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JP4687645B2 - 磁気記録媒体、磁気記録再生装置及び凹凸パターンの凹部深さ検査方法 - Google Patents
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JP4687645B2 - 磁気記録媒体、磁気記録再生装置及び凹凸パターンの凹部深さ検査方法 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録再生装置及び凹凸パターンの凹部深さ検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層を有する磁気記録媒体、これを備える磁気記録再生装置及び凹凸パターンの凹部深さ検査方法に関する。
従来、磁気記録媒体は、記録層を構成する磁性粒子の微細化、材料の変更、ヘッド加工の微細化等の改良により著しい面記録密度の向上が図られている。更に近年、記録層と基板との間に軟磁性層が設置された垂直記録式の磁気記録媒体が普及しつつあり今後も一層の面記録密度の向上が期待されている。
しかしながら、磁気ヘッドの加工限界、磁気ヘッドの記録磁界の広がりに起因する記録対象のトラックに隣接する他のトラックへの誤った情報の記録、再生時のクロストークなどの問題が顕在化し、これら従来の改良手法による面記録密度の向上は限界にきている。
そこで、一層の面記録密度の向上を実現可能である磁気記録媒体の候補として、記録層がデータ領域においてトラックの形状の多数の記録要素に分割されたディスクリートトラックメディアや、トラックが周方向にも分割された形状の多数の記録要素に分割されたパターンドメディアが提案されている。尚、サーボ情報の記録効率の向上のためにサーボ領域において記録層をサーボパターンの形状で形成することも提案されている。このようなディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアも垂直記録式とすることで相乗的な面記録密度の向上が期待される。
記録層を多数の記録要素に分割する方法としては、半導体の製造分野で用いられるドライエッチングの手法を利用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
良好な記録/再生特性を得るためには記録層をその基板側の面までエッチングし、記録層を分割することが好ましいと考えられている。一方、良好な記録/再生特性を得るためには軟磁性層をエッチングしないことが好ましいと考えられている。
従って、記録層の凹凸パターンの凹部深さを正確に制御すると共に、エッチングされた記録層の凹凸パターンの凹部深さを正確に確認できることが重要である。TEM(透過型電子顕微鏡)やSEM(走査型電子顕微鏡)を用いれば、凹部深さを確認することができる。
特開平9−97419号公報
しかしながら、TEMやSEMを用いる場合、凹凸パターンの記録層を有する被検査体を切断してサンプルを作製する必要がある。一方、品質管理という点では実際に出荷される製品又はその製造工程における中間製品も検査できることが好ましく、記録層の凹凸パターンの凹部深さを非破壊で確認したいというニーズがある。更に、TEMやSEMを用いる場合、サンプルの作製やサンプルの観察に要する時間が長いという問題もある。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであって、記録層の凹凸パターンの凹部深さを非破壊で迅速に確認可能である磁気記録媒体、これを備える磁気記録再生装置及び被検査体を切断することなく記録層の凹凸パターンの凹部深さを迅速に確認できる凹凸パターンの凹部深さ検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、基板と、該基板の上に形成された軟磁性層と、軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層と、厚さ方向の核形成磁界の大きさが記録層の厚さ方向の核形成磁界の大きさと異なり該記録層及び軟磁性層の間に形成された中間磁性層と、を含み、凹凸パターンの凹部の底面が中間磁性層の領域に位置している磁気記録媒体により上記目的を達成するものである。
又、本発明は、基板、該基板の上に形成された軟磁性層、軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層及び厚さ方向の核形成磁界の大きさが記録層の厚さ方向の核形成磁界の大きさと異なり該記録層及び軟磁性層の間に形成された中間磁性層を含む被検査体の記録層側の面に光を照射すると共にその反射光を測定して磁気カー効果特性を測定する磁気カー効果特性測定工程と、該磁気カー効果特性の測定結果に基づいて凹凸パターンの凹部の底面の位置を判別する凹部深さ判別工程と、を含む凹凸パターンの凹部深さ検査方法により上記目的を達成するものである。
発明者らは、凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層と軟磁性層との間に厚さ方向の核形成磁界の大きさが記録層の厚さ方向の核形成磁界と異なる中間磁性層を設けることで、凹凸パターンの凹部の底面が中間磁性層の領域に位置している場合と、中間磁性層の領域に位置していない場合とで磁気記録媒体(被検査体)に照射される光の磁気カー効果特性に差異が生じることを見出した。
凹凸パターンの凹部の底面が記録層の領域に位置している場合には記録層の磁気特性だけが磁気カー効果特性に反映されるのに対し、凹凸パターンの凹部の底面が中間磁性層の領域に位置している場合には凸部の記録層の磁気特性及び凹部の中間磁性層の磁気特性の両方が磁気カー効果特性に反映されるため、このような磁気カー効果特性の差異が生じると考えられる。
従って、上記の磁気記録媒体は、記録層が分割されているか否かを非破壊で迅速に確認可能である。
