JP4679766B2 - 製氷器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は冷蔵庫に入れて氷を作る製氷器に関し、更に詳細には、家庭用の冷蔵庫の冷凍室或いは製氷室内に設置してほぼ球形で透明な氷を作ることが可能な製氷器に関する。
【従来技術】
【0002】
家庭用冷蔵庫に入れて氷を作る製氷器において、透明な氷を作るための製氷器或いは製氷装置は、例えば、(1)特開昭64−6664号公報、(2)特開昭64−23077号公報、或いは(3)特開昭64−75870号公報において既に知られている。上記(1)に示されるものは、製氷皿内に、その中を上下に仕切る中仕切板を配置すると共に、製氷皿を載せる棚にヒーター等の加熱手段を設けて製氷皿中の水を上部から冷やすと同時に製氷皿の底から加熱手段により加熱することにより、製氷皿内の水が上部から凍結が進行する過程で、中仕切板の上側の水中のガスや不純物を中仕切板に形成された穴を通してまだ凍っていない中仕切板の下側の水内に移行させ、それによって中仕切板の上側の水を比較的透明な氷にするものである。また、上記(2)に記載のものは、製氷皿に上部分、その上部分より容積の小さい下部分とを形成し、製氷皿内の水の上面から凍結を進行させて水中のガスや不純物を下部分内の水中に移行させ、製氷完了後に製氷皿の上部分で作られた氷と下部分で作られた氷を手作業により分離するものである。更に、上記(3)に示されるものは、製氷皿を、上部製氷皿と下部製氷皿とに分けて上部製氷皿の底に小穴を形成し、製氷室の製氷皿受台には下部製氷皿をほぼ囲む断熱材を設け、水の凍結時に上部製氷皿内の水が先に凍結しその後上部製氷皿と下部製氷皿とによって画成された水溜め部内の水が凍結するようにさせて上部製氷皿内の氷を透明に凍らせるようにしている。
【0003】
一方、家庭用冷蔵庫内に入れて球形の氷を製造する製氷器の従来のものとしては、(4)特開平9−159334号公報に示されるものがある。この製氷器は、ほぼ球状のチャンバを画成する容器部を、上容器部と下容器部とに分け、その下容器部には下容器部を冷凍室の載置面より浮かせるための載置台部を一体的に形成し、それらを係止・解除機構により互いに離脱可能に組合せ、それによって容器部内に入れられた水を凍結させて氷を作るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)に示された装置では製氷皿の載置棚に加熱手段を設けなければならず、そのような手段の設けられていない冷凍室などで透明な氷を作ることはでず、また球形の氷も製造できない。また、上記(2)に記載された製氷器では出来た氷を手作業により分離しなければならない欠点があるだけでなく、球形の氷を作ることもできない。更に、上記(3)に記載の製氷皿では透明の氷を作ることはできるが、球形の氷を作ることはできない。また、上記(4)の製氷器では球形の氷を作ることは可能であるが、球形の氷全体を透明にすることは不可能で、その製氷器の構造上、下容器部分の底部分近くで最後に凍結する氷のなかには不透明部分が残ってしまう。
【0005】
そこで本発明者は、特別の装置を備えていない家庭用の普通の冷蔵庫でも簡単に球状でしかも透明な氷をつくることが可能か否か鋭意研究を重ね、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の目的は、簡単な操作により球形で透明な氷を製造できる製氷器を提供することである。
本発明は、回りにリング状の突起を有さない真球状のきれいな氷を製造できる製氷器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による製氷器は、球形の主チャンバを画成する主容器であって下容器部分及び前記下容器部分に取り外し可能に装着される上容器部分を有する主容器と、前記下容器部分が取り外し可能に装着されるようになっていて、前記下容器部分と所望の容積の補助チャンバを画成する補助容器と、前記補助容器を収容する断熱部と、を備え、前記下容器部分の底部には前記主チャンバと前記補助チャンバとを連通する通孔が形成され、前記上容器部分の頂部には小孔が形成され、前記下容器部分には前記上容器部分の外周でその頂部まで伸びる壁が形成されて構成されている。
【0007】
前記製氷器において、前記下容器部分と上容器部分との装着固さが前記下容器部分と前記補助容器との装着固さより大きくなっていて、水の凍結時の体積膨張を前記補助容器に対する前記下容器部分の移動により吸収するようにしてもよい。また、前記主容器上容器部分及び前記下容器部分、補助容器部分並びに断熱部の材料が合成樹脂であってもよく、その場合、前記主容器の少なくとも前記上容器部分の材料の熱伝導率を、補助容器部分及び断熱部の材料の熱伝導率より高くしてもよい。
