JP4677699B2 - 画像処理方法、画像処理装置、撮影装置評価方法、画像情報保存方法および画像処理システム - Google Patents
画像処理方法、画像処理装置、撮影装置評価方法、画像情報保存方法および画像処理システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法、画像処理装置、撮影装置評価方法、画像情報保存方法および画像処理システムに係り、詳細には、撮影装置により撮影された画像を処理してカラーバランスをとる画像処理方法および画像処理装置、前記画像処理方法によって画像を処理する場合に用いる撮影装置を評価する撮影装置評価方法、画像情報を保存する画像情報保存方法、および画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、人間の色順応を想定して、画像のカラーバランスをとる方法が知られている。
例えば、特開平10−126810号公報には、von Kriesタイプの順応を想定して、画像データを人間の網膜レベルの3刺激値(L、M、S)に変換し、これを調整してホワイトバランスが合うように処理する方法が例示されている。この方法により、人間の色順応を考慮して、自然なカラーバランスが得られるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、晴れた日の日陰などの色温度の高い光源下で、人の肌の色に違和感を感じたり、タングステン光の下で、人の肌が赤っぽく見えたりすることがある。このように、人間の目では、観察対象物の色を自然な色(例えば、観察対象物が人の肌であれば、肌色)に感じられない場合があり、このことは、人間の色順応機構の不完全さを示している。
【0004】
一方、従来より、色恒常と呼ばれる機能が知られている。色恒常機能は、標準的な光源(例えば、昼光色など)とは異なる種類の異種光源(例えば、晴れた日の日陰や、タングステン光など)の下で観察された対象物の色を元にして、この対象物が標準的な光源の下でどのような色に見えるのかを推定する、というものである。
【0005】
以上のことをふまえると、カメラなどの入力機器により撮影した画像のカラーバランスをとる場合には、人間の色順応の機能に基づいて画像のカラーバランスをとるよりも、色恒常の機能に従って画像のカラーバランスをとる方が、標準的な光源の下で認識される色を効果的に再現でき、より自然な色合いになると予測される。
【0006】
本発明の課題は、色恒常の考えに基づいて、画像のカラーバランスをとれるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、撮影装置により撮影された画像を処理してカラーバランスをとる画像処理方法であって、
前記撮影装置の分光感度に関わる情報に基づいて得られる、標準光源とは異なる種類の複数の異種光源下における有彩色を含む色票の色情報である異種光源下色情報を、前記色票の標準光源下における色情報である標準光源下色情報に合わせるように変換可能な変換手段により、前記画像の色情報を変換するものであり、
前記変換手段による変換処理は、色情報を変換するプライマリ変換処理と、前記プライマリ変換処理によって得られた変換後色情報を直接ゲイン調整してホワイトバランスを調整するゲイン調整処理と、を含み、
前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスは、前記複数の種類の異種光源について、前記標準光源下色情報と、前記複数の種類の異種光源それぞれの異種光源下において前記撮影装置により前記色票を撮影して得られた撮影出力値に対して前記変換手段による変換処理を施して得られた色情報と、の色差を重み付け平均した値である色恒常予測誤差が最小となるように、繰り返し演算処理を行うことで最適化されたものであることを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、撮影装置により撮影された画像の色情報を、前記変換手段により変換するので、撮影装置の分光感度に関わる情報に基づいて得られる、有彩色を含む色票の異種光源下における色情報(異種光源下色情報)を、前記色票の標準光源下における色情報(標準光源下色情報)に合わせるようにして、前記画像の色情報が変換される。すなわち、前記画像の色情報は、変換手段により、標準光源下における色情報に合うように変換される。
したがって、撮影装置により撮影された画像の色合いが、まるで標準光源下で撮影したかのような色合いになるよう、カラーバランスをとることができる。すなわち、色恒常の考えに基づいて、画像のカラーバランスをとることができる。
また、変換後色情報のゲイン調整によって、画像のホワイトバランスがとられることになる。したがって、複雑な処理を施すことなく、容易に画像のホワイトバランスをとることができる。
【0012】
前記変換手段は、請求項1に記載されているように、異種光源下色情報を標準光源下色情報に合わせるように変換可能な手段である。このことを逆に言えば、変換手段は、異種光源下色情報を標準光源下色情報に合わせるように変換できるよう、異種光源下色情報と標準光源下色情報とに基づいて特定される手段である。
【0013】
ここで、異種光源下色情報は、請求項1に記載されているように、撮影装置の分光感度に関わる情報に基づいて得られるものである。すなわち、異種光源下色情報は、異種光源に関わる情報(例えば、光源の分光分布など)、色票に関わる情報(例えば、色票の分光反射率など)に加え、撮影装置の分光感度に関わる情報を含めた各情報に基づいて特定される情報である。したがって、異種光源下色情報の特定のためには、撮影装置の分光感度を測定する必要が生じる。
【0014】
これに対し、異種光源下色情報として実際に撮影して得られた撮影出力値を用いることにより、異種光源、色票、撮影装置の分光感度、のそれぞれに関わる情報を含んだ形の色情報が特定される。
よって、異種光源下色情報の特定のために撮影装置の分光感度を測定する必要がない。また、異種光源下色情報を求めるための演算処理等を行う必要がないので、異種光源下色情報そのものである実際の撮影出力値に基づいて、変換手段を容易に特定することができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理方法において、
前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスは、線形マトリクスであることを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、色情報が線形マトリクスにより変換される。したがって、色情報の変換処理において複雑な演算処理等を必要とせず、容易に色情報を変換することができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の画像処理方法において、
前記プライマリ変換処理は、前記撮影装置により得られた撮影出力値を直接変換するものであることを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、撮影装置により撮影された画像を処理してカラーバランスをとる画像処理装置であって、
前記撮影装置の分光感度に関わる情報に基づいて得られる、標準光源とは異なる種類の複数の異種光源下における有彩色を含む色票の色情報である異種光源下色情報を、前記色票の標準光源下における色情報である標準光源下色情報に合わせるように変換可能な変換手段を備え、
この変換手段により、前記画像の色情報を変換するものであり、
前記変換手段による変換処理は、色情報を変換するプライマリ変換処理と、前記プライマリ変換処理によって得られた変換後色情報を直接ゲイン調整してホワイトバランスを調整するゲイン調整処理と、を含み、
前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスは、前記複数の種類の異種光源について、前記標準光源下色情報と、前記複数の種類の異種光源それぞれの異種光源下において前記撮影装置により前記色票を撮影して得られた撮影出力値に対して前記変換手段による変換処理を施して得られた色情報と、の色差を重み付け平均した値である色恒常予測誤差が最小となるように、繰り返し演算処理を行うことで最適化されたものであることを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、画像処理装置は前記変換手段を備え、この変換手段により前記画像の色情報を変換するので、異種光源下色情報を標準光源下色情報に合わせるようにして、前記画像の色情報が変換手段によって変換される。すなわち、前記画像の色情報は、変換手段により、標準光源下における色情報に合うように変換される。
