以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態における液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)10は、略箱状をなす本体ケース11を備えているとともに、この本体ケース11内の略中央には、ターゲットとしての用紙にインク(液体)を噴射する記録ヘッド12(液体噴射ヘッド)が固設されている。
記録ヘッド12の下面には、複数のノズル13が用紙Pの搬送方向(図1において矢印で示すX方向)と交差する方向に沿った用紙Pの印刷領域の全幅に亘って多数形成されており、印刷時に記録ヘッド12が用紙Pの搬送方向と交差する方向に往復移動することはない。この点で、本実施形態のプリンタ10は、用紙Pの搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジの下面に記録ヘッド12が配置されるタイプではなく、このようなタイプのプリンタと比較して高速印刷が可能な所謂フルラインヘッドタイプのプリンタ10として構成されている。
なお、記録ヘッド12には、それぞれ異なる色のインクを貯留する複数のインクカートリッジ(図示略)が接続されており、印刷中、これらのインクカートリッジに貯留されたインクが所定圧に圧力調整された状態で、随時、記録ヘッド12に供給されるようになっている。
本体ケース11内において、記録ヘッド12の下方には、用紙Pを搬送するための用紙搬送機構14(ターゲット搬送機構)と、フラッシングシートTを搬送するためのフラッシングシート搬送機構15とが配設されている。ここで、フラッシングシートTとは、印刷とは無関係に実行されるインクの吐出態様であるフラッシング時に、ノズル13から吐出されるインクを受容するためのシートであり、適度な吸収性(例えば、15mg/平方インチ以上)を有している。なお、本実施形態におけるフラッシングは、印刷実行中に所定時間(例えば10秒)が経過したことを条件に行われるものである。
用紙搬送機構14は、複数の用紙Pを積層状態で収容する給紙トレイ21と、印刷後の用紙Pを収容する排紙トレイ22と、給紙された用紙Pを記録ヘッド12のノズル形成面16の真下(ノズル形成面に対向する位置)を通過させて搬送するための搬送ベルト23とを含んで構成されている。搬送ベルト23は、印刷開始後に駆動される駆動ローラ24(搬送ローラ)と、この駆動ローラ24と同一高さ位置で該駆動ローラ24に従動して回転する従動ローラ25(搬送ローラ)と、駆動ローラ24と従動ローラ25との中間位置の下方に位置するテンションローラ26とにテンションを加えられた状態で張架されている。駆動ローラ24と従動ローラ25及びテンションローラ26は、これらの3つのローラ24,25,26に搬送ベルト23が張架された際に、該搬送ベルト23が三角形状をなすように配置されている。
さらに、駆動ローラ24と従動ローラ25との間には複数(本実施形態では4つ)の補助搬送ローラ27が配置され、搬送ベルト23は、駆動ローラ24と従動ローラ25との間において各補助搬送ローラ27により下方から水平に支持されたベルト部分の上面がメイン搬送路28として構成されている。このメイン搬送路28の上方であって記録ヘッド12よりも給紙トレイ21側となる位置には、印字開始検出センサ29が設けられている。印字開始検出センサ29は、この印字開始検出センサ29が設けられている位置から記録ヘッド12のノズル形成面16の真下となる印刷位置(もしくはフラッシング位置)まで用紙P(もしくはフラッシングシートT)を搬送する際の送り量をカウントする開始ポイントを得るために使用される。
また、給紙トレイ21と搬送ベルト23との間には、給紙トレイ21からメイン搬送路28の一端側(図1における右端側である従動ローラ25側)までの間において用紙Pを案内するための第1ガイド板31が設けられている。そして、給紙トレイ21の上部には給紙トレイ21の最上部に収容された用紙Pを取り出すためのピックアップローラ32が設けられていると共に、給紙トレイ21と第1ガイド板31との接続部分には、摩擦により重畳してピックアップされた用紙Pを確実に一枚だけ送るための分離ローラ対33が設けられている。
さらに、第1ガイド板31の上方位置には、分離ローラ対33を通過してきた用紙Pを検知する紙端検出センサ34、及び、用紙Pを第1ガイド板31上からメイン搬送路28へ送り出す際に駆動される紙ゲートローラ対35が設けられている。そして、ピックアップローラ32、分離ローラ対33、紙ゲートローラ対35がそれぞれ用紙Pをメイン搬送路28側へ送り出す方向(図1において矢印で示す方向)に回転することで、給紙トレイ21に収容された用紙Pがメイン搬送路28上へ供給されるようになっている。