更に、前記製氷器において、下容器部分には前記主チャンバの下半球状の部分を画成する下半球壁と、前記補助容器の上端面が当接する当接面とを設け、前記当接面を前記下半球壁の上端縁より上に変位させてもよい。
【0008】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の製氷器の一実施形態について説明する。
図1ないし図7に本実施形態による製氷器1が示されている。製氷器1は目的とする球形の氷を作るための球形の主チャンバC1を画成する主容器2と、主容器2に装着される補助容器4と、補助容器を収容する断熱部6とを備えている。主容器2は下容器部分20と、上容器部分30とを有している。下容器部分20は球状の主チャンバC1の下側球面を形成するための半球面状の下半球壁21と、下半球壁21の半径r1より大きな半径r2を有し軸心Y−Yが下半球壁の球心Oを通る環状の壁22と、下半球壁21と壁22とを連結する連結部分23とを有している。連結部分23は、下半球壁21の上端外周部から上に向かって開くように(軸心Y−Yの回りの半径が徐々に大きくなるように)円錐形に伸びる内側部分24と、その内側部分24の上端から半径方向(軸線Y−Yを中心として)に伸びる外側部分25とを有している。したがって、外側部分25の下面すなわち補助容器4の上端面との当接面251は下半球壁21の上端縁211(図2)から上方向にδだけ変位している。内側部分24によって画成される円錐状面(円錐面の一部)の下部には前記上端縁211からわずかに隔てて環状の凸部241(図4で拡大図示)が形成されている。下半球壁の底部には複数個の(この実施形態では7個)の通孔26が形成されている。壁22の上端には半径方向外側に全周に亘って突出する凸部27が形成されている。壁22の外周面221は、好ましくは、連結部分23側よりも凸部27側の方が半径が大きくなるようにテーパー状に形成されている。前記壁及び部分を有する下容器部分は、合成樹脂材料、例えば、ポリエチレン或いはポリプロピレンで一体的に形成されている。内側部分24の外周には軸線Y−Yを軸心とした環状の補助容器との嵌合面242が形成されている。
【0009】
上容器部分30は、球状の主チャンバC1の上側球面を形成するための、半径r1の半球面状の上半球壁31と、上半球壁31の上端外周に形成されたリング部分32と、リング部分32の外側でかつ上半球壁31の外周に形成された複数の(この実施形態では3個)のリブ33とを有している。リブ33は軸心Y−Yの回りで円周方向に等間隔に設けられていて、上端縁331はリング部分32の上縁と同じ高さになっている。上容器部分30の上半球壁31、リング部分32及びリブ33は、下容器部分20と同じ合成樹脂材料、例えばポリエチレン或いはポリプロピレンで一体的に作られ得る。或いは、下容器部分とは異なる材料でしかも熱伝導率が下容器部分を形成する材料より高い材料で作られてもよい。これらのリブは上容器部分30を手で持つときの把持部としての機能を有している。上半球壁31の下端縁311の外周には小さな環状の突起34(図7で拡大図示)が一体的に形成されている。この突起34は前述の環状の凸部241と係合して上容器部分を下容器部分に係止保持できるようになっている。上半球壁の頂部には小孔35が形成されている。
【0010】
補助容器4は、上開口部が下容器部分の嵌合面242に嵌合される本体部41と、本体部41の上端外周から半径方向(軸線Y−Yを中心として)に伸びるフランジ部分42と、そのフランジ部分から軸線Y−Yに沿って上方に伸びる環状部43とを有していて、それらは合成樹脂材料、例えばポリエチレン或いはポリプロピレンで一体的に形成されている。環状部43の内周面431は、下容器部分20の壁22の外周面221と同じようにテーパー状に傾斜されている。環状部43の外周面は、上端の径がフランジ部分42側の径より小さくなるようにテーパー状に形成されていて、補助容器に下容器部分が嵌合されたとき、下容器部分20の凸部27の外周が環状部の外側にわずかであるが突出するようにしてある。これは下容器部分を補助容器部分から取り外すときに凸部27を押さえて相対的に回転ないし引き抜き易くするためである。下容器部分20が補助容器4内に装着されたとき、下容器部分20の連結部23に形成された下面すなわち当接面251がフランジ部分42の上面すなわち補助容器の上端面に当接する。本実施形態では、本体部41の高さh1は主チャンバC1の半径r1の3倍に、当接面251の下半球壁の上端縁211からの変位δを加えたものであり、補助チャンバC2の容積は、本体部41の高さh1を考慮した所望の容積である。しかし、断熱部の構造、素材ないし断熱方法により本体部41の高さh1及び補助チャンバC2の容積は、本実施形態に限られるものではなく変わり得る。フランジ部分42の下面には環状の凸部44がフランジ部分42と一体的に形成されている。補助容器4に対する下容器部分の嵌合の固さは、下容器部分に対する上容器部分の嵌合の固さ(下容器部分の環状の凸部241と上容器部分の環状の突起34との係合による)よりも、後述する理由により弱くなっている。
