JP4671797B2 - 樹脂成形体及びその製造方法並びに自動車のドア - Google Patents
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Description
該突出部は、基端側突出部と、該基端側突出部の頂面から起立して突出した先端側突出部とからなり、上記基端側突出部及び先端側突出部は共に、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層と、該スキン層で覆われかつ多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層とで構成されているとともに、基端側突出部及び先端側突出部の各々の膨張層は互いに連続して一体となっており、上記先端側突出部の膨張層の膨張率は基端側突出部の膨張層の膨張率よりも大きく設定されていることを特徴とする。
図2は自動車のサイドドア1の断面図である。該サイドドア1はドアアウタパネル3とドアインナパネル5とからなるドア本体7を備え、該ドア本体7の上記ドアインナパネル5にこの発明の実施の形態1に係る樹脂成形体としての樹脂製キャリアプレート(ドアモジュール)9がシール材11を介して取り付けられ、ドアトリム13が上記キャリアプレート9を車室側から被うように上記ドアインナパネル5に取り付けられている。上記キャリアプレート9は繊維入り熱可塑性樹脂で成形されている。図2中、15はドアアウタパネル3裏面側における乗員の腰部に対応する位置に設けられた発泡ウレタン等の緩衝材からなるパッドである。
まず、図4(a)に示すように、第1スライド型29及び第2スライド型31を共に進出させた状態で成形型33を型閉じする。次いで、キャビティ35内に射出機(図示せず)からガラス繊維等の繊維入り熱可塑性樹脂R(例えば繊維入りポリプロピレン樹脂)を射出充填する。その後、成形型33のキャビティ35内で繊維入り熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、すなわち、キャビティ35における成形型33の成形面近傍の上記繊維入り熱可塑性樹脂Rにスキン層21が生成された時点で、図4(b)に示すように、上記第2スライド型31の後退量が第1スライド型29の後退量よりも多くなるように第1スライド型29及び第2スライド型31を略同時にキャビティ容積が拡大する方向B1,B2に後退移動させて繊維入り熱可塑性樹脂Rを膨張させる。つまり第2スライド型31を第1スライド型29よりも例えば約2倍程多く後退移動させる。繊維入り熱可塑性樹脂Rは、成形型33の成形面と接触する部分が型温の影響により早期に冷却されて樹脂密度の高いスキン層21となって荷重受け部19の表面層を構成する。一方、繊維入り熱可塑性樹脂Rの内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、それまで固定型25、第1スライド型29及び第2スライド型31で圧縮されている繊維Fが該圧縮から解放されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)すなわち膨張圧で上記繊維入り熱可塑性樹脂Rが膨張する。このことにより、荷重受け部19の表面には、樹脂密度の高いスキン層21が形成されるとともに、該スキン層21の内側に多数の空隙を有し上記スキン層21に比べて樹脂密度の低い膨張層23が形成されたキャリアプレート1が得られる。また、上記荷重受け部19は、第1スライド型29により基端側突出部20が成形されるとともに、第2スライド型31により先端側突出部22が成形され、上記基端側突出部20及び先端側突出部22の各々の膨張層23a,23bが互いに連続して一体となっており、先端側突出部22の膨張層23bの膨張率が基端側突出部20の膨張層23aの膨張率よりも大きく設定されている。これにより、基端側突出部20の頂面20aのスキン層21の厚みt2及びその側面のスキン層21の厚みが、先端側突出部22の頂面22aのスキン層21の厚みt1及びその側面のスキン層21の厚みよりも大きくなっている。
まず、図5(a)に示すように、第1スライド型29及び第2スライド型31を共に進出させた状態で成形型33を型閉じする。次いで、キャビティ35内に射出機(図示せず)からガラス繊維等の繊維入り熱可塑性樹脂R(例えば繊維入りポリプロピレン樹脂)を射出充填する。その後、成形型33のキャビティ35内で繊維入り熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、すなわち、キャビティ35における成形型33の成形面近傍の上記繊維入り熱可塑性樹脂Rにスキン層21が生成された時点で、図5(b)に示すように、上記第1スライド型29及び第2スライド型31を略同時にキャビティ容積が拡大する方向B1,B2に後退移動させる。これにより、基端側突出部20が膨出成形される。その後、図5(c)に示すように、上記第2スライド型31をさらにキャビティ容積が拡大する方向B2に後退移動させて繊維入り熱可塑性樹脂Rを膨張させる。つまり第2スライド型31を第1スライド型29よりも例えば約2倍程多く後退移動させる。これにより、先端側突出部22が膨出成形される。なお、スキン層21及び膨張層23a,23bの形成メカニズムは第1製造方法で述べたので説明を省略する。
まず、図6(a)に示すように、第1スライド型29及び第2スライド型31を共に進出させた状態で成形型33を型閉じする。次いで、キャビティ35内に射出機(図示せず)からガラス繊維等の繊維入り熱可塑性樹脂R(例えば繊維入りポリプロピレン樹脂)を射出充填する。その後、成形型33のキャビティ35内で繊維入り熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、すなわち、キャビティ35における成形型33の成形面近傍の上記繊維入り熱可塑性樹脂Rにスキン層21が生成された時点で、図6(b)に示すように、上記第1スライド型29をキャビティ容積が拡大する方向B1に後退移動させる。これにより、基端側突出部20の外周部分が膨出成形される。その後、図6(c)に示すように、上記第2スライド型31を上記第1スライド型29の後退移動量よりも約2倍程度多くキャビティ容積が拡大する方向B2に後退移動させて繊維入り熱可塑性樹脂Rを膨張させる。これにより、先端側突出部22が膨出成形される。なお、スキン層21及び膨張層23a,23bの形成メカニズムは第1製造方法で述べたので説明を省略する。
