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JP4686784B2 - 慣性駆動型アクチュエータ - Google Patents
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JP4686784B2 - 慣性駆動型アクチュエータ - Google Patents

慣性駆動型アクチュエータ Download PDF

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Description

本発明は、慣性を利用したアクチュエータ、特に静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ及びその製造方法に関する。
近年、精密位置決め機構、小型ロボット等で、微小な距離を正確に移動させる技術は、非常に重要な技術である。
また、宇宙空間で作動する宇宙機用アクチュエータは、小型で、高性能で、しかも安価なものが求められている。
しかし、従来のアクチュエータは、小型化が難しかった。また、一方向にしか移動できず、2次元方向に駆動するには、2つのアクチュエータを必要とした。2つのアクチュエータを取り付けると、1方向に動くとき、1つのアクチュエータのみが動作し、他方のアクチュエータは動作せず、負荷となってしまう。また、アクチュエータを個別に作成するため、高価になるという欠点があった。
本発明者らは、特許文献1に示す静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータとその加工方法を開発した。このマイクロアクチュエータは、駆動電極と可動マスとの間に静電引力を発生させて、可動マスをストッパーに衝突させてアクチュエータを移動させるものである。特許文献1のマイクロアクチュエータは、1方向に動くものである。また、上下左右に駆動電極を設け、可動マスを2次元方向に移動するものも含まれる。このマイクロアクチュエータは、マイクロマシン技術を使用して、1枚のシリコン基板から作成される。
しかし、このマイクロアクチュエータは、1枚のシリコン基板から作成するので、多層化するのが難しく、構造的な自由度が少なかった。
そのため、さらに小型軽量の2次元方向に精度よく移動できるマイクロアクチュエータの開発が望まれている。また、このようなマイクロアクチュエータを安価に製造する方法が望まれている。
国際公開WO 01/68512 A1
本発明の目的は、小型軽量で2次元方向に駆動可能なアクチュエータを提供することである。また、設計の自由度が高く、精度よく移動可能なアクチュエータを提供することである。
本発明の他の目的は、マイクロマシニング技術を使用して、このようなアクチュエータの製造方法を提供することである。
本発明のアクチュエータは、シリコン酸化膜を介して2枚のシリコン基板を接合した絶縁体上シリコン基板を用いて、第1の層を駆動構造、第2の層を支持構造の2層構造としてある。第1の層の駆動構造は、2対の駆動電極を有し、駆動電極と可動マスの間に電圧を印加することにより、中央に配置された可動マスを移動させることができる。第1の層には、可動マスを衝突させるためのストッパーを備えることができる。
第2の層の支持構造は、外枠と内枠のダブルジンバル構造であり、内枠は外枠内に支持バネにより支持された1次元方向に移動可能であり、可動マスは内枠内に支持バネにより支持されて他の1次元方向に移動可能であり、その結果、可動マスは2次元方向に移動することができる。
本発明の1態様は、外枠と、前記外枠の内側の内枠と、前記内枠の内側の可動マスと、
前記外枠と前記内枠を結合する外側支持バネと、前記内枠と前記可動マスを結合する内側支持バネと、前記可動マスと間隔をおいて前記可動マスの4方に配置された2対の駆動電極と、前記駆動電極と前記可動マスとの間に電圧を印加するための電源回路とを備え、
前記駆動電極と前記可動マスとの間に電圧を印加して、前記可動マスを静電引力により前記駆動電極に引き付け、そのとき発生する慣性力によりアクチュエータ全体を移動させることを特徴とする慣性駆動型アクチュエータである。
前記駆動電極は、静電引力により前記可動マスを駆動するため、第1の層に配置され、
前記内枠と、前記外側支持バネと、前記内側支持バネとは、前記可動マスを移動可能に支持するため、第2の層に配置され、
