挟着し、各材が互いに3層に重ねられた制振鋼板の加工時において、
    上記3層の制振鋼板を円筒体とする成形時に、挟着された上記樹脂部材が溶接による熱 の影響を受け溶け出さないようにすべくしぼり加工を施して円筒体を形成し、
    上記円筒体の一方側の有底円筒体の底部を切除すると共に、上記円筒体の他方側の開口円筒体の耳部を含む開口部分を切除し、上記円筒体の両端部が開放された単純円筒体を形成し、
    しかる後に、上記単純円筒体の外側にベローズ液圧成形金型を装着するか/上記単純円筒 体の外側・内側にロール型を装着するかしてベローズ管を形成し、
    上記ベローズ管の両端部の外周にフランジ部を取り付けた3層構造とすることを特徴とするしぼり加工によるフランジ付き制振鋼板製ベローズ管の製造方法。
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