したがって、撮影装置により撮影された画像の色合いが、まるで標準光源下で撮影したかのような色合いになるよう、カラーバランスをとることができる。すなわち、色恒常の考えに基づいて、画像のカラーバランスをとることができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の画像処理方法によって画像を処理する場合に用いる撮影装置を評価する撮影装置評価方法であって、
前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスの最適化により最小化された色恒常予測誤差に基づいて、前記撮影装置を評価することを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、プライマリ変換処理に用いるマトリクスの最適化により最小化された色恒常予測誤差に基づいて撮影装置を評価するので、この評価結果により、どの撮影装置を用いれば、色恒常の考えに基づく画像処理をより高い精度で行えるか、を知ることができる。よって、撮影装置の評価結果に基づき撮影装置を取捨選択して、色恒常の考えに基づく、より高い精度のカラーバランス調整を行うことができ、また、好ましい撮影システムを選定できる。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法によって画像を処理する場合に画像情報を保存する画像情報保存方法であって、
前記撮影装置の撮影により得られた撮影画像情報と、前記画像処理方法により画像を処理して得られた処理後画像情報と、のうちの少なくとも一方の画像情報とともに、前記変換手段による色情報の変換方法を特定可能な変換情報と、この変換情報の居所を示す居所情報と、のうちの少なくとも一方の情報を保存することを特徴とする。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、前記撮影画像情報と、前記処理後画像情報と、のうちの少なくとも一方の画像情報とともに、前記変換情報と、前記居所情報と、のうちの少なくとも一方の情報が保存されることになる。
したがって、変換情報が画像情報とともに保存されている場合には、変換情報に基づいて変換手段による色情報の変換方法を特定できるので、特定した色情報の変換方法に従って、撮影画像情報の色情報を変換したり、処理後画像情報から変換前の画像情報を求めて、変換前の画像情報の色情報を再度変換したりすることができる。よって、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスをとることができる。
また、居所情報が画像情報とともに保存されている場合には、居所情報に基づいて変換情報を探し当てて、探し当てた変換情報に基づいて変換方法を特定することができるので、変換情報が保存されている場合と同様に、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスをとることができる。
【0025】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像情報保存方法において、
前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスは、線形マトリクスであり、
前記変換手段による色情報の変換方法を特定可能な変換情報は、前記撮影装置の分光感度と、前記線形マトリクスと、のうちの少なくとも一方の情報であることを特徴とする。
【0026】
請求項7記載の発明によれば、前記変換情報は、撮影装置の分光感度と、線形マトリクスと、のうちの少なくとも一方の情報であるので、変換手段による色情報の変換方法を、撮影装置の分光感度や線形マトリクスの情報に基づいて特定できる。したがって、最小限の明確な情報に基づき、撮影した画像や、画像処理後の画像について、カラーバランスをとる処理を容易に行うことができる。
【0027】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の画像情報保存方法により保存された画像情報を処理する画像処理方法であって、
前記画像情報保存方法により保存された変換情報、および、居所情報に基づき探し当てられた変換情報、のうちの少なくとも一方の変換情報に含まれる、分光感度、および、線形マトリクスの少なくとも一方の情報に基づいて、前記変換手段による色情報の変換方法を特定し、
特定した色情報の変換方法に従って、前記画像情報保存方法により保存された撮影画像情報、および、処理後画像情報、のうちの少なくとも一方の画像情報の色情報を変換することを特徴とする。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、変換情報に含まれる、分光感度、および線形マトリクスの少なくとも一方の情報に基づいて、変換手段による色情報の変換方法が特定され、この変換方法に従って、撮影画像情報、および処理後画像情報のうちの少なくとも一方の画像情報の色情報が変換される。
したがって、最小限の明確な情報に基づき、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスを容易にとることができる。
【0029】
請求項9記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法によって画像を処理する画像処理装置であって、
前記撮影装置の撮影により得られた撮影画像情報と、前記画像処理方法により画像を処理して得られた処理後画像情報と、のうちの少なくとも一方の画像情報とともに、前記変換手段による色情報の変換方法を特定可能な変換情報と、この変換情報の居所を示す居所情報と、のうちの少なくとも一方の情報を保存する情報保存手段を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項9記載の発明によれば、画像処理装置は前記情報保存手段を備えるので、この情報保存手段に前記変換情報が前記画像情報とともに保存されている場合には、変換情報に基づいて変換手段による色情報の変換方法を特定でき、特定した色情報の変換方法に従って、撮影画像情報の色情報を変換したり、処理後画像情報から変換前の画像情報を求めて、変換前の画像情報の色情報を再度変換したりすることができる。よって、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスをとることができる。
また、情報保存手段に前記居所情報が前記画像情報とともに保存されている場合には、居所情報に基づいて変換情報を探し当てて、探し当てた変換情報に基づいて変換方法を特定することができるので、変換情報が保存されている場合と同様に、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスをとることができる。
【0031】
請求項10記載の発明は、請求項6または7記載の画像情報保存方法により画像情報が保存される情報保存手段を備える第1の画像処理装置と、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法によって画像を処理可能な第2の画像処理装置と、前記第1の画像処理装置と前記第2の画像処理装置との間で情報をやりとりするための伝送媒体と、を備え、
前記情報保存手段に保存された撮影画像情報と処理後画像情報とのうちの少なくとも一方の画像情報とともに、前記情報保存手段に前記画像情報とともに保存された変換情報と居所情報とのうちの少なくとも一方の情報を、前記伝送媒体を介して、前記第1の画像処理装置から、前記第2の画像処理装置へ送信することを特徴とする画像処理システムである。
【0032】
請求項10記載の発明によれば、第1の画像処理装置の情報保存手段に保存された撮影画像情報と処理後画像情報とのうちの少なくとも一方の画像情報とともに、前記情報保存手段に前記画像情報とともに保存された変換情報と居所情報とのうちの少なくとも一方の情報が、伝送媒体を介して、第1の画像処理装置から第2の画像処理装置へ送信される。