又、発明者らは、分割されていない中間磁性層が記録層の下に存在しても、中間磁性層の飽和磁束密度を記録層の飽和磁束密度よりも小さく抑制することで凹部の下の中間磁性層からのノイズが小さく抑制され、記録層の下に中間磁性層が存在しない場合と同様の記録/再生特性が得られることを見出した。
即ち、次のような本発明により、上記目的を達成することができる。
(1)基板と、該基板の上に形成された軟磁性層と、該軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層と、厚さ方向の核形成磁界の大きさが前記記録層の厚さ方向の核形成磁界の大きさと異なり該記録層及び前記軟磁性層の間に形成された中間磁性層と、を含み、前記凹凸パターンの凹部の底面が前記中間磁性層の領域に位置していることを特徴とする磁気記録媒体。
(2) (1)において、前記中間磁性層の厚さ方向の核形成磁界の大きさが前記記録層の厚さ方向の核形成磁界の大きさよりも小さいことを特徴とする磁気記録媒体。
(3) (1)又は(2)において、前記中間磁性層の飽和磁束密度が前記記録層の飽和磁束密度よりも小さいことを特徴とする磁気記録媒体。
(4) (3)において、前記中間磁性層の飽和磁束密度が0.15T以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
(5) (1)乃至(4)のいずれかにおいて、前記凹凸パターンの凹部に充填された透光性の充填材を更に含むことを特徴とする磁気記録媒体。
(6) (5)において、前記記録要素の上面及び前記充填材の上面を被覆する透光性の保護層を更に含むことを特徴とする磁気記録媒体。
(7) (1)乃至(6)のいずれかに記載の磁気記録媒体を有することを特徴とする磁気記録再生装置。
(8)基板、該基板の上に形成された軟磁性層、該軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層及び厚さ方向の核形成磁界の大きさが前記記録層の厚さ方向の核形成磁界の大きさと異なり該記録層及び前記軟磁性層の間に形成された中間磁性層を含む被検査体の前記記録層側の面に光を照射すると共にその反射光を測定して磁気カー効果特性を測定する磁気カー効果特性測定工程と、該磁気カー効果特性の測定結果に基づいて前記凹凸パターンの凹部の底面の位置を判別する凹部深さ判別工程と、を含むことを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
(9) (8)において、前記凹部深さ判別工程において、前記磁気カー効果特性の測定結果に基づいて前記凹凸パターンの凹部の底面が前記中間磁性層の領域に位置しているか否かを判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
(10) (8)又は(9)において、前記凹部深さ判別工程において、前記磁気カー効果特性の測定結果に基づいて前記凹凸パターンの凹部の底面が前記記録層の領域、前記中間磁性層の領域、前記軟磁性層の領域のいずれの領域に位置しているかを判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
(11) (8)乃至(10)のいずれかにおいて、前記磁気カー効果特性測定工程において前記被検査体に外部磁場をその大きさを変動させつつ印加して前記磁気カー効果特性としてカー回転角を測定し、前記凹部深さ判別工程において前記外部磁場の大きさ及び前記カー回転角の関係を示すヒステリシス曲線に基づいて前記凹凸パターンの凹部の底面の位置を判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
(12) (11)において、前記凹部深さ判別工程において前記ヒステリシス曲線の段部の有無に基づいて前記凹部の底面が前記中間磁性層の領域に位置しているか否かを判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
(13) (8)乃至(12)のいずれかにおいて、前記磁気カー効果特性の測定により得られる核形成磁界の大きさに基づいて前記凹部の底面の位置を判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
尚、本出願において、「所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層」とは、連続記録層が所定のパターンで多数の記録要素に分割された記録層の他、例えばトラックの形状の記録要素同士が端部で連続する記録層や記録要素が螺旋状の渦巻き形状である記録層のように基板上に部分的に形成される記録層も含む意義で用いることとする。
又、本出願において「磁気記録媒体」という用語は、情報の記録、読み取りに磁気のみを用いるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等に限定されず、磁気と光を併用するMO(Magneto Optical)等の光磁気記録媒体、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録媒体も含む意義で用いることとする。
又、本出願において「凹凸パターンの凹部の底面が中間磁性層の領域に位置している」とは、凹部の底面が中間磁性層の上面に一致する場合、凹部の底面の全部が中間磁性層の厚さ方向の途中の領域に存在している場合を含む意義で用いることとする。「凹凸パターンの凹部の底面が軟磁性層の領域に位置している」についても同様である。
又、本出願において「凹凸パターンの凹部の底面が記録層の領域に位置している」とは、凹部の底面の全部が記録層の厚さ方向の途中の領域に存在している場合、及び凹部が形成されておらず記録層が一様な連続膜であり、いわば凹部の底面が記録層の上面に一致する場合を含む意義で用いることとする。