さらに、搬送ベルト23と排紙トレイ22の間には、メイン搬送路28の他端側(図1における左端側である駆動ローラ24側)から排紙トレイ22までの間において用紙Pを案内するため、及び、フラッシングシートTを後述するヒータ47側へ給送するためのセレクタ36が設けられている。このセレクタ36は、用紙搬送方向の下流側となる基端部(図1では左端部)36aを支点として回転可能に支持されており、図1に実線で示す水平状態(閉状態)にあるときには、メイン搬送路28と排紙トレイ22とがセレクタ36を介して接続されるようになっている。その一方、セレクタ36が図1に破線で示すように上方に傾いた状態(開状態)にあるときには、メイン搬送路28と排紙トレイ22との接続が遮断されると共に、メイン搬送路28がフラッシングシートTのヒータ47側への搬送路(第3ガイド板46)にセレクタ36を介して接続されるようになっている。
また、セレクタ36の基端部36aと排紙トレイ22との間には、印刷を終えた用紙Pを排紙トレイ22へ排出するための排紙ローラ対37が設けられている。従って、セレクタ36が水平状態(閉状態)にある際に、搬送ベルト23及び排紙ローラ対37が回転することによって、印刷後の用紙Pがメイン搬送路28から排紙トレイ22に排出されるようになっている。
さらに、従動ローラ25には帯電ローラ38が互いの周面の間に搬送ベルト23を挟み込んで回転するように対応配置されると共に、駆動ローラ24には徐電ローラ39が互いの周面の間に搬送ベルト23を挟み込んで回転するように対応配置されている。したがって、帯電ローラ38によって搬送ベルト23は用紙P(及びフラッシングシートT)の支持面となる表面全体がマイナス電荷に変化するため、用紙P及びフラッシングシートTが搬送ベルト23のメイン搬送路28上に吸着保持されるようになっている。
また、用紙搬送機構14における搬送ベルト23の下方位置には、複数(例えば、100枚)のフラッシングシートTを積層状態で収容するフラッシングシートトレイ41が、フラッシングシートTの取り出し側となる一端側(図1における右端側)を上方に傾斜させた状態で配置されている。このように傾斜させて配置することで、フラッシングシートトレイ41からフラッシングシートTの取り出しをスムーズに行うことができる。そして、このフラッシングシートトレイ41の一端側から他端側(図1における左端側)に至るまでの間がフラッシングシート搬送機構15におけるフラッシングシートTの搬送路として構成されている。この搬送路は、フラッシングシートTを前述したメイン搬送路28の一端側(図1における右端側である従動ローラ25側)から記録ヘッド12のノズル形成面16の真下(ノズル形成面16に対向する位置)を通過させてメイン搬送路28の他端側(図1における左端側である駆動ローラ24側)まで搬送するための搬送ベルト23(メイン搬送路28部分)を含んで構成されている。すなわち、上記用紙搬送機構14における搬送ベルト23が、フラッシングシート搬送機構15における搬送路の一部を構成する搬送ベルト23としても兼用されている。
そして、フラッシングシートトレイ41の一端側(図1における右端側)には、フラッシングシートトレイ41とメイン搬送路28の一端側までの間においてフラッシングシートTを案内するための緩やかに湾曲する第2ガイド板42が設けられている。この第2ガイド板42は、フラッシングシートTの案内方向と交差する方向にフラッシングシートTの幅寸法よりも少し短い間隔寸法をおいて平行に配置された一対の帯状板片にて構成されている。また、フラッシングシートトレイ41の一端側下部(図1において右下隅)には、積層状態で収容された各フラッシングシートTのうち、フラッシングシートトレイ41の最下部に収容された最下層のフラッシングシートTを第2ガイド板42側へ取り出すためのフラッシングシート給送ローラ43が設けられている。
さらに、第2ガイド板42の上方位置(具体的には、一対の帯状板片間の上方位置)には、フラッシングシートTを検知するフラッシングシート端検出センサ44、及び、フラッシングシートTを第2ガイド板42上からメイン搬送路28へ送り出す際に駆動されるフラッシングシートゲートローラ対45が設けられている。そして、フラッシングシート給送ローラ43、フラッシングシートゲートローラ対45がそれぞれフラッシングシートTをメイン搬送路28側へ送り出す方向(図1において矢印で示す方向)に回転することで、フラッシングシートトレイ41に収容されたフラッシングシートTがメイン搬送路28上へ供給されるようになっている。
