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JP4675649B2 - トリアジン誘導体及びその製造方法並びに金属表面処理剤 - Google Patents
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トリアジン誘導体及びその製造方法並びに金属表面処理剤 Download PDF

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Description

本発明は、新規なトリアジン誘導体及びその製造方法とそれを金属の表面処理剤として使用する場合の金属表面処理剤に関するものである。
金属表面処理剤は、金属の防錆を目的に使用される有機化合物である。特に、純銅及び銅合金に使用される表面処理剤は、ベンゾトリアゾールやイミダゾール等の窒素を含有する有機化合物であり、代表的な具体例としては、下記式(5)及び(6)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 0004675649
これらの化合物は、銅表面において銅とのキレートを形成して防錆皮膜となることが知られている。一方でこれらの防錆皮膜は撥水性を示し、樹脂とのぬれ性及び接着性を悪くする作用がある。
上記の問題を解決するための新規な銅の表面処理剤が報告されている。例えば、特許文献1には、2位あるいは4位がアリール基又はアリールメチル基によって置換された新規なイミダゾール化合物が開示されている。しかし、これらの化合物で形成された防錆皮膜は樹脂に対する接着性が低いという問題があった。
また、特許文献2には、マンニッヒ塩基とベンゾトリアゾールとの脱アミン縮合反応で得られるベンゾトリアゾール誘導体が開示されている。これらの化合物は銅に対して優れた防錆効果を示すが、一方で樹脂に対する接着性が不十分という問題があった。
特開平6−329635号公報 特開2000−44549号号公報
本発明は、銅及び銅合金に対して高い防錆効果があり、特にポリイミド樹脂に対して高い接着性を有する防錆皮膜を形成可能な新規化合物、表面処理剤とその製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるトリアジン誘導体である。
Figure 0004675649
(式中、R1、R2、R3及びR4は独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
また、本発明は、下記一般式(2)で表される保護基で保護されたアミノメチル基を有するアニリン化合物と、下記一般式(3)で表されるトリクロロトリアジン化合物とを反応させたのちに水硫化金属塩で処理し、その後保護基を脱離することを特徴とするトリアジン誘導体の製造方法である。
Figure 0004675649
(式中、R1、R2、R3及びR4は独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R5はアミノ基の保護基を示す。)
Figure 0004675649
更に、本発明は、上記のトリアジン誘導体を有効成分とする金属表面処理剤である。
本発明のトリアジン誘導体は、前記式(1)で表される化合物であり、R1、R2、R3及びR4は独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。
本発明のトリアジン誘導体の製造に使用される化合物は、一般式(2)で表されるアミノメチル基のアミノ基が保護され、メチル基又はエチル基が置換してもよい4-アミノメチルアニリン(以下、アニリン化合物という)と一般式(3)で表される2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン(以下、トリクロロトリアジン化合物という)である。R5は-COOC(CH3)3等のアミノ基の保護基を示す。そして、一般式(2)及び後記する式(4)、(7)、(8)において、R1〜R4は一般式(1)のR1〜R4と同じ意味を有する。
本発明のトリアジン誘導体は、本発明の製造方法により製造することができる。すなわち、アルカリ金属塩の存在下、上記アニリン化合物とトリクロロトリアジン化合物を反応させたのちに、水硫化金属塩で処理し、その後アミノメチル基のアミノ基を保護する基を脱離する方法である。それぞれの工程で中間生成物を単離することが好ましいが、アニリン化合物とトリクロロトリアジン化合物とを反応させたのちに、水硫化金属塩で処理する工程は連続して行うことも可能である。
一般式(2)で表されるアニリン化合物は、下記一般式(4)で表される保護基R5を有しないアニリン化合物とジブチルジカーボネート等のアミノ基の保護を目的とする試薬を反応することで合成できる。
Figure 0004675649
この反応では、上記一般式(4)で表される化合物1モルに対し、ジブチルジカーボネート、カルボベンゾキシクロリド、酢酸クロリド、無水酢酸、9-フルオレニルメチルクロロホルメート、2,2,2-トリクロロメチルクロロホルメート、アリルクロリド等のアミノ基の保護を目的とする試薬を0.5〜1.5モル好ましくは0.8〜1.2モルが使用される。この反応の際、必要に応じてアルカリを存在させるが、アルカリ金属塩又は有機塩基類を用いることができる。アルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができ、有機塩基としては、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等を用いることができ、これらを単独に、あるいは組み合わせて用いることができる。アルカリを使用する場合、一般式(4)で表される化合物に1モル対し、1モル以上使用することが好ましく、特に好ましくは1〜1.5モルが使用される。上記反応における反応温度は0〜100℃であることが好ましく、特に好ましくは20〜40℃である。反応時間は、反応温度にもよるが、1〜10hrが好適である。これらの反応において必要であれば有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒を使用する場合、極性溶剤を用いることが好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が好適に用いられる。有機溶媒の使用量は有機溶媒を含む反応混合物中に、約20〜95wt%、好ましくは50〜85wt%存在する量とすることがよい。