本発明によれば、記録層の凹凸パターンの凹部深さを非破壊で迅速に確認可能である磁気記録媒体、これを備える磁気記録媒体及び被検査体を切断することなく記録層の凹凸パターンの凹部深さを迅速に確認できる凹凸パターンの凹部深さ検査方法を実現できる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る磁気記録再生装置1は、磁気記録媒体10と、磁気記録媒体10に対してデータの記録/再生を行うために磁気記録媒体10の表面に近接して浮上可能であるように設置された浮上式の磁気ヘッド2と、を備え、磁気記録媒体10の構成に特徴を有している。他の構成については本実施形態の理解のために特に必要とは思われないため、説明を適宜省略することとする。
尚、磁気記録媒体10は中心孔を有し、中心孔においてチャック3に固定され、該チャック3と共に回転自在とされている。又、磁気ヘッド2は、アーム4の先端近傍に装着され、アーム4はベース5に回動自在に取付けられている。これにより、磁気ヘッド2は磁気記録媒体10の表面に近接して浮上しつつ磁気記録媒体10の径方向に沿う円弧軌道で可動とされている。
磁気記録媒体10は、円板形状の垂直記録型のディスクリートトラックメディアであり、図2に示されるように、基板12と、基板12の上に形成された軟磁性層14と、軟磁性層14の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素16Aに分割された記録層16と、厚さ方向の核形成磁界の大きさが記録層16の厚さ方向の核形成磁界の大きさと異なり記録層16及び軟磁性層14の間に形成された中間磁性層18と、を含み、凹凸パターンの凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置することを特徴としている。尚、厚さ方向とは、磁気記録媒体10の表面に垂直な方向である。
記録層16は表面に垂直な方向に磁気異方性を有するように配向されている。又、記録層16と中間磁性層18とは接している。
又、磁気記録媒体10は、凹凸パターンの凹部20を充填する透光性の充填材22を有している。
更に、磁気記録媒体10は、記録要素16Aの上面及び充填材20の上面を被覆する透光性の保護層24を有している。
尚、保護層24の上には透光性の潤滑層26が形成されている。又、中間磁性層18と軟磁性層14との間には、下地層28が形成されている。
他の構成については本実施形態の理解のために特に必要とは思われないため、説明を適宜省略することとする。
基板12は、記録層16側の面が鏡面研磨されている。基板22の材料としては、ガラス、NiPで被覆したAl合金、Si、Al23等の非磁性材料を用いることができる。
軟磁性層14は、厚さが50〜300nmである。軟磁性層14の材料としては、Fe合金、Coアモルファス合金、フェライト等を用いることができる。尚、軟磁性層14は、軟磁性を有する層と、非磁性層と、の積層構造であってもよい。軟磁性層14の厚さ方向の核形成磁界Hnは、0.01〜0.15kA/mであり、記録層16及び中間磁性層18よりも小さい。又、軟磁性層14の飽和磁束密度は、1.2〜1.8Tである。
記録層16は、厚さが5〜40nmである。記録層16の材料としては、CoCrPt合金等のCo及びCrを含む合金、Co及びPtを含む合金、Co及びPdを含む合金、Fe及びPtを含む合金、Fe及びCoを含む合金これらの積層体、SiO等の酸化物材料の中にCoPt等の強磁性粒子をマトリックス状に含ませた材料等を用いることができる。記録層16の厚さ方向の核形成磁界Hnrは135〜400kA/mであることが好ましい。又、記録層16の飽和磁束密度Bsは0.3〜1.0Tであることが好ましい。
記録要素16Aは、データ領域において同心円状のトラックの形状で径方向に微細な間隔で形成されており、図2はこれを図示したものである。又、記録要素16Aは、サーボ領域において所定のサーボパターンで形成されている(図示省略)。
中間磁性層18は、厚さが2〜40nmである。中間磁性層18の材料としては、Coを含む合金、Co及びPtを含む合金、Feを含む合金、Fe及びCoを含む合金、Fe及びNiを含む合金、Fe及びNを含む合金、Fe及びAlを含む合金、Fe及びPtを含む合金等を用いることができる。中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnは記録層よりも小さい。中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnmは25〜180kA/mであることが好ましい。又、中間磁性層18は、飽和磁束密度Bsも記録層16よりも低い。中間磁性層18の飽和磁束密度Bsは0.05〜0.15Tであることが好ましい。
凹部20は、中間磁性層18の厚さ方向の途中まで形成され、底面20Aの全部が中間磁性層18の厚さ方向の途中の領域に存在している。凹部20は、中間磁性層18における底面20Aの下の部分の厚さが2nm以上であるように形成されることが好ましい。
充填材22の材料としては、SiO2を主成分とする酸化ケイ素、Al23、TiO2等の酸化物、AlN等の窒化物や透光性の樹脂材料等の透光性の材料を用いることができる。
保護層24は、厚さが1〜5nmである。保護層24の材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボンと呼称される透光性の硬質炭素膜等を用いることができる。尚、本出願において「ダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」という)」という用語は、炭素を主成分とし、アモルファス構造であって、ビッカース硬度測定で2×109〜8×1010Pa程度の硬さを示す材料という意義で用いることとする。
潤滑層26は、厚さが1〜2nmである。潤滑層26の材料としては、PFPE(パーフロロポリエーテル)等を用いることができる。
下地層28は、厚さが2〜40nmである。下地層28の材料としては、非磁性のCoCr合金、Ti、Ru、RuとTaの積層体、MgO等を用いることができる。
次に、磁気記録媒体10の作用について説明する。