一方、フラッシングシートトレイ41の他端側(図1における左端側)には、メイン搬送路28の他端側(図1における左端側である駆動ローラ24側)からフラッシングシートトレイ41の他端側(図1における左端側)までの間においてフラッシングシートTを案内するための一部湾曲形状をなす第3ガイド板46が設けられている。この第3ガイド板46は、フラッシングシートTの案内方向と交差する方向にフラッシングシートTの幅寸法よりも少し短い間隔寸法をおいて平行に配置された一対の帯状板片にて構成されている。そして、上述したように、図1に破線で示すように、セレクタ36が上方に傾いた状態(開状態)にあるときには、メイン搬送路28がセレクタ36を介して第3ガイド板46に接続されることになる。
さらに、第3ガイド板46におけるフラッシングシートTの搬送路の途中には、フラッシング後のフラッシングシートTをフラッシングシートトレイ41側へ搬送するためのフラッシングシート搬送ローラ対48が設けられている。また、このフラッシングシート搬送ローラ対48とフラッシングシートトレイ41との間には、当該フラッシングシート搬送ローラ対48を通過したフラッシングシートTに受容されたインクを除去するための乾燥手段としてのヒータ47が設けられている。そして、フラッシングシート搬送ローラ対48の間をフラッシングシートTが通過して、フラッシングを受けた面がヒータ47と対向状態となった場合に、フラッシングシートTに吸収されているインクがヒータ47により乾燥されて除去されるようになっている。
また、第3ガイド板46のフラッシングシートトレイ41側となる端部には、ヒータ47でインクが除去されたフラッシングシートTを再びフラッシングシートトレイ41へ排送するためのフラッシングシート排送ローラ対51が設けられている。したがって、セレクタ36が上方に傾斜した状態(開状態)にある際に、搬送ベルト23、フラッシングシート搬送ローラ対48、及びフラッシングシート排送ローラ対51が回転することによって、フラッシングによりインクを受容したフラッシングシートTはフラッシングシートトレイ41側へと戻し搬送され。そして、その戻し搬送される途中で、フラッシングシートTは、ヒータ47を介してインクが除去された状態で、フラッシングシートトレイ41の最上部(積層された複数のフラッシングシートTの最上層となる位置)に排送されるようになっている。
すなわち、フラッシングシートトレイ41の最下部に収容された最下層のフラッシングシートTがフラッシングシート給送ローラ43によってフラッシングシートトレイ41から取り出され、そのフラッシングシートTが、記録ヘッド12のノズル形成面16に対向する位置を通過した後、再び、フラッシングシートトレイ41の最上部(最上層となる位置)まで戻し搬送されるようになっている。なお、本実施形態では、フラッシングシートトレイ41におけるフラッシングシートTの収容位置が非フラッシング位置に相当し、搬送ベルト23のメイン搬送路28上における記録ヘッド12のノズル形成面16に対向する位置がフラッシング位置に相当する。また、本実施形態において、フラッシングシートTに受容されたインクを確実に除去するために、フラッシングシート搬送ローラ対48とフラッシングシート排送ローラ対51の回転速度を遅く設定し、ヒータ47の前をフラッシングシートTがゆっくりと通過するようにしてもよい。
次に、上記プリンタ10の電気的構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、プリンタ10には制御部61(図1では、簡単のため省略してある。)が設けられている。この制御部61は、CPU62を備えており、CPU62にはROM63及びRAM64が接続されている。ROM63には、用紙P及びフラッシングシートTにインクを噴射(吐出)する際に記録ヘッド12を制御するために実行される制御プログラム等が記憶されている。また、RAM64には、プリンタ10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(各センサから検出された信号等)が記憶管理されるようになっている。