反応終了後は、室温まで冷却して有機相あるいは有機固体物を取り出し、水洗及び乾燥させて一般式(2)で表されるアニリン化合物を得ることが出来る。更にカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、高純度品とすることができる。得られた化合物は、1H−NMRよりその構造が確認できる。
一般式(2)で表されるアニリン化合物と一般式(3)で表されるトリクロロトリアジン化合物とを反応する工程は、アニリン化合物1モルに対し、トリクロロトリアジン化合物を0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モルが使用される。この反応の際、アルカリを存在させるが、アルカリ金属塩又は有機塩基類を用いることができる。アルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができ、有機塩基としては、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等を用いることができ、これらを単独に、あるいは組み合わせて用いることができる。好ましくは、アルカリ金属塩を用いることが良く、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウムを用いることが推奨される。アルカリはトリクロロトリアジン化合物1モルに対し、1モル以上使用することが好ましく、特に好ましくは3〜6モルが使用される。アルカリ金属塩を用いる場合、アルカリ金属塩を溶解するために反応系中に水を加えてもよく、その使用量は反応混合物中に、約20〜90wt%、好ましくは45〜65wt%存在する量とすることがよい。上記反応における反応温度は−20〜80℃であることが好ましく、特に好ましくは0〜25℃である。反応時間は、反応温度にもよるが、1〜10hrが好適である。これらの反応において必要であれば有機溶媒を用いてもよく、有機溶媒としては極性溶剤が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が好適に用いられる。有機溶媒を使用する場合、その使用量は有機溶媒を含む反応混合物中に、約20〜95wt%、好ましくは50〜85wt%存在する量とすることがよい。
反応終了後は、室温まで冷却して有機相あるいは有機固体物を取り出し、水洗及び乾燥させて下記一般式(7)で表される合成中間体を得ることが出来る。更にカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、高純度品とすることができる。得られた化合物は、1H−NMRによりその構造が確認できる。
Figure 0004675649
上記一般式(7)で表される合成中間体を水硫化金属塩で処理して、トリアジン環に結合しているClをSHに置換する工程は、合成中間体に1モル対し、水硫化金属塩を2〜6モル、好ましくは2.5〜3.5モルが使用して行われる。水硫化金属塩としては、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム等を用いることができる。水硫化金属塩は水和していてもよい。この反応の際、水を存在させるが、その使用量は反応混合物中に、約20〜80wt%、好ましくは30〜60wt%存在する量とすることがよい。上記反応における反応温度は0〜80℃であることが好ましく、より好ましくは10〜40℃である。反応時間は、反応温度にもよるが、1〜10hrが好適である。これらの反応において必要であれば有機溶媒を用いてもよく、極性溶剤を用いることが好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が好適に用いられる。有機溶媒を使用する場合、その使用量は有機溶媒を含む反応混合物中に、約20〜95wt%、好ましくは50〜85wt%存在する量とすることがよい。
反応終了後は、室温まで冷却して有機相あるいは有機固体物を取り出し、水洗及び乾燥させて下記一般式(8)で表される合成中間体を得ることが出来る。更にカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、高純度品とすることができる。得られた化合物は、1H−NMRによりその構造が確認できる。
Figure 0004675649
一般式(8)で表される合成中間体からアミノ基の保護基であるR5を脱離する脱保護工程は、この合成中間体1モルに対し、脱保護試薬を1〜30モル好ましくは5〜20モルが使用される。上記反応における反応温度は脱保護試薬にもよるが、0〜80℃であることが好ましく、より好ましくは10〜40℃である。反応時間は、反応温度にもよるが、1〜10hrが好適である。これらの反応において必要であれば有機溶媒を用いてもよく、極性溶剤を用いることが好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が好適に用いられる。有機溶媒を使用する場合、その使用量は有機溶媒を含む反応混合物中に、約20〜95wt%、好ましくは50〜85wt%存在する量とすることがよい。
反応終了後は、室温まで冷却して、酸水溶液、例えば6N塩酸を加えることにより結晶化し、濾取したのち有機溶剤洗浄及び乾燥させて目的とする一般式(1)で表されるトリアジン誘導体を得ることができる。酸水溶液を加えることにより結晶化する工程では、その使用量は6N塩酸の場合、有機溶媒を含む反応混合物中に、約10〜60wt%、好ましくは15〜30wt%加えることが好ましい。濾取したのち洗浄で用いる有機溶剤としては、極性非プロトン溶剤が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等が好適に用いられる。更に中性の水を用いて再結晶化して、高純度品とすることができる。得られた化合物は、1H−NMRによりその構造が確認できる。
