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JP4685494B2 - トロリー線の位置測定装置 - Google Patents
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本発明は、トロリー線位置測定装置に関する。詳しくは、車両の屋根上に設置したカメラにより取得した画像を処理することによってトロリー線の高さ、偏位、押し上げ量の計測及び曲引金具検知等を行う装置に関する。
鉄道分野においては、電車線の保全のためトロリー線の保守を行う必要がある。トロリー線の保守とは、トロリー線の摩耗や高さ、偏位、押し上げ量の計測、また曲引金具検知等を行い、これらの項目についてそれぞれが正常な数値や位置にあるかを管理するものであり、これらの項目を定期的に計測することで未然の事故防止に役立てている。
トロリー線の高さとは車両の上方に設備されたトロリー線とレールとの高低差であり、通常4500mm(新幹線では5000mm)程度である。また、トロリー線の偏位とはトロリー線の水平方向の位置であり、通常は車両の進行方向に対しパンタグラフ中心から左右に±250mm(新幹線では±300mm)程度となっている。
従来、トロリー線の高さや偏位等の測定には、例えば車両の屋根上にトロリー線を照らすナトリウムランプを設置し、車両を走行させながらトロリー線で反射された光を受光ミラー及び折り返しミラーを介して受光カメラへ導いて反射光を撮影し、その反射光の位置からトロリー線の偏位等を計測し、更に小型パンタグラフにより高さ等を計測するもの(例えば、非特許文献1)、或いは複数台のカメラを用いてパンタグラフ付近を撮影し、この撮影された複数の画像に基づいてトロリー線の位置を計測するもの(特許文献1)等がある。
また、トロリー線の押し上げ量とは車両通過時にパンタグラフにより押し上げられたときとパンタグラフの影響を受けないときのトロリー線の高さの差であり、従来、車両が通らない間にトロリー線にマーカを設置し、通過前のマーカ位置と通過時のマーカ位置を地上から計測し、このマーカ位置の差から押し上げ量を測定している。
また、曲引金具とはトロリー線を吊り上げる金具で、経年変化等により曲引金具の位置が正常の範囲を外れるとパンタグラフに接触する等の事故に繋がるおそれがあるため、定期的に曲引金具の位置を計測する必要がある。
従来、曲引金具等の位置の計測には、曲引金具等に向けたレーザ光源を設け、曲引金具等からの反射光をレーザセンサが取得したときにカメラにより曲引金具等の画像を採取し、この画像を処理することにより曲引金具の角度を算出する、レーザセンサによる測定装置(例えば、特許文献2)、或いは接触センサを鉛直上方に設置しこのセンサに接触する物体の有無によって曲引金具の位置が正常であるかどうかを検知する、検測用パンタグラフによる測定装置(例えば、特許文献3)などが用いられている。
特開2003−341389号公報 特開2000−343986号公報 特開昭57−80505号公報 久須美 俊一、 "軌陸車を用いた電車線検測装置の開発"、[online]、114回鉄道総研月例発表会要旨、[平成16年8月20日検索]、インターネット〈URL:http://www.rtri.or.jp/infoce/getsu09/g114_5.html〉
しかしながら、上述した非特許文献1においてはミラー制御装置や高周波電源などの付帯設備が必要であるため、計測装置が比較的大型となる問題がある。さらに得られた測定結果は単純な測定値として残るだけなので、正常値の範囲外の測定値が検出された場合であっても、その測定値が本当にトロリー線を示すものなのか、または単にノイズによるものなのか判別できないという問題がある。
また、従来の方法でトロリー線の押し上げ量を計測する場合、全走行区間にわたってトロリー線の押し上げ量を計測するには、線路を移動しながら一地点の計測工程であるマーカ取り付け、計測及び取り外しの工程を繰り返さなければならず、効率が悪いという問題がある。