磁気記録媒体10は、凹凸パターンの凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置し、記録層16の記録要素16A同士が分割されているので記録/再生特性が良好である。
尚、分割されていない中間磁性層18が記録層16の下に存在するが、中間磁性層18の飽和磁束密度が記録層16の飽和磁束密度よりも小さく抑制されているので、凹部20の下の中間磁性層18からのノイズが小さく抑制され、記録層16の下に中間磁性層18が存在しない場合と同様の記録/再生特性が得られる。これについては後述するシミュレーション例で更に詳細に説明する。
又、中間磁性層18が分割されておらず凹部20の深さがそれだけ浅いので、凹部20の加工が容易である。更に、凹部20の深さが浅いので、凹部20を充填して平坦化することもそれだけ容易である。
又、磁気記録媒体10は、中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnが記録層16の厚さ方向の核形成磁界Hnよりも小さいので、記録時における記録層16の磁化反転が円滑である。
又、磁気記録媒体10は、凹凸パターンで多数の記録要素16Aに分割された記録層16と軟磁性層14との間に記録層16よりも厚さ方向の核形成磁界Hnが小さい中間磁性層18が設けられているので、凹凸パターンの凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置している場合と、中間磁性層18の領域に位置していない場合とで記録層16側に照射される光の磁気カー効果特性に差異が生じる。
凹凸パターンの凹部20の底面20Aが記録層16の領域に位置する場合には記録層16の磁気特性だけが反射光の磁気カー効果特性に反映されるのに対し、凹凸パターンの凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置している場合には凸部の記録層16(記録要素16A)の磁気特性及び凹部20の中間磁性層18の磁気特性の両方が磁気カー効果特性に反映されるため、このような磁気カー効果特性の差異が生じると考えられる。
従って、磁気記録媒体10は、記録層16の凹凸パターンの凹部20の深さを非破壊で迅速に確認可能である。
以下、磁気記録媒体10の凹凸パターンの凹部深さ検査方法について図3のフローチャートに沿って説明する。
まず、磁気記録媒体10(被検査体)の記録層16側の面に直線偏光の光を照射すると共にその反射光を測定して磁気カー効果特性を測定する(S102)。
例えば、図4に示されるようなカー回転角測定装置30を用いて、磁気記録媒体10に外部磁場Hをその大きさを変動させつつ印加して磁気カー効果特性としてカー回転角θkを測定する。
ここでカー回転角測定装置30の構成について簡単に説明しておく。
カー回転角測定装置30は、単色レーザ光を発する光源30Aと、直線偏光を得るための偏光子30Cと、ハーフミラー30Eと、ミラー30Fと、電磁石30Gとを有し、これらがこの順で磁気記録媒体10にレーザ光を照射するための照射系の光路上に配置されている。尚、電磁石30Gには照射系の光路に相当する部分に孔が形成されている。
更に、カー回転角測定装置30は、電磁石30G、ミラー30Fを介してハーフミラー30Eに到達し、偏光子30Cと異なる方向に反射される磁気記録媒体10からの反射光をその偏光方向により2方向に分けるためのビームスプリッタ30Hと、一方の方向の偏光が入射する検光子30Jと、他方の方向の偏光が入射する検光子30Kと、検光子30J及び30Kに入射した各方向の偏光の強さの差を検出するための差動アンプ30Lと、を有している。
磁気記録媒体10には、電磁石30Dにより表面に垂直な方向に外部磁場をその大きさを変動させつつ印加する。
予め標準試料を用いて差動アンプ30Lが検出する各方向の偏光の強さの差とカー回転角θkとの関係を測定しておくことで、差動アンプ30Lの検出値に基づいて、磁気記録媒体10(被検査体)のカー回転角θkを求めることができる。
次に、磁気カー効果特性の測定結果に基づいて記録層16の凹凸パターンの凹部20の底面20Aが、中間磁性層18の領域に位置しているか否かを判別する(S104)。
例えば、外部磁場Hの大きさとカー回転角θkとの関係を示すヒステリシス曲線に基づいて記録層16の凹凸パターンの凹部20の底面20Aが、中間磁性層18の領域に位置しているか否かを判別する。
前記図2に示されるように凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置している場合には、図5に示されるように外部磁場Hの大きさとカー回転角θkとの関係を示すヒステリシス曲線に段部Sが存在する。これは、図6に拡大して示されるように、中間磁性層18が磁化反転し始める外部磁場Hの大きさである中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnmが記録層16の厚さ方向の核形成磁界Hnrよりも小さく、且つ、これらの間に中間磁性層18の厚さ方向の飽和磁界Hsmが存在するためである。
本出願において核形成磁界Hn、飽和磁界Hsとは、図6に示されるように外部磁場Hの大きさとカー回転角θkとの関係を示すヒステリシス曲線における直線部の延長線の交点に相当する外部磁場Hの大きさという意味で用いる。又、核形成磁界Hn、飽和磁界Hsが大きい(又は小さい)とは、これらの絶対値が大きい(又は小さい)という意味で用いる。
尚、中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnmが記録層16の厚さ方向の核形成磁界Hnrよりも大きい場合も、記録層16の厚さ方向の飽和磁界Hsrが中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnmよりも小さければ、図6と同様にヒステリシス曲線に段部Sが現れる。