また、制御部61の入力側には、紙端検出センサ34、フラッシングシート端検出センサ44、印字開始検出センサ29が電気的に接続されている。さらに、制御部61の出力側には、ピックアップローラ32、分離ローラ対33、紙ゲートローラ対35、駆動ローラ24、排紙ローラ対37、フラッシングシート給送ローラ43、フラッシングシートゲートローラ対45、フラッシングシート搬送ローラ対48、フラッシングシート排送ローラ対51、及びセレクタ36がそれぞれ電気的に接続されている。そして、これらの出力側に接続された各機構(駆動ローラ24等)をCPU62が入力側の各センサ34,44,29の検出信号等に基づいて駆動制御するようになっている。
以上説明したプリンタ10では、セレクタ36の切り替えによって、通常印刷時には給紙トレイ21から排紙トレイ22までが第1ガイド板31及びメイン搬送路28を介して接続されてなる用紙搬送路を形成する。また、フラッシング時にはフラッシングシートトレイ41の一端側から他端側までが第2ガイド板42とメイン搬送路28と第3ガイド板46とを介して接続されてなるフラッシングシート搬送路を形成する。
したがって、セレクタ36が図1において実線で示す水平状態(閉状態)であるときには、給紙トレイ21から取り出された用紙は第1ガイド板31を介してメイン搬送路28へ搬送される。このとき、搬送ベルト23は帯電されているため、用紙Pは搬送ベルト23上に吸着保持される。そして、用紙Pが記録ヘッド12のノズル形成面16と対向する位置まで搬送された時点で印刷(インク吐出)が実行される。印刷を終えた用紙Pは、そのままメイン搬送路28上を搬送され、セレクタ36を介して排紙トレイ22に排出されるようになっている。
一方、セレクタ36が図1において破線で示す傾斜状態(開状態)であるときには、フラッシングシートトレイ41から取り出されたフラッシングシートTは第2ガイド板42を介してメイン搬送路28へ搬送される。このとき、上記と同様に、搬送ベルト23は帯電されているため、フラッシングシートTは搬送ベルト23上に吸着保持される。そして、フラッシングシートTが記録ヘッド12のノズル形成面16と対向する位置まで搬送された時点でフラッシング(インク吐出)が実行される。フラッシングによりノズル13から吐出されたインクはフラッシングシート上に着弾し吸収される。フラッシングを終えたフラッシングシートTは、そのままメイン搬送路28上を搬送され、セレクタ36を介して第3ガイド板46に搬送される。そして、ヒータ47を通過することでフラッシングシートTに受容したインクが絞り出された後、再び、フラッシングシートトレイ41に回収されるようになっている。
以下、フラッシングを含めた印刷処理の詳細について、図3〜図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお、印刷開始時の前提として、セレクタ36は、図1において実線で示す水平状態(閉状態)であって、給紙トレイ21から排紙トレイ22までがメイン搬送路28を介して接続されてなる用紙搬送路が形成されているものとする。また、フラッシングを行う時間間隔を計測するフラッシングタイマ(図示略)が、印刷開始と同時にカウントをスタートさせているものとする。また、図中に記載される「FL」は、「フラッシング」を略記したものである。
図3は、給紙待機処理を示すフローチャートである。この処理は、印刷時に、1枚の用紙Pがメイン搬送路28へ送られる毎に、逐次、紙ゲートローラ対35の位置にて次の用紙Pを待機させておくために実行される処理である。
図3に示すように、印刷が開始されると、まず、CPU62は、ピックアップローラ32及び分離ローラ対33を回転させる(ステップ10、以下、ステップを「S」と略す。)。これにより、給紙トレイ21の最上部に収容された1枚の用紙Pが取り出され、第1ガイド板31上に搬送される。次いで、紙端検出センサ34からの信号がONか否か、すなわち、紙端検出センサ34が用紙Pを検出したか否かが判断される(S11)。紙端検出センサ34からの信号がONでない(OFFである)と判断される場合(S11:NO)、CPU62はON信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、紙端検出センサ34からの信号がONである場合(S11:YES)には、用紙Pが紙ゲートローラ対35の近傍まで搬送されていることを示しており、これが確認されるとピックアップローラ32及び分離ローラ対33の回転が停止される(S12)。