したがって、変換情報が画像情報とともに送信される場合には、第2の画像処理装置側において、変換情報に基づいて変換手段による色情報の変換方法を特定できるので、特定した色情報の変換方法に従って、撮影画像情報の色情報を変換したり、処理後画像情報から変換前の画像情報を求めて、変換前の画像情報色情報を再度変換したりすることができる。よって、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスをとることができる。
また、居所情報が画像情報とともに送信される場合には、第2の画像処理装置側において、居所情報に基づいて変換情報を探し当てて、探し当てた変換情報に基づいて変換方法を特定することができるので、変換情報が画像情報とともに送信される場合と同様に、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスをとることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0039】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態である画像処理方法は、例えば、図1に示す画像処理装置1により画像を処理する方法である。画像処理装置1は、具体的には、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等のカメラである。
画像処理装置1は、この画像処理装置1全体の制御を行う制御部2、被写体を撮影して画像信号(画像撮影出力値)を出力する撮影装置である撮影部3、この撮影部3により撮影された画像を処理する画像処理部4、各種の制御プログラムやデータ等を記憶する記憶部5、外部機器との間で信号を送受信するための外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する)6を備えて構成されている。
【0040】
記憶部5は、内部記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)や、外部記憶装置としてのハードディスク装置、着脱自在に設けられるフロッピー(登録商標)ディスク等により構成されている。記憶部5には、例えば、画像処理装置1全体の制御プログラムや制御データ、撮影部3により出力された画像信号で構成される画像データ画像処理部4による画像処理を行うための画像処理プログラムや制御データ、画像処理部4の画像処理による画像処理後の画像データ等が記憶されるようになっている。
なお、これらの各種プログラムやデータは、異なる記憶部(ディスク)に記憶されていても良いし、あるいは、同一の記憶部(ディスク)に記憶されていても良く、その記憶形態は特に限定されるものではない。
【0041】
制御部2は画像処理装置1のメイン処理を行うものであり、具体的には、例えば、撮影部3により撮影された画像の画像データや、画像処理部4の画像処理による画像処理後の画像データを記憶部5に記憶させる処理、記憶部5に記憶されたデータを外部I/F6を介して外部機器へ送信する処理、外部機器から外部I/F6を介して受信したデータを記憶部5に記憶させる処理等を実行する。
外部I/F6は、例えば、USB(Universal Serial Bus)やSCSI(Small Computer System Interface)などにより、外部機器との間で画像データや制御データ等の送受信を行うものである。
【0042】
撮影部3は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)などの受光素子を備えて構成されている。受光素子は、図示しないレンズを通過して入射した被写体からの光を、積層して配置された各種フィルタ(図示略)を介して受光し、この受光量に応じて、RGB(Red-Green-Blue)信号やCMY(Cyan-Magenta-Yellow)信号等の画像信号を出力するようになっている。積層して配置されるフィルタの例としては、例えば、三板式フィルタや、単板式のモザイクフィルタ等が挙げられる。
【0043】
画像処理部4は、記憶部5に記憶されている画像処理プログラムに基づいて、撮影部3により出力された画像信号を処理し、標準光源下の色に合うようカラーバランスをとる処理を行う。画像処理部4の内部構成の例を図2に示す。
【0044】
図2(a)に示す例においては、画像処理部4は、三刺激値変換部41、プライマリ変換部42、ゲイン調整部43、プライマリ逆変換部44、および色変換部45を備えて構成されている。ここで、三刺激値変換部41、プライマリ変換部42、ゲイン調整部43、およびプライマリ逆変換部44は、本発明の変換手段(色差最小化変換手段)を構成するものである。
ここで、「プライマリ変換」とは、撮影部3の出力値を別の座標系に変換することを意味しており、「プライマリ逆変換」とは、別の座標系に変換された値を元の座標系に戻すことを意味している。
【0045】
三刺激値変換部41は、画像信号を三刺激値へ近似させる三刺激値近似マトリクスB(以下、マトリクスBと略称する)により、撮影部3が出力した画像信号を三刺激値に変換する処理を行う。
なお、図2においては図示を省略しているが、撮影部3のフィルタが単板式である場合には、三刺激値変換部41により画像信号を変換する前に、画像処理部4により色補間処理が行われるようになっている(この手法については、例えば、特開平10−178650号公報等に記載有)。また、三刺激値変換部41により画像信号を変換する前には、画像処理部4により黒レベル調整が行われるようになっている。
【0046】
また、プライマリ変換部42は、三刺激値変換部41の変換処理により得られた三刺激値を、線形マトリクスであるプライマリ変換マトリクスA(後述する。以下、マトリクスAと略称する)により変換して、仮のRGB値(本発明の変換後色情報に相当)を算出する処理を行う。
すなわち、三刺激値変換部41とプライマリ変換部42は、撮影部3により撮影された画像の色情報である画像信号を変換する色情報変換手段である。
【0047】
ゲイン調整部43は、プライマリ変換部42の変換処理により得られた仮のRGB値を、対角行列Mにより線形変換する処理を行う。ここで、対角行列Mは、異種光源下の無彩色が、標準的な光源下の無彩色に合致するよう、RGB値をゲイン調整し、これによりホワイトポイントを調整するものである。すなわち、ゲイン調整部43は、変換後色情報である仮のRGB値をゲイン調整してホワイトバランスをとるホワイトバランス調整手段である。
ここで、ホワイトポイントは、例えば、画像の総平均をホワイトポイントとする方法や、最大値をホワイトポイントとする方法により検出されるが、ホワイトポイントの検出方法は特にこれらの例に限定されるものではなく、従来より周知の方法を適用可能である。
【0048】
プライマリ逆変換部44は、ゲイン調整部43のゲイン調整処理により得られた仮のRGB値を、プライマリ変換部42で用いられるマトリクスAの逆行列A-1により逆変換して、三刺激値に戻す処理を行う。
色変換部45は、プライマリ逆変換部44の逆変換処理により得られた三刺激値を、CRT(Cathode Ray Tube)等の出力系のプライマリ(例えば、IEC 61966-2-1で規定されているsRGBなど)やYCCに変換する処理を行う。
【0049】
画像処理部4の画像処理により得られた処理後の画像データは、画像処理部4によりJPEG等の圧縮形式で画像圧縮された状態で、記憶部5に記憶されるようになっている。
ここで、画像処理装置1に表示装置等の出力部(図示略)が設けられている場合には、上述のように画像圧縮された画像データに基づいて、出力部により画像が出力されるようになっている。また、表示装置等の出力部を備えた外部機器が、外部I/F6を介して画像処理装置1と接続され、画像圧縮された画像データを画像処理装置1から外部機器が受信した場合には、受信した画像データに基づいて、外部機器の出力部により画像が出力されるようになっている。
【0050】
図2(b)に示す例においては、画像処理部4は、図2(a)に示す三刺激値変換部41、プライマリ変換部42、ゲイン調整部43、プライマリ逆変換部44の代わりに、プライマリ変換部46、ゲイン調整部47、プライマリ逆変換部48、三刺激値変換部49を備えて構成されている。ここで、プライマリ変換部46、ゲイン調整部47、およびプライマリ逆変換部48は、本発明の変換手段を構成するものである。