一方、記録層16の飽和磁界Hsr及び中間磁性層18の飽和磁界Hsmがいずれも記録層16の核形成磁界Hnr及び中間磁性層18の核形成磁界Hnmよりも大きい場合には、図7又は図8に示されるように、ヒステリシス曲線に段部Sは現れず、ヒステリシス曲線には中間磁性層18の核形成磁界Hnm、記録層16の核形成磁界Hnr、中間磁性層18の飽和磁界Hsm(又は記録層16の飽和磁界Hsr)に相当する3つの屈曲部が現れる。
尚、図7において中間磁性層18の飽和磁界Hsmと記録層16の核形成磁界Hnrとの値がほぼ等しい場合には、図9に示されるように、屈曲部が1つしか現れないことがある。図8において記録層16の飽和磁界Hsrと中間磁性層18の核形成磁界Hnmとの値がほぼ等しい場合も同様である。
一方、図14に示されるような凹部20の底面20Aが記録層16の厚さ方向の途中の領域に位置している磁気記録媒体40や凹部が全く形成されておらず記録層が連続膜である磁気記録媒体の場合には、記録層16の磁化状態だけがカー回転角θkに反映され、中間磁性層18の磁化状態はカー回転角θkに反映されないので、図13に示されるように外部磁場Hの大きさと反射光のカー回転角θkとの関係を示すヒステリシス曲線に段部は存在せず、図7及び8に示されるような複数の屈曲部も存在しない。
従って、例えば、ヒステリシス曲線に段部がないことを確認することにより凹部20の底面20Aが中間磁性層1の領域に位置していないと判別し、ヒステリシス曲線に段部があることを確認することにより凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置していると判別することができる。
又、ヒステリシス曲線における外部磁場が正の領域(又は負の領域)において屈曲部が1つだけあることを確認することにより凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置していないと判別し、ヒステリシス曲線における外部磁場が正の領域(又は負の領域)において3つ又は2つの屈曲部があることを確認することにより凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置していると判別することができる。このようにヒステリシス曲線の屈曲部の個数に基づいて凹部20の底面20Aの位置を判別することができる。
即ち、記録層16の凹凸パターンの凹部20の底面20Aの位置を非破壊で迅速に確認できる。
尚、中間磁性層18の核形成磁界Hnmが記録層16の核形成磁界Hnrよりも小さい場合において、図9のように中間磁性層18の飽和磁界Hsmと記録層16の核形成磁界Hnrとの値がほぼ等しい場合(屈曲部が1つしか現れない場合)には、凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置していれば中間磁性層18の核形成磁界Hnmに相当する屈曲部が現れ、凹部20の底面20Aが記録層16の厚さ方向の途中の領域に位置していれば記録層16の核形成磁界Hnrに相当する屈曲部が現れるので、1つだけ現れる屈曲部に相当する磁界の大きさに基づいて凹部20の底面20Aの位置を判別することができる。
又、中間磁性層18の核形成磁界Hnmが記録層16の核形成磁界Hnrよりも大きい場合において、記録層16の飽和磁界Hsrと中間磁性層18の核形成磁界Hnmとの値がほぼ等しい場合も、図9に示されるヒステリシス曲線ように、Hが正でθkが負の領域においては記録層16の核形成磁界Hnrに相当する1つの屈曲部しか現われず、凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置していれば、H及びθkが正の領域において中間磁性層18の飽和磁界Hsmに相当する1つの屈曲部が現れる。一方、凹部20の底面20Aが記録層16の厚さ方向の途中の領域に位置していれば、中間磁性層18の磁気特性がθkに反映されないため、H及びθkが正の領域において記録層16の飽和磁界Hsrに相当する屈曲部が現れる。従って、このような場合にもヒステリシス曲線に基いて凹部20の底面20Aの位置を判別することができる。
ヒステリシス曲線における段部の有無の確認や屈曲部の個数の確認、屈曲部に相当する磁界の大きさの確認は作業者が目視で行ってもよい。又、カー回転角測定装置30に画像処理装置を備え、ヒステリシス曲線の段部の有無の確認や屈曲部の個数の確認、屈曲部に相当する磁界の大きさの確認を自動的に行ってもよい。
このように、磁気記録媒体10は、記録層16の凹凸パターンの凹部20の深さを非破壊で迅速に確認可能であるので、実際に出荷される製品の抽出検査や全数検査も可能であり品質管理の信頼性の向上に寄与する。例えば、凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置するものを良品、それ以外のものを不良品とすることができる。
尚、中間磁性層18が凹部20で分割され凹部20の底面20Aが下地層28の厚さ方向の途中の領域に位置している場合や、凹部20の底面20Aが軟磁性層14の厚さ方向の途中の領域に位置している場合も、記録層16の磁化状態と共に下地層28の非磁性の特性や軟磁性層14の磁化状態が、測定されるカー回転角θkに反映され、それぞれの場合に特有の磁気カー効果特性を示すので、凹部20の底面20Aが下地層28の厚さ方向の途中の領域や軟磁性層14の厚さ方向の途中の領域に位置していることを判別することが可能である。
例えば、凹部20の底面20Aが下地層28の厚さ方向の途中の領域に位置している場合、凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置している場合に対して、カー回転角θkが小さく測定されるので、凹部20の底面20Aが下地層28の厚さ方向の途中の領域に位置していることを判別できる。
又、記録層16、中間磁性層18、軟磁性層14のそれぞれの厚さ方向の核形成磁界Hnを予め把握しておくことで、磁気カー効果特性の測定により得られる核形成磁界Hnの大きさに基づいて凹部20の底面20Aが、これらの層のうちのいずれの層の領域に位置しているかを判別することも可能である。