次に、紙端検出センサ34からの信号がOFFか否か、すなわち、用紙Pがメイン搬送路28側に送られたか否かが判断される(S13)。紙端検出センサ34からの信号がOFFでない(ONである)と判断される場合(S13:NO)、CPU62はOFF信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、紙端検出センサ34からの信号がOFFである場合(S13:YES)には、用紙Pが紙ゲートローラ対35を通過してメイン搬送路28側へ搬送されたことを示しており、これが確認されると印刷終了か否かが判断される(S14)。印刷が終了したと判断された場合(S14:YES)、CPU62は給紙待機処理を終了する。なお、印刷が終了していないと判断された場合(S14:NO)、CPU62は再びピックアップローラ32、分離ローラ対33を回転し(S10)、印刷が終了したと判断されるまで上記各処理(S10〜S14)を繰り返し行う。
図4は、フラッシングシート搬送待機処理を示すフローチャートである。この処理は、上記給紙待機処理と同様に、印刷中に所定時間経過したことを条件に実行されるフラッシングに際して、逐次、フラッシングシートゲートローラ対45の位置にて次のフラッシングシートTを待機させておくために実行される処理である。
図4に示すように、印刷が開始されると、まず、CPU62は、フラッシングシート給送ローラ43を回転させる(ステップ20)。これにより、フラッシングシートトレイ41の最下部に収容された最下層の1枚のフラッシングシートTが取り出され、第2ガイド板42上に搬送される。次いで、フラッシングシート端検出センサ44からの信号がONか否か、すなわち、フラッシングシート端検出センサ44がフラッシングシートTを検出したか否かが判断される(S21)。フラッシングシート端検出センサ44からの信号がONでない(OFFである)場合(S21:NO)、CPU62はON信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、フラッシングシート端検出センサ44からの信号がONである場合(S21:YES)には、フラッシングシートTがフラッシングシートゲートローラ対45の近傍まで搬送されていることを示しており、これが確認されるとフラッシングシート給送ローラ43の回転が停止される(S22)。
次に、フラッシングシート端検出センサ44からの信号がOFFか否か、すなわち、フラッシングシートTがメイン搬送路28側に送られたか否かが判断される(S23)。フラッシングシート端検出センサ44からの信号がOFFでない(ONである)場合(S23:NO)、CPU62はOFF信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、フラッシングシート端検出センサ44からの信号がOFFである場合(S23:YES)には、フラッシングシートTがフラッシングシートゲートローラ対45を通過してメイン搬送路28側へ搬送されたことを示しており、これが確認されると印刷終了か否かが判断される(S24)。印刷が終了したと判断された場合(S24:YES)、CPU62はフラッシングシート搬送待機処理を終了する。なお、印刷が終了していないと判断された場合には、CPU62は再びフラッシングシート給送ローラ43を回転し(S20)、印刷が終了したと判断されるまで上記各処理(S20〜S24)を繰り返し行う。
本実施形態では、上記給紙待機処理とフラッシングシート搬送待機処理が実行され、印刷中、用紙P及びフラッシングシートTが各々対応する紙ゲートローラ対35及びフラッシングシートゲートローラ対45の近傍にて待機している前提のもとで、次に説明する印刷及びフラッシング処理が実行される。図5、図6は、印刷及びフラッシング処理を示すフローチャートである。つまり、本実施形態では、給紙待機処理(図3)、フラッシングシート搬送待機処理(図4)、印刷及びフラッシング処理(図5、図6)の各処理が、印刷が開始されると同時に実行されるものである。
図5に示すように、印刷が開始されると、CPU62は、駆動ローラ24を回転させ(S30)、次に、紙ゲートローラ対35を回転させる(S31)。紙ゲートローラ対35が回転されることで、上記給紙待機処理によって紙ゲートローラ対35まで搬送されて待機状態にある用紙Pが、メイン搬送路28へ搬送される。そして、次に、メイン搬送路28上の印字開始検出センサ29からの信号がONか否か、すなわち、印字開始検出センサ29が用紙Pを検出したか否かが判断される(S32)。印字開始検出センサ29からの信号がONでない(OFFである)場合(S32:NO)、CPU62はON信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、印字開始検出センサ29からの信号がONである場合(S32:YES)には、用紙Pがメイン搬送路28上の記録ヘッド12の手前まで搬送されていることを示しており、これが確認されると紙ゲートローラ対35の回転が停止される(S33)。