【0051】
プライマリ変換部46(色情報変換部に相当)は、撮影部3が出力した画像信号を、マトリクスAにより直接プライマリ変換する処理を行う。なお、図2(a)と同様に、色補間処理、黒レベル調整については図示を省略している。
また、ゲイン調整部47(ホワイトバランス調整手段に相当)は、プライマリ変換部46の変換処理により得られた仮の画像信号を、対角行列Mによりゲイン調整する処理を行う。プライマリ逆変換部48は、ゲイン調整部47のゲイン調整処理により得られたゲイン調整後の仮の画像信号を、プライマリ変換部46で用いられるマトリクスAの逆行列A-1により逆変換する処理を行う。
【0052】
また、三刺激値変換部49は、プライマリ逆変換部48の逆変換処理により得られた処理後の画像信号を三刺激値に変換する処理を行うようになっている。また、図2(b)に示す色変換部45は、三刺激値変換部49の変換処理により得られた三刺激値を出力系のプライマリに変換する処理を行うようになっている。
【0053】
上述のマトリクスAとマトリクスBには、最適化処理(後述する)により最適化して求められたデータが用いられる。これらのマトリクスA、Bは、画像処理データとして予め記憶部5に記憶されている。
以上、図2(a)および図2(b)を参照して画像処理部4の内部構成例を二つ説明したが、いずれの構成の画像処理部4の画像処理によっても、最終的に同様の画像データが得られるようになっている。
【0054】
ここで、画像処理方法の説明をする前に、最適化処理について説明する。最適化処理は、予め選択された各種データに基づき、従来より周知のパーソナルコンピュータ等の演算装置により実行される。
なお、後述する式(1)〜(5)に示される各記号は、それぞれベクトル行列を意味しており、また、転置行列の区別は省略している。
【0055】
最適化処理においては、予め、最適化に必要な各種データを選択しておく。
まず、画像処理装置1のカラーバランスの目標となる光源の種類を一つ選択して、これを標準光源に設定する。標準光源の例としては、例えば、D55(相対色温度5500K)、D65(6500K)などの昼光色や、人工的に作られたシミュレータ光源であるC光源などが挙げられる。
【0056】
また、標準光源以外の種類の光源を一つもしくは複数選択して、これを異種光源に設定する。異種光源としては、撮影部3による撮影に用いられる代表的な光源の種類を選択するのが好ましいが、これに限らず任意の種類の光源を選択可能である。異種光源の例としては、例えば、室内光を想定したA光源(タングステン光源)、晴れた日の日陰を想定した黒体放射の光源(色温度7500〜10000度程度)、室内の蛍光灯を想定したF1〜12光源などが挙げられる。
【0057】
また、有彩色を含む色票を選択する。ここで、色票としては、撮影部3の被写体(例えば、人間の肌や、景色など)の色に近似する分光反射率を有するものが望ましいが、これに限らず任意の種類の色票を選択可能である。
色票の例としては、例えば、マクベスカラーチェッカー、マンセル色票(マンセルブック)、CIE13.3で規定される分光反射率色票、SOCS(JIS-TR X 0012、色再現評価用標準物体色分光データベース(SOCS)(1998))で規定される分光反射率色票などが挙げられる。ただし、分光データのみで規定され、実在色票が存在しない色票(上述の分光反射率色票など)は、撮影部3の分光感度が既知である場合にのみ選択可能である。
【0058】
最適化に必要な各種データを選択した後、次に、標準光源、異種光源、それぞれの光源下において、選択した色票を実際に撮影部3により撮影して得られる画像信号の出力値O(本発明の撮影出力値に相当)、もしくは、これに相当する値を取得する。
【0059】
色票として実在色票を選択した場合には、画像処理装置1の撮影部3により実在色票を撮影し、これにより得られた出力値Oのデータを、画像処理装置1が外部I/F6を介して演算装置に送信し、送信された出力値Oのデータを演算装置側で受信する。なお、フィルタが単板式の場合には色補間済の値、また、黒レベル補正済の値を出力値Oとする。
【0060】
分光データで規定された分光反射率色票を色票として選択した場合には、撮影部3の分光感度Siと、光源分光強度L、色票分光反射率Rの各データに基づいて、出力値Oに相当する値を演算装置により算出する。
具体的には、例えば、標準光源としてD65を、異種光源としてA光源、9300Kの黒体放射分光強度の光源とをそれぞれ選択した場合には、各光源下における出力値Oを、下記式(1)によりそれぞれ算出する。ここで、添え字のiは、撮影部3の種類を示している。
【数1】
なお、分光感度Siは、例えば、IEC61966-9で規定されている分光感度の測定方法に従って計測できる。
【0061】
次に、以上のようにして選択・取得された各種データに基づき、演算装置により各マトリクスA、Bの最適化を行う。
【0062】
<三刺激値近似マトリクスBの最適化>
例えば、標準光源としてD65を選択した場合には、標準光源下における色票の三刺激値TD65は、等色関数Fを用いて、下記式(2)により求められる。
【数2】
また、各色票の色差△E*abの平均をE*ab(α,β)、L*a*b*表色系への変換をLab(T)と表記すると、撮影部3の測色色再現誤差Ecolは、下記式(3)により表される。
【数3】
前記の式(2)、(3)(実在色票が存在しない色票を選択した場合には、式(1)〜式(3))に基づいて、測色色再現誤差Ecolを最小化するよう、マトリクスBを最適化する。
【0063】
<プライマリ変換マトリクスAの最適化>
ここでは、画像処理部4が図2(b)に示す内部構成をしている場合に適用するマトリクスAの最適化処理について説明する。
例えば、標準光源としてD65を、異種光源としてA光源と、9300Kの黒体放射分光強度の光源とをそれぞれ選択した場合には、色恒常予測誤差Emcciは、下記式(4)により表される。ここで、色恒常予測誤差Emcciは、標準光源下における色票のL*a*b*値(標準光源下色情報)と、異種光源下における色票の出力値Oをプライマリ変換部46、ゲイン調整部47、プライマリ逆変換部48、及び三刺激値変換部49により変換して得られるL*a*b*値(異種光源下色情報)と、の色差を示している。また、下記式(4)は、それぞれの異種光源について同じ重み付けをした場合の例を示している。
【数4】
最適化されたマトリクスBと、前記式(2)、(4)(実在色票が存在しない色票を選択した場合には、式(1)、式(2)、式(4))に基づいて、色恒常予測誤差Emcciを最小化するよう、繰り返し演算により、マトリクスAを最適化する。
【0064】
なお、色恒常予測誤差Emcciは、異種光源の種類をj、異種光源の種類の数をN、任意の重み平均をwとすると、下記式(5)により一般化できる。
【数5】
以上の最適化処理により最適化されたマトリクスA、マトリクスBのデータが、画像処理装置1の記憶部5にそれぞれ予め記憶されている。
【0065】
次に、上述の画像処理装置1により画像を処理する画像処理方法について説明する。ここでは、画像処理部4が図2(a)に示す内部構成をしている場合における画像処理を説明する。
【0066】
まず、撮影部3が、被写体の光を、レンズ、フィルタを介して、受光素子により受光し、このときの受光量に基づき画像信号を出力する。フィルタが単板式の場合には、画像処理部4が画像信号の色補間処理を行い、また、黒レベル調整処理を行う。
【0067】
次に、画像処理部4の三刺激値変換部41が、最適化されたマトリクスBにより画像信号を変換して、三刺激値を算出する。次に、プライマリ変換部42が、三刺激値変換部41により算出された三刺激値を、最適化されたマトリクスAにより変換して、仮のRGB値を算出する。
【0068】
次に、ゲイン調整部43が、プライマリ変換部42により算出された仮のRGB値を対角行列Mによりゲイン調整して、標準光源下の無彩色に合致するようホワイトバランスをとる。次に、プライマリ逆変換部44が、ゲイン調整部43にのゲイン調整処理により得られた変換後の仮のRGB値を、最適化されたマトリクスAの逆行列A-1により逆変換して、三刺激値に戻す。
【0069】