例えば、軟磁性層14の厚さ方向の核形成磁界Hnは、記録層16、中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnよりも小さく、この小さい核形成磁界Hnに相当する屈曲部がヒステリシス曲線に現れていることを確認することで、凹部20の底面20Aが軟磁性層14の厚さ方向の途中の領域に位置していることを判別できる。
核形成磁界Hnの求め方は、ヒステリシス曲線から求める方法に限定されず、例えば磁気カー効果特性の測定により得られた数値データを演算して求めることもできる。
尚、本実施形態では完成品である磁気記録媒体10の凹凸パターンの凹部20の深さを検査しているが、磁気記録媒体10の製造工程における中間製品の凹凸パターンの凹部深さを検査してもよい。
磁気記録媒体10は、例えば、記録層16をドライエッチング等で凹凸パターンに加工し、充填材22を成膜して凹部20を充填材22で充填し、余剰の充填材22をドライエッチング等で除去して平坦化し、保護層24を成膜し、潤滑層を塗布することで製造される。例えば、記録層16をドライエッチング等で凹凸パターンに加工した後であって、充填材22を成膜する前に中間製品の凹凸パターンの凹部深さを検査し、記録層16が分割されておらず凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置しない中間製品を製造ラインから取り除くようにすれば、記録層16が分割されていない不適切な中間製品に充填材22の成膜等の後工程を実施する必要がなくなるので生産効率の向上に寄与する。
又、本実施形態において、充填材22、保護層24、潤滑層26は透光性を有しているが、磁気記録媒体10の製造工程における中間製品の凹凸パターンの凹部深さを検査する場合には、充填材22、保護層24、潤滑層26の材料として透光性を有していない材料又は透光性が不充分な材料を用いてもよい。
又、本実施形態において、保護層24は記録要素16A及び充填材22に直接接しているが、記録要素16Aの上に例えば平坦化工程におけるエッチングレートが低い隔膜を形成してもよい。又、隔膜は記録要素16Aの側面や凹部20の底面20Aにも形成してもよい。尚、完成品である磁気記録媒体の凹凸パターンの凹部深さを検査する場合には、隔膜の材料として透光性の材料を用いる。一方、磁気記録媒体10の製造工程における中間製品の凹凸パターンの凹部深さを検査する場合には、充填材22、隔膜の材料として透光性を有していない材料又は透光性が不充分な材料を用いてもよい。
又、本実施形態において、記録要素16A及び充填材22の上に保護層24及び潤滑層26が形成されているが、要求される性能に応じて保護層24及び潤滑層26の一方又は両方を省略してもよい。
又、本実施形態において、凹部20が中間磁性層18の厚さ方向の途中まで形成され、底面20Aの全部が中間磁性層18の領域に存在しているが、凹部20の底面20Aが中間磁性層18の上面に一致する構成としてもよい。
この場合も、記録層16の記録要素16A同士が分割されるので良好な記録/再生特性が得られる。又、凹凸パターンの凹部20の底面20Aが記録層16の厚さ方向の途中の領域に位置している場合に対する磁気カー効果特性に差異が生じるので記録層16の凹凸パターンの凹部深さを非破壊で確認可能である。
又、本実施形態において、中間磁性層18は単層構造であるが、中間磁性層は厚さ方向の核形成磁界が記録層の厚さ方向の核形成磁界と異なる複数の層が積層された構造としてもよい。
又、本実施形態において、中間磁性層18と軟磁性層14との間に下地層28が形成されているが、下地層は省略してもよい。又、中間磁性層18が下地層を兼ねる構成としてもよい。
又、本実施形態において、中間磁性層18は記録層16に直接接しているが、中間磁性層18と記録層16との間に非磁性の他の層を形成してもよい。この場合も、凹凸パターンの凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置する場合と、凹部20の底面20Aが記録層16や非磁性の他の層の領域に位置している場合とで磁気カー効果特性に差異が生じるので記録層16の凹凸パターンの凹部深さを非破壊で確認可能である。
又、本実施形態において、中間磁性層18と軟磁性層16との間に下地層28が形成されているが、中間磁性層18と軟磁性層16との間との間に非磁性層の他の層を形成してもよい。
又、本実施形態において、軟磁性層16は基板12に直接接しているが、軟磁性層16と基板12との間に反強磁性層や下地層を形成してもよい。
又、本実施形態において、中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnが記録層16の厚さ方向の核形成磁界Hnよりも小さいが、中間磁性層18の厚さ方向の核形成磁界Hnが記録層16の厚さ方向の核形成磁界Hnよりも大きい構成としてもよい。この場合も、両者の厚さ方向の核形成磁界Hnの差異により、凹部20の底面20Aの位置を確認できる。
又、本実施形態において、磁気記録媒体10は、基板12の片面に記録層16等が形成されているが、基板の両面に記録層等が形成された両面記録式の磁気記録媒体についても本発明は適用可能である。
又、本実施形態において、磁気記録媒体10はディスクリートトラックメディアであるが、例えば、パターンドメディアや、トラックが螺旋形状をなす磁気ディスクについても本発明は適用可能である。又、光磁気ディスク、磁気と熱を併用する熱アシスト型の磁気ディスクに対しても本発明は適用可能である。
上記実施形態と同様の構成を有する磁気記録媒体10について磁気カー効果を利用して記録層16の凹凸パターンの凹部20の深さを検査した。尚、記録要素16A上のマスク層は完全に除去した。作製した磁気記録媒体10の主な構成は下記のとおりであった。
基板12は直径が約45mmで材料はガラスであった。軟磁性層14は、厚さが約100nmで、材料はFeCo合金、厚さ方向の核形成磁界Hnは0.06kA/m、飽和磁束密度Bsは1.5Tであった。記録層16は、厚さが約12nmで、材料はCoCrPt合金、厚さ方向の核形成磁界Hnは270kA/m、飽和磁束密度Bsは0.5Tであった。中間磁性層18は、厚さが約18nmで、材料は記録層とは組成の異なるCoCrPt合金、厚さ方向の核形成磁界Hnは59kA/m、飽和磁束密度Bsは0.12Tであった。中間磁性層18と軟磁性層14との間にはRu(非磁性材)が厚さが約30nmで形成されていた。