次に、給紙カウンタ値がアップしたか否かが判断される(S34)。ここで、給紙カウンタ値とは、印字開始検出センサ29が設けられている位置から印刷位置まで用紙Pを送り込む際にCPU62によりカウントされるカウント量を意味する。この給紙カウンタ値は、印刷開始に際して、印刷データに応じて予めCPUによって算出され、RAMに記憶されている。給紙カウンタ値がアップしたと判断された場合(S34:YES)には、用紙Pが記録ヘッド12に対向する印刷位置まで搬送されていることを示しており、これが確認されると記録ヘッド12のノズル13からインクが吐出されて印刷が行われる(S35)。
次いで、その用紙Pの1ページ分が印刷完了したか否かが判断され(S36)、1ページ分の印刷が完了していなければ(S36:NO)、1ページ分の印刷が完了するまで印刷が続行される(S35)。一方、1ページ分の印刷が完了した場合(S36:YES)には、次いで、フラッシングタイマーがアップしたか否かが判断される(S37)。フラッシングタイマーがアップしていないと判断された場合(S37:NO)には、印刷が終了したか否かが判断され(S38)、印刷が終了していないと判断された場合(S38:NO)には、再び、紙ゲートローラ対35が回転され2ページ目の用紙Pが送られる(S31)。そして、フラッシングタイマーがアップするまで、2ページ目(場合によっては3ページ目以降)の印刷が続行される(S31〜S38)。フラッシングタイマーがアップしたと判断された場合(S37:YES)は、印刷開始からフラッシングを行うべき所定時間が経過したことを意味し、続いて、フラッシング処理が実行される。
まず、フラッシングシートゲートローラ対45、フラッシングシート搬送ローラ対48、フラッシングシート排送ローラ対51が回転されるとともに、セレクタ36が開状態に制御される(S39)。フラッシングシートゲートローラ対45が回転されることで、上記フラッシングシート搬送待機処理によってフラッシングシートゲートローラ対45の近傍まで搬送されて待機状態にあるフラッシングシートTが、メイン搬送路28へ搬送される。そして、次に、メイン搬送路28上の印字開始検出センサ29からの信号がONか否か、すなわち、印字開始検出センサ29がフラッシングシートTを検出したか否かが判断される(S40)。印字開始検出センサ29からの信号がONでない(OFFである)場合(S40:NO)、CPU62はON信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、印字開始検出センサ29からの信号がONである場合(S40:YES)には、フラッシングシートTがメイン搬送路28上の記録ヘッド12手前まで搬送されていることを示しており、これが確認されるとフラッシングシートゲートローラ対45の回転が停止される(S41)。
次に、フラッシングシートカウンタ値がアップしたか否かが判断される(S42)。ここで、フラッシングシートカウンタ値とは、印字開始検出センサ29が設けられている位置からフラッシング位置(=印刷位置)までフラッシングシートTを送り込む際にCPU62によりカウントされるカウント量を意味する。このフラッシングシートカウンタ値は、それまでのフラッシングシートTの使用履歴に基づいて、予めCPU62によって算出され、RAM64に記憶されている。フラッシングシートカウンタ値がアップしたと判断された場合(S42:YES)には、フラッシングシートTにおける所定のフラッシング位置が記録ヘッド12に対向する位置まで搬送されていることを示しており、これが確認されると記録ヘッド12のノズルからインクが吐出されてフラッシングが行われる(S43)。