次に、色変換部45が、プライマリ逆変換部44の逆変換処理により得られた三刺激値を、出力系のプライマリに変換する。次に、以上のようにして画像処理部4により処理された処理後の画像データを画像圧縮し、記憶部5に記憶する。
【0070】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の画像処理方法、およびこの画像処理方法の実施に使用する画像処理装置1によれば、有彩色を含む色票の異種光源下における出力値O、もしくはこれに相当する値を、前記色票の標準光源下における色合いに合うように変換できるよう最適化されたプライマリ変換マトリクスAを用いて、撮影画像の画像信号が、図2(a)に示す三刺激値変換部41、プライマリ変換部42、ゲイン調整部43、プライマリ逆変換部44(もしくは、図2(b)に示すプライマリ変換部46、ゲイン調整部47、プライマリ逆変換部48)により変換される。
これにより、撮影部3により撮影された画像が、まるで標準光源下で撮影したかのような色合いになるよう、カラーバランスがとられることになる。したがって、第1の実施の形態の画像処理方法、画像処理装置1により、色恒常の考えに基づいて、画像のカラーバランスをとることができる。
【0071】
また、撮影部3の分光感度に基づいて決まる撮影部3の出力値O、もしくはこれに相当する値に基づいてマトリクスAを最適化し、このマトリクスAを用いて画像データを処理するので、撮影部3そのもの分光特性、すなわち、撮影部3の分光感度に適応した画像処理を行うことができる。
【0072】
また、マトリクスAとして、色恒常予測誤差が最小化されるように最適化されたものを用いるので、撮影部3により撮影された画像の画像信号が、標準光源下における色合いとの色差が最小化されるように変換されることになる。したがって、色恒常の考えに基づく画像処理を高い精度で行うことができる。
【0073】
また、画像データの変換処理は、最適化されたマトリクスAと対角行列M(ゲイン調整)を用いて行われるので、これにより、撮影部3による撮影時の光源の種類に関わらず、適切なカラーバランス調整を行うことが可能となる。よって、撮影時の光源ごとにマトリクスAを設定しなくても、撮影時の光源の色温度の変化に対応した画像処理を行うことができる。
【0074】
また、最適化処理において、色票に実在色票を選択した場合には、撮影部3により実在色票を撮影して、これにより得られた出力値Oを用いてマトリクスAの最適化が行われる。また、分光データで規定された分光反射率色票を色票として選択した場合には、撮影部3の分光感度に基づき前記出力値Oに相当する値を演算装置により算出して、これに基づいてマトリクスAの最適化が行われる。
したがって、実在色票を選択した場合には、分光反射率色票を選択した場合と異なり、撮影部3の分光感度を測定する必要がなく、また、出力値Oに相当する値を算出する処理を行う必要がない。よって、分光データで規定された分光反射率色票を選択した場合に比べ、マトリクスAの最適化処理をより容易に行うことができる。
【0075】
また、画像処理部4にはゲイン調整部43・47が設けられているので、プライマリ変換部42・46の変換処理により得られた仮のRGB値のホワイトバランスが調整される。したがって、画像処理部4により、画像のホワイトバランスをとることができる。
また、ホワイトバランス調整はゲイン調整により行われるので、複雑な処理を施すことなく、容易に画像のホワイトバランスをとることができる。
【0076】
また、画像処理部4の三刺激値変換部41・49、プライマリ変換部42・46、ゲイン調整部43・47、プライマリ逆変換部44・48は、線形マトリクスにより画像信号を線形変換してデータ処理を行う構成となっているので、画像処理において複雑な演算処理等を必要とせず、容易に画像信号の変換処理を行うことができる。
【0077】
なお、第1の実施の形態においては、異種光源としてタングステン光源、高色温度光源(9300Kの黒体放射)を選択し、同じ重み付けをして式(4)によりマトリクスAを最適化する場合の例を説明したが、これに限らず、式(5)により、代表的な蛍光灯光源などを含めて適当に重み付けして、マトリクスAを最適化するものとしても良い。
【0078】
また、撮影部3を備える画像処理装置1に対してマトリクスAを一つだけ設定する場合に限らず、標準光源よりも低色温度の異種光源、高色温度の異種光源について、それぞれ重み平均を変化させた場合に最適化して得られる複数のマトリクスAや、一部の演色性の低い蛍光灯(例えば、F2光源)のみを異種光源に設定して最適化されたマトリクスA等、複数種類のマトリクスAを記憶部5に記憶させておき、撮影環境によって画像処理に用いるマトリクスAを切り替える構成としても良い。
このとき、例えば、フリッカーや輝線を検出したり、ストロボやカバーなどの装置の取り付けを検出したり、特定の色票の彩度や色相を認識したりすることによって、撮影時の光源を判断をする光源判定手段や、撮影時の光源をマニュアルで入力する入力部などを画像処理装置1に設ける構成としてもよい。この構成とすれば、検出あるいは入力された撮影時の光源の種類に基づいて、自動的にマトリクスAを切り替えて、撮影時の環境に合った適切な画像処理を行うことができる。
また、撮影時の光源の種類を判断して、これに基づいて適宜重み平均してマトリクスAを算出し直し、算出し直したマトリクスAに基づいて画像処理を行う構成としても良い。
【0079】
また、画像処理部4の内部構成例を図2に二つ示したが、撮影部3が4色以上の分光感度を持つ場合には、図2(b)に示す内部構成の方がより好ましい。
例えば、撮影部3のセンサ(受光素子)がN種類(ch1〜chN)まで存在し、画像処理部4の内部構成が図2(b)に示す構成である場合には、画像処理装置1により以下の(1)〜(6)の処理が行われる。
(1)センサch1〜chNにより、image1〜imageNの画像を取得する。
(2)プライマリ変換部46により、N×Nの最適化マトリクスAを用いて、適切なプライマリに変換する。
(3)(2)の処理により得られたimage1'〜imageN'に基づき、白色点(分光反射率が一定の被写体(グレー)に対する画像値)を検出し、この値をW1〜WNとする。なお、これに限らず、例えば、被写体を撮影するセンサとは別のセンサを設け、このセンサにより照明光を直接測定し、このときの出力値に基づいてW1〜WNを算出しても良い。
(4)ゲイン調整部47により、N×Nの対角行列MであるDMT(diagonal matrix transform)を用いて、標準光源下で撮影されるときのバランスになるよう、画像データをゲイン調整する。
(5)プライマリ逆変換部48により、(4)で得られた結果を逆プライマリ変換する。
(6)三刺激値変換部49により、(5)で得られた結果を三刺激値へ最適化する。
なお、上述の(1)〜(6)の処理は、照明光成分を取り除いて、物体の分光反射率を計測する処理を行うのと略同様の処理である。
【0080】
上述のように、処理(4)においては、N×Nの対角行列Mによりゲイン調整が行われる。これに対し、図2(a)に示す内部構成の場合には、撮影部3が4色以上の分光感度を持っていたとしても、三刺激値変換部41により三つのパラメータに変換されてしまうため、3×3の対角行列Mによりゲイン調整が行われる。
したがって、図2(a)に示す内部構成に比べ、図2(b)に示す内部構成の方が、より対角行列Mで調整できる範囲が広がり、より高精度なホワイトバランス調整を行うことができる。
【0081】
また、本発明の「色情報」は、色を特定するための情報全般を意味し、具体的には、例えば、上述した出力値O、三刺激値T、L*a*b*値などが挙げられるが、これらの例に限らず、例えば、他の表色系の刺激値等を用いても良い。
【0083】
また、画像処理装置1は、デジタルカメラ等のカメラであるものとしたが、撮影された画像を処理する装置であれば特にカメラに限定されるものではない。また、撮影部3を画像処理装置1に設けずに、他の装置に設ける構成としても良い。具体的には、例えば、撮影部3を、画像処理を行わないデジタルカメラに設け、画像処理装置1の画像処理部4を、パーソナルコンピュータなどに設ける構成としても良い。
その他、画像処理装置1の構成、画像処理方法の各処理の内容を、本発明の特許請求の範囲内で適宜変更しても良いのは勿論である。
【0084】
[実施例1]
次に、上述の最適化処理の実施例について説明する。