前記可動マスは前記上層と前記下層の両方にわたって配置されることが好ましい。
前記内枠は前記外側支持バネにより前記外枠に対して1次元方向に移動可能なように支持され、前記可動マスは前記内側支持バネにより前記内枠に対して他の1次元方向に移動可能なように支持され、その結果前記可動マスは2次元方向に移動可能であることが好ましい。
前記可動マスを衝突させるためのストッパーを備えることが好ましい。前記ストッパーは前記第1の層にあることが好ましい。
前記外側支持バネと内側支持バネとは、それぞれ4本づつあることが好ましい。
絶縁体上シリコン基板に上下2層に構成要素を作成するので、構成要素の配置の自由度が大きく、きわめて小型のマイクロアクチュエータを実現することができる。
外枠内に、内枠と可動マスとを設け、可動マスと内枠の移動方向をそれぞれ1方向に規制することにより、アクチュエータは2次元方向に移動可能であり、しかもきわめて高精度で移動することができる。
本発明の他の態様は、外枠内に配置された可動マスを駆動するための駆動構造を含む第1の層と、前記可動マスを2次元方向に移動可能に支持するための支持構造を含む第2の層の2層を備え、
前記第1の層の駆動構造は、前記可動マスと間隔をおいて前記可動マスの4方に配置された2対の駆動電極を有し、
前記第2の層の支持構造は、外枠の内側の内枠と、前記外枠と前記内枠を結合する外側支持バネと、前記内枠と前記可動マスを結合する内側支持バネとを有し、
更に、前記駆動電極と前記可動マスとの間に電圧を印加する電源回路を備え、
前記駆動電極と前記可動マスとの間に電圧を印加して、前記可動マスを静電引力により前記駆動電極に引き付け、そのとき発生する慣性力によりアクチュエータ全体を移動させることを特徴とする慣性駆動型アクチュエータである。
前記第1の層に前記可動マスを衝突させるためのストッパーを備えることが好ましい。
本発明の別の態様は、シリコン酸化膜を介して2枚のシリコン基板を接合した絶縁体上シリコン基板から、外枠と、内枠と、可動マスと、外側支持バネと、内側支持バネと、2対の駆動電極とを備える慣性駆動型アクチュエータを一体に形成する製造方法であって、
(a)裏面にシリコン酸化膜を堆積してパターニングし、前記シリコン酸化膜の上にアルミニウム層を堆積してパターニングし、前記絶縁体上シリコン基板の表面にアルミニウム層を堆積してパターニングし、
(b)裏面から、前記アルミニウム層でマスクされた部分以外の部分をエッチングし、前記可動マスの下部と、前記支持バネを形成し、
(c)裏面の前記アルミニウム層を除去し、前記シリコン酸化膜を露出させ、再び裏面よりエッチングを行い、前記シリコン酸化膜でマスクされた部分以外をエッチングして、前記可動マスと、前記内枠と、前記外側と内側の支持バネが浮いた構造とし、
(d)表面よりエッチングを行い、前記アルミニウム層でマスクされた部分以外をエッチングして、前記駆動電極と、前記可動マスの上部を形成し、
(e)前記絶縁体上シリコン基板のシリコン酸化膜を犠牲層エッチングにより除去し、前記可動マスと、前記内枠と、前記外側と内側の支持バネとを前記外枠から切り離す
ステップを備える製造方法である。
前記(b)、(c)、(d)のエッチング工程は、深堀りリアクティブイオンエッチングで行うことが好ましい。
この方法によれば、シリコン酸化膜を介して2枚のシリコン基板を接合した絶縁体上シリコン基板を用い、マイクロマシニング技術を使用して、アクチュエータの構成要素を単一の基板上に2層構造で作成するので、小型化することができる、また、個別に作成した構成要素を組立てる必要がなく、製造が簡単であり、安価に製造することができる。
本発明のアクチュエータの慣性力による駆動方法には、次のような種類がある。
可動マスを静電引力により駆動電極に引き付け、可動マスをストッパーに衝突させて、可動マスの運動エネルギーをストッパーに伝え、アクチュエータ全体を可動マスの移動方向に移動させることができる。
又は、可動マスをストッパーに衝突させることなく、可動マスを静電引力により駆動電極に引き付け、そのときの可動マスの運動の反作用力により、アクチュエータ全体を可動マスの移動方向と反対方向に移動させることができる。
可動マスを斜め上の位置へゆっくり移動し、可動マスと前記駆動電極との間に電圧を急速に印加し、可動マスを斜め下方向に急速に加速し、その反作用でアクチュエータを斜め上方向にホッピングさせることができる。