本発明のトリアジン誘導体は、金属の表面処理材、特に防錆剤、金属と樹脂の接着力向上のための助剤として有用である。金属の表面処理材として使用する場合、トリアジン誘導体を有機溶媒等に溶解した溶液とし、これを塗布するなどして使用される。
本発明のトリアジン誘導体は、銅とポリイミド樹脂に対する接着性を向上する効果を有する表面処理剤として有用であり、本表面処理剤によって処理された銅箔は、樹脂に対する接着性向上と防錆性向上の効果を付与することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
滴下ロート、攪拌装置及び冷却管を備えた内容積100mlの三つ口丸底フラスコに、4−アミノベンジルアミン3.7g、トリエチルアミン4.2ml、ジブチルジカーボネート6.5g及びテトラヒドロフラン60mlを入れて、室温で2hr攪拌した。
攪拌終了後、反応液を水200mlと酢酸エチル200mlを用いて分液ロートに移し、その混合物を水層と有機層に分離した。この有機層を水100mlで3回洗浄し、溶媒を留去することにより高粘調液体5.8gを得た。
上記高粘調液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。溶離液は酢酸エチル及びヘキサンを同量混合した溶液を用いた。精製後、分離した溶液の溶媒を留去することにより黄色固体4.5gを得た。
内容積100mlの三つ口丸底フラスコに、上記で得られた黄色固体4.2g、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン3.7g、炭酸ナトリウム11g、水25ml及びテトラヒドロフラン80mlを入れて、氷冷下で3hr攪拌した。
攪拌終了後、反応液を水200mlとトルエン酢酸エチル200mlを用いて反応混合物を水層と有機層に分離した。この有機層を水100mlで3回洗浄し、溶媒を留去することにより白色固体6.0gを得た。
内容積100mlの三つ口丸底フラスコに、上記で得られた白色固体4.2g、水硫化ナトリウム・n水和物(abt.70%)4.8g、水15ml及びジメチルホルムアミド35mlを入れて、氷冷下で1hr攪拌した。
攪拌終了後、反応液にクエン酸を1.3g加え、その後に水200mlとトルエン酢酸エチル200mlを用いて反応混合物を水層と有機層に分離した。この有機層を水100mlで3回洗浄し、溶媒を留去することにより黄色固体3.4gを得た。
内容積100mlの三つ口丸底フラスコに、上記で得られた黄色固体1g、テトラヒドロフラン40ml及び6N塩酸5mlを入れて室温で1hr攪拌した。
攪拌終了後、析出物を濾取し、テトラヒドロフラン50mlを用いて洗浄し、室温で5hr乾燥した。得た化合物を水50mlに溶解し、炭酸水素ナトリウムを加えて中和し、12hr放置した。析出物を濾取することにより白色固体0.3gを得た。
この白色固体は下記式(9)で表される化合物であり、融点を測定したところ300℃以上であった。また、赤外線吸収スペクトル(IR)の測定結果を図1に示す。
Figure 0004675649
実施例2
実施例1で得られた式(9)で表されるトリアジン誘導体0.265gを、メタノール1Lに溶解し、表面処理液を作成した。銅箔は、表面処理を施していない未処理電解銅箔(表面粗度:十点平均粗さ(Rz)=約0.8μm、厚さ:18μm、20cm×13cm角)を用いた。まず、銅箔表面の表面酸化皮膜を除去するため、5%塩酸水溶液(pH < 1、浴温約20℃)に60秒間浸漬した。付着した酸を除くため、イオン交換水で十分に洗浄し、圧縮空気を吹き付けて乾燥した。このように処理した銅箔を、上記の表面処理液(浴温約20℃)に30秒間浸漬して表面処理を行い、次いでイオン交換水750ml(浴温約20℃)に60秒間浸漬し、その後圧縮空気を約15秒吹き付けて乾燥した。更に、銅箔表面に付着した余分な有機表面処理剤を洗浄するため、メタノール750ml(浴温約20℃)にこの銅箔を60秒間浸漬して洗浄し、次いでイオン交換水750ml(浴温約20℃)に60秒間浸漬し、その後圧縮空気を約15秒吹き付けて乾燥して、表面処理銅箔を得た。
これに、ポリアミック酸を含むワニスを塗布したのち、加熱硬化を行うことで銅箔上にポリイミド層が形成された銅張り積層板を作成した。得られた銅張積層板について、プレス機を用いて幅10mmの短冊状に切断し、室温で180°、10mmピール強度を、引っ張り試験機を用いて測定することにより接着力を評価した結果、接着強度は1kN/mであった。一方、上記の表面処理液で銅箔表面を処理しない銅箔を用いて作成した銅張り積層板について接着力を評価した結果、接着強度は0.1kN/mであった。
実施例1で得られた化合物のIRスぺクトル

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるトリアジン誘導体。
    Figure 0004675649
    (式中、R1、R2、R3及びR4は独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
  2. 請求項1記載のトリアジン誘導体を製造する方法において、下記一般式(2)で表される保護基で保護されたアミノメチル基を有するアニリン化合物と、下記一般式(3)で表されるトリクロロトリアジン化合物とを反応させたのちに水硫化金属塩で処理し、その後保護基を脱離することを特徴とするトリアジン誘導体の製造方法。
    Figure 0004675649
    (式中、R1、R2、R3及びR4は独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。R5はアミノ基の保護基を示す。)
    Figure 0004675649
  3. 請求項1記載のトリアジン誘導体を有効成分とする金属表面処理剤。
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