【0011】
断熱部6はコップ状の容器であって、上開口端61内に補助容器4のフランジ部分の下面に形成された凸部44が嵌合するようになっている。この断熱部も合成樹脂材料で作られ、好ましくは、透明で主容器2の材料よりも熱伝導率の低い材料でつくられている。断熱部6と補助容器4との間には断熱空間Sが形成され、断熱部6の外部から補助容器への熱の伝達に抵抗を与えるようにしている。すなわち、断熱部6を設けることにより、主チャンバの上部から水が凍り始め、水の凍結が主チャンバの上部から下部へ、更には補助チャンバへ向かうとの凍結の方向性を定めることができる。なお、断熱部6の内周面61にシートを張り付け或いは取り外し可能に装着することによって、断熱部の空気層を2層にし、断熱効率を上げることができ、更にそのシートに本製氷器の使用方法の説明を記載してもよい。断熱部6の底62の周辺は63において全周に亘って下側に突出され、断熱部の底全体が冷蔵庫の棚板に密着しないようにしている。これにより底部からの冷却に対する断熱効果を向上させてある。
なお、ここでは断熱部をコップ状の容器とした例を挙げたが、容器ではなく発泡スチロール、アルミシート、ガラス繊維、フエルト、コルク、発泡プラスチック等の断熱性のある素材で補助容器を被ってもよい。
【0012】
次に、上記製氷器により球形の氷を製造する場合について説明する。
まず、図1の状態から、主容器の上容器部分30及び下容器部分20を外し、補助容器4に断熱部6を嵌合させた状態で、上部から水を注入し、補助容器4の環状部43の約8分目まで水を満たす。次に、主容器の下容器部分20の環状突起241と上容器部分30の環状凸部34とを係合させ両者を組み合わせたものを、上記中に水が満たされ外に断熱部6が嵌合された補助容器4の上部から挿入していくと、補助容器内の水は下容器部分20の底部に設けられた通孔26から、上半球部分31及び下半球部分21によって画成される主チャンバC1内に入る。主容器を更に補助容器内に挿入して下容器部分20と補助容器4とが嵌合された状態になると、主チャンバC1内は水で満たされ、余分な水は上容器部分30の頂部に設けられた小孔35を通じて上容器部分の外部にあふれ出る。これにより、主容器の上容器部分及び下容器部分、補助容器、断熱部がそれぞれ嵌合した状態で、補助チャンバC2及び主チャンバC1が水で満たされた状態になる。なお、小孔35からあふれた水が、上容器部分30の上半球壁31と下容器部分20の壁22との間の隙間いっぱいに溜まった場合には、指で小孔を押さえて主チャンバ内の水がこぼれないようにして、製氷器全体を傾けてその隙間に溜まった水をこぼすようにしてもよい。
【0013】
次に、上記のようにして主チャンバ及び補助チャンバ内に水を満たした製氷器を冷蔵庫の冷凍室又は製氷室内に入れる。冷凍室で冷気が製氷器に吹き付けられると、主チャンバC1内の水及び上半球壁31と壁22との間の水が上から徐々に凍り始め、主チャンバの最下部に向かって凍結が進む。このとき、主容器の上、下容器部分は、上容器部分の環状凸部34と下容器部分の環状突起241でしっかりと係合していることにより、主チャンバ内の水の凍結に伴う体積膨張により発生する圧力で上、下容器部分が離れることがないため、主チャンバで形成される球状の氷にリング状の突起が形成されることがなく、また上、下容器部分の離れ部から主チャンバ内に空気が入ることを防ぐことができる。そして、水中のガス及び不純物は主チャンバ内で上部から下部に移動し、その後、通孔26を通して補助チャンバ内の凍っていない水内に移動する。したがって、主チャンバC1内で水が完全に凍ったとき氷の中には不純物及び空気が存在せず、氷がほぼ透明になる。主チャンバ内及び補助チャンバ内の水が凍ることによる体積膨張は、主容器の上、下容器部分の係合の固さより補助容器と下容器部分との係合の固さが小さくなっているので、補助容器4に関して主容器全体が押し上げられることによって、吸収され、したがって、主容器の上、下容器部分が離れてそれらの間に水が漏れて凍ることは防止できる。