可動マスをストッパーに衝突させて、アクチュエータを斜め上方向にホッピングさせることもできる。
本発明によれば、小型軽量で2次元方向に駆動可能なアクチュエータを得ることができる。アクチュエータを2層構造としたので、設計の自由度が高く、高性能のアクチュエータを得ることができる。また、ダブルジンバル構造なので、より高精度の移動が可能となる。
また、製造方法が簡単なので、このようなアクチュエータを安価に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による慣性駆動型マイクロアクチュエータの斜視図であり、第2の層(下層)の一部を切り欠き、第1の層(上層)の一部を取り外した状態を示す。図2の(a)は第1の層の平面図、(b)は第1の層を取り外した状態での第2の層の平面図である。説明の便宜上、図2の横方向をx方向、縦方向をy方向とする。図3は、図2の3−3線に沿った断面図である。本実施の形態では、第1の層を上層、第2の層を下層として説明するが、第1の層を下層、第2の層を上層とすることもできる。
図2(b)の第2の層の平面図を参照すると、本発明の実施の形態による慣性駆動型マイクロアクチュエータ10は、外形がほぼ4角形の外枠11と、外枠11の内側の外形がほぼ4角形の内枠12とを備える。内枠12のy方向の2つの辺の中央部12aは、それぞれx軸に平行な2つの外側支持バネ13により外枠11の内側に結合され、内枠12はy方向に移動することができるようになっている。内枠12の中央部に可動マス15が設けられる。可動マス15のx方向の2つの辺の中央部15aは、それぞれy軸に平行な2つの内側支持バネ14により外枠11の内側に結合され、可動マス15はx方向に移動することができるようになっている。
図2(a)の第1の層の平面図を参照すると、マイクロアクチュエータ10は、x方向に1対の駆動電極16と、y方向に1対の駆動電極17とを備える。各駆動電極16,17の可動マス15に向合う面は、可動マス15の外辺の平行で一定の間隔をおいている。各駆動電極16,17と可動マス15とに間に、それぞれ電源とスイッチからなる電源回路が接続されている(図示せず)。駆動電極16,17と可動マス15とに間に電圧を印加することにより、可動マス15は静電力により駆動電極16,17に引き付けられる。本実施の形態では、可動マス15は駆動電極16,17に衝突せずに、可動マス15の運動の反作用力により、マイクロアクチュエータ10が移動する。
外枠11上の駆動電極16,17がない部分には、グラウンド18がある。グラウンド18は、電気的に接地され、可動マス15と同じ電位になっている。
図4は、本発明の第2の実施形態の第1の層の平面図であり、第1の実施形態の図2(a)に対応する。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、駆動電極16,17と別体で、グラウンド18の一部にストッパー20が設けられ、可動マス15の4つのコーナー部に突出部15aが設けられていることである。可動マス15が静電力により駆動電極16,17に引き付けられ、突出部15aがストッパー20に衝突し、マイクロアクチュエータ10が移動する。可動マス15は駆動電極16,17と接触しないようになっている。その他の点は,第1の実施形態と同様である。
図5は、可動マス15を2次元の方向に変位させる構造を示すマイクロアクチュエータ10の第2の層の平面図である。(a)は、初期の可動マス15を変位させていない状態を示す。(b)は、可動マス15をx方向及びy方向(図の右上方向)に変位させた状態を示す。
内枠12のy方向の2つの辺の中央部12aは、それぞれx軸に平行な2つの外側支持バネ13により外枠11の内側に結合されている。4本の外側支持バネ13は、内枠12を外枠11に対してy方向のみに移動できるように拘束している。力のかからない状態では、内枠12は左右の外枠11の中央部に位置する。
可動マス15のx方向の2つの辺の中央部15aは、それぞれy軸に平行な2つの内側支持バネ14により内枠12に結合されている。4本の内側支持バネ14は、可動マス15を内枠12に対してx方向のみに移動できるように拘束している。力のかからない状態では、可動マス15は左右の内枠12の中央部に位置する。