図3(a)のグラフに示す分光感度を有するデジタルカメラ(以下、感度Aのカメラと略称する)と、図3(b)のグラフに示す分光感度を有するテレビカメラ(以下、感度Bのカメラと略称する)と、について、最適化処理を行った。
【0085】
最適化処理においては、標準光源として、図4のグラフに示す光源のうち、D65を選択した。また、異種光源として、図4のグラフに示す光源のうち、A(A光源)と、L9300(9300Kの黒体放射)を選択した。また、色票として、図5のグラフに示すマクベスカラーチェッカーを選択した。
【0086】
次に、D65光源、A光源、および9300Kの黒体放射の各光源下で、感度Aのカメラ、および感度Bのカメラにより、それぞれマクベスカラーチェッカーの実在色票を撮影し、出力値Oを得た。この出力値Oを用いて、測色色再現誤差Ecolを最小化するよう、式(2)、式(3)に基づき、三刺激値近似マトリクスBを最適化した。また、色恒常予測誤差Emcciを最小化するよう、式(2)、式(4)に基づき、プライマリ変換マトリクスAを最適化した。
【0087】
以上の最適化処理の結果により、画像信号の変換に用いられる各線形変換係数が得られた。以下に、一例として、感度Bのカメラの画像信号を変換する線形変換式(6)〜(9)を示す。
下記式(6)は、最適化されたマトリクスAにより画像信号(ch1〜ch3)を変換する式である。
【数6】
【0088】
下記式(7)は、式(6)により得られたプライマリ変換後の画像信号(ch1'〜ch3')を、対角行列Mによりゲイン調整する式である。ここで、式(6)内に示す対角行列は、A光源からD65光源のホワイトポイントに合致させるための対角行列Mである。
【数7】
【0089】
下記式(8)は、式(7)により得られたゲイン調整後の画像信号(ch1''〜ch3'')を、最適化されたマトリクスAの逆行列A-1により逆変換する式である。
【数8】
【0090】
下記式(9)は、式(8)により得られた逆変換後の画像信号(ch1'''〜ch3''')を、最適化されたマトリクスBにより三刺激値に変換する式である。
【数9】
【0091】
また、最適化処理の結果に基づき、図3(a)、(b)のグラフに示す各カメラの分光感度をプライマリ変換し、最適化された分光感度を求めた。この結果をそれぞれ図6(a)、(b)に示す。
【0092】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態である撮影装置評価方法は、画像処理装置1の撮影部3を、(1)測色色再現誤差、(2)最小化色恒常予測誤差、および(3)ノイズ量に基づいて評価する方法である。本発明は、特に(2)最小化色恒常予測誤差に基づいて撮影部3を評価する点を特徴としている。
まず、評価対象となる撮影部3について、測色色再現誤差、最小化色恒常予測誤差、ノイズ量をそれぞれ演算装置等により算出する。
【0093】
(1)測色色再現誤差
第1の実施の形態で記述した三刺激値近似マトリクスBの最適化処理により、最小化された測色色再現誤差Ecolを算出する。
(2)最小化色恒常予測誤差
第1の実施の形態で記述したプライマリ変換マトリクスAの最適化処理により、最小化された色恒常予測誤差Emcci(最小化色恒常予測誤差)を算出する。
(3)ノイズ量
L*=50に相当する入力値(0.184)に対して、各色微少範囲振れ、各色±aだけ動いたときのL*a*b*の標準偏差(計8点)を、L*、a*、b*の各方向について計算し、このRMS(Root mean square)をノイズ量とする。
ここで、aの値としては、入力最大値を1としたとき、例えば、0.005を用いる。
また、ノイズ量は、Estevez-Hunt-Pointerプライマリを100%としたときの比率で示す。Estevez-Hunt-Pointerプライマリを基準としたのは、これが人間の目の錐体感度に近いと考えられるためである。
上述のようにして算出された測色色再現誤差、最小化色恒常予測誤差、およびノイズ量に基づいて、撮影部3を評価する。
【0094】
以上のように、第2の実施の形態の撮影装置評価方法によれば、上述の測色色再現誤差、最小化色恒常予測誤差、およびノイズ量に基づいて撮影部3を評価するので、この評価結果により、測色色再現誤差、最小化色恒常予測誤差、ノイズ量が小さい撮影部3ほど、より高い精度で画像処理できる、と判断できる。よって、評価結果に基づき撮影部3を取捨選択することができる。
ここで、測色色再現誤差による評価結果と、色恒常予測誤差による評価結果は、相反する場合がある。このとき、評価結果に基づいて、色恒常予測誤差が最小である撮影部3を選択すると、色恒常の考えに基づき、より高い精度のカラーバランス調整を行うことができる。
【0095】
なお、第2の実施の形態においては、測色色再現誤差、最小化色恒常予測誤差、ノイズ量の三つの値をそれぞれ算出し、これらの算出値を比較するものとしたが、必ずしも三つの値全てを算出する必要はない。少なくとも最小化色恒常予測誤差を算出して、この算出値を比較すれば、色恒常の考えに基づく画像処理を行う際に適切な撮影部3はどれか、を知ることができる。
【0096】
[実施例2]
上述の実施例1の最適化処理の結果に基づいて、感度Aのカメラ、感度Bのカメラについて、それぞれ測色色再現誤差、最小化色恒常予測誤差、およびノイズ量を算出した。また、比較例として、図7(a)のグラフに示す錐体の分光感度(Estevez-Hunt-Pointerプライマリ)についても実施例1と同様の最適化処理を行い、測色色再現誤差、最小化色恒常予測誤差、ノイズ量を算出した。なお、図7(b)は、錐体の分光感度をプライマリ変換して最適化した分光感度を示すグラフである。
【0097】
また、参考例として、感度Aのカメラ、感度Bのカメラ、および錐体の分光感度それぞれについて、最適化されていないそのままの分光感度によるプライマリでカラーバランス(ホワイトバランス)をとった場合の色恒常予測誤差を算出した。具体的には、マトリクスAを単位行列とした場合の色恒常予測誤差を、上記式(4)に基づいて算出した。
【0098】
図8に、算出結果を示す。分光感度を最適化しない場合に得られた色恒常予測誤差(参考)に対する、分光感度を最適化した場合に得られた最小化色恒常予測誤差の比率は、感度Aのカメラでは66%、感度Bのカメラでは60%である。このことから、感度Bのカメラの方が、感度Aのカメラに比べ、第1の実施の形態の画像処理方法によって異種光源下の色から標準光源下の色ををより高精度で再現でき、より高精度で画像のカラーバランスをとれる、ということがわかる。
【0099】
また、感度Aのカメラ、感度Bのカメラについて、測色色再現誤差、ノイズ比を比較すると、いずれも感度Bのカメラの方が低い値を示している。したがって、感度Aのカメラよりも、感度Bのカメラを選択した方が、より高精度の画像処理を行える、と判断できる。
【0100】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態である画像情報保存方法は、画像処理システム(図示略)を構成する画像処理装置1により、画像データを保存する方法である。画像処理システムは、第1の実施の形態の画像処理装置1(第1の画像処理装置)と、外部機器(第2の画像処理装置)と、画像処理装置1と外部機器との間で情報をやりとりするための伝送媒体と、を備えて構成されている。
【0101】
ここで、画像処理装置1の制御部2は、画像処理部4により画像圧縮された画像データ(本発明の処理後画像情報に相当)を、例えば、図9に示すファイル構造7(本発明の画像データファイルにおけるデータ構造に相当)のフォーマットで記憶部5(本発明の情報保存手段に相当)に記憶させるようになっている。
ファイル構造7は、ファイルヘッダ部71、画像データに関する共通な情報を記憶するメタデータ部72、画像データそのものを記憶する画像データ記憶部73(本発明の第1のデータ領域に相当)を備えて構成されている。メタデータ部72には変換データ記憶部72a(本発明の第2のデータ領域に相当)が設けられており、変換データ記憶部72aには、最適化されたプライマリ変換マトリクスAのデータや、画像撮影時における撮影部3の分光感度のデータなど(本発明の変換情報に相当)が記憶されるようになっている。
また、制御部2は、記憶部5に記憶されたファイル構造7に含まれるデータ全てを、一緒に外部機器へ伝送媒体を介して送信できるようになっている。
【0102】