次に、CPU62はフラッシングシートカウンタ値を所定値分だけプラスする(S44)。本実施形態では、1枚のフラッシングシートTに対して、フラッシング時にインクを受容する箇所を異ならせて複数回のフラッシングを行うようになっている。図7に示すように、1回目は受容箇所aに対して、2回目は受容箇所bに対して、3回目は受容箇所cに対して、4回目は受容箇所dに対して、5回目は受容箇所eに対して、それぞれフラッシングによるインクを受容するようになっている。このように、回数に応じてインクの受容箇所を異ならせるのは、ヒータ47によってフラッシングシートTに受容されたインクが除去されるとはいえ、一旦インクを吸収した箇所はインクの吸収力が低下していると考えられるため、複数回の使用に当たって吐出インクの受容箇所をずらせることで、確実かつ好適にインクを受容するためである。
したがって、そのフラッシングシートTのフラッシングシートカウンタ値を所定値分だけプラスすることで、1回目に受容箇所aに対してフラッシングされたフラッシングシートTが、2回目に再び使用される際には、フラッシング位置(記録ヘッド12に対向するフラッシングシートT上の位置)として受容箇所aではなく受容箇所bが設定されることになる。同様に、このフラッシングシートTが3回目に使用される際には、フラッシング位置として受容箇所cが設定されることになる。以降、同様に、4回目には受容箇所dが設定されると共に、5回目には受容箇所eが設定されることになる。
なお、本実施形態の場合、フラッシングシートトレイ41に収容された全てのフラッシングシートTがそれぞれ5回ずつ使用された場合には、再び、フラッシングシートTのフラッシング位置として受容箇所aが設定される。すなわち、このとき、フラッシングシートTは6回目に使用される場合である。以降、同様に、このフラッシングシートTが7回目に使用される際には、フラッシング位置として受容箇所bが設定されることになる。そして、8回目には受容箇所cが設定されると共に、9回目には受容箇所dが設定され、10回目には受容箇所eが設定されることになる。なお。フラッシングシートトレイ41に収容されている全てのフラッシングシートTにつき、それぞれ10回の使用を終えた場合には、その旨がプリンタの表示部(図示略)に表示されて、これに基づき新たなフラッシングシートTと交換されることになる。このように、1枚のフラッシングシートTにつき、それぞれ10回、繰り返し使用されるため、例えば100枚のフラッシングシートTを収容している場合には、全体で1000回のフラッシングが可能になる。これにより、フラッシングシートTの交換回数を削減することができる。
本実施形態では、ヒータ47によってフラッシングシートTに受容されたインクを乾燥により除去することができるため、同じ受容箇所a〜eに対して複数回のフラッシングを行うことができる。なお、同じ受容箇所a〜eに対して何回のフラッシングを行うか(本実施形態では2回)は適宜設定変更可能である。また、1回目及び2回目に受容箇所aに対してフラッシングを行い、3回目及び4回目に受容箇所bに対してフラッシングを行う等の順序で、同じ受容箇所a〜eに対して複数回のフラッシングを行う制御としてもよい。
フラッシングシートカウンタ値をプラスした後には、フラッシングタイマーがリセット・リスタートされ(S45)、次いで、印刷が終了したか否かが判断される(S46)。印刷が終了していないと判断された場合(S46:NO)には、フラッシングシート搬送ローラ対48、フラッシングシート排送ローラ対51が停止されるとともに、セレクタ36が閉状態に切り替えられる(S47)。そして、紙ゲートローラ対35が回転され(S31)、新たな用紙Pが搬送されて次ページの印刷が開始、実行される(S31〜S46)。一方、印刷が終了したと判断された場合(S45:YES、又はS38:YES)には、駆動ローラ24、フラッシングシート搬送ローラ対48、フラッシングシート排送ローラ対51がそれぞれ停止されて(S48)処理を終了する。このように、本実施形態では、一度使用されたフラッシングシートTがヒータ47でインクを除去され、繰り返し(本実施形態では10回)使用されることになる。
なお、本実施形態においてフラッシング以外の作用として、フラッシングシートT上にノズルチェック用の印字を行い、印字状態を把握(視認)することで、ノズル13にインク等が固着した際におけるインクの噴出方向の狂いを検出することができる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、複数回行われるフラッシング毎に、前回とは異なるフラッシングシートTがフラッシング位置に搬送され、一つのフラッシングシートTを連続使用することがない。このため、フラッシングシートTをフラッシング位置へインク吸収効率の良い状態で搬送でき、ノズル13から吐出されたインクを確実にフラッシングシートTに受容させることができる。