更に、特許文献2においては、安定化電源などの付帯設備が必要で、計測装置が大型となる問題がある。また、特許文献3においては、計測用にしか使用しないパンタグラフが必要で、高価な検測用パンタグラフを導入しなければならない問題と、接触センサが最も風にさらされる場所にあり、騒音源となる問題がある。
このようなことから本発明は、簡素な装置で効率よくトロリー線の測定を行うことのできるトロリー線の位置測定装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るトロリー線の位置測定装置は、車両の屋根上であって、鉛直上方にパンタグラフがない位置に設けられると共に、鉛直上方に向けられ前記車両の進行方向に対して左右に配置された二台の近接センサと、前記近接センサの出力値の論理和に応じて前記近接センサ上方のトロリー線の映像を取得する一台のカメラと、前記カメラの出力する映像信号を記録する画像記録部と、前記画像記録部から取得した映像信号を解析して、前記トロリー線の高さ及び偏位、前記トロリー線を支持する金具の角度及び支障物の有無を計測する画像処理部とを有することを特徴とする。
本発明に係るトロリー線の位置測定装置は、車両の屋根上に鉛直上方に向けられ前記車両の進行方向に対して左右に配置された二台の近接センサと、前記近接センサの出力値の論理和に応じて前記近接センサ上方のトロリー線の映像を取得する一台のカメラと、前記カメラの出力する映像信号を記録する画像記録部と、前記画像記録部から取得した映像信号を解析する画像処理部とを有するトロリー線の位置測定装置を二組使用し、第一の前記トロリー線の位置測定装置は進行方向に対し先頭のパンタグラフを有する車両より前のいずれか一つの車両の屋根上に、かつ第二の前記トロリー線の位置測定装置はパンタグラフを有する車両の屋根上にそれぞれ設置し、前記第一及び第二のトロリー線の位置測定装置により前記トロリー線の高さをそれぞれ測定し、計測位置を同期させた後、それぞれの前記トロリー線の高さの差分を取ることを特徴とする。
本発明に係るトロリー線の位置測定装置よれば、二台の近接センサと一台のカメラでトロリー線の高さ、偏位、曲引金具の角度、支障物の有無を一括して計測することが可能であり、装置の小型化、効率の良化に繋がる。また、本発明に係るトロリー線の位置測定装置を二組使用すれば、一度の走行で必要に応じた区間のトロリー線の押し上げ量も同時に測定することが可能であるため、更に効率良く作業を行うことができる。
以下、本発明によるトロリー線の位置測定装置の最良の実施形態を図に基づいて説明する。図1は本実施形態の構成例を示す図であり、1は車両、2及び3はレーザ方式や赤外線方式等のセンサである近接センサ(以下、単に近接センサという)、4は論理和回路、5はITVカメラ、6は画像記録部、7は画像処理部、8はトロリー線、9は曲引金具、10は電車線柱、11はレール、12は投光器である。
近接センサ2及び3とITVカメラ5は車両1の屋根上に設置する。近接センサ2及び3は鉛直上方に向けて、進行方向に対して左右に間隔をあけた状態で設置し、またITVカメラ5は近接センサ2及び3の前方に、近接センサ2及び3上方のトロリー線8の画像を取得できる角度で設置する。尚、画像記録部6及び画像処理部7は車両内に設置する。
近接センサ2及び3の出力は論理和回路4に入力される。論理和回路4はこれらの論理和をトリガ信号としてITVカメラ5に入力し、ITVカメラ5はトリガ信号に応じて画像取得の有無を決定する。これにより例えば曲引金具9が近接センサ3を通過したときは、ITVカメラ5によって図2に示すような画像が得られ、これを画像記録部6において記録し、記録された画像を画像処理部7において画像処理することでトロリー線8の高さ、偏位、曲引金具9の角度及び支障物の有無を求める。
以下、図3に示すフローチャートに基づいて画像処理の手順を説明する。
(1)記録された画像を入力する(ステップS1)。
(2)入力された画像についてエッジ検出及び直線検出を行う(ステップS2,S3)。
(3)(2)の検出結果に基づいて縦方向及び横方向に延びる線(以下、それぞれ縦線、横線という)をそれぞれ抽出する(ステップS4,S5)。