また、画像処理システムを構成する外部機器には、第1の実施の形態の画像処理部4と同様の構成の画像処理部が設けられている。また、外部機器には、画像処理部により画像処理を行うための画像処理プログラムや画像処理データ等を記憶する記憶部が設けられている。
また、前記伝送媒体は、例えば、ケーブルや、LAN(Local Area Network)、電話回線、インターネット等から構成されるものである。
【0103】
上記の画像処理装置1による画像情報保存方法について、説明する。第1の実施の形態で述べたようにして画像処理部4による画像処理が施された後、制御部2は、圧縮された画像データを、図9に示すファイル構造7のフォーマットで記憶させる。このとき、記憶部5に予め記憶されている、最適化されたマトリクスAのデータや、画像撮影時における撮影部3の分光感度のデータを、変換データ記憶部72aに記憶させる。
【0104】
次に、外部機器が画像処理装置1からファイル構造7のデータを伝送媒体を介して受信した場合に、外部機器により行う画像処理方法について、説明する。
外部機器は、画像処理装置1から受信したファイル構造7の変換データ記憶部72aから、マトリクスAのデータを読み出す。次に、このマトリクスAのデータに基づき、外部機器の画像処理部が、ファイル構造7に含まれる処理後の画像データを逆変換して、ゲイン調整処理後のデータを算出する。具体的には、色変換部45の変換処理の逆変換と、プライマリ逆変換部44の変換処理の逆変換(または三刺激値変換部49の変換処理の逆変換、およびプライマリ逆変換部48の変換処理の逆変換)を行う。
次に、得られたゲイン調整後のデータを、ゲイン調整部43(またはゲイン調整部47)によりゲイン調整して、ホワイトバランスをとりなおす。その後、プライマリ逆変換部44(または三刺激値変換部49とプライマリ逆変換部48)と、色変換部45により、ホワイトバランスを取り直した画像データの変換処理を行う。
【0105】
もしくは、外部機器は、画像処理装置1から受信したファイル構造7の変換データ記憶部72aから、撮影部3の分光感度のデータを読み出す。次に、この分光感度のデータに基づき、外部機器において第1の実施の形態で記述したマトリクスAの最適化処理を行う。次に、マトリクスAが変換データ記憶部72aに記憶されている場合と同様にして、最適化処理により算出したマトリクスAに基づいて、画像データの逆変換、ホワイトバランス調整、および変換処理を行う。
【0106】
以上のように、第3の実施の形態の画像情報保存方法、画像処理装置1、画像処理システム、およびファイル構造7によれば、外部機器において、変換データ記憶部72aに記憶されたマトリクスAや分光感度のデータを読みとり、このデータに基づき、画像圧縮された画像データを、色恒常を最適化して再処理することができる。
特に、画像処理装置1側で自動的にホワイトバランスを調整している場合には、処理後の画像に誤差が含まれている可能性がある。このような場合に、外部機器において再度ホワイトバランスをとることができるので、より高画質化された画像を得ることができる。
【0107】
また、変換データ記憶部72aにマトリクスAや分光感度のデータが記憶されているので、最小限の明確な情報に基づき、画像データを再処理できる。よって、画像データを再処理する際の演算処理にかかる負担を軽減できる。また、ファイル構造7全体のデータ量を少なく抑えることができる。
【0108】
なお、第3の実施の形態において、ファイル構造7の画像データ記憶部73に記憶させる画像データを、出力段で使われるビット数(例えば、8ビット)を上回るビット数(例えば、10〜16ビット)を持つように構成すれば、再計算によるビット落ちを避けることができる。
【0109】
また、画像データ記憶部73に画像処理後の画像データを記憶させる構成としたが、これに限らず、画像データ記憶部73に、撮影部3による撮影によって得られた画像信号の生データや、この生データを三刺激値に変換したデータなどの画像処理前のデータ(本発明の撮影画像情報に相当)を記憶させる構成としてもよい。この場合には、外部機器の画像処理部により、変換データ記憶部72aに記憶されたマトリクスAや撮影部3の分光感度のデータに基づいて、画像処理前のデータを処理して、色恒常の考えに基づくカラーバランス調整を行える。
【0110】
また、変換データ記憶部72aにはマトリクスAや撮影部3の分光感度のデータが記憶されるものとしたが、これに限らず、例えば、マトリクスAや分光感度のデータをインターネット上の任意の場所に予め記憶しておき、この居所を示すデータ(本発明の居所情報に相当。具体的には、例えば、URL(Uniform Resource Locator)など)を変換データ記憶部72aに記憶させておく構成としてもよい。
この構成とすれば、外部機器側において、居所データに基づきマトリクスAや分光感度のデータを探し当てることができるので、探し当てたデータに基づいて画像データの変換処理や、処理後の画像データの再変換処理を行える。
【0111】
また、画像処理装置1側において、画像データのファイル構造7が記憶されている記憶部5が、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクなどの着脱可能な記憶媒体である場合には、この着脱可能な記憶媒体を外部機器に装着し、外部機器において記憶媒体からファイル構造7のデータを読みとって、読みとったデータに基づき画像処理を行うことができる。なお、この場合には、外部機器は、必ずしも伝送媒体を介して画像処理装置1と接続されている必要はない。
【0112】
また、第3の実施の形態における画像処理装置1は、必ずしも画像処理部4を備えている必要はない。これは、外部機器側において、最適化されたマトリクスAを用いて、色恒常の考えに基づきカラーバランスをとることができるためである。
【0113】
【発明の効果】
請求項1、4記載の発明によれば、変換手段により、異種光源下色情報を標準光源下色情報に合わせるようにして、撮影装置により撮影された画像の色情報が変換される。したがって、画像の色合いが、まるで標準光源下で撮影したかのような色合いになるよう、カラーバランスをとることができる。すなわち、色恒常の考えに基づいて、画像のカラーバランスをとることができる。
【0116】
請求項2記載の発明によれば、色情報が線形マトリクスにより変換されるので、色情報の変換処理において複雑な演算処理等を必要とせず、容易に色情報を変換できる。
【0117】
請求項5記載の発明によれば、撮影装置の評価結果により、どの撮影装置を用いれば、色恒常の考えに基づく画像処理をより高い精度で行えるか、を知ることができる。よって、撮影装置の評価結果に基づき撮影装置を取捨選択して、色恒常の考えに基づき、より高い精度のカラーバランス調整を行え、また、好ましい撮影システムを選定できる。
【0118】
請求項6、9記載の発明によれば、画像情報とともに保存されている変換情報や居所情報に基づき、変換手段による色情報の変換方法を特定でき、特定した色情報の変換方法に従って、撮影画像情報の色情報を変換したり、処理後画像情報から変換前の画像情報を求めて、変換前の画像情報の色情報を再度変換したりすることができる。よって、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスをとることができる。
【0119】
請求項7記載の発明によれば、変換手段による色情報の変換方法を、撮影装置の分光感度や線形マトリクスの情報に基づいて特定できるので、最小限の明確な情報に基づき、撮影した画像や、画像処理後の画像について、カラーバランスをとる処理を容易に行うことができる。
請求項8記載の発明によれば、変換手段による色情報の変換方法が、撮影装置の分光感度や線形マトリクスの情報に基づいて特定され、この変換方法に従って、撮影画像情報、および処理後画像情報のうちの少なくとも一方の画像情報の色情報が変換される。よって、最小限の明確な情報に基づき、撮影した画像や、画像処理後の画像について、カラーバランスをとる処理を容易に行うことができる。
【0120】