このように、本発明の構造は、外枠11、内枠12の2つの枠を有するダブルジンバル構造である。x軸に平行な外側支持バネ13と、y軸に平行な内側支持バネ14とを有する。この構造により、可動マス15をx軸方向とy軸方向に別々に駆動することができる。そのため、可動マス15は回転運動することなく、外枠11に対して2次元の方向に変位させることができる。また、2つの軸の共振周波数を異ならせることにより、2つの軸間の干渉を防ぐことができる。
次に、図6、7により本発明のアクチュエータを慣性力により駆動する動作原理を説明する。図6は衝突を利用する場合を示し、図7は衝突を利用しない場合を示す。簡単のため、図6ではx方向のストッパー20を1つのみ示し、図7ではx方向の駆動電極16を1つのみ示す。また、支持バネはx方向の内側支持バネ14を1つのみ螺旋形バネの形で略示する。
図6は衝突を利用する場合の動作原理を説明する概念図である。図6の(a)で、電源回路19のスイッチをONにして、可動マス15と駆動電極16の間に電圧を印加する。すると、可動マス15と駆動電極16の間に生じた静電引力により、可動マス15は駆動電極16の方向に引き付けられて、加速される。このときアクチュエータ10は可動マス15の加速方向と反対方向に床から反作用力を受けるが、この反作用力が、アクチュエータ10と床との間の静止摩擦力を超えないようにする。
(b)に示すように、可動マス15は、加速されてストッパー20に衝突し、可動マス15の運動エネルギーFimpがアクチュエータ10に伝えられ、アクチュエータ10が床から受ける反作用力が、静止摩擦力を超えて、アクチュエータ10は移動する。アクチュエータ10は、衝突で得た運動エネルギーがアクチュエータ10と床との間の動摩擦力により失われるまで距離Dだけ移動する。
次に(c)に示すように、電源回路のスイッチをOFFにし、可動マス15と駆動電極16の間の電圧をゼロにすると、支持バネ14の復元力により、可動マス15は最初の位置に戻る。このとき生じる反作用力がアクチュエータ10と床との間の静止摩擦力を超えないようにする。
この(a)〜(c)のサイクルを繰り返すことにより、アクチュエータ10全体が、可動マス15を加速する方向に床の上を進むことができる。
図7は衝突を利用しない場合の動作原理を説明する概念図である。図7の(a)で、電源回路のスイッチをONにして、可動マス15と駆動電極16の間に急激にステップ状の電圧を印加する。
すると、(b)に示すように、可動マス15と駆動電極16の間に生じた静電引力により、可動マス15は駆動電極16の方向に急激に加速される。このときアクチュエータ10は可動マス15の加速方向と反対方向に床から反作用力を受け、この反作用力が、アクチュエータ10と床との間の静止摩擦力を超え、アクチュエータ10は可動マス15と反対方向に距離Dだけ移動する。
次に(c)に示すように、電源回路のスイッチをOFFにし、可動マス15と駆動電極16の間の電圧をゆっくり下げると、支持バネ14の復元力により、可動マス15は最初の位置に戻る。このとき、図示しない他方の駆動電極16まで、可動マス15を引き付けるようにしても良い。このとき生じる反作用力がアクチュエータ10と床との間の静止摩擦力を超えないようにする。
この(a)〜(c)のサイクルを繰り返すことにより、アクチュエータ10全体が、反作用力により可動マス15を加速する方向と反対方向に、床の上を進むことができる。
図6、7では省略されている他方の駆動電極16と可動マス15との間で電圧印加のON-OFFを繰り返せは、アクチュエータ10は反対方向に進むことができる。またy方向の駆動電極17と可動マス15との間で電圧印加のON-OFFを繰り返せは、アクチュエータ10はy方向に進むことができる。x方向の駆動電極16と可動マス15との間、及びy方向の駆動電極17と可動マス15との間で電圧印加のON-OFFを繰り返し、斜め方向に進むことができる。x方向とy方向の駆動電圧を変えれば、アクチュエータ10は任意の方向に進むことができる。
また、電源供給ラインにより、アクチュエータの移動は制限を受けるが、無線給電にすれば、アクチュエータの移動の制限は、小さくなる。
図8は、アクチュエータ10が飛び跳ねるホッピング動作の原理を説明する概念図である。図8では、可動マス15がストッパー20(又は駆動電極16)に衝突しない場合について述べるが、可動マス15がストッパー20に衝突する場合も同様にホッピング動作を行うことができる。可動マス15は内枠12に対して図の横方向のみに移動することができる。内枠12は外枠11に対して、図の縦方向のみに移動することができる。図8では、駆動電極とストッパーとは図示していない。