(4)上記縦線及び横線の交点座標x及びyを求め、このx及びyに基づいてそれぞれトロリー線の実際の偏位及び高さを求める(ステップS6)。なお、画像上の交点座標x,yから、実際の偏位及び高さを求めるための変換には、既に広く一般的に知られている方法を使用すればよい。
(5)ステップS5により抽出した横線の角度を求め、これに基づいて曲引金具の角度を求める(ステップS7)。
(6)二値化処理を行って支障物を抽出する(ステップS8)。
(7)入力された全ての画像の処理が終了するまで(2)から(6)の処理を繰り返す(ステップS9)。
このような処理を行うことによって、例えば図2に示す画像について前述した画像処理を行った場合、トロリー線8が縦線、曲引金具9が横線として抽出され、トロリー線8の高さ、偏位、及び曲引金具9の角度が得られる。なお図1及び図2において破線で囲んだ部分のように、例えばITVカメラ5で撮影した画像についてITVカメラ5の姿勢と、通常のトロリー線8の高さ及び偏位の範囲等からトロリー線8及び曲引金具9位置の正常な範囲を予め計算して設定しておき、画像処理工程において設定した範囲のみに処理を制限すれば、画像処理の精度が増し、誤検出の防止に繋がる。
従って、本実施形態によるトロリー線の位置測定装置によれば、
(1)二台の近接センサ2及び3とITVカメラ5による一枚の画像から、トロリー線8の高さ、偏位、曲引金具9の角度、及び支障物を計測できるため、計測の効率が良い、
(2)二台の近接センサ2及び3とITVカメラ5だけで計測できるため、屋根上の装置を小型化できる、
(3)画像記録部6に画像が記録されているため、必要に応じて画像を再確認することができる、
等の利点がある。
なお、本実施形態においてはITVカメラを近接センサの前方に設けたが、これに限らず必要に応じて後方に設ける等しても構わない。また、検出されたトロリー線の高さ、偏位、曲引金具の角度等の測定値が正常値の範囲内か或いは範囲外かを判定する機能を設ける等してもよい。
本発明によるトロリー線の位置測定装置の一実施例を図に基づいて説明する。図4に示すように、本実施例はトロリー線の位置測定装置を二組用いてトロリー線8の測定を行うものである。図4中、1a及び1bは車両、2a、3a、2b及び3bは近接センサ、4a及び4bは論理和回路、5a及び5bはITVカメラ、6a及び6bは画像記録部、7a及び7bは画像処理部、8はトロリー線、9は曲引金具、10は電車線柱、11はレール、12a及び12bは投光器、13はパンタグラフであり、近接センサ2a及び3aとITVカメラ5a、また近接センサ2b及び3bとITVカメラ5bの配置は上述した実施形態における近接センサ2及び3とITVカメラ5の配置と同様とする。なお、上述した実施形態と重複する構成については説明を省略する。
二組のトロリー線の位置測定装置は、一組はパンタグラフ11による押し上げの影響のないトロリー線8、他の一組はパンタグラフ11によって押し上げの影響を受けるパンタグラフ11近傍のトロリー線8についてそれぞれ測定するものとする。これにより、曲引金具9に吊り下げられた部分のトロリー線8のパンタグラフ11による押し上げ量を計測することが可能となる。
以下、本実施例の作用を説明する。例えば車両1aはパンタグラフを有しない先頭車両、車両1bはパンタグラフ11を有する車両としてそれぞれの屋根上にトロリー線の位置測定装置を設置し、それぞれのトロリー線の位置測定装置において上述した実施形態1と同様の計測を行う。また更に、トロリー線8の押し上げ量を求めるために、車両1a及び車両1bにおいて測定したトロリー線8の高さの比較を行う。ただし、車両1aと車両1bとでは計測位置が離れているため、高さデータを同一位置に同期させ、この同期した高さデータの差分を押し上げ量とする。
以下、同期方法について図5を用いて図4に示す構成を例に説明する。まず、車両1aと車両1bがある地点を通過する時刻をそれぞれT及びtとし、このときのトロリー線8の高さをそれぞれha(T),hb(t)とする。また、車両1aから車両1bまでの距離をd、自動列車制御装置(ATC)で使用される車両の速度情報をv(t)とすると、図5において高さhb(t)は時刻T+d/v(t)に最も近い時刻に測定された高さであると考えられる。