又、データ領域におけるトラックピッチ(記録要素16A同士の径方向のピッチ)は約170nm、記録要素16Aの上面の幅(径方向の幅)は約85nmであった。凹部20の深さは18nmだった。即ち、記録層16の凹凸パターンの凹部20は中間磁性層18の厚さ方向の途中まで形成され、凹部20の底面20Aの全部が中間磁性層18の厚さ方向の途中の領域に位置していた。中間磁性層18における凹部20の底面20Aの下の部分の厚さは約12nmだった。
磁気カー効果特性測定工程(S102)では、以下のように条件を設定した。
光の波長:408nm
光のスポット直径:2mm
これにより前記図5に示されるような、外部磁場Hの大きさと反射光のカー回転角θkとの関係を示すヒステリシス曲線が得られた。
[比較例]
上記実施例に対し、前記図14に示されるような凹部20の底面20Aが記録層16の厚さ方向の途中の領域に位置している磁気記録媒体40について、実施例と同様に磁気カー効果特性測定工程(S102)を実行した。尚、凹部20の深さは6nmであった。又、他の条件は実施例と同じ条件とした。
これにより前記図13に示されるような、外部磁場Hの大きさと反射光のカー回転角θkとの関係を示すヒステリシス曲線が得られた。
実施例は図5に示されるようにヒステリシス曲線に段部Sが存在していた。一方、比較例は図13に示されるようにヒステリシス曲線に段部が存在しなかった。従って、ヒステリシス曲線の段部の有無に基づいて凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置しているか否かを判別できることが確認された。
[シミュレーション例1]
上記実施例及び比較例と同じ条件の2種類のシミュレーションモデル及びこれらと凹部20の深さが異なる4種類のシミュレーションモデルを作製した。具体的には、凹部20の深さが0、6、12、18、24、30nmである6種類のシミュレーションモデルを作製した。
磁気的ギャップ(記録要素16Aの上面と磁気ヘッドの下面とのギャップ)は18nmに設定した。又、線記録密度は970kbpiに設定した。他の条件は、上記実施例及び比較例と同じ条件に設定した。尚、記録層16の飽和磁束密度Bsは0.5に設定した。
以上の条件で記録再生のシミュレーションを実行し、各シミュレーションモデルのS/N比を算出した。凹部20の深さとS/N比との関係を表1及び図10に示す。
又、これら6種類のシミュレーションモデルに対し、記録層16の飽和磁束密度Bsを1.0に設定した6種類のシミュレーションモデルを作製し、シミュレーションを実行し、各シミュレーションモデルのS/N比を算出した。凹部20の深さとS/N比との関係を表1に併記する。
更に、上記6種類のシミュレーションモデルに対し、記録層16の飽和磁束密度Bsを0.3に設定した6種類のシミュレーションモデルを作製し、シミュレーションを実行し、各シミュレーションモデルのS/N比を算出した。凹部20の深さとS/N比との関係を表1に併記する。
Figure 0004687645
表1及び図10に示されるように、凹部20の深さが12nmよりも浅く、凹部20の底面20Aが記録層16の領域に位置する場合は、S/N比が相対的に低く、且つ、凹部20の深さが浅い程S/N比が低下する傾向があった。これに対し、凹部20の深さが12nm以上、30nm未満で凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置する場合は、S/N比は一定であり、S/N比は凹部20の深さが30nmで中間磁性層18が分割されている場合と同じ高い値であった。
即ち、分割されていない中間磁性層18が記録層16の下に設置されていても、凹部20の底面20Aが中間磁性層18の領域に位置すれば中間磁性層18が分割されている場合と同様の良好なS/N比が得られることが確認された。
[シミュレーション例2]
上記実施例に対し、凹部20の深さが12nmで凹部20の底面20Aが中間磁性層18の上面と一致し、記録層の飽和磁束密度Bsが1.0Tであり、中間磁性層18の飽和磁束密度Bsが0.0、0.05、0.1、0.15、0.2、0.3Tである6種類のシミュレーションモデルを作製した。
尚、シミュレーション例1と同様に磁気的ギャップ(記録要素16Aの上面と磁気ヘッドの下面とのギャップ)は18nmに設定した。又、線記録密度は970kbpiに設定した。他の条件は、上記実施例と同じに設定した。
以上の条件でシミュレーションを実行し、各シミュレーションモデルのS/N比を算出した。中間磁性層18の飽和磁束密度BsとS/N比との関係を図11に示す。
又、これら6種類のシミュレーションモデルに対し、記録層の飽和磁束密度Bsを0.3Tに設定した6種類のシミュレーションモデルを作製し、シミュレーションを実行し、各シミュレーションモデルのS/N比を算出した。中間磁性層18の飽和磁束密度BsとS/N比との関係を図12に示す。
図11及び図12に示されるように、記録層の飽和磁束密度Bsを1.0Tに設定した場合及び0.3Tに設定した場合のいずれの場合においても、中間磁性層18の飽和磁束密度Bsが0.15Tよりも大きい場合には、S/N比が相対的に低く、且つ、中間磁性層18の飽和磁束密度Bsが増大するにつれてS/N比が低下する傾向があった。これに対し、中間磁性層18の飽和磁束密度Bsが0.15T以下である場合は、S/N比は一定であり、且つ、中間磁性層18の飽和磁束密度Bsが0である場合と同じ高い値であった。
即ち、分割されていない中間磁性層18が記録層16の下に設置されていても、中間磁性層18の飽和磁束密度Bsが0.15T以下であれば中間磁性層が存在しない場合と同様の良好なS/N比が得られることが確認された。