(a)で可動マス15を右上の位置へゆっくり移動する。即ち、可動マス15を内枠12内で右方に移動し、内枠12を外枠11内で上方に移動する。(b)可動マス15と駆動電極との間に電圧を急速に印加し、可動マス15を左下方向に急速に加速する。即ち、可動マス15を内枠12内で左方に移動し、内枠12を外枠11内で下方に移動する。すると、その反作用でアクチュエータ10が右上方向にホッピングする。アクチュエータ10が重力の作用で着地した後、可動マス15を(c)に示す初期位置へ戻す。可動マス15を右上の(a)に示す位置へゆっくり戻す。(a)〜(c)のサイクルを繰り返すことにより、アクチュエータ10全体が床の上をホッピングしながら進むことができる。
惑星上等の微小重力下では、ホッピングによる移動が効率的である。
図9に、本発明の実施の形態によるアクチュエータ10の作成方法を示す。図9は、図1、2の3−3線に沿った断面図である。(a)まず、絶縁体上シリコン(SOI(Silicon on Insulator))基板を準備する。このSOI基板は、シリコン酸化膜21の上面にシリコン層22、下面にシリコン層23が形成されたものである。
以下の説明で、2つの面を区別するため、表面、裏面と呼ぶが、2つの面は相互に交換可能である。
SOI基板の裏面にシリコン酸化膜24を堆積し、フォトリソグラフィー技術を使用して、可動部分を浮いた状態にするため、所望の形状にパターニングする。このシリコン酸化膜24の上にアルミニウム層25を堆積し、フォトリソグラフィー技術を使用して、アクチュエータ10の下層(第2層)の構造を形成するため、所望の形状にパターニングする。SOI基板の表面にアルミニウム層26を堆積し、フォトリソグラフィー技術を使用して、アクチュエータ10の上層(第1層)の構造を形成するため、所望の形状にパターニングする。
(b)裏面から深堀りリアクティブイオンエッチング(RIE(Reactive Ion Etching))により、アルミニウム層25でマスクされた部分以外の部分をエッチングし、可動マス15の下部と、内枠12と、外側と内側の支持バネ13,14を形成する。内枠12と、外側と内側の支持バネ13,14は、支持構造を構成する。このとき、シリコン酸化膜21がエッチングストップ層となるので、その上のシリコン層22はエッチングされない。
(c)裏面のアルミニウム層25のマスクを除去し、シリコン酸化膜24を露出させ、再び裏面よりRIEを行い、シリコン酸化膜24でマスクされた部分以外をエッチングする。これにより、可動マス15、内枠12、外側と内側の支持バネ13,14の可動部分が底面から浮いた構造となる。
(d)表面より深堀りRIEを行い、アルミニウム層26でマスクされた部分以外をエッチングし、駆動電極16,17と、可動マス15の上部を形成する。駆動電極16,17は、駆動構造を構成する。第2の実施形態のように、ストッパー20がある場合は、これも形成する。
(e)SOI基板のシリコン酸化膜21を犠牲層エッチングにより除去し、可動マス15、内枠12、外側と内側の支持バネ13,14の可動部分を外枠11の支持部から切り離す。これにより、可動部分は移動が可能となる。
本発明によれば、小型で高精度で移動可能なアクチュエータを得ることができる。このマイクロアクチュエータを利用することにより、高精度の位置決め機構や、高精度の搬送装置を実現することができる。また、このアクチュエータを小型ローバーに用いることができる。
また、衛星用、宇宙機用の姿勢制御装置、位置制御装置に使用することができる。
本発明の第1の実施形態によるマイクロアクチュエータの一部を切り欠いた斜視図。 (a)はマイクロアクチュエータの第1の層の平面図、(b)は第1の層を取り外した状態での第2の層の平面図。 図1、2の3−3線に沿った断面図。 本発明の第2の実施形態によるマイクロアクチュエータの第1の層の平面図。 可動マスを2次元の方向に変位させる構造を示す第2の層の平面図。 衝突を利用する場合のマイクロアクチュエータの動作原理を説明する概念図。 衝突を利用しない場合のマイクロアクチュエータの動作原理を説明する概念図。 マイクロアクチュエータのホッピング動作を説明する概念図。 本発明の実施の形態によるマイクロアクチュエータの作成方法を示す断面図。
符号の説明
10 マイクロアクチュエータ
11 外枠
12 内枠
13 外側支持バネ