【0014】
製氷器内の水、特に主チャンバ内の水の凍結が完了した後、製氷器を冷蔵庫から取り出し、主容器2を補助容器から取り外す。更に、主容器の下容器部分の壁22を手で押したり、上容器部分のリブ33を把持する等することにより下容器部分と上容器部分とを分離し、球状の氷を取り出すことができる。なお、上下容器部分が分離しにくいときは、上下容器部分に水をかける等すれば良い。
【0015】
上記構成の製氷器を使用して実際に球形の氷を製造した例に付いて説明する。
製氷器の補助容器の高さを、補助容器の底面から主容器の下容器部分最下部までで5.5cmとし、主容器の下容器部分を係合しない状態における補助容器のフランジ部42(図1)までの水の容積を190mLとしたところ、本製氷器を家庭用冷蔵庫(HITACHI 315型)の冷凍室に設置した場合は約10時間で、また他の冷蔵庫(HOSHIZAKI HRF−96MT、TOSHIBA400リットル、東芝GR22T216リットル)においても約10時間で直径約5.5cmの透明な球状氷をつくることができた。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば次のような効果を奏することができる。
(イ)簡単な操作により球形で透明な氷を製造できる。
(ロ)普通の冷蔵庫を使用して球形で透明な氷を製造できる。
(ハ)回りにリング状の突起を有しないほぼ真球のきれいな氷を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製氷器の一実施形態の断面図である。
【図2】図1に示される製氷器の下容器部分の断面図である。
【図3】図2に示される下容器部分の上平面図である。
【図4】図2の矢印Aで示される部分の拡大断面図である。
【図5】図1に示される製氷器の上容器部分の断面図である。
【図6】図5に示される上容器部分の上平面図である。
【図7】図5の矢印Bで示される部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 製氷器
2 主容器
20 下容器部分 21 下半球壁
22 壁 26 通孔
30 上半球壁 31 上半球壁
35 小孔
4 補助容器
6 断熱部
Claims (5)
- 球形の主チャンバを画成する主容器であって下容器部分及び前記下容器部分に取り外し可能に装着される上容器部分を有する主容器と、前記下容器部分が取り外し可能に装着されるようになっていて、前記下容器部分と所望の容積の補助チャンバを画成する補助容器と、前記補助容器を収容する断熱部と、を備え、前記下容器部分の底部には前記主チャンバと前記補助チャンバとを連通する通孔が形成され、前記上容器部分の頂部には小孔が形成され、前記下容器部分には前記上容器部分の外周でその頂部まで伸びる壁が形成されており、
前記下容器部分と上容器部分との装着固さが前記下容器部分と前記補助容器との装着固さより大きくなっていて、水の凍結時の体積膨張を前記補助容器に対する前記下容器部分の移動により吸収する製氷器。 - 球形の主チャンバを画成する主容器であって下容器部分及び前記下容器部分に取り外し可能に装着される上容器部分を有する主容器と、前記下容器部分が取り外し可能に装着されるようになっていて、前記下容器部分と所望の容積の補助チャンバを画成する補助容器と、前記補助容器を収容する断熱部と、を備え、前記下容器部分の底部には前記主チャンバと前記補助チャンバとを連通する通孔が形成され、前記上容器部分の頂部には小孔が形成され、前記下容器部分には前記上容器部分の外周でその頂部まで伸びる壁が形成されており、
前記主容器の少なくとも前記上容器部分の材料の熱伝導率を、補助容器部分及び断熱部の材料の熱伝導率より高くした製氷器。 - 請求項1又は2に記載の製氷器において、前記主容器上容器部分及び前記下容器部分、補助容器部分並びに断熱部の材料が合成樹脂である製氷器。
- 請求項1に記載の製氷器において、前記主容器の少なくとも前記上容器部分の材料の熱伝導率を、補助容器部分及び断熱部の材料の熱伝導率より高くした製氷器。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の製氷器において、下容器部分には前記主チャンバの下半球状の部分を画成する下半球壁と、前記補助容器の上端面が当接する当接面とが設けられ、前記当接面が前記下半球壁の上端縁より上に変位している製氷器。
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