(2)上記実施形態では、フラッシングシートトレイ41内に積層状態で収容された複数のフラッシングシートTのうち最下層のフラッシングシートTがフラッシング毎に取り出されていき、そのフラッシングに使用されたフラッシングシートTはフラッシングシートトレイ41内へ最上層のフラッシングシートTとなるように戻し搬送される。したがって、フラッシングシートトレイ41内に収容された全てのフラッシングシートTを積層順に繰り返し使用する構成を容易に実現できる。
(3)上記実施形態では、ヒータ47によりフラッシングシートTからインクを除去することで、フラッシングシートTを繰り返し使用することができるとともに、同じ受容箇所a〜eに対して複数回のフラッシングを行うことができる。すなわち、フラッシングシートTを複数回使用できる点で効率的であるとともに、大量の印刷における多数回のフラッシングに好適に対応することができる。また、複数のフラッシングシートTを繰り返し使用することで、フラッシングシートTを廃棄する必要もなく、ユーザーの手や服を汚すこともない。
(4)また、フラッシングシートトレイ41へは、ヒータ47によってインクを除去したフラッシングシートTが搬送されるため、フラッシングシートトレイ41内を汚染することもなく、さらにフラッシングシートトレイ41から搬送されるフラッシングシートTは常にインクを含んでいないものとなる。したがって、フラッシングシートTにおけるインクの吸収効率が損なわれることが抑制され、さらに効率的にフラッシングシートTを使用することができる。
(5)また、フラッシングを経てインクを吸収したフラッシングシートTからは、フラッシングシートトレイ41へ戻し搬送される直前で、ヒータ47により迅速にインクが乾燥・除去されるため、フラッシングシートトレイ41内に収容されたフラッシングシートTの枚数が少ない場合でも、短時間内に実施されるフラッシングに好適に対応できる。
(6)上記実施形態では、一般に大型で、記録ヘッド12を移動させてフラッシングを行うことが困難なフルラインタイプの記録ヘッド12を備えるプリンタ10において、フラッシングシートTを再利用でき、効率的なプリンタ10として構成できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・ 上記実施形態において、フラッシングシートTは、フラッシングシートトレイ41の最下部に位置する最下層のフラッシングシートTを取り出す構成に限定されるものではない。例えば、中間層のフラッシングシートTを取り出す構成としてもよいし、取り出す順番も積層順でなくてもよい。要するに、連続して同じフラッシングシートTを取り出して使用することがない構成であれば、上記効果(1)と同様の効果を奏することができる。
・ 上記実施形態において、ヒータ47は設けなくてもよい。この場合、セレクタ36からフラッシングシートトレイ41への搬送路の途中に迂回路を設け、フラッシング後のフラッシングシートTを当該迂回路にて搬送し、その間に自然乾燥されるようにしてもよい。この場合は、当該迂回路がフラッシングシートに受容された液体を除去するための乾燥手段となる。
・ 上記実施形態において、ヒータ47に換えて送風機を乾燥手段として設ける構成としてもよい。この構成であっても、上記効果(3)、(4)と同様の効果を奏することができる。
・ 上記各実施形態において、フルラインヘッドタイプではないプリンタに本発明を適用することもできる。
・ 上記実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ10について説明したが、その他の液体噴射装置であってもよい。例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体もインクに限られず、他の液体に応用してもよい。
10…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、12…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、13…液体噴射ノズルとしてのノズル、14…用紙搬送機構、15…フラッシングシート搬送機構、16…ノズル形成面、23…搬送ベルト、41…収容部としてのフラッシングシートトレイ、46…搬送路を構成する第3ガイド板、47…乾燥手段としてのヒータ、48…フラッシングシート搬送ローラ対、P…ターゲットとしての用紙、T…フラッシングシート。