14 内側支持バネ
15 可動マス
16 駆動電極
17 駆動電極
18 グラウンド
19 電源回路
20 ストッパー
21 シリコン酸化層
22 シリコン層
23 シリコン層
24 シリコン酸化膜
25 アルミニウム層
26 アルミニウム層

Claims (7)

  1. 外枠と、
    前記外枠の内側の内枠と、
    前記内枠の内側の可動マスと、
    前記外枠と前記内枠を結合する4本の外側支持バネと、
    前記内枠と前記可動マスを結合する4本の内側支持バネと、
    前記可動マスと間隔をおいて前記可動マスの4方に配置された2対の駆動電極と、
    前記駆動電極と前記可動マスとの間に電圧を印加するための電源回路とを備え、
    アクチュエータの下面に平行な平面において、前記内枠の一方向に対向する2つの辺の中央部は、それぞれ前記一方向と直角な方向に延びる2つの前記外側支持バネにより前記外枠の内側に結合され、
    前記可動マスの前記一方向と直角な方向に対向する2つの辺の中央部は、それぞれ前記一方向に延びる平行な2つの前記内側支持バネにより前記内枠に結合され、
    前記駆動電極と前記可動マスとの間に電圧を印加して、前記可動マスを静電引力により前記駆動電極に引き付け、そのとき発生する慣性力によりアクチュエータ全体を移動させることを特徴とする慣性駆動型アクチュエータ。
  2. 前記駆動電極は、静電引力により前記可動マスを駆動するため、第1の層に配置され、 前記内枠と、前記外側支持バネと、前記内側支持バネとは、前記可動マスを移動可能に支持するため、第2の層に配置され、
    前記可動マスは前記第1の層と前記第2の層の両方にわたって配置される請求項1に記載の慣性駆動型アクチュエータ。
  3. 前記可動マスを衝突させるためのストッパーを備える請求項1に記載の慣性駆動型アクチュエータ。
  4. 外枠内に配置された可動マスを駆動するための駆動構造を含む第1の層と、前記可動マスを2次元方向に移動可能に支持するための支持構造を含む第2の層の2層を備え、
    前記第1の層の駆動構造は、前記可動マスと間隔をおいて前記可動マスの4方に配置された2対の駆動電極を有し、
    前記第2の層の支持構造は、外枠の内側の内枠と、前記外枠と前記内枠を結合する外側支持バネと、前記内枠と前記可動マスを結合する内側支持バネとを有し、
    更に、前記駆動電極と前記可動マスとの間に電圧を印加する電源回路を備え、
    前記駆動電極と前記可動マスとの間に電圧を印加して、前記可動マスを静電引力により前記駆動電極に引き付け、そのとき発生する慣性力によりアクチュエータ全体を移動させることを特徴とする慣性駆動型アクチュエータ。
  5. 前記第1の層に前記可動マスを衝突させるためのストッパーを備える請求項4に記載の慣性駆動型アクチュエータ。
  6. シリコン酸化膜を介して2枚のシリコン基板を接合した絶縁体上シリコン基板から、外枠と、内枠と、可動マスと、外側支持バネと、内側支持バネと、2対の駆動電極とを備える慣性駆動型アクチュエータを一体に形成する製造方法であって、
    (a)裏面にシリコン酸化膜を堆積してパターニングし、前記シリコン酸化膜の上にアルミニウム層を堆積してパターニングし、前記絶縁体上シリコン基板の表面にアルミニウム層を堆積してパターニングし、
    (b)裏面から、前記アルミニウム層でマスクされた部分以外の部分をエッチングし、前記可動マスの下部と、前記支持バネを形成し、
    (c)裏面の前記アルミニウム層を除去し、前記シリコン酸化膜を露出させ、再び裏面よりエッチングを行い、前記シリコン酸化膜でマスクされた部分以外をエッチングして、前記可動マスと、前記内枠と、前記外側と内側の支持バネが浮いた構造とし、
    (d)表面よりエッチングを行い、前記アルミニウム層でマスクされた部分以外をエッチングして、前記駆動電極と、前記可動マスの上部を形成し、
    (e)前記絶縁体上シリコン基板のシリコン酸化膜を犠牲層エッチングにより除去し、前記可動マスと、前記内枠と、前記外側と内側の支持バネとを前記外枠から切り離す、
    ステップを備えることを特徴とする製造方法。
  7. 前記(b)、(c)、(d)のエッチング工程は、深堀りリアクティブイオンエッチングで行う請求項6に記載の製造方法。
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