図7は実施の形態2に係るキャリアプレート9の製造方法の製造工程を示し、(a)は成形型33のキャビティ35内に繊維入り熱可塑性樹脂Rを射出充填した状態の製造工程図、(b)は第1スライド型29及び第2スライド型31を後退移動させてキャリアプレート9が成形された状態の製造工程図である。
図8は実施の形態3に係るキャリアプレート9の製造方法において第1スライド型37及び第2スライド型39を後退移動させてキャリアプレート9が成形された状態の製造工程図である。
図9は実施の形態4に係るキャリアプレート9の製造方法において第1スライド型29、第2スライド型31及び可動型27を後退移動させてキャリアプレート9が成形された状態の製造工程図である。
さらに、上記の各実施の形態では、樹脂成形体が自動車のサイドドアのキャリアプレート9である場合を示したが、インストルメントパネル、ドアトリム、ニーパッド等の自動車用パネルにも適用することができるものである。
3 ドアアウタパネル
5 ドアインナパネル
7 ドア本体
9 キャリアプレート(樹脂成形体)
13 ドアトリム
17 プレート本体(成形体本体)
19 荷重受け部(突出部)
20 基端側突出部
20a 頂面
21 スキン層
22 先端側突出部
23a,23b 膨張層
25 固定型
27 可動型
29,37 第1スライド型
31,39 第2スライド型
33 成形型
35 キャビティ
R 繊維入り熱可塑性樹脂
Claims (8)
- パネル状の成形体本体表面に突出部が一体に突設され、
該突出部は、基端側突出部と、該基端側突出部の頂面から起立して突出した先端側突出部とからなり、
上記基端側突出部及び先端側突出部は共に、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層と、該スキン層で覆われかつ多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層とで構成されているとともに、基端側突出部及び先端側突出部の各々の膨張層は互いに連続して一体となっており、
上記先端側突出部の膨張層の膨張率は基端側突出部の膨張層の膨張率よりも大きく設定されていることを特徴とする樹脂成形体。 - 請求項1に記載の樹脂成形体において、
基端側突出部の膨張層の膨張率は1.8倍以上3.0倍以下に設定され、先端側突出部の膨張層の膨張率は3.3倍以上6.0倍以下に設定されていることを特徴とする樹脂成形体。 - 請求項1又は2に記載の樹脂成形体において、
突出部は成形体本体表面の少なくとも片面に突設されていることを特徴とする樹脂成形体。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂成形体において、
基端側突出部は成形体本体表面から略台形状に突出していることを特徴とする樹脂成形体。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法であって、
固定型と可動型とを備え、該固定型及び可動型の少なくとも一方に基端側突出部を成形する第1スライド型及び先端側突出部を成形する第2スライド型が設けられた成形型を用意し、
上記成形型を型閉じした状態でキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、該キャビティ内で上記熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記第2スライド型の後退量が第1スライド型の後退量よりも多くなるように第1スライド型及び第2スライド型を略同時にキャビティ容積が拡大する方向に後退移動させて熱可塑性樹脂を膨張させることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法であって、
固定型と可動型とを備え、該固定型及び可動型の少なくとも一方に基端側突出部を成形する第1スライド型及び先端側突出部を成形する第2スライド型が設けられた成形型を用意し、
上記成形型を型閉じした状態でキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、該キャビティ内で上記熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記第1スライド型及び第2スライド型を略同時にキャビティ容積が拡大する方向に後退移動させた後、第2スライド型をさらにキャビティ容積が拡大する方向に後退移動させて熱可塑性樹脂を膨張させることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法であって、
固定型と可動型とを備え、該固定型及び可動型の少なくとも一方に基端側突出部を成形する第1スライド型及び先端側突出部を成形する第2スライド型が設けられた成形型を用意し、
上記成形型を型閉じした状態でキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、該キャビティ内で上記熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記第1スライド型及び第2スライド型のいずれか一方のスライド型をキャビティ容積が拡大する方向に後退移動させた後、他方のスライド型をキャビティ容積が拡大する方向に後退移動させ、上記第2スライド型の後退移動量を上記第1スライド型よりも多くして熱可塑性樹脂を膨張させることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。 - ドアアウタパネルとドアインナパネルとからなるドア本体の上記ドアインナパネルにキャリアプレートが取り付けられ、ドアトリムが上記キャリアプレートを車室側から被うように上記ドアインナパネルに取り付けられた自動車のドアであって、
上記キャリアプレートは請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂成形体で成形されていることを特徴とする自動車のドア。
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