通常、速度情報v(t)には誤差があるため時刻T+d/v(t)と時刻tとは一致しない。しかし、速度情報v(t)の誤差に対し、計測点となる曲引金具9のサンプリング間隔(設置間隔)である時刻tと時刻t+1との間隔は、誤差に比べて十分大きいため、時刻T+d/v(t)に最も近い時刻tを探索し、この時刻tにおけるトロリー線8の高さhb(t)を得ることで、速度情報v(t)の誤差に影響されることなく同一地点のトロリー線8の押し上げ量を得ることができる。なお、図5中においては説明のため誤差を誇張して示している。また、本実施例においてパンタグラフ付近のトロリー線を測定する装置をパンタグラフを有する車両に設置する例を示したが、これに限らず、パンタグラフ付近のトロリー線の画像を取得できれば良い。
次に、二組のトロリー線の位置測定装置の設置箇所について説明する。上述したように、車両1aは先頭車両とし、例えば、車両1bを第一パンタグラフと呼ばれる、進行方向に対して先頭のパンタグラフ11を有する車両としてそれぞれにトロリー線の位置測定装置を設置すれば、単純な押し上げ量が測定できる。また、車両1aは先頭車両とし、車両1bを進行方向に対して先頭から二番目の第二パンタグラフを有する車両として、それぞれにトロリー線の位置測定装置を設置すれば、パンタグラフ11による複雑な過渡振動の押し上げ量が計測できる。
従って上述したように、従来はマーカを一点ずつ地上から計測し手間がかかるという問題があったが、本実施例によるトロリー線の位置測定装置によれば、走行した区間のトロリー線の押し上げ量を一括して測定することができるため、効率が良いという利点がある。なお、トロリー線の位置測定装置として特許文献1、特開2002−139305、又は特願2003−354636に開示されるものを使用しても同様の効果を奏する。
本発明は、車両の屋根上に設置したカメラにより取得した画像を処理することによってトロリー線の高さ、偏位、押し上げ量の計測及び曲引金具検知等を行うトロリー線測定装置に利用可能である。
本発明の最良の実施形態の構成例を示す模式図である。 本発明の最良の実施形態の曲引金具が通過する瞬間の画像例を示す模式図である。 本発明の最良の実施形態の画像処理過程を示すフローチャートである。 実施例1の構成例を示す模式図である。 実施例1によるトロリー線高さの計測例を示すグラフである。
符号の説明
1,1a,1b 車両
2,2a,2b,3,3a,3b 近接センサ
4,4a,4b 論理和回路
5,5a,5b ITVカメラ
6,6a,6b 画像記録部
7,7a,7b 画像処理部
8 トロリー線
9 曲引金具
13 パンタグラフ

Claims (2)

  1. 車両の屋根上であって、鉛直上方にパンタグラフがない位置に設けられると共に、鉛直上方に向けられ前記車両の進行方向に対して左右に配置された二台の近接センサと、前記近接センサの出力値の論理和に応じて前記近接センサ上方のトロリー線の映像を取得する一台のカメラと、前記カメラの出力する映像信号を記録する画像記録部と、前記画像記録部から取得した映像信号を解析して、前記トロリー線の高さ及び偏位、前記トロリー線を支持する金具の角度及び支障物の有無を計測する画像処理部とを有することを特徴とするトロリー線の位置測定装置。
  2. 車両の屋根上に鉛直上方に向けられ前記車両の進行方向に対して左右に配置された二台の近接センサと、前記近接センサの出力値の論理和に応じて前記近接センサ上方のトロリー線の映像を取得する一台のカメラと、前記カメラの出力する映像信号を記録する画像記録部と、前記画像記録部から取得した映像信号を解析する画像処理部とを有するトロリー線の位置測定装置を二組使用し、
    第一の前記トロリー線の位置測定装置は進行方向に対し先頭のパンタグラフを有する車両より前のいずれか一つの車両の屋根上に、かつ第二の前記トロリー線の位置測定装置はパンタグラフを有する車両の屋根上にそれぞれ設置し、前記第一及び第二のトロリー線の位置測定装置により前記トロリー線の高さをそれぞれ測定し、計測位置を同期させた後、それぞれの前記トロリー線の高さの差分を取ることを特徴とするトロリー線の位置測定装置。
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