請求項10記載の発明によれば、画像情報とともに送信される変換情報や居所情報に基づき、変換手段による色情報の変換方法を特定でき、特定した色情報の変換方法に従って、撮影画像情報の色情報を変換したり、処理後画像情報から変換前の画像情報を求めて、変換前の画像情報の色情報を再度変換したりすることができる。よって、撮影した画像や、画像処理後の画像について、色恒常の考えに基づいてカラーバランスをとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の画像処理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】図1中の画像処理部の内部構成例を示す概略図である。
【図3】(a)は、実施例1の最適化処理に用いた感度Aのカメラの分光感度を示すグラフであり、(b)は、実施例1の最適化処理に用いた感度Bのカメラの分光感度を示すグラフである。
【図4】実施例1の最適化処理において選択した光源の分光分布を示すグラフである。
【図5】実施例1の最適化処理において選択したマクベスカラーチェッカーの分光反射率を示すグラフである。
【図6】(a)は、図3(a)に示す分光感度の最適化結果を示すグラフであり、(b)は、図3(b)に示す分光感度の最適化結果を示すグラフである。
【図7】(a)は、実施例2において比較例として用いた錐体の分光感度を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す分光感度の最適化結果を示すグラフである。
【図8】実施例2の算出結果を示す表である。
【図9】第3の実施の形態の画像保存方法により保存される画像データのファイル構造を示す概念図である。
【符号の説明】
1 画像処理装置(第1の画像処理装置)
3 撮影部(撮影装置)
5 記憶部(情報保存手段)
7 ファイル構造(画像データファイルにおけるデータ構造)
41 三刺激値変換部(変換手段、色差最小化変換手段、色情報変換手段)
42、46 プライマリ変換部(変換手段、色差最小化変換手段、色情報変換手段)
43、47 ゲイン調整部(変換手段、色差最小化変換手段、ホワイトバランス調整手段)
44、48 プライマリ逆変換部(変換手段、色差最小化変換手段)
72a 変換データ記憶部(第2のデータ領域)
73 画像データ記憶部(第1のデータ領域)
Claims (10)
- 撮影装置により撮影された画像を処理してカラーバランスをとる画像処理方法であって、
前記撮影装置の分光感度に関わる情報に基づいて得られる、標準光源とは異なる種類の複数の異種光源下における有彩色を含む色票の色情報である異種光源下色情報を、前記色票の標準光源下における色情報である標準光源下色情報に合わせるように変換可能な変換手段により、前記画像の色情報を変換するものであり、
前記変換手段による変換処理は、色情報を変換するプライマリ変換処理と、前記プライマリ変換処理によって得られた変換後色情報を直接ゲイン調整してホワイトバランスを調整するゲイン調整処理と、を含み、
前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスは、前記複数の種類の異種光源について、前記標準光源下色情報と、前記複数の種類の異種光源それぞれの異種光源下において前記撮影装置により前記色票を撮影して得られた撮影出力値に対して前記変換手段による変換処理を施して得られた色情報と、の色差を重み付け平均した値である色恒常予測誤差が最小となるように、繰り返し演算処理を行うことで最適化されたものであることを特徴とする画像処理方法。 - 前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスは、線形マトリクスであることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記プライマリ変換処理は、前記撮影装置により得られた撮影出力値を直接変換するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
- 撮影装置により撮影された画像を処理してカラーバランスをとる画像処理装置であって、
前記撮影装置の分光感度に関わる情報に基づいて得られる、標準光源とは異なる種類の複数の異種光源下における有彩色を含む色票の色情報である異種光源下色情報を、前記色票の標準光源下における色情報である標準光源下色情報に合わせるように変換可能な変換手段を備え、
この変換手段により、前記画像の色情報を変換するものであり、
前記変換手段による変換処理は、色情報を変換するプライマリ変換処理と、前記プライマリ変換処理によって得られた変換後色情報を直接ゲイン調整してホワイトバランスを調整するゲイン調整処理と、を含み、
前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスは、前記複数の種類の異種光源について、前記標準光源下色情報と、前記複数の種類の異種光源それぞれの異種光源下において前記撮影装置により前記色票を撮影して得られた撮影出力値に対して前記変換手段による変換処理を施して得られた色情報と、の色差を重み付け平均した値である色恒常予測誤差が最小となるように、繰り返し演算処理を行うことで最適化されたものであることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理方法によって画像を処理する場合に用いる撮影装置を評価する撮影装置評価方法であって、
前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスの最適化により最小化された色恒常予測誤差に基づいて、前記撮影装置を評価することを特徴とする撮影装置評価方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法によって画像を処理する場合に画像情報を保存する画像情報保存方法であって、
前記撮影装置の撮影により得られた撮影画像情報と、前記画像処理方法により画像を処理して得られた処理後画像情報と、のうちの少なくとも一方の画像情報とともに、前記変換手段による色情報の変換方法を特定可能な変換情報と、この変換情報の居所を示す居所情報と、のうちの少なくとも一方の情報を保存することを特徴とする画像情報保存方法。 - 前記プライマリ変換処理に用いるマトリクスは、線形マトリクスであり、
前記変換手段による色情報の変換方法を特定可能な変換情報は、前記撮影装置の分光感度と、前記線形マトリクスと、のうちの少なくとも一方の情報であることを特徴とする請求項6記載の画像情報保存方法。 - 請求項7記載の画像情報保存方法により保存された画像情報を処理する画像処理方法であって、
前記画像情報保存方法により保存された変換情報、および、居所情報に基づき探し当てられた変換情報、のうちの少なくとも一方の変換情報に含まれる、分光感度、および、線形マトリクスの少なくとも一方の情報に基づいて、前記変換手段による色情報の変換方法を特定し、
特定した色情報の変換方法に従って、前記画像情報保存方法により保存された撮影画像情報、および、処理後画像情報、のうちの少なくとも一方の画像情報の色情報を変換することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法によって画像を処理する画像処理装置であって、
前記撮影装置の撮影により得られた撮影画像情報と、前記画像処理方法により画像を処理して得られた処理後画像情報と、のうちの少なくとも一方の画像情報とともに、前記変換手段による色情報の変換方法を特定可能な変換情報と、この変換情報の居所を示す居所情報と、のうちの少なくとも一方の情報を保存する情報保存手段を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項6または7記載の画像情報保存方法により画像情報が保存される情報保存手段を備える第1の画像処理装置と、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法によって画像を処理可能な第2の画像処理装置と、前記第1の画像処理装置と前記第2の画像処理装置との間で情報をやりとりするための伝送媒体と、を備え、
前記情報保存手段に保存された撮影画像情報と処理後画像情報とのうちの少なくとも一方の画像情報とともに、前記情報保存手段に前記画像情報とともに保存された変換情報と居所情報とのうちの少なくとも一方の情報を、前記伝送媒体を介して、前記第1の画像処理装置から、前記第2の画像処理装置へ送信することを特徴とする画像処理システム。
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