尚、中間磁性層18の飽和磁束密度Bsが0.05Tよりも小さいとヒステリシス曲線における中間磁性層18や記録層16の核形成磁界Hnの判別が困難となり、これらに相当するヒステリシス曲線の段部、屈曲部の判別が困難となるので、中間磁性層18の飽和磁束密度Bsは0.05T以上であることが好ましい。
本発明は、例えば、ディスクリートトラック媒体、パターンド媒体等の、記録層が所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された磁気記録媒体に利用することができる。
本発明の実施形態に係る磁気記録再生装置の概略構造を模式的に示す斜視図 同磁気記録再生装置の磁気記録媒体の構造を模式的に示す径方向に沿う断面図 同磁気記録媒体の凹凸パターンの凹部深さ検査方法の概要を示すフローチャート 同検査に用いられるカー回転角測定装置の構成の概要を示すブロック図 本発明の実施例に係る磁気記録媒体に印加された外部磁場Hの大きさとカー回転角θkとの関係を示すヒステリシス曲線 図5の一部を拡大して模式的に示すグラフ 本発明の実施形態に係るヒステリシス曲線の他の例の一部を拡大して模式的に示すグラフ 本発明の実施形態に係るヒステリシス曲線の他の例の一部を拡大して模式的に示すグラフ 本発明の実施形態に係るヒステリシス曲線の他の例の一部を拡大して模式的に示すグラフ シミュレーション例1に係る凹部の深さとS/N比との関係を示すグラフ シミュレーション例2に係る中間磁性層の飽和磁束密度BsとS/N比との関係を示すグラフ シミュレーション例2に係る他のシミュレーションで算出された中間磁性層の飽和磁束密度BsとS/N比との関係を示すグラフ 比較例に係る磁気記録媒体に印加された外部磁場Hの大きさとカー回転角θkとの関係を示すヒステリシス曲線 比較例に係る磁気記録媒体の構造を模式的に示す径方向に沿う断面図
符号の説明
1…磁気記録再生装置
10…磁気記録媒体(被検査体)
12…基板
14…軟磁性層
16…記録層
16A…記録要素
18…中間磁性層
20…凹部
22…充填材
24…保護層
26…潤滑層
28…下地層
S…段部
S102…磁気カー効果特性測定工程
S104…凹部深さ判別工程

Claims (10)

  1. 基板と、該基板の上に形成された軟磁性層と、該軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層と、厚さ方向の核形成磁界の大きさが前記記録層の厚さ方向の核形成磁界の大きさと異なり該記録層及び前記軟磁性層の間に形成された中間磁性層と、を含み、前記中間磁性層の飽和磁束密度が前記記録層の飽和磁束密度よりも小さく、且つ、前記中間磁性層の飽和磁束密度が0.05〜0.15Tの範囲であり、前記凹凸パターンの凹部の底面が前記中間磁性層の領域に位置していることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項1において、
    前記中間磁性層の厚さ方向の核形成磁界の大きさが前記記録層の厚さ方向の核形成磁界の大きさよりも小さいことを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 請求項1又は2において、
    前記凹凸パターンの凹部に充填された透光性の充填材を更に含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 請求項において、
    前記記録要素の上面及び前記充填材の上面を被覆する透光性の保護層を更に含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の磁気記録媒体を有することを特徴とする磁気記録再生装置。
  6. 基板、該基板の上に形成された軟磁性層、該軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層及び厚さ方向の核形成磁界の大きさが前記記録層の厚さ方向の核形成磁界の大きさと異なり該記録層及び前記軟磁性層の間に形成された中間磁性層を含む被検査体の前記記録層側の面に光を照射すると共にその反射光を測定して磁気カー効果特性を測定する磁気カー効果特性測定工程と、該磁気カー効果特性の測定結果に基づいて前記凹凸パターンの凹部の底面が前記中間磁性層の領域に位置しているか否かを判別する凹部深さ判別工程と、を含むことを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
  7. 請求項において、
    前記凹部深さ判別工程において、前記磁気カー効果特性の測定結果に基づいて前記凹凸パターンの凹部の底面が前記記録層の領域、前記中間磁性層の領域、前記軟磁性層の領域のいずれの領域に位置しているかを判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
  8. 請求項6又は7において、
    前記磁気カー効果特性測定工程において前記被検査体に外部磁場をその大きさを変動させつつ印加して前記磁気カー効果特性としてカー回転角を測定し、前記凹部深さ判別工程において前記外部磁場の大きさ及び前記カー回転角の関係を示すヒステリシス曲線に基づいて前記凹凸パターンの凹部の底面の位置を判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
  9. 請求項において、
    前記凹部深さ判別工程において前記ヒステリシス曲線の段部の有無に基づいて前記凹部の底面が前記中間磁性層の領域に位置しているか否かを判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
  10. 請求項乃至のいずれかにおいて、
    前記磁気カー効果特性の測定により得られる核形成磁界の大きさに基づいて前記凹部の底面の位置を判